説明

船艙用シートおよびその設置方法

【課題】船艙周壁の主要部分を壁シートで覆い、揚荷後の清掃作業を、大幅に簡略化できるようにする。
【解決手段】船艙用シート1を、右舷壁シート7,左舷壁シート8,船首壁シート9,および船尾壁シート10で構成する。船艙2の各壁面3,4,5,6は、平坦面ではなく凹凸がある面となっているが、各壁面3,4,5,6の凹凸がある部分のほぼ全域を、前記各壁シート7,8,9,10で覆う。これにより、揚荷後の清掃を省略することはできないが、その作業を大幅に簡略化できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船艙用シートおよびその設置方法に係り、特に揚荷後に行なわれる船艙内の清掃作業を大幅に簡素化することができる船艙用シートおよびその設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セメント等の散積み貨物を積付ける場合には、散積み貨物をそのまま積付けるのが通例であるが、この場合には、散積み貨物の揚荷後に、船艙内を清掃する必要がある。
【0003】
ところで、船艙において、左右の舷側の壁面には、その垂直面部に、上下方向に延在する複数の補強材が設けられているとともに、船首尾側の壁面には、その垂直面部に、凹凸状のコルゲートが設けられているため、これらの凹凸部分の清掃が特に困難である。
【0004】
そこで一部では、船艙内に船艙用シートを設置し、左右両舷側の壁面および船首尾方向両側の壁面を、この船艙用シートで覆うことが検討されており、本出願人も先に、特願2003−161569において、この種の船艙用シートおよびその設置方法を提案した。
【特許文献1】特願2003−161569
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、本出願人が提案した先の船艙用シートは、船艙内壁面を船艙用シートで完全に覆って、揚荷後の清掃を完全に省略できるようにすることを目的としているため、船艙用シートの形状が複雑となるとともに、その設置作業も容易でないと云う問題がある。
【0006】
本発明はかかる現況に鑑みなされたもので、基本的に船艙各壁面の凹凸部分のみを覆って、揚荷後の清掃作業の大幅な簡素化を図ることができる船艙用シートおよびその設置方法を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の目的は、各壁シートが貨物側からの荷重を受けて展張ワイヤに過負荷がかかり、展張ワイヤが切断してしまった場合であっても、各壁シートが落下するのを防止することができるようにすることにある。
【0008】
本発明の他の目的は、揚荷終了直前に、各壁シートの下端が荷役機器に巻き込まれるのを防止することができるようにすることにある。
【0009】
本発明の他の目的は、散積み貨物を積付けた際に、各舷壁シートに皺が発生するのを防止することができるようにすることにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、特に左右の舷壁シートの強度を向上させることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するため本発明は、船艙の右舷側の壁面にそって配置される右舷壁シートと;船艙の左舷側の壁面にそって配置される左舷壁シートと;船艙の船首側の壁面にそって配置される船首壁シートと;船艙の船尾側の壁面にそって配置される船尾壁シートと;を備え、前記各壁シートは、各壁面にそって張設した展張ワイヤに上端縁が着脱可能に係止されて展張される船艙用シートであって、前記各壁シートの上端縁に、先端がハッチコーミング部に固縛されて展張ワイヤ切断時に各壁シートの落下を防止するための落下防止用紐体を設けるとともに、下端縁に、揚荷終了直前に各壁シートの下端を持ち上げて各壁シートが荷役機器に巻き込まれるのを防止するための巻き上げ用紐体を設け、各巻き上げ用紐体を、各壁シートの展張状態において、その先端をハッチコーミング部に固縛するようにしたことを特徴とする。
【0012】
本発明はまた、各巻き上げ用紐体の先端を、各壁シートの背面側を通してハッチコーミング部に固縛するようにしたことを特徴とする。
【0013】
本発明はまた、少なくとも左右の舷壁シートの下端縁を、鋸刃状に形成するようにしたことを特徴とする。
【0014】
本発明はまた、少なくとも左右の舷壁シートを、縦糸が長さ方向に一致する所定幅の短冊状をなす単位シートを対角線方向に切断するとともに、その長辺を相互に縫製して逆三角形状の中央シートを形成し、かつ中央シートの両側の斜辺に、所定枚の単位シートを下端が鋸刃状になるように順次縫製して形成するようにしたことを特徴とする。
【0015】
