説明

航空機のセキュリティおよび抗ハイジャック介入用装置、システムおよび方法

【課題】
【解決手段】 ユーザを同定するセキュリティ機構であって、特定の航空機にアクセスして飛行させる権限を与えられた人物などの、権限を与えられたユーザにアクセスと操作を制限する。このセキュリティ機構は、コントローラにアクセスし、操作しようとしているユーザを同定する一又はそれ以上のセキュリティデバイスと;同定されたユーザがコントローラにアクセス又は操作する権限を与えられているかどうかを決定する一又はそれ以上のモニタデバイスと;を具える。航空機を安全に操作する方法も開示されている。この方法は、航空機へのアクセスを制限し、敵対する状況の可能性が検出された場合に航空機の遠隔操作を行うプロトコルを具える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の属する技術分野
本発明は、一般的にセキュリティ機構及び方法に関し、特に、航空機のセキュリティ機構および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
航空業界は、半世紀以上にわたって、多数の旅行者をデイリーベースで世界中の到着地に輸送してきた。この間の航空業界の主な問題は、旅客と航空機の安全を維持することであった。長い年月の間に、一般公共の、ほとんどの航空会社の旅客は、航空会社の安全性に肯定的な感覚を持っていた。統計的にいえば、空の旅は、その他の安全であるとされている行動より安全であると考えられている。たとえば、自動車事故や拳銃事故、火事などに巻き込まれる人の数は、航空機事故に巻き込まれる人より多い。たまに起こるハイジャックは、最終的に旅客は傷つかず、航空機のダメージもないため、重大な脅しであるとは考えられていなかった。
【0003】
空の旅に対する姿勢は、ニューヨーク州ニューヨークの世界貿易センターと、ワシントンDCのペンタゴンが想像もできなかったようなテロリストの攻撃目的となった2001年9月11日の朝に変わった。当日、ハイジャッカは4台の別々の航空機の制御を奪って、そのうちの3台を大量殺人兵器としてビル内へ突撃させ、そのビルと周辺のビルと、3台の航空機全てを破壊した。4台目の航空機は、航空機を取り戻すために旅客が勇敢に戦ったものの、ピッツバーグ郊外の野原に激突した。悲劇的なことに、4台すべての航空機の乗客全員と地上にいた何千人もの人々がその日亡くなった。
【0004】
「911」の余波の結果、現在は、航空機のハイジャックを防止しようとして、航空会社のセキュリティの改善がかつてより大幅に強化されている。この努力はほとんど、チェックインの際により厳重な検査を行う、武装した係りの者を搭乗させる、飛行機の乗客領域とコックピット領域を分けるドアをより安全なものにするなど、ハイジャック成功のチャンスを減らすことに向けられている。しかしながら、これらの努力は、ハイジャッカが航空機の制御を奪うという、問題の源にほとんど迫っていない。
【0005】
この観点から、航空機のハイジャックの発生を減らすことができる方法を改善する必要がある。
【0006】
発明の概要
本発明によれば、一の実施例では個人を同定するセキュリティ機構を具え、所定の航空機を操縦する権限が与えられている人物など、権限のある者のみに操作を制限するようにした。このセキュリティ機構は、ユーザによって動作可能なコントローラと、このコントローラを動作させようとするユーザを同定する一またはそれ以上のセキュリティデバイスと、前記同定されたユーザが前記コントローラを操作する権限があるかどうかを決定する一またはそれ以上のモニタデバイスを具える。
【0007】
本発明はまた、航空機を安全に操作する方法に関するものであり、敵対的状態になる可能性のある場合に、自動的なあるいは遠隔のコントロールができる方法を具える。本発明は、また航空機へのアクセスを制限し、航空機にアクセスを試みている人物を認証し、航空機へのアクセスが与えられた人物を分類する方法に関する。
【0008】
発明の記載
本発明の実施例によれば、航空機、自動車あるいはその他の装置またはシステムへのアクセスおよび操作を権限のある人物にのみ制限する装置、システムおよび方法を開示する。この航空機の操作を制限する目的のためには、一般的に、図1に示すように、コントローラ112がユーザによって操作することができ、生物測定リーダなどの一またはそれ以上のセキュリティデバイス114がコントローラ112に関連して設けられており、コンピュータなどの一またはそれ以上のモニタシステム116が前記セキュリティデバイス114と通信するように設けられており、一またはそれ以上の制御機構118が前記モニタシステム116と通信するように設けられている。たとえば、指紋、網膜、顔の特徴、DNA特性など、あらゆる好適な生物測定特性を、航空機の操作を制限する目的に利用することができる。一またはそれ以上の生物測定リーダ114は、コントローラ112に載置するあるいは組み込む、あるいは別のデバイスとして、といったさまざまな方法で用いることができる。以下に、飛行機あるいはヘリコプタなど、航空機に適用した例示的な実施例を述べる。
【0009】
図2は、指紋リーダおよび網膜リーダの形式の生物測定リーダ119および121が、航空機のコントローラなどのコントロール112に関連している実施例の斜視図である。一の好ましい実施例では、指紋リーダ119がパルスセンサも組み込んだタイプのものである。図に示す実施例では、指紋/パルスリーダ119が、コントロールアーム122aと122bの一方、あるいは双方に設けられている。網膜リーダ121は、二つの直立型コントロールアーム122a/122bの間の中央に配置されている。理解されるように、指紋/パルスリーダ119と網膜リーダ121は、指紋/パルスリーダ119を別の部材に関連させる、あるいは網膜リーダ121をコックピット内の別の位置に載置するなど、所望の別の位置で用いることもできる。指紋/パルスリーダ119と、網膜リーダ121は、市場で入手可能なあらゆる部材などの従来のデバイスであってもよく、あるいは、所望の場合、特別に作られたハードウエア及び/又はソフトウエアであってもよい。理解されるように、所望の場合は代替として別のタイプの生物測定センサを用いてもよい。図3に、コントロール312の別の例示的な実施例を示す。この実施例では、指紋/パルスリーダ319は、ユーザの指をおく一連になった4つの内側に丸い部分330と、親指リーダ332を具える。その他の部分は図2に示すものと同様である。理解されるように、コントロールは、図2および図3に示すデザインに限定されると考えるべきでなく、別の形状と構成を具えるものであってもよい。たとえば、単一のストレートアーム、円形ステアリングホイールタイプのデザイン、又はT字型であってもよい。
【0010】
さらに、図2に示すコンピュータなどの一またはそれ以上のモニタリングシステム116が、指紋/パルスリーダ119と網膜リーダ121と通信するように設けられていることが好ましい。ここで使用されている「コンピュータ」の用語は、情報を受信し、送信し及び/又は使用することができ、限定するものではないが、プロセッサ、マイクロプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ネットワークサーバ、ネットワークを通じて並列処理を行う分散コンピューティングシステム、ネットワークコンピューティング、メインフレームを含むと、広く解釈すべきである。
【0011】
上述したとおり、モニタリングシステム116も、たとえば、コントロール112、コントロール112で制御されるすべてのシステム、自動操縦制御システム、航空機に配置された及び/又は一またはそれ以上の生物測定センサ内に組み込まれたGPSチップなどの全地球測位システム(GPS)、あるいは、航空機に設けたあらゆる従来のシステムなど、航空機の一またはそれ以上の制御機構118と通信することが好ましい。モニタシステム116は、航空機内に搭載しているコンピュータシステムを具えていてもよく、または、航空機自体に、または航空運行管理センタなどの航空機の外の所定の位置に配置されている別のコンピュータシステムを具えていてもよく、これは、機内のコンピュータシステムに通信するかあるいは航空機のセキュリティデバイス114及び/又は制御機構118と直接通信する。
【0012】
さらに、モニタシステム116は、たとえば航空機の制御機構118の所定の機構など、航空機の特定の動作を制御するために、指紋/パルスリーダ119及び/又は網膜リーダ121から受信したデータに応答するように権限のある人物によってプログラムされていてもよい。いくつかの例示的な実施例では、モニタシステム116は特別な課題用に航空機を操縦する許可を所定の人物に与えるようにプログラムされている。たとえば、所定のフライトの所定の操縦士および副操縦士にのみ航空機を操縦させる能力を許可する、所定の乗員に、航空機のビーコンシステムをオン及び/又はオフする能力を許可する、所定の地上乗務員とメンテナンス要員に航空機をサービスする能力を与える、などである。このように、所望の場合、さまざまなタイプの許可をさまざまなカテゴリの人物に与えることができる。航空機の操縦に制限が必要なところにはどこでも生物測定センサを利用することができる。たとえば、ビーコンコントロールシステムの操作や指定の領域へのアクセスには、航空機を操縦させるために生物測定認証が要求されるところで利用できる。例えば、航空機自体に、コックピット領域内及び/又は航空機の下の貨物領域などのストレージコンパートメントへのアクセスする、サボタージュに無防備な航空機のあらゆる領域へのアクセスを提供する生物測定インターロックドア、パネル、及び/又はハッチなどを介して、所定の領域へのアクセスに生物測定認証が要求されるところで利用できる。この実施例及びその他の実施例では、たとえば、権限のない人物が飛行機を操縦しようとする、飛行機が正常なコースから外れるといった、航空機で生じるさまざまな出来事に反応して、たとえば地上コントロールなどの所定の位置へ位置情報を送ることによって、GPSシステムを稼動させることができる。本実施例の例示的なアプリケーションを、図4のフローチャートに示し、この詳細を以下に述べる。
