説明

舗装用コンクリート

【課題】 長期強度の発現性に優れるとともに、初期強度の発現性にも優れ、寿命が長く、かつ舗装作業の開始から極めて早期に交通開放をすることができる舗装用コンクリートを提供する。
【解決手段】高炉セメント類、BET比表面積が15〜25m/gのポゾラン質微粉末、および、ブレーン比表面積が3000〜12000cm/gの無水石膏を含む結合材を少なくとも含有するコンクリート組成物を硬化させてなり、材齢1日における曲げ強度が、3.5N/mm以上であることを特徴とする舗装用コンクリート、を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、舗装用コンクリートに関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路、幹線道路、生活道路等の舗装用材料として、舗装用コンクリート、舗装用アスファルト等が知られている。舗装用アスファルトは、舗装作業が比較的容易であって、舗装作業開始から交通開放までの期間を短縮することができるものの、舗装用コンクリートと比較すると耐久性に劣るため、路面にいわゆる「わだち掘れ」等が生じやすいという問題点がある。
【0003】
一方で、舗装用コンクリートは、道路の舗装以外にも、空港、港湾、工場敷地等の重荷重用の舗装として、また、ガレージ、通路等の軽荷重用の舗装として用いられたり、さらに、橋梁等のコンクリート床版の補強を目的とした増厚用コンクリートとして用いられたり、極めて広い範囲において使用されている。
【0004】
舗装用コンクリートは、舗装用アスファルトと比較すると耐久性に優れるため、路面にわだち掘れが生じ難く、また当該コンクリートを使用して道路を舗装すると、路面の色が明るくなり、夜間に運転する運転者に対して疲労感を感じさせ難い等の利点を有するが、コンクリート内の温度差により発生する応力、通行車両の輪荷重により発生する応力等により疲労し、いずれはひび割れ等が発生してしまうことが知られている。
【0005】
舗装用コンクリートにひび割れ等が発生してしまった場合には、新たに舗装用コンクリートを構築する必要があるが、コンクリートを用いた舗装作業には、コンクリートの打設、養生等の作業が困難であること、舗装作業の開始から交通開放までの期間が長期化すること、ひび割れ等により除去したコンクリートの処分が困難である等の問題がある。そのため、道路の修復等を目的とする舗装用コンクリートを使用した舗装作業の頻度を低減すべく、寿命の極めて長い舗装用コンクリートが望まれている。
【0006】
このような観点から、従来、セメント、ポゾラン質微粉末、所定の粒径を有する細骨材、減水剤及び水を含む配合物を硬化させてなる舗装用コンクリートが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−207402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載の舗装用コンクリートは、コンクリート打設後の長期における強度(例えば、材齢28日以降の強度(曲げ強度、圧縮強度))の発現性に優れ、寿命の長いものであるものの、コンクリート打設後の極めて初期における強度(例えば、材齢1日程度の強度(曲げ強度、圧縮強度))の発現性に劣るものであるため、舗装用コンクリートにおける舗装作業開始からの早期交通開放という課題を解決するには至っていなかった。
【0009】
上記問題点に鑑みて、本発明は、長期強度の発現性に優れるとともに、初期強度の発現性にも優れ、寿命が長く、かつ舗装作業の開始から極めて早期に交通開放をすることができる舗装用コンクリートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、高炉セメント類、BET比表面積が15〜25m/gのポゾラン質微粉末、および、ブレーン比表面積が3000〜12000cm/gの無水石膏を含む結合材を少なくとも含有するコンクリート組成物を硬化させてなり、材齢1日における曲げ強度が、3.5N/mm以上であることを特徴とする舗装用コンクリートを提供する(請求項1)。
そして本発明においては、上記高炉セメント類は、ポルトランドセメントクリンカ粉末、副材、および、ブレーン比表面積が3000〜12000cm/gの高炉スラグ粉末からなるものが好ましく(請求項2)、特に高炉セメントであることが好ましい(請求項3)。
【0011】
さらに、前記コンクリート組成物は、水結合比が12〜35質量%となるように、前記結合材と水とを含有する前記の舗装用コンクリートを提供する(請求項4)。
