説明

船舶の推力増強シャフトブラケット

【課題】プロペラ軸に対してシャフトブラケットをプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置或いは断面形状にし、また、シャフトブラケットの間にプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに補助フィンを取り付けることにより、プロペラの推力を増強することにある。
【解決手段】プロペラシャフト2が船体3から露出し、プロペラ4前方で左右一対のシャフトブラケット1によって船体3から吊り下げられた軸受け5によりプロペラシャフト2が支えられているシャフトブラケット1を備えた船舶において、プロペラ軸4aに対して各シャフトブラケット1の後縁側1aを回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において傾けて、各シャフトブラケット1を回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プロペラシャフトが船体から露出し、プロペラ前方でシャフトブラケットによって船体から吊り下げられた軸受けによってプロペラシャフトが支えられているシャフトブラケットを備えた船舶に係り、特に、プロペラ軸に対してシャフトブラケットをプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置或いは断面形状にし、また、また、シャフトブラケットの間にプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに補助フィンを取り付けることで、推力の増強を図るようにした船舶の推力増強シャフトブラケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
船舶の一部においては、プロペラシャフトが船体から露出し、プロペラ前方でシャフトブラケットによって船体から吊り下げられた軸受けによってプロペラシャフトが支えられているシャフトブラケットを備えた船舶の形式のものが知られている。例えば2軸船などにおいてはこの形式が用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来のシャフトブラケットを備えた船舶においては、シャフトブラケットはプロペラ軸に平行に取り付けられている。一方、図20に図示するように、プロペラ回転面内において、プロペラ回転方向と逆の流れを与えると、プロペラの推力が増強されることが知られている。これは、図20において、αからαとなると迎角が増加することによる。つまり、同一馬力で航行する場合には速力が増加し、同一速力で航行する場合には省燃費となる。
【0004】
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、プロペラ軸に対してシャフトブラケットをプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置或いは断面形状にし、また、シャフトブラケットの間にプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに補助フィンを取り付けることにより、プロペラの推力を増強することのできる船舶の推力増強シャフトブラケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、プロペラシャフトが船体から露出し、プロペラ前方で左右一対のシャフトブラケットによって船体から吊り下げられた軸受けによりプロペラシャフトが支えられているシャフトブラケットを備えた船舶において、プロペラ軸に対して各シャフトブラケットの後縁側を回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において傾けて、各シャフトブラケットを回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置した手段よりなるものである。
【0006】
また、請求項2の発明は、プロペラシャフトが船体から露出し、プロペラ前方で左右一対のシャフトブラケットによって船体から吊り下げられた軸受けによりプロペラシャフトが支えられているシャフトブラケットを備えた船舶において、プロペラ軸に対して各シャフトブラケットの断面形状を左右非対称にし、左右非対称の左右縁側面の各中点を結ぶ断面の仮想中心線を、回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向に弧状に曲がる形状にし、各シャフトブラケットの断面形状を回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える形状にする手段よりなるものである。
【0007】
また、請求項3の発明は、プロペラシャフトが船体から露出し、プロペラ前方で左右一対のシャフトブラケットによって船体から吊り下げられた軸受けによりプロペラシャフトが支えられているシャフトブラケットを備えた船舶において、プロペラ軸に対して各シャフトブラケットの後縁側を回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において傾けて、各シャフトブラケットを回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置すると共に、プロペラ軸に対して各シャフトブラケットの断面形状を左右非対称にし、左右非対称の左右縁側面の各中点を結ぶ断面の仮想中心線を、回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向に弧状に曲がる形状にし、各シャフトブラケットの断面形状を回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える形状にする手段よりなるものである。
【0008】
また、ここで、請求項1〜請求項3の発明の好ましい態様として、左右一対のシャフトブラケットの両外側方及びその中間の軸受け外周に、エアロフォイル形の断面形状を有する補助フィンをそれぞれ配置し、左右の各シャフトブラケットから外側方の各補助フィンの配置角度を左右のシャフトブラケット間の角度と同程度にし、プロペラの回転中心から補助フィンの外端までの長さを回転するプロペラの外端と同一または小にすると共に、プロペラ軸に対して各補助フィンの後縁側を回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において傾けて、各補助フィンを回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置してもよい。
【0009】
また、ここで、請求項1〜請求項3の別の発明の好ましい態様として、エアロフォイル形の断面形状を有する補助フィンを取り付けた円弧状取付板を軸受け外周に固着し、左右一対のシャフトブラケットの両外側方及びその中間の軸受け外周に、該軸受け外周に固着される円弧状取付板を介して補助フィンをそれぞれ配置し、左右の各シャフトブラケットから外側方の各補助フィンの配置角度を左右のシャフトブラケット間の角度と同程度にし、プロペラの回転中心から補助フィンの外端までの長さを回転するプロペラの外端と同一または小にすると共に、プロペラ軸に対して各補助フィンの後縁側を回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において傾け、各補助フィンを回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置してもよい。
【0010】