本発明はまた、少なくとも左右の舷壁シートを、縦糸が長さ方向に一致する帯状の原反を斜めのカット線でカットして所定幅の短冊状をなす単位シートを製作し、この単位シートを、幅方向に順次縫製して形成するようにしたことを特徴とする。
【0016】
本発明はまた、原反を斜めにカットするカット線の角度を、45度としたことを特徴とする。
【0017】
本発明はまた、船艙の右舷側の壁面にそって配置される右舷壁シートと;船艙の左舷側の壁面にそって配置される左舷壁シートと;船艙の船首側の壁面にそって配置される船首壁シートと;船艙の船尾側の壁面にそって配置される船尾壁シートと;を備え、前記各壁シートを、各壁面にそって張設された展張ワイヤに上端縁を着脱可能に係止して展張する船艙用シートの設置方法であって、前記各壁シートの上端縁に、展張ワイヤ切断時に各壁シートの落下を防止するための落下防止用紐体を設けるとともに、各壁シートの下端縁に、揚荷終了直前に各壁シートの下端を持ち上げて各壁シートが荷役機器に巻き込まれるのを防止するための巻き上げ用紐体を設け、前記各展張ワイヤを弛ませた状態で、船艙底面上において各壁シートの上端縁を、展張ワイヤに係止するとともに、各展張ワイヤを引張って各壁シートを所定の高さ位置まで持ち上げ、次いで、各壁シートを、展張ワイヤにそって拡げることにより各壁面にそって展張し、次いで、ハッチコーミング部から吊降ろしたロープに、前記各紐体を結束して上方に持ち上げ、各紐体の先端をハッチコーミング部に固縛するようにしたことを特徴とする。
【0018】
本発明はさらに、揚荷終了直前に、甲板上から各巻き上げ用紐体を引張って、各壁シートの下端を持ち上げるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、船艙の右舷側の壁面にそって配置される右舷壁シートと;船艙の左舷側の壁面にそって配置される左舷壁シートと;船艙の船首側の壁面にそって配置される船首壁シートと;船艙の船尾側の壁面にそって配置される船尾壁シートと;を備え、前記各壁シートは、各壁面にそって張設した展張ワイヤに上端縁が着脱可能に係止されて展張される船艙用シートであって、前記各壁シートの上端縁に、先端がハッチコーミング部に固縛されて展張ワイヤ切断時に各壁シートの落下を防止するための落下防止用紐体を設けるとともに、下端縁に、揚荷終了直前に各壁シートの下端を持ち上げて各壁シートが荷役機器に巻き込まれるのを防止するための巻き上げ用紐体を設け、各巻き上げ用紐体を、各壁シートの展張状態において、その先端をハッチコーミング部に固縛するようにしているので、少なくとも船艙各壁面の凹凸部分が、各壁シートで覆われることになり、セメント等の散積み貨物を船艙内に積付けても、散積貨物が船艙各壁面の凹凸部分に入り込んで付着することがなく、仮令入り込んだとしても、その付着量は極めて少ない。このため、揚荷後の清掃作業を大幅に簡素化することができる。
【0020】
また、各壁シートは、その上端縁に設けられた落下防止用紐体が、ハッチコーミング部に固縛されるようになっているので、各壁シートが貨物側からの荷重を受けて展張ワイヤに過負荷がかかり、展張ワイヤが切断してしまった場合であっても、各壁シートが落下するのを防止することができる。
【0021】
また、各壁シートは、その下端縁に設けられた巻き上げ用紐体が、ハッチコーミング部に固縛されるようになっているので、揚荷終了直前に、甲板上から巻き上げ用紐体を引張ることにより、各壁シートの下端を持ち上げることができる。このため、各壁シートが荷役機器に巻き込まれるのを防止することができる。
【0022】
本発明はまた、各巻き上げ用紐体の先端を、各壁シートの背面側を通してハッチコーミング部に固縛するようにしているので、各巻き上げ用紐体を甲板上から引張って、各壁シートの下端を持ち上げた際に、各壁シートの下端が、各壁シートの背面側を通して持ち上げられることになる。そして、荷役機器に巻き込まれるのは、壁シートの端縁からであるので、各壁シートが荷役機器に巻き込まれる可能性がより少なくなり、安全性を向上させることができる。
【0023】
本発明はまた、少なくとも左右の舷壁シートの下端縁を、鋸刃状となるようにしているので、散積み貨物を積付ける際に、各鋸刃の下端側から順次、貨物によって壁面側に押し付けられることになる。このため、各舷壁シートに皺が発生するのを、有効に防止することができる。
【0024】
本発明はまた、少なくとも左右の舷壁シートを、縦糸が長さ方向に一致する所定幅の短冊状をなす単位シートを対角線方向に切断するとともに、その長辺を相互に縫製して逆三角形状の中央シートを形成し、かつ中央シートの両側の斜辺に、所定枚の単位シートを下端が鋸刃状になるように順次縫製して形成するようにしているので、舷壁シートの大部分の領域が、縦糸が鉛直方向に対し斜めになった織布で形成されることになる。このため、舷壁シートの横糸のみに大きな荷重がかかることがなくなり、同一の原反を用いた場合であっても、荷重に対する強度を向上させることができる。
【0025】
