説明

船舶の制御方法および船舶

【課題】船内余剰電力を可及的に少なくするとともに、船速変動を抑制することができる船舶の制御方法を提供する。
【解決手段】メインエンジン22を駆動する工程と、モータ35の運転によってメインエンジン22を加勢する工程と、メインエンジン22の排ガスによってパワータービン23を駆動させることで発電を行う工程と、メインエンジン22の排ガスによって生成された蒸気によって蒸気タービン26を駆動させることで発電を行う工程と、船内需要電力に対しての余剰電力を可及的に抑えるようにパワータービン23及び蒸気タービン26の電力量を制御する工程と、モータ運転による出力に相当するメインエンジン22の燃料噴射量を換算燃料噴射量として演算し、メインエンジン22に供給される燃料噴射量から該換算燃料噴射量を減算することで燃料噴射量を制御する工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶推進用のメインエンジンの排熱を回収して発電する発電機と、メインエンを加勢する加勢モータを備えた排熱回収型船舶推進装置を備えた船舶の制御方法および船舶に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、船舶用排熱回収システムとして、メインエンジンの排ガスを利用して生成した蒸気によって蒸気タービンを駆動して発電する排熱回収型船舶推進装置が知られている。また、メインエンジンによって駆動されて発電し、船内の余剰電力を得てメインエンジンを加勢する軸発電機モータが知られている。これらを備えたシステムは、船舶の省エネ化技術として提案されており、例えば下記特許文献1に開示されている。この特許文献1には、メインエンジンの排ガスを利用して蒸気タービンを駆動して発電し、発電した電力を軸発電機モータにて利用する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−1339号公報(図1及び図5(e)参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、蒸気タービン等によって発電された発電電力が船内要求電力に対して過剰となって余剰電力が生じることがある。このような事象は、船内負荷が急減した場合(例えば船内の冷凍コンテナに供給する電力を止めた場合)に発生する。このように余剰電力が発生した場合、船内要求電力と発電電力とのアンバランスによって電力周波数の変動が大きくなる可能性がある。
【0005】
また、メインエンジンの排ガスによって駆動されて発電するパワータービン(ガスタービン)を設けたシステムについても同様に、船内要求電力と発電電力とのアンバランスによって電力周波数の変動が大きくなる可能性がある。
【0006】
このように、蒸気タービンやパワータービンを備えた排熱回収システムでは、一般に、船内要求電力に基づく発電指令値と現在の発電量とを用いたフィードバック制御によって、蒸気タービンに供給される蒸気量やパワータービンに供給される排ガス量が制御されるので、応答遅れが無視できないものとなっている。したがって、電力周波数の変動を抑えるために船内要求電力に対する応答性を高めることが要求される。
【0007】
一方、軸発電機モータは、船内の余剰電力によってモータとして駆動されるため、この軸発電機モータによるアシストトルクが外乱となり、一定速度で航行しようとする船舶が急加速してしまう。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、船内余剰電力を可及的に少なくするとともに、船速変動を抑制することができる船舶の制御方法および船舶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】


上記課題を解決するために、本発明の船舶の制御方法および船舶は以下の手段を採用する。
本発明の船舶の制御方法は、メインエンジンを駆動する工程と、モータ運転によって前記メインエンジンを加勢する工程と、前記メインエンジンの排ガスによってパワータービンを駆動させることで発電を行う工程と、前記メインエンジンの排ガスによって生成された蒸気によって蒸気タービンを駆動させることで発電を行う工程と、を備えた船舶の制御方法において、船内需要電力に対しての余剰電力を可及的に抑えるように前記パワータービン及び前記蒸気タービンの電力量を制御する工程と、前記モータ運転による出力に相当する前記メインエンジンの燃料噴射量を換算燃料噴射量として演算し、前記メインエンジンに供給される燃料噴射量から該換算燃料噴射量を減算することで燃料噴射量を制御する工程と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の船舶の制御方法は、メインエンジンを駆動する工程と、モータ運転によって前記メインエンジンを加勢する工程と、前記メインエンジンの排ガスによってパワータービンを駆動させることで発電を行う工程と、前記メインエンジンの排ガスによって生成された蒸気によって蒸気タービンを駆動させることで発電を行う工程と、を備