また、請求項6の発明は、プロペラシャフトが船体から露出し、プロペラ前方で左右一対のシャフトブラケットによって船体から吊り下げられた軸受けによりプロペラシャフトが支えられているシャフトブラケットを備えた船舶において、左右一対のシャフトブラケットの両外側方及びその中間の軸受け外周に、エアロフォイル形の断面形状を有する補助フィンをそれぞれ配置し、左右の各シャフトブラケットから外側方の各補助フィンの配置角度を左右のシャフトブラケット間の角度と同程度にし、プロペラの回転中心から補助フィンの外端までの長さを回転するプロペラの外端と同一または小にすると共に、プロペラ軸に対して各補助フィンの後縁側を回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において傾けて、各補助フィンを回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置した手段よりなるものである。
【0011】
また、請求項7の発明は、プロペラシャフトが船体から露出し、プロペラ前方で左右一対のシャフトブラケットによって船体から吊り下げられた軸受けによりプロペラシャフトが支えられているシャフトブラケットを備えた船舶において、エアロフォイル形の断面形状を有する補助フィンを取り付けた円弧状取付板を軸受け外周に固着し、左右一対のシャフトブラケットの両外側方及びその中間の軸受け外周に、該軸受け外周に固着される円弧状取付板を介して補助フィンをそれぞれ配置し、左右の各シャフトブラケットから外側方の各補助フィンの配置角度を左右のシャフトブラケット間の角度と同程度にし、プロペラの回転中心から補助フィンの外端までの長さを回転するプロペラの外端と同一または小にすると共に、プロペラ軸に対して各補助フィンの後縁側を回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において傾け、各補助フィンを回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置した手段よりなるものである。
【発明の効果】
【0012】
以上の記載より明らかなように、請求項1の発明に係る船舶の推力増強シャフトブラケットによれば、プロペラ前方でプロペラシャフトを支える軸受けを船体から吊り下げる左右一対のシャフトブラケットを、プロペラ軸に対して回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに平面視において傾けて配置することにより、プロペラの推力を増強することができ、同一馬力で航行する場合には速力が増加し、同一速力で航行する場合には省燃費となる。しかも、左右一対のシャフトブラケットの向きを少し傾けるのみの簡単な構造で実現できる。
【0013】
また、請求項2の発明に係る船舶の推力増強シャフトブラケットによれば、プロペラ前方でプロペラシャフトを支える軸受けを船体から吊り下げる左右一対のシャフトブラケットを、プロペラ軸に対して回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きの左右非対称の断面形状にすることにより、プロペラの推力を増強することができ、同一馬力で航行する場合には速力が増加し、同一速力で航行する場合には省燃費となる。しかも、左右一対のシャフトブラケットを流れの方向に対して傾けることなく行うことで、シャフトブラケットを傾けることによる水の抵抗が生じるのを回避することができる。
【0014】
また、請求項3の発明に係る船舶の推力増強シャフトブラケットによれば、プロペラ前方でプロペラシャフトを支える軸受けを船体から吊り下げる左右一対のシャフトブラケットを、プロペラ軸に対して回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに平面視において傾けて配置し、しかもプロペラ軸に対して回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きの左右非対称の断面形状にすることにより、プロペラの推力を更に増強することができ、同一馬力で航行する場合には速力が更に増加し、同一速力で航行する場合には更に省燃費となる。
【0015】
また、請求項4の場合には、前記請求項1〜3の構成に加えて、プロペラ前方でプロペラシャフトを支える軸受けを船体から吊り下げる左右一対のシャフトブラケットの両外側方及びその中間に取り付けた補助フィンを、エアロフォイル形の断面形状にすると共にプロペラ軸に対して回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに平面視において傾けて配置することにより、プロペラの推力を更に増強することができ、同一馬力で航行する場合には速力が更に増加し、同一速力で航行する場合には更に省燃費となる。
【0016】
また、請求項5の場合には、前記請求項1〜3の構成に加えて、プロペラ前方でプロペラシャフトを支える軸受けを船体から吊り下げる左右一対のシャフトブラケットの両外側方及びその中間に取り付けた補助フィンを、エアロフォイル形の断面形状にすると共にプロペラ軸に対して回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに傾けて配置することにより、プロペラの推力を更に増強することができ、同一馬力で航行する場合には速力が更に増加し、同一速力で航行する場合には更に省燃費となる。しかも、補助フィンを取り付けた円弧状取付板を軸受け外周に固着し、軸受け外周に固着される円弧状取付板を介して補助フィンをそれぞれ配置するようにしたので、既存のプロペラシャフトを備えた船舶にも簡単に補助フィンを取り付けることができ、既存の船舶についてもプロペラの推力を容易に増強することができる。
【0017】
また、請求項6の発明に係る船舶の推力増強シャフトブラケットによれば、プロペラ前方でプロペラシャフトを支える軸受けを船体から吊り下げる左右一対のシャフトブラケットの両外側方及びその中間に取り付けた補助フィンを、エアロフォイル形の断面形状にすると共にプロペラ軸に対して回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに傾けて配置することにより、プロペラの推力を増強することができ、同一馬力で航行する場合には速力が増加し、同一速力で航行する場合には省燃費となる。
【0018】
また、請求項7の発明に係る船舶の推力増強シャフトブラケットによれば、プロペラ前方でプロペラシャフトを支える軸受けを船体から吊り下げる左右一対のシャフトブラケットの両外側方及びその中間に取り付けた補助フィンを、エアロフォイル形の断面形状にすると共にプロペラ軸に対して回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに傾けて配置することにより、プロペラの推力を増強することができ、同一馬力で航行する場合には速力が増加し、同一速力で航行する場合には省燃費となる。しかも、補助フィンを取り付けた円弧状取付板を軸受け外周に固着し、軸受け外周に固着される円弧状取付板を介して補助フィンをそれぞれ配置するようにしたので、既存のプロペラシャフトを備えた船舶にも簡単に補助フィンを取り付けることができ、既存の船舶についてもプロペラの推力を容易に増強することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面に記載の発明を実施するための最良の形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
【0020】
〔最良の形態−1〕
ここで、図1はシャフトブラケットを備えた船舶の船底側の概略部分側面図、図2(A)はシャフトブラケットによって吊り下げられた軸受けをプロペラ側からみた概略図、図2(B)は軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図、図3(A)はシャフトブラケットによって吊り下げられた補助フィン付き軸受けをプロペラ側からみた概略図、図3(B)は補助フィン付き軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図、図4(A)はシャフトブラケットによって吊り下げられた他の補助フィン付き軸受けをプロペラ側からみた概略図、図4(B)は他の補助フィン付き軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図、図5は補助フィンが取り付けられた円弧状取付板の展開図である。