【0012】
舗装用コンクリートの設計基準強度は、曲げ強度で4.5N/mmと規定されており、舗装用コンクリートの打設後、交通開放可能となる曲げ強度は、配合強度の7割以上の曲げ強度(3.47N/mm以上)と規定されているが(2007年制定舗装標準示方書、土木学会舗装工学委員会編,2007年3月)、上記発明によれば、材齢1日において交通開放可能な曲げ強度以上の強度発現性を有するため、初期強度発現性に優れたものとすることができる。よって、上記発明に係る舗装用コンクリートを用いることで、舗装作業の開始から極めて早期に交通開放することが可能となる。
【0013】
上記発明においては、前記コンクリート組成物が、水結合材比が12〜35質量%となるように、前記結合材と水とを含有するのが好ましい。かかる発明のように水結合材比を低く設定することで、長期強度の発現性がより優れた舗装用コンクリートとすることができ、舗装用コンクリート(当該コンクリートで舗装された道路等)の寿命を長くすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、長期強度の発現性に優れるとともに、初期強度の発現性にも優れ、寿命が長く、かつ舗装作業の開始から極めて早期に交通開放をすることができる舗装用コンクリートを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の舗装用コンクリートは、上述のとおり、高炉セメント類と特定の混和材料を含む結合材を少なくとも含有するコンクリート組成物を硬化させてなるものである。
以下に、本発明について詳細に説明する。
【0016】
結合材について、結合材は、(A)高炉セメント類、(B)BET比表面積が15〜25m/gのポゾラン質微粉末、および、(C)ブレーン比表面積が3000〜12000cm/gの無水石膏からなる混合物である。なお、以下、ポゾラン質微粉末、および/または、無水石膏を「混和材」という。
次に、前記(A)〜(C)の各成分について説明する。
【0017】
(A)高炉セメント類
本発明で用いる高炉セメント類としては、少なくとも、(A1)高炉スラグ粉末、(A2)セメントクリンカ粉末、および、(A3)副材を含む混合物や、高炉セメント(A種、B種およびC種)などが挙げられる。
以下に、前記(A1)〜(A3)の各成分について説明する。
【0018】
(A1)高炉スラグ粉末
前記高炉スラグ粉末は、高炉セメントに由来する高炉スラグ粉末のほか、高炉セメントに由来しない、コンクリートの機能向上等を目的に別途添加する高炉スラグ粉末も含む。該高炉スラグ粉末には、JIS A 6206に規定するコンクリート用高炉スラグ微粉末のほか、更にこれらの微粉末を粉砕したものが含まれる。
該高炉スラグ粉末の粉末度は、好ましくは、ブレーン比表面積が3000〜12000cm/gであり、より好ましくは、4000〜10000cm/gである。該比表面積が3000cm/g未満では潜在水硬性が低く、12000cm/gを超えると、粉砕の手間が増大してコスト高になる。
なお、前記高炉スラグ粉末を含め、本発明で用いる粉末を調製するための粉砕手段として、ボールミルやロッドミルなどが使用できる。
【0019】
(A2)セメントクリンカ粉末
本発明で用いるセメントクリンカ粉末として、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、および、耐硫酸塩ポルトランドセメントなどのポルトランドセメントのクリンカ粉末、および、普通エコセメントのクリンカ粉末から選ばれる、少なくとも1種以上が挙げられる。これらの中でも、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、または、超早強ポルトランドセメントのクリンカ粉末は、早期に強度を発現することができる。また、中庸熱ポルトランドセメントのクリンカ粉末は、化学抵抗性や長期の強度が向上する。
また、前記セメントクリンカ粉末は、部分的に水和したものも含む。部分的に水和したセメントクリンカを含む結合材は、舗装用コンクリートの流動性が向上するため好ましい。この部分水和の程度は、強熱減量で示せば0.5〜5.0%である。この部分水和は、例えば、セメントクリンカ粉末や、高炉セメントなどのセメント粉末に、水を添加して撹拌し混合するか、または、これらの粉末を相対湿度80%以上の雰囲気下に1週間以上保持する等により行われる。
【0020】
また、セメントクリンカ粉末のブレーン比表面積は、好ましくは、3000〜5000cm/gであり、より好ましくは、3100〜4800cm/gである。
