説明

船舶

【課題】船体側から岸壁に降ろされるランプウェイの長さを短くすることができるとともに、岸壁の長さや幅に制限のある港でも容易に車両の揚げ積み作業を行うことができる船舶を提供すること。
【解決手段】上甲板2よりも下側に設けられた液体貯蔵部と、前記上甲板2よりも上側に設けられた車両搭載部4と、船尾部右舷側および/または船尾部左舷側に設けられたランプウェイ5とを具備してなる船舶であって、前記ランプウェイ5の一部を構成するスロープ22が、前記船尾部右舷側および/または前記船尾部左舷側の船体に形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶に関するものであり、特に、液体貨物(例えば、原油、石油製品、有機溶剤等の液体化学製品等の液体貨物)と、車両(例えば、乗用車、トラック、トレーラシャーシ等)を積載することができる船舶に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体貨物と、車両を積載することができる船舶としては、船本体の内部に液体貯蔵庫を備え、船本体の上甲板上に複数段の自動車搭載甲板を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−291179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献に開示されたものでは、上甲板と岸壁とが、船尾部において倒立可能に構成された一本のスタンランプによって相互に連絡されるようになっており、液体貨物が積まれていない等、船舶の喫水が浅い場合でも車両の荷役作業が行えて、かつ、スタンランプの傾斜角度が法律等で定められた(規定の)角度内になるようにするためには、スタンランプの長さを長くしなければならない。そのため、岸壁の幅(奥行き)に制限のある港では、スタンランプを岸壁に降ろすことができなくなり、車両の揚げ積み作業を行うことができなくなるおそれがある。
また、上記特許文献に開示されたものには、可燃性ガス(液体貯蔵庫内で発生した可燃性ガス(例えば、積荷の原油から発生した可燃性ガス)および自動車搭載甲板内で発生した可燃性ガス(例えば、ガソリンと空気の混合ガス))に対する安全対策が、十分になされていないといった問題点もあった。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、船体側から岸壁に降ろされるランプウェイの長さを短くすることができるとともに、岸壁の長さや幅に制限のある港でも容易に車両の揚げ積み作業を行うことができる船舶を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明による船舶は、上甲板よりも下側に設けられた液体貯蔵部と、前記上甲板よりも上側に設けられた車両搭載部と、船尾部右舷側および/または船尾部左舷側に設けられたランプウェイとを具備してなる船舶であって、前記ランプウェイの一部を構成するスロープが、前記船尾部右舷側および/または前記船尾部左舷側の船体に形成されている。
このような船舶によれば、ランプウェイの一部を構成するスロープが、船尾部右舷側および/または船尾部左舷側の船体を斜めにレセスする形で(船体に斜めに彫り込まれる形で)上甲板よりも低い所から配置されているので、船舶が岸壁に接岸した時に、船体側から岸壁に降ろされる(ランプウェイの一部を構成する別の)スロープの長さを短くすることができ、岸壁の長さや幅に制限のある港でも容易に車両の揚げ積み作業を行うことができるようになる。
【0006】
上記船舶において、前記ランプウェイの一部を構成する転回部が、前記スロープの下端に接するように形成されているとともに、前記ランプウェイが設置される側の船体構造物を船幅方向外側に張り出させることにより形成されており、かつ、前記ランプウェイの一部を構成する別のスロープの上端が、前記転回部に接するように設けられているとさらに好適である。
このような船舶によれば、転回部が上甲板よりも低いところに位置することとなる(図3参照)ので、ランプウェイを構成する別のスロープの長さを短くすることができるとともに、岸壁の長さや幅に制限のある港でも容易に車両の揚げ積み作業を行うことができる。
【0007】