えた船舶の制御方法において、船内需要電力および前記メインエンジンの負荷に基づいて、前記パワータービンに供給される前記メインエンジンからの排ガスの流量を制御し、かつ/又は、船内需要電力および前記メインエンジンの負荷に基づいて、前記蒸気タービンに供給される蒸気の流量を制御する工程と、前記モータ運転による出力に相当する前記メインエンジンの燃料噴射量を換算燃料噴射量として演算し、前記メインエンジンに供給される燃料噴射量から該換算燃料噴射量を減算することで燃料噴射量を制御する工程と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の船舶の制御方法は、メインエンジンを駆動する工程と、モータ運転によって前記メインエンジンを加勢する工程と、前記メインエンジンの排ガスによってパワータービンを駆動させることで発電を行う工程と、前記メインエンジンの排ガスによって生成された蒸気によって蒸気タービンを駆動させることで発電を行う工程と、を備えた船舶の制御方法において、船内需要電力および前記メインエンジンの負荷に基づいて、前記パワータービンに供給される前記メインエンジンからの排ガスの流量を制御するパワータービン用制御弁の開度をフィードフォワード開度として演算し、該パワータービン用制御弁に対して該フィードフォワード開度を出力し、かつ/又は、船内需要電力および前記メインエンジンの負荷に基づいて、前記蒸気タービンに供給される蒸気の流量を制御する蒸気タービン用制御弁の開度をフィードフォワード開度として演算し、該パワータービン用制御弁に対して該フィードフォワード開度を出力する工程と、前記モータ運転による出力に相当する前記メインエンジンの燃料噴射量を換算燃料噴射量として演算し、前記メインエンジンに供給される燃料噴射量から該換算燃料噴射量を減算することで燃料噴射量を制御する工程と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の船舶は、推進用プロペラを駆動するメインエンジンと、該メインエンジンの排ガスによって駆動されるパワータービンと、前記メインエンジンの排ガスによって生成された蒸気によって駆動される蒸気タービンと、前記パワータービン及び前記蒸気タービンによって駆動されるタービン発電機と、前記メインエンジンと前記推進用プロペラとの間に設けられ、船内の余剰電力を得て該メインエンジンを加勢するモータ運転が可能とされた加勢モータと、を備えた船舶において、船内需要電力に対しての余剰電力を可及的に抑えるように前記パワータービン及び前記蒸気タービンの電力量を制御する制御部と、前記モータ運転による出力に相当する前記メインエンジンの燃料噴射量を換算燃料噴射量として演算し、前記メインエンジンに供給される燃料噴射量から該換算燃料噴射量を減算することで燃料噴射量を制御する燃料噴射料制御部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の船舶は、推進用プロペラを駆動するメインエンジンと、該メインエンジンの排ガスによって駆動されるパワータービンと、前記メインエンジンの排ガスによって生成された蒸気によって駆動される蒸気タービンと、前記パワータービン及び前記蒸気タービンによって駆動されるタービン発電機と、前記メインエンジンと前記推進用プロペラとの間に設けられ、船内の余剰電力を得て該メインエンジンを加勢するモータ運転が可能とされた加勢モータと、を備えた船舶において、船内需要電力および前記メインエンジンの負荷に基づいて、前記パワータービンに供給される前記メインエンジンからの排ガスの流量を制御し、かつ/又は、船内需要電力および前記メインエンジンの負荷に基づいて、前記蒸気タービンに供給される蒸気の流量を制御する蒸気タービン制御部と、前記モータ運転による出力に相当する前記メインエンジンの燃料噴射量を換算燃料噴射量として演算し、前記メインエンジンに供給される燃料噴射量から該換算燃料噴射量を減算することで燃料噴射量を制御する燃料噴射料制御部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の船舶は、推進用プロペラを駆動するメインエンジンと、該メインエンジンの排ガスによって駆動されるパワータービンと、前記メインエンジンの排ガスによって生成された蒸気によって駆動される蒸気タービンと、前記パワータービン及び前記蒸気タービンによって駆動されるタービン発電機と、前記メインエンジンと前記推進用プロペラとの間に設けられ、船内の余剰電力を得て該メインエンジンを加勢するモータ運転が可能とされた加勢モータとを備えた船舶において、船内要求電力および前記メインエンジンの負荷に基づいて、前記パワータービンに供給される前記メインエンジンからの排ガスの流量を制御するパワータービン用制御弁の開度をフィードフォワード開度として演算し、該パワータービン用制御弁に対して該フィードフォワード開度を出力するパワータービン制御部、及び/又は、船内要求電力および前記メインエンジンの負荷に基づいて、前記蒸気タービンに供給される蒸気の流量を制御する蒸気タービン用制御弁の開度をフィードフォワード開度として演算し、該蒸気タービン用制御弁に対して該フィードフォワード開度を出力する蒸気タービン制御部と、前記加勢モータの前記モータ運転時の出力に相当する前記メインエンジンの燃料噴射量を換算燃料噴射量として演算し、前記メインエンジンに供給される燃料噴射量から該換算燃料噴射量を減算する燃料噴射量制御部とを備えていることを特徴とする。
