説明

船舶

【課題】船舶において、航走時における船体抵抗の低減を可能とする船尾船底形状を提供する。
【解決手段】船体の幅方向中心線の位置にある船底が、後方へ上方傾斜した第1船底21と、船尾端から予め設定された所定距離Lだけ前方へ移動した位置で第1船底21に連続して計画喫水Sに平行をなす角度以上で第1船底21からの後方延長線の角度より小さい角度をなす第2船底22とを設ける。従って、船舶が航行するとき、船尾に沿って流れる水流は、第1船底に沿って後方に流れ、第2船底に流れることで船体表面圧力が上昇し、この船体表面圧力により船尾を上方へ押し上げることとなり、船尾の沈下が抑制され、船体抵抗を低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旅客船、フェリー、コンテナ船、RO−RO船(Roll-on/Roll-off Ship)、自動車専用船としてのPCC(Pure Car Carrier)、PCTC(Pure Car / Truck Carrier)などの一般的な船舶に関するものである。
【背景技術】
【0002】
旅客船やフェリーなど痩せ型の高速船として使用される船舶では、航海速力領域で航行するとき、船尾の流速が速くなることから、船尾での負圧が大きくなり、船尾の沈下量が大きくなる。そのため、船体抵抗の観点から考えると、船尾が肥大化した状態となり、船体全体の抵抗が急激に増加することになる。このような傾向は、フルード数が所定数(例えば、0.3)以上となる高速船において、特に顕著である。
【0003】
このような問題を解決するものとして、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載されたトランサムスターン型船尾形状は、トランサムスターンを有する一般商船の船尾部の船体中心線における船底面形状であって、船尾端から一定距離前方の位置において流速変化を伴う流場変化を生じさせるべき変曲点を設け、この変曲点から後方へ流れを加速する領域を形成すべく下向き流れを生成するように後方へ下方傾斜した船底面を設けたものであり、船尾造波を低減させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3490392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来のトランサムスターン型船尾形状にあっては、船尾端から一定距離前方に変曲点を設け、この変曲点から後方へ下方傾斜した船底面を設けることで、船尾造波を低減することができる。しかしながら、近年の船舶においては、航走時の性能及び運航効率の向上がより一層求められている。そのため、航走時の船体抵抗低減が重要となり、更なる船体抵抗の低減が望まれている。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、航走時における船体抵抗の低減を可能とする船舶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明の船舶は、船体の幅方向中心線位置にある船底が後方へ上方傾斜した第1船底と、船尾端から予め設定された所定距離だけ前方へ移動した位置で前記第1船底に連続して計画喫水に平行をなす角度以上で前記第1船底からの後方延長線の角度より小さい角度をなす第2船底と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
従って、船舶が航行するとき、船尾に沿って流れる水流は、第1船底に沿って後方に流れ、第2船底に流れることで船体表面圧力が上昇し、この船体表面圧力により船尾を上方へ押し上げることとなり、船尾の沈下が抑制され、船体抵抗を低減することができる。また、第2船底が後方へ下方傾斜していないために船尾端が水に浸かりにくく、第2船底による船尾造波の発生を抑制することで、この点でも船体抵抗を低減することができる。
【0009】
本発明の船舶では、前記第2船底は、計画喫水に対して0度以上で、且つ、20度以下に設定されることを特徴としている。
【0010】
従って、第2船底を計画喫水に対して適正な角度に設定することで、船体表面圧力による船尾の押し上げ作用と、第2船底の船尾端の浸水による船尾造波の発生抑制の作用とにより船体抵抗を効果的に低減することができる。
【0011】
本発明の船舶では、前記第1船底は、平面またはなだらかな曲面形状をなし、前記第2船底は、計画喫水に平行な前後に水平となる形状をなすことを特徴としている。
【0012】
従って、船底全体を滑らかな形状とすることで、船体抵抗を更に低減することができる。
【0013】
本発明の船舶では、前記第1船底と前記第2船底の連続部は、流速変化を伴う流場変化を生じさせるような変曲位置であることを特徴としている。
【0014】
従って、変曲位置の前方側で船体表面圧力を上昇させることで、この船体表面圧力による船尾の押し上げ作用を適正に作用させることができる。
【0015】
本発明の船舶では、前記第2船底の上方に対向する前記船体に凹部が設けられることを特徴としている。
【0016】
