説明

航空機用エンジンのタービンシャフトと始動発電機のシャフトとの間の変速比を変更するための装置

本発明は、航空機用エンジンのタービンシャフトと始動発電機のシャフトとの間の変速比を変更するための装置であり、
始動発電機(20)のシャフト(22)によって担持される第1および第2の固定ギヤホイール(23、24)と、
タービンシャフトによって担持される第1および第2のアイドラーギヤホイール(13、14)であり、異なるギヤ比を規定するために第1および第2の固定ギヤホイールとそれぞれ噛み合うアイドラーギヤホイール(13、14)と、
アイドラーギヤホイールの間に配置され、タービンシャフトに機械的に結合される切換えスリーブ(50)であり、2つの結合位置の間で前記タービンシャフト上で並進移動可能である切換えスリーブ(50)と、
タービンシャフトと始動発電機シャフトとの間のトルクの和が符号を変化させる場合に、切換えスリーブを、その結合位置のいずれか一方から他方の結合位置へ自動的に並進移動させるための手段と
を備える装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンの一般的な分野、およびより詳細には、始動発電機を制御することに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の適用分野は、飛行機またはヘリコプタ、およびまた、補助動力装置(APUs)のためのエンジン用のガスタービンの分野である。
【0003】
ガスタービンでは、装置のいくつかの部品、または補機が、タービンシャフトから取り出される機械的動力による機械式伝動装置によって駆動される。補機ギヤボックス(AGB)と呼ばれるこの機械式伝動装置は、ケーシングに収容されかつ補機に機械的に結合される一組のギヤホイールを備える。これらのアクセスは、特に、油圧エネルギーを発生し、燃料を送給し、潤滑を行うためのさまざまなポンプ、およびある用途では、1つまたは複数の電気始動発電機(S/G)を備える。AGBを通して、S/Gの速度は、特に、AGBの歯車装置のラインのギヤ比に対応する比例係数にて、エンジンの動作速度に正比例する。
【0004】
ガスタービンが動作している場合には、そのまたは各S/Gは、発電装置として動作し、航空機およびそのエンジン(複数可)用の1つまたは複数の電気配分センタに電力を供給する電圧を発生する。
【0005】
ガスタービンが静止またはゆっくりと回転している場合には、S/Gは、AGBが接続されるタービンシャフトを回転することによってガスタービンを動作させるために外部エネルギー源から動力を供給されることによって、始動機として動作することができる。
【0006】
S/Gを動作するための最適な機械的条件は、これが始動機として動作しているか、または発電機として動作しているかによって相反する。
【0007】
所与の機械的動力について、S/Gが始動機として動作している場合には、S/Gのトルクを最小限にし、同時にまたエンジンを始動できるようになる充分なトルクを与えるために、高い回転速度を優先させることが望ましい。ギヤ比の変化がない場合に、始動機モードで高速を優先させる比を用いると、発電機モードで広範囲に及ぶ速度変化がもたらされ、それによって、航空機の電気ネットワークにこれを組み入れるのに不利となるようにS/Gの周波数範囲を増大させる。特に、(ある旅客機で通常容認できる、800ヘルツ(Hz)よりも大きな)上限が、許容できない場合がある。
【0008】
その結果として、タービンシャフトとS/Gとの間のギヤ比は、始動機としてのS/Gの動作と発電機としてのS/Gの動作との間の、使うのに便利な妥協点を与えるように選択される。ある旅客機では、始動機モードを損なうギヤ比を決定するのは発電機モードである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】仏国特許第2897895号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この問題を解決するために、本出願人は、S/G制御システムついての特許出願番号仏国特許出願第09/54983号明細書で提案を行っており、その中では、ギヤボックスが、タービンシャフトとS/Gとの間に配置され、前記ギヤボックスのギヤ比は、S/Gの動作のモードに応じて変化される。それにもかかわらず、この種のシステムは、ギヤボックスのギヤ比の変化を制御するために追加されるべき装置を必要とする欠点を示す。
【0011】
したがって、本発明の主な目的は、タービンシャフトと始動発電機のシャフトとの間の変速比を変更するための装置を提案することによってこの種の欠点を軽減することであり、それは、その種の制御装置を用いることを必要としない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的は、航空機用エンジンのタービンシャフトと始動発電機のシャフトとの間の変速比を変更するための装置にして、