本発明はまた、少なくとも左右の舷壁シートを、縦糸が長さ方向に一致する帯状の原反を斜めのカット線でカットして所定幅の短冊状をなす単位シートを製作し、この単位シートを、幅方向に順次縫製して形成するようにしているので、左右の舷壁シートの全域が、縦糸および横糸が鉛直方向に対し所定角度で傾斜したシートにより形成されることになる。このため、シートに加わる負荷が、縦糸および横糸で分担負荷され、大きな耐力を得ることができる。
【0026】
本発明はまた、原反を斜めにカットするカット線の角度を、45度とするようにしているので、左右の舷壁シートの全域が、縦糸および横糸が鉛直方向に対し45度で傾斜したシートにより形成されることになる。このため、シートに加わる負荷が、縦糸および横糸で均等に分担負荷され、最も大きな耐力を得ることができる。
【0027】
本発明はまた、船艙の右舷側の壁面にそって配置される右舷壁シートと;船艙の左舷側の壁面にそって配置される左舷壁シートと;船艙の船首側の壁面にそって配置される船首壁シートと;船艙の船尾側の壁面にそって配置される船尾壁シートと;を備え、前記各壁シートを、各壁面にそって張設された展張ワイヤに上端縁を着脱可能に係止して展張する船艙用シートの設置方法であって、前記各壁シートの上端縁に、展張ワイヤ切断時に各壁シートの落下を防止するための落下防止用紐体を設けるとともに、各壁シートの下端縁に、揚荷終了直前に各壁シートの下端を持ち上げて各壁シートが荷役機器に巻き込まれるのを防止するための巻き上げ用紐体を設け、前記各展張ワイヤを弛ませた状態で、船艙底面上において各壁シートの上端縁を、展張ワイヤに係止するとともに、各展張ワイヤを引張って各壁シートを所定の高さ位置まで持ち上げ、次いで、各壁シートを、展張ワイヤにそって拡げることにより各壁面にそって展張し、次いで、ハッチコーミング部から吊降ろしたロープに、前記各紐体を結束して上方に持ち上げ、各紐体の先端をハッチコーミング部に固縛するようにしているので、人力で移動させることができる足場や梯子程度の簡単な器具を用いるだけで、各壁シートを設置することができる。
【0028】
また、各落下防止用紐体の先端を、ハッチコーミング部に固縛するようにしているので、各壁シートに過負荷がかかって、展張ワイヤが切断した場合であっても、各壁シートが各落下防止用紐体で支持され、落下を防止することができる。
【0029】
本発明はさらに、揚荷終了直前に、甲板上から各巻き用紐体を引張って、各壁シートの下端を持ち上げるようにしているので、各壁シートの下端が荷役機器に巻き込まれるのを防止することができる。しかも、大型の壁シートであるにも拘らず、持ち上げ操作を甲板上から人力のみで行なうことができ、作業が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を図面を参照して説明する。
図1ないし図3は、本発明の第1の実施の形態に係る船艙用シートを示すもので、この船艙用シート1は、船艙2の右舷側の壁面3にそって配される右舷壁シート7と、船艙2の左舷側の壁面4にそって配される左舷壁シート8と、船艙2の船首側の壁面5にそって配される船首壁シート9と、船艙2の船尾側の壁面6にそって配される船尾壁シート10とで構成されている。
【0031】
前記右舷壁シート7および左舷壁シート8は、図2に示すように、T型断面やL型断面の多数の補強材(図示せず)が並設されている各壁面3,4の垂直壁部分をほぼ完全に覆うことができる形状寸法に設定されており、セメント等の散積み貨物(図示せず)は、各壁シート7,8の上端よりも稍下方位置まで積付けられるようになっている。
【0032】
前記各壁シート7,8は、図4に示すように、長さ方向中央部に配された逆三角形状の中央シート11と、この中央シート11の両側に所定枚数ずつ縫製連結された単位シート12とで形成されており、前記各単位シート12は、その下端が鋸刃状になるように順次縫製されているとともに、前記中央シート11は、単位シート12を対角線方向に二等分するとともに、二等分した三角形の長辺を相互に縫製することにより形成されている。
【0033】
すなわち、前記単位シート12は、図5に示すように、縦糸13aが長さ方向に一致するとともに、横糸13bが幅方向に一致する原反を所定幅の短冊状にカットして単位シート原反13を製作するとともに、この単位シート原反13の上端部分13cを斜めにカットして構成されている。
【0034】
一方、前記中央シート11は、図5に示すように、前記単位シート原反13の上端部を、その下端と平行なカット線14でカットして、図6に示す中央シート原反15を製作するとともに、この中央シート原反15を、対角線方向に二等分するとともに、二等分して三角形の長辺を相互に縫製して形成されている。
【0035】
