説明

良好な難燃特性を有する中密度装飾成形フォームの減少した成形時間での製造方法、難燃剤組成物および該方法により製造されたフォーム

これまでの可能性より実質的に短い時間で金型から取り出し得る中密度難燃性成形ポリウレタンフォームを、本発明の方法により製造する。これらの低減した離型時間は、ポリウレタンフォーム形成性組成物中に固体難燃剤組成物を含ませることにより得られる該固体難燃剤組成物には、メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムおよびホウ酸亜鉛が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インモールド時間が著しく減少した中密度難燃装飾成形フォームの製造方法に関する。本発明はまた、上記方法に用いる難燃剤組成物および上記方法により製造されたフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンフォームは、断熱、包装、椅子張り、カーペット下敷き、自動車のダッシュボード、建築材料および構造材料のような広範な種類の用途に用いられる。ポリウレタンフォームの使用において考慮すべき重要な要素は、耐発火性の、または発火すると点火源を除去した後に自己消火するフォームの能力である。該要素は、フォームを密閉空間内でまたは燃えやすい場所での屋外用途において用いる場合にさらに重要となる。これらのポリウレタンフォームは、例えば燃えやすい領域において屋根材として用いることができる。
【0003】
当業者に知られているように、ポリウレタンフォームの可燃性を低下させる非常に一般的な方法は、ハロゲン含有化合物またはリン含有化合物のような難燃剤をフォーム処方物中へ組み入れることによるものである。このような化合物は、難燃特性における改良を幾らかもたらすが、十分な結果を得るためには、これらの剤を比較的多量に用いなければならないことがある。一般に、比較的多量の難燃剤をポリウレタンフォーム中へ組み込むことは、ポリウレタンフォームの物理的特性水準全体を低下させる。
【0004】
長年にわたり、ポリウレタンフォームを発泡させるために用いてられてきた主要な発泡剤は、クロロフルオロカーボンであった。該発泡剤は、成層圏オゾンにとって脅威となると決定された後、次第に使用されなくなった。クロロフルオロカーボンが次第に使用されなくなった後、非常に一般的な種類の発泡剤は、水素化クロロフルオロカーボンとなった。水素化クロロフルオロカーボンは、多少は環境に優しい発泡剤であると考えられているが、依然として塩素を幾らか含有する。水素化クロロフルオロカーボンの塩素原子は、成層圏下の高度で安定するため、より少ないオゾン層破壊係数(「ODP」)を有する。しかしながら、水素化クロロフルオロカーボンは、依然として小さいODPを有するため、これも最終的に廃止することが義務付けられている。水および/または二酸化炭素は、急速に、ポリウレタンフォーム製造業者が選択する発泡剤になりつつある。
【0005】
当業者に既知のように、ポリウレタンフォームは、トリメチロールプロパン系ポリオールを用いて製造することができる(例えば米国特許第6319962号、同第4690954号および同第4407981号を参照されたい)。ASTM E−84トンネル試験「建築材料の表面燃焼特性についての標準試験法」(ASTM International)をクラスI等級で合格する利用可能なポリウレタンフォームが幾つか存在するが(米国特許第4797428号および同第4940632号)、該フォームは、所望の最終結果を生成するために、代替クロロフルオロカーボン/水素化クロロフルオロカーボン発泡剤を、多量に添加されたポリエステルポリオールブレンドおよび液体難燃剤と組み合わせて用いるか、またはリン系材料を含む、多量の難燃性充填剤添加量を、トリメチロールプロパン系ポリオールと組み合わせて有する。該ポリエステル含有フォームは、長期加水分解および「クリープ」安定性が低下する傾向であるため、断熱型フォームの外側への用途について問題となる。
【0006】