始動発電機のシャフトによって担持される第1および第2の固定ギヤホイールと、
タービンシャフトによって担持される第1および第2のアイドラーギヤホイールであり、異なるギヤ比を規定するために第1および第2の固定ギヤホイールとそれぞれ噛み合うアイドラーギヤホイールと、
アイドラーギヤホイールの間に配置され、タービンシャフトに機械的に結合される切換えスリーブであり、2つの結合位置、すなわちこれが第1のアイドラーギヤホイールと噛み合う位置と、これが第2のアイドラーギヤホイールと噛み合う反対の位置との間で前記タービンシャフト上で並進移動可能である切換えスリーブと
を備える装置であって、
タービンシャフトと始動発電機シャフトとの間のトルクの和が符号を変化させる場合に、切換えスリーブをその結合位置のいずれか一方から他方の結合位置へ自動的に並進移動させるための手段をさらに備えることを特徴とする、装置によって達成される。
【0013】
切換えスリーブをその結合位置のうちの一方から他方へ並進移動させるために、本発明は、タービンシャフトと始動発電機のシャフトとの間のトルクの和が符号を変化させる場合のエンジンの動作点を利用することに備える。これらの動作点は、始動発電機のシャフトが(タービンシャフトに対して)駆動から被駆動に、またその反対に変化するとき、すなわちエンジンが始動または停止されていながら始動発電機の動作の2つのモードの間の遷移中の瞬間に対応する。さらに、本発明の装置の変速比の変化は、自動的に生じる、すなわち、この動作を行うために(電気または油圧アクチュエータなどの)特別な制御装置の必要はない(比が変化する点は、始動発電機のトルクレベルによって制御され得る)。これは、信頼性があり、軽量で、かつ低コストの装置を生む。
【0014】
切換えスリーブの側面のそれぞれが、ドグを担持し、各ドグは、
スリーブがその結合位置のうちの1つにある場合にアイドラーギヤホイールのうちの1つによって担持される歯の平面状のトルク伝動面に対して係合するための第1の平面と、
第1の平面と反対側の第2の平面であり、タービンシャフトと始動発電機のシャフトとの間のトルクの和が符号を変化させる場合に、そのトルク伝動面と反対側のアイドラーギヤホイールのうちの1つの歯の平面状の結合解除面上を摺動することが意図される第2の平面と
を有することが有利である。
【0015】
切換えスリーブのドグの第2の平面は、切換えスリーブの回転軸に実質的に平行であることができ、同時にアイドラーギヤホイールの歯の結合解除面は、前記スリーブの回転方向へ前記回転軸に対して傾斜され得る。
【0016】
あるいは、アイドラーギヤホイールの歯の結合解除面は、切換えスリーブの回転軸に実質的に平行であることができ、同時に切換えスリーブのドグの第2の平面は、前記スリーブの回転方向へ前記回転軸に対して傾斜され得る。
【0017】
さらに、特定の実施形態では、切換えスリーブのドグの第1の平面およびアイドラーギヤホイールの歯のトルク伝動面は、前記スリーブの回転方向へ切換えスリーブの回転軸に対して実質的に傾斜される。この傾斜角は、アイドラーギヤホイールに対してスリーブの保持を強める。
【0018】
装置は、その結合位置において切換えスリーブを安定させるための手段をさらに含むことが有利である。
【0019】
また、本発明は、タービンシャフトと、始動発電機と、上で規定したようにタービンシャフトと始動発電機のシャフトとの間の変速比を変更するための装置とを含む航空機用エンジンを提供する。
【0020】
本発明の他の特徴および利点は、いかなる限定的な性質をも有さない実施形態を示す添付の図面を参照して行われる、次の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のタービンシャフトと始動発電機のシャフトとの間の変速比を変更するための装置の機能図である。
【図2A】本発明の変速比変更装置の動作原理を示す線図である。
【図2B】本発明の変速比変更装置の動作原理を示す線図である。
【図2C】本発明の変速比変更装置の動作原理を示す線図である。
【図2D】本発明の変速比変更装置の動作原理を示す線図である。
【図3】図1の変速比変更装置の斜視部分図である。
【図4】本発明の他の実施形態の変速比変更装置の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、たとえば飛行機またはヘリコプタなどの、航空機用の任意のタイプのガスタービンエンジンに適用される。
【0023】