本発明による船舶は、上甲板よりも下側に設けられた液体貯蔵部と、前記上甲板よりも上側に設けられた車両搭載部と、船尾部右舷側および/または船尾部左舷側に設けられたランプウェイとを具備してなる船舶であって、前記車両搭載部内に設置されたガス検知器により可燃性ガスが検知されるか、あるいは前記ガス検知器により検知された可燃性ガスのガス濃度が所定値を超えると、オイルモードからカーモードへの切り替え、あるいはカーモードからオイルモードへの切り替えができないようにインターロックする可燃性ガス検知・荷役制限システムが設けられている。
このような船舶によれば、荷役作業時における安全性が確保されることとなる。
【0008】
上記船舶において、前記車両搭載部を構成する車両甲板の上面および下面、天板の内面、および周壁の内面が、平坦な面とされていればさらに好適である。
このような船舶によれば、車両搭載部内における可燃性ガスの滞留を防止することができ、ガス検知器の数を低減させることができるとともに、車両搭載部内の安全性をより向上させることができる。
【0009】
上記船舶において、前記液体貯蔵部内に発生した可燃性ガスを船外に逃がすためのベントが、前記車両搭載部の車両甲板を支持するピラーの内側に形成された空洞内に位置するように配置されていればさらに好適である。
このような船舶によれば、車両搭載部内に搭載された車両がベントに衝突することを防止することができて、衝突によるベントの損傷を防止することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、船体側から岸壁に降ろされるランプウェイの長さを短くすることができるとともに、岸壁の長さや幅に制限のある港でも容易に車両の揚げ積み作業を行うことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明による船舶の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本発明による船舶1は、上甲板2よりも下側に設けられた液体貯蔵部3と、上甲板2よりも上側に設けられた車両搭載部4と、船尾部右舷側に設けられたランプウェイ5とを具備している。
【0012】
液体貯蔵部3は、船倉6内に設けられた複数個のカーゴタンク7からなり、これらカーゴタンク7内には、例えば、原油、石油製品、有機溶剤等の液体化学製品等の液体貨物を充填(貯蔵)することができるようになっている。液体貨物の荷役(揚げ積み)は、その一端が、船体略中央部の上甲板2上に位置し、その他端がカーゴタンク7の底部にそれぞれ位置する複数本のパイプライン(図示せず)を介して行われる。また、各パイプラインの他端部には、液体貨物を陸揚げするときに使用されるカーゴポンプ(図示せず)が配置されている。なお、液体貨物をカーゴタンク7内に充填するとき(船積みするとき)は、陸側に設置されたポンプ(図示せず)により液体貨物が圧送されてくるため、船舶1内に設置されたカーゴポンプは使用されない。
図1中の符号8は、車両搭載部4を貫通するように設けられたベントであり、このベント8を通って、カーゴタンク7内に発生した可燃性ガスが船外(大気中)に逃げる(放出する)ようになっている。また、ベント8は、後述するピラー(柱部材)の内側に形成された空洞内に位置するように(ピラーに囲まれるように)配置されており、車両搭載部4内に搭載された車両がベント8に衝突して、ベント8を損傷してしまわないようになっている。
【0013】
車両搭載部4は、複数段(本実施形態では2段)の車両甲板(カーデッキ)9,10を備えてなり、これら車両甲板9,10上には、例えば、乗用車、トラック、トレーラシャーシ(シャーシ上にコンテナが搭載されたものも含む)等の車両を複数台(例えば、2500台程度)搭載できるようになっている。また、車両甲板9,10はそれぞれ、車両搭載部4内に立設された複数本のピラー(図示せず)によって支持されている。
車両甲板9,10の上方は天板11,12で覆われ、車両甲板9,10の前方、後方、および両側方は周壁13で囲われており、航海中、車両搭載部4の内部への海風(潮風)の進入が防止されるようになっている。車両甲板9,10の後方に位置する周壁13には、車両甲板9に通じる車両出入口(図示せず)が設けられているとともに、この車両出入口を開閉する自動開閉式のハッチ14が設けられている。また、車両甲板9,10の上面および下面、天板11,12の下面(内面)、および周壁13の内面は、平坦な面(凹凸の少ないなだらかな面)とされている。なお、車両甲板9と車両甲板10とは、車両搭載部4内に設けられたスロープ(図示せず)によって相互に連絡されている。さらに、車両搭載部4内には、カーゴタンク7内で発生した可燃性ガス(例えば、積荷の原油から発生した可燃性ガス)および車両搭載部4で発生した可燃性ガス(例えば、ガソリンと空気の混合ガス)を検知することができるガス検知器(図示せず)が設けられている。