【0013】
図4のステップ210に示すように、フライトの前に、あらかじめ権限を授けられたパイロットと乗員は、機内のコンピュータなどの、所定のモニタリングシステム116に指紋と網膜の生物測定情報をロードしている。上述したとおり、航空機にあるいは航空機の外に配置した別のコンピュータシステムを用いてもよい。ロードされた生物測定データは、個人個人からあらかじめ採取されており、電子フォームでデータベースに保存しておいて、飛行機のコンピュータに転送するようにしてもよい。代替的に、ロードするべき生物測定データは、搭乗時など、現場でこれらの人物から読み取るようにして、その時点で機内のコンピュータシステム内にロードするようにしてもよい。さらに、破線で囲ったステップ212に示すように、所望の場合に、機内に乗り込む前に操縦士と乗員から得たアイデンティティを認証するために、所定の人物の保存されている生物測定データと比較することのできる指紋チェックなど別の生物測定チェックを実行してもよい。
【0014】
ステップ214に示すように、操縦士はコントロール112を保持することが要求されるので、操縦士の指紋/パルスを指紋/パルスリーダ119によって検出し、アイデンティティを認証する単純なモニタリングシステム116に通信することができる。権限が与えられた操縦士は、ステップ216に示すように航空機を操縦することができる。さもなければ、ステップ218に示すように、コントロール112は正常に機能せず、その人物は飛行機を操縦することができない。たとえば、一の実施例では、モニタシステム116は、ステップ220に示すように自動操縦モードにキックバックする。ここで用いられている「操縦」なる用語は、エアフライトと同様に、航空機のスタートアップ、航空機を固定位置から移動させる、航空機の離陸、着陸、航空機のタキシングといった航空機のフライトのあらゆる曲面に言及すると広く解釈すべきである。従って、その他の例示的な実施例では、航空機が地上にある場合、たとえば、モニタシステム116は権限のない操縦士が検出された場合は、たとえば、エンジンをかけられないようにする、コントロール112をロックするなどして、離陸を禁止するように動作する。さらに、権限のない人物が航空機を飛ばそうとしてコントロール112の上に手を置くと、ステップ222に示すように、たとえば、モニタシステム116が権限のない操縦士を通知する、あるいは災害警報信号を地上コントロールに送るなどして、その情報を所定の当局に通信するようにする。同時に、モニタシステム116は、ステップ224に示すように、権限のない人物の生物測定データを所定の当局に送って、次の生物測定チェックを実行してその人物のアイデンティティを取り出すようにすることもできる。この実施例では、指紋/パルスリーダ119のパルスセンサが作動して、パルスが存在するか否かといったコントロール112を握っている人物の状態に関する更なる情報を検出して、コントロールの上におかれた手が生きている人物のものであることを認識する、または、パルスが早い、あるいは不規則な場合は、その人物が弱っていることを認識する。ステップ226に示すように、モニタシステム116は、通常でないパルスを読み出した場合は、操縦士が弱っていることの通知、あるいは災害警報などで、地上コントロールなどの当局に通知するようにプログラムしてもよい。
【0015】
さらに、網膜リーダ121も、自動操縦とする、あるいは自動操縦を解除する権限を与えるようにモニタシステム116と通信する、追加のセキュリティレベルとして本実施例で用いることができる。たとえば、ステップ228−232に示すように、網膜リーダ121は権限のあるパイロットが席についているかどうかを認証することができ、所望であれば、自動操縦を解除することを許可してその情報に基づいて次の動作を制御することができる。所望の場合は、網膜リーダ121に代えて別の好適な生物測定デバイスを使用することができる。たとえば、熱署名(Heat Signature)デバイス、操縦士席に配置したカメラなどである。所定の実施例では、網膜リーダ121は、特定の場合に、指定された人物の網膜の生物測定読み取りを行うことができるように構成した一又はそれ以上の商業的に入手可能なカメラを具えていてもよい。たとえば、そのカメラは動作が感知される度に生物測定読取りを行うように始動される種類のカメラであってもよい。たとえば、そのカメラをコックピット領域に載置して、操縦士が移動する度に網膜の読み取りを行うように動作させることができる。さらに、同じカメラで、あるいは別のカメラを設けて、網膜の読み取りを行うと同時に所定の人物の写真を撮影することができる。所望の場合は、操縦士用、副操縦士用というように、複数のカメラを用いることもできる。さらに、本実施例およびその他の実施例では、たとえば、権限のない人物がコントローラを握ったり、あるいは特定の領域にアクセスしようとして、不規則パルスが検出されたり、その他の弱った状態が検出される場合は、所望の回数、所定の人物の写真を撮るようにアクティベートすることができる。この写真はその他のあらゆる所望の情報と共に、サテライト、セルラ、あるいは個人用送信機などで、所望の場所に送信することができる。所望の場所の例は、限定するものではないが、上述したとおり、航空会社、アメリカ国防総省及び/又は米国国土安全保障省などである。
【0016】
いくつかの実施例では、当然、あるいは緊急の場合に、もともと権限のなかった所定の人物に航空機の操縦を制限して権限を与える、あるいは全権を与えることが必要なことがある。たとえば、ある乗員が病気になった、あるいはフライト中に資格がなくなったというような場合に、たとえば非番の乗員や、いずれかの乗客など、更なる人物に所定の航空機を操作する権限を与えて、航空機を操縦する必要がある。このような場合、航空機を操作する権限を与える前に、生物測定チェックを行って、追加する人物のアイデンティティを認証することができる。生物測定チェックは、航空機の上で行って、機内のコンピュータに含まれている航空機に保存されている生物測定情報、あるいは、この航空会社、航空業界、あるいは中央の報告データベースなど、航空機の外に位置するデータベースに保存されている生物測定情報と比較することができる。生物測定チェックは、指紋/パルスリーダ119及び/又は網膜リーダ121など、航空機内の別の生物測定デバイスを用いることによって、あるいは、上述した既存の生物測定デバイスのいずれかを用いることによって行うことができる。
【0017】
いくつかの実施例では、フライトマネージメントシステム(Flight Management System: FMS)または遠隔ステーションが、例えば高度、コースおよびGPSデータを用いて航空機のフライトの進行をモニタすることができる。FMSは、コンピュータシステムであり、モニタシステム116の一部として、モニタシステムに一体化されているか、あるいは独立して設けられている。FMSは、メモリにあらかじめ記録されているフライトプランと、フライトの進行に関するデータを比較することができる。このような実施例では、FMS、モニタシステムあるいは遠隔ステーションは、正しい処置を求めて、地上コントローラ、あるいはその他の当局にフライトプランから外れたことを警告することができ、あるいはFMSは飛行禁止空域あるいは飛行制限空域へ入らないように、あるいは敵対的状況の可能性が検知される場合、航空機の自動制御を行うことができる。
【0018】
図5は、このようなシステムがどのように動作するかを示すフローチャートである。ボックス402は、例えば、自動運行が関与しているコンピュータ案内モードにおけるフライト状況にあるか、あるいは航空機搭載フライト情報システム(AFIS)を通じて地上コントロールにモニタされているフライト状況にあるかを示す。AFISは、航空機と地上コントローラ間の通信を提供して、フライトプランを遠隔的にモニタできるようにする。AFISは、コース、高度及び位置といったフライト関連のデータと、モニタシステム116から受信した情報を自動的に地上コントローラあるいはその他の当局に送信できるように構成されており、パイロットやクルーとの対話なしでコントローラや当局からの指示を受信することができる。
【0019】
フライト操作中は、荒れ模様の天気、フライトトラフィックの密集、フライト路における障害、鳥の衝突など、様々な理由でコースの変更あるいはフライトプランからの逸脱が求められる。ボックス404にあるようにコースの変更が必要な場合、この方法の次のステップは、権限のあるパイロットが航空機のコントローラ112にいるか否かに依存する。ステップ406に示すとおり、上述した生物測定リーダ114、指紋/パルスリーダ119、網膜リーダ121などを用いて、権限のあるパイロットがコントローラ112にいるかどうかを決定することができる。