したがって、中央シート11は、その縦糸13aおよび横糸13bが、鉛直方向および水平方向と一致することになるが、その両側の各単位シート12は、その縦糸13aおよび横糸13bが、鉛直方向および水平方向に対し、所定角度で傾いた状態となっている。そしてこれにより、各単位シート12に負荷がかがった場合に、その負荷を縦糸13aのみあるいは横糸13bのみで支持することがなくなって、両糸13a,13bで分担支持することになり、同一の原反を用いた場合であっても、負荷に対する耐力を向上させることができるようになっている。
【0036】
なお、前記中央シート11と単位シート12とを縫合する際、および各単位シート12相互を縫合する際には、その間に図示しない補強ベルトを介し縫製されて強度の向上が図られており、また前記各壁シート7,8の上下端縁には、図4に示すように、上端補強ベルト16および下端補強ベルト17が縫合されるようになっている。
【0037】
前記各壁シート7,8にはまた、図4に示すように、その上端縁にカラビナ構造の上端フック18が設けられているとともに、例えば5本の落下防止用紐体19が設けられており、また下端縁には、例えば5本の巻き上げ用紐体20が設けられている。
【0038】
一方、前記船首壁シート9および船尾壁シート10は、図3に示すように、壁面に凹凸状のコルゲートが設けられている各壁面5,6の垂直壁部分のほぼ全域を覆うことができる形状寸法に設定されており、セメント等の散積み貨物(図示せず)は、各壁シート9,10の上端よりも稍下方位置まで積付けられるようになっている。
【0039】
前記各壁シート9,10は、図7に示すように、前記左右の舷壁シート7,8で用いた単位シート原反13を、単純に横方向に縫製して構成されており、各単位シート原反13相互を縫合する際には、その間に図示しない補強ベルトを介し縫製されて強度の向上が図られている。また、各壁シート9,10の上下端縁には、図7に示すように、上端補強ベルト21および下端補強ベルト22が縫合されるようになっている。
【0040】
前記各壁シート9,10にはまた、図7に示すように、その上端縁にカラビナ構造の上端フック23が設けられているとともに、例えば5本の落下防止用紐体24が設けられており、また下端縁には、例えば5本の巻き上げ用紐体25が設けられている。
【0041】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
船艙用シート1の設置に際しては、まず各壁シート7,8,9,10の設置に先立って、船艙2の各壁面3,4,5,6に、図8および図9に示すように、上端係止金具26,27、J形状またはU形状等のフック金具28,29、中間係止金具30,31、および下端係止金具32,33を溶着するとともに、ハッチコーミング34の内面上端部に、ハッチ係止金具35,36を溶着する。
【0042】
すなわち、左右の舷側の各壁面3,4には、図8に示すように、各壁シート7,8の設置上端位置に合わせて、2個の上端係止金具26および3個のフック金具28を溶着するとともに、各上端係止金具26の下方位置に、中間係止金具30および下端係止金具32をそれぞれ溶着する。また、ハッチコーミング34の内面上端部に、ハッチ係止金具35を例えば5個ずつ溶着する。
【0043】
また、船首尾側の各壁面5,6には、図9に示すように、各壁シート9,10の設置上端位置に合わせて、2個の上端係止金具27および3個のJフツク29を溶着するとともに、各上端係止金具27の下方位置に、中間係止金具31および下端係止金具33をそれぞれ溶着する。また、ハッチコーミング34の内面上端部に、ハッチ係止金具36を例えば5個ずつ溶着する。
【0044】
このようにして、各係止金具26,27,30,31,32,33,35,36、および各フック金具28,29を溶着したならば、これらを用いて各壁シート7,8,9,10を展張する。
【0045】
次に、左右の舷側の各壁シート7,8の設置方法について説明する。
各壁シート7,8の設置に際しては、まず図10に示すように、図中左端側の係止金具26,30,32を用いて展張ワイヤ37の一端を固定するとともに、その先端を図中右端側の係止金具26,30,32に係止した後に、船艙2の底面上まで引出す。そして、展張ワイヤ37の上端係止金具26,26間の部分は、船艙2の底面上で作業ができるように弛ませておく。なお、展張ワイヤ37の図中左端側の固定は、例えば図11に示すように、中間係止金具30と下端係止金具32との間に配した固定金具38用いて行なう。
【0046】
次いで、図11に示すように、折り畳まれている各壁シート7,8を用意し、その上端フック18を弛んだ状態の展張ワイヤ37に係止するとともに、シート引上げ作業用ロープ39の一端を、各壁シート7,8に巻き付けて固定する。シート引上げ作業用ロープ39の他端は、上端係止金具26に取付けた滑車40に巻き掛けた後、船艙2の底面上に垂らしておく。
【0047】
