説明

船舶用電気推進装置及び船舶

【課題】推進装置自体を小型化できるとともに、船内の推進関連スペースを大幅に削減でき、また、推進力発生によって生じる大きな推力にも対応でき、耐久性にも優れた船舶用電気推進装置を提供すること。
【解決手段】船体を推進するプロペラ11と、プロペラ11の中心部に設けたボス12と、船体の船尾から突出して設けた固定軸13と、固定軸13の表面に円周方向に臨ませて設けた電機子15と、ボス12の内部に固定して設けた回転子18とを備え、電機子15に対して回転子18が回転することでプロペラ11を回転する船舶用電気推進装置であって、固定軸13の軸心に垂直な端面13a、13bを固定軸13に形成し、プロペラ11の推力を受けるスラスト軸受19a、19bを端面13a、13bに配置したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船体の船尾から突出して設けた固定軸の表面に電機子を、船体を推進するプロペラの中心部のボスの内部に回転子を備え、電機子に対して回転子が回転することでプロペラを回転する船舶用電気推進装置及び船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の船舶における推進装置として、アウターロータにプロペラを結合した船舶用電気推進装置が提案されている(特許文献1)。
また、他の装置として、アウターロータにプロペラブレードを装着し、固定軸に巻線を設けてプロペラを回転させるものが提案されている(特許文献2)。
また、吊り下げ式推進器(POD推進器)として、シャフトを固定して、アウターロータにプロペラを設けたものが提案されている(特許文献3)。
また、異なる技術分野ではあるが、天井扇において、アウターロータに羽根を設けたものがある(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−247197号公報
【特許文献2】特開平3−227797号公報
【特許文献3】特表2002−534316号公報
【特許文献4】特開平11−311199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、モータ部を船舶内に配置するため、ボス内空間を有効利用するものではなく、船内推進関連スペースの削減はできない。
なお、軸受5にはクロスローラ軸受けを使用しており、大きな推力に対応できるものではない。
また、特許文献2では、船舶の推進器に必須であるスラスト軸受けを設けているものの、スラスト軸受けを固定軸の外周に設けているため、船の推進に必要な大きな推力に対応できるものではない。
また、特許文献3においても、推進力発生によって生じる大きな推力に対応できる構成は示されていない。
また、特許文献4では、そもそも、船舶のような大きな推力が発生するものではない。
プロペラの推力はプロペラ翼に発生し、推力は中央のボスに伝わるが、更に船体に伝えることで船の推進力となる。このため、船舶用の推進装置にはボスと船体との間に軸方向の力を伝えるスラスト軸受が必要となる。
【0005】
本発明は、推進装置自体を小型化できるとともに、船内の推進関連スペースを大幅に削減でき、また、大きな推力にも対応でき、耐久性にも優れた船舶用電気推進装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載に対応した船舶用電気推進装置においては、船体を推進するプロペラと、プロペラの中心部に設けたボスと、船体の船尾から突出して設けた固定軸と、固定軸の表面に円周方向に臨ませて設けた電機子と、ボスの内部に固定して設けた回転子とを備え、電機子に対して回転子が回転することでプロペラを回転する船舶用電気推進装置であって、固定軸の軸心に垂直な端面を固定軸に形成し、プロペラの推力を受けるスラスト軸受を端面に配置したことを特徴とする。請求項1に記載の本発明によれば、電機子及び回転子を、プロペラの中心部のボス内に配置することで、推進装置自体を小型化できるとともに、船内の推進関連スペースを大幅に削減できる。また、請求項1に記載の本発明によれば、船尾から突出させる固定軸が、プロペラを回転させる回転軸ではないため、船体からの突出箇所におけるシール部が不要となる。また、請求項1に記載の本発明によれば、電機子が水中に臨み、ボスが回転するため、冷却効果がよい。また、請求項1に記載の本発明によれば、大きな推力を、固定軸の軸心に垂直な端面で受けることで、大型船の推力にも対応でき、耐久性にも優れている。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の船舶用電気推進装置において、ラジアル軸受を、電機子及び回転子の前後に設けたことを特徴とする。