説明

船舶用ダクトおよび船舶用ダクトの製造方法、並びに船舶用ダクト付き船舶

【課題】省エネデバイスとしての性能を維持したまま、簡素に製造することができる船舶用ダクト、船舶用ダクトの製造方法、並びに該船舶用ダクトが設置された船舶用ダクト付き船舶を提供する。
【解決手段】船舶用ダクト4は、船首側が船尾側よりも径大で、上側が下側よりも長い円錐の一部であるダクト外板10と、ダクト外板10の内部に収容され、上側が下側より長い筒状の船尾側内板20と、ダクト外板10の内部に収容された、船首側内板30と、を有している。ダクト外板10の船尾側縁部12と船尾側内板20の船尾側縁部22とが接続され、ダクト外板10の船首側縁部11と船首側内板30の船首側縁部31とが接続され、さらに、船首側内板30の船尾側縁部32と船尾側内板20の船首側縁部21とが接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶の船尾に設置される船舶用ダクト、および船舶用ダクトの製造方法、並びに船舶用ダクトが設置された船舶用ダクト付き船舶に関するものである。
【背景技術】
【0002】
船舶において、船体が前進する場合に損失するエネルギーを回収し、省エネ効果を得ようとする装置が省エネデバイスの一種として、プロペラ前方に設置される筒型状の装置(ダクトまたはノズルと称呼されている。(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
【特許文献1】実用新案登録公報第2555130号公報(2頁、図1)
【特許文献2】特開平11−278383号公報(2−3頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された考案は、船体の船尾とプロペラとの間に、規定された形状のリング状ノズル(船舶用ダクトに同じ、以下「船舶用ダクト」と称す)を設けることによって、船殻効率および推進効率を向上させることができるものの、該船舶用ダクトの軸心を含む断面における形状(以下「断面形状」と称す)が、翼型に代表される流体力学的に流線型の形状であることから、3次元的に複雑な曲面となっている。特に、ダクトの前縁部(船首側縁部)が、軸心を含む断面において曲率の大きな(曲率半径の小さいに同じ)曲げ部分が存在すると共に、軸心に垂直な断面においても円弧状に曲げられている。このため、
(あ)比較的加工工程の簡単なプレス加工は、局所的に曲率の大きな加工に用いることが困難で、船舶用ダクトの前縁部の製造に用いることができないという問題があった。
(い)鋳物は小さなパッチ状の面を多く製作して張り合わせる必要があるため、大幅な工数の増加となる上、材料費そのものが高くなるという問題があった。
(う)熱を加えながら曲げ加工を行う「線状加熱」は、熟練した加工技能が必要であり、ブレス加工に比べ大きく加工工数が増大するという問題がある共に、熟練した加工技能を持つ職人が減少していることから、将来における加工方法になり得ないおそれがあるという問題があった。
また、特許文献2に開示された発明は、極厚板鋼板をプレス加工により円環状に成形し、機械加工によりその断面形状を翼型に成形するものである。このため、
(え)機械加工の費用が高いことから、製造コストが高騰するというい問題があった。
(お)また、このような機械加工を可能にする機械が特定の機械に限定されるため、製造可能な工場が限られ、運搬費用の増加や、加工待ちによる工期の延長という問題があった。
【0005】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、省エネデバイスとしての性能を維持したまま、簡素に製造することができる船舶用ダクト、船舶用ダクトの製造方法、並びに該船舶用ダクトが設置された船舶用ダクト付き船舶を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る船舶用ダクトは、船首側が船尾側よりも径大の円錐の一部であるダクト外板と、
前記ダクト外板の内部に収容された状態で前記ダクト外板の船尾側縁部に接続された筒の一部である船尾側内板と、
前記ダクト外板の内部に収容された状態で前記ダクト外板の船首側縁部と前記船尾側内板の船首側縁部とを滑らかに連結する船首側内板と、
を有する。
(2)前記(1)において、前記ダクト外板の上側が下側よりも長く、かつ、前記船尾側内板の上側が下側よりも長いことを特徴とする。
【0007】
(3)前記(1)または(2)において、前記船尾側内板が円筒の一部であることを特徴とする。