従って、船体の推進性能を低下させることなく船体重量を減少することで、船体抵抗を低減することができると共に、製造コストを低減することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の船舶によれば、後方へ上方傾斜した第1船底と、この第1船底に連続して計画喫水に平行をなす角度以上で第1船底からの後方延長線の角度より小さい角度をなす第2船底とを設けるので、航走時における船体抵抗の低減を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係る船舶の船尾を表す側面図である。
【図2】図2は、実施例1の船舶の船尾形状を表す側面図である。
【図3】図3は、実施例1の船舶の船尾形状を表す平面図である。
【図4】図4は、実施例1の船舶の船尾形状を表す正面図である。
【図5】図5は、船速に対する必要馬力を表すグラフである。
【図6】図6は、本発明の実施例2に係る船舶の船尾形状を表す側面図である。
【図7】図7は、実施例2の船舶の船尾形状を表す正面図である。
【図8】図8は、本発明の実施例3に係る船舶の船尾形状を表す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る船舶の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明の実施例1に係る船舶の船尾を表す側面図、図2は、実施例1の船舶の船尾形状を表す側面図、図3は、実施例1の船舶の船尾形状を表す平面図、図4は、実施例1の船舶の船尾形状を表す正面図、図5は、船速に対する必要馬力を表すグラフである。
【0021】
実施例1の船舶においては、図1に示すように、船体11における船尾12は、ほぼ水平をなす船底13が後方に延出され、軸受部14が形成されている。この軸受部14は、主軸15が回転自在に支持され、この主軸15の後端部にスクリュープロペラ16を有するプロペラボス17が固結されている。
【0022】
また、船底13は、プロペラボス17の上方まで、滑らかに連続しており、プロペラボス17の後方にラダホーン18が固定され、船尾12とこのラダホーン18に架設された舵柱19に舵20が支持されている。
【0023】
このように構成された実施例1の船舶において、船尾12は、船体11の幅方向中心線位置にある船底が後方へ上方傾斜した第1船底21と、船尾端から予め設定された所定距離だけ前方へ移動した位置で第1船底21に連続して計画喫水Sに平行をなす角度以上で第1船底21からの後方延長線の角度より小さい角度をなす第2船底22とを有している。
【0024】
この場合、第2船底22は、計画喫水Sに対して0度以上で、且つ、20度以下に設定することが望ましい。また、第1船底21は、平面形状またはなだらかな曲面形状とすることがよく、一方、第2船底22は、計画喫水Sに平行な前後に水平となる形状となっている。更に、第1船底21と第2船底22の連続部は、流速変化を伴う流場変化を生じさせるような変曲位置となっている。
【0025】
即ち、実施例1の船舶は、トランサムスターンを有する一般商船であって、船尾端から予め設定された所定距離だけ前方に移動した位置において流速変化を伴う流場変化を生じさせるべき変曲点(変曲位置)を設ける。そして、この変曲点を境にしてその前方に流速の遅い領域を形成するように、平面またはなだらかな曲面により後方へ上昇させる第1船底21を形成する。一方、変曲点から後方へ流れを加速する領域を形成するように、船尾端から所定距離をもつと共に下向き流れを生成するように後方へ下方傾斜した第2船底22を形成する。
【0026】
具体的に説明すると、図2乃至図4に示すように、船尾12は、船体11の幅方向中心線Cに対して左右対称な形状をなしている。第1船底21は、船底13から後方へ計画喫水Sに対して所定角度θだけ上方に傾斜した平面または曲面である。第2船底22は、船尾端から予め設定された所定距離Lだけ前方へ移動した変曲位置23で第1船底21に連続し、計画喫水Sに平行をなす水平面である。
【0027】
なお、第2船底22は、計画喫水Sに平行な水平線22aと、第1船底21から後方に延長された延長線21aとのなす角度内にあり、この角度は水平線22aの0度以上の後方への上方側の傾斜角度であり、且つ、延長線21aより下方側の傾斜角度である。この場合、所定角度θは、計画喫水Sに対する後方への上方傾斜角度を20度以下に設定することが好ましい。また、変曲位置23は、所定の角度をもって第1船底21と第2船底22を連結する必要はなく、前後の所定の湾曲面をもって滑らかに連続するようにしてもよい。更に、第1船底21を平面形状ではなくなだらかな曲面形状とした場合、第1船底21からの延長線21aとは、変曲位置23における第1船底21の接線となる。
【0028】
また、計画喫水Sとは、船体11に所定重量の積載物を積んだ状態での喫水であり、船体11に構造強度上で許容できる最大重量の積載物を積んだ状態での喫水が強度喫水である。従って、強度喫水に対して余裕を持たせるように計画喫水Sが設定される。
【0029】
従って、船舶が航行するとき、船尾12に沿って流れる水流が、変曲位置23から後方で下方に偏向されることにより第1船底21を介して船尾12が上方へ押し上げられ、この船尾12の沈下量が低減される。そのため、船尾12が沈下することにより発生する船体抵抗を大幅に低減することが可能となり、燃費の改善につながる。
【0030】