請求項2に記載の本発明によれば、ラジアル軸受を、電機子及び回転子を挟んで少なくとも2箇所に設けているので、プロペラの重量を前後に設けたラジアル軸受で分担して受けることで軸受荷重を減らせるとともに、プロペラに作用するピッチングやヨーイングに対しても、十分に対応することができる。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の船舶用電気推進装置において、固定軸とボスとの間に形成される間隙と外部とをシールするシール手段をさらに備えたことを特徴とする。請求項3に記載の本発明によれば、外部からの異物の侵入を防止することができる。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3に記載の船舶用電気推進装置において、ボスが、船体の後方側にボスキャップ部を有したことを特徴とする。請求項4に記載の本発明によれば、ボスキャップ部をボスに設けることで、固定軸の端部を、推力を受ける端面として利用することができ、大きな推力を受けることができる。また、請求項4に記載の本発明によれば、ボスキャップ部の取り外しができることで、組み立て性やメンテナンス性にも優れている。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4に記載の船舶用電気推進装置において、固定軸の内部を、電機子に給電する電力線の配線通路としたことを特徴とする。請求項5に記載の本発明によれば、船体と推進装置との間は固定軸だけで連結されるため、電力線を保護できるとともに、組み立て性にも優れている。
請求項6記載の本発明は、請求項3から請求項5に記載の船舶用電気推進装置において、流体を、ボスの内部から間隙、スラスト軸受、及びラジアル軸受を通過し外部に流出させる流体供給手段をさらに備えたことを特徴とする。請求項6に記載の本発明によれば、流体供給手段によって、潤滑や冷却を行うことができる。
請求項7記載の本発明は、請求項1から請求項6に記載の船舶用電気推進装置において、電機子の表面を固定軸の表面と略同一径に構成し、電機子の表層又は/及び回転子の表層を非磁性材料で被って電機子の内部又は/及び回転子の内部を密封したことを特徴とする。請求項7に記載の本発明によれば、メカニカルシールやオイルシールを用いることなく防水を確実に行うことができる。
請求項8記載に対応した船舶においては、請求項1から請求項7のいずれかに記載の船舶用電気推進装置を搭載したことを特徴とする。請求項8に記載の本発明によれば、推進装置自体の小型化によって船内の推進関連スペースを大幅に削減でき、船の有効貨物容積を大きくすることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の船舶用電気推進装置によれば、電機子及び回転子を、プロペラの中心部のボス内に配置することで、推進装置自体を小型化できるとともに、船内の推進関連スペースを大幅に削減できる。また、船尾から突出させる固定軸が、プロペラを回転させる回転軸ではないため、船体からの突出箇所におけるシール部が不要となる。また、電機子が水中に臨み、ボスが回転するため、冷却効果がよい。また、推進力発生によって生じる大きな推力を、固定軸の軸心に垂直な端面で受けることで、大型船の推力にも対応でき、耐久性にも優れている。
なお、ラジアル軸受を、電機子及び回転子の前後に設けた場合には、プロペラの重量を前後に設けたラジアル軸受で分担して受けることで軸受荷重を減らせるとともに、プロペラに作用するピッチングやヨーイングに対しても、十分に対応することができる。
また、固定軸とボスとの間に形成される間隙と外部とをシールするシール手段をさらに備えた場合には、外部からの異物の侵入を防止することができる。
また、ボスが、船体の後方側にボスキャップ部を有した場合には、固定軸の端部を、推力を受ける端面として利用することができ、大きな推力を受けることができるとともに、ボスキャップ部の取り外しができることで、組み立て性やメンテナンス性にも優れている。
また、固定軸の内部を、電機子に給電する電力線の配線通路とした場合には、船体と推進装置との間は固定軸だけで連結されるため、電力線を保護できるとともに、組み立て性にも優れている。
また、流体を、ボスの内部から間隙、スラスト軸受、及びラジアル軸受を通過し外部に流出させる流体供給手段をさらに備えた場合には、流体供給手段によって、潤滑や冷却を行うことができる。
