説明

舶用ディーゼル機関

【課題】過給機を複数備えた舶用ディーゼル機関において、過給機を単独運転から並列運転させる際、あるいは並列運転から単独運転させる際に、起動または停止される過給機のサージングを防止すること。
【解決手段】エンジン本体2に搭載された排気マニホールド6と、タービン部4aとを連通する排気管L2と、排気管L2の途中に接続されたタービン入口弁10と、コンプレッサ部4bとエンジン本体2に搭載された給気マニホールド7とを連通する給気管L4と、給気管L4の途中に接続され、コンプレッサ部4bの出口圧力が、コンプレッサ3bの出口圧力以上のときに開状態となる逆止弁11と、給気管L4の途中で、コンプレッサ部4bと逆止弁11との間にその一端が接続された空気放出管L9と、空気放出管L9の途中に接続された空気放出弁12とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、舶用ディーゼル機関に関し、特に、排気を利用して給気を昇圧させる過給機を複数備えた舶用ディーゼル機関に関するものである。
【背景技術】
【0002】
商船の運航形態として、主機関での燃料消費量を削減するため、また運航スケジュールの調整のために常用の航海速力から幾らか減速して運航する場合がある。こういった場合には主機関の負荷を常用航海負荷から幾らか下げて運航する必要があるが、通常の過給機を1台のみ装備する場合は、広域な主機関負荷において最適な過給機効率を得ることは困難である。そこで、複数の過給機を装備し、これらの運転台数を制御することにより、広域な主機関負荷において最適な過給機効率が得られるため、通常の過給機1台のみの場合と比べ燃料消費量を削減することが可能となり、結果、商船の運航採算向上および環境負荷低減に寄与することが可能となる。このような過給機を複数備えた舶用ディーゼル機関としては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
【特許文献1】特開昭60−166716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に開示された舶用ディーゼル機関では、No.2過給機2の起動に際して弁bを開放すると、No.1過給機1のブロア1B(より詳しくは、掃気室3)からNo.2過給機2のブロア2Bに向かって逆流現象が発生し、No.2過給機2をスムーズに回転(起動)させることができず、No.2過給機2にサージングが発生してしまうといった問題点があった。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、過給機を複数備えた舶用ディーゼル機関において、過給機を単独運転から並列運転させる際、あるいは並列運転から単独運転させる際に、常に運転状態にある過給機のコンプレッサ部から起動または停止される過給機のコンプレッサ部への逆流現象を防止することができ、起動または停止される過給機をスムーズに起動または停止させることができて、起動または停止される過給機のサージングを防止することができる舶用ディーゼル機関を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係る舶用ディーゼル機関は、一台のエンジン本体と、前記エンジン本体から導かれた排気ガスによって駆動されるタービン部と、このタービン部により駆動されて前記エンジン本体に外気を圧送するコンプレッサ部とを有し、前記エンジン本体の運転中、常に運転状態とされる少なくとも一台の主排気タービン過給機と、前記エンジン本体から導かれた排気ガスによって駆動されるタービン部と、このタービン部により駆動されて前記エンジン本体に外気を圧送するコンプレッサ部とを有し、前記エンジン本体の運転中、停止状態、または前記主排気タービン過給機と並列運転状態とされる少なくとも一台の副排気タービン過給機とを備えた舶用ディーゼル機関であって、前記エンジン本体に搭載された排気マニホールドと、前記副排気タービン過給機のタービン部とを連通する排気管と、前記排気管の途中に接続されたタービン入口弁と、前記副排気タービン過給機のコンプレッサ部と前記エンジン本体に搭載された給気マニホールドとを連通する給気管と、前記給気管の途中に接続され、前記副排気タービン過給機の前記コンプレッサ部の出口圧力が、前記給気マニホールドの圧力以上のときに開状態となる逆止弁と、前記給気管の途中で、前記副排気タービン過給機のコンプレッサ部と前記逆止弁との間にその一端が接続された空気放出管と、前記空気放出管の途中に接続された空気放出弁とを備えている。