従来は、後方へ下方傾斜した船底を設けていたので、船速が遅い領域では、船尾端が水に浸かった状態となり、船尾で発生する波崩れにより大幅な抵抗悪化が発生してしまう。実施例1の船舶では、第2船底22を水平とすることで静止水面とのクリアランスを十分に確保することが可能となり、高速域から低速域の全領域において船尾端が水に浸かることがほとんどなく船体抵抗が低減される。
【0031】
即ち、船舶が航行するとき、船尾12に沿って流れる水流は、上方傾斜する第1船底21から変曲位置23側に流れ、この変曲位置23から水平な第2船底22に流れることで船体表面圧力が上昇し、この船体表面圧力により船尾12を上方へ押し上げる。そのため、船尾12の沈下が抑制され、船体抵抗が低減する。
【0032】
この場合、船舶に最大重量の積載物が積まれていると、喫水が強度喫水まで上昇し、船尾端が水に浸かるおそれがある。従来は、船尾端が下方傾斜しており、この船尾端が水に浸かりやすいことから、水に浸かった船尾端から過大な船尾造波が発生して大幅な抵抗の悪化を招いてしまう。一方、実施例1の船舶では、第2船底22が水平となっているため、この第2船底22が水に浸かりにくく、水に浸かったとしてもその量が少ないことから、船尾造波の発生を低減して抵抗の悪化が抑制される。
【0033】
従って、図5に示すように、船尾底が下方傾斜した従来の船舶(点線)に対して、船尾底が水平(または上方傾斜)をなす実施例1の船舶(実線)は、船速に対する必要馬力を低減することができる。
【0034】
このように実施例1の船舶にあっては、船体11の幅方向中心線Cの位置にある船底13が後方へ上方傾斜した第1船底21と、船尾端から予め設定された所定距離Lだけ前方へ移動した位置で第1船底21に連続して計画喫水Sに平行をなす第2船底22とを設けている。
【0035】
従って、船舶が航行するとき、船尾12に沿って流れる水流は、第1船底21に沿って後方に流れ、第2船底22に流れることで船体表面圧力が上昇し、この船体表面圧力により船尾12を上方へ押し上げることとなり、船尾12の沈下が抑制され、船体抵抗を低減することができる。また、第2船底22が後方へ下方傾斜していないために船尾端が水に浸かりにくく、第2船底22による船尾造波の発生を抑制することで、この点でも船体抵抗を低減することができる。
【0036】
また、実施例1の船舶では、第2船底22の角度を計画喫水Sに対して0度以上で、且つ、20度以下に設定している。従って、第2船底22を計画喫水Sに対して適正な角度に設定することで、船体表面圧力による船尾12の押し上げ作用と、第2船底22の船尾端の浸水による船尾造波の発生抑制の作用とにより船体抵抗を効果的に低減することができる。
【0037】
また、実施例1の船舶では、第1船底21を平面またはなだらかな曲面形状とし、第2船底22を計画喫水Sに平行な前後に水平となる形状としている。従って、船底全体を滑らかな形状とすることで、船体抵抗を更に低減することができる。
【0038】
また、実施例1の船舶では、第1船底21と第2船底22の連続部を、流速変化を伴う流場変化を生じさせるような変曲位置23としている。従って、変曲位置23の前方側で船体表面圧力を上昇させることで、この船体表面圧力による船尾12の押し上げ作用を適正に作用させることができる。
【実施例2】
【0039】
図6は、本発明の実施例2に係る船舶の船尾形状を表す側面図、図7は、実施例2の船舶の船尾形状を表す正面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0040】
実施例2の船舶において、図6及び図7に示すように、船尾12は、船体11の幅方向中心線位置にある船底が後方へ上方傾斜した第1船底21と、船尾端から予め設定された所定距離だけ前方へ移動した位置で第1船底21に連続して計画喫水Sに平行をなす角度以上で第1船底21からの後方延長線の角度より小さい角度をなす第2船底31とを有している。
【0041】
具体的に説明すると、第1船体21は、船底13から後方へ計画喫水Sに対して所定角度θだけ上方に傾斜した平面または曲面である。第2船底31は、船尾端から予め設定された所定距離Lだけ前方へ移動した変曲位置23で第1船底21に連続し、計画喫水Sに対して所定角度θだけ上方に傾斜した平面である。この場合、第2船底31の所定角度θは、第1船体21の所定角度θより小さいものとなっている。
【0042】
即ち、第2船底31は、計画喫水Sに平行な水平線22aと、第1船底21から後方に延長された延長線21aとのなす角度内にあり、水平線22aに対して所定角度θを有する平面である。
【0043】
従って、船舶が航行するとき、船尾12に沿って流れる水流は、上方傾斜する第1船底21から変曲位置23側に流れ、この変曲位置23から上方傾斜する第2船底31に流れる。ここで、第1船体21の所定角度θに対して第2船底31の所定角度θが小さいことから、ここで船体表面圧力が上昇し、この船体表面圧力により船尾12を上方へ押し上げる。そのため、船尾12の沈下が抑制され、船体抵抗が低減する。
【0044】
また、船舶に最大重量の積載物が積まれていると、喫水が強度喫水まで上昇し、船尾12の船尾端が水に浸かるおそれがある。しかし、第2船底31が水平より上方に傾斜しているため、この第2船底31の船尾端が水に浸かりにくく、水に浸かったとしてもその量が少ないことから、船尾造波の発生を低減して抵抗の悪化が抑制される。