【0021】
図において、シャフトブラケット1を備えた船舶は、後部側の船底が後方の向けて斜め上向きに傾斜している。この傾斜している船底の途中からプロペラシャフト2が船体3から露出して後方に向けて僅かに斜め下向きに傾斜した状態で延びている。後方に延びたプロペラシャフト2はプロペラ4の前方で左右一対のシャフトブラケット1によって船体から吊り下げられた軸受け5により支えられている。また、船体から露出したプロペラシャフト1の前部側は、必要に応じて、左右一対の前部シャフトブラケット6によって船体から吊り下げられた前部軸受け7により支えられる。
【0022】
左右一対のシャフトブラケット1は正面からみて、V字型のような状態で取り付けられて軸受け5を支えている。つまり、左右のシャフトブラケット1はそれぞれ左右のシャフトブラケット1の中央下部に向けて斜め下向きに傾斜して取り付けられ、その下部先端が軸受け5の上部側外周に溶接により一体化されて、軸受け5を上方から吊り下げる構造になっている。
【0023】
プロペラシャフト2を支える軸受け5を上方から吊り下げる左右のシャフトブラケット1は、回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置されている。つまり、左右一対のシャフトブラケット1は、プロペラ軸4aに対して左右の各シャフトブラケット1の後縁側1aが回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において傾けて配置されている。
【0024】
プロペラ4を後方側からみたときに、プロペラ4が時計回りに回転する場合、図に示すように、プロペラ4の上半分側は、平面視において、右向きの回転となる。左右の各シャフトブラケット1のプロペラ4に最も近い後縁側1aは、平面視において、これと逆向きの左側に傾いている。つまり、平面視において、左右の各シャフトブラケット1のプロペラ4から最も遠い前縁側1bを基準にすると、後縁側1aはこれよりも左側に移動した位置にある。
【0025】
また、平面視において、左右の各シャフトブラケット1の傾斜角度βは、最大で15度以内の角度である。つまり、左右一対のシャフトブラケット1は、プロペラ軸4aに対して左右の各シャフトブラケット1の後縁側1aが回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において最大で15度の傾斜角度以内で傾けて配置されている。15度の傾斜角度を超えると、シャフトブラケット1の傾斜に伴う流水抵抗が推力増強効果よりも高まるからである。
【0026】
ところで、左右一対のシャフトブラケット1の両外側方及びその中間の軸受け5の外周には、必要に応じて、エアロフォイル形の断面形状を有する補助フィン81〜83がそれぞれ配置されることがある。
【0027】
この場合、補助フィン81と補助フィン83は左右の各シャフトブラケット1の外側方に配置され、補助フィン82は左右一対のシャフトブラケット1の中間に配置される。補助フィン82は流木などの浮遊物からプロペラ4を保護する役目を果たす。左右の各シャフトブラケット1から外側方の各補助フィン81,83の配置角度θは左右のシャフトブラケット1間の角度θと同程度になっている。
【0028】
また、プロペラ4の回転中心から軸受け5の外周に配置される補助フィン81〜83の外端81c〜83cまでの長さは、回転するプロペラ4の外端4bと同一またはこれより小になっていて、つまり回転するプロペラ4の外端4bから突出しない長さになっている。
【0029】
さらに、軸受け5の外周に配置される補助フィン81〜83は、回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置される。つまり、補助フィン81〜83は、プロペラ軸4aに対して補助フィン81〜83の後縁側81a〜83aが回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において傾けて配置される。
【0030】
プロペラ4を後方側からみたときに、プロペラ4が時計回りに回転する場合、図に示すように、プロペラ4の上半分側は、平面視において、右向きの回転となる。補助フィン81〜83のプロペラ4に最も近い後縁側81a〜83aは、平面視において、これと逆向きの左側に傾いている。つまり、平面視において、補助フィン81〜83のプロペラ4から最も遠い前縁側81b〜83bを基準にすると、後縁側81a〜83aはこれよりも左側に移動した位置にある。
【0031】
また、平面視において、補助フィン81〜83の傾斜角度γは、最大で15度以内の角度である。つまり、補助フィン81〜83は、プロペラ軸4aに対して補助フィン81〜83の後縁側81a〜83aが回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において最大で15度の傾斜角度以内で傾けて配置される。15度の傾斜角度を超えると、補助フィン81〜83の傾斜に伴う流水抵抗が推力増強効果よりも高まるからである。
【0032】
軸受け5の外周に配置される補助フィン81〜83は、軸受け5の外周に溶接により直接取り付けられる場合と、軸受け5の外周に固着される円弧状取付板9を介して取り付けられる場合がある。
【0033】
円弧状取付板9を介して補助フィン81〜83が取り付けられる場合には、円弧状取付板9の外周表面に補助フィン81〜83は溶接により固着されることになる。また、軸受け5の外周に円弧状取付板9を取り付ける際に、軸受け5を吊り下げる左右一対のシャフトブラケット1に当たらないように切り欠き溝91が円弧状取付板9には形成される。
【0034】
次に、上記発明を実施するための最良の形態の構成に基づく作用について以下説明する。
プロペラ4が前進向きに回転すると、例えばプロペラ4から前方をみて時計回りに回転すると、船体3が前方に移動し、相対的に前方から後方に向けて水流が生じる。
【0035】
図に示すように、シャフトブラケット1の前方の水流はプロペラ軸4aに平行な水流が生じているが、左右のシャフトブラケット1は平面視において傾いているため、プロペラ軸4aに平行な水流は、左右のシャフトブラケット1の間及びその両外側方を通過するときに、平面視において傾斜している左右のシャフトブラケット1によって水流方向が変えられ、水流方向が変えられた状態でその後方のプロペラ4に向かう。
【0036】
この場合において、左右のシャフトブラケット1によって吊り下げられる軸受け5の上半分側の外周に補助フィン81〜83が配置されているときには、この補助フィン81〜83は平面視において傾いているため、プロペラ軸4aに平行な水流は、左右のシャフトブラケット1の間及びその両外側方を通過するときに、平面視において傾斜している左右のシャフトブラケット1の外側方の補助フィン81と補助フィン83及び中間の補助フィン82によってもその水流方向が変えられることになる。
【0037】
左右のシャフトブラケット1を通過してプロペラ4に向かう水流は、図面に示すように、その上半分側が右側に移動するプロペラ4と逆向きの左向きの成分を有している。前記したように、プロペラ4の回転方向と逆の流れを与えると、プロペラ4の推力が増強することが知られており、これにより、傾斜する左右のシャフトブラケット1によってプロペラ4の推力を増強することができる。また、補助フィン81〜83が軸受け5の外周に配置されている場合にはさらにプロペラ4の推力を増強することができる。
【0038】