該値が3000cm/g未満では強度発現性が低く、5000cm/gを超えると粉砕に手間がかかりコスト高になる。
前記ポルトランドセメントクリンカ粉末は、好ましくは、CSを45〜80%、および、CAを4〜20%含むものであり、より好ましくは、CSを50〜75質量%、および、CAを5〜15%含むものである。CSの含有率が45〜80質量%、および、CAの含有率が4〜20質量%の範囲を外れると、舗装用コンクリートの強度発現性が低下する場合がある。
【0021】
(A3)副材
本発明において、副材とは、二水石膏、半水石膏、および、石灰石粉末から選ばれる、少なくとも1種以上である。
ここで、前記石膏として、天然二水石膏、排煙脱硫石膏、リン酸石膏、チタン石膏、フッ酸石膏、精錬石膏、および、半水石膏から選ばれる、少なくとも1種以上が挙げられる。
該石膏のブレーン比表面積は、好ましくは、2000〜10000cm/gであり、より好ましくは2500〜8000cm/gである。該値が2000〜10000cm/gの範囲において、舗装用コンクリートの流動性や強度発現性が高くなる傾向がある。
また、前記石灰石粉末は、舗装用コンクリートの流動性や強度発現性を向上させる効果があり、該効果を有効に発揮するためには、石灰石粉末のブレーン比表面積は、好ましくは、2500〜10000cm/gであり、より好ましくは、3000〜10000cm/gであり、さらに好ましくは、4000〜9000cm/gである。
【0022】
前記高炉セメント類の中でも、高炉セメントが好ましく、高炉セメントA種またはB種がより好ましく、強熱減量が1.0%以上(より好ましくは1.3%以上、さらに好ましくは1.5%以上)の高炉セメントがさらに好ましく、強熱減量が1.0%以上(より好ましくは1.3%以上、さらに好ましくは1.5%以上)の高炉セメントA種またはB種が特に好ましい。
【0023】
(B)ポゾラン質微粉末
ポゾラン質微粉末は、単独では水硬性はないが、水酸化カルシウムがあれば、水中で反応して不溶性のゲルを生成し硬化する物質である。
そして、本発明で用いるポゾラン質微粉末として、例えば、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、火山灰、シリカゾル、沈降性シリカなどが挙げられる。これらの中でも、シリカフュームやシリカダストは、その平均粒径が1μm以下であって粉砕する必要がないため好適である。
また、該ポゾラン質微粉末のBET比表面積は、通常、15〜25m/gであり、好ましくは17〜23m/g、より好ましくは18〜22m/gである。該比表面積が15〜25m/gの範囲を外れると、コンクリートの流動性や強度発現性が低下する場合がある。
【0024】
(C)無水石膏
本発明で用いる無水石膏は、天然無水石膏のほか、石膏ボードなどの石膏廃材を加熱処理して得られる再生無水石膏が挙げられる。
また、無水石膏の粉末度は、通常、ブレーン比表面積が3000〜12000cm/gであり、好ましくは4000〜10000cm/gである。該比表面積が3000cm/g未満では、コンクリートの強度発現性が低く、12000cm/gを超えると、粉砕の手間が増大してコスト高になる。
【0025】
結合材中の各成分について説明する。
本発明に用いる結合材は、上記のとおり、(A1)高炉スラグ粉末、(A2)セメントクリンカ粉末、(A3)副材、(B)ポゾラン質微粉末、および、(C)無水石膏の各成分からなり、前記各成分の含有率は以下のとおりである。
(A1)成分の含有率は、4〜40%が好ましく、6〜30%がより好ましい。該含有率が4〜40%の範囲にあれば、舗装用コンクリートの長期強度発現性と耐久性が向上する。
(A2)成分の含有率は、40〜90%が好ましく、50〜80%がより好ましい。該含有率が40〜90%の範囲にあれば、舗装用コンクリートの強度発現性が向上する。
(A3)成分の含有率は、7%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。該含有率が7%を超えると、その分、他の成分が少なくなり、舗装用コンクリートの長期強度発現性が低下する場合がある。
(B)成分の含有率は、1〜30%が好ましく、2〜20%がより好ましい。該含有率が1〜30%の範囲で、舗装用コンクリートの耐久性が向上する。
(C)成分の含有率は、1〜20%が好ましく、3〜18%がより好ましい。該含有率が1〜20%の範囲で、舗装用コンクリートの強度発現性が向上する。
【0026】
結合材以外の材料について説明する。
