説明

航空機タービンエンジン部品を流体試験するための装置用のシールヘッド

本発明は、航空機のタービンエンジンの部品(2)に流体試験を実施するための装置用のシールヘッド(22)に関するものであり、前記ヘッドは、ガス流を流すための通路(34)によって交差されるシール要素(26)を備え、前記要素(26)は、ガス流が供給されることになる被試験部品の開口(40)において、部品と接触するシール面(36)を有する。本発明によれば、ヘッドは、シール要素(26)を部品の開口(40)に対して相対的にセンタリングするための手段(38)を備え、前記手段(38)は、シール要素に固定され、前記センタリング手段を取り囲む外側部分(44)を有する表面(36)の前面に向かって突出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ガス流の流れを対象とした回路を有する航空機タービンエンジン部品の流体試験を行うこと目的とする装置の分野に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、このタイプの装置に装備するシールヘッドに関するものであり、(テストベンチ/被試験部品)−インターフェースヘッドとも呼ばれるこのヘッドは、その流れ回路の中へガス流をこれに注入するために、被試験部品と封止可能に接触することが意図される。
【0003】
実現される流体試験のタイプは、変えられることができ、たとえば、被試験部品を通る漏れ率、たとえばタービン整流中空翼を通過する漏れ率の測定に関係する。
【背景技術】
【0004】
この種の試験装置は、一般に、固定台、および被試験部品が取り付けられる支持体、ならびに試験を行うために使用されるガス流をこれらに供給するために、部品と接触することが意図され、部品の開口にそれぞれ面する1つまたは複数のシールヘッドを備える。
【0005】
習慣的に、各シールヘッドは、セットされて、その関連する開口の方向にピストンの軸に沿って並進運動および回転/傾斜することができるように、アクチュエータのピストンによって担持される。ヘッドのシール要素と被試験部品の開口との間の位置合わせにより、通常、ヘッドから漏れ、部品の開口の中に貫入するガス流の循環に対して良好なシールが保証される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
とりわけ被試験部品が変位する可能性のために、この種の位置合わせは、得ることおよび保つことが困難であると分かる場合があり、したがって、一般に、試験作業を始める前にヘッドが部品と並んでドッキングすることを操作者がチェックすることが行われる。このことは、この種のドッキングが頻繁に実現されなければならないことを考慮すれば、試験方法の速度をかなり落とす。
【0007】
さらに、ドッキングの密封性質は、操作者が視覚によって検出することが困難であり得る。したがって、シール要素と部品の開口との間の小さな芯ずれは、操作者の外観検査を免れる場合があり、その結果、行われる測定に重大な結果が生じる。
【0008】
したがって、本発明は、先行技術の実施形態に関して、前述の欠点の改善策を少なくとも部分的に見出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このために、本発明の目的は、まず第一に、ガス流を流すための回路を有する航空機タービンエンジンの部品の流体試験を行うための装置用のシールヘッドであり、前記ヘッドは、閉じたラインに沿って、かつガス流を通過させるための通路によって内側で交差されるシール要素を備え、前記シール要素は、被試験部品と接触することが意図されるシール面、および前記ガス流が供給されることが意図される部品の開口を有する。
【0010】
本発明によれば、シールヘッドは、シール要素を被試験部品の前記開口に対してセンタリングするための手段をさらに備え、前記センタリング手段は、この要素に堅く取り付けられ、これらのセンタリング手段を取り囲む外側部分を有する前記シール面の前面に向かって突出する。
【0011】
したがって、本発明は、これらの要素の両方の効果的な位置合わせを行うために、被試験部品の開口の中に貫入することが意図される、シール要素をセンタリングするための手段の取付けを巧みに行い、その結果、密封されたドッキングを保証する。換言すれば、センタリング手段は、部品の開口内のそれらの収容により、開口の周囲にシール面の外側部分の良好な位置決めが保証されるように配置される。したがって、操作者の外観検査は、簡単化され、またはさらには廃止されることができ、非密封ドッキングを得る危険が低減されてゼロになる。したがて、行われるべき流体試験は、より迅速に互いに後から続くことができ、さらにまた、部品の開口とヘッドのシール面との間の接続箇所でいかなる漏れも無いので、非常に関連のある結果が得られる。