【0020】
権限のあるパイロットがコントローラ112にいる場合、提案されたコースの変更を地上コントローラに通知するのに十分な時間があるかどうかについての決定408がなされる。提案されたコース変更を地上コントロールに通知するのに十分な時間がある場合は、ステップ410にあるように、地上コントロールは通知を受けることができる。提案されたコース変更が地上コントローラによって適当であるとされた場合、ステップ412でコース変更プランが承認され、ステップ414に示すように新しいフライトプランが作られて、航空機にアップロードされる。ステップ416においてこの新しいフライトプランが有効になると、コンピュータガイドのフライトモード(予約されていれば)を、ステップ418にあるように解除できる。承認されたコース変更は、ステップ420でパイロットによって開始される。
【0021】
コースの変更がなされている間、ステップ422にあるように、地上コントローラはAFISから受信したデータを介して、パイロットとのボイス通信を介して、及び/又は、コックピットカメラを介して、航空機のコントロールを査定することができる。航空機のコントロールの状態の査定は、権限のあるパイロットが指揮を取っているか、あるいは権限のない敵対の可能性のある人物が航空機のコントロールを握ったかどうかの査定を含むことができる。査定の一部として使用することができるAFISからの受信データは、指紋/パルスリーダ119および網膜リーダ121などのセキュリティデバイス114から通信されてきた情報を含んでいても良い。敵対的状況の可能性が除外できない場合は、以下に述べるように、脅迫の可能性を考えることができる。
【0022】
ステップ424に示すように、航空機のコントロール状態が受け入れ可能に見える場合は、変更がなされたときに自動航行(フライトマネージメントガイダンスコンピュータ)を予約、あるいは再予約することができ、ステップ426に示すようにパイロットは新しいフライトプランを評価することができる。ステップ428に示すように、変更されたフライトプランと航空機のコントロールは、地上コントローラ、その他の当局及び/又はモニタシステム116によって査定することができる。このステップは、新しいフライトプランが、限定するものでなく、原子力プラントなどの発電プラント、軍事基地、首都とホワイトハウスなどの政府領域、ナショナルモニュメントといった、いずれかの飛行禁止空域あるいは飛行制限空域のいずれかに受け入れることができないほど近くへ航空機を連れてゆくものであるかどうかの査定を含む。飛行禁止空間の査定は、図6についての下記に述べる方法に従って説明することができる。変更したフライトプランが了承されると、航空機はボックス402に示すように通常の操作を再開できる。
【0023】
地上コントロールまたはその他の当局が、フライトの進行、新しいフライトプラン、または航空機の制御が受け入れがたい場合、航空機の制御を地上または、追尾する飛行機など、その他の航空機から離れた位置から行うようにしても良い。代替的に、航空機のコントロールを、その航空機に搭載した自動システムによって行うこともできる。いずれの場合でも、ステップ430にあるように、航空機のコントロールは、少なくとも部分的にパイロットから離れる。航空機の制御は、様々な手段を用いて行うことができる。このような手段の例には、運用管理ユニット(MMU)または二次FMSの規定が含まれる。MMUは、地上から無線あるいはサテライト通信を介して航空機に命令するために、搭載されたFMSと航空機制御システム切り離しを地上コントローラに許す制御システムである。二次FMSは、飛行中に敵対的イベントが生じた場合に、指導することができる変更不可能なフライトプランあるいは条件次第で変更できるフライトプランを用いてあらかじめプログラムすることができる。二次FMSが予約されている場合、パイロットまたは権限のないユーザによって企てられたコマンドあるいはコントロール、または選択されたコマンドのいずれも切り離すことができる。変更不可能なフライトプランは二次FMS内に、あらかじめ選択された安全な高度または場所に航空機を飛行させるインストラクションを用いてハードプログラムすることができる。航空機コントロールの実行は、敵対的イベントに感づいたときにいつでも、MMU、二次FMSあるいはその他のコントロールデバイスによって行うことができる。
【0024】
地上から、航空機から離れた別の位置から、あるいは二次FMSによって航空機コントロールを行うことができるその他のシナリオは、権限のあるパイロットがステップ406で検出されなかった場合、あるいは、ステップ408において所望のコース変更を地上コントローラに通知する十分な時間がない場合またはその他の条件に合致したとステップ408で決定された場合である。フライト路に障害物が検出された、あるいは鳥の衝突があった場合など、ステップ408で地上コントローラに通知する時間がないとされた場合、自動操縦(予約されていれば)がステップ432で解除され、ステップ434においてパイロットによる短期間のコース変更を直ちに開始することができる。
【0025】
いずれかのコース変更に続いて、ステップ436において、コースの逸脱がフライトプランの許容範囲内であるかどうかを決定することができる。FMSまたはモニタシステム116は、受け入れ可能な許容範囲であらかじめプログラムすることができるか、あるいは特別な場合に基づいて許容範囲を計算することができる。航空機が、渡洋フライトをしている場合、あるいはテロリストのターゲットになる可能性に近くないような場合は、より大きな許容範囲を受け入れることができる。フライト路が飛行制限空域、またはテロリストのターゲットになる可能性を含むその他の領域近くに航空機を引き入れる場合、より小さな許容範囲が適用される。コースの逸脱がフライトプランの許容範囲内にある場合は、コースの変更は完了と考えることができ、ステップ424において本方法が再開される。
【0026】
ステップ436において、コースの逸脱がフライトプランの許容範囲内にないことがわかると、ボックス438に示すように、例えばAFISによるなどして、地上コントローラにアラームを送ることができる。このようなアラームは、第1段階のアラームイベントまたは警戒状態であると考えることができる。第1段階のアラームが宣言されると、地上コントローラは航空機と通信の開始を試みることができ、ステップ422にあるように、AFISを通じた航空機の制御状態、ボイスコミュニケーション及び/又はコックピットカメラを含むフライトの状態を査定する。査定ステップ422の後、敵対的イベントが進行するかもしれないと決定された場合、第2段階のアラームまたは状態イベントが宣言されうる。ステップ442に示すように、第2段階のアラームイベントは、コックピットカメラの連続モニタと、地上コントロールあるいはその他の当局による航空機のコントロールを行うための準備を伴っても良い。
【0027】
第2段階アラームイベント用に、経過時間スレッシュホールドを設定することができる。ステップ444において、地上コントローラが敵対的イベントが発生していないと決定したら、第2段階のアラーム状態をキャンセルして、地上コントローラはステップ422にある航空機のコントロールを再度査定することができる。しかしながら、地上コントローラが敵対的行動の証拠を観察した場合、あるいは決定を行うためのスレッシュホールド時間が超過した場合、地上コントローラまたはその他の当局は、MMUを介して航空機の制御を行うことができ、あるいは二次FMSがコントロールすることができる。
【0028】
コースの変更が求められる場合、ステップ406において、権限のあるパイロットが航空機のコントロールにいないとわかった場合、第2段階のアラーム状態が直ちに宣言され、本方法がステップ442から直接に行われる。
【0029】
図6は、航空機が飛行制限空域あるいは飛行禁止空域に入ることを防止する本発明のいくつかの実施例に係る方法を示す。ステップ452に示すように、飛行禁止空域に関する情報を有するデータベースを、FMSなどの航空機に搭載されているコンピュータにロードして、地上コントローラまたはその他の地上にある当局が入手できるようにする。航空機用フライトプランは、出発前に航空機のコンピュータにロードすることができる(あるいは図5のステップ414にあるように、続いてアップロードする)。フライトプランは、ステップ456に示すように、地上ベースのシステムに入力することができる。ステップ458で、フライトプランを飛行禁止空域データベースと比較して、このフライトプランが飛行禁止空域の非常に近くへ、あるいは空域内へ航空機を連れてゆくものか否かを確かめることができる。更に、フライトプランの受け入れ可能な許容範囲を、飛行禁止空域への近接度、飛行禁止空域の特徴、およびその他のファクタに基づいて計算することができる。飛行禁止空域に侵入するかもしれないと決定されると、あるいはフライトプランにその他の問題がある場合は、パイロットと地上コントローラはステップ459において、適宜フライトプランを調整に同意することができる。
【0030】
このフライトプランの調整がなされると、調整されたフライトプランを、ステップ454と456において航空機のコンピュータシステムと地上ベースのコンピュータシステムに再入力することができる。その後、ステップ458の分析を必要なだけ何度でも繰り返すことができる。
【0031】