【0015】
船内要求電力に基づいてパワータービン用制御弁の開度をフィードフォワード制御するので、船内要求電力に対するパワータービンの応答性が向上する。したがって、船内の余剰電力を可及的に減じることができる。
加勢モータのモータ運転時の出力に相当するメインエンジンの燃料噴射量を換算燃料噴射量として演算し、メインエンジンに供給される燃料噴射量から減算するので、余剰電力によって加勢モータがメインエンジンを加勢しても、プロペラ回転数の変動を抑えることができる。
船内余剰電力を低減して電力周波数変動を抑制し、所望の一定速度にて航行できる船舶を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、船内要求電力に基づいてパワータービン用制御弁の開度をフィードフォワード制御して船内要求電力に対するパワータービンの応答性を向上させることができるので、船内余剰電力を可及的に減じることができる。
また、船内要求電力に基づいて蒸気タービン用制御弁の開度をフィードフォワード制御して船内要求電力に対する蒸気タービンの応答性を向上させることができるので、船内余剰電力を可及的に減じることができる。
また、加勢モータのモータ運転時の出力に相当するメインエンジンの燃料噴射量(換算燃料噴射量)を用いて燃料噴射量を補正するので、余剰電力によって加勢モータがメインエンジンを加勢する場合でも船速変動を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の排熱回収型船舶推進装置の概略構成図である。
【図2】船内要求電力およびメインエンジン負荷割合に対して蒸気タービン、パワータービン、軸発電機モータおよび発電用ディーゼルエンジンの負荷分担を示したグラフ図である。
【図3】メインエンジン負荷割合ごとに、パワータービン出力目標値と排ガス量調整弁開度(制御弁B開度)との関係を示したグラフである。
【図4】パワータービンの排ガス量調整弁の開度制御を実現する制御ブロック図である。
【図5】パワータービンの排ガス量調整弁の開度制御を示したフローチャートである。
【図6】船舶のメインエンジンに対する燃料噴射量制御を実現する制御ブロック図である。
【図7】(a)は軸発電機モータ出力と相当メインエンジン出力(機関出力)との関係を示したグラフであり、(b)はメインエンジン出力(機関出力)、メインエンジン回転数(機関回転数)及び燃料噴射量指令との関係を示したグラフである。
【図8】電力余剰状態の判定を行う制御ブロック図である。
【図9】図6に対して電子制御エンジンの場合を示した制御ブロック図である。
【図10】図9に対して船速を直接制御する場合を示した制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る排熱回収型船舶推進装置およびこれを備えた船舶の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、船舶に設けられた排熱回収型船舶推進装置の概略構成が示されている。
排熱回収型船舶推進装置1は、船舶を推進させるメインエンジン22と、メインエンジン22に供給する空気を圧縮する排気タービン過給機21と、パワータービン(ガスタービン)23と、蒸気タービン26と、これらパワータービン23及び蒸気タービン26に対して接続されたタービン発電機28とを備えている。これらメインエンジン22,パワータービン23,蒸気タービン26及びタービン発電機28は、図示しない制御部によってその動作が制御される。
【0019】
メインエンジン22は、例えば低速2サイクルディーゼル機関とされている。メインエンジン22の出力軸32には軸発電機モータ(加勢モータ)35が接続されており、この軸発電機モータ35にはプロペラ軸33を介してスクリュープロペラ30が取り付けられている。
また、メインエンジン22には、シリンダライナ(図示せず)、シリンダカバー(図示せず)等からなる複数のシリンダが設けられており、各シリンダ内には、クランク軸と連結されたピストン(図示せず)が配置されている。さらに、各シリンダの排気ポート(図示せず)は、排気マニホールド(図示せず)と接続されており、排気マニホールドは、排気タービン過給機21のタービン部21aの入口側と接続されるとともに、パワータービン23の入口側と接続されている。一方、各シリンダの給気ポート(図示せず)は、給気マニホールド(図示せず)と接続されており、給気マニホールドは、インタークーラとされた空気冷却器31を介して排気タービン過給機21のコンプレッサ部21bと接続されている。