次いで、一人の作業員がシート引上げ用ロープ39を引張って、各壁シート7,8を持ち上げるとともに、他の作業員が展張ワイヤ37を引張って弛みがない状態とする。弛みがない状態にした展張ワイヤ37の自由端は、例えば図11に示す固定金具38と同様の固定金具(図示せず)を用いて固定する。図12は、このようにして、滑車40の位置まで持ち上げられた各壁シート7,8の状態を示している。
【0048】
次いで、シート引上げ作業用ロープ39の一端を、各壁シート7,8から取外して船艙2の底面上に落下させるとともに、滑車40を上端係止金具26から取外して回収する。
【0049】
次いで、図13に示すように、弛みがないように張設した展張ワイヤ37にそって、各壁シート7,8を展張するとともに、展張ワイヤ37の中間部をフック金具28に係止する。これらの作業は、人力で移動可能な方形櫓状の作業用足場や梯子を用いて行なうことになるが、例えば本出願人等が先に提案した「高所作業用足場装置」(特願2004−259746)を用いて行なうと、極めて短時間で安全に行なうことができる。
【0050】
次いで、図14に示すように、落下防止用紐体引上げロープ41および巻き上げ用紐体引上げロープ42を、甲板上から船艙2の底面上まで垂らし、各引上げロープ41,42の先端に、各紐体19,20の先端を結束する。そして、各引上げロープ41,42を引張って、各紐体19,20を甲板上まで引上げる。なおこの際、巻き上げ用紐体引上げロープ42は、図14に示すように、各壁シート7,8の背面側を通して船艙2の底面上まで垂らし、甲板上まで引上げた際に、各巻き上げ用紐体20が各壁シート7,8の背面側を通して引上げられるようにする。
【0051】
このようにして、各紐体19,20を甲板上まで引上げたならば、図15に示すように、各紐体19,20の先端を、ハッチ係止金具35にそれぞれ固縛する。これにより、左右の舷側の各壁シート7,8の設置作業が終了する。
【0052】
次に、船首尾側の各壁シート9,10の設置方法について説明する。
各壁シート9,10の設置に際しては、まず図16に示すように、図中左端側の係止金具27,31,33を用いて展張ワイヤ43の一端を固定するとともに、その先端を図中右端側の係止金具27,31,33に係止した後に、船艙2の底面上まで引出す。この際、展張ワイヤ43の上端係止金具27,27間の部分は、船艙2の底面上で作業ができるように弛ませておく。なお、展張ワイヤ43の図中左端側の固定は、図11に示す固定金具38と同様の固定金具(図示せず)を用いて行なう。
【0053】
次いで、図17に示すように、折り畳まれている各壁シート9,10を用意し、その上端フック23を弛んだ状態の展張ワイヤ43に係止するとともに、シート引上げ作業用ロープ44の一端を、各壁シート9,10に巻き付けて固定する。
【0054】
ところで、船首尾側の各壁面5,6には、図17に示すように、船艙用昇降梯子45およびその踊り場46が予め設けられているのが通例である。そこで、前記踊り場46の手摺等に滑車47を取付け、前記シート引上げ作業用ロープ44の他端を、この滑車47に巻き掛けた後、船艙2の底面上に垂らしておく。
【0055】
次いで、一人の作業員がシート引上げ作業用ロープ44を引張って、各壁シート9,10を持ち上げるとともに、他の作業員が展張ワイヤ43を引張って弛みがない状態とする。弛みがない状態にした展張ワイヤ43の自由端は、例えば図11に示す固定金具38と同様の固定金具(図示せず)を用いて固定する。図18は、このようにして滑車47の位置まで持ち上げられた各壁シート9,10の状態を示している。
【0056】
次いで、シート引上げ作業用ロープ44の一端を、各壁シート9,10から取外して船艙2の底面上に落下させるとともに、滑車47を踊り場46の手摺から取外して回収する。
【0057】
次いで、図19に示すように、弛みがないように張設した展張ワイヤ43にそって、各壁シート9,10を展張するとともに、展張ワイヤ43の中間部をフック金具29に係止する。
【0058】
次いで、図20に示すように、落下防止用紐体引上げロープ48および巻き上げ用紐体引上げロープ49を、甲板上から船艙2の底面上まで垂らし、各引上げロープ48,49の先端に、各紐体24,25の先端を結束する。そして、各引上げロープ48,49を引張って、各紐体24,25を甲板上まで引上げる。なおこの際、巻き上げ用紐体引上げロープ49は、図20に示すように、各壁シート9,10の背面側を通して船艙2の底面上まで垂らし、甲板上まで引上げた際、各巻き上げ用紐体25が各壁シート9,10の背面側を通して引上げられるようにする。
【0059】
このようにして、各紐体24,25を甲板上まで引上げたならば、図21に示すように、各紐体24,25の先端を、ハッチ係止金具36にそれぞれ固縛する。これにより、船首尾側の各壁シート9,10の設置作業が終了する。
【0060】
すべての壁シート7,8,9,10の設置作業が終了したならば、所定の荷役機械を用いて、各壁シート7,8,9,10の上端近傍位置までセメント等の散積み貨物を積付ける。