ステップ458において、フライトプランが受け入れ可能と決定されると、ステップ460においてフライトプランに基づく進行が航空機に許される。ステップ404に関連して上述したようにフライトプランを途中で調整する必要がある場合、あるいはコース変更を行う必要がある場合、ボックス462に示すように、この変更をガイダンスコンピュータに入力する、あるいはマニュアル(パイロット)コントロールとすることができる。フライトプランに変更がなされた場合、あるいはマニュアル航行モード(すなわち、自動航行モードが切られた)が開始した場合、ステップ464において航空機に搭載しているGPSシステムを用いて、フライトの進行を衛星および地上追跡することができる。GPSデータ、AFISを通じて通信されたその他のデータ、および変更したフライトプランを、ステップ466で分析して、航空機が禁止空域近くにいるかどうか、あるいは変更されたフライトプランが、飛行禁止空域の許容範囲に侵入するであろうベクトルを含んでいるかどうかを決定する。ステップ468において、航空機が禁止空域近くにいないと決定され、フライトプランが飛行禁止空域の許容範囲に侵入するであろうベクトルを含んでいないと決定された場合、ボックス460に示すように航空機は、現行のフライトテレメトリィで運行することが許される。
【0032】
ボックス468において、航空機が飛行禁止空域近くにいて、飛行禁止空域許容範囲に侵入するであろうベクトルを含んでいると決定された場合は、ボックス470にあるように、アラーム状態が宣言される。アラーム状態では、飛行禁止空域への侵入が差し迫っているかどうかを決定することができる。ステップ472に示すように、例えば、航空機ベクトルが潜在的なテロリストのターゲットに向いている場合、あるいは航空機の高度があらかじめ選択されたフライトフロア制限以下に下がった場合、進入が差し迫っていることがある。禁止空域への侵入が迫っていると決定された場合、変更されたフライトプランを無視して、ボックス474に示すように、元のフライトプランに置き換えるか、条件付のフライトプランに置き換えることができる。図5のステップ430に関連して上述したとおり、地上コントローラは変更したフライトプランを無視するため、MMU経由の航空機コマンドを採用するか、あるいは二次FMSがコントロールすることができる。
【0033】
ステップ472において、飛行禁止空域への侵入が差し迫っていないと決定された場合は、MMUあるいは二次FMSユニット経由の航空機の制御を直ちに採用する必要はない。代りに、ステップ476に示すように、航空機が飛行禁止空域近くにいないように、あるいは飛行禁止空域を占領するであろうベクトルをフライトプランが含まないようにコース訂正を要求することができる。適切なコース変更が決定されると、フライトプランを再度変更して、ステップ462にしたがってコンピュータへ入力する。このフライトは、変更したプランと本方法の次のステップに応じて進行が許可される。
【0034】
上述したとおり、本発明のいくつかの実施例は、更に安全性を高めるために、旅客や、権限のないクルーによる航空機へのアクセスを制限する方法に関する。図7ないし図10を参照して、アクセスを制限する方法を以下により詳細に述べる。この方法は、旅客とフライトスタッフの生物測定情報を含む情報の一又はそれ以上のデータベースを構築することを含んでいてもよい。航空機へアクセスする各人物についての適宜の情報を、データベースから航空機システムと地上システムへ送信することができる。航空機へのアクセスを要求している人物は、航空機にアクセスする前に、航空機のドアあるいはゲートなどの一又はそれ以上の地点で同定することができる。上述した生物測定リーダ119、121、及び/又は、スマートカードまたはネームバッジスキャナなどのセキュリティデバイスをアクセスポイントに設けて、人物を同定する。したがって、航空機へのアクセスを、あらかじめアクセスが許可されている人物に限ることができる。
【0035】
図7は、出発前のアクセスを制限する方法の全体を示すフローチャートである。ステップ502に示すように、全乗組員または旅客が飛行機にアクセスするのに先立って、フライト準備サイクルを開始することができる。以下により詳細に示すように、フライトクルー及び地上クルーのメンバのアイデンティティと関連する情報が安全なデータソースに記録され、有効になる。ボックス504に示すデータは、適宜の生物測定情報と、必要に応じて個人を同定するためにクルーが所有するスマートカードまたはネームバッジにエンコードされたデータを含む。
【0036】
ステップ506において、特定のフライトに割り当てられたクルーメンバのアイデンティティ及び、このメンバに関連する生物測定情報及び/又はスマートカードデータを、航空機のコンピュータと地上システムに無線、DVD、あるいはその他の安全な電子手段によってロードすることができる。いずれかの人物が航空機へアクセスを要求するときに、権限のある人物の制限されたデータサブセットにアクセスがなされる。生体測定スキャン、スマートカードの読み及び/又はその他の安全な身元確認プロセスの後、クルーメンバがそのフライトに適したクルーメンバであることが確認されると、ステップ508に示すように、航空機へのアクセスが承認される。ステップ510に示すように、フライトプランも、フライトマネージメントガイダンスコンピュータ及び/又はモニタシステム116に入力することができる。
【0037】
個々のクルーメンバが認証されると、ステップ512と514において内部クルーと地上クルーによるアクセスを記録することができる。コックピットカメラ、アクセスコントロールデバイス、あるいはその他の読み取りデバイスも、コックピットへのアクセスの記録を開始することができる。コックピットの行動の記録に加えて、コックピットカメラからの画像を遠隔でリアルタイムで、フライトデッキの安全が確保されるまで、地上部局によってモニタすることができる。フライトデッキの行動の記録とモニタリングは、ボックス516及び518に示されている。
【0038】
航空機へのアクセスがモニタされ、記録されている間、ボックス520に示すように、自動進入モニタリングを実行することができる。このようなモニタリングは、アクセスされるべきでないコンパートメントあるいはハッチのモニタリングと、ある人物が、当該人物が許可されていない領域へアクセスしないことを確実にするためのクルーメンバの追跡を具えることができる。自動モニタリングによって、何らかの進入の可能性が検出された場合は、ステップ522にあるようにアラームが宣言され、適宜の対応手続きを開始する。
【0039】
所望であれば、旅客認証用の旅客情報とシステムについて同様のデータベースを構築することができる。クルーメンバと旅客が飛行機に乗り込んだら、ステップ524に示すように航空機の外部の安全が確認され、ステップ526にあるように、フライト前チェックリストを実行することができる。フライト前チェックリストの一部として、アクセスデータをパイロット及び/又は地上の部局に送ることができる。このレポートは、航空機への許可を受けていないあらゆるアクセス、あるいはフライト準備中に起こったかもしれないその他のあらゆる進入のフライト前チェックリストの一部として、検討されうる。何らかの進入が生じた場合は、ステップ528にあるように、進入の性質が調査され、フライト出発の同意がなされる前に支障がないようにすることができる。
【0040】
時に、最終時点で航空機に搭乗したクルー、旅客、貨物を変更する必要がある。ボックス530に示すように、最終時点の変更が必要な場合、追加した人物あるいは貨物の認証をステップ532で実行することができる。この点に関して、生物測定リーディングを用いて、新たに加わった人物又は貨物、新たに加わった人物又は貨物を航空機に持ち込んだ人物、同様に新たに加わった人物又は貨物の航空機へのアクセスを許可した人物の3重の認証を行うことができる。この3重の認証に加えて、ボックス534に示されているように、新たに加わった人物又は貨物の航空機へのアクセスを許可する前に遠隔認証(地上の部局から)を得ることができる。最終時点でのクルー、貨物あるいは旅客の追加がすべて完了すると、ステップ524に従って航空機の外側の安全性を再度確認し、新しいレポートを作って、フライト前チェックリストの一部として再検討できる。
【0041】
地上クルーと貨物の積み込みを行う係りによる航空機へのアクセスは、図8に示す方法によって制限することができる。上述したとおり、航空機へアクセスが認証されたすべての係りの者のアイデンティティと生物測定データが安全なデータソースからダウンロードされる。ボックス552に示すように、滑走路へのアクセスは、滑走路上の少なくとも一の航空機へアクセスする許可を有するこれらの地上クルーメンバに限定することができる。このため、地上クルーメンバは、許可を受けて滑走路上に入る前に生物測定スキャンを受けることができる。滑走路上にいることが許可されると、ボックス554に示すように、貨物積み込みチームが割り当てられた航空機へ進むことができる。グラウンドチームリード(Ground Team Lead)などの地上チームの一員が、航空機のコムポート(Commport)と、彼又は彼女のアイデンティティの認証が訂正される場合、地上チームの航空機へのアクセスが増えることになる。ボックス556に記載されている認証は、コード化された同定データを有するネームバッジまたはスマートカードを用いて、及び/又は、コムポートに設けたセキュリティデバイスにおける指紋/パルスの認証、または網膜スキャンを用いて、実行することができる。グラウンドチームリード(Ground Team Lead)またはその他の地上クルーメンバの認証は、電子ロックを開放して、航空機の一又はそれ以上のカーゴハッチを通るアクセスを許可する。この後、グラウンドチームリード(Ground Team Lead)は貨物の積み込みを認証することができ、残りの地上クルーは、ボックス558−562に示すように、地上クルーメンバが航空機にアクセスするたびにスマートカードまたは生物測定リーディングを用いて認証することができる。