【0012】
さらに、本発明の独特の特異性が、この種のヘッドを備えた試験装置の部分的または完全な自動化に関連する要求と両立できる再現性を実現する。したがって、このような自動化を有利に考え得る。
【0013】
また、シールヘッドは、孔を備えるベース、ならびに孔を備える前記ベースとシール要素との間に配置される接続手段をも備え、前記ヘッドは、後部から前面の方へ、孔を備える前記ベースを通って空気流を連続的に循環できるように設けられ、接続手段および前記通路は、シール要素によって画定されることが好ましい。
【0014】
このようなシナリオでは、前記接続手段は、孔を備える前記ベースに対して前記センタリング手段の変位を可能にするために優先的に設計される。したがって、これらの手段により、被試験部品に設けられるその関連する開口に対してシール要素の自動センタリングを可能にする。それにもかかわらず、被試験部品に面するシールヘッドを担持するツーリングのアセンブリの変位を可能にするもののような他の形状構成が、シール要素の自動センタリングを得るために考えられ得る。
【0015】
前述の変位を確実にするために、前記接続手段は、たとえば中空弾性部品の形状、たとえばガス流によって交差されることが意図される線対称の形状をとり、かつ、たとえばベローズの形状をとることが好ましい。この種のベローズは、ヘッドの孔を備えるベース上へのこの要素の接続を確実にするために十分な機械的剛性を与えながら、その自動センタリング中にシール要素の変位に付随できるように実際に完全に適応される。
【0016】
前記センタリング手段は、ピンまたは複数のセンタリングピン、たとえばそれらが貫入しなければならない開口の形状に応じて2個、3個、または4個のセンタリングピンを備えることが好ましい。一般に、ピンは、被試験部品に流入する流れについてできるだけ小さな摂動を生じるように設計され、配置される。
【0017】
前記センタリング手段は、摩耗の場合はこれらの取り替えを容易にするために、前記シール要素に取り外し可能に取り付けられることが好ましい。
【0018】
また、本発明の目的は、ガス流を流すための回路を有する航空機タービンエンジン部品の流体試験を行うこと目的とする装置用のツーリングであり、前記ツーリングは、上で示したようなシールヘッド、ならびに前記シールヘッドにガス流を供給することが意図され、かつシールヘッドに取り付けられる、ガス流を鎮静化するためのチャンバを備える。
【0019】
このツーリングは、アクチュエータをさらに備え、アクチュエータのピストンは、前記鎮静化チャンバを担持することが好ましい。
【0020】
また、本発明は、ガス流を流すための回路を有する航空機タービンエンジン部品の流体試験を行うこと目的とする装置であり、この装置は、上で説明したように少なくとも1つのツーリング、および好ましくはガス流が同時に供給されるべき開口があるのと同じ数のツーリングを備える。
【0021】
最後に、本発明の目的は、上で説明したもののようにシールヘッドを使って、ガス流を流すための回路を有する航空機タービンエンジン部品の流体試験を行うための方法であり、前記方法は、
そのセンタリング手段がこの部品の開口の中に貫入するように、被試験部品に向かってシールヘッドを変位させるステップであり、密封接触が前記シール面と被試験部品との間に確立されるまで、変位が継続される、ステップと、
前記シールヘッドを通して、被試験部品の前記開口の中にガス流を注入するステップと、
ガス流について測定を実施するステップとを含む。
【0022】
本発明の他の利点および特徴は、下記の非限定的な詳細な説明により明らかになるであろう。
【0023】
この説明は、添付の図面を参照して行われることになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】航空機タービンエンジン部品の流体試験を行うこと目的とする装置の概略上面図を示し、装置は、本発明の好ましい実施形態として認められる図である。
【図2】装置に装備するシールヘッドを示す、図1の線II−IIによる断面図である。
【図2a】図2に示されるものと同様の図を示し、シールヘッドが第1の他の実施形態として現れている図である。