即ち、プロペラシャフト2を支える軸受け5を船体3から吊り下げる左右一対のシャフトブラケット1の向きを単に傾けるという簡単な構造で、プロペラ4の推力を増強することが可能となるのである。また、必要に応じて、補助フィン81〜83を軸受け5の外周にさらに配置する簡単な構造によって、プロペラ4の推力をさらに増強することが可能となるのである。

【0039】
〔最良の形態−2〕
ここで、図6はシャフトブラケットを備えた船舶の船底側の概略部分側面図、図7(A)はシャフトブラケットによって吊り下げられた軸受けをプロペラ側からみた概略図、図7(B)は軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図、図8(A)はシャフトブラケットによって吊り下げられた補助フィン付き軸受けをプロペラ側からみた概略図、図8(B)は補助フィン付き軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図、図9(A)はシャフトブラケットによって吊り下げられた他の補助フィン付き軸受けをプロペラ側からみた概略図、図9(B)は他の補助フィン付き軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図、図10は補助フィンが取り付けられた円弧状取付板の展開図である。
【0040】
図において、シャフトブラケット11を備えた船舶は、後部側の船底が後方の向けて斜め上向きに傾斜している。この傾斜している船底の途中からプロペラシャフト2が船体3から露出して後方に向けて僅かに斜め下向きに傾斜した状態で延びている。後方に延びたプロペラシャフト2はプロペラ4の前方で左右一対のシャフトブラケット11によって船体から吊り下げられた軸受け5により支えられている。また、船体から露出したプロペラシャフト11の前部側は、必要に応じて、左右一対の前部シャフトブラケット6によって船体から吊り下げられた前部軸受け7により支えられる。
【0041】
左右一対のシャフトブラケット11は正面からみて、V字型のような状態で取り付けられて軸受け5を支えている。つまり、左右のシャフトブラケット11はそれぞれ左右のシャフトブラケット11の中央下部に向けて斜め下向きに傾斜して取り付けられ、その下部先端が軸受け5の上部側外周に溶接により一体化されて、軸受け5を上方から吊り下げる構造になっている。
【0042】
プロペラシャフト2を支える軸受け5を上方から吊り下げる左右のシャフトブラケット11は、プロペラ軸4aに対して各シャフトブラケット11の断面形状が前縁側11bから後縁側11aに向かって左右非対称に形成されている。シャフトブラケット11の断面の左右非対称の左右縁側面つまり左縁側面11cと右縁側面11dの各中点を結ぶ断面の仮想中心線11eは、回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向に弧状に曲がる形状になっていて、各シャフトブラケット11の断面形状は回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える形状になっている。
【0043】
プロペラ4を後方側からみたときに、プロペラ4が時計回りに回転する場合、図に示すように、プロペラ4の上半分側は、平面視において、右向きの回転となる。左右の各シャフトブラケット11の断面の仮想中心線11eは、図において右側に弧状に曲がる形状になっている。
【0044】
左右の各シャフトブラケット11の断面つまり水平断面は、平面視において、左縁側面11cはプロペラ軸4aに略平行に配置され、右縁側面11dは右側に弧状に膨らんでいる。また、右縁側面11dの弧状の膨らみは、前縁側11b寄りの例えば3分の1の位置で最大になり、後縁側11aに向かって徐々に小さくなっている。左右の各シャフトブラケット11は、前記の最良の形態−1と異なり、プロペラ軸4aに対して傾いておらず、基本的には平行になっているため、傾きによる水流抵抗の発生がない。
【0045】
ところで、左右一対のシャフトブラケット11の両外側方及びその中間の軸受け5の外周には、必要に応じて、エアロフォイル形の断面形状を有する補助フィン81〜83がそれぞれ配置されることがある。
【0046】
この場合、補助フィン81と補助フィン83は左右の各シャフトブラケット11の外側方に配置され、補助フィン82は左右一対のシャフトブラケット11の中間に配置される。補助フィン82は流木などの浮遊物からプロペラ4を保護する役目を果たす。左右の各シャフトブラケット11から外側方の各補助フィン81,83の配置角度θは左右のシャフトブラケット11間の角度θと同程度になっている。
【0047】
また、プロペラ4の回転中心から軸受け5の外周に配置される補助フィン81〜83の外端81c〜83cまでの長さは、回転するプロペラ4の外端4bと同一またはこれより小になっていて、つまり回転するプロペラ4の外端4bから突出しない長さになっている。
【0048】
さらに、軸受け5の外周に配置される補助フィン81〜83は、回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置される。つまり、補助フィン81〜83は、プロペラ軸4aに対して補助フィン81〜83の後縁側81a〜83aが回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において傾けて配置される。
【0049】
プロペラ4を後方側からみたときに、プロペラ4が時計回りに回転する場合、図に示すように、プロペラ4の上半分側は、平面視において、右向きの回転となる。補助フィン81〜83のプロペラ4に最も近い後縁側81a〜83aは、平面視において、これと逆向きの左側に傾いている。つまり、平面視において、補助フィン81〜83のプロペラ4から最も遠い前縁側81b〜83bを基準にすると、後縁側81a〜83aはこれよりも左側に移動した位置にある。
【0050】
また、平面視において、補助フィン81〜83の傾斜角度γは、最大で15度以内の角度である。つまり、補助フィン81〜83は、プロペラ軸4aに対して補助フィン81〜83の後縁側81a〜83aが回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において最大で15度の傾斜角度以内で傾けて配置される。15度の傾斜角度を超えると、補助フィン81〜83の傾斜に伴う流水抵抗が推力増強効果よりも高まるからである。
【0051】
軸受け5の外周に配置される補助フィン81〜83は、軸受け5の外周に溶接により直接取り付けられる場合と、軸受け5の外周に固着される円弧状取付板9を介して取り付けられる場合がある。
【0052】
円弧状取付板9を介して補助フィン81〜83が取り付けられる場合には、円弧状取付板9の外周表面に補助フィン81〜83は溶接により固着されることになる。また、軸受け5の外周に円弧状取付板9を取り付ける際に、軸受け5を吊り下げる左右一対のシャフトブラケット11に当たらないように切り欠き溝91が円弧状取付板9には形成される。
【0053】
次に、上記発明を実施するための最良の形態の構成に基づく作用について以下説明する。
プロペラ4が前進向きに回転すると、例えばプロペラ4から前方をみて時計回りに回転すると、船体3が前方に移動し、相対的に前方から後方に向けて水流が生じる。
【0054】
図に示すように、シャフトブラケット11の前方の水流はプロペラ軸4aに平行な水流が生じているが、左右のシャフトブラケット11は平面視においてその断面は、仮想中心線11eが右側に向けて弧状に曲がった形状になっているので、その右縁側面11dは左縁側面11cよりも常に右側に弧状に膨らんだ形状になっている。
【0055】
このため、プロペラ軸4aに平行な水流は、左右のシャフトブラケット1の間及びその両外側方を通過するときに、平面視において右側に弧状に膨らんでいる左右のシャフトブラケット11によって水流方向が変えられ、水流方向が変えられた状態でその後方のプロペラ4に向かう。
【0056】