米国特許第5086084号は、分散された固体ポリ塩化ビニル粒子を有するポリウレタンの連続相からできた木材代用品として適用な発泡ポリマー材料を記載する。この特許の木材状物質は、約100部の発泡性ウレタンおよび10〜50部の200μm未満の粒度を有するポリ塩化ビニル(PVC)粒子を含有する。この物質は、平均系0.1mm以下の大きさでの気泡を有する微孔質構造を有する。壁は、PVC粒子で補強されたポリウレタンのマトリックスから構成されると言われている。しかしながら、木材代用品の熱性能特性については言及されておらず、5〜10分の離型時間(すなわち、成形品が金型から取り出し得る時間)が開示されている。
【0007】
従って、難燃性フォームを得るための多くの開示方法をよそに、ポリウレタンフォーム製造業者は、単に水または二酸化炭素発泡された、燃焼区分試験ASTM E−108をクラスA等級で満足するフォームに興味を持ったままである。また、ハロゲン含有化合物の量を最小化する難燃剤組み合わせは、環境の観点から非常に望ましいことである。
【0008】
このように、上記難燃性ポリウレタンフォームの開発は、極めて望ましいことである。環境問題のために、上記フォームが、非クロロフルオロカーボン/水素化クロロフルオロカーボン含有発泡剤、例えば水および/または二酸化炭素を用いることが望ましい。
【0009】
European Polymer Journal、(2005年)、第41(9)頁、第2023〜2033頁におけるA.Castrovinci等による論文題名「Ammonium Polyphosphate−Aluminum Trihydroxide Antagonism in Fire Retarded Butadiene−Styrene Block Copolymer」は、ポリリン酸アンモニウム(APP)によりスチレンブタジエンゴム(SBR)へ与えられた火からの表面保護についてのアルミニウム三水和物(ATH)の影響を論じる。同等の結果を得るためには、APPより著しく多い量のATHを添加すること、すなわち、60重量%のATH対10〜12重量%のAPPが必要であった。さらに、12重量%のAPPを含有するSBR中おけるAPPについて1重量%のATHの置き換えは、拮抗作用を示した。これは、Castovinciにより、リン酸アルミニウムがSBR中でのAPPの加熱により形成されるSBR、APPおよびATH間の相互作用により説明され、これらのリン酸アルミニウムは、APPがSBRへ付与する表面保護に悪影響を及ぼす。
【0010】
2つの難燃剤の間の相互作用は、「Structural and Thermal Interpretation of the Synergy and Interactions Between the Fire Retardants Magnesium Hydroxide and Zinc Borate」、A.Genovese等、Polymer Degradation and Stability、(2007年)、第92(1)巻、第2〜13頁において研究されている。水酸化マグネシウム難燃剤を有するポリオレフィンの燃焼性能は、酸化マグネシウムへの変換の間に熱の吸収により熱発生率を低下させる。熱を上昇させながら脱水するホウ酸亜鉛もまた、ポリオレフィンの燃焼性能を増加させる。種々の構造変化が、ホウ酸亜鉛に見られた。吸熱遷移がホウ酸亜鉛中に起こり、2ZnO・3B・3HOは、高温での発熱結晶性遷移した。さらに、オルトホウ酸マグネシウム(3MgO・B)、新規結晶質相および幾らかの酸化亜鉛(ZnO)は、500℃を越える温度にて酸化マグネシウムとホウ酸亜鉛(2ZnO・3B・3HO)での反応により形成された。従って、ポリオレフィンのための難燃剤としての水酸化マグネシウムおよびホウ酸亜鉛の組み合わせから生じる相乗効果が存在するように見える。
【0011】
難燃剤、熱可塑性ポリウレタンエラストマーおよびその製造方法は、米国特許第4748195号に開示されている。これらのTPUにおける難燃剤パッケージは、(a)三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛およびこれらの混合物からなる群から選択される化合物、(b)塩素化ポリエチレンおよび(c)ポリテトラブロモ−ビス(フェノール)−A−グリシジルエーテル、ポリトリボロモスチレンおよびポリテトラブロモ−ビス(フェノール)−A−カーボネートからなる群から選択される臭素化芳香族化合物である。ポリウレタンフォームは、この開示において言及されていない。また、この開示は、開示難燃剤パッケージから成形ポリウレタンエラストマーを製造するために必要な離型時間について示していない。