(4)前記(1)乃至(3)の何れかにおいて、前記船首側内板の中心軸を含む断面における形状が、単一の円弧または連続する複数の円弧からなることを特徴とする。
(5)前記(1)乃至(4)の何れかにおいて、前記ダクト外板の船首側縁部に沿って管材または棒材が設置され、
該管材または棒材に、前記船首側内板の船首側縁部が接続されていることを特徴とする。
【0008】
(6)また、本発明に係る船舶用ダクト付き船舶は、船体と、
該船体の船尾に突出して設置されたプロペラと、
前記船体の船尾に設置された前記(1)乃至(5)の何れかに記載の船舶用ダクトと、
を有する。
【0009】
(7)さらに、本発明に係る船舶用ダクトの製造方法は、船首側が船尾側よりも径大で、上側が下側よりも長い円錐の一部であるダクト外板と、
前記ダクト外板の内部に収容された状態で前記ダクト外板の船尾側縁部に接続され、上側が下側より長い筒状の船尾側内板と、
前記ダクト外板の内部に収容された状態で前記ダクト外板の船首側縁部と前記船尾側内板の船首側縁部とを滑らかに連結する船首側内板と、
を有する、船体の船尾部に設置される船舶用ダクトの製造方法であって、
外周縁と内周縁との距離が一方の側縁に近づく程増大する略扇状であるダクト外板用原板を、円錐の一部を形成するように成形して前記ダクト外板を製造する工程と、
一方の斜辺が底辺に垂直で、他方の斜辺が上辺に近づく程増大する略台形である船尾側内板用原板を、円筒の一部を形成するように成形して船尾側内板を製造する工程と、
前記ダクト外板の内部に収容された状態で、前記船尾側内板の船尾側縁部を前記ダクト外板の船尾側縁部に接続する工程と、
外周縁と内周縁との距離が変動する略扇状の複数の船首側内板用分割原板を、それぞれ断面円弧状に形成し、それぞれの側縁同士を接合して前記船首側内板を製造する工程と
前記船首側内板の船首側縁部を前記ダクト外板の船首側縁部に接続し、前記船首側内板の船尾側縁部を前記船尾側内板の船首側縁部に接続して前記船舶用ダクトを完成する工程と、
を有する。
【0010】
(8)前記(7)において、前記ダクト外板の船首側縁部にそって管体または棒体を設置する工程を有し、
前記船首側内板の船首側縁部を前記ダクト外板の船首側縁部に接続するのに替えて、前記船首側内板の船首側縁部を前記管体または棒体に接続することを特徴とする。
【0011】
(9)さらに、本発明に係る船舶用ダクトの製造方法は、船首側が船尾側よりも径大で、上側が下側よりも長い円錐の一部であるダクト外板と、
前記ダクト外板の内部に収容された状態で前記ダクト外板の船尾側縁部に接続され、上側が下側より長い筒状の船尾側内板と、
前記ダクト外板の内部に収容された状態で前記ダクト外板の船首側縁部と前記船尾側内板の船首側縁部とを滑らかに連結する船首側内板と、
を有する、船体の船尾部に設置される船舶用ダクトの製造方法であって、
外周縁と内周縁との距離が一方の側縁に近づく程増大する略扇状であるダクト外板用原板を、円錐の一部を形成するように成形して前記ダクト外板を製造する工程と、
一方の斜辺が底辺に垂直で、他方の斜辺が上辺に近づく程増大する略台形である船尾側内板用原板を、円筒の一部を形成するように成形して船尾側内板を製造する工程と、
前記ダクト外板の内部に収容された状態で、前記船尾側内板の船尾側縁部を前記ダクト外板の船尾側縁部に接続する工程と、
外周縁と内周縁との距離が変動する略扇状の複数の船首側内板用分割原板を、それぞれ断面円弧状に形成する工程と、
前記断面円弧状に形成された船首側内板用分割原板の船首側縁部を前記ダクト外板の船首側縁部に接続し、該船首側内板用分割原板の船尾側縁部を前記船尾側内板の船首側縁部に接続する工程と、
前記ダクト外板の船首側縁部および前記船尾側内板の船首側縁部に接続された前記船首側内板用分割原板同士を接合して前記船舶用ダクトを完成する工程と、
を有する。
【0012】
(10)前記(9)において、前記ダクト外板の船首側縁部にそって管体または棒体を設置する工程を有し、
前記断面円弧状に形成された船首側内板用分割原板の船首側縁部を前記ダクト外板の船首側縁部に接続するのに替えて、
前記断面円弧状に形成された船首側内板用分割原板の船首側縁部を前記管体または棒体に接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
(i)したがって、本発明によると、船舶用ダクトの外側が円錐の一部であるダクト外板によって形成され、船舶用ダクトの船首側の内側が所定の曲面からなる船首側内板によって形成されるから、船舶用ダクトの船首側の外側に曲面が存在しない。このため、船舶用ダクトの船首側部分の製造が容易になり、船舶用ダクトの製造コストの低減、工期の短縮を図ることができる。