この場合において、左右のシャフトブラケット11によって吊り下げられる軸受け5の上半分側の外周に補助フィン81〜83が配置されているときには、この補助フィン81〜83は平面視において傾いているため、プロペラ軸4aに平行な水流は、左右のシャフトブラケット11の間及びその両外側方を通過するときに、平面視において傾斜している左右のシャフトブラケット11の外側方の補助フィン81と補助フィン83及び中間の補助フィン82によってもその水流方向が変えられることになる。
【0057】
左右のシャフトブラケット11を通過してプロペラ4に向かう水流は、図面に示すように、その上半分側が右側に移動するプロペラ4と逆向きの左向きの成分を有している。前記したように、プロペラ4の回転方向と逆の流れを与えると、プロペラ4の推力が増強することが知られており、これにより、断面の仮想中心線11eが右側に向けて弧状に膨らんだ形状になっている左右のシャフトブラケット11によってプロペラ4の推力を増強することができる。また、補助フィン81〜83が軸受け5の外周に配置されている場合にはさらにプロペラ4の推力を増強することができる。
【0058】
即ち、プロペラシャフト2を支える軸受け5を船体3から吊り下げる左右一対のシャフトブラケット11の断面形状を左右非対称でその仮想中心線11eがプロペラ4の回転方向と逆向きに弧状に曲がった形状にするという簡単な構造で、プロペラ4の推力を増強することが可能となるのである。また、必要に応じて、補助フィン81〜83を軸受け5の外周にさらに配置する簡単な構造によって、プロペラ4の推力をさらに増強することが可能となるのである。

【0059】
〔最良の形態−3〕
ここで、図11はシャフトブラケットを備えた船舶の船底側の概略部分側面図、図12(A)はシャフトブラケットによって吊り下げられた軸受けをプロペラ側からみた概略図、図12(B)は軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図、図13(A)はシャフトブラケットによって吊り下げられた補助フィン付き軸受けをプロペラ側からみた概略図、図13(B)は補助フィン付き軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図、図14(A)はシャフトブラケットによって吊り下げられた他の補助フィン付き軸受けをプロペラ側からみた概略図、図14(B)は他の補助フィン付き軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図、図15は補助フィンが取り付けられた円弧状取付板の展開図である。
【0060】
図において、シャフトブラケット21を備えた船舶は、後部側の船底が後方の向けて斜め上向きに傾斜している。この傾斜している船底の途中からプロペラシャフト2が船体3から露出して後方に向けて僅かに斜め下向きに傾斜した状態で延びている。後方に延びたプロペラシャフト2はプロペラ4の前方で左右一対のシャフトブラケット21によって船体から吊り下げられた軸受け5により支えられている。また、船体から露出したプロペラシャフト21の前部側は、必要に応じて、左右一対の前部シャフトブラケット6によって船体から吊り下げられた前部軸受け7により支えられる。
【0061】
左右一対のシャフトブラケット21は正面からみて、V字型のような状態で取り付けられて軸受け5を支えている。つまり、左右のシャフトブラケット21はそれぞれ左右のシャフトブラケット21の中央下部に向けて斜め下向きに傾斜して取り付けられ、その下部先端が軸受け5の上部側外周に溶接により一体化されて、軸受け5を上方から吊り下げる構造になっている。
【0062】
プロペラシャフト2を支える軸受け5を上方から吊り下げる左右のシャフトブラケット21は、回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置されている。つまり、左右一対のシャフトブラケット21は、プロペラ軸4aに対して左右の各シャフトブラケット21の後縁側21aが回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において傾けて配置されている。
【0063】
さらに、左右のシャフトブラケット21は、プロペラ軸4aに対して各シャフトブラケット21の断面形状が前縁側21bから後縁側21aに向かって左右非対称に形成されている。シャフトブラケット21の断面の左右非対称の左右縁側面つまり左縁側面21cと右縁側面21dの各中点を結ぶ断面の仮想中心線21eは、回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向に弧状に曲がる形状になっていて、各シャフトブラケット21の断面形状は回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える形状になっている。
【0064】
プロペラ4を後方側からみたときに、プロペラ4が時計回りに回転する場合、図に示すように、プロペラ4の上半分側は、平面視において、右向きの回転となる。左右の各シャフトブラケット21のプロペラ4に最も近い後縁側21aは、平面視において、これと逆向きの左側に傾いている。つまり、平面視において、左右の各シャフトブラケット21のプロペラ4から最も遠い前縁側21bを基準にすると、後縁側21aはこれよりも左側に移動した位置にある。また、左右の各シャフトブラケット21の断面の仮想中心線21eは、図において右側に弧状に曲がる形状になっている。
【0065】
左右の各シャフトブラケット21は、平面視において、その後縁側21aが左側に傾いていると共に、その断面つまり水平断面の左縁側面21cがプロペラ軸4aに対して左側に傾いて配置され、右縁側面21dは右側に弧状に膨らんだ状態で左側に傾いている。また、右縁側面21dの弧状の膨らみは、前縁側21b寄りの例えば3分の1の位置で最大になり、後縁側21aに向かって徐々に小さくなっている。
【0066】
また、平面視において、左右の各シャフトブラケット21の左縁側面21cの傾斜角度βは、最大で15度以内の角度である。つまり、左右一対のシャフトブラケット21は、プロペラ軸4aに対して左右の各シャフトブラケット21の左縁側面21cの後縁側21aが回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において最大で15度の傾斜角度以内で傾けて配置されている。左縁側面21cの傾きが15度の傾斜角度を超えると、シャフトブラケット21の傾斜に伴う流水抵抗が推力増強効果よりも高まるからである。
【0067】
ところで、左右一対のシャフトブラケット21の両外側方及びその中間の軸受け5の外周には、必要に応じて、エアロフォイル形の断面形状を有する補助フィン81〜83がそれぞれ配置されることがある。
【0068】
この場合、補助フィン81と補助フィン83は左右の各シャフトブラケット21の外側方に配置され、補助フィン82は左右一対のシャフトブラケット21の中間に配置される。補助フィン82は流木などの浮遊物からプロペラ4を保護する役目を果たす。左右の各シャフトブラケット21から外側方の各補助フィン81,83の配置角度θは左右のシャフトブラケット21間の角度θと同程度になっている。
【0069】
また、プロペラ4の回転中心から軸受け5の外周に配置される補助フィン81〜83の外端81c〜83cまでの長さは、回転するプロペラ4の外端4bと同一またはこれより小になっていて、つまり回転するプロペラ4の外端4bから突出しない長さになっている。
【0070】
さらに、軸受け5の外周に配置される補助フィン81〜83は、回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置される。つまり、補助フィン81〜83は、プロペラ軸4aに対して補助フィン81〜83の後縁側81a〜83aが回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において傾けて配置される。
【0071】