【図2b】図2に示されるものと同様の図を示し、シールヘッドが第2の他の実施形態として現れている図である。
【図2b−1】図2bの線IIb’−IIb’による断面図である。
【図3】図1の線III−IIIによる断面図である。
【図4a】そのシール要素の自動センタリングをもたらす、被試験部品に向かうシールヘッドの変位を図式化した図である。
【図4b】そのシール要素の自動センタリングをもたらす、被試験部品に向かうシールヘッドの変位を図式化した図である。
【図5】より詳細に示されたシールヘッドの斜視図である。
【図6a】図5に示されるヘッドの長手方向断面図を示し、ヘッドが休止位置を占める図である。
【図6b】シール要素が自動調心された後の、図6aに示されるものと同様の図である。
【図7a】他の実施形態として見られる、休止位置を占めるシールヘッドの断面図である。
【図7b】シール要素が自動調心された後の、図7aに示されるものと同様の図である。
【図8a】もう1つの他の実施形態として見られる、休止位置を占めるシールヘッドの断面図である。
【図8b】シール要素が自動調心された後の、図8aに示されるものと同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
まず第一に図1を参照して、ガス流を流すための回路を有する航空機タービンエンジン部品2の流体試験を行うこと目的とする装置1を見ることができ、装置は、本発明の好ましい実施形態として見られる。
【0026】
ここに、被試験部品2は、その半径方向端部のうちの1つを通して貫入し、かつ後縁すべてに沿ってその後縁に配置されるオリフィス(図示せず)を通して漏出する空気流によって、これが動作する時に交差されることが意図されるたとえば中空整流翼である。したがって、装置1は、整流翼2を通る漏れ流量を決定するために設けられ、この漏れ流量は、たとえば翼を修理した後に、実際に試験されるべきである。
【0027】
装置1は、固定台4を備え、これは概略的に示されているだけであり、部品2は、図1では6として参照される当業者に知られている従来の取付け手段を介して、取り外し可能に固定して取り付けられる。また、この台の上に、ツーリング8が取り付けられ、その主な機能は、台に配置された被試験部品2にガス流を供給することである。したがって、たとえ図1では1つの工具8だけが示されていても、装置は、ガス流が注入されなければならない部品2の特定の開口と協働することがそれぞれ意図される、互いに接続されまたは互いから独立した、それらのうちの数個を設置できることが明らかである。例として、2つのツーリング8が、これらの対向する半径方向開口の両方を通して同時にガス流を注入するように、翼2のどちら側にも設置され得る。
【0028】
ツーリング8は、アクチュエータ10を備え、その本体12は、台4に取り付けられ、そのピストン14は、その軸16の方向に沿ってその本体12に面して並進変位可能である。ピストン14の端部は、ガス流がフレキシブルホース20を介してこのチャンバに接続される補助供給手段18を通して導かれ得る、鎮静化チャンバ16を担持する。表示する例として、供給手段18は、台4のそばに配置されるガス源の形態をとることができる。
【0029】
さらに、ツーリング8は、それが連通する鎮静化チャンバ16によって固定して担持されるシールヘッド22を備えている。このために、シールヘッド22は、鎮静化チャンバ16の上に機械的接続するのに使用される孔を備えるベース24、シール要素/ガスケット26、ならびにベース24と被試験部品2に当たっているシール要素26との間に配置される接続手段28を備える。
【0030】
このような形状構成の場合、ガス流は、被試験部品の中に最終的に貫入するために、鎮静化チャンバ16、孔を備えるベース24、接続手段28、シールガスケット26を通して連続的に前面から後部に向かって循環する。ここに、求められる漏れ流量を得ることは、たとえば、ガス流の循環の方向に互いから間隔を置いて設けられたチャンバ16の2つの点の間の圧力差を測定することがら成り、これは、適切な測定装置30を使って行われる。
【0031】
図1、図2、および図3を参照して、シールガスケット26は、図2の破線で概略的に示される閉じたライン32に従い、このガスケットは、被試験部品に向かって流れるガス流用の通路34を内部に画定することが分かり得る。
【0032】