(ii)さらに、ダクト外板および船尾側内板が、側面視において上側が下側よりも長いから、船尾形状に対応した設計の自由度が増し、省エネ効果が増大する。
【0014】
(iii)また、船尾側内板が円筒の一部であるから、板材の2次元曲げ加工によって製造することができ、船舶用ダクトの製造コストのさらなる低減および工期のさらなる短縮を図ることができる。
(iv)また、船首側内板の中心軸を含む断面における形状が、単一の円弧または連続する複数の円弧からなるため、形成が比較的容易になり、製造コストの低減が進む。
(v)また、ダクト外板の船首側縁部に沿って管材または棒材が設置され、該管材または棒材に船首側内板の船首側縁部が接続されるため、船首側内板の船首側縁部における曲率の大きな(曲率半径の小さいに同じ)曲げ加工が不要になるから、製造が容易になり、船舶用ダクトの製造コストのさらなる低減および工期のさらなる短縮が促進される。
【0015】
(vi)さらに、本発明によると、前記(1)乃至(5)の何れかに記載の船舶用ダクトが設置されているため、製造コストの低減と共に、推進性能の向上を図ることができる。
【0016】
(vii)さらに、本発明によると、ダクト外板用原板を円錐の一部を形成するように成形してダクト外板を、船尾側内板用原板を円筒の一部を形成するように成形し、船尾側内板とダクト外板とを接続すると共に、複数の船首側内板用分割原板をそれぞれ断面円弧状に形成し、それぞれの側縁同士を接合し、これを、ダクト外板の船首側縁部と船尾側内板の船首側縁部とに接続することによって船舶用ダクトを製造するため、主に2次元の曲げ加工(特に、船首側縁部における曲率の大きな(曲率半径の小さいに同じ)曲げ加工が不要)によって、船舶用ダクトの船首側縁部を形成することができるから、製造が容易になり、船舶用ダクトの製造コストの低減、工期の短縮を図ることができる。
なお、外周縁と内周縁との距離が一定の扇状であるダクト外板用原板と、上辺と底辺とが平行な台形である船尾側内板用原板と、外周縁と内周縁との距離が一定の扇状の複数の船首側内板用分割原板と、を用いるだけで、上側および下側の長さが等しい円錐の一部であるダクト外板や、上側および下側の長さが等しい筒の一部である船尾側内板、を有する船舶用ダクトを製造することができから、かかる船舶用ダクト(側面視において台形)の製造方法は前記船舶用ダクト(側面視において対辺が平行でない矩形)の製造方法に均等である。
(viii)また、ダクト外板の船首側縁部にそって管体または棒体を設置するため、
船首側内板用分割原板の船首側縁部における曲率の大きな(曲率半径の小さいに同じ)曲げ加工が不要になるから、製造が容易になり、船舶用ダクトの製造コストのさらなる低減および工期のさらなる短縮が促進される。
【0017】
(ix)さらに、本発明によると、前記(vii)の効果と共に、
船首側内板を単体として形成しないまま、断面円弧状に形成された船首側内板用分割原板をダクト外板および船尾側内板に接続するため、接続作業の自由度が増し、接続作業が容易になるから、船舶用ダクトの製造コストの低減、工期の短縮を図ることができる。
(x)また、ダクト外板の船首側縁部にそって管体または棒体を設置するため、
船首側内板用分割原板の船首側縁部における曲率の大きな(曲率半径の小さいに同じ)曲げ加工が不要になるから、製造が容易になり、船舶用ダクトの製造コストのさらなる低減および工期のさらなる短縮が促進される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[実施形態1:船舶用ダクト付き船舶]
図1は、本発明の実施形態1に係る船舶用ダクト付き船舶の概要を示す部分側面図である。図1において、船舶用ダクト付き船舶1は、船体2と、船体2の船尾(図中、右側)に突出して設置されたプロペラ3と、船体2の船尾に設置された船舶用ダクト4と、を有している。
船舶用ダクト4は船体2の両船側に設置され、それぞれ側面視(船側を見る方向に同じ)において略台形(図中、位置A−位置B−位置D−位置Cを結ぶ線分によって形成される)で、正面視(船尾を見る方向に同じ)において略半円(図示しない)である。なお、右舷に設置された船舶用ダクト4と左舷に設置された船舶用ダクト4とは、互いに面対称であって、船橋寄り(図中、上側)の範囲で、船体2から離れた範囲(図中、線分SCの範囲)は、相互に連結されている。なお、プロペラ3の中心軸を一点鎖線3cで、水面の一例を実線1cで示している。
【0019】