【0042】
ボックス564に示すように、LEDスコアボードなどの電子ディスプレイを航空機の入り口ドアに、あるいはこのドアの近くに設けることができる。電子ディスプレイは、航空機に貨物を積み込むことの認証を受けたまたは許可を受けた貨物積み込み係りの人数を表示することができる。この情報は、ボックス566に示すように、貨物を積み込む係りの数を視覚的に観察することができる地上チームの一員によって転送、あるいはモニタすることができる。ステップ568において、視覚的にカウントされた人の数が、電子ディスプレイ上に表示された数と合致しない場合は、セキュリティ係りが通知を受け、貨物の積み込み動作が中断される。ボックス570に示すように、次いで飛行機に積み込まれた貨物を検査することができる。更に、ステップ572に示すように、航空機内にあるいは近くのどの係りの者が認証されていないか、あるいは認証されたどの人物がいなくなったかを決定することができる。認証を受けていない人物が航空機または航空機に積み込まれている貨物にアクセスしたことが決定された場合は、ステップ574で敵対的状態を宣言して、適宜の対応を開始することができる。認証を受けていない人物が航空機にアクセスしなかったこと、および敵対状態が発生していないことが決定されたら、ボックス576にあるように報告がなされ、ボックス578に示すように、積み込みプロセスが完了する。積み込みが完了して、積み込みを行った人物が離れると、ボックス580に示すように地上チームが航空機をロックすることができる。
【0043】
最後の時点での貨物の追加がない場合は、ボックス584に示され、上述したとおり、地上チームの認証とすべての進入に関するレポートを、フライト前チェックリストの一部としての再考するためにパイロットに送ることができる。その後、航空機はボックス586に示すように離陸に向けて支障のない状態になる。ステップ582において、追加の貨物を航空機に積み込まなければならない場合は、貨物積み込みチームは航空機に戻って、ステップ554で開始する方法を再度開始する。
【0044】
認証された人物を承認する方法が、図9により詳細に示されている。上述のボックス602に示されているように、係りの者に関するアイデンティティと生物測定情報を維持するための中央システムが構築されている。中央システムは、新規のスタッフメンバについての生物測定情報を追加し、終了したスタッフメンバについての情報を除去する能力を具える。更に、中央システムは、遠隔システムへのおよび遠隔システムからのデータを受領して転送するように構成されていなくてはならない。これらの遠隔システムは、ボックス604に示すように、スタッフに関する同定および生物測定情報を足したり除去したりする権限が備えられており、中央システムからおよび中央システムへのデータを受領及び転送する権限を有する。
【0045】
ステップ606において、このデータをセーフガードする手順を構築することができる。例えば、データを入力する、変更する及び削除する特典を、あらかじめ選択された人物証明を有する係りの者に制限することができる。このシステムに加えるべきそれぞれの新しいスタッフメンバについての背景チェックを実行することができる。上述したとおり、新規スタッフに関する生物測定情報を、指紋/パルスリーダ及び/又は網膜リーダを用いて、検索することができる。これらの手順は、各個人の生物測定情報を検索することによって、及び、スタッフメンバのアイデンティティに関連するデータベースにこの情報を加えることによって、スタッフメンバのネームバッジまたはスマートカード上にエンコードされた情報を同定することによって、およびその他の興味のある情報によって、スタッフの登録に使用することができる。
【0046】
コックピットクルー、客室クルー、およびサービスクルーが特定の航空機又はフライト用に選択されている場合は、ボックス610に示すように、このフライトに関する情報を適宜の時間に航空機にダウンロードすることができる。ボックス612に示されているように、適宜のクルーメンバ(すなわち、特定のフライトに実際に割り当てられたメンバ)についての情報のみが確実に航空機にダウンロードされるような手順を構築することができる。したがって、この特定のフライトに割り当てられていないスタッフメンバは、認証されないか、さもなければ航空機へのアクセスが増える。クルー情報の送信は、ボックス612に示すように、安全なネットワークプロトコルをもちいて、あるいはその他の安全なデータ転送手段を用いて実行しなければならない。
【0047】
スタッフメンバが、航空機にアクセスを試みるとステップ614にあるように、上述の方法と装置を用いて、そのスタッフメンバの生物測定情報が適宜の生物特定リーディングデバイスを用いて検索される。ステップ616では、新たに検索された生物測定情報が、安全なデータベースから航空機にダウンロードされた生物測定情報と比較される。このアクセスを要求している個人の生物測定情報と、適宜の個人についてのダウンロードした情報の比較は、ステップ618で示すように、合致があるかどうかを決定するためのスコアを生成するのに使用することができる。このスコアは、指紋の比較からの共通の同定ポイントの数、網膜リードからの共通の同定特徴、あるいはその他の同定特徴に基づく。比較の結果、あらかじめ選択されたスレッシュホールドを越えた場合、合致していると考えることができる。更に、個人のネームバッジ、またはスマートカードをスキャンしてそこにエンコードされている同定情報を読み取り、データベースからダウンロードしたデータと比較することができる。合致があった場合、ボックス620にあるように、個人スタッフメンバが認証されて、航空機へのアクセスを行うことが許可される。
【0048】
アクセスを要求している人物の生物測定情報またはスマートカードデータと、ダウンロードされたデータの間に合致がないことが決定された場合、その人物の生物測定情報をあらかじめ選択された回数、再度読み取ることができる。例えば、ボックス622に示すように、個々のスタッフメンバに、4回のスキャンが許されており、4回目のスキャンが合致しない場合、その人物は敵対的である可能性があると考えることができる。この場合、ボックス624に示すように、セキュリティ手順を実行することができ、その人物の生物測定情報をセキュリティ係あるいは適宜の当局に提供することができる。4回のスキャンが許可されており、その人物が4回以下しかスキャンされなかった場合、その人物の生物測定情報を、ステップ614で再度読み出すことができる。
【0049】
図10は、航空機へのアクセスをシークしているすべての人物を分類する方法を示す。ボックス652において、航空機のクルーと旅客のアイデンティティに関連する生物測定情報を有するデータベースが提供されている。このデータサブセットは、そのフライトに割り当てられているクルーメンバとそのフライトに乗ることが予定されている旅客にのみ限定することができる。この予定されている人物の限定されたサブセットは、航空機にダウンロードすることができる。(図10における「貨物」の用語は、この方法が、航空機にアクセスを要求している人物を区分するあるいは分類するのに使用されている場合の旅客を意味している。)
【0050】
この方法は、すべての人物を「見物人」(bystander)と考えることによって、ステップ654で開始する。これらの人物の各々の生物測定情報が読み取られ、上述した好適な方法の一つで検索される。生物測定情報がステップ656でスキャンされると、このスキャンされた情報が、ステップ658でデータベース内に保持されている情報と比較される。ステップ662において、この人物の新たにスキャンされた情報が、データベースに含まれている情報と合致する基準に合う場合は、ボックス664に示すように、その人物は「クルー」あるいは「旅客」に分類される。スマートカード又はネームバッジもスキャンされ、更なるセキュリティのためにデータベース情報と比較される。適宜に分類されると、その人物は、振り分けられたカテゴリィに基づいて、航空機の適宜の領域にアクセスするといった特典が与えられる。例えば、旅客は、客室にアクセスする特典が与えられ、クルーメンバには、彼らの適宜の仕事領域にアクセスする特典が与えられる。ステップ666に示すように、ある人物に、上記規定したクルーステータス、地理的位置、あるいはセンサタイプに基づいてアクセス特典を与えることもできる。
【0051】
ステップ662において、その人物の新たにスキャンされたデータが、データベースに含まれている情報と合致する基準に合わない場合は、その人物の生物測定情報をあらかじめ選択された回数再度スキャンすることができる。例えば、ボックス668に示すように、ある人物がスキャンの成功に4回試すことが許されており、4回目の試みが失敗した場合、その人物は、敵対的可能性があると考えることができ、新規にスキャンされたデータを検索することができる。この場合、セキュリティの手順は、ボックス670に示されているように実行することができ、新たにスキャンされた生物情報を、適宜の当局に提供することができる。4回以下のスキャンを行った後、その人物の新たにスキャンされた生物測定情報が、合致の基準に入らない場合は、その人物はステップ656で再度スキャンすることができる。このようにして、人物を分離し、航空機への好適なアクセスを提供する方法が提供されている。