【0012】
欧州特許出願0512629は、熱可塑性プラスチック中におけるカプセル化ポリリン酸アンモニウムとの組み合わせでのホウ酸亜鉛の有用性を開示する。固体エラストマー組成物がUL94垂直燃焼試験におけるV0等級を達成できることも開示されている。難燃剤組み合わせは、ホウ酸亜鉛および「炭化性(carbonific)」(多価チャー形成性)化合物、例えばペンタエリトリトール等に加えて、30〜50%の充填ポリウレタンを含む大過剰のポリリン酸アンモニウムを含有しなければならない。これらの物質は、実用的および環境的観点から建築材料として魅力のない65〜100pcfの密度を有する。この開示は、開示難燃剤組み合わせにより製造された物品のための離型時間について示さない。
【0013】
ホウ酸亜鉛およびハロゲン含有およびハロゲン不含ポリマーにおける難燃剤としての使用は、「Recent Advances Flame Retardant Polymeric Materials」(RAFMFH)、1995年、第6巻、第239〜247頁における「Recent Advances in the use of Borates as Fire Retardants」に開示されている。ホウ酸亜鉛の優位性としては、煙抑制剤、難燃剤、残光抑制剤、チャー促進剤、抗アーク放電剤として働き、耐油性を向上させ、シロキサンを含有するポリマー中での沈着を防ぐ能力が挙げられる。
【0014】
米国特許出願番号12/231153(PO−9133)は、発泡剤として水および/または二酸化炭素で製造された、すなわち、ハロゲン化難燃剤を含まない、向上した難燃性フォーム系で作られたポリウレタンフォームを記載する。この特許出願に記載の難燃剤は、ポリリン酸アンモニウムおよびホウ酸亜鉛をいずれも含む組成物である。この特許出願に記載のフォームの優位性としては、(1)建築材料に適した中密度(1立方フィート当たり10〜30ポンド(pct)、(2)燃えやすい場所において用いることを可能とする耐燃性、(3)ハロゲン含有化合物を含まない難燃剤、および(4)要求の多い用途について十分に柔軟性となるような難燃剤の少ない量が挙げられる。
【0015】
米国特許出願番号12/231153に記載のフォームは、比較的多量の触媒を反応混合物中に含まれない限り、長い硬化時間の欠点と有する。この長い硬化時間は、ポリウレタン形成性組成物が、長い時間、従って製造性能を減少させる時間、金型中に残ることを必要とする。
【0016】
米国特許第4467056号は、メラミンおよびホルムアルデヒドの水不溶性硬化重縮合生成物中に入れられたポリリン酸アンモニウム難燃剤を記載する。この難燃剤は、難燃剤としてプラスチック中で、特にポリウレタンフォーム中で有用であると教示される。しかしながら、ポリリン酸アンモニウムは、メラミンおよびホルムアルデヒドの水性メタノール溶液を用いてカプセル化されるので、カプセル化ポリリン酸アンモニウムから全ての水の除去を確保することができない。このようなフォーム形成性混合物中の残存水の存在は、生成物フォームの密度に影響を与えると予想することができる。残存水の量は変化すると予想されるので、この方法によりカプセル化されたポリリン酸アンモニウムで作られたフォーム密度の制御は困難となる。しかしながら、米国特許第4467056号は、開示難燃剤を用いるフォーム形成性系の適合について何も開示しない。この特許には、成形ポリウレタンフォームのための離型時間について示されていない。
【0017】
米国特許第5534291号は、メラミン被覆アンモニウムポリホスフェート粒子の製造方法を開示する。しかしながら、この特許は、開示メラミン被覆アンモニウムポリホスフェートの使用が、このような難燃剤成分を組み込む系の反応の速度について任意の影響を有することを教示しない。
【0018】
米国特許第5945467号は、メラミン被覆アンモニウムポリリン酸アンモニウム粒子および/または水不溶性ポリリン酸アンモニウム粒子が熱硬化性樹脂に含まれる難燃性熱硬化性樹脂組成物を記載する。しかしながら、この特許は、メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム粒子の使用が、反応の速度について任意の効果を有することを教示も示唆もしない。