【0045】
このように実施例2の船舶にあっては、船体11の幅方向中心線Cの位置にある船底13が後方へ上方傾斜した第1船底21と、船尾端から予め設定された所定距離Lだけ前方へ移動した位置で第1船底21に連続して第1船底21からの後方延長線の角度より小さい所定角度θをなす第2船底31とを設けている。
【0046】
従って、船舶が航行するとき、船尾12に沿って流れる水流は、第1船底21に沿って後方に流れ、第2船底31に流れることで船体表面圧力が上昇し、この船体表面圧力により船尾12を上方へ押し上げることとなり、船尾12の沈下が抑制され、船体抵抗を低減することができる。また、第2船底31が後方へ下方傾斜していないために船尾端が水に浸かりにくく、第2船底31による船尾造波の発生を抑制することで、この点でも船体抵抗を低減することができる。
【実施例3】
【0047】
図8は、本発明の実施例3に係る船舶の船尾形状を表す側面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0048】
実施例3の船舶において、図8に示すように、船尾12は、船体11の幅方向中心線位置にある船底が後方へ上方傾斜した第1船底21と、船尾端から予め設定された所定距離だけ前方へ移動した位置で第1船底21に連続して計画喫水Sに平行をなす角度以上で第1船底21からの後方延長線の角度より小さい角度をなす第2船底22とを有している。
【0049】
具体的に説明すると、第1船体21は、船底13から後方へ計画喫水Sに対して所定角度θだけ上方に傾斜した平面または曲面である。第2船底22は、船尾端から予め設定された所定距離Lだけ前方へ移動した変曲位置23で第1船底21に連続し、計画喫水Sに対して平行をなす平面である。
【0050】
また、船尾12は、第2船底22の上方に対向する領域に凹部41が設けられている。この凹部41は、船尾12の後端部を上方から鉛直にカットすると共に後方から略水平にカットしている。この場合、凹部41の縦壁を鉛直面、傾斜面、曲面としたり、凹部41の底壁を傾斜面、水平面、曲面としてもよい。
【0051】
このように実施例3の船舶にあっては、船体11の幅方向中心線Cの位置にある船底13が後方へ上方傾斜した第1船底21と、船尾端から予め設定された所定距離Lだけ前方へ移動した位置で第1船底21に連続して計画喫水Sに平行な第2船底22とを設け、この第2船底22の上方に対向する船体11に凹部41を設けている。
【0052】
従って、船体11の推進性能に影響を与えない部位を取り除くことで、推進性能を低下させることなく船体重量を減少することができ、船体抵抗を低減することができると共に、製造コストを低減することができる。
【0053】
なお、本発明の船舶は、各実施例として記載した1軸船に限定されるものではなく、多軸船(2軸以上)や他の推進器装備船(首振り型POD推進器やアジマス推進器)に適用してもよいものであり、同様の作用効果を奏することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、船舶において、船尾に計画喫水に平行をなす角度以上で第1船底からの後方延長線の角度より小さい角度をなす第2船底を設けることで、航走時における船体抵抗の低減を可能とするものであり、いずれの船舶にも適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
11 船体
12 船尾
13 船底
21 第1船底
22,31 第2船底
23 変曲位置(変曲点)
41 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体の幅方向中心線位置にある船底が後方へ上方傾斜した第1船底と、
船尾端から予め設定された所定距離だけ前方へ移動した位置で前記第1船底に連続して計画喫水に平行をなす角度以上で前記第1船底からの後方延長線の角度より小さい角度をなす第2船底と、
を備えることを特徴とする船舶。
【請求項2】
前記第2船底は、計画喫水に対して0度以上で、且つ、20度以下に設定されることを特徴とする請求項1に記載の船舶。
【請求項3】
前記第1船底は、平面またはなだらかな曲面形状をなし、前記第2船底は、計画喫水に平行な前後に水平となる形状をなすことを特徴とする請求項1または2に記載の船舶。
【請求項4】
前記第1船底と前記第2船底の連続部は、流速変化を伴う流場変化を生じさせるような変曲位置であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の船舶。
【請求項5】
前記第2船底の上方に対向する前記船体に凹部が設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の船舶。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−116401(P2012−116401A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269504(P2010−269504)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)