船舶
【課題】発電機を大型化することなく、舵切り装置の駆動電力を安定供給する船舶を提供する。
【解決手段】複数の船外機12が配設され、該各船外機12毎に発電機42が設けられると共に、該各船外機12毎に、電動モータにて駆動される舵切り装置16が配設され、該舵切り装置16により、前記船外機12を回動させて操舵を行う船舶であって、前記複数の船外機12の内、任意の船外機12の舵切り装置16に、前記他の船外機12の発電機42から電力を供給可能とした船舶。
【解決手段】複数の船外機12が配設され、該各船外機12毎に発電機42が設けられると共に、該各船外機12毎に、電動モータにて駆動される舵切り装置16が配設され、該舵切り装置16により、前記船外機12を回動させて操舵を行う船舶であって、前記複数の船外機12の内、任意の船外機12の舵切り装置16に、前記他の船外機12の発電機42から電力を供給可能とした船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の船舶推進装置が配設され、この各船舶推進装置毎に発電機が設けられると共に、各船舶推進装置毎に、舵切り装置が配設され、この舵切り装置により、船舶推進装置を回動させて操舵を行う船舶に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からこの種の船舶としては、図10及び図11に示すようなものがある。かかる船舶には、複数、ここでは2機の「船舶推進装置」としての船外機1が設けられ、これら船外機1には、それぞれ発電機2及びメインバッテリ3が接続されると共に、これら船外機1が舵切り装置4により、操舵されるようになっている。
【0003】
すなわち、操船者が操船席の図示省略のハンドルを回動させると、このハンドルの回動角度が検出され、この信号が船外機1側の舵切り装置4に送信され、この舵切り装置4の電動モータが、発電機2やメインバッテリ3等からの電力により駆動されて、船外機1が操舵されるようになっている。
【0004】
一方、メインバッテリ3からの電力が、各船外機1のエンジンのスタータモータに供給されてエンジンが始動されると、このエンジンの駆動により、発電機2が発電されてメインバッテリ3が充電されると共に、舵切り装置4に駆動電力が供給されるようになっている。
【0005】
また、この発電機2からは電力がPTT(パワートリム・チルト装置)や補機などに供給されるようになっている。
【0006】
さらに、それら2つの発電機2には、1つのサブバッテリ(アクセサリバッテリ)5が接続され、このサブバッテリ5は、図示省略のエンジン回転数計、魚群探知機、GPS等のアクセサリ装置に電力を供給するようにしている。
【0007】
なお、他のこの種のものとしては、特許文献1に記載されたようなものがある。
【特許文献1】特開2001−128388号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような従来のものにあっては、各船外機1毎に発電機2により発電し、当該船外機1のみの舵切り装置4などに供給するようにしているため、以下のような問題がある。
【0009】
すなわち、船外機1には、プロペラ反力により転舵力が作用するため、常に保持力が必要となり、船外機1が複数配設されている場合、例えば、船舶が旋回すると、片側の船外機1(左舷の船外機1)の転舵荷重が他方の船外機1(右舷の船外機1)の転舵荷重より大きくなる。
【0010】
その結果、図11に示すように、左舷の船外機1は、消費電力量が、発電電力量より大きいため、メインバッテリ3が充電する一方、右舷の船外機は、消費電力量が、発電電力量より小さいため、メインバッテリ3が放電される。
【0011】
してみれば、特定の船外機1(左舷の船外機1)のメインバッテリ3の充電が不足し易いと共に、舵切り装置4が出力不足になり易い。
【0012】
この対策として、最大必要電力をまかなう発電機2を搭載すると、発電機2の大きさが大型化すると共に、コストが増大する、という問題がある。
【0013】
そこで、この発明は、発電機を大型化することなく、舵切り装置の駆動電力を安定供給する船舶を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数の船舶推進装置が配設され、該各船舶推進装置毎に発電機が設けられると共に、該各船舶推進装置毎に、電動モータにて駆動される舵切り装置が配設され、該舵切り装置の駆動により、前記船舶推進装置を回動させて操舵を行う船舶であって、前記複数の船舶推進装置の内、任意の船舶推進装置の舵切り装置に、前記他の船舶推進装置の発電機から電力を供給可能とした船舶としたことを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記複数の船舶推進装置毎に、メインバッテリが接続して設けられ、該メインバッテリが当該船舶推進装置の前記舵切り装置に電力を供給可能に接続され、他の船舶推進装置の舵切り装置には、電力を供給しないように構成したことを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記複数の船舶推進装置毎に