【0014】
ランプウェイ5は、図2に示すように、第1のスロープ20と、車路21と、第2のスロープ22と、転回部23と、第3のスロープ24とを主たる要素として構成されたものである。
第1のスロープ20は、上甲板2と車両出入口とを相互に連絡する通路(橋)である。車路21は、第1のスロープ20の下端と第2のスロープ22の上端とを連絡する通路であり、上甲板2上に設けられている。図3に示すように、第2のスロープ22は、上甲板2と転回部23とを連絡する通路であり、船尾に向かって下り勾配となるように船舶1の船尾部右舷側に設けられている。転回部23は、第2のスロープ22の下端と第3のスロープ24の上端とを連絡する通路であり、その一部(船体の外側に位置する舌片部23a)は、航行時にはヒンジ部23bから船体側に折り畳むようにして収納される(図2(a)参照)。第3のスロープ24は、転回部23の舌片部23aと岸壁(図示せず)とを連絡する通路(橋)であり、岸壁に向かって下り勾配となるように設けられていて、航行時には右舷側に密着するようにして収納され、船舶1が岸壁に接岸した時に、岸壁の方に図2(b)に実線で示すように(あるいは図2(b)に二点鎖線で示すように)延ばして岸壁に掛け渡されるものである。これら第1のスロープ20、第2のスロープ22、および第3のスロープ24はそれぞれ、法律等で定められた(規定の)角度内になるよう設定されている。
【0015】
また、本発明による船舶1には、車両搭載部4内に設置されたガス検知器を用いて、可燃性ガス検知・荷役制限システムが構築されている。
図4に示すように、CAR(カー)モード(車両の荷役)からOIL(オイル)モード(液体貨物の荷役)への切り替えが終了すると、まず、車両荷役装置の使用が禁止されて、車両荷役装置の使用ができなくなるとともに、船内外の所定の箇所に設置された表示灯(ディスプレイ)に、現在の荷役作業は「OILモード」で実施されている旨が表示されるようになっている。このとき、車両搭載部4内に非防爆機器(例えば、蛍光灯等)が設置されている場合には、これら非防爆機器の使用が禁止されるとともに、これら非防爆機器の使用もできなくなる。
車両荷役装置(および非防爆機器)の使用ができない状態になったら、液体貨物(例えば、原油)荷役装置の使用が許可されて、液体貨物荷役装置の使用ができるようになる。と同時に、車両搭載部(CAR HOLD)4内に設置されたガス検知器が、カーゴタンク7内で発生した可燃性ガスを検知するモードに設定変更されて(あるいは、車両搭載部4内に設置された、カーゴタンク7内で発生した可燃性ガスを検知するガス検知器が作動して)、車両搭載部4内のガス検知を開始する。そして、ガス検知器によりカーゴタンク7内で発生した可燃性ガスが車両搭載部4内で検知されると(あるいは、ガス検知器により検知された車両搭載部4内における可燃性ガスのガス濃度が所定値を超えると)アラームが発生するようになっており、ガス検知器によりカーゴタンク7内で発生した可燃性ガスが車両搭載部4内で検知されなければ(あるいは、ガス検知器により検知された車両搭載部4内における可燃性ガスのガス濃度が所定値以下であれば)アラームは発生しないようになっている。このようなガス検知器による可燃性ガスの監視は、OILモード中、常に行われている。
【0016】
OILモードからCARモードへの切り替えの際、ガス検知器によりカーゴタンク7内で発生した可燃性ガスが車両搭載部4内で検知されなければ(あるいは、ガス検知器により検知された車両搭載部4内における可燃性ガスのガス濃度が所定値以下であれば)、OILモードからCARモードへの切り替えが終了する。しかし、ガス検知器によりカーゴタンク7内で発生した可燃性ガスが車両搭載部4内で検知された場合(あるいは、ガス検知器により検知された車両搭載部4内における可燃性ガスのガス濃度が所定値を超えると)には、OILモードからCARモードへの切り替えを行うことはできない。その場合には、車両搭載部4内に設置された排気ファン(図示せず)等により、車両搭載部4内の可燃性ガスを車両搭載部4の外(大気中)に放出して、ガス検知器によりカーゴタンク7内で発生した可燃性ガスが車両搭載部4内で検知されないように(あるいは、車両搭載部4内における可燃性ガスのガス濃度が所定値以下になるように)する。