軸発電機モータ35は、船内の余剰電力を得てメインエンジン22を加勢するモータ運転を行う一方で、メインエンジン22によって駆動されて発電する発電運転を行うことが可能となっている。軸発電機モータ35の動作は、図示しない制御部によって制御される。
【0020】
排気タービン過給機21のタービン部21aの下流側には、排ガスエコノマイザが設けられている。この排ガスエコノマイザには、排気タービン過給機21からの排ガスだけでなく、パワータービン23からの排ガスも導入されるようになっている。排ガスエコノマイザの熱交換部では、導入された排ガスの熱によって給水管(図示せず)から供給された水が加熱・蒸発されて過熱蒸気が発生する。熱交換部で生成された過熱蒸気は主蒸気として蒸気タービン26に導入され、また、この蒸気タービン26で仕事を終えた蒸気は復水器29に導かれて水に戻される。復水器29にて復水された水は、空気冷却器31やメインエンジン22の壁部を冷却して温められた後、排ガスエコノマイザへ再び供給される。
【0021】
パワータービン23は、メインエンジン22の排気マニホールドから抽気された排ガスによって回転駆動されるようになっており、また、蒸気タービン26は、排ガスエコノマイザによって生成された蒸気が供給されて回転駆動されるようになっている。
パワータービン23と蒸気タービン26とは直列に結合されてタービン発電機28を駆動するようになっている。蒸気タービン26の出力軸は減速機27およびカップリング(図示せず)を介してタービン発電機28に接続され、また、パワータービン23の出力軸は減速機24およびクラッチ25を介して蒸気タービン26の入力軸と連結されている。クラッチ25としては、所定の回転数にて嵌脱されるクラッチが用いられ、例えばSSS(Synchro-Self-Shifting)クラッチが好適に用いられる。
【0022】
パワータービン23の排ガス流れ上流側には、パワータービン23に導入するガス量を制御する排ガス量調整弁(パワータービン用制御弁)Bと、非常時にパワータービン23への排ガスの供給を遮断する非常停止用緊急遮断弁Aとが設けられている。また、排ガス量調整弁Bへの排ガス流れをバイパスするためのバイパス弁Cが設けられている。
【0023】
蒸気タービン26の蒸気流れ上流側には、蒸気タービン26に導入する蒸気量を制御する蒸気量調整弁(蒸気タービン用制御弁)Eと、非常時に蒸気タービン26への蒸気の供給を遮断する非常停止用緊急遮断弁Dとが設けられている。また、蒸気量調整弁Eへの蒸気流れをバイパスするためのバイパス弁Fが設けられている。
上述の排ガス量調整弁Bおよび蒸気量調整弁Eは、後述するようにそれぞれの開度が制御部によって制御される。
【0024】
以上のようにタービン発電機28は、メインエンジン22の排ガス(燃焼ガス)の排気エネルギーを回収して動力として駆動されるようになっている。
タービン発電機28にて発電された電力は、図示しない電力線を介して船内系統へと接続されている。また、軸発電機モータ35によって発電された電力も、図示しない電力線を介して船内系統へと接続されている。さらに、本実施形態の船舶は、発電用ディーゼルエンジンDG1,DG2,DG3(図示せず)を補機発電機として3台備えており、これらの発電電力も、図示しない電力線を介して船内系統へと接続されている。
船内要求電力は、船内系統に接続された電流計および電圧計から得た電流値および電圧値から図示しない制御部にて演算するようになっている。
【0025】
発電を行う蒸気タービン26、パワータービン23、軸発電機モータ35、及び3台の発電用ディーゼルエンジンDG1,DG2,DG3の負荷分担は、船内要求電力およびメインエンジン22の負荷に基づいて、図2のように決定される。
図2において、横軸はメインエンジン22の負荷割合(%)を示し、縦軸は船内要求電力(kW)を示す。なお、縦軸および横軸の数値は、船舶の種類、大きさ等によって適宜決定される。同図に示した例は、コンテナ船の場合を示しており、冷凍コンテナへ給電しない場合(without Ref Container)の船内要求電力と、全ての冷凍コンテナへ給電する場合(with Max Ref Container)の船内要求電力が示されている。
【0026】
メインエンジン負荷割合が小さい場合は、蒸気タービン(ST)やパワータービン(PT)を動作させるのに十分な排気エネルギーが得られないため、3台の発電用ディーゼルエンジンDG1,DG2,DG3のみによって船内要求電力を満たすように運転される。各発電用ディーゼルエンジンDG1,DG2,DG3は、船内要求電力の増加に伴い、第1発電用ディーゼルエンジンDG1、第2発電用ディーゼルエンジンDG2、第3発電用ディーゼルエンジンDG3の順に立ち上げていく。
【0027】
メインエンジン負荷割合が所定値以上になると、蒸気タービン(ST)が起動可能な蒸気量を得ることができる排ガス熱量が得られるので、先ず蒸気タービン(ST)を起動する。メインエンジン負荷割合が上昇するにつれて、軸発電機モータ(SGM)を起動し、そしてパワータービン(PT)を起動する。