【0052】
状況によっては、航空機に搭乗した後に人物を再度分類する方法を使用することもできる。このような状況の例は、緊急時、あるいはクルーメンバが病気になったときに、非番のパイロットに特典を許可する事に関して上述した状況である。この場合、スマートカードあるいは生物測定情報を中央又は遠隔データベースから無線あるいは衛星通信を介して航空機にアップロードすることができる。その後、旅客を、認証と、クルーステータスにアップグレードするために航空機に搭載してある生物測定リーダまたはスマートカードスキャナを用いて再度スキャンすることができる。このような状況では、クルーステータスをアップグレードしようとしている、認証されないすべての旅客を敵対的と考えることができる。
【0053】
理解されるように、上述した実施例には、さまざまな変形、変更が可能である。たとえば、セキュリティデバイスは、本発明の実施例に関連していくつ使用してもよく、生物測定リーダも何台あってもよい。たとえば、図に示す実施例では、一又はそれ以上の生物測定リーダが必要に応じて用いられており、生物測定リーダは、指紋/パルスリーダ、及び/又は、網膜リーダなど、ここに示すあらゆる所望のタイプのものであってもよく、あるいはその他のあらゆる所望のタイプの生物測定リーダ装置であってもよい。さらに、所定の実施例では、生物測定式セキュリティデバイスと、非生物測定式セキュリティデバイスを組み合わせて用いてもよく、あるいは生物測定タイプのセキュリティデバイスを用いなくともよい。さらに、ここで用いられている「コントローラ」なる用語は、操縦桿など、航空機の操作に用いられるすべての機構、動作を調整するためのあらゆる好適なタイプのデバイス、システム、方法を含むものであると広く解釈するべきである。たとえば、上述したあらゆる好適なタイプのコントロール、キーボード、トリガ、ボタン、トラッキングボール、シングルあるいはデュアルジョイスティック、レバー、ホイール、を含む。さらに、ここで説明した実施例は航空機に関して述べられているが、軍用車両、商用車両(列車、バス、トラック、タクシーなど)、自家用車両(乗用車)などの車両、あるいは、核反応炉あるいは軍事用兵器、コンピュータターミナル、小火器などあらゆる製品、装置を含むものと解することができる。本発明の実施例は、ハードウエアあるいはソフトウエア、所望の場合はこれらのあらゆる組み合わせを用いて実装することができる。さまざまな実施例が、商業的に入手可能な技術を用いて実装することができる。従って、本発明は、説明した特定の実施例に限定されるものではなく、添付の請求項の全精神と範囲内、およびその均等物にあると解される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、本発明にかかるセキュリティシステムの一実施例のブロック図である。
【図2】図2は、図1に示すシステムの部分的な線図および部分的なブロック図である。
【図3】図3は、図2に示すコントロールのさらに例示的な実施例を示す図である。
【図4】図4は、図1に示すシステムの例示的なアプリケーションのブロック図である。
【図5】図5は、本発明の一実施例にかかる航空機の安全な操作方法を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の一実施例にかかる飛行禁止区域を避ける方法を記載したフローチャートである。
【図7】図7は、離陸前の航空機へのアクセスを制限し記録する方法を示すフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の一実施例によって航空機に貨物を積み込む方法を示すフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の一実施例によって航空機へのアクセスを許可する前に人物を認証する方法を示すフローチャートである。
【図10】図10は、本発明の一実施例にかかる航空機、または航空機の一部へアクセスを要求している人物の分類方法を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
敵対的状況の可能性がある場合に自動または遠隔コントロールすることができる航空機の操作方法において:
モニタシステムにフライトプラン情報を入力するステップと;
前記フライトプランに関する受け入れ可能な逸脱許容範囲を計算するステップと;
前記フライトプランにしたがって航空機を操作するステップと;
前記フライトプランの変更が必要な場合に前記フライトプランを逸脱させるステップと;
前記フライトプランを逸脱させた後に、敵対的状況の可能性があるかどうかを査定するステップと;
潜在的な敵対的状況が妥当な時間内に除外できなかった場合に、
(1)地上または前記航空機から離れた別の位置から前記航空機を遠隔的にコントロールすること、又は
(2)あらかじめプログラムされたフライト路または前記変更に反する偶発的危険プロトコルを実行するための自動制御ユニットを前記航空機に取り付けることによって、
前記航空機をコントロールするステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記フライトプランから逸脱した後に、前記敵対的状況の可能性があるかどうかを査定するステップが:
前記航空機の位置及びコースに関する情報をモニタするステップと;
前記位置およびコースに関する情報に基づいて、潜在的な脅威が存在するか否かを決定するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法が更に、飛行禁止空域に関する情報を提供するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、前記受け入れ可能な逸脱許容範囲を計算するステップが、飛行禁止空域に対する許容範囲を計算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、前記敵対的状況の可能性が存在するかどうかを査定するステップが、前記航空機が飛行禁止空域に近づいているか否か、あるいは前記航空機のコースが飛行禁止空域に進入するかどうかを計算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、前記敵対的状況の可能性が存在するかどうかを査定するステップが更に、飛行禁止空域の侵入が差し迫っているか否かを決定するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、前記飛行禁止空域の侵入が差し迫っているか否かを決定するステップが、前記航空機のベクトルが潜在的なテロリストのターゲットに向いているか否か、あるいは前記航空機の高度があらかじめ選択されたフライトフロア制限以下であるかどうかを査定するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、前記フライトプランから外れた後、前記敵対的状況の可能性があるかどうかを査定するステップが、前記地上または前記航空機から離れたその他の位置から、前記航空機から受信した自動通信をモニタすることによって、前記航空機からのボイス通信を聞くことによって、あるいは前記航空機のコックピットカメラからのビデオ信号をモニタすることによって、前記航空機のコントロール状態を査定するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法が更に、前記航空機のコントロール状態が受け入れ可能であるとされなかった場合、前記ステップが:
アラーム状態を宣言するステップと;
前記地上又は前記航空機から離れたその他の位置において、前記航空機のコックピットカメラあるいはその他のモニタデバイスからのビデオ信号を続けてモニタするステップと;
前記地上又は前記航空機から離れたその他の位置から前記航空機のコントロールを行う準備をするステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法が更に、
(1) 前記航空機上に敵対的行動の証拠が検出された場合、又は
(2) コックピットカメラ又はその他のモニタデバイスを連続してモニタする経過時間が、敵対的行動の可能性を排除することなく、あらかじめ選択されたスレッシュホールド時間を超えた場合に、
前記地上または前記航空機から離れたその他の位置から前記航空機の制御を行うステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法が更に、前記フライトプランを逸脱させる前に、前記所望の変更を地上コントロールに通知する十分な時間があるか否かを決定するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、前記所望の変更を地上コントロールに通知する十分な時間がない場合に、前記敵対的状況の可能性があるかどうかを査定するステップが:
前記逸脱が受け入れ可能な逸脱許容範囲から外れているかどうかを決定するステップ;及び
(1)前記逸脱が受け入れ可能な逸脱許容範囲から外れている場合に、アラーム状態を宣言するステップと、