、メインバッテリが接続して設けられ、前記任意の船舶推進装置のメインバッテリには、他の船舶推進装置の発電機から電力が供給されるようにしたことを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の構成に加え、前記複数の船舶推進装置にサブバッテリが接続されると共に、該サブバッテリから前記各メインバッテリに電力が供給されるように構成されたことを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4の何れか一つに記載の構成に加え、前記各船舶推進装置毎に、複数の発電機が設けられ、該複数の発電機の内、任意の発電機を前記メインバッテリに接続し、他の発電機を他の船舶推進装置の舵切り装置に接続するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
上記請求項1に記載の発明によれば、複数の船舶推進装置の内、任意の船舶推進装置の舵切り装置に、他の船舶推進装置の発電機から電力を供給可能としたため、発電機を大型化することなく、舵切り装置の駆動電力を安定供給することができる。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、複数の船舶推進装置毎に、メインバッテリが接続して設けられ、メインバッテリが当該船舶推進装置の舵切り装置に電力を供給可能に接続され、他の船舶推進装置の舵切り装置には、電力を供給しないように構成したため、他の船舶推進装置の舵切り装置に電力を供給することがないことから、当該メインバッテリの充電電力量の減少を抑制できる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、任意の船舶推進装置のメインバッテリには、他の船舶推進装置の発電機から電力が供給されるようにしたため、当該メインバッテリの充電電力量を確保することができる。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、サブバッテリから各メインバッテリに電力が供給されるように構成されたため、各メインバッテリの充電電力量を確保することができる。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、各船舶推進装置毎に、複数の発電機が設けられ、これら複数の発電機の内、任意の発電機をメインバッテリに接続し、他の発電機を他の船舶推進装置の舵切り装置に接続するようにしたため、メインバッテリの充電電力量を確保できると共に、他の船舶推進装置の舵切り装置への電力供給も良好に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態1]
【0025】
図1乃至図6には、この発明の実施の形態1を示す。
【0026】
まず構成を説明すると、この実施の形態1の船舶は、図1に示すように、船体10の船尾板11に「船舶推進装置」としての2機の船外機12が取り付けられ、これら船外機12は、上下方向に沿うスイベル軸(転舵ピボット軸)14廻りに回転可能となっている。
【0027】
このスイベル軸14の上端部には、ステアリングブラケット15が固定され、このステアリングブラケット15の前端部15aに舵切り装置16が連結され、この舵切り装置16が、操船席に配設されたハンドル17により操作されて駆動されるようになっている。
【0028】
その舵切り装置16は、図2に示すように、例えばDD(Direct Drive)型の電動モータ20を有し、この電動モータ20が左右方向に配設されたネジ棒21に装着され、このネジ棒21に沿って左右方向に移動するように構成されている。
【0029】
そのネジ棒21は、両端部が左右一対の支持部材22に支持され、これら支持部材22は、チルト軸23に支持されている。
【0030】
そして、その電動モータ20には、連結ブラケット24が後方に向けて突設され、この連結ブラケット24とステアリングブラケット15とが連結ピン25を介して連結されている。
【0031】
これにより、電動モータ20が駆動して、ネジ棒21に対して左右方向に移動することにより、連結ブラケット24及びステアリングブラケット15を介して船外機12が、スイベル軸14を中心として回動するように構成されている。
【0032】
一方、ハンドル17は、図1に示すように、ハンドル軸26に固定され、このハンドル軸26の基端部にハンドル制御部27が設けられ、このハンドル制御部27には、ハンドル17の操舵角を検出するハンドル操舵角センサ28及び、ハンドル17の操作時にこのハンドル17に対して所望の反力を付与する反力モータ29が設けられている。
【0033】
このハンドル制御部27が、信号ケーブル30を介してECU(Electronic Control Unit)33に接続され、このECU33が舵切り装置16の電動モータ20に接続され、このECU33にハンドル操舵角センサ28からの信号が入力され、このECU33にて電動モータ20が制御駆動されると共に、このECU33にて反力モータ29が制御されるように構成されている。なお、このECU33は、図1に示す位置に限らず、船外機12内や船舶の図示省略のリモコン装置内等に配設することができる。