【0006】
また、本発明に係る舶用ディーゼル機関の運転方法は、一台のエンジン本体と、前記エンジン本体から導かれた排気ガスによって駆動されるタービン部と、このタービン部により駆動されて前記エンジン本体に外気を圧送するコンプレッサ部とを有し、前記エンジン本体の運転中、常に運転状態とされる少なくとも一台の主排気タービン過給機と、前記エンジン本体から導かれた排気ガスによって駆動されるタービン部と、このタービン部により駆動されて前記エンジン本体に外気を圧送するコンプレッサ部とを有し、前記エンジン本体の運転中、停止状態とされるか、あるいは前記主排気タービン過給機と並列運転状態とされる少なくとも一台の副排気タービン過給機とを備え、前記エンジン本体に搭載された排気マニホールドと、前記副排気タービン過給機のタービン部とを連通する排気管と、前記排気管の途中に接続されたタービン入口弁と、前記副排気タービン過給機のコンプレッサ部と前記エンジン本体に搭載された給気マニホールドとを連通する給気管と、前記給気管の途中に接続され、前記副排気タービン過給機の前記コンプレッサ部の出口圧力が、前記給気マニホールド圧力以上のときに開状態となる逆止弁と、前記給気管の途中で、前記副排気タービン過給機のコンプレッサ部と前記逆止弁との間にその一端が接続された空気放出管と、前記空気放出管の途中に接続された空気放出弁とを備えた舶用ディーゼル機関の運転方法であって、前記副排気タービン過給機の起動時には、前記空気放出弁を予め開放しておき、つぎに前記タービン入口弁を開けた後、前記空気放出弁を徐々に閉めていき、前記副排気タービン過給機の停止時には、前記空気放出弁を徐々に開けていき、つぎに前記タービン入口弁を徐々に閉めていくようにした。
【0007】
本発明に係る舶用ディーゼル機関または本発明に係る舶用ディーゼル機関の運転方法によれば、給気管に設けられた逆止弁は、例えば、副排気タービン過給機を起動して、副排気タービン過給機のコンプレッサ部の出口圧力が、給気マニホールドの圧力以上になると開放(全開)することとなる。
これにより、副排気タービン過給機の起動時における給気マニホールドから副排気タービン過給機のコンプレッサ部への逆流現象を防止することができ、副排気タービン過給機をスムーズに回転(起動)させることができて、副排気タービン過給機のサージングを防止することができる。
【0008】
また、本発明に係る舶用ディーゼル機関または本発明に係る舶用ディーゼル機関の運転方法によれば、給気管に設けられた逆止弁は、例えば、空気放出弁を開いてゆき、副排気タービン過給機のコンプレッサ部の出口圧力が、給気マニホールドの圧力よりも低くなると閉塞(全閉)するようになっている。
これにより、副排気タービン過給機の停止時における給気マニホールドから副排気タービン過給機のコンプレッサ部への逆流現象を防止することができ、副排気タービン過給機をスムーズに回転(停止)させることができて、副排気タービン過給機のサージングを防止することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る舶用ディーゼル機関によれば、過給機を単独運転から並列運転させる際、あるいは並列運転から単独運転させる際に、常に運転状態にある過給機のコンプレッサ部から起動または停止される過給機のコンプレッサ部への逆流現象を防止することができ、起動または停止される過給機をスムーズに起動または停止させることができて、起動または停止される過給機のサージングを防止することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係る舶用ディーゼル機関の一実施形態について、図1から図3を参照しながら説明する。
図1は本実施形態に係る舶用ディーゼル機関の概略構成図、図2および図3は本発明に係る舶用ディーゼル機関の作用効果を説明するためのグラフである。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る舶用ディーゼル機関1は、ディーゼルエンジン本体(例えば、低速2サイクルディーゼル機関)2と、第1の排気タービン過給機(主排気タービン過給機)3と、第2の排気タービン過給機(副排気タービン過給機)4とを備えている。