【0017】
OILモード(液体貨物の荷役)からCARモード(車両の荷役)への切り替えが終了すると、車両荷役装置の使用が許可されて、車両荷役装置の使用ができるようになるとともに、船内外の所定の箇所に設置された表示灯(ディスプレイ)に、現在の荷役作業は「CARモード」で実施されている旨が表示されるようになっている。このとき、車両搭載部4内に非防爆機器(例えば、蛍光灯等)が設置されている場合には、これら非防爆機器の使用も許可されて、これら非防爆機器の使用ができるようになる。
車両荷役装置(および非防爆機器)の使用ができる状態になったら、液体貨物(例えば、原油)荷役装置の使用が禁止されて、液体貨物荷役装置の使用ができないようになる。と同時に、車両搭載部(CAR HOLD)4内に設置されたガス検知器が、車両搭載部4内で搭載車両から発生した可燃性ガスを検知するモードに設定変更されて(あるいは、車両搭載部4内に設置された、車両搭載部4内で搭載車両から発生した可燃性ガスを検知するガス検知器が作動して)、車両搭載部4内のガス検知を開始する。そして、ガス検知器により車両搭載部4内で搭載車両から発生した可燃性ガスが検知されると(あるいは、ガス検知器により検知された車両搭載部4内における可燃性ガスのガス濃度が所定値を超えると)アラームが発生するようになっており、ガス検知器により車両搭載部4内で搭載車両から発生した可燃性ガスが検知されなければ(あるいは、ガス検知器により検知された車両搭載部4内における可燃性ガスのガス濃度が所定値以下であれば)アラームは発生しないようになっている。このようなガス検知器による可燃性ガスの監視は、CARモード中、常に行われている。
【0018】
CARモードからOILモードへの切り替えの際、ガス検知器により車両搭載部4内で搭載車両から発生した可燃性ガスが検知されなければ(あるいは、ガス検知器により検知された車両搭載部4内における可燃性ガスのガス濃度が所定値以下であれば)、CARモードからOILモードへの切り替えが終了する。しかし、ガス検知器により車両搭載部4内で搭載車両から発生した可燃性ガスが検知された場合(あるいは、ガス検知器により検知された車両搭載部4内における可燃性ガスのガス濃度が所定値を超えると)には、CARモードからOILモードへの切り替えを行うことはできない。その場合には、車両搭載部4内に設置された排気ファン(図示せず)等により、車両搭載部4内の可燃性ガスを車両搭載部4の外(大気中)に放出して、ガス検知器により車両搭載部4内で搭載車両から発生した可燃性ガスが検知されないように(あるいは、車両搭載部4内における可燃性ガスのガス濃度が所定値以下になるように)する。
【0019】
本発明による船舶1によれば、ランプウェイ5を構成する第2のスロープ22が、船尾部右舷側の船体を斜めにレセスする形で(船体に斜めに彫り込まれる形で)配置され、転回部23が上甲板2よりも低いところに位置することとなる(図3参照)ので、ランプウェイ5を構成する第3のスロープ24の長さを短くすることができるとともに、岸壁の長さや幅に制限のある港でも容易に車両の揚げ積み作業を行うことができる。
また、本発明による船舶1には、可燃性ガス検知・荷役制限システムが構築されている(図4参照)ので、現在の荷役作業が「OILモード」あるいは「CARモード」のいずれで実施されているのかを、作業員が表示灯により一目で明確に認識することができるようになっている。一方、ガス検知器により車両搭載部4内に可燃性ガスが検知されると(あるいは、車両搭載部4内における可燃性ガスのガス濃度が所定値を超えると)、OILモードからCARモードへの切り替え、あるいはCARモードからOILモードへの切り替えができないようにインターロックがかかるようになっているので、荷役作業時における安全性を向上させることができる。
さらに、カーゴタンク7内に発生した可燃性ガスを船外に逃がすためのベント8が、車両甲板9,10を支持する堅固(強固)なピラーの内側に位置するように配置されているので、車両搭載部4内に搭載された車両がベント8に衝突することを防止することができて、衝突によるベント8の損傷を防止することができる。