【0019】
従って、任意のハロゲン化難燃剤または発泡剤または多量の触媒を用いずに、硬化の速度を実質的に減少させ、これにより現在の系より著しく短い離型時間で成形品を製造することを可能とする難燃性中密度ポリウレタンフォームの製造方法を開発することは有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】米国特許第6319962号明細書
【特許文献2】米国特許第4690954号明細書
【特許文献3】米国特許第4407981号明細書
【特許文献4】米国特許第4797428号明細書
【特許文献5】米国特許第4940632号明細書
【特許文献6】米国特許第5086084号明細書
【特許文献7】欧州特許出願0512629号
【特許文献8】米国特許出願番号12/231153号
【特許文献9】米国特許第4467056号明細書
【特許文献10】米国特許第5534291号明細書
【非特許文献】
【0021】
【非特許文献1】A.Castrovinci、「Ammonium Polyphosphate−Aluminum Trihydroxide Antagonism in Fire Retarded Butadiene−Styrene Block Copolymer」、European Polymer Journal、2005年、第41(9)頁、第2023〜2033頁
【非特許文献2】A.Genovese、「Structural and Thermal Interpretation of the Synergy and Interactions Between the Fire Retardants Magnesium Hydroxide and Zinc Borate」、Polymer Degradation and Stability、2007年、第92(1)巻、第2〜13頁
【非特許文献3】「Recent Advances in the use of Borates as Fire Retardants」、Recent Advances Flame Retardant Polymeric Materials(RAFMFH)、1995年、第6巻、第239〜247頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の目的は、中密度(すなわち10〜30pcf)の難燃性成形ポリウレタンフォームを先行技術系より著しく短い離型時間で製造するための方法を提供することである。
【0023】
本発明の他の目的は、減少した量の触媒で硬化の速度を向上させる、ハロゲン化難燃剤またはハロゲン化発泡剤を含まない中密度難燃性成形ポリウレタンフォームを先行技術系より著しく短い離型時間でポリウレタンフォームの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
これらのおよび他の目的は、ホウ酸亜鉛およびメラミン被覆ポリリン酸アンモニウムを含む固体難燃性組成物をポリウレタンフォーム形成性反応混合物中に含ませることにより達成されることが当業者に明らかとなる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、ハロゲン化難燃剤またはハロゲン化発泡剤を用いることなく、減少した量の触媒を用いて、より早い離型時間で中密度難燃性成形ポリウレタンフォームを製造するための向上した方法、および本発明の方法により製造されたフォームに関する。
【0026】
本発明の方法では、用いるポリウレタンフォーム形成性混合物は、
a)50〜90重量部、好ましくは75重量部越え〜85重量部のポリウレタンフォーム形成性反応混合物、
b)10〜50重量部、好ましくは15重量部〜25重量部未満の固体難燃剤組成物であって、
(i)メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム、
(ii)ホウ酸亜鉛、および
(iii)必要に応じて、1以上の酸化金属またはその水和物
を含む固体難燃剤組成物