メインエンジン負荷割合が上昇するにつれて蒸気タービン(ST)、軸発電機モータ(SGM)、パワータービン(PT)が順次起動するにしたがい、発電用ディーゼルエンジンについては、第3発電用ディーゼルエンジンDG3,第2発電用ディーゼルエンジンDG2,第1発電用ディーゼルエンジンDG1の順に負荷分担を下げていく。
【0028】
同図に示されているように、メインエンジン負荷割合が通常航海時の場合で、平均船内要求電力の場合には、蒸気タービン(ST)26、パワータービン(PT)23、及び軸発電機モータ(SGM)35によって発電が行われ、発電用ディーゼルエンジンDG1,DG2,DG3では発電を必要としないことが分かる。また、蒸気タービン(ST)及びパワータービン(PT)は、エンジン負荷割合に応じた出力可能電力を出力するようにして優先的に発電することとし、軸発電機モータ(SGM)については、エンジン負荷割合に応じた出力可能電力の所定割合のみを発電させて出力を抑えることとしている。このように、軸発電機モータ(SGM)よりも蒸気タービン(ST)及びパワータービン(PT)を優先することにより、メインエンジン22の排熱回収を最大限行うこととしている。
【0029】
[パワータービンの制御]
次に、パワータービン23の制御について説明する。
パワータービン23の排ガス量調整弁Bの開度は、図3に示すように、パワータービン出力目標値に対して、メインエンジン負荷割合ごとに予め決定されている。同図では、メインエンジン負荷割合50%、60%及び100%に対する排ガス量調整弁Bの開度マップが示されている。このようなマップは、数値計算若しくは実測によって予め得られており、制御部のメモリに格納されている。また、マップによる演算に代えて、換算係数を用いた数式モデルにより逐次計算しても良い。
【0030】
図4には、パワータービン23の制御を行う制御ブロック図が示されている。この制御ブロック図に基づいて、図5のフローチャートに従ってパワータービン23の開度指令が以下のように行われる。
図5のステップS1で開始されると、ステップS2で、メインエンジン負荷割合毎に所望のパワータービン出力が得られる排ガス量調整弁(制御弁B)の開度マップ(図3参照)を数値計算若しくは実測にて予め得ておく。
【0031】
次いで、ステップS3では、発電出力指令計算器2により、パワータービン出力目標値を算出する。パワータービン出力目標値は、メインエンジン負荷割合および船内要求電力に応じて、図2に示したマップから得られる。船内要求電力は、上述の通り船内系統から得られる電流値および電圧値から演算される。
【0032】
ステップS4でパワータービン実出力値を計測し、ステップS5でパワータービン出力目標値とパワータービン実出力値との差が減算器3によって計算される。そして、ステップS6では、減算器3によって得られた制御偏差を基にPID制御器4でPID制御演算を行い、フィードバック制御量(操作量)O1を導出する。
【0033】
ステップS7では、パワータービン目標回転数とパワータービン実回転数との回転数偏差に基づいて、開度換算器でフィードバック制御量(操作量)O2を演算する。
ステップS8では、図3に示したマップから、開度計算器5で得られたパワータービン出力目標値およびメインエンジン負荷割合を用いて、排ガス量調整弁Bの開度を得て、フィードフォワード制御量(操作量)O3を求める。
【0034】
そして、ステップS9で、フィードバック制御量O2とフィードフォワード制御量O3との和が加算器6で行われ、この出力結果とフィードバック制御量O1との和が加算器7で行われ、最終的に排ガス量調整弁Bの開度指令値が決定される。
以上のステップS3〜S9の演算を所定の制御周期によって繰り返し行うことにより、船内要求電力の変動に対応したパワータービン23の制御を行う。
【0035】
このように、船内要求電力に基づいて排ガス量制御弁Bの開度をフィードフォワード制御するので、船内要求電力に対するパワータービン23の応答性を向上させることができ、結果として船内の余剰電力を可及的に減じることができる。
【0036】
[蒸気タービンの制御]
次に、蒸気タービンの制御について説明する。
蒸気タービン26の蒸気量調整弁Eの開度は、上述したパワータービン23の排ガス量調整弁Bと同様にフィードフォワード制御を用いて行われる。
すなわち、メインエンジン負荷割合毎に蒸気タービン出力目標値に対する蒸気量調整弁Eの開度を図3と同じ要領で予め得ておき、制御部のメモリに格納しておく。
そして、図4に示した制御ブロック図のように、メインエンジン負荷割合と船内要求電力から図2のマップに従い、発電出力指令計算器2にて蒸気タービン出力目標値を得る。この蒸気タービン出力目標値と、蒸気タービン実出力値との差を減算器3によって演算し、PID制御器4によってフィードバック制御量(操作量)O1を演算する。
また、開度計算器5によって、メインエンジン負荷割合および蒸気タービン出力目標値に基づいて、蒸気タービンに関する図3のマップから蒸気量調整弁Eの開度のフィードフォワード制御量(操作量)O3を得る。このフィードフォワード制御量O3と、蒸気タービン目標回転数と蒸気タービン実回転数との回転数偏差に基づいて開度換算器にて得られたフィードバック制御量O2とを加算器6で加算するとともに、この出力結果とフィードバック制御量O1との和を加算器7で演算する。このようにして、蒸気量調整弁Eの開度が決定される。以上の開度計算を所定の制御周期によって繰り返し行うことにより、船内要求電力の変動に対応した蒸気タービン26の制御を行う。