本発明の特殊性のうちの1つは、シールヘッド26が、シールガスケットを被試験部品に対して相対的にセンタリングするための手段をさらに備え、これらのセンタリング手段が、シール要素26に堅く取り付けられ、ガスケットによって画定されるシール面36から突出し、かつ被試験部品2と接触していることが意図されることにある。ここに、センタリング手段は、被試験部品の開口40の中への導入を容易にするために、前方に突き出しており、かつそれぞれがチップの形状を持ちあるいは凸状または円錐形の鼻形を持つ端部を有する、複数のセンタリングピン38の形状をとる。実際に、このことは図1でよりよく認識できるように、センタリングピン38は、部品2によって画定される開口40の中に貫入することが意図され、これを通してガス流は、この開口40の内壁に従うことによって循環することが意図される。
【0033】
さらに、シール面36は、シール面36の外側部分が、センタリング手段38を取り囲むように形成され、したがって、このことは図3に図式化さたように、外側部分44は、開口40をすっかり取り巻いて部品2に当たっていることが見出される。これによって、シールヘッド22と被試験部品2との間の接続箇所において完全なシールを与えることができる。この好ましい実施形態では、突出ピン38を取り囲む外側部分44は、シール面36の全体に対応している。それにもかかわらず、図2aに示される他の実施形態は、異なる形状構成を示しており、ここに、センタリングピン38は、シール面36から立ち上がっており、シール面36の一部が、これらのピン38に対して相対的に内部に配置されていることを意味する。さらに、ピン38は、再び通路34に配置されていることが見出されないが、シール面36で画定される通路34に対して外部に配置されていることが見出される。
【0034】
さらにもう一つの他の実施形態によれば、シール要素26のセンタリング手段は、もはや互いから間隔を置いて設けられた複数のピンの形状をとらなくて、また図2bおよび図2b−1で38としても参照される突出リップの形状をとり、このリップ38は、開口34をすっかり取り巻いて連続的に延在する。部品2の対応する開口40の中へのこのリップ38の導入を容易にするために、リップ38は、面取りされた端部46を有する。
【0035】
次いで、図4aおよび図4bを参照して、部品2に向かうシールヘッド22の変位が示されており、同時に、これらの要素2、22の両方の間で、僅かな芯ずれに遭遇する。換言すれば、開口40の中心軸48は、シールガスケット26の中心軸50と一致しておらず、たとえば、1mmだけのずれが観察される。したがって、たとえ通例的に遭遇される芯ずれが1mm程度のものであっても、ここでのツーリングの場合、数ミリメートル、たとえば5mm程度の芯ずれを補償できることが注目される。
【0036】
シールヘッド22が、軸48および軸50に平行な方向54に沿ってツーリングのピストンの移動の効果によって変位されると、センタリングピン38のうちの少なくとも1つが、そのテーパ付き端部を開口40内壁と接触させることになる。ヘッド22の前進が徐々に継続されると、前述のピン38への開口40の内壁の押圧作用は、ピン38の全部の変位によって表現され、その結果、これらのピンに堅く取り付けられたシールガスケット26の同じ変位がもたらされる。したがって、ガスケット26は、図4bに示されるように、開口40と一致するまで、開口40の軸48により接近して徐々に移動するその軸50が見える。
【0037】
これは後に説明されるように、それによって生じるシール要素26の自動センタリングは、接続手段28によって可能にされ、この接続手段28は、その初期位置のままでいるガスケット26と孔を備えるベース24との間の相対変位を吸収できる可能性を与える。
【0038】
開口40に対してその相対的に自動調心されるシールガスケット26を備えるシールヘッド22の変位は、密封接触がシール面26の外側部分44と開口40を区切る部品2の表面56との間に得られるまで、継続される。ガス流が装置の鎮静化チャンバの中に注入され得るのは、この密封接続が確立される1回のみであり、この作業には、この同じ流れについて要求される測定作業が続く。
【0039】
図5は、シールヘッド22の可能な実施形態を示しており、その特殊性のうちの1つは、センタリングピン38がシールガスケット26に取り外し可能に取り付けられることにある。実際に、消耗部品60には、ピン38を突き出すベース62が設けられ、この消耗部品60は、ピン38のそれぞれが、シールガスケット26によって画定される通路34内に設けられるそれらの関連するシース64の中に貫入するのを可能にするように、中空ヘッド22の中に導かれることが意図される。