プロペラ4を後方側からみたときに、プロペラ4が時計回りに回転する場合、図に示すように、プロペラ4の上半分側は、平面視において、右向きの回転となる。補助フィン81〜83のプロペラ4に最も近い後縁側81a〜83aは、平面視において、これと逆向きの左側に傾いている。つまり、平面視において、補助フィン81〜83のプロペラ4から最も遠い前縁側81b〜83bを基準にすると、後縁側81a〜83aはこれよりも左側に移動した位置にある。
【0072】
また、平面視において、補助フィン81〜83の傾斜角度γは、最大で15度以内の角度である。つまり、補助フィン81〜83は、プロペラ軸4aに対して補助フィン81〜83の後縁側81a〜83aが回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において最大で15度の傾斜角度以内で傾けて配置される。15度の傾斜角度を超えると、補助フィン81〜83の傾斜に伴う流水抵抗が推力増強効果よりも高まるからである。
【0073】
軸受け5の外周に配置される補助フィン81〜83は、軸受け5の外周に溶接により直接取り付けられる場合と、軸受け5の外周に固着される円弧状取付板9を介して取り付けられる場合がある。
【0074】
円弧状取付板9を介して補助フィン81〜83が取り付けられる場合には、円弧状取付板9の外周表面に補助フィン81〜83は溶接により固着されることになる。また、軸受け5の外周に円弧状取付板9を取り付ける際に、軸受け5を吊り下げる左右一対のシャフトブラケット21に当たらないように切り欠き溝91が円弧状取付板9には形成される。
【0075】
次に、上記発明を実施するための最良の形態の構成に基づく作用について以下説明する。
プロペラ4が前進向きに回転すると、例えばプロペラ4から前方をみて時計回りに回転すると、船体3が前方に移動し、相対的に前方から後方に向けて水流が生じる。
【0076】
図に示すように、シャフトブラケット21の前方の水流はプロペラ軸4aに平行な水流が生じているが、左右のシャフトブラケット21は平面視において傾いており、しかもその断面の仮想中心線21eは弧状に曲がっているため、プロペラ軸4aに平行な水流は、左右のシャフトブラケット21の間及びその両外側方を通過するときに、平面視において傾斜ししかも断面の仮想中心線21eが弧状に曲がっている左右のシャフトブラケット21によって水流方向が変えられ、水流方向が変えられた状態でその後方のプロペラ4に向かう。
【0077】
この場合において、左右のシャフトブラケット21によって吊り下げられる軸受け5の上半分側の外周に補助フィン81〜83が配置されているときには、この補助フィン81〜83は平面視において傾いているため、プロペラ軸4aに平行な水流は、左右のシャフトブラケット21の間及びその両外側方を通過するときに、平面視において傾斜している左右のシャフトブラケット21の外側方の補助フィン81と補助フィン83及び中間の補助フィン82によってもその水流方向が変えられることになる。
【0078】
左右のシャフトブラケット21を通過してプロペラ4に向かう水流は、図面に示すように、その上半分側が右側に移動するプロペラ4と逆向きの左向きの成分を有している。前記したように、プロペラ4の回転方向と逆の流れを与えると、プロペラ4の推力が増強することが知られており、これにより、傾斜ししかもその断面が左右非対称でその仮想中心線21eが弧状に曲がる形状になっている左右のシャフトブラケット21によってプロペラ4の推力を増強することができる。また、補助フィン81〜83が軸受け5の外周に配置されている場合にはさらにプロペラ4の推力を増強することができる。
【0079】
即ち、プロペラシャフト2を支える軸受け5を船体3から吊り下げる左右一対のシャフトブラケット21の向きを傾け、しかもその断面の仮想中心線21eを弧状に曲がる形状にする構造で、プロペラ4の推力を増強することが可能となるのである。また、必要に応じて、補助フィン81〜83を軸受け5の外周にさらに配置する簡単な構造によって、プロペラ4の推力をさらに増強することが可能となるのである。

【0080】
〔最良の形態−4〕
ここで、図16はシャフトブラケットを備えた船舶の船底側の概略部分側面図、図17は(A)はシャフトブラケットによって吊り下げられた補助フィン付き軸受けをプロペラ側からみた概略図、図17(B)は補助フィン付き軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図、図18(A)はシャフトブラケットによって吊り下げられた他の補助フィン付き軸受けをプロペラ側からみた概略図、図18(B)は他の補助フィン付き軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図、図19は補助フィンが取り付けられた円弧状取付板の展開図である。
【0081】
図において、シャフトブラケット31を備えた船舶は、後部側の船底が後方の向けて斜め上向きに傾斜している。この傾斜している船底の途中からプロペラシャフト2が船体3から露出して後方に向けて僅かに斜め下向きに傾斜した状態で延びている。後方に延びたプロペラシャフト2はプロペラ4の前方で左右一対のシャフトブラケット31によって船体から吊り下げられた軸受け5により支えられている。また、船体から露出したプロペラシャフト31の前部側は、必要に応じて、左右一対の前部シャフトブラケット6によって船体から吊り下げられた前部軸受け7により支えられる。
【0082】
左右一対のシャフトブラケット31は正面からみて、V字型のような状態で取り付けられて軸受け5を支えている。つまり、左右のシャフトブラケット31はそれぞれ左右のシャフトブラケット31の中央下部に向けて斜め下向きに傾斜して取り付けられ、その下部先端が軸受け5の上部側外周に溶接により一体化されて、軸受け5を上方から吊り下げる構造になっている。プロペラシャフト2を支える軸受け5を上方から吊り下げる左右のシャフトブラケット31は、プロペラ軸4aに平行に配置されている。
【0083】
左右一対のシャフトブラケット31の両外側方及びその中間の軸受け5の外周には、エアロフォイル形の断面形状を有する補助フィン8がそれぞれ配置されている。補助フィン81と補助フィン83は左右の各シャフトブラケット31の外側方に配置され、補助フィン82は左右一対のシャフトブラケット31の中間に配置されている。補助フィン82は流木などの浮遊物からプロペラ4を保護する役目を果たす。左右の各シャフトブラケット31から外側方の各補助フィン81,83の配置角度θは左右のシャフトブラケット31間の角度θと同程度になっている。
【0084】
また、プロペラ4の回転中心から軸受け5の外周に配置された補助フィン81〜83の外端81c〜83cまでの長さは、回転するプロペラ4の外端4bと同一またはこれより小になっていて、つまり回転するプロペラ4の外端4bから突出しない長さになっている。
【0085】
さらに、軸受け5の外周に配置された補助フィン81〜83は、回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置されている。つまり、補助フィン81〜83は、プロペラ軸4aに対して補助フィン81〜83の後縁側81a〜83aが回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において傾けて配置されている。
【0086】
プロペラ4を後方側からみたときに、プロペラ4が時計回りに回転する場合、図に示すように、プロペラ4の上半分側は、平面視において、右向きの回転となる。補助フィン81〜83のプロペラ4に最も近い後縁側81a〜83aは、平面視において、これと逆向きの左側に傾いている。つまり、平面視において、補助フィン81〜83のプロペラ4から最も遠い前縁側81b〜83bを基準にすると、後縁側81a〜83aはこれよりも左側に移動した位置にある。
【0087】