ディーゼルエンジン本体(以下「エンジン本体」という。)2を構成するクランク軸(図示せず)には、プロペラ軸(図示せず)を介してスクリュープロペラ(図示せず)が直接的または間接的に取り付けられている。また、エンジン本体2には、シリンダライナ(図示せず)、シリンダカバー(図示せず)等からなるシリンダ部5が設けられており、各シリンダ部5内には、クランク軸と連結されたピストン(図示せず)が配置されている。さらに、各シリンダ部5の排気ポート(図示せず)は、排気マニホールド6と接続されており、排気マニホールド6は、第1の排気管L1を介して第1の排気タービン過給機(以下、「過給機A」という。)3のタービン部3aの入口側と接続され、第2の排気管L2を介して第2の排気タービン過給機(以下、「過給機B」という。)4のタービン部4aの入口側と接続されている。一方、各シリンダ部5の給気ポート(図示せず)は、給気マニホールド7と接続されており、給気マニホールド7は、第1の給気管L3を介して過給機A3のコンプレッサ部3bと接続され、第2の給気管L4を介して過給機B4のコンプレッサ部4bと接続されている。
【0012】
過給機A3は、第1の排気管L1を介してエンジン本体2から導かれた排気ガス(燃焼ガス)によって駆動されるタービン部3aと、このタービン部3aにより駆動されてエンジン本体2に外気を圧送するコンプレッサ部3bと、これらタービン部3aとコンプレッサ部3bとの間に設けられてこれらを支持するケーシング(図示せず)とを主たる要素として構成されたものである。
また、ケーシングには、一端部をタービン部3a側に突出させ、他端部をコンプレッサ部3bに突出させた回転軸3cが挿通されている。回転軸3cの一端部は、タービン部3aを構成するタービン・ロータ(図示せず)のタービン・ディスク(図示せず)に取り付けられており、回転軸3cの他端部は、コンプレッサ部3bを構成するコンプレッサ羽根車(図示せず)のハブ(図示せず)に取り付けられている。
【0013】
過給機B4は、第2の排気管L2を介してエンジン本体2から導かれた排気ガス(燃焼ガス)によって駆動されるタービン部4aと、このタービン部4aにより駆動されてエンジン本体2に外気を圧送するコンプレッサ部4bと、これらタービン部4aとコンプレッサ部4bとの間に設けられてこれらを支持するケーシング(図示せず)とを主たる要素として構成されたものである。
また、ケーシングには、一端部をタービン部4a側に突出させ、他端部をコンプレッサ部4bに突出させた回転軸4cが挿通されている。回転軸4cの一端部は、タービン部4aを構成するタービン・ロータ(図示せず)のタービン・ディスク(図示せず)に取り付けられており、回転軸4cの他端部は、コンプレッサ部4bを構成するコンプレッサ羽根車(図示せず)のハブ(図示せず)に取り付けられている。
そして、タービン部3a,4aを通過した排気ガスはそれぞれ、タービン部3a,4aの出口側に接続された排気管L5,L6を介してファンネル(図示せず)に導かれた後、船外に排出されるようになっている。
【0014】
コンプレッサ部3b,4bの入口側に接続された給気管L7,L8にはそれぞれ、消音器(図示せず)が配置されており、この消音器を通過した外気が、コンプレッサ部3b,4bにそれぞれ導かれるようになっている。また、コンプレッサ部3b,4bの出口側に接続された給気管L3,L4の途中には、空気冷却器(インタークーラ)8,9や図示しないサージタンク等が接続されており、コンプレッサ部3b,4bを通過した外気は、これら空気冷却器8,9やサージタンク等を通過した後、エンジン本体2の給気マニホールド7に供給されるようになっている。
【0015】
さて、本実施形態に係る舶用ディーゼル機関1の第2の排気管L2の途中には、タービン入口弁10が接続され、第2の給気管L4(より詳しくは、コンプレッサ部4bと空気冷却器9とを結ぶ第2の給気管L4)の途中には、逆止弁11が接続されており、逆止弁11の上流側に位置する第2の給気管L4(より詳しくは、コンプレッサ部4bと逆止弁11とを結ぶ第2の給気管L4)の途中には、空気放出管L9の一端が接続されている。空気放出管L9の他端は、排気管L6またはファンネルの途中に接続されており、空気放出管L9を通過した外気は、排気ガスとともに船外に排出されるようになっている。また、空気放出管L9の途中には、空気放出弁12が接続されている。