【0034】
一方、船外機12には、図3等に示すように、上部にエンジン35が配置され、このエンジン35の出力は、ドライブシャフト36、シフト装置37を介してプロペラ38が固定されたプロペラシャフト39に伝達されるように構成されている。
【0035】
また、これら2機の船外機12のエンジン35のそれぞれには、図4に示すように、発電機42が設けられると共に、この発電機42と舵切り装置16の電動モータ20とに、2つのメインバッテリ43が接続されている。
【0036】
さらに、各船外機12に対応した発電機42とメインバッテリ43とに、1つのサブバッテリ(アクセサリ用バッテリ)44が接続されている。
【0037】
これらバッテリ44等の接続配線Hを介して、一方の船外機12の舵切り装置16に、他方の船外機12の発電機42から電力を供給可能としている。
【0038】
この舵切り装置16の電動モータ20が、発電機42やメインバッテリ43等からの電力により駆動されて、船外機12が操舵されるようになっている。
【0039】
次に、作用について説明する。
【0040】
航行中に、船体10を転舵すべく、ハンドル17を回動させると、この回動量がハンドル角センサ28にて検出されて、ECU33に送信され、このECU33からの信号により、舵切り装置16の電動モータ20が所定量駆動されて、ステアリングブラケット15等を介して、2機の船外機12が、スイベル軸14を中心に所定方向に所定量回動される。
【0041】
例えば、図5に示すように、2つの船外機12が回動されて、船体10が右方向に旋回されると、一方の船外機12(ここでは、右舷の船外機12)の転舵荷重が他方の船外機12(ここでは、左舷の船外機12)の転舵荷重より大きくなる。
【0042】
その結果、ここでは、図6(a)に示すように、右舷の船外機12は、消費電力量が、この右舷側の発電機42の発電電力量より大きく、左舷の船外機12は、消費電力量が、この左舷側の発電機42の発電電力量より小さくなる。この右舷側の発電機42の発電電力量と、左舷側の発電機42の発電電力量とは、略同じであるため、左舷側の発電機42の発電電力量の一部aが、接続配線Hを介して右舷側の発電機42の発電電力量に加算されるように分配される。
【0043】
これにより、右舷側では、消費電力量と発電電力量とが等しくなることから、図6(b)中破線で示すような放電bが防止され、メインバッテリ43の充電不足及び、舵切り装置16の出力不足が防止されることとなる。勿論、左に旋回し、左舷の船外機12側の消費電力量が発電電力量より大きくなる場合には、右舷側の発電機42から発電電力量が、左舷側の発電機42の発電電力量に加算されるように分配される。
【0044】
これによれば、船外機12が複数設けられている場合でも、発電機42を大型化することなく、舵切り装置16の駆動電力を安定供給することができる。
[発明の実施の形態2]
【0045】
図7には、この発明の実施の形態2を示す。
【0046】
この実施の形態2は、メインバッテリ43及びサブバッテリ44が舵切り装置16に接続される接続配線Hの途中にダイオードDが配置されることにより、舵切り装置16側からメインバッテリ43及びサブバッテリ44側に流れる電流を遮断するようにしている。
【0047】
換言すれば、複数の船外機12毎に、当該船外機12のエンジン始動用のメインバッテリ43が接続して設けられ、このメインバッテリ43が当該船外機12の舵切り装置16に電力を供給可能に接続され、他の船外機12の舵切り装置16には、電力を供給しないように構成されている。
【0048】
これによれば、各メインバッテリ43は、独立しており、且つ、実施の形態1と同様に、一方の船外機12の発電機42から他方の船外機12の舵切り装置16に電力が供給されるようになっている。
【0049】
このように一方の船外機12側のメインバッテリ43を、他方の船外機12側から独立させることにより、始動用のメインバッテリ43の充電電力量の減少を防止できる。
【0050】
他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
[発明の実施の形態3]
【0051】
図8には、この発明の実施の形態3を示す。
【0052】
この実施の形態3は、実施の形態2と比較すると、実施の形態2ではサブバッテリ44が舵切り装置16にダイオードDを介して直接接続されているが、この実施の形態3では、サブバッテリ44がダイオードDを介して、ダイオードDとメインバッテリ43との間に接続されている。
【0053】
これにより、任意の船外機12側の発電機42から当該船外機12のメインバッテリ43及び舵切り装置16に電力が供給されるようになっていると共に、任意の船外機12側の発電機42から他の船外機12側のメインバッテリ43及び舵切り装置16に電力が供給されるようになっている。
【0054】
また、サブバッテリ44からも、各船外機12の各舵切り装置16及びメインバッテリ43に電力が供給されるようになっている。
【0055】