また、平面視において、補助フィン81〜83の傾斜角度γは、最大で15度以内の角度である。つまり、補助フィン81〜83は、プロペラ軸4aに対して補助フィン81〜83の後縁側81a〜83aが回転するプロペラ4の上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において最大で15度の傾斜角度以内で傾けて配置されている。15度の傾斜角度を超えると、補助フィン81〜83の傾斜に伴う流水抵抗が推力増強効果よりも高まるからである。
【0088】
軸受け5の外周に配置される補助フィン81〜83は、軸受け5の外周に溶接により直接取り付けられる場合と、軸受け5の外周に固着される円弧状取付板9を介して取り付けられる場合がある。
【0089】
円弧状取付板9を介して補助フィン81〜83が取り付けられる場合には、円弧状取付板9の外周表面に補助フィン81〜83は溶接により固着されることになる。また、軸受け5の外周に円弧状取付板9を取り付ける際に、軸受け5を吊り下げる左右一対のシャフトブラケット31に当たらないように切り欠き溝91が円弧状取付板9には形成されている。
【0090】
次に、上記発明を実施するための最良の形態の構成に基づく作用について以下説明する。
プロペラ4が前進向きに回転すると、例えばプロペラ4から前方をみて時計回りに回転すると、船体3が前方に移動し、相対的に前方から後方に向けて水流が生じる。
【0091】
図に示すように、シャフトブラケット31の前方の水流はプロペラ軸4aに平行な水流が生じているが、左右のシャフトブラケット31によって吊り下げられる軸受け5の上半分側の外周には補助フィン81〜83が配置され、この補助フィン81〜83は平面視において傾いているため、プロペラ軸4aに平行な水流は、左右のシャフトブラケット31の間及びその両外側方を通過するときに、平面視において傾斜している左右のシャフトブラケット31の外側方の補助フィン81と補助フィン83及び中間の補助フィン82によって水流方向が変えられ、水流方向が変えられた状態でその後方のプロペラ4に向かう。
【0092】
左右のシャフトブラケット31の外側方の補助フィン81と補助フィン83及びその中間の補助フィン82を通過してプロペラ4に向かう水流は、図面に示すように、その上半分側が右側に移動するプロペラ4と逆向きの左向きの成分を有している。前記したように、プロペラ4の回転方向と逆の流れを与えると、プロペラ4の推力が増強することが知られており、これにより、左右のシャフトブラケット31の外側方の傾斜する補助フィン81と補助フィン83及びその中間の傾斜する補助フィン82によってプロペラ4の推力を増強することができる。
【0093】
即ち、プロペラシャフト2を支える軸受け5の外周に平面視において傾斜する補助フィン81〜83を配置するという簡単な構造で、プロペラ4の推力を増強することが可能となるのである。

【0094】
なお、この発明は上記発明を実施するための最良の形態に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】この発明を実施するための最良の形態−1を示すシャフトブラケットを備えた船舶の船底側の概略部分側面図である。
【図2】(A)はこの発明を実施するための最良の形態−1を示すシャフトブラケットによって吊り下げられた軸受けをプロペラ側からみた概略図である。 (B)はこの発明を実施するための最良の形態−1を示す軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図である。
【図3】(A)はこの発明を実施するための最良の形態−1を示すシャフトブラケットによって吊り下げられた補助フィン付き軸受けをプロペラ側からみた概略図である。 (B)はこの発明を実施するための最良の形態−1を示す補助フィン付き軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図である。
【図4】(A)はこの発明を実施するための最良の形態−1を示すシャフトブラケットによって吊り下げられた他の補助フィン付き軸受けをプロペラ側からみた概略図である。 (B)はこの発明を実施するための最良の形態−1を示す他の補助フィン付き軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図である。
【図5】この発明を実施するための最良の形態−1を示す補助フィンが取り付けられた円弧状取付板の展開図である。
【図6】この発明を実施するための最良の形態−2を示すシャフトブラケットを備えた船舶の船底側の概略部分側面図である。
【図7】(A)はこの発明を実施するための最良の形態−2を示すシャフトブラケットによって吊り下げられた軸受けをプロペラ側からみた概略図である。 (B)はこの発明を実施するための最良の形態−2を示す軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図である。
【図8】(A)はこの発明を実施するための最良の形態−2を示すシャフトブラケットによって吊り下げられた補助フィン付き軸受けをプロペラ側からみた概略図である。 (B)はこの発明を実施するための最良の形態−2を示す補助フィン付き軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図である。
【図9】(A)はこの発明を実施するための最良の形態−2を示すシャフトブラケットによって吊り下げられた他の補助フィン付き軸受けをプロペラ側からみた概略図である。 (B)はこの発明を実施するための最良の形態−2を示す他の補助フィン付き軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図である。
【図10】この発明を実施するための最良の形態−2を示す補助フィンが取り付けられた円弧状取付板の展開図である。
【図11】この発明を実施するための最良の形態−3を示すシャフトブラケットを備えた船舶の船底側の概略部分側面図である。
【図12】(A)はこの発明を実施するための最良の形態−3を示すシャフトブラケットによって吊り下げられた軸受けをプロペラ側からみた概略図である。 (B)はこの発明を実施するための最良の形態−3を示す軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図である。
【図13】(A)はこの発明を実施するための最良の形態−3を示すシャフトブラケットによって吊り下げられた補助フィン付き軸受けをプロペラ側からみた概略図である。 (B)はこの発明を実施するための最良の形態−3を示す補助フィン付き軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図である。
【図14】(A)はこの発明を実施するための最良の形態−3を示すシャフトブラケットによって吊り下げられた他の補助フィン付き軸受けをプロペラ側からみた概略図である。 (B)はこの発明を実施するための最良の形態−3を示す他の補助フィン付き軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図である。
【図15】この発明を実施するための最良の形態−3を示す補助フィンが取り付けられた円弧状取付板の展開図である。
【図16】この発明を実施するための最良の形態−4を示すシャフトブラケットを備えた船舶の船底側の概略部分側面図である。
【図17】(A)はこの発明を実施するための最良の形態−4を示すシャフトブラケットによって吊り下げられた補助フィン付き軸受けをプロペラ側からみた概略図である。 (B)はこの発明を実施するための最良の形態−4を示す補助フィン付き軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図である。
【図18】(A)はこの発明を実施するための最良の形態−4を示すシャフトブラケットによって吊り下げられた他の補助フィン付き軸受けをプロペラ側からみた概略図である。 (B)はこの発明を実施するための最良の形態−4を示す他の補助フィン付き軸受けを吊り下げるシャフトブラケットを平面からみた概略図である。