【0037】
このように、船内要求電力に基づいて蒸気量調整弁Eの開度をフィードフォワード制御するので、船内要求電力に対する蒸気タービン26の応答性を向上させることができ、結として船内の余剰電力を可及的に減じることができる。
【0038】
以上の通り、本実施形態では、パワータービン23の排ガス量調整弁Bの開度制御と蒸気タービン26の蒸気量調整弁Eの開度制御は、それぞれ独立して行われる。
ただし、一般的に蒸気系の応答は遅いため、蒸気タービン制御をマスタ、パワータービンをスレーブとして動作させ、パワータービンの指令を作成するようにしてもよい。具体的には、図4の発電出力指令計算器2にてパワータービン目標出力を演算する際に、蒸気タービン負荷を加味する。これにより、パワータービン側で蒸気タービン側の負荷を監視しながら排ガス量調整弁Bの開度をコントロールし、余剰電力の変動がパワータービンのほうにつられないように制御弁の開度指令を行うことができる。
【0039】
[軸発電機モータの制御]
次に、軸発電機モータ35の制御について説明する。
図1に示した排熱回収型船舶推進装置1は、パワータービン23や蒸気タービン26の船内要求電力に対する応答性を向上させたため、余剰電力を可及的に抑えることができるようになっている。しかし、想定以上に船内要求電力が急激に減少してしまい、比較的大きな余剰電力が発生したときは、余剰電力によって駆動される軸発電機モータ35からのアシストトルクが外乱となり、一定速度で航行しようとする船舶が急加速してしまう。そこで、本実施形態では、以下に示す制御を行う。
【0040】
図6には、船舶の燃料噴射量制御ロジックを示す制御ブロック図が示されている。同図において、船舶の操縦者が要求するプロペラ回転速度によりプロペラ回転数指令が与えられると、その目標とする要求されたプロペラ回転数は制御器41で燃料噴射量に換算され、燃料噴射指令を与える。
【0041】
一方、船内要求電力の急減により発生する余剰電力量を検知し、電力余剰状態であると判定されると(後述する図8参照)、マップA(後述する図7参照)による軸発電機モータ35の出力に相当するメインエンジン出力を、図6に示す機関出力演算器45で演算する。そして、燃料噴射量演算器46にて、マップB(後述する図7参照)を用いてメインエンジン回転数およびメインエンジン出力に相当する燃料噴射量(換算燃料噴射量)をフィードフォワード制御量として演算する。この余剰電力によって求められる燃料噴射量のフィードフォワード制御量を減算器47へ伝送し、制御器41の燃料噴射指令から差し引く。減算器47からの補正後の燃料噴射指令をメインエンジン22へ与える。このように、フィードフォワード制御を加えることにより最終的にメインエンジン22に供給すべき燃料噴射量を制御する。
【0042】
次いで、軸発電機モータ35からのアシストトルクを加算し、航行負荷(例えば、船体抵抗)を減算した後の回転数を、回転数計算器43にてエンジン軸のセンサ出力に基づいて回転数計算を行う。その出力結果であるプロペラ実出力値をフィードバックしてプロペラ回転数指令値との差分が減算器44にて演算される。
【0043】
上述した燃料噴射量のフィードフォワード制御量は、機関出力演算器45と、燃料噴射量演算器46にて、予め作成された図7(a)及び図7(b)に示すマップA及びマップBをそれぞれ用いて演算される。図7(a)のマップAは、軸発電機モータ35のモータ出力に相当する機関出力を演算することができるマップであり、2次元マップで示される。また、図7(b)のマップBは、メインエンジン回転数およびメインエンジン出力に相当する燃料噴射量(換算燃料噴射量)を演算することができるマップであり、3次元マップで示される。
このように、軸発電機モータ35のモータ出力を直接検知することから、図7(a),(b)に示したマップA及びマップBにより、燃料噴射量のフィードフォワード制御量を演算することができる。なお、マップによる演算に代えて、換算係数を用いた数式モデルにより逐次計算しても良い。
【0044】
図6に示したフィードフォワード制御を開始する電力余剰状態についての判定は、図8に示す電力余剰状態判定手段で判定される。
電力余剰状態判定手段は、まず船内要求電力演算51で船内系統の電圧と電流値とから船内要求電力が演算される。この船内要求電力演算は、図4を用いて説明したパワータービン23及び蒸気タービン26の制御の際に用いる船内要求電力演算と同様である。
一方、排熱回収システムを搭載した船舶では、タービン発電機28、軸発電機モータ35および発電用ディーゼルエンジンの合計が電力供給である。よって、これらの出力の合計から、船内要求電力を減算することにより余剰電力を求めることができる。そして、電力余剰状態判定で、求めた余剰電力と予め定めた閾値とを比較し、余剰電力が閾値を越えたときに電力余剰状態と判定し、上述した図6に示す制御を開始する。