このようなものにあっては、メインバッテリ43へ他の船外機12側の発電機42からダイオードDを介して電力が供給されて充電されると共に、サブバッテリ44から各ダイオードDを介して両メインバッテリ43へ電力が供給されて充電される。そして、メインバッテリ43から他の船外機12側への電力供給はないため、メインバッテリ43の充電電力量を確保することができる。
【0056】
他の構成及び作用は実施の形態2と同様であるので説明を省略する。
[発明の実施の形態4]
【0057】
図9には、この発明の実施の形態4を示す。
【0058】
この実施の形態4は、実施の形態3と比較すると、実施の形態3では1つの船外機12側に1つの発電機42が設けられているが、この実施の形態4では、1つの船外機12側に2つの発電機42が設けられ、一方の発電機42が1つのメインバッテリ43に接続され、他方の発電機42がサブバッテリ44に接続されている。
【0059】
これによれば、任意の船外機12側に設けられた一方の発電機42が、この船外機12の1つのメインバッテリ43の充電用及び、この船外機12の舵切り装置16への電力供給用に用いられ、他の船外機12側の舵切り装置16への電力供給用に用いられることがないため、メインバッテリ43への充電量を確保することができる。
【0060】
他の船外機12側の舵切り装置16への電力供給は、他方の発電機42により行われる。また、この他方の発電機42により、他の船外機12側のメインバッテリ43への充電が行われるようになっている。
【0061】
他の構成及び作用は実施の形態3と同様であるので説明を省略する。
【0062】
なお、上記各実施の形態では、2機掛けの船舶に、この発明を適用しているが、3機掛け、4機掛け等でも良いことは勿論であり、この場合には、発電機、舵切り装置及びメインバッテリ等の組み合わせを単純に追加するだけで良い。また、上記各実施の形態では、「船舶推進装置」として船外機を適用しているが、船内外機等に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】この発明の実施の形態1に係る船舶の平面図である。
【図2】同実施の形態1に係る舵切り装置等を示す平面図である。
【図3】同実施の形態1に係る船舶後部側の側面図である。
【図4】同実施の形態1に係る舵切り装置に電力を供給する装置等のブロック図である。
【図5】同実施の形態1に係る船舶の旋回状態を示す平面説明図である。
【図6】同実施の形態1を示す説明図で、(a)は、左舷及び右舷の船外機における発電電力量及び消費電力量を示すグラフ図、(b)は、メインバッテリの充電電力量、放電電力量を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る舵切り装置に電力を供給する装置等のブロック図である。
【図8】この発明の実施の形態3に係る舵切り装置に電力を供給する装置等のブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態4に係る舵切り装置に電力を供給する装置等のブロック図である。
【図10】従来例を示す舵切り装置に電力を供給する装置等のブロック図である。
【図11】同従来例を示す説明図で、(a)は、左舷及び右舷の船外機における発電電力量及び消費電力量を示すグラフ図、(b)は、メインバッテリの充電電力量、放電電力量を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
10 船体
12 船外機(船舶推進装置)
16 舵切り装置
17 ハンドル
20 電動モータ
33 ECU
35 エンジン
42 発電機
43 メインバッテリ
44 サブバッテリ
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の船舶推進装置が配設され、この各船舶推進装置毎に発電機が設けられると共に、各船舶推進装置毎に、舵切り装置が配設され、この舵切り装置により、船舶推進装置を回動させて操舵を行う船舶に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からこの種の船舶としては、図10及び図11に示すようなものがある。かかる船舶には、複数、ここでは2機の「船舶推進装置」としての船外機1が設けられ、これら船外機1には、それぞれ発電機2及びメインバッテリ3が接続されると共に、これら船外機1が舵切り装置4により、操舵されるようになっている。
【0003】
すなわち、操船者が操船席の図示省略のハンドルを回動させると、このハンドルの回動角度が検出され、この信号が船外機1側の舵切り装置4に送信され、この舵切り装置4の電動モータが、発電機2やメインバッテリ3等からの電力により駆動されて、船外機1が操舵されるようになっている。
【0004】
一方、メインバッテリ3からの電力が、各船外機1のエンジンのスタータモータに供給されてエンジンが始動されると、このエンジンの駆動により、発電機2が発電されてメインバッテリ3が充電されると共に、舵切り装置4に駆動電力が供給されるようになっている。
【0005】
また、この発電機2からは電力がPTT(パワートリム・チルト装置)や補機などに供給されるようになっている。