【図19】この発明を実施するための最良の形態−4を示す補助フィンが取り付けられた円弧状取付板の展開図である。
【図20】プロペラの推力増強説明図である。
【符号の説明】
【0096】
1 シャフトブラケット
1a 後縁側
1b 前縁側
11 シャフトブラケット
11a 後縁側
11b 前縁側
11c 左縁側面
11d 右縁側面
11e 仮想中心線
21 シャフトブラケット
21a 後縁側
21b 前縁側
21c 左縁側面
21d 右縁側面
21e 仮想中心線
31 シャフトブラケット
2 プロペラシャフト
3 船体
4 プロペラ
4a プロペラ軸
4b 外端
5 軸受け
6 前部シャフトブラケット
7 前部軸受け
81 補助フィン
81a 後縁側
81b 前縁側
81c 外端
82 補助フィン
82a 後縁側
82b 前縁側
82c 外端
83 補助フィン
83a 後縁側
83b 前縁側
83c 外端
9 円弧状取付板
91 切り欠き溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロペラシャフトが船体から露出し、プロペラ前方で左右一対のシャフトブラケットによって船体から吊り下げられた軸受けによりプロペラシャフトが支えられているシャフトブラケットを備えた船舶において、プロペラ軸に対して各シャフトブラケットの後縁側を回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において傾けて、各シャフトブラケットを回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置したことを特徴とする船舶の推力増強シャフトブラケット。
【請求項2】
プロペラシャフトが船体から露出し、プロペラ前方で左右一対のシャフトブラケットによって船体から吊り下げられた軸受けによりプロペラシャフトが支えられているシャフトブラケットを備えた船舶において、プロペラ軸に対して各シャフトブラケットの断面形状を左右非対称にし、左右非対称の左右縁側面の各中点を結ぶ断面の仮想中心線を、回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向に弧状に曲がる形状にし、各シャフトブラケットの断面形状を回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える形状にしたことを特徴とする船舶の推力増強シャフトブラケット。
【請求項3】
プロペラシャフトが船体から露出し、プロペラ前方で左右一対のシャフトブラケットによって船体から吊り下げられた軸受けによりプロペラシャフトが支えられているシャフトブラケットを備えた船舶において、プロペラ軸に対して各シャフトブラケットの後縁側を回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において傾けて、各シャフトブラケットを回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置すると共に、プロペラ軸に対して各シャフトブラケットの断面形状を左右非対称にし、左右非対称の左右縁側面の各中点を結ぶ断面の仮想中心線を、回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向に弧状に曲がる形状にし、各シャフトブラケットの断面形状を回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える形状にしたことを特徴とする船舶の推力増強シャフトブラケット。
【請求項4】
左右一対のシャフトブラケットの両外側方及びその中間の軸受け外周に、エアロフォイル形の断面形状を有する補助フィンをそれぞれ配置し、左右の各シャフトブラケットから外側方の各補助フィンの配置角度を左右のシャフトブラケット間の角度と同程度にし、プロペラの回転中心から補助フィンの外端までの長さを回転するプロペラの外端と同一または小にすると共に、プロペラ軸に対して各補助フィンの後縁側を回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において傾けて、各補助フィンを回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置した請求項1〜3の何れかに記載の船舶の推力増強シャフトブラケット。
【請求項5】
エアロフォイル形の断面形状を有する補助フィンを取り付けた円弧状取付板を軸受け外周に固着し、左右一対のシャフトブラケットの両外側方及びその中間の軸受け外周に、該軸受け外周に固着される円弧状取付板を介して補助フィンをそれぞれ配置し、左右の各シャフトブラケットから外側方の各補助フィンの配置角度を左右のシャフトブラケット間の角度と同程度にし、プロペラの回転中心から補助フィンの外端までの長さを回転するプロペラの外端と同一または小にすると共に、プロペラ軸に対して各補助フィンの後縁側を回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において傾け、各補助フィンを回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置した請求項1〜3の何れかに記載の船舶の推力増強シャフトブラケット。
【請求項6】
プロペラシャフトが船体から露出し、プロペラ前方で左右一対のシャフトブラケットによって船体から吊り下げられた軸受けによりプロペラシャフトが支えられているシャフトブラケットを備えた船舶において、左右一対のシャフトブラケットの両外側方及びその中間の軸受け外周に、エアロフォイル形の断面形状を有する補助フィンをそれぞれ配置し、左右の各シャフトブラケットから外側方の各補助フィンの配置角度を左右のシャフトブラケット間の角度と同程度にし、プロペラの回転中心から補助フィンの外端までの長さを回転するプロペラの外端と同一または小にすると共に、プロペラ軸に対して各補助フィンの後縁側を回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において傾けて、各補助フィンを回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置したことを特徴とする船舶の推力増強シャフトブラケット。
【請求項7】
プロペラシャフトが船体から露出し、プロペラ前方で左右一対のシャフトブラケットによって船体から吊り下げられた軸受けによりプロペラシャフトが支えられているシャフトブラケットを備えた船舶において、エアロフォイル形の断面形状を有する補助フィンを取り付けた円弧状取付板を軸受け外周に固着し、左右一対のシャフトブラケットの両外側方及びその中間の軸受け外周に、該軸受け外周に固着される円弧状取付板を介して補助フィンをそれぞれ配置し、左右の各シャフトブラケットから外側方の各補助フィンの配置角度を左右のシャフトブラケット間の角度と同程度にし、プロペラの回転中心から補助フィンの外端までの長さを回転するプロペラの外端と同一または小にすると共に、プロペラ軸に対して各補助フィンの後縁側を回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆向きに平面視において傾け、各補助フィンを回転するプロペラの上半分側のプロペラ回転方向と逆の流れを与える向きに配置したことを特徴とする船舶の推力増強シャフトブラケット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2007−190957(P2007−190957A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−8701(P2006−8701)
【出願日】平成18年1月17日(2006.1.17)
【出願人】(502298192)流体テクノ有限会社 (11)