【0016】
そして、タービン入口弁10および空気放出弁12はそれぞれ、過給機A3を単独運転させている状態から、過給機B4を起動して、過給機A3と過給機B4とを並列運転させるとき、あるいは過給機A3と過給機B4とを並列運転させている状態から、過給機B4を停止して、過給機A3を単独運転させるときに手動で、または自動的に開閉される。
すなわち、図2に示すように、過給機A3を単独運転させている状態から、過給機B4を起動して、過給機A3と過給機B4とを並列運転させるときには、タービン入口弁10を開放し(全開とし)、予め開放しておいた空気放出弁12を徐々に閉めていく。そして、空気放出弁12を徐々に閉めていくことにより、過給機A3および過給機B4のコンプレッサ出口圧力が徐々に上昇し、過給機A3および過給機B4のコンプレッサ出口圧力が所定の圧力までそれぞれ高められることとなる。
なお、逆止弁11は、過給機B4のコンプレッサ出口圧力が、給気マニホールド7の圧力以上になるか、あるいは給気マニホールド7の圧力と略等しくなると開放(全開)するようになっている。
【0017】
一方、図3に示すように、過給機A3と過給機B4とを並列運転させている状態から、過給機B4を停止して、過給機A3を単独運転させるときには、空気放出弁12を徐々に開放し(全開とし)、給気マニホールド7の圧力が、過給機B4のコンプレッサ出口圧力(コンプレッサ部4bの出口圧力)よりも高くなるようにした後、タービン入口弁10を閉めていく。そして、タービン入口弁10を閉めていくことにより、過給機B4のコンプレッサ出口圧力が徐々に低下して0(零)となり、過給機B4が停止する。
なお、逆止弁11は、過給機B4のコンプレッサ出口圧力が、給気マニホールド7の圧力よりも低くなるか、あるいは給気マニホールド7の圧力よりも所定の圧力低くなると閉塞(全閉)するようになっている。
【0018】
本実施形態に係る舶用ディーゼル機関1によれば、第2の給気管L4に設けられた逆止弁11は、過給機B4を起動して、過給機B4のコンプレッサ出口圧力(コンプレッサ部4bの出口圧力)が、給気マニホールド7の圧力以上になるか、あるいは給気マニホールド7の圧力と略等しくなると開放(全開)するようになっている。すなわち、過給機B4の起動時において、第2の給気管L4に設けられた逆止弁11は、過給機B4のコンプレッサ出口圧力と給気マニホールド7の圧力との圧力差がなくなって、あるいは僅少となってから開くようになっている。
これにより、過給機B4の起動時における給気マニホールド7からコンプレッサ部4bへの逆流現象を防止する、あるいは大幅に低減させることができ、過給機B4(の回転軸4c)をスムーズに回転(起動)させることができて、過給機B4のサージングを防止することができる。
【0019】
また、本実施形態に係る舶用ディーゼル機関1によれば、第2の給気管L4に設けられた逆止弁11は、空気放出弁12を開けていき、過給機B4のコンプレッサ出口圧力(コンプレッサ部4bの出口圧力)が、給気マニホールド7の圧力よりも低くなるか、あるいは給気マニホールド7の圧力よりも所定の圧力低くなると閉塞(全閉)するようになっている。すなわち、過給機B4の停止時において、第2の給気管L4に設けられた逆止弁11は、過給機B4のコンプレッサ出口圧力と給気マニホールド7の圧力との圧力差が所定の圧力よりも大きくなると閉まるようになっている。
これにより、過給機B4の停止時における給気マニホールド7からコンプレッサ部4bへの逆流現象を防止する、あるいは大幅に低減させることができ、過給機B4(の回転軸4c)をスムーズに回転(停止)させることができて、過給機B4のサージングを防止することができる。
【0020】
なお、上述した実施形態では、過給機A3および過給機B4をそれぞれ一台ずつ具備した舶用ディーゼル機関について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、過給機A3を2台以上および/または過給機B4を2台以上具備した舶用ディーゼル機関にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る舶用ディーゼル機関の概略構成図である。
【図2】本発明に係る舶用ディーゼル機関の作用効果を説明するためのグラフである。