【0006】
さらに、それら2つの発電機2には、1つのサブバッテリ(アクセサリバッテリ)5が接続され、このサブバッテリ5は、図示省略のエンジン回転数計、魚群探知機、GPS等のアクセサリ装置に電力を供給するようにしている。
【0007】
なお、他のこの種のものとしては、特許文献1に記載されたようなものがある。
【特許文献1】特開2001−128388号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような従来のものにあっては、各船外機1毎に発電機2により発電し、当該船外機1のみの舵切り装置4などに供給するようにしているため、以下のような問題がある。
【0009】
すなわち、船外機1には、プロペラ反力により転舵力が作用するため、常に保持力が必要となり、船外機1が複数配設されている場合、例えば、船舶が旋回すると、片側の船外機1(左舷の船外機1)の転舵荷重が他方の船外機1(右舷の船外機1)の転舵荷重より大きくなる。
【0010】
その結果、図11に示すように、左舷の船外機1は、消費電力量が、発電電力量より大きいため、メインバッテリ3が充電する一方、右舷の船外機は、消費電力量が、発電電力量より小さいため、メインバッテリ3が放電される。
【0011】
してみれば、特定の船外機1(左舷の船外機1)のメインバッテリ3の充電が不足し易いと共に、舵切り装置4が出力不足になり易い。
【0012】
この対策として、最大必要電力をまかなう発電機2を搭載すると、発電機2の大きさが大型化すると共に、コストが増大する、という問題がある。
【0013】
そこで、この発明は、発電機を大型化することなく、舵切り装置の駆動電力を安定供給する船舶を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数の船舶推進装置が配設され、該各船舶推進装置毎に発電機が設けられると共に、該各船舶推進装置毎に、電動モータにて駆動される舵切り装置が配設され、該舵切り装置の駆動により、前記船舶推進装置を回動させて操舵を行う船舶であって、前記複数の船舶推進装置の内、任意の船舶推進装置の舵切り装置に、前記他の船舶推進装置の発電機から電力を供給可能とした船舶としたことを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記複数の船舶推進装置毎に、メインバッテリが接続して設けられ、該メインバッテリが当該船舶推進装置の前記舵切り装置に電力を供給可能に接続され、他の船舶推進装置の舵切り装置には、電力を供給しないように構成したことを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記複数の船舶推進装置毎に、メインバッテリが接続して設けられ、前記任意の船舶推進装置のメインバッテリには、他の船舶推進装置の発電機から電力が供給されるようにしたことを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の構成に加え、前記複数の船舶推進装置にサブバッテリが接続されると共に、該サブバッテリから前記各メインバッテリに電力が供給されるように構成されたことを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4の何れか一つに記載の構成に加え、前記各船舶推進装置毎に、複数の発電機が設けられ、該複数の発電機の内、任意の発電機を前記メインバッテリに接続し、他の発電機を他の船舶推進装置の舵切り装置に接続するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
上記請求項1に記載の発明によれば、複数の船舶推進装置の内、任意の船舶推進装置の舵切り装置に、他の船舶推進装置の発電機から電力を供給可能としたため、発電機を大型化することなく、舵切り装置の駆動電力を安定供給することができる。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、複数の船舶推進装置毎に、メインバッテリが接続して設けられ、メインバッテリが当該船舶推進装置の舵切り装置に電力を供給可能に接続され、他の船舶推進装置の舵切り装置には、電力を供給しないように構成したため、他の船舶推進装置の舵切り装置に電力を供給することがないことから、当該メインバッテリの充電電力量の減少を抑制できる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、任意の船舶推進装置のメインバッテリには、他の船舶推進装置の発電機から電力が供給されるようにしたため、当該メインバッテリの充電電力量を確保することができる。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、サブバッテリから各メインバッテリに電力が供給されるように構成されたため、各メインバッテリの充電電力量を確保することができる。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、各船舶推進装置毎に、複数の発電機が設けられ、これら複数の発電機の内、任意の発電機をメインバッテリに接続し、他の発電機を他の船舶推進装置の舵切り装置に接続するようにしたため、メインバッテリの充電電力量を確保できると共に、他の船舶推進装置の舵切り装置への電力供給も良好に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態1]