プロペラ3の直径が「P」のとき、船舶用ダクト4の船尾側直径D1(位置C−位置Dの距離、図5参照)、船舶用ダクト4の上側長さM1(線分ACの長さ、図5参照)、船舶用ダクト4の下側長さN1(線分BDの長さ、図5参照)、および、船舶用ダクト4の船首方向に拡径する割合θ(図中、線分ACと中心軸8とのなす角度、線分BDと中心軸8とのなす角度、図5参照)は周方向で一定であって、それぞれ以下の範囲にある。 0.40×P<D1<1.0×P
0.40×P<M1<1.0×P
0.02×P<N1<1.0×P
N1≦M1
5°<θ<20°
【0020】
[実施形態2:船舶用ダクト−その1]
図2は、本発明の実施形態2に係る船舶用ダクトの概要を示す側面図である。図2において、船舶用ダクト4は、図1に示す船舶用ダクト付き船舶1の右舷に設置されるものである。
船舶用ダクト4は、船首側が船尾側よりも径大で、上側(船橋側または水面側に相当する)が下側(船底側または海底側に相当する)よりも長い円錐の一部であるダクト外板10と、ダクト外板10の内部に収容され、上側が下側より長い筒状の船尾側内板20と、ダクト外板10の内部に収容された、船首側内板30と、を有している。
そして、ダクト外板10の船尾側縁部12(位置Cと位置Dを結ぶ円弧)と船尾側内板20の船尾側縁部22(位置Gと位置Hを結ぶ円弧)とが接続され、ダクト外板10の船首側縁部11(位置Aと位置Bを結ぶ円弧)と船首側内板30の船首側縁部31(位置Jと位置Kを結ぶ円弧)とが接続され、さらに、船首側内板30の船尾側縁部32(位置Lと位置Mを結ぶ円弧)と船尾側内板20の船首側縁部21(位置Eと位置Fを結ぶ円弧)とが接続されている。
【0021】
図3は、図2に示す船舶用ダクトの断面形状を説明する模式図である。船舶用ダクト4の軸心を含む面における形状(「断面形状」と称している)は、周方向で相似(幾何学的に厳密な相似を意味するものではない)であるから、船舶用ダクト4は、断面直線状のダクト外板10および船尾側内板20と、曲線状断面の船首側内板30と、を有することになる。すなわち、船舶用ダクト4の断面は、船首側内板30にのみ3次元的な曲線を有するだけであることから、従来の翼型に比較して製造が格段に容易になり、製造コストが安価になっている。
【0022】
図3において、周方向の所定位置における断面について、ダクト外板10(円錐の一部)の稜線13の長さを「L1」、船尾側内板20(円筒の一部)の稜線23の長さを「L2」、稜線13と稜線23とのなす角度を「θ」とすると、
L1>L2>0.3×L1
20°>θ>0°
の関係にある。
【0023】
また、船首側内板30の稜線33は、滑らかに3次元的に湾曲するものであって、単一円弧、複数円弧が滑らかに連続したもの、あるいは、解析曲線(たとえば、サインカーブ、インボリュート等)や自由曲線等、限定するものではない。なお、船首側内板30は、所定形状に成形された用分割原板を相互に接続して製造されるものである(これについては別途詳細に説明する)。
なお、以上は、船尾側内板20が円筒の一部である場合を示しているが、船尾側内板20を曲率の小さな朝顔状(曲率半径の大きいな、ラッパ状に同じ)にしても、曲率の大きな範囲が、船首側内板30に限定されるため、前記のように製造が格段に容易になり、製造コストが安価になる。また、ダクト外板10は上側が下側よりも長いものを示しているが、上側と下側との長さが等しいものであってもよい。
【0024】
[実施形態3:船舶用ダクト−その2]
図4は、本発明の実施形態3に係る船舶用ダクトの概要を示す側面図である。図3において、船舶用ダクト5は、ダクト外板10の船首側縁部11に沿って、管体40が設置され、管体40に船首側内板30の船首側縁部31が接合されている。すなわち、管体40を有する点において実施の形態2(図2)に示す船舶用ダクト4と相違し、その他の点は船舶用ダクト4と相違に同じである。なお、実施の形態2と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
したがって、船舶用ダクト5は船舶用ダクト4の奏する効果を奏すると共に、ダクト外板10と船首側内板30との接合が容易になり、船首側内板30の船首側縁部31における曲率の大きな加工を省略することができるため、船首側内板30の製造が容易になる。さらに、ダクト外板10と船首側内板30との接合部に管体40が位置するため、剛性や耐久性が向上する。なお、管体40に替えて、棒体を設置しても同様の作用効果を奏することができる。
【0025】
(省エネ効果)
次に、船舶用ダクト5と、船舶用ダクト5と同寸法でダクト面形状に流線型の翼型(NACA4415) を用いた場合の従来型船舶用ダクト(ダクト型省エネデバイスに同じ)との省エネ効果の比較を示す。比較は、全長8mの模型船を用いて、長さ240m、幅18m、深さ8mの船型試験水曹で実施した。供試模型船の船型は大型の鉱石運搬船である。