【0040】
図6aは、そのベース24を介して鎮静化チャンバ16に取り付けられ、かつ同じ鎮静化チャンバに固く追加されたガイド66に収容される、静止したこのシールヘッド22を示している。ここに、接続手段28は、線対称の形状を備え、かつベローズの形状をとる中空弾性部品の形状をとり、このベローズの形状は、シールガスケット26の自動センタリング中にベース24とシールガスケット26との間の、求められる相対変位に付随するために特に良好であることが分かる。この点で、図6bは、センタリング手段38が導入されている部品2の開口40に対して相対的に自動調心された形状構成になってそのガスケット26を備えるシールヘッド22を示しており、次いで、シールガスケット26とベース24との間の変位は、ベローズ28の弾性変形によってここに可能にされる。もちろん、シールヘッド26の後退中には、逆の変位が観察され、その結果、図6aに示されるように、ガスケット26を再びその休止位置になるように導く。
【0041】
図7aおよび図7bは、ヘッド22の他の実施形態を示しており、その中で、主な改変は、接触手段28の設計にある。したがって、ここに、これらは、このことが図7bに示されたように、部品2の開口40にシール要素26を自動センタリングできるように十分な可撓性を有する弾性中空シリンダの形状をとる。実際に、好ましくは円形断面を備えるシリンダ28の可撓性により、固定されたままでいるベース24に対して相対的にこのガスケット26の変位が可能にされる。
【0042】
最後に、図8aおよび図8bは、シールヘッド22もう一つの他の実施形態を示しており、その中で、主な変更は、やはり接触手段28の設計にある。ここに、これらは、2つの実質的に剛性のある同心のシリンダ28、28bを備え、外側シリンダ28aは、鎮静化チャンバ16に堅く取り付けられた孔を備えるベース24を一体化している。さらに、内側シリンダ28bは、その前端部でシールガスケット26を担持し、ばねが、その後端部と鎮静化チャンバ16との間に随意に挿入され得る。ここに、半径方向の遊び70が、シールガスケット26とヘッド22のベース24との間で半径方向変位を得ることができるように、両方のシリンダ28aとシリンダ28bとの間に特に設けられる。実際に、これは図8bに示されるように、部品2の開口40内のシール要素26の自動センタリングは、この目的のために設けられる遊び70を使い尽くすことによって行われ得る。ヘッド22内のシールを保護するために、シールガスケット26を通して画定される通路34を、好ましくは可撓性の導管72を通して鎮静化チャンバ16に接続を行うことができ、この可撓性の導管72は、内側シリンダ28bおよびベース24によって画定される中空空間を通して進む。
【0043】
上で述べた説明全体では、芯ずれが、シールガスケット26の中心軸50と、関連のヘッド22を担持するツーリングと協働することが意図される開口40の中心軸48との間のずれによって表現される状況が説明され、これらの軸48、50の両方は、シフトされるが、それにもかかわらず平行のままでいる。したがって、シールガスケットの自動センタリングが生じるために求められる変位は、前述の軸の両方を一致させることを目的とする半径方向変位に対応する。
【0044】
それにもかかわらず、本発明は、このタイプの位置合わせ補正に限定されず、また、たとえば2つの軸のうちの一方が他方に対して相対的に僅かに傾斜することから生じるもののような、他の芯ずれを処理するのに適しており、シールガスケット26の自動センタリング中に観測される変位は、この場合、常に両方の軸48、50を一致させるように、この傾斜を徐々に補正することに対応する。それにもかかわらず、このシナリオでは、シールヘッド22の孔を備えるベース24に対するガスケット26の「半径方向変位」として参照される。
【0045】
上で述べたように、シールヘッド22は、最初の部分から分かるように休止位置から数ミリメートル程度の、ベース24に対する相対的なシールガスケット26の変位を可能にすることができるように設計される。
【0046】