さらにまた、車両甲板9,10の上面および下面、天板11,12の下面(内面)、および周壁13の内面は、平坦な面(凹凸の少ないなだらかな面)とされているので、車両搭載部4内における可燃性ガスの滞留を防止することができ、ガス検知器の数を低減させることができるとともに、車両搭載部4内の安全性をより向上させることができる。
さらにまた、往路もしくは復路に車両を輸送し、復路もしくは往路に液体貨物を積載することができるので、船舶1が往路もしくは復路で空の状態で航行することがなくなり、輸送効率を格段に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による船舶の一実施形態を示す図であって、(a)は船体の一部が切り取られた状態での右側面、(b)は平面図である。
【図2】図1と同様の図であって、(a)は図1(a)の要部拡大図、(b)は図1(b)の要部拡大図である。
【図3】第2のスロープ、転回部、第3のスロープをさらに詳しく説明するための要部斜視図である。
【図4】本発明による船舶に構築された可燃性ガス検知・荷役制限システムを説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0021】
1 船舶
2 上甲板
4 車両搭載部
5 ランプウェイ
7 カーゴタンク(液体貯蔵部)
8 ベント
9 車両甲板
10 車両甲板
11 天板
12 天板
13 周壁
22 第2のスロープ(スロープ)
23 転回部
24 第3のスロープ(別のスロープ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上甲板よりも下側に設けられた液体貯蔵部と、前記上甲板よりも上側に設けられた車両搭載部と、船尾部右舷側および/または船尾部左舷側に設けられたランプウェイとを具備してなる船舶であって、
前記ランプウェイの一部を構成するスロープが、前記船尾部右舷側および/または前記船尾部左舷側の船体に形成されていることを特徴とする船舶。
【請求項2】
前記ランプウェイの一部を構成する転回部が、前記スロープの下端に接するように形成されているとともに、前記ランプウェイが設置される側の船体構造物を船幅方向外側に張り出させることにより形成されており、かつ、前記ランプウェイの一部を構成する別のスロープの上端が、前記転回部に接するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の船舶。
【請求項3】
上甲板よりも下側に設けられた液体貯蔵部と、前記上甲板よりも上側に設けられた車両搭載部と、船尾部右舷側および/または船尾部左舷側に設けられたランプウェイとを具備してなる船舶であって、
前記車両搭載部内に設置されたガス検知器により可燃性ガスが検知されるか、あるいは前記ガス検知器により検知された可燃性ガスのガス濃度が所定値を超えると、オイルモードからカーモードへの切り替え、あるいはカーモードからオイルモードへの切り替えができないようにインターロックする可燃性ガス検知・荷役制限システムが設けられていることを特徴とする船舶。
【請求項4】
前記車両搭載部を構成する車両甲板の上面および下面、天板の内面、および周壁の内面が、平坦な面とされていることを特徴とする請求項3に記載の船舶。
【請求項5】
前記液体貯蔵部内に発生した可燃性ガスを船外に逃がすためのベントが、前記車両搭載部の車両甲板を支持するピラーの内側に形成された空洞内に位置するように配置されていることを特徴とする請求項3または4に記載の船舶。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−190999(P2007−190999A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−9794(P2006−9794)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(000232818)日本郵船株式会社 (61)
【出願人】(304035975)株式会社MTI (46)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)