図5は、本発明の省エネ効果の比較に用いた船舶用ダクトを説明する模式図であって、(a)は船舶用ダクト5の側面視形状、(b)は船舶用ダクト5の断面形状、(c)は従来型船舶用ダクトの断面形状である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
比較に用いた船舶用ダクト5の諸元は以下である。
P=240mm
D1=0.6×P
M1=0.557×P
N1=0.073×P
L2=0.6×L1(但し、M1≧L≧N1)
θ=10.0°
【0026】
表1に前記比較結果を示す。すなわち、満載状態における、船舶用ダクト(省エネデバイスに同じ)を装着しない場合の馬力を100としたとき、従来型船舶用ダクトを設置すると馬力は95.4に、本発明の船舶用ダクト5を設置すると馬力は93.5に低減している。したがって、本発明の船舶用ダクト5を設置すると従来型船舶用ダクトを設置した場合に比較して、約1.9%程度小さくなることが分かる。
これより、直線状の稜線を有する本発明の船舶用ダクト5は、翼型断面の従来型船舶用ダクトに比較して、同程度ないし同等以上の省エネ効果を奏することが分かる。
【0027】
【表1】

【0028】
図6は、本発明の実施形態3に係る船舶用ダクトの省エネ効果を説明する模式図である。図6において、船舶用ダクト5は、迎角を持って流れ込む流れを捕らえ、これにより船舶用ダクト5に斜め前向きの揚力Qが生じ、その前向き成分を推力Rとして回収することにより、馬力低減を進成し、省エネ効果を奏している。
推力Rは具体的には、粘性圧力抵抗の低減、推力減少係数の増大という形で表れる。また、船舶用ダクト5が流れに対して及ぼす作用は、伴流利得という形で馬力低減に寄与する。したがって、推力による寄与を大さくするためには、揚抗比の大きな断面形状を採用する必要がある。つまり自分自身の抵抗(抗力)は小さく、揚力Q(前向き成分が推力Rとなる)の大きな断面が良いと言うことになる。
【0029】
図7は、揚抗比を比較するCFDシミュレーション結果であって、縦軸は揚抗比、横軸は迎角度である。すなわち、実船に装着した場合のレイノルズ数2.8 ×107 で、従来型船舶用ダクト(NACA4415)と本発明の船舶用ダクト5について、CFDシミュレーション(有限体積法:乱流モデル k−ωmodel)を実施した結果である。
図7より、本発明の船舶用ダクト5の揚抗比が、迎角5.0°以上の大部分の領域で従来型船舶用ダクトより大きいことがわかる。これにより抵抗低減に寄与する推力Rを大きく発生することができる。つまり、大幅に直線状の稜線を用いた本発明の船舶用ダクト5においても、優れた省エネ効果が可能である事を示している。
【0030】
[実施形態4:船舶用ダクトの製造方法−その1]
図8は、本発明の実施形態4に係る船舶用ダクトの製造方法を説明するための模式図である。図8において、理解を容易にするため、一対の正面視で半円の船舶用ダクト4を相互に接合して円環状の船舶用ダクト6を製造する場合を示しているが、通常は、正面視で半円の船舶用ダクト4がそれぞれ船体2の両舷に設置され、途中に船体2の一部を有する近似的な円環が形成されるものである。
船舶用ダクト6の製造方法は、
(a)外周縁11と内周縁12との距離が一方の側縁に近づく程増大する略扇状であるダクト外板用原板を、円錐の一部を形成するように成形してダクト外板10a、10bを製造し、両者を接合して円環状にする工程(図8の(a)参照)と、
(b)一方の斜辺22が底辺に垂直で、他方の斜辺21が上辺に近づく程増大する略台形である船尾側内板用原板を、円筒の一部を形成するように成形して船尾側内板20a、20bを製造し、両者を接合して円環状にする工程(図8の(b)参照)と、
(c)外周縁31と内周縁32との距離が変動する略扇状の複数の船首側内板用分割原板301a、302b・・・を、それぞれ断面円弧状に形成し、それぞれの側縁同士を接合して船首側内板30aを製造し、同様に船首側内板30bを製造し、両者を接合して円環状にする工程(図8の(c)参照)と、
(d)円環状に製造されたダクト外板10の内部に収容された状態で、船尾側内板20の船尾側縁部22をダクト外板10の船尾側縁部12に接続すると共に、
船首側内板30の船首側縁部31をダクト外板10の船首側縁部11に接続し、船首側内板30の船尾側縁部32を船尾側内板20の船首側縁部21に接続する工程(図8の(d)参照)と、を有している。
【0031】
したがって、船舶用ダクト6は前記3体のブロックを製造した後、これらを接合して製造されるから、製造が簡素になり、製造コストが低減する。