図1を参照して本明細書において説明される例では、より詳細には補機ギヤボックス10(AGB)を含む飛行機のタービンエンジンに注意が払われ、この補機ギヤボックス10は、油圧エネルギーを発生し、燃料を送給し、潤滑を行うなど、および特に始動発電機20(またはS/G)を駆動するためのさまざまなポンプのような、タービンの補機または補助装置を駆動するために使用される。
【0024】
知られている方法では、AGB10は、動力伝動シャフト11によって回転駆動される複数のギヤホイール(図示せず)を備え、そのシャフトは、タービンのシャフトに機械的に結合され、それによってタービンを始動できるようになる(通常、タービンエンジンの高圧シャフト)。
【0025】
S/G20、ならびにS/G20の動作および調整の仕方は、それ自身知られており、本明細書において説明されない。例示として、仏国特許第2897895号明細書の説明に関する参照が行われ得る。
【0026】
また、タービンエンジンは、タービンシャフトとS/G20のシャフト22との間の変速比を変更できるようにする本発明の装置30を含んでいる。
【0027】
その装置は、特に、ギヤホイールを担持する2つのシャフト、すなわちそれに固定される第1および第2の固定ギヤホイール23、24を担持するS/Gのシャフト22と、遊んでおり、かつそれぞれ第1および第2の固定ギヤホイールと噛み合う第1および第2のアイドラーギヤホイール13、14を担持するAGBのシャフト12とを有するギヤボックス40を備えている。
【0028】
第1のギヤホイール13、23は、第2のギヤホイール14、24によって規定されるギヤ比k2と異なるギヤ比k1を規定している。
【0029】
切換えスリーブ50は、アイドラーギヤホイール13とアイドラーギヤホイール14との間に配置され、AGBのシャフト12に機械的に結合される。この切換えスリーブは、2つの結合位置、すなわちこれが第1のアイドラーギヤホイール13と噛み合う位置(図2A)と、これが第2のアイドラーギヤホイール14と噛み合う反対の位置(図2D)との間で(たとえば、図に示されていないフルーティングによって)このシャフト12上で並進移動するのに適している。
【0030】
このために、切換えスリーブ50の側面のそれぞれは、その回転軸X−Xを中心に規則的に配置される複数のドグ502を含んでいる。同様に、アイドラーギヤホイール13、14のそれぞれの内側側面上に、アイドラーギヤホイール13、14は、これがその結合位置にある場合に切換えスリーブのドグ502と噛み合うための複数の歯132、142を有する。
【0031】
より正確には、切換えスリーブ50のドグ502のそれぞれは、互いに反対側の第1および第2の平面をもつ。
【0032】
ドグの第1の平面504は、切換えスリーブがその結合位置にある場合にアイドラーギヤホイール13、14の対応する歯132、142のトルク伝動平面134、144に対して係合するように設計される。
【0033】
駒の第1の平面504および歯のトルク伝動平面134、144は、(図1から図3に示されるように)切換えスリーブの回転軸X−Xに平行であることができ、さもなければ、これらは、(図4に示されるように)前記軸に対して実質的に傾斜され得る。この第2の形態では、図4に角度αによって概略的に示されるように面504、134、144の傾斜角は、切換えスリーブの回転方向Sに方向付けられ、約5°であることができる。この種の傾斜角は、アイドラーギヤホイールに対してスリーブの保持を促進する働きをする。
【0034】
ドグ502の第2の平面506に関する限りでは、噛み合わされたアイドラーギヤホイール13、14が制動し、切換えスリーブ50がそれに対して前進する場合には、前記第2の平面は、アイドラーギヤホイールの対応する歯132、142の平面の結合解除面136、146上を摺動するように設計され、これらの結合解除面は、歯のトルク伝動平面134、144と反対側にある。
【0035】
この種の摺動を得るために、切換えスリーブのドグの第2の平面506は、切換えスリーブの回転軸X−Xに平行であることができ、同時にアイドラーギヤホイールの歯の結合解除面136、146は、その軸に対して傾斜される。図2Cに角度βで概略的に示されるこの傾斜角は、スリーブの回転方向Sに方向付けられ、約45°から60°の範囲にあることが好ましい。
【0036】
もちろん、逆の配置が、同じ結果となることもでき、すなわち、示されていない実施形態では、アイドラーギヤホイールの歯の結合解除面は、切換えスリーブの回転軸に実質的に平行であり、同時に切換えスリーブのドグの第2の平面は、前記スリーブの回転方向と反対の方向に前記回転軸に対して傾斜される。
【0037】
平面図でギヤボックスを示している図2Aから図2Dを参照して、本発明の装置の動作の説明があとに続く。
【0038】