を含み、ホウ酸亜鉛は、フォーム形成性混合物中に、製造されたポリウレタンフォームがフォームの100重量%を基準として少なくとも5重量%のホウ酸亜鉛を含むような量で含まれる。
【0027】
より短い硬化時間で中密度難燃性成形ポリウレタンフォームを製造するための本発明の方法では、上記のポリウレタンフォーム形成性組成物を、開放金型中へ注ぎ、金型を閉じ、ポリウレタン形成性組成物を反応させ、成形ポリウレタンフォームを金型から取り出す。
【0028】
本発明の方法の重要な特徴は、成形品を金型から取り出すことができる前にポリウレタン形成性混合物を反応させるのに必要な時間を減少させることである。本発明は、成形に必要な時間を25〜60%減少させることを見出した。
【0029】
本発明では、特記しない限り、本明細書の以下の部分において、全ての数値範囲、量、値およびパーセンテージ、例えば物質の量についてのパーセンテージ等、反応の時間および温度、量の割合、分子量についての値等は、用語「約」が、値、量または範囲と共に明らかに現れないにも関わらず、語「約」が前置されるように読むことができる。
【0030】
本発明の実施に有用な適当なポリウレタンフォーム形成性反応性混合物は、水発泡ポリウレタンフォーム形成性反応性混合物であり、存在させる水の量は、中密度、すなわち、約10〜約30の密度のフォームを生じさせるのに十分である。典型的には、これは、ポリウレタンフォーム系の100重量部を基準として約0.1〜約1.0(好ましくは約0.2〜約0.7)重量部の水である。水の量は、ポリウレタンフォーム形成性反応性混合物中の全量であり、難燃剤固体の含水表面上にしばしば吸着される水を含む。
【0031】
本発明の実施に用いるために適当なポリウレタンフォーム形成性反応性混合物としては、当業者に既知のものが挙げられる。このような混合物は、典型的には、(1)1以上のポリメチレンポリ(フェニルイソシアネート)を含み得るイソシアネート成分、ポリメチレンポリ(フェニルイソシアネート)に基づくイソシアネート基含有プレポリマーまたはこれらの混合物、および(2)1以上のイソシアネート反応性成分が挙げられる。
【0032】
本発明では、イソシアネート成分(1)は、ポリメチレンポリ(フェニルイソシアネート)、ポリメチレンポリ(フェニルイソシアネート)に基づくイソシアネート基含有プレポリマーまたは25〜33重量%のNCO基含有量を有するこれらの任意の混合物を含む。これらのポリイソシアネートが、約2.1〜約3.8の官能価および約25%〜約33%のNCO基含有量、および25℃にて約1000mPa・s未満の粘度を有する組成物であることがより好ましい。
【0033】
ポリイソシアネートは、典型的には、少なくとも2.1、好ましくは少なくとも2.3、より好ましくは少なくとも2.5のNCO官能価を有する。これらのポリイソシアネートは、典型的には、3.8以下、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.2以下のNCO官能価を有する。本発明の実施に用いるポリイソシアネートは、上記の上限値および下限値のこれらの値を含む任意の組み合わせの間の範囲、例えば2.1〜3.8、好ましくは2.3〜3.5、より好ましくは2.5〜3.2のNCO官能価を有し得る。
【0034】
本発明の実施に用いるポリイソシアネートは、典型的には、少なくとも25重量%、好ましくは少なくとも27.5重量%、より好ましくは少なくとも29重量%のNCO基含有量を有する。これらのポリイソシアネートは、典型的には、33重量%以下、好ましくは32重量%以下、より好ましくは31重量%以下のNCO基含有量を有する。適当なポリイソシアネートは、これらの上限および下限値のこれらの値を含む任意の組み合わせの間の範囲、例えば25〜33重量%、好ましくは27.5〜32重量%、より好ましくは29〜31重量%のNCO基含有量を有し得る。
【0035】
ポリイソシアネートが27.5〜32%のNCO基含有量および2.3〜3.5の官能価を有することがさらに好ましい。これらのNCO基含有量および官能価基準を満たす適当なポリイソシアネートとしては、ポリメチレンポリ(フェニルイソシアネート)および必要なNCO基含有量および官能価を有するそのプレポリマーが挙げられる。
【0036】