【0061】
ところで、散積み貨物を積付けていくと、各壁シート7,8,9,10は、その下端縁側から貨物に埋まっていくことになるが、左右の舷側の各壁面3,4には、断面T型状あるいは断面L型状の型鋼が補強材として配されていて大きな凹凸が形成された状態となっている。このため、左右の舷側の各壁シート7,8の下端縁が直線状である場合には、貨物に埋まっていくタイミングが、下端縁全域で同時となり、この場合には、各壁シート7,8に皺が発生して部分的に大きな負荷がかかり、各壁シート7,8が破れるおそれがある。
【0062】
ところが、本実施の形態においては、各壁シート7,8の下端縁が、図4に示すように鋸刃状となっているので、各壁シート7,8の下端縁が、各鋸刃の先端側から貨物に埋まっていくことになる。このため、各壁シート7,8に皺が発生することがなくなり、各壁シート7,8が破れるのを有効に防止することができる。
【0063】
また、船艙2内に散積み貨物を積付けた場合、積付けられた散積み貨物からの負荷が、各壁シート7,8,9,10に作用して各壁シート7,8,9,10が下方に引張られ、展張ワイヤ37,43が切断するおそれがある。そして、各壁シート7,8,9,10の上端縁は、この展張ワイヤ37,43で支持された構造になっているので、展張ワイヤ37,43が切断した場合には、各壁シート7,8,9,10が内側に倒れ込んで、以後の積荷が不可能になるおそれがある。
【0064】
ところが、本実施の形態における各壁シート7,8,9,10は、その上端縁が落下防止用紐体19,24で支持されているので、万一展張ワイヤ37,43が切断した場合であっても、各壁シート7,8,9,10はそのままの展張状態が維持され、以後の積荷作業に支障を来たすおそれが全くない。
【0065】
一方、揚荷に際しては、所定の荷役機器を用いて、セメント等の散積み荷物を揚荷することになるが、揚荷が次第に進んで終了直前になると、各壁シート7,8,9,10の下端縁が露出してブラブラした状態となる。このため、そのままの状態で荷役を続けると、各壁シート7,8,9,10の下端縁が荷役機器に巻き込まれ、不測の事故を引き起こすおそれがある。
【0066】
そこで、本実施の形態においては、図22および図23に示すように、揚荷終了直前になったならば、甲板上から作業員が各巻き上げ用紐体20,25を引張り、各壁シート7,8,9,10の下端縁を上方に持ち上げるようにしている。これにより、各壁シート7,8,9,10の下端縁が荷役機器に巻き込まれるのを防止することが可能となる。しかも、各巻き上げ用紐体20,25は、各壁シート7,8,9,10の背面側に通されているので、各壁シート7,8,9,10の下端縁を持ち上げた際に、下端縁が各壁シート7,8,9,10の背面側に持ち上げられることになり、各壁シート7,8,9,10の前面側はフラットな面となる。このため、荷役機器に巻き込まれる可能性を、より小さくすることができる。
【0067】
しかして、本発明においては、船艙2の内面全域を船艙用シート1で覆うのではなく、清掃し難い部分のみを各壁シート7,8,9,10で覆うようにしているので、揚荷後の清掃は必要になるが、その作業を大幅に簡素化することができる。
【0068】
しかも、船艙2の内面全域を覆わなくてもよいので、船艙用シート1の構造が大幅に簡単となるとともに、展張作業も極めて簡単となり、船艙用シート1の設置時間を大幅に短縮することができる。
【0069】
ところで、前記各壁シート7,8,9,10を用いて、セメント等の散積み貨物を積付ける場合、積み荷役前,積み荷役初期段階あるいは揚荷役最終段階等において、船艙内に強風が吹き込んだ際には、各壁シート7,8,9,10が舞い上がって荷役作業に支障を来たすおそれがある。
【0070】
そこでこのような場合には、各壁シート7,8,9,10の下端近傍位置に舞い上がり防止用の紐体を予め取付けておき、その先端を船艙側の適宜位置に固縛するようにしたり、あるいは各壁シート7,8,9,10の裏面および船艙側に、面状ファスナをそれぞれ取付けておき、両面状ファスナを係合させたり、さらには、各壁シート7,8,9,10の裏面を、両面粘着テープ等の粘着材を用いて船艙内壁に接着させるようにすることが好ましい。また、各壁シート7,8,9,10の裏面下端近傍位置に重錘を予め取付けておいたり、必要な場合に後付けし、その重量で舞い上がりを防止するようにしてもよい。
【0071】
図24は、本発明の第2の実施の形態を示すもので、前記第1の実施の形態における各壁シート7,8,9,10に代え、右舷壁シート57,左舷壁シート58,船首壁シート59および船尾壁シート60を用いるようにしたものである。
【0072】
すなわち、前記各壁シート57,58,59,60は、各壁面3,4,5,6の垂直壁部分のほぼ全域を覆うことができる形状寸法に設定されており、セメント等の散積み貨物(図示せず)は、各壁シート57,58,59,60の上端よりも稍下方位置まで積付けられるようになっている。