また、電機子の表面を固定軸の表面と略同一径に構成し、電機子の表層又は/及び回転子の表層を非磁性材料で被って電機子の内部又は/及び回転子の内部を密封した場合には、メカニカルシールやオイルシールを用いることなく防水を確実に行うことができる。
本発明の船舶によれば、推進装置自体の小型化によって船内の推進関連スペースを大幅に削減でき、船の有効貨物容積を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態による船舶の概略構成図
【図2】同船舶に用いる船舶用電気推進装置の外観を示す概略構成図
【図3】同船舶用電気推進装置の内部を示す要部構成図
【図4】同船舶用電気推進装置のシール手段を示す要部構成図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態による船舶用電気推進装置について説明する。
図1は本発明の実施形態による船舶の概略構成図、図2は同船舶に用いる船舶用電気推進装置の外観を示す概略構成図、図3は同船舶用電気推進装置の内部を示す要部構成図、図4は同船舶用電気推進装置のシール手段を示す要部構成図である。
【0010】
図1に示すように、船体1の船尾には、船舶用電気推進装置10が設けられ、船体1内には、船舶用電気推進装置10に電力を供給する発電機2を備えている。発電機2は発電用ディーゼル原動機に減速ギアを介して接続され、発電機2で得られる電力は配電盤を介してモータ制御盤に供給され船舶用電気推進装置10を動作させる。また発電機2で得られる電力は配電盤を介して船内電力にも利用される。
図2に示すように、船舶用電気推進装置10は、船体1を推進するプロペラ11と、プロペラ11の中心部に設けたボス12と、船体1の船尾から突出して設けた固定軸13とを備えている。また、ボス12は、船体1の後方側にボスキャップ部14を有している。
【0011】
図3に、同船舶用電気推進装置の要部構成を示す。
固定軸13の表面には、電磁石の電機子15を円周方向に臨ませて配置している。電機子15は、コア15aに固定子巻線15bを巻いて配設され、磁界用の電力線17がつながっている。電機子15に給電する電力線17は、固定軸13の内部に形成した配線通路に配設する。このように、電力線17を固定軸13の内部に形成した配線通路に配設することで、船体1と船舶用電気推進装置10との間は固定軸13だけで連結されるため、電力線17を保護できるとともに、組み立て性にも優れている。
【0012】
回転子18は、永久磁石又は誘導電磁石で構成され、回転させるプロペラ11のボス12の内面に装備する。プロペラ11は、電機子15の磁界の変動に合わせて回転子18が回ることにより回転する。
電機子15及び回転子18から構成されるモータの設計は、船体1が必要とする推進力、適正なプロペラ11の直径を基に、通常のプロペラ設計法に基づいて回転数と必要トルクを決定することができる。
なお、モータは、交流モータ、直流モータ、誘導型モータ、同期型モータ等、船舶の用途に合わせて各種の形式のものが選定可能である。
【0013】
固定軸13には、軸心に垂直な第1の端面13a、第2の端面13bを形成している。
第1の端面13aは、固定軸13の端部で形成し、ボス12の後端側に位置する。第2の端面13bは、固定軸13と同軸で外径を固定軸13よりも大きくした円柱状の拡径部22で形成し、ボス12の前端側に位置する。
第1のスラスト軸受19aは、第1の端面13aとボスキャップ部14との間に配置され、第2のスラスト軸受19bは、第2の端面13bとボス12内面に形成した段差部20との間に配置される。
【0014】
第1の端面13aは、固定軸13の端部端面で形成しているため、固定軸13の外径に合わせた大きさの第1のスラスト軸受19aを用いることができる。また、第2の端面13bは、固定軸13よりも大きな径の端面で形成しているため、第1のスラスト軸受19aよりも更に大径の第2のスラスト軸受19bを用いることができる。なお、第1のスラスト軸受19aと第2のスラスト軸受19bとは、固定軸13やボスキャップ部14の形状に合わせて任意の組み合わせが可能である。
このように、第1のスラスト軸受19a及び第2のスラスト軸受19bは、それぞれが十分な面積を持っているために、数十トンから百トンを越える大型船の推力を受けることができる。第1のスラスト軸受19a及び第2のスラスト軸受19bは、いずれか一方だけを用いてもよい。
なお、第1のスラスト軸受19a及び第2のスラスト軸受19bには、従来船の主機または減速機の内部に装備されているスラスト軸受の技術を適用することができる。
【0015】
第1のラジアル軸受21aは電機子15及び回転子18よりも前方に設け、第2のラジアル軸受21bは電機子15及び回転子18よりも後方に設けている。