以上の通り、余剰電力を検知して電力余剰状態であると判定された場合に目標のプロペラ回転数となるように、軸発電機モータ35のモータ運転時の出力に相当するメインエンジンの燃料噴射量をフィードフォワード制御量として用いてエンジンの燃料噴射量を制御することにより、船内要求電力が急減した場合でも船速の変動を抑制することができる。
【0045】
なお、図6ではメインエンジン22として、燃料噴射を機械的に制御する機械制御エンジンを用いているが、図9に示すように電子制御エンジンにも好適に用いられる。この場合、メインエンジン22は電子制御エンジンであるため、制御器41に燃料噴射量の換算情報を入れ込むことができる。このように、エンジンが電子制御エンジンの場合、予め機関のガバナである制御器41に余剰電力演算結果の燃料噴射情報を直接入力することができ、1つの制御信号をアクチュエータに送るだけで良いためシステムをより簡単に構成することができる。
【0046】
さらに、図10に示すように、図9を用いて説明した電子制御エンジンに加えて、船舶の操縦者が要求する船速となるように直接制御することとしてもよい。
図10に示すように、船舶の操縦者が要するプロペラ回転速度及び船速により指令が与えられると、その目標とする要求されたプロペラ回転数及び船速は制御器41で燃料噴射量に換算され、メインエンジン22へ燃料噴射量の指令を与える。メインエンジン22は、電子制御エンジンであるため、制御器41に燃料噴射量の換算情報やGPSなどで検知された船速を入れ込むことができる。これにより、回転数、船速計算器48にて回転数だけでなく船速の目標値を得ることができるので、船舶の操縦者が要求する船速となるように船速を直接制御することが可能となる。
【0047】
以上の通り、本実施形態によれば、船内要求電力に基づいてパワータービン用制御弁Bおよび蒸気タービン用制御弁Eの開度をフィードフォワード制御することとしたので、船内余剰電力を可及的に少なくすることができる。
さらに、急激な船内要求電力の減少によって想定以上の船内余剰電力が生じた場合であっても、軸発電機モータ35のモータ運転時の出力に相当するメインエンジン22の燃料噴射量(換算燃料噴射量)を用いて燃料噴射量を補正するので、船速変動を抑制することができる。
【0048】
なお、本実施形態では、パワータービン23及び蒸気タービン26の夫々について船内要求電力に基づくフィードフォワード制御を行うこととしたが、本発明はこれに限定されず、パワータービン23及び蒸気タービン26のいずれか一方に本発明のフィードフォワード制御を用いることとしても良い。
【符号の説明】
【0049】
1 排熱回収型船舶推進装置
21 排気タービン過給機
22 メインエンジン
23 パワータービン
26 蒸気タービン
28 タービン発電機
35 軸発電機モータ(加勢モータ)
B 排ガス量調整弁(パワータービン用制御弁)
E 蒸気量調整弁(蒸気タービン用制御弁)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインエンジンを駆動する工程と、
モータ運転によって前記メインエンジンを加勢する工程と、
前記メインエンジンの排ガスによってパワータービンを駆動させることで発電を行う工程と、
前記メインエンジンの排ガスによって生成された蒸気によって蒸気タービンを駆動させることで発電を行う工程と、
を備えた船舶の制御方法において、
船内需要電力に対しての余剰電力を可及的に抑えるように前記パワータービン及び前記蒸気タービンの電力量を制御する工程と、
前記モータ運転による出力に相当する前記メインエンジンの燃料噴射量を換算燃料噴射量として演算し、前記メインエンジンに供給される燃料噴射量から該換算燃料噴射量を減算することで燃料噴射量を制御する工程と、
を備えることを特徴とする船舶の制御方法。
【請求項2】
メインエンジンを駆動する工程と、
モータ運転によって前記メインエンジンを加勢する工程と、
前記メインエンジンの排ガスによってパワータービンを駆動させることで発電を行う工程と、
前記メインエンジンの排ガスによって生成された蒸気によって蒸気タービンを駆動させることで発電を行う工程と、
を備えた船舶の制御方法において、
船内需要電力および前記メインエンジンの負荷に基づいて、前記パワータービンに供給される前記メインエンジンからの排ガスの流量を制御し、かつ/又は、船内需要電力および前記メインエンジンの負荷に基づいて、前記蒸気タービンに供給される蒸気の流量を制御する工程と、
前記モータ運転による出力に相当する前記メインエンジンの燃料噴射量を換算燃料噴射量として演算し、前記メインエンジンに供給される燃料噴射量から該換算燃料噴射量を減算することで燃料噴射量を制御する工程と、
を備えることを特徴とする船舶の制御方法。
【請求項3】
メインエンジンを駆動する工程と、
モータ運転によって前記メインエンジンを加勢する工程と、
前記メインエンジンの排ガスによってパワータービンを駆動させることで発電を行う工程と、
前記メインエンジンの排ガスによって生成された蒸気によって蒸気タービンを駆動させることで発電を行う工程と、