(2)前記逸脱が受け入れ可能な逸脱許容範囲から外れていない場合に、フライト操作を継続するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、前記逸脱が受け入れ可能な逸脱許容範囲から外れている場合、前記敵対的状況が存在するかどうかを査定するステップが更に:
地上あるいは前記航空機から離れたその他の位置から、前記航空機から受信した自動通信をモニタすることによって、前記航空機からのボイス通信を聞くことによって、前記航空機のコックピットカメラからのビデオ信号をモニタすることによって、前記航空機のコントロール状況を決定するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法が更に、前記航空機のコントロール状況が受け入れ可能な状態にない場合に、前記ステップが:
第2のアラーム状態を宣言するステップと;
前記地上又は前記航空機から離れたその他の位置において、前記航空機のコックピットカメラあるいはその他のモニタデバイスからのビデオ信号を続けてモニタするステップと;
前記地上から前記航空機のコントロールを行う準備をするステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法が更に、
(1)前記航空機内に敵対的行動の証拠が検出された場合、又は
(2)コックピットカメラ又はその他のモニタデバイスを連続してモニタする経過時間が、敵対的行動の可能性を排除することなく、あらかじめ選択されたスレッシュホールド時間を超えた場合に、
前記地上または前記航空機から離れたその他の位置から前記航空機の制御を行うステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項11に記載の方法が更に、権限のあるパイロットが前記航空機のコントローラにいない場合に、前記ステップが:
アラーム状態を宣言するステップと;
前記地上又は前記航空機から離れたその他の位置において、前記航空機のコックピットカメラあるいはその他のモニタデバイスからのビデオ信号を続けてモニタするステップと;
前記地上から前記航空機のコントロールを行う準備をするステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法が更に、
(1)前記航空機上に敵対的行動の証拠が検出された場合、又は
(2)コックピットカメラ又はその他のモニタデバイスを連続してモニタする経過時間が、敵対的行動の可能性を排除することなく、あらかじめ選択されたスレッシュホールド時間を超えた場合に、
前記地上または前記航空機から離れたその他の位置から前記航空機の制御を行うステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項18】
航空機へのアクセスを制限する方法において:
クルーメンバに関するアイデンティティと、関連する生物測定情報を有するデータベースを維持するステップと;
前記データベースからの情報サブセットを航空機にダウンロードするステップであって、前記サブセットが実質的に特定のフライトに対して前記航空機に割り当てられたクルーメンバに関する情報からなるステップと;
航空機にアクセスを要求している人物の生物測定情報を読み取るステップと;
前記アクセスをリクエストしている人物から読み取った生物測定情報を前記航空機にダウンロードされた情報と比較して合致があるかどうかを決定するステップと;
合致があると決定された場合に、当該人物に前記航空機へのアクセスを許可するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法がさらに、すべての違反アクセスを含む航空機のアクセスに関するレポートを準備するステップと、前記レポートをプレフライトチェックリストの一部として審査するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法が更に、コックピットが安全になるまでコックピットを遠隔的にモニタするステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項18に記載の方法が更に、自動化した手段によってあらゆるアクセス違反をモニタするステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法が更に、前記自動化した手段がアクセス違反を発見した場合にアラームを警告し、対応を開始するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項18に記載の方法が更に、旅客、クルー及び貨物を航空機に積み込んだ後に前記航空機の外観の安全を確かめるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、前記航空機の外観の安全を確かめた後に追加のクルーメンバ、旅客あるいは貨物が加えられる場合、前記方法が更に、当該追加のクルーメンバ、旅客あるいは貨物を3重に認証を行うステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法において、前記3重の認証を行うステップが、新たに加わったクルーメンバ、旅客、貨物と、この新たに加わったクルーメンバ、旅客、貨物を航空機へ連れてゆく人物、および新たに加わった人物あるいは貨物に航空機へのアクセスを許可した人物の生物情報を読み取るステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項24に記載の方法が更に、あらゆるアクセス違反を含む航空機へのアクセスに関するレポートを作成するステップと、このレポートをプレフライトチェックリストの一部として審査するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法が更に:
前記航空機の外観の安全性が確認された後に追加のクルーメンバ、旅客、あるいは貨物が航空機に加わった後に前記レポートを更新するステップと;
プレフライトチェックリストの一部としてこの更新したレポートを審査するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法が更に、前記レポートに記されているあらゆるアクセスをクリアにした後に出発確認を許可するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項18に記載の方法が更に:
前記データベースから航空機が見られる滑走路へのアクセスポイントへ第2の情報サブセットをダウンロードするステップであって、当該サブセットが実質的に、滑走路上のいずれかの航空機に割り当てられた地上クルーメンバに関する情報でなるものであるステップと;
当該滑走路にアクセスを要求している人物の生物測定情報を読み取るステップと;
前記アクセスを要求している人物から読み取った生物測定情報を前記アクセスポイントにダウンロードされた情報と比較して、合致があるかどうかを決定するステップと;
合致が決定された場合に、当該人物に滑走路へのアクセスを許可するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法において、前記人物の航空機へのアクセスを許可するステップが、ハッチを開放するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法において、前記ハッチを開放するステップが、前記合致が決定した後に、電子ロックを解除するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項29に記載の方法が更に、前記航空機に貨物の積み込みの許可を受けた地上クルーメンバの人数を表示する電子ディスプレイを提供するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法が更に、前記地上クルーメンバの数を視覚的に観察するステップと、この視覚的に観察した人数と電子ディスプレイに表示された人数を比較するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法において、前記視覚的に観察された地上クルーメンバの人数が、前記電子ディスプレイに表示された人数と合致しない場合に、前記方法がさらに、保安係に通知を行うステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項29に記載の方法が更に、貨物が航空機に積み込まれた後に前記航空機の外観の安全を確認するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項35に記載の方法において、前記航空機の外観の安全性の確認が行われた後、追加の貨物を航空機に積み込まなくてはならない場合、前記方法が更に、当該追加の貨物を認証するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法において、前記追加の貨物を認証するステップが、航空機に新たな貨物を持ち込んだ人物の生物測定情報を読み取るステップと、航空機に新たな貨物のアクセスを許可した人物の生物測定情報を読み取るステップとを具えることを特徴とする方法。
【請求項38】