タービンエンジンを始動させるための命令を作動させる以前は、切換えスリーブ50は、図2Aに概略的に示されるその第1の結合位置にある(第1のアイドラーギヤホイール13と噛み合っている)。
【0039】
命令が作動されると、エンジン制御ユニット(ECU)は、これが始動機モードに変わるようにS/Gの励磁機を変更する。次いで、S/Gのシャフト22は、(第1のギヤホイール13と噛み合う切換えスリーブ50によって)AGBのシャフト12を回転駆動し、したがってタービンエンジンを始動させるためにタービンシャフトを駆動し、この噛み合いはギヤ比k1で行われる。
【0040】
いったんタービンエンジンが始動すると、タービンシャフト(およびしたがってAGBのシャフト)は、速度を増す。ある段階で、AGBのシャフト12とS/Gのシャフト22との間のトルクの和が、符号を変える。(AGBのシャフトがS/Gのシャフトに対して駆動することになる)。この変化の結果として、(AGBのシャフト12に結合される)切換えスリーブ50は、(S/Gのシャフト22に結合される)第1のアイドラーギヤホイール13よりも早く回転する傾向があり、このことは、速度を落とす。これは、第1のアイドラーギヤホイール13の歯132に対して切換えスリーブのドグ502の相対的な角度移動を生じさせ、その移動は、第1のアイドラーギヤホイールの回転方向Sに起こる。次いで、切換えスリーブのドグ502の第2の平面506は、第1のアイドラーギヤホイール13の歯132の結合解除面136に当たり、第2の平面506は結合解除面136の上を摺動し、それによって、スリーブを、第2のアイドラーギヤホイール14に向かって自動的に軸方向に並進移動させる(図2Bおよび図2C)。
【0041】
その軸方向ストロークの終わりに、切換えスリーブは、図2Dに概略的に示されるその第2の結合位置にある(第2のギヤホイール14および切換えスリーブ50が噛み合う)。より正確には、切換えスリーブの他方の側面のドグ502の第1の平面504は、第2のアイドラーギヤホイール14の対応する歯142のトルク伝動面144に対して当接するようになる。したがって、タービンシャフト(およびしたがって、AGBのシャフト12)は、ギヤ比k2によってS/Gのシャフト22を回転駆動する。
【0042】
もちろん、同一のプロセスの終わりに、切換えスリーブは、タービンシャフトとS/Gのシャフトとの間のトルクの和がもう一度符号を変えるとすぐに、図2Aに示されるようにその第1の結合位置に復帰することができる。これは、特に、タービンエンジンが停止されながら起こり、そのプロセス中にS/GのシャフトがAGBのシャフトに対して駆動することになる。
【0043】
その結合位置のいずれか一方から他方の結合位置へのスリーブの切換えは自動的に起こることが上記のことから容易に理解され得る。アイドラーギヤホイールの歯の面および切換えスリーブのドグの面の特定の形状寸法により、タービンシャフトとS/Gのシャフトとの間のトルクの和が符号を変えるたびに、アイドラーギヤホイールの一方または他方に向かってスリーブを押し出すことができるようになる。
【0044】
本発明の有利な特徴によれば、変速比変更装置は、その結合位置のそれぞれに切換えスリーブ50を安定させるための手段60をさらに含んでいる。
【0045】
図1に示されるように、これらの手段60は、静止構造物62の内側を摺動するように取り付けられ、かつ切換えスリーブ50の周囲に形成されるカム64に当たるようになるヘッド63を有する、ボールブッシュ61の形態をとることができる。また、ボールブッシュは、構造物に固締されたその他端を有する戻しばね65の端部に固締される。戻しばねは、ボールブッシュのヘッド63をカム64に対して絶えず圧迫するようにプリテンションが掛けられる。
【0046】
さらに、切換えスリーブの周囲に形成されるカムは、2つの傾斜66を有し、それぞれは、アイドラーギヤホイール13、14のそれぞれのものに向かって傾斜される。したがって、ボールブッシュのヘッドの2つの平衡位置だけが、切換えスリーブの2つの結合位置によって規定される。結果として、ボールブッシュの存在は、その結合位置に切換えスリーブを安定させる働きをする。また、ボールブッシュは、その結合位置のいずれか一方から他方へ位置を変えることを促進するために、スリーブを並進移動させることを容易にする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機用エンジンのタービンシャフトと始動発電機のシャフトとの間の変速比を変更するための装置にして、
始動発電機(20)のシャフト(22)によって担持される第1および第2の固定ギヤホイール(23、24)と、