【0073】
これら各壁シート57,58,59,60は、図25に示すように、縦糸が長さ方向に一致するとともに、横糸が幅方向に一致する帯状のシート原反61を、斜め45度のカット線でカットして単位シート原反62を製作するとともに、図26に示すように、その上端部をカット線63でカットして単位シート64を製作し、この単位シート64を、単純に横方向に縫製して構成されており、各単位シート64を相互に縫合する際には、その間に図示しない補強ベルトを介し縫製されて強度の向上が図られている。
【0074】
また、各壁シート57,58,59,60の上下端縁には、図24に示すように、上端補強ベルト65および下端補強ベルト66がそれぞれ縫合されるようになっているとともに、各壁シート57,58,59,60の上端縁には、カラナビ構造の上端フック67および例えば5本の落下防止用紐体68がそれぞれ設けられている。また、各壁シート57,58,59,60の下端縁には、例えば5本の巻き上げ用紐体69が設けられている。
なお、その他の点については、前記第1の実施の形態と同一構成となっており、作用も同一である。
【0075】
しかして、本実施の形態における各壁シート57,58,59,60の各単位シート64は、縦糸も横糸も鉛直方向および水平方向に対し、いずれも45度に傾いた状態となっているので、負荷された荷重を縦糸と横糸とで均等に分担支持することになり、最も大きな耐力を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上のように、本発明に係る船艙用シートおよびその設置方法は、セメント等の散積み貨物を船艙に積付ける際に使用する船艙用シートおよびその設置方法として有用であり、特に揚荷後の清掃作業を大幅に簡素化できる船艙用シートおよびその設置方法として適している。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る船艙用シートを示す説明図である。
【図2】左右の各舷壁シートの設置状態を示す説明図である。
【図3】船首尾方向の各壁シートの設置状態を示す説明図である。
【図4】左右の各舷壁シートの構造を示す説明図である。
【図5】図4の単位シートの製作方法を示す説明図である。
【図6】図4の中央シートの製作方法を示す説明図である。
【図7】船首尾方向の各壁シートの構造を示す説明図である。
【図8】左右の舷壁シートを設置するために船艙内に溶着される上端係止金具,フック金具,中間係止金具,下端係止金具およびハッチ係止金具の状態を示す説明図である。
【図9】船首尾方向の各壁シートを設置するために船艙内に溶着される上端係止金具,フック金具,中間係止金具,下端係止金具およびハッチ係止金具の状態を示す説明図である。
【図10】左右の舷壁シートを展張する展張ワイヤの張設方法を示す説明図である。
【図11】船艙の底面上にある左右の舷壁シートを展張ワイヤの展張位置まで持ち上げる方法を示す説明図である。
【図12】左右の舷壁シートを展張ワイヤの展張位置まで持ち上げた状態を示す説明図である。
【図13】左右の舷壁シートを展張ワイヤにそって拡げた状態を示す説明図である。
【図14】左右の舷壁シートの落下防止用紐体および巻き上げ用紐体を、甲板上まで引上げる方法を示す説明図である。
【図15】甲板上まで引上げた落下防止用紐体および巻き上げ用紐体を、ハッチ係止金具に固縛した状態を示す説明図である。
【図16】船首尾方向の各壁シートを展張する展張ワイヤの張設方法を示す説明図である。
【図17】船艙の底面上にある船首尾方向の各壁シートを展張ワイヤの展張位置まで持ち上げる方法を示す説明図である。
【図18】船首尾方向の各壁シートを展張ワイヤの展張位置まで持ち上げた状態を示す説明図である。
【図19】船首尾方向の各壁シートを展張ワイヤにそって拡げた状態を示す説明図である。
【図20】船首尾方向の各壁シートの落下防止用紐体および巻き上げ用紐体を、甲板上まで引上げる方法を示す説明図である。
【図21】甲板上まで引上げた落下防止用紐体および巻き上げ用紐体を、ハッチ係止金具に固縛した状態を示す説明図である。
【図22】左右の舷壁シートの下端部を、巻き上げ用紐体を引張って上方に持ち上げた状態を示す説明図である。
【図23】船首尾方向の各壁シートの下端部を、巻き上げ用紐体を引張って上方に持ち上げた状態を示す説明図である。
【図24】本発明の第2の実施の形態に係る各壁シートの構成を示す説明図である。
【図25】図24の単位シートを製作する際の元となる単位シート原反を、シート原反から製作する方法を示す説明図である。
【図26】シート原反から単位シートを製作する方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0078】
1 船艙用シート
2 船艙
3,4,5,6 壁面