を備えた船舶の制御方法において、
船内需要電力および前記メインエンジンの負荷に基づいて、前記パワータービンに供給される前記メインエンジンからの排ガスの流量を制御するパワータービン用制御弁の開度をフィードフォワード開度として演算し、該パワータービン用制御弁に対して該フィードフォワード開度を出力し、かつ/又は、船内需要電力および前記メインエンジンの負荷に基づいて、前記蒸気タービンに供給される蒸気の流量を制御する蒸気タービン用制御弁の開度をフィードフォワード開度として演算し、該パワータービン用制御弁に対して該フィードフォワード開度を出力する工程と、
前記モータ運転による出力に相当する前記メインエンジンの燃料噴射量を換算燃料噴射量として演算し、前記メインエンジンに供給される燃料噴射量から該換算燃料噴射量を減算することで燃料噴射量を制御する工程と、
を備えることを特徴とする船舶の制御方法。
【請求項4】
推進用プロペラを駆動するメインエンジンと、
該メインエンジンの排ガスによって駆動されるパワータービンと、
前記メインエンジンの排ガスによって生成された蒸気によって駆動される蒸気タービンと、
前記パワータービン及び前記蒸気タービンによって駆動されるタービン発電機と、
前記メインエンジンと前記推進用プロペラとの間に設けられ、船内の余剰電力を得て該メインエンジンを加勢するモータ運転が可能とされた加勢モータと、
を備えた船舶において、
船内需要電力に対しての余剰電力を可及的に抑えるように前記パワータービン及び前記蒸気タービンの電力量を制御する制御部と、
前記モータ運転による出力に相当する前記メインエンジンの燃料噴射量を換算燃料噴射量として演算し、前記メインエンジンに供給される燃料噴射量から該換算燃料噴射量を減算することで燃料噴射量を制御する燃料噴射料制御部と、
を備えることを特徴とする船舶。
【請求項5】
推進用プロペラを駆動するメインエンジンと、
該メインエンジンの排ガスによって駆動されるパワータービンと、
前記メインエンジンの排ガスによって生成された蒸気によって駆動される蒸気タービンと、
前記パワータービン及び前記蒸気タービンによって駆動されるタービン発電機と、
前記メインエンジンと前記推進用プロペラとの間に設けられ、船内の余剰電力を得て該メインエンジンを加勢するモータ運転が可能とされた加勢モータと、
を備えた船舶において、
船内需要電力および前記メインエンジンの負荷に基づいて、前記パワータービンに供給される前記メインエンジンからの排ガスの流量を制御し、かつ/又は、船内需要電力および前記メインエンジンの負荷に基づいて、前記蒸気タービンに供給される蒸気の流量を制御する蒸気タービン制御部と、
前記モータ運転による出力に相当する前記メインエンジンの燃料噴射量を換算燃料噴射量として演算し、前記メインエンジンに供給される燃料噴射量から該換算燃料噴射量を減算することで燃料噴射量を制御する燃料噴射料制御部と、
を備えることを特徴とする船舶。
【請求項6】
推進用プロペラを駆動するメインエンジンと、
該メインエンジンの排ガスによって駆動されるパワータービンと、
前記メインエンジンの排ガスによって生成された蒸気によって駆動される蒸気タービンと、
前記パワータービン及び前記蒸気タービンによって駆動されるタービン発電機と、
前記メインエンジンと前記推進用プロペラとの間に設けられ、船内の余剰電力を得て該メインエンジンを加勢するモータ運転が可能とされた加勢モータと、
を備えた排熱回収型船舶推進装置において、
船内要求電力および前記メインエンジンの負荷に基づいて、前記パワータービンに供給される前記メインエンジンからの排ガスの流量を制御するパワータービン用制御弁の開度をフィードフォワード開度として演算し、該パワータービン用制御弁に対して該フィードフォワード開度を出力するパワータービン制御部、及び/又は、船内要求電力および前記メインエンジンの負荷に基づいて、前記蒸気タービンに供給される蒸気の流量を制御する蒸気タービン用制御弁の開度をフィードフォワード開度として演算し、該蒸気タービン用制御弁に対して該フィードフォワード開度を出力する蒸気タービン制御部と、
前記加勢モータの前記モータ運転時の出力に相当する前記メインエンジンの燃料噴射量を換算燃料噴射量として演算し、前記メインエンジンに供給される燃料噴射量から該換算燃料噴射量を減算する燃料噴射量制御部と、
を備えていることを特徴とする船舶。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−32153(P2013−32153A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−196049(P2012−196049)
【出願日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【分割の表示】特願2009−272767(P2009−272767)の分割
【原出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】