タービンシャフトによって担持される第1および第2のアイドラーギヤホイール(13、14)であり、異なるギヤ比を規定するために第1および第2の固定ギヤホイールとそれぞれ噛み合うアイドラーギヤホイール(13、14)と、
アイドラーギヤホイールの間に配置され、タービンシャフトに機械的に結合される切換えスリーブ(50)であり、2つの結合位置、すなわちこれが第1のアイドラーギヤホイール(13)と噛み合う位置と、これが第2のアイドラーギヤホイール(14)と噛み合う反対の位置との間で前記タービンシャフト上で並進移動可能である切換えスリーブ(50)と
を備える装置であって、
タービンシャフトと始動発電機のシャフトとの間のトルクの和が符号を変化させる場合に、切換えスリーブをその結合位置のいずれか一方から他方の結合位置へ自動的に並進移動させるようにするための手段をさらに備えることを特徴とする、装置。
【請求項2】
切換えスリーブ(50)の側面のそれぞれが、ドグ(502)を担持し、各ドグは、
スリーブがその結合位置のうちの1つにある場合にアイドラーギヤホイール(13、14)のうちの1つによって担持される歯(132、142)の平面状のトルク伝動面(134、144)に対して係合するための第1の平面(504)と、
第1の平面と反対側の第2の平面(506)であり、タービンシャフトと始動発電機のシャフトとの間のトルクの和が符号を変化させる場合に、そのトルク伝動面と反対側のアイドラーギヤホイールのうちの1つの歯の平面状の結合解除面(136、146)上を摺動することが意図される第2の平面(506)と
を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
切換えスリーブのドグ(502)の第2の平面(506)が、切換えスリーブの回転軸(X−X)に実質的に平行であり、同時にアイドラーギヤホイールの歯(132、142)の結合解除面(136、146)が、前記スリーブの回転方向(S)へ前記回転軸に対して傾斜される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
アイドラーギヤホイール(13、14)の歯(132、142)の結合解除面(136、146)が、切換えスリーブの回転軸(X−X)と角度(β)を形成し、その角度が45°から60°の範囲にある、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
アイドラーギヤホイール(13、14)の歯(132、142)の結合解除面(136、146)が、切換えスリーブの回転軸(X−X)に実質的に平行であり、同時に切換えスリーブのドグ(502)の第2の平面(506)が、前記スリーブの回転方向(S)へ前記回転軸に対して傾斜される、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
切換えスリーブのドグ(502)の第1の平面(504)、およびアイドラーギヤホイールの歯(132、142)のトルク伝動面(134、144)が、前記スリーブの回転方向(S)へ切換えスリーブの回転軸(X−X)に対して実質的に傾斜される、請求項2から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
切換えスリーブのドグ(502)の第1の平面(504)、およびアイドラーギヤホイールの歯(132、142)のトルク伝動面(134、144)が、切換えスリーブの回転軸(X−X)と角度(α)を形成し、その角度が、約5°である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
その結合位置において切換えスリーブ(50)を安定させるための手段(60)をさらに含む、請求項2から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
タービンシャフトと、始動発電機(20)と、請求項1から8のいずれか一項に記載のタービンシャフトと始動発電機のシャフト(22)との間の変速比を変更するための装置とを含む、航空機用エンジン。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−511645(P2013−511645A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539386(P2012−539386)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【国際出願番号】PCT/FR2010/052432
【国際公開番号】WO2011/061438
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(505277691)スネクマ (567)
【Fターム(参考)】