本発明では、ポリマーMDIは、モノマージイソシアネート(すなわち、2環化合物)の他に、3環およびより多くの環を含有する生成物をも含むポリメチレンポリ(フェニルイソシアネート)のことである。
【0037】
特に好ましいポリイソシアネートは、約31.5%のNCO含有量、約2.8の官能価、25℃にて約200mPa・sの粘度を有するポリメチレンポリ(フェニルイソシアネート)である。
【0038】
本発明の実施に用いるのに適当なプレポリマーとしては、過剰のポリメチレンポリ(フェニルイソシアネート)とイソシアネート反応性成分とを反応させてNCO末端プレポリマーを形成させることにより製造されるプレポリマーが挙げられる。このようなイソシアネート末端プレポリマーは、米国特許第5962541号に開示される(その開示を参照により本明細書に組み込む)。本発明の実施では、ポリマージフェニルメタンジイソシアネートを、ポリオール、好ましくはポリエステルポリオールまたは約1.8〜約4の官能価および約400〜約2000の数平均分子量(末端基分析により決定される)を有するポリオールブレンドと反応させる。これらのプレポリマーは、官能価およびNCO基含有量を上記範囲内で有するべきである。
【0039】
このようなイソシアネート末端プレポリマーを製造するための適当なポリオールは、典型的には、少なくとも約1.8、より好ましくは少なくとも約1.9の官能価を有する。これらのポリオールは、典型的には、約4以下、より好ましくは約2.4以下、さらに好ましくは約2.2以下の官能価を有する。さらに、ポリオールは、上記の上限値および下限値のこれらの値を含む任意の組み合わせの間の範囲、例えば1.8〜4、好ましくは1.8〜2.4、より好ましくは1.9〜2.2の官能価を有し得る。
【0040】
本発明の実施に用いるのに適当なイソシアネート末端プレポリマーを製造するために用いるポリオールは、典型的には、少なくとも約400、より好ましくは少なくとも約450の数平均分子量を有する。これらのポリオールは、典型的には、2000以下、好ましくは800以下、さらに好ましくは500以下の数平均分子量を有する。これらのポリオールはまた、上記の上限値および下限値のこれらの値を含む任意の組み合わせの間の範囲、例えば400〜2000、好ましくは400〜800、より好ましくは450〜500の数平均分子量を有し得る。
【0041】
特に好ましいポリイソシアネートプレポリマーは、ポリメチレン(フェニルイソシアネート)および約30.5%のNCO含有量、約2.8の官能価および25℃にて約350mPa・sの粘度を有する数平均分子量ポリエステルの反応生成物を含む。
【0042】
本発明に従うポリウレタンフォームの製造に有用なイソシアネート反応性成分としては、1以上のより高い分子量成分および1以上のより低い分子量成分が挙げられる。より高い分子量を有する適当なイソシアネート反応性成分の例としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、多価ポリチオエーテル、ポリアセタール、脂肪族チオール、グラフトポリオールを含むポリオールを含有する固形物、ポリイソシアネート重付加ポリオール、ポリマーポリオール、PHDポリオールおよびこれらの混合物が挙げられる。より低い分子量化合物としては、低分子量ポリエーテルポリオールおよび他のジオールおよびトリオールが挙げられるが、これらは、鎖延長剤および/または架橋剤とも称される。
【0043】
本発明の実施に用いるイソシアネート反応性成分に包含される好ましいポリオールとしては、ポリオールブレンドまたは少なくとも2つのヒドロキシル基を含有し、通常300〜10000の分子量を有するポリエステル、特に2〜8個のヒドロキシル基を含有し、好ましくは350〜3000の分子量、より好ましくは350〜2000の分子量を有するポリエステルの混合物が挙げられる。これらのポリエステルは、通常、ポリウレタンフォームのポリオール部分の30%を越える、好ましくは45%を越える、さらに好ましくは55%を越える量で用いる。
【0044】
ヒドロキシル基を含有するこれらのポリエステルの例としては、多価、好ましくは2価、必要に応じて3価アルコールと、フタル酸および他の多塩基、好ましくは2塩基カルボン酸との反応生成物