7,57 右舷壁シート
8,58 左舷壁シート
9,59 船首壁シート
10,60 船尾壁シート
11 中央シート
12,64 単位シート
13,62 単位シート原反
13a 縦糸
13b 横糸
15 中央シート原反
18,23,67 上端フック
19,24,68 落下防止用紐体
20,25,69 巻き上げ用紐体
26,27 上端係止金具
28,29 フック金具
30,31 中間係止金具
32,33 下端係止金具
34 ハッチコーミング
35,36 ハッチ係止金具
37,43 展張ワイヤ
40,47 滑車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船艙の右舷側の壁面にそって配置される右舷壁シートと;船艙の左舷側の壁面にそって配置される左舷壁シートと;船艙の船首側の壁面にそって配置される船首壁シートと;船艙の船尾側の壁面にそって配置される船尾壁シートと;を備え、前記各壁シートは、各壁面にそって張設した展張ワイヤに上端縁が着脱可能に係止されて展張される船艙用シートであって、前記各壁シートは、その上端縁に、先端がハッチコーミング部に固縛されて展張ワイヤ切断時に各壁シートの落下を防止するための落下防止用紐体を有しているとともに、下端縁に、揚荷終了直前に各壁シートの下端を持ち上げて各壁シートが荷役機器に巻き込まれるのを防止するための巻き上げ用紐体を有し、各巻き上げ用紐体は、各壁シートの展張状態において、その先端がハッチコーミング部に固縛されることを特徴とする船艙用シート。
【請求項2】
各巻き上げ用紐体は、その先端が各壁シートの背面側を通してハッチコーミング部に固縛されることを特徴とする請求項1記載の船艙用シート。
【請求項3】
少なくとも左右の舷壁シートは、その下端縁が鋸刃状をなしていることを特徴とする請求項1または2記載の船艙用シート。
【請求項4】
少なくとも左右の舷壁シートは、縦糸が長さ方向に一致する所定幅の短冊状をなす単位シートを対角線方向に切断するとともに、その長辺を相互に縫製して逆三角形状の中央シートを形成し、かつ中央シートの両側の斜辺に、所定枚の単位シートを下端が鋸刃状になるように順次縫製して形成されていることを特徴とする請求項3記載の船艙用シート。
【請求項5】
少なくとも左右の舷壁シートは、縦糸が長さ方向に一致する帯状の原反を斜めのカット線でカットして所定幅の短冊状をなす単位シートを製作し、この単位シートを、幅方向に順次縫製して形成されていることを特徴とする請求項3記載の船艙用シート。
【請求項6】
原反を斜めにカットするカット線の角度は、45度であることを特徴とする請求項5記載の船艙用シート。
【請求項7】
船艙の右舷側の壁面にそって配置される右舷壁シートと;船艙の左舷側の壁面にそって配置される左舷壁シートと;船艙の船首側の壁面にそって配置される船首壁シートと;船艙の船尾側の壁面にそって配置される船尾壁シートと;を備え、前記各壁シートを、各壁面にそって張設された展張ワイヤに上端縁を着脱可能に係止して展張する船艙用シートの設置方法であって、前記各壁シートの上端縁に、展張ワイヤ切断時に各壁シートの落下を防止するための落下防止用紐体を設けるとともに、各壁シートの下端縁に、揚荷終了直前に各壁シートの下端を持ち上げて各壁シートが荷役機器に巻き込まれるのを防止するための巻き上げ用紐体を設け、前記各展張ワイヤを弛ませた状態で、船艙底面上において各壁シートの上端縁を、展張ワイヤに係止するとともに、各展張ワイヤを引張って各壁シートを所定の高さ位置まで持ち上げ、次いで、各壁シートを、展張ワイヤにそって拡げることにより各壁面にそって展張し、次いで、ハッチコーミング部から吊降ろしたロープに、前記各紐体を結束して上方に持ち上げ、各紐体の先端をハッチコーミング部に固縛することを特徴とする船艙用シートの設置方法。
【請求項8】
各巻き上げ用紐体は、各壁シートの背面側を通してハッチコーミング部に固縛されることを特徴とする請求項7記載の船艙用シートの設置方法。
【請求項9】
揚荷終了直前に、甲板上から各巻き上げ用紐体を引張って、各壁シートの下端を持ち上げることを特徴とする請求項7または8記載の船艙用シートの設置方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2006−282024(P2006−282024A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−105642(P2005−105642)
【出願日】平成17年4月1日(2005.4.1)
【出願人】(000232818)日本郵船株式会社 (61)
【出願人】(303005872)NYKグローバルバルク 株式会社 (2)
【出願人】(304035975)株式会社MTI (46)
【出願人】(303001243)名阪船舶株式会社 (2)
【出願人】(592112525)小泉製麻株式会社 (2)