すなわち、ダクト外板10a、10bは、所定形状の平板を円錐状に曲げ加工するものであるから、複雑な3次元加工が不要となり、工数が半減する。特に、従来は、船首側縁部に3次元的に曲率の大きい曲面を形成する必要があるため、曲げ加工をする場合には熟練工を必要とし、かつ工数の増大を招いていたり、機械加工をする場合には、特定な設備を必要とし、かつ加工費用の高騰を招いていたり、していた。
また、船尾側内板20a、20bは円筒状であるから、ダクト外板10a、10bと同様に、複雑な3次元加工が不要になっている。
【0032】
なお、船首側内板30a、30bの製造においては、従来と同じように複雑な3次元加工が必要である。しかしながら、複雑な3次元加工を必要とする範囲が船首側内板30a、30bの船首側縁部31a、31bに限定され、その以外の範囲(ダクト外板10a、10b、および船尾側内板20a、20b)は2次元形状であって、成形が容易であるから、製造コストが大幅に低減することになる。
通常、船舶用ダクト製作において、難易度の高い先端の線状加熱部分の工数が、全体工数の約**(出願時に記載)**%を占めている。本発明では線状加熱部分を半減できるため,単純には従来の加工工数が約**(出願時に記載)**%減少することになる。
また,内外面の直線状の稜線を有する部分は、ローラー曲げや簡易なプレス加工などの容易な方法を採用できる部分が増えるため、その分の加工工数もさらに減少することとなる。そして、かかる工数の減少に伴い、工期短縮や製造コストの低減が可能になる。
【0033】
以上は、それぞれ1枚の原板から、正面視で半円状のダクト外板10a、10b、船尾側内板20a、20bを製造しているが、本発明はこれに限定するものではなく、前記原板を複数に分割して用分割原板を用いて、該用分割原板を曲げ加工したのち相互に接合するようにしてもよい。また、広幅の原板を用い、該広幅の原板を円環状に成形してもよい。さらに、船首側内板30a(船首側内板30bにおいても同じ)を製造するための船首側内板用分割原板301a、302b・・・の数量は限定するものではなく、それぞれの大きさ(分割角度)は一定である必要はない。
また、外周縁と内周縁との距離が一定の扇状であるダクト外板用原板と、上辺と底辺とが平行な台形である船尾側内板用原板と、外周縁と内周縁との距離が一定の扇状の複数の船首側内板用分割原板と、を用いるだけで、上側および下側の長さが等しい円錐の一部であるダクト外板や、上側および下側の長さが等しい筒の一部である船尾側内板、を有する船舶用ダクトを製造することができから、かかる船舶用ダクト(側面視において台形)の製造方法は、本発明の船舶用ダクト(側面視において対辺が平行でない矩形)の製造方法に含まれるものである。
【0034】
[実施形態5:船舶用ダクトの製造方法−その2]
図8に示す本発明の実施形態4に係る船舶用ダクトの製造方法は、船首側内板30a、30bを製造して円環状にした後、円環状のダクト外板10a、10b等に接合しているが、本発明はこれに限定するものではなく、円環状のダクト外板10a、10bに円環状の船尾側内板20a、20bを接合した後で、それぞれ断面円弧状に形成された船首側内板用分割原板301a、302b・・・を、円環状のダクト外板10a、10b等に接合する。すなわち、船首側内板30a、30bを一旦円環状に製造する工程を省力する(図示しない)。
【0035】
[実施形態6:船舶用ダクトの製造方法−その3]
図9は、本発明の実施形態6に係る船舶用ダクトの製造方法を説明するための模式図である。図9において、船舶用ダクト7の製造方法は、分割ダクト710、720、730を製造した後、これらを接合して船舶用ダクト7を完成するものである。
(a)ダクト外板用分割原板を、円錐の一部を形成するように成形してダクト分割外板711を製造し、
(b)船尾側内板用分割原板を、円筒の一部を形成するように成形して船尾側分割内板712を製造し、
(c)船首側内板用分割原板713a、713b、713cを、それぞれ断面円弧状に形成し、それぞれの側縁同士を接合して船首側分割内板713を製造し、
(d)ダクト分割外板711と船尾側分割内板712と船首側分割内板713とを、実施形態4に準じて接合して、分割ダクト710を完成し、
(e)同様にして、分割ダクト720、730を完成し、
(f)分割ダクト710、720、730を相互に接合して船舶用ダクト7を完成する。
なお、船首側分割内板713、723、733は、3分割された船首側内板用分割原板713a、713b、713c・・・から製造されるものを示しているが、本発明はこれに限定するものではなく、それぞれ一枚の原板から製造しても、4枚以上の用分割原板から製造してもよい。