もちろん、単に非限定的な例として今説明したばかりの本発明について、当業者は、様々な改変を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流を流すための回路を有する航空機タービンエンジン部品(2)の流体試験を行うこと目的とする装置用のシールヘッド(22)にして、前記ヘッドが、閉じたライン(32)に沿って、かつガス流を通過させるための通路(34)によって内側で交差されるシール要素(26)を備え、前記シール要素が、前記ガス流が供給されることが意図される部品の開口(40)のところに、被試験部品と接触することが意図されるシール面(36)を有するシールヘッド(22)であって、
シール要素(26)を被試験部品の前記開口(40)に対してセンタリングするための手段(38)をさらに備え、前記センタリング手段(38)が、この要素に堅く取り付けられ、これらのセンタリング手段を取り囲む外側部分(44)を有する前記シール面(36)の前面に向かって突出することを特徴とする、シールヘッド。
【請求項2】
孔を備えるベース(24)、ならびに孔を備える前記ベースとシール要素(26)との間に配置される接続手段(28)もまた備え、前記ヘッドが、後部から前面の方へ、孔を備える前記ベース(24)を通って空気流が連続的に循環できるように設けられ、接続手段(28)および前記通路(34)が、シール要素(26)によって画定されることを特徴とする、請求項1に記載のシールヘッド。
【請求項3】
前記接続手段(28)が、前記孔のあるベースに対して前記センタリング手段の変位を可能にするために設計されることを特徴とする、請求項2に記載のシールヘッド。
【請求項4】
前記接続手段(28)が、ガス流によって交差されることが意図される、中空弾性部品の形状をとることを特徴とする、請求項3に記載のシールヘッド。
【請求項5】
前記中空弾性部品が、ベローズ(28)の形状をとることを特徴とする、請求項4に記載のシールヘッド。
【請求項6】
前記センタリング手段(38)が、センタリングピンまたは複数のセンタリングピンを備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載のシールヘッド。
【請求項7】
前記センタリング手段(38)が、前記シール要素(26)に取り外し可能に取り付けられることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載のシールヘッド。
【請求項8】
ガス流を流すための回路を有する航空機タービンエンジン部品(2)の流体試験を行うこと目的とする装置用のツーリング(8)であって、前記ツーリングが、請求項1から7のいずれかに記載のシールヘッド(22)、ならびに前記シールヘッド(22)にガス流を供給することが意図され、かつシールヘッド(22)に取り付けられる、ガス流を鎮静化するためのチャンバ(16)を備える、ツーリング。
【請求項9】
アクチュエータ(10)をさらに備え、アクチュエータのピストン(14)が補助鎮静化チャンバ(16)を担持することを特徴とする、請求項8に記載のツーリング。
【請求項10】
ガス流を流すための回路を有する航空機タービンエンジン部品(2)の流体試験を行うこと目的とする装置(1)であって、請求項8または9に記載の少なくとも1つのツーリング(8)を備えることを特徴とする、装置。
【請求項11】
請求項1から7のいずれかに記載のシールヘッドを使って、ガス流を流すための回路を有する航空機タービンエンジン部品の流体試験を行うための方法であって、
そのセンタリング手段が前記部品の開口の中に貫入するように、被試験部品に向かってシールヘッドを変位させるステップであり、密封接触が前記シール面と被試験部品との間に確立されるまで、変位が継続される、ステップと、
前記シールヘッドを通して、被試験部品の前記開口の中にガス流を注入するステップと、
ガス流について測定が実施されるステップと、を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2b−1】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【公表番号】特表2012−524891(P2012−524891A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506478(P2012−506478)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055261
【国際公開番号】WO2010/122052
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(505277691)スネクマ (567)
【Fターム(参考)】