【0025】
図1乃至図6には、この発明の実施の形態1を示す。
【0026】
まず構成を説明すると、この実施の形態1の船舶は、図1に示すように、船体10の船尾板11に「船舶推進装置」としての2機の船外機12が取り付けられ、これら船外機12は、上下方向に沿うスイベル軸(転舵ピボット軸)14廻りに回転可能となっている。
【0027】
このスイベル軸14の上端部には、ステアリングブラケット15が固定され、このステアリングブラケット15の前端部15aに舵切り装置16が連結され、この舵切り装置16が、操船席に配設されたハンドル17により操作されて駆動されるようになっている。
【0028】
その舵切り装置16は、図2に示すように、例えばDD(Direct Drive)型の電動モータ20を有し、この電動モータ20が左右方向に配設されたネジ棒21に装着され、このネジ棒21に沿って左右方向に移動するように構成されている。
【0029】
そのネジ棒21は、両端部が左右一対の支持部材22に支持され、これら支持部材22は、チルト軸23に支持されている。
【0030】
そして、その電動モータ20には、連結ブラケット24が後方に向けて突設され、この連結ブラケット24とステアリングブラケット15とが連結ピン25を介して連結されている。
【0031】
これにより、電動モータ20が駆動して、ネジ棒21に対して左右方向に移動することにより、連結ブラケット24及びステアリングブラケット15を介して船外機12が、スイベル軸14を中心として回動するように構成されている。
【0032】
一方、ハンドル17は、図1に示すように、ハンドル軸26に固定され、このハンドル軸26の基端部にハンドル制御部27が設けられ、このハンドル制御部27には、ハンドル17の操舵角を検出するハンドル操舵角センサ28及び、ハンドル17の操作時にこのハンドル17に対して所望の反力を付与する反力モータ29が設けられている。
【0033】
このハンドル制御部27が、信号ケーブル30を介してECU(Electronic Control Unit)33に接続され、このECU33が舵切り装置16の電動モータ20に接続され、このECU33にハンドル操舵角センサ28からの信号が入力され、このECU33にて電動モータ20が制御駆動されると共に、このECU33にて反力モータ29が制御されるように構成されている。なお、このECU33は、図1に示す位置に限らず、船外機12内や船舶の図示省略のリモコン装置内等に配設することができる。
【0034】
一方、船外機12には、図3等に示すように、上部にエンジン35が配置され、このエンジン35の出力は、ドライブシャフト36、シフト装置37を介してプロペラ38が固定されたプロペラシャフト39に伝達されるように構成されている。
【0035】
また、これら2機の船外機12のエンジン35のそれぞれには、図4に示すように、発電機42が設けられると共に、この発電機42と舵切り装置16の電動モータ20とに、2つのメインバッテリ43が接続されている。
【0036】
さらに、各船外機12に対応した発電機42とメインバッテリ43とに、1つのサブバッテリ(アクセサリ用バッテリ)44が接続されている。
【0037】
これらバッテリ44等の接続配線Hを介して、一方の船外機12の舵切り装置16に、他方の船外機12の発電機42から電力を供給可能としている。
【0038】
この舵切り装置16の電動モータ20が、発電機42やメインバッテリ43等からの電力により駆動されて、船外機12が操舵されるようになっている。
【0039】
次に、作用について説明する。
【0040】
航行中に、船体10を転舵すべく、ハンドル17を回動させると、この回動量がハンドル角センサ28にて検出されて、ECU33に送信され、このECU33からの信号により、舵切り装置16の電動モータ20が所定量駆動されて、ステアリングブラケット15等を介して、2機の船外機12が、スイベル軸14を中心に所定方向に所定量回動される。
【0041】
例えば、図5に示すように、2つの船外機12が回動されて、船体10が右方向に旋回されると、一方の船外機12(ここでは、右舷の船外機12)の転舵荷重が他方の船外機12(ここでは、左舷の船外機12)の転舵荷重より大きくなる。
【0042】
その結果、ここでは、図6(a)に示すように、右舷の船外機12は、消費電力量が、この右舷側の発電機42の発電電力量より大きく、左舷の船外機12は、消費電力量が、この左舷側の発電機42の発電電力量より小さくなる。この右舷側の発電機42の発電電力量と、左舷側の発電機42の発電電力量とは、略同じであるため、左舷側の発電機42の発電電力量の一部aが、接続配線Hを介して右舷側の発電機42の発電電力量に加算されるように分配される。
【0043】