請求項35に記載の方法が更に、あらゆるアクセス違反を含む航空機のアクセスに関するレポートを作成するステップと、このレポートをプレフライトチェックリストの一部として審査するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項39】
請求項38に記載の方法が更に:
前記航空機の外観の安全性を確認した後、前記追加の貨物が航空機に加えられた後に前記レポートを更新するステップと;
この更新したレポートをプレフライトチェックリストの一部として審査するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項40】
請求項39に記載の方法が更に、前記レポートに記されているあらゆるアクセスをクリアにした後に出発確認を許可するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項41】
請求項18に記載の方法において、前記データベースを維持するステップが、前記アイデンティティと、関連する生物測定情報を記録する中央システムを提供するステップを具え、当該中央システムが前記情報を受け入れて転送することができることを特徴とする方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法において、前記維持ステップがさらに、新たなクルーメンバに関する生物測定情報を獲得して、当該生物測定情報を前記中央システムにローディングすることによってスタッフの登録を行うステップを具えること特徴とする方法。
【請求項43】
請求項42に記載の方法において、前記比較ステップの間に合致が決定されない場合に、前記方法が更に、前記航空機へアクセスを要求している人物の生物測定情報の読み取りステップをあらかじめ決められた回数繰り返すステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項44】
請求項43に記載の方法において、前記航空機へアクセスを要求している人物の生物測定情報の読み取りステップをあらかじめ決められた回数繰り返した後の前記比較ステップの間に合致が決定されない場合に、前記方法が更に、前記人物を潜在的敵対的であると考え、セキュリティ手順を実行するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項45】
請求項44に記載の方法において、前記航空機へアクセスを要求している人物の生物測定情報の読み取りステップをあらかじめ決められた回数繰り返した後の前記比較ステップの間に合致が決定されない場合に、前記方法が更に、前記人物の生物測定情報を記録して、当該生物測定情報を保安係りあるいはその他の当局へ提供するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項46】
請求項18に記載の方法が更に、前記航空機に旅客に関連する情報をダウンロードするステップを具え、当該旅客に関連する情報が、特定のフライトに関して前記航空機にあることが期待される顧客についての生物測定情報を具えることを特徴とする方法。
【請求項47】
請求項46に記載の方法が更に、航空機にアクセスを要求しているすべての人物を初期において見物人であると考えるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項48】
請求項47に記載の方法において、前記比較ステップにおいて合致が見出された場合に、前記方法が更に、前記人物を分類するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項49】
請求項48に記載の方法において、前記アクセスを要求している人物から読み取られた生物測定情報が、ダウンロードした旅客に関連する情報に合致する場合に、前記分類ステップが当該人物を旅客であると考えるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項50】
請求項49に記載の方法において、前記アクセスを要求している人物から読み取られた生物測定情報が、ダウンロードした旅客に関連する情報に合致する場合に、前記方法が更に、当該人物に顧客特典を許可するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項51】
請求項48に記載の方法において、前記アクセスを要求している人物から読み取られた生物測定情報が、ダウンロードしたクルーメンバに関連する情報に合致する場合に、前記カテゴリ分けステップが、当該人物をクルーメンバであると考えるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項52】
請求項51に記載の方法において、前記アクセスを要求している人物から読み取られた生物測定情報が、ダウンロードしたクルーメンバに関連する情報に合致する場合に、前記方法が更に、当該人物にクルーメンバ特典を許可するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項53】
請求項48に記載の方法が更に、前記航空機がフライト中にに追加のクルーメンバに関連する情報を航空機にアップロードするステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項54】
請求項53に記載の方法が更に、ある人物をフライト中に再度分類することが必要な場合に、前記読み取りステップと、前記比較ステップを繰り返すステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項55】
請求項50に記載の方法において、旅客として分類されている人物が、航空機のフライト中に、クルーメンバとして分類することが必要な場合は、前記方法がさらに:
前記航空機のフライト中に、前記航空機に追加のクルーメンバに関係する情報をアップロードするステップと;
前記読み取りステップと比較ステップを繰り返すステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項56】
請求項48に記載の方法において、前記比較ステップの間に合致の決定がなされなかった場合に、前記方法がさらに、あらかじめ選択された回数、前記読み取りステップと前記比較ステップを繰り返すステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項57】
請求項56に記載の方法において、前記読み取りステップと比較ステップとが前記あらかじめ選択された回数繰り返された後に前記比較ステップを行う間にある人物に対して合致の決定がなされなかった場合に、前記方法が更に、当該人物を潜在的に敵対的であると考え、セキュリティ手順を実行するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項58】
請求項57に記載の方法において、前記読み取りステップと比較ステップとが前記あらかじめ選択された回数繰り返された後に前記比較ステップを行う間に合致の決定がなされなかった場合に、前記方法が更に、前記人物の生物測定情報を記録するステップと、当該生物測定情報を保安係あるいはその他の当局に提供するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項59】
敵対的状況の可能性がある場合に自動あるいは遠隔制御をすることができる航空機を操作する装置において:
フライトプラン情報と、当該フライトプランに対する受け入れ可能な逸脱許容範囲を含むモニタシステムと;
前記フライトプランから外れた後のある期間内に敵対的状況の可能性が除外できない場合に、前記航空機をコントロールする手段であって、当該コントロール手段が:
(1)地上または航空機から離れたその他の位置から航空機を遠隔的に制御する手段;または
(2)航空機の自動制御ユニットをあらかじめプログラムされたフライト路か、前記許容範囲に反する臨時のプロトコルを実行する手段;
を具えることを特徴とする装置。
【請求項60】
航空機へのアクセスを限定するシステムにおいて:
クルーメンバに関するアイデンティティと関連する生物測定情報を有するデータベースと;
データベースからの情報サブセットがダウンロードされるストレージデバイスであって、当該サブセットが、実質的に特定のフライトについて航空機に割り当てられたクルーメンバに関する情報でなるデバイスと;
航空機にアクセスを要求しているある人物の生物測定情報を読み取る生物測定デバイスと;
アクセスを要求している人物から読み取った生物測定情報を前記ストレージデバイスにダウンロードされた情報と比較して、合致があるかどうかを決定し、合致が決定された場合に、当該人物に航空機へのアクセスを許可する手段と;
を具えることを特徴とするシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2007−502745(P2007−502745A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523870(P2006−523870)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/024568
【国際公開番号】WO2005/017672
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(505456986)
【Fターム(参考)】