第1のラジアル軸受21aと第2のラジアル軸受21bとを用いることで、プロペラ11の重量を第1のラジアル軸受21aと第2のラジアル軸受21bとで受け、軸受荷重を分担することができるので耐久性を増すことができる。
プロペラ11は船体1の後方に装備されるため、不均一な流れの中で作動する。このため、プロペラ11は一回転する間にお辞儀をする(ピッチング)方向、および首を振る(ヨーイング)方向に力を受けながら作動する。本実施形態では、円周方向の軸受けとして、電機子15及び回転子18を装備した位置よりも前方及び後方に、最低2箇所に第1のラジアル軸受21aと第2のラジアル軸受21bとをリング状に装備することで、プロペラ11に作用するピッチングやヨーイングに対しても、十分に対応することができる。
なお、第1のラジアル軸受21a及び第2のラジアル軸受21bは、従来船の船尾管軸受けに採用されているベアリング技術を適用することができる。
【0016】
電機子15の表面は固定軸13の表面と略同一径に構成し、電機子15の表層は非磁性材料23で被っている。電機子15の内部を、非磁性材料23によって密封することで、メカニカルシールやオイルシールを用いることなく確実に防水される。ここで非磁性材料23には、例えばSUS305等のオーステナイト系ステンレス鋼や青銅等を用いることができる。また、回転子18の表層を非磁性材料で被い、回転子18の内部を密封することもできる。
非磁性材料23は、第1のラジアル軸受21aと第2のラジアル軸受21bとの間に位置する電機子15及び固定軸13の表面に設けている。
【0017】
ボスキャップ部14は、ボス12の端部にねじ込み部14aによって取り付けられている。通常のプロペラでは、プロペラ軸にプロペラを固定するナットのカバーであるが、本実施の形態では、ボスキャップ部14の内面は、第1のスラスト軸受19aを受ける面となる。ボスキャップ部14を取り外すことで、ボス12と固定軸13との間の点検が行える。
ボスキャップ部14は、ねじ込み部14aではなく、ボルト止めによって取り付けてもよい。
【0018】
固定軸13には、流体を外部に流出させる流体供給手段24を備えている。流体供給手段24は、船体1内に設けたポンプ241に接続され、ポンプ241によって空気や水などの流体が供給される。流体供給手段24は、固定軸13の端部端面(第1の端面13a)に流出口24aを設けている。流体供給手段24に供給された流体は、この流出口24aから第1の端面13aとボスキャップ部14との間に流出し、第1のスラスト軸受19aを通過し、間隙25a、第2のラジアル軸受21b、隙間25b、第1のラジアル軸受21a、隙間25c、第2のスラスト軸受19b、隙間25d、及びシール手段26を順に通過して外部に流出する。
【0019】
ここで、隙間25a、25b、25c、25dは、固定軸13とボス12との間に形成され、間隙25aはボス12の後方側(ボスキャップ部14側)で、第1のスラスト軸受19aと第2のラジアル軸受21bとの間に形成され、隙間25bは第2のラジアル軸受21bと第1のラジアル軸受21aとの間に形成され、隙間25cは、第1のラジアル軸受21aと第2のスラスト軸受19bとの間に形成され、隙間25dは、第2のスラスト軸受19bとシール手段26との間に形成される。
このように、流体供給手段24によって、固定軸13とボス12との間に流体を流すことで、潤滑や冷却を行うことができる。
【0020】
シール手段26は、拡径部22の外周面とボス12の段差部20内周面との間に配置して、固定軸13とボス12との間に形成される間隙25a、25b、25c、25dと外部とをシールすることで外部からの異物の侵入を防止する。また、流体供給手段24による水潤滑や空気潤滑のための流体流出を行う。
なお、シール手段26の外部には、ボス抜け止め部材27をボス12の前方側端部に設けている。
【0021】
図4に示すように、シール手段26は、両端にシール材ストッパー26a、26bが配置され、拡径部22の外周面とボス12の段差部20内周面との間に配置している。シール手段26は、隙間25dから外部に向けた流れは許容するが、外部から隙間25dに向けた流れは阻止する。
本実施の形態によるシール手段26は、モータを構成する電機子15を、水中にあるプロペラ11のボス12の内部に装備するための防水機能を果たすとともに、従来から船舶で用いられている軸封装置技術の一部である水潤滑あるいは空気潤滑技術により、船内から船外への少量の流れ出しをつけることで、海水の流れ込みを完全に防ぐ機能を果たす。
【0022】