これにより、右舷側では、消費電力量と発電電力量とが等しくなることから、図6(b)中破線で示すような放電bが防止され、メインバッテリ43の充電不足及び、舵切り装置16の出力不足が防止されることとなる。勿論、左に旋回し、左舷の船外機12側の消費電力量が発電電力量より大きくなる場合には、右舷側の発電機42から発電電力量が、左舷側の発電機42の発電電力量に加算されるように分配される。
【0044】
これによれば、船外機12が複数設けられている場合でも、発電機42を大型化することなく、舵切り装置16の駆動電力を安定供給することができる。
[発明の実施の形態2]
【0045】
図7には、この発明の実施の形態2を示す。
【0046】
この実施の形態2は、メインバッテリ43及びサブバッテリ44が舵切り装置16に接続される接続配線Hの途中にダイオードDが配置されることにより、舵切り装置16側からメインバッテリ43及びサブバッテリ44側に流れる電流を遮断するようにしている。
【0047】
換言すれば、複数の船外機12毎に、当該船外機12のエンジン始動用のメインバッテリ43が接続して設けられ、このメインバッテリ43が当該船外機12の舵切り装置16に電力を供給可能に接続され、他の船外機12の舵切り装置16には、電力を供給しないように構成されている。
【0048】
これによれば、各メインバッテリ43は、独立しており、且つ、実施の形態1と同様に、一方の船外機12の発電機42から他方の船外機12の舵切り装置16に電力が供給されるようになっている。
【0049】
このように一方の船外機12側のメインバッテリ43を、他方の船外機12側から独立させることにより、始動用のメインバッテリ43の充電電力量の減少を防止できる。
【0050】
他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
[発明の実施の形態3]
【0051】
図8には、この発明の実施の形態3を示す。
【0052】
この実施の形態3は、実施の形態2と比較すると、実施の形態2ではサブバッテリ44が舵切り装置16にダイオードDを介して直接接続されているが、この実施の形態3では、サブバッテリ44がダイオードDを介して、ダイオードDとメインバッテリ43との間に接続されている。
【0053】
これにより、任意の船外機12側の発電機42から当該船外機12のメインバッテリ43及び舵切り装置16に電力が供給されるようになっていると共に、任意の船外機12側の発電機42から他の船外機12側のメインバッテリ43及び舵切り装置16に電力が供給されるようになっている。
【0054】
また、サブバッテリ44からも、各船外機12の各舵切り装置16及びメインバッテリ43に電力が供給されるようになっている。
【0055】
このようなものにあっては、メインバッテリ43へ他の船外機12側の発電機42からダイオードDを介して電力が供給されて充電されると共に、サブバッテリ44から各ダイオードDを介して両メインバッテリ43へ電力が供給されて充電される。そして、メインバッテリ43から他の船外機12側への電力供給はないため、メインバッテリ43の充電電力量を確保することができる。
【0056】
他の構成及び作用は実施の形態2と同様であるので説明を省略する。
[発明の実施の形態4]
【0057】
図9には、この発明の実施の形態4を示す。
【0058】
この実施の形態4は、実施の形態3と比較すると、実施の形態3では1つの船外機12側に1つの発電機42が設けられているが、この実施の形態4では、1つの船外機12側に2つの発電機42が設けられ、一方の発電機42が1つのメインバッテリ43に接続され、他方の発電機42がサブバッテリ44に接続されている。
【0059】
これによれば、任意の船外機12側に設けられた一方の発電機42が、この船外機12の1つのメインバッテリ43の充電用及び、この船外機12の舵切り装置16への電力供給用に用いられ、他の船外機12側の舵切り装置16への電力供給用に用いられることがないため、メインバッテリ43への充電量を確保することができる。
【0060】
他の船外機12側の舵切り装置16への電力供給は、他方の発電機42により行われる。また、この他方の発電機42により、他の船外機12側のメインバッテリ43への充電が行われるようになっている。
【0061】
他の構成及び作用は実施の形態3と同様であるので説明を省略する。
【0062】
なお、上記各実施の形態では、2機掛けの船舶に、この発明を適用しているが、3機掛け、4機掛け等でも良いことは勿論であり、この場合には、発電機、舵切り装置及びメインバッテリ等の組み合わせを単純に追加するだけで良い。また、上記各実施の形態では、「船舶推進装置」として船外機を適用しているが、船内外機等に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】この発明の実施の形態1に係る船舶の平面図である。
【図2】同実施の形態1に係る舵切り装置等を示す平面図である。
【図3】同実施の形態1に係る船舶後部側の側面図である。
【図4】同実施の形態1に係る舵切り装置に電力を供給する装置等のブロック図である。
【図5】同実施の形態1に係る船舶の旋回状態を示す平面説明図である。