【0036】
[実施形態7:船舶用ダクトの製造方法−その4]
図10は、本発明の実施形態7に係る船舶用ダクトの製造方法を説明するための模式断面図である。図10において、船舶用ダクト8の製造方法は、ダクト外板10の船首側縁部11に沿って管体40を設置し、管体40に船首側内板30の船首側縁部31を接合するものである。
したがって、船舶用ダクト8の船首側縁部の正確な位置決めが容易になる。また、管体40が正確で大きな曲率を具備するから、船首側内板30の船首側縁部31を大きな曲率に加工する必要がなくなり、船首側内板30の製造がさらに容易になる。
さらに、ダクト外板10の船首側縁部11と船首側内板30船首側縁部31とを直接接合した場合には、接合部に「角」ができ、船首側縁部の外面を滑らかにする作業が必要であったものの、船舶用ダクト8では管体40を設置したことにより、かかる作業が不要になる。よって、工作性が向上し、製造コストが低減する。
【0037】
なお、管体40は1本の管体を円環状または半円環状に形成したものであっても、複数の分割管体を相互に接合して形成したものであってもよい。また、管体40は、実施形態4〜6(船舶用ダクトの製造方法−その1〜その3)の何れにおいても実施することができるものである。
たとえば、実施形態5(船舶用ダクトの製造方法−その2)において実施する場合には、円環状のダクト外板10a、10bの船首側縁部11a、11bに管体40を設置し、ダクト外板10a、10bの船尾側縁部12a、12bに円環状の船尾側内板20a、20bを接合した後で、それぞれ断面円弧状に形成された船首側内板用分割原板301a、302b・・・の船首側縁部を管体40に接合し、船首側内板用分割原板301a、302b・・・の船尾側縁部を船尾側内板20a、20bの船首側縁部21a、21bに接合することになる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は以上の構成であるため、製造コストの低減および工期の短縮が可能になると共に、推進性能の維持または向上が図られるから、各種船形の船舶の省エネデバイスおよびその製造方法として、広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態1に係る船舶用ダクト付き船舶の概要を示す部分側面図。
【図2】本発明の実施形態2に係る船舶用ダクトの概要を示す側面図。
【図3】図2に示す船舶用ダクトの断面形状を説明する模式図。
【図4】本発明の実施形態3に係る船舶用ダクトの概要を示す側面図。
【図5】本発明の省エネ効果の比較に用いた船舶用ダクトを説明する模式図。
【図6】本発明の実施形態3に係る船舶用ダクトの省エネ効果を説明する模式図。
【図7】CFDシミュレーション結果を示す揚抗比−迎角度の相関線図。
【図8】本発明の実施形態4に係る船舶用ダクトの製造方法を説明する模式図。
【図9】本発明の実施形態6に係る船舶用ダクトの製造方法を説明する模式図。
【図10】本発明の実施形態7に係る船舶用ダクトの製造方法を説明する断面図。
【符号の説明】
【0040】
1 船舶
2 船体
3 プロペラ
4 船舶用ダクト(実施形態1)
5 船舶用ダクト(実施形態2)
6 船舶用ダクト(実施形態4)
7 船舶用ダクト(実施形態6)
8 船舶用ダクト(実施形態7)
10 ダクト外板
11 船首側縁部
12 船尾側縁部
13 稜線
20 船尾側内板
21 船首側縁部
22 船尾側縁部
23 稜線
30 船首側内板
31 船首側縁部
32 船尾側縁部
33 稜線
40 管体
710 分割ダクト
711 ダクト分割外板
712 船尾側分割内板
713 船首側分割内板
720 分割ダクト


【特許請求の範囲】
【請求項1】
船首側が船尾側よりも径大の円錐の一部であるダクト外板と、
前記ダクト外板の内部に収容された状態で前記ダクト外板の船尾側縁部に接続された筒の一部である船尾側内板と、
前記ダクト外板の内部に収容された状態で前記ダクト外板の船首側縁部と前記船尾側内板の船首側縁部とを滑らかに連結する船首側内板と、
を有する、船体の船尾部に設置される船舶用ダクト。
【請求項2】
前記ダクト外板の上側が下側よりも長く、かつ、前記船尾側内板の上側が下側よりも長いことを特徴とする請求項1記載の船舶用ダクト。
【請求項3】
前記船尾側内板が、円筒の一部であることを特徴とする請求項1または2記載の船舶用ダクト。
【請求項4】
前記船首側内板の中心軸を含む断面における形状が、単一の円弧または連続する複数の円弧からなることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の舶用ダクト。