【図3】本発明に係る舶用ディーゼル機関の作用効果を説明するためのグラフである。
【符号の説明】
【0022】
1 舶用ディーゼル機関
2 エンジン本体
3 過給機A(主排気タービン過給機)
3a タービン部
3b コンプレッサ部
4 過給機B(副排気タービン過給機)
4a タービン部
4b コンプレッサ部
6 排気マニホールド
7 給気マニホールド
10 タービン入口弁
11 逆止弁
12 空気放出弁
L2 排気管
L4 給気管
L9 空気放出管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一台のエンジン本体と、
前記エンジン本体から導かれた排気ガスによって駆動されるタービン部と、このタービン部により駆動されて前記エンジン本体に外気を圧送するコンプレッサ部とを有し、前記エンジン本体の運転中、常に運転状態とされる少なくとも一台の主排気タービン過給機と、
前記エンジン本体から導かれた排気ガスによって駆動されるタービン部と、このタービン部により駆動されて前記エンジン本体に外気を圧送するコンプレッサ部とを有し、前記エンジン本体の運転中、停止状態、または前記主排気タービン過給機と並列運転状態とされる少なくとも一台の副排気タービン過給機とを備えた舶用ディーゼル機関であって、
前記エンジン本体に搭載された排気マニホールドと、前記副排気タービン過給機のタービン部とを連通する排気管と、
前記排気管の途中に接続されたタービン入口弁と、
前記副排気タービン過給機のコンプレッサ部と前記エンジン本体に搭載された給気マニホールドとを連通する給気管と、
前記給気管の途中に接続され、前記副排気タービン過給機の前記コンプレッサ部の出口圧力が、前記給気マニホールドの圧力以上のときに開状態となる逆止弁と、
前記給気管の途中で、前記副排気タービン過給機のコンプレッサ部と前記逆止弁との間にその一端が接続された空気放出管と、
前記空気放出管の途中に接続された空気放出弁とを備えてなることを特徴とする舶用ディーゼル機関。
【請求項2】
一台のエンジン本体と、
前記エンジン本体から導かれた排気ガスによって駆動されるタービン部と、このタービン部により駆動されて前記エンジン本体に外気を圧送するコンプレッサ部とを有し、前記エンジン本体の運転中、常に運転状態とされる少なくとも一台の主排気タービン過給機と、
前記エンジン本体から導かれた排気ガスによって駆動されるタービン部と、このタービン部により駆動されて前記エンジン本体に外気を圧送するコンプレッサ部とを有し、前記エンジン本体の運転中、停止状態とされるか、あるいは前記主排気タービン過給機と並列運転状態とされる少なくとも一台の副排気タービン過給機とを備え、
前記エンジン本体に搭載された排気マニホールドと、前記副排気タービン過給機のタービン部とを連通する排気管と、
前記排気管の途中に接続されたタービン入口弁と、
前記副排気タービン過給機のコンプレッサ部と前記エンジン本体に搭載された給気マニホールドとを連通する給気管と、
前記給気管の途中に接続され、前記副排気タービン過給機の前記コンプレッサ部の出口圧力が、前記給気マニホールドの圧力以上のときに開状態となる逆止弁と、
前記給気管の途中で、前記副排気タービン過給機のコンプレッサ部と前記逆止弁との間にその一端が接続された空気放出管と、
前記空気放出管の途中に接続された空気放出弁とを備えた舶用ディーゼル機関の運転方法であって、
前記副排気タービン過給機の起動時には、前記空気放出弁を予め開放しておき、つぎに前記タービン入口弁を開けた後、前記空気放出弁を徐々に閉めていき、
前記副排気タービン過給機の停止時には、前記空気放出弁を徐々に開けていき、つぎに前記タービン入口弁を閉めるようにしたことを特徴とする舶用ディーゼル機関の運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−167799(P2009−167799A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−3361(P2008−3361)
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(591083118)ツネイシホールディングス株式会社 (18)
【出願人】(000005119)日立造船株式会社 (764)
【Fターム(参考)】