結合材以外の材料としては、細骨材、粗骨材、減水剤及び水が挙げられる。細骨材としては、特に限定されず、例えば、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、スラグ細骨材、軽量細骨材等、または、これらの混合物が挙げられる。
細骨材の配合量は、舗装用コンクリートの作業性や強度発現性、寿命などから、結合材100質量部に対して、1〜250質量部、より好ましくは30〜220質量部である。
【0027】
粗骨材としては、特に限定されず、例えば、砂利、砕石、スラグ粗骨材、軽量粗骨材等、または、これらの混合物が挙げられる。
粗骨材の配合量は、舗装用コンクリートの作業性や強度発現性、寿命などから、結合材100質量部に対して、80〜420質量部、より好ましくは120〜320質量部である。なお、粗骨材や細骨材は、天然骨材のほか再生骨材も用いることができる。
【0028】
水も特に限定されず、水道水やスラッジ水等を用いることができる。
水結合材比(W/P:100×水の質量/結合材の質量)は、通常12〜35質量%であり、好ましくは13〜30質量%である。水結合材比が12質量%未満では、舗装用コンクリートの作業性が低下し、作業性を向上させるために減水剤の配合量を増やした場合は舗装用コンクリートの初期強度の発現性が低下するおそれがある。水結合材比が35質量%を超えると、舗装用コンクリートの初期強度の発現性が低下するおそれがある。
【0029】
減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系等の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤または高性能AE減水剤を使用することができる。これらのうち、減水効果の大きな高性能減水剤または高性能AE減水剤を使用することが好ましく、特に、ポリカルボン酸系の高性能減水剤または高性能AE減水剤を使用することがより好ましい。
減水剤の配合量は、舗装用コンクリートの作業性や強度発現性、寿命などから、結合材100質量部に対して、固形分換算で好ましくは0.05〜1質量部、より好ましくは0.1〜0.8質量部である。
なお、減水剤は、液状と粉末状のいずれでも使用することができる。
【0030】
なお、本発明の舗装用コンクリートには、上記材料の他に、収縮低減剤、AE剤、膨張材、顔料などを含んでもよい。
【0031】
本実施形態に係る舗装用コンクリートは、上記コンクリート組成物を混練し、施工現場
(道路等)に敷設し、養生して硬化させることにより得られる。養生方法としては、例えば、養生シートを用いた加温養生、蒸気養生等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
このようにして得られる舗装用コンクリートは、材齢1日において交通開放に必要な3. 47N/mm以上の曲げ強度(初期曲げ強度)を発揮することができ、好ましくは舗装用コンクリートの設計基準強度である4.5N/mm以上の曲げ強度を発揮することができる。また、上記舗装用コンクリートは、材齢28日以降において8.5N/mm以上の曲げ強度(長期曲げ強度)を発揮することができ、好ましくは9.5N/mm以上の曲げ強度を発揮することができる。
【0033】
さらに、上記舗装用コンクリートは、材齢1日において20N/mm以上の圧縮強度(初期圧縮強度)を発揮することができ、好ましくは30N/mm以上の圧縮強度を発揮することができる。さらにまた、上記舗装用コンクリートは、材齢28日以降において110〜135N/mmの圧縮強度(長期圧縮強度)を発揮することができ、好ましくは125〜135N/mmの圧縮強度を発揮することができる。
【0034】
このように、本実施形態に係る舗装用コンクリートは、舗装用コンクリートの要求強度 (曲げ強度:4.5N/mm以上)を満足することができるとともに、優れた初期強度(圧縮強度及び曲げ強度)の発現性能を奏し得るため、本実施形態に係る舗装用コンクリートを用いて舗装作業を開始してから極めて早期に交通開放をすることができる。また、本実施形態に係る舗装用コンクリートは、優れた長期強度の発現性能をも奏し得るため、わだち掘れ等が生じ難く、寿命の極めて長いものとすることができる。
【0035】
上述したように、本実施形態に係る舗装用コンクリートは、初期強度及び長期強度の発現性に優れるものである。したがって、本実施形態に係る舗装用コンクリートによれば、道路等の舗装用として十分な強度発現性能を発揮し得るとともに、舗装作業開始から交通開放までの期間を極めて短縮することができる。