【図6】同実施の形態1を示す説明図で、(a)は、左舷及び右舷の船外機における発電電力量及び消費電力量を示すグラフ図、(b)は、メインバッテリの充電電力量、放電電力量を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る舵切り装置に電力を供給する装置等のブロック図である。
【図8】この発明の実施の形態3に係る舵切り装置に電力を供給する装置等のブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態4に係る舵切り装置に電力を供給する装置等のブロック図である。
【図10】従来例を示す舵切り装置に電力を供給する装置等のブロック図である。
【図11】同従来例を示す説明図で、(a)は、左舷及び右舷の船外機における発電電力量及び消費電力量を示すグラフ図、(b)は、メインバッテリの充電電力量、放電電力量を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
10 船体
12 船外機(船舶推進装置)
16 舵切り装置
17 ハンドル
20 電動モータ
33 ECU
35 エンジン
42 発電機
43 メインバッテリ
44 サブバッテリ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の船舶推進装置が配設され、該各船舶推進装置毎に発電機が設けられると共に、該各船舶推進装置毎に、電動モータにて駆動される舵切り装置が配設され、該舵切り装置の駆動により、前記船舶推進装置を回動させて操舵を行う船舶であって、
前記複数の船舶推進装置の内、任意の船舶推進装置の舵切り装置に、前記他の船舶推進装置の発電機から電力を供給可能としたことを特徴とする船舶。
【請求項2】
前記複数の船舶推進装置毎に、メインバッテリが接続して設けられ、該メインバッテリが当該船舶推進装置の前記舵切り装置に電力を供給可能に接続され、他の船舶推進装置の舵切り装置には、電力を供給しないように構成したことを特徴とする請求項1に記載の船舶。
【請求項3】
前記複数の船舶推進装置毎に、メインバッテリが接続して設けられ、前記任意の船舶推進装置のメインバッテリには、他の船舶推進装置の発電機から電力が供給されるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の船舶。
【請求項4】
前記複数の船舶推進装置にサブバッテリが接続されると共に、該サブバッテリから前記各メインバッテリに電力が供給されるように構成されたことを特徴とする請求項2又は3に記載の船舶。
【請求項5】
前記各船舶推進装置毎に、複数の発電機が設けられ、該複数の発電機の内、任意の発電機を前記メインバッテリに接続し、他の発電機を他の船舶推進装置の舵切り装置に接続するようにしたことを特徴とする請求項2乃至4の何れか一つに記載の船舶。
【請求項1】
複数の船舶推進装置が配設され、該各船舶推進装置毎に発電機が設けられると共に、該各船舶推進装置毎に、電動モータにて駆動される舵切り装置が配設され、該舵切り装置の駆動により、前記船舶推進装置を回動させて操舵を行う船舶であって、
前記複数の船舶推進装置の内、任意の船舶推進装置の舵切り装置に、前記他の船舶推進装置の発電機から電力を供給可能としたことを特徴とする船舶。
【請求項2】
前記複数の船舶推進装置毎に、メインバッテリが接続して設けられ、該メインバッテリが当該船舶推進装置の前記舵切り装置に電力を供給可能に接続され、他の船舶推進装置の舵切り装置には、電力を供給しないように構成したことを特徴とする請求項1に記載の船舶。
【請求項3】
前記複数の船舶推進装置毎に、メインバッテリが接続して設けられ、前記任意の船舶推進装置のメインバッテリには、他の船舶推進装置の発電機から電力が供給されるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の船舶。
【請求項4】
前記複数の船舶推進装置にサブバッテリが接続されると共に、該サブバッテリから前記各メインバッテリに電力が供給されるように構成されたことを特徴とする請求項2又は3に記載の船舶。
【請求項5】
前記各船舶推進装置毎に、複数の発電機が設けられ、該複数の発電機の内、任意の発電機を前記メインバッテリに接続し、他の発電機を他の船舶推進装置の舵切り装置に接続するようにしたことを特徴とする請求項2乃至4の何れか一つに記載の船舶。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−67353(P2009−67353A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240816(P2007−240816)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(000176213)ヤマハマリン株式会社 (256)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(000176213)ヤマハマリン株式会社 (256)
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