【請求項5】
前記ダクト外板の船首側縁部に沿って管材または棒材が設置され、
該管材または棒材に、前記船首側内板の船首側縁部が接続されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の船舶用ダクト。
【請求項6】
船体と、
該船体の船尾に突出して設置されたプロペラと、
前記船体の船尾に設置された請求項1乃至5の何れかに記載の船舶用ダクトと、
を有する船舶用ダクト付き船舶。
【請求項7】
船首側が船尾側よりも径大で、上側が下側よりも長い円錐の一部であるダクト外板と、
前記ダクト外板の内部に収容された状態で前記ダクト外板の船尾側縁部に接続され、上側が下側より長い筒状の船尾側内板と、
前記ダクト外板の内部に収容された状態で前記ダクト外板の船首側縁部と前記船尾側内板の船首側縁部とを滑らかに連結する船首側内板と、
を有する、船体の船尾部に設置される船舶用ダクトの製造方法であって、
外周縁と内周縁との距離が一方の側縁に近づく程増大する略扇状であるダクト外板用原板を、円錐の一部を形成するように成形して前記ダクト外板を製造する工程と、
一方の斜辺が底辺に垂直で、他方の斜辺が上辺に近づく程増大する略台形である船尾側内板用原板を、円筒の一部を形成するように成形して船尾側内板を製造する工程と、
前記ダクト外板の内部に収容された状態で、前記船尾側内板の船尾側縁部を前記ダクト外板の船尾側縁部に接続する工程と、
外周縁と内周縁との距離が変動する略扇状の複数の船首側内板用分割原板を、それぞれ断面円弧状に形成し、それぞれの側縁同士を接合して前記船首側内板を製造する工程と
前記船首側内板の船首側縁部を前記ダクト外板の船首側縁部に接続し、前記船首側内板の船尾側縁部を前記船尾側内板の船首側縁部に接続して前記船舶用ダクトを完成する工程と、
を有する船舶用ダクトの製造方法。
【請求項8】
前記ダクト外板の船首側縁部にそって管体または棒体を設置する工程を有し、
前記船首側内板の船首側縁部を前記ダクト外板の船首側縁部に接続するのに替えて、前記船首側内板の船首側縁部を前記管体または棒体に接続することを特徴とする請求項7記載の船舶用ダクトの製造方法。
【請求項9】
船首側が船尾側よりも径大で、上側が下側よりも長い円錐の一部であるダクト外板と、
前記ダクト外板の内部に収容された状態で前記ダクト外板の船尾側縁部に接続され、上側が下側より長い筒状の船尾側内板と、
前記ダクト外板の内部に収容された状態で前記ダクト外板の船首側縁部と前記船尾側内板の船首側縁部とを滑らかに連結する船首側内板と、
を有する、船体の船尾部に設置される船舶用ダクトの製造方法であって、
外周縁と内周縁との距離が一方の側縁に近づく程増大する略扇状であるダクト外板用原板を、円錐の一部を形成するように成形して前記ダクト外板を製造する工程と、
一方の斜辺が底辺に垂直で、他方の斜辺が上辺に近づく程増大する略台形である船尾側内板用原板を、円筒の一部を形成するように成形して船尾側内板を製造する工程と、
前記ダクト外板の内部に収容された状態で、前記船尾側内板の船尾側縁部を前記ダクト外板の船尾側縁部に接続する工程と、
外周縁と内周縁との距離が変動する略扇状の複数の船首側内板用分割原板を、それぞれ断面円弧状に形成する工程と、
前記断面円弧状に形成された船首側内板用分割原板の船首側縁部を前記ダクト外板の船首側縁部に接続し、該船首側内板用分割原板の船尾側縁部を前記船尾側内板の船首側縁部に接続する工程と、
前記ダクト外板の船首側縁部および前記船尾側内板の船首側縁部に接続された前記船首側内板用分割原板同士を接合して前記船舶用ダクトを完成する工程と、
を有する船舶用ダクトの製造方法。
【請求項10】
前記ダクト外板の船首側縁部にそって管体または棒体を設置する工程を有し、
前記断面円弧状に形成された船首側内板分割用原板の船首側縁部を前記ダクト外板の船首側縁部に接続するのに替えて、
前記断面円弧状に形成された船首側内板分割用原板の船首側縁部を前記管体または棒体に接続することを特徴とする請求項9記載の船舶用ダクトの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−143489(P2008−143489A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−336399(P2006−336399)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(502116922)ユニバーサル造船株式会社 (172)