【0036】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0037】
上記実施形態に係る舗装用コンクリートは、極めて初期(材齢1日程度)における強度(曲げ強度、圧縮強度)及び長期強度の発現性に優れるため、橋梁等のコンクリート床版の補強を目的とした増厚用コンクリートとしても使用することができる。
【実施例】
【0038】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.使用した材料
(1)BET比表面積20m/gのシリカフューム
(2)ブレーン比表面積4000cm/gの天然無水石膏
(3)高炉セメントB種
強熱減量1.1%、太平洋セメント社製。
以下の成分および組成からなるセメントである。
(i)ブレーン比表面積4500cm/gの高炉スラグ粉末:40%
(ii)ブレーン比表面積3300cm/gの普通ポルトランドセメントクリンカ粉砕物:56%
(iii)ブレーン比表面積4000cm/gの二水・半水石膏:2.2%(SO換算)。ただし、二水石膏/半水石膏=1/1(質量比:SO換算)
(4)普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)。
以下の成分および組成からなるセメントである。
(i)ブレーン比表面積3300cm/gの普通ポルトランドセメントクリンカ粉砕物:96%
(ii)ブレーン比表面積4000cm/gの二水・半水石膏:2%(SO換算)。
ただし、二水石膏/半水石膏=1/1(質量比:SO換算)
ちなみに、該セメントの鉱物組成は、CSが63質量%、CSが11質量%、CAが9質量%、CAFが9質量%である。
【0039】
(5)細骨材
静岡県掛川市産の山砂
(6)粗骨材
茨城県桜川市産の硬質砂岩砕石1305
(7)減水剤
ポリカルボン酸系高性能AE減水剤(BASFポゾリス社製、固形分28%)
【0040】
表1に、普通ポルトランドセメント及び/又は高炉セメントB種(普通セメントクリンカ粉末部と高炉スラグ粉末部に分けて記載)を含めた結合材の組成を、表2に舗装用コンクリート組成物の単位量と、スランプ値、強度データを示す。
【0041】
〔圧縮強度の測定〕
上述のようにして作製された舗装用コンクリート組成物(実施例1〜10、比較例11〜14)について、JIS−Al108に準拠して圧縮強度を測定した。
【0042】
〔曲げ強度の測定〕
上述のようにして作製された舗装用コンクリート組成物(実施例(1〜10)、比較例(11〜14))について、JIS−Al106に準拠して曲げ強度を測定した。
【0043】
実験例1〜10については、舗装用コンクリートとして、良好な施工性と強度物性が得られた。
【0044】
【表1】

【0045】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0046】
長期強度の発現性に優れるとともに、初期強度の発現性にも優れ、寿命が長く、かつ舗装作業の開始から極めて早期に交通開放をすることができる舗装用コンクリートとすることができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
高炉セメント類、BET比表面積が15〜25m/gのポゾラン質微粉末、および、ブレーン比表面積が3000〜12000cm/gの無水石膏を含む結合材を少なくとも含有するコンクリート組成物を硬化させてなり、材齢1日における曲げ強度が、3.5N/mm以上であることを特徴とする舗装用コンクリート。
【請求項2】
上記高炉セメント類が、ポルトランドセメントクリンカ粉末、副材、および、ブレーン比表面積が3000〜12000cm/gの高炉スラグ粉末からなる、請求項1記載の舗装用コンクリート。
【請求項3】
上記高炉セメント類が高炉セメントである、請求項1又は2記載の舗装用コンクリート。
【請求項4】
前記コンクリート組成物は、水結合比が12〜35質量%となるように、前記結合材と水とを含有する請求項1〜3に記載の舗装用コンクリート。


【公開番号】特開2012−219001(P2012−219001A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89608(P2011−89608)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000000240)太平洋セメント株式会社 (1,449)
【Fターム(参考)】