以上のように本実施の形態によれば、電機子15及び回転子18を、プロペラ11の中心部のボス12内に配置することで、船舶用電気推進装置10自体を小型化できるとともに、船内の推進関連スペースを大幅に削減できる。
また、本実施の形態によれば、船尾から突出させる固定軸13が、プロペラ11を回転させる回転軸ではないため、船体1からの突出箇所におけるシール部が不要となる。
また、本実施の形態によれば、電機子15が水中に臨み、表面積の大きいボス12が回転するため、冷却効果がよい。
また、本実施の形態によれば、固定軸13の軸心に垂直な第1の端面13a、第2の端面13bを固定軸13に形成し、プロペラ11の推力を受ける第1のスラスト軸受19a又は/及び第2のスラスト軸受19bを第1の端面13a、第2の端面13bに配置し、大きな推力を、固定軸13の軸心に垂直な第1の端面13a、第2の端面13bで受けることで、大型船の推力にも対応でき、耐久性にも優れている。
また、本実施の形態によれば、船舶用電気推進装置10自体の小型化によって船内の推進関連スペースを大幅に削減でき、船の有効貨物容積を大きくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の船舶用電気推進装置は、小型船から大型船まで適用することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 船体
2 発電機
10 船舶用電気推進装置
11 プロペラ
12 ボス
13 固定軸
14 ボスキャップ部
15 電機子
15a コア
15b 固定子巻線
17 電力線
18 回転子
19a 第1のスラスト軸受
19b 第2のスラスト軸受
20 段差部
21a 第1のラジアル軸受
21b 第2のラジアル軸受
22 拡径部
23 非磁性材料
24 流体供給手段
25a、25b、25c、25d 隙間
26 シール手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体を推進するプロペラと、前記プロペラの中心部に設けたボスと、前記船体の船尾から突出して設けた固定軸と、前記固定軸の表面に円周方向に臨ませて設けた電機子と、前記ボスの内部に固定して設けた回転子とを備え、前記電機子に対して前記回転子が回転することで前記プロペラを回転する船舶用電気推進装置であって、前記固定軸の軸心に垂直な端面を前記固定軸に形成し、前記プロペラの推力を受けるスラスト軸受を前記端面に配置したことを特徴とする船舶用電気推進装置。
【請求項2】
ラジアル軸受を、前記電機子及び前記回転子の前後に設けたことを特徴とする請求項1に記載の船舶用電気推進装置。
【請求項3】
前記固定軸と前記ボスとの間に形成される間隙と外部とをシールするシール手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の船舶用電気推進装置。
【請求項4】
前記ボスが、前記船体の後方側にボスキャップ部を有したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の船舶用電気推進装置。
【請求項5】
前記固定軸の内部を、前記電機子に給電する電力線の配線通路としたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の船舶用電気推進装置。
【請求項6】
流体を、前記ボスの内部から前記間隙、前記スラスト軸受、及び前記ラジアル軸受を通過し前記外部に流出させる流体供給手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の船舶用電気推進装置。
【請求項7】
前記電機子の表面を前記固定軸の表面と略同一径に構成し、前記電機子の表層又は/及び前記回転子の表層を非磁性材料で被って前記電機子の内部又は/及び前記回転子の内部を密封したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の船舶用電気推進装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の船舶用電気推進装置を搭載したことを特徴とする船舶。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−245910(P2012−245910A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119994(P2011−119994)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(501204525)独立行政法人海上技術安全研究所 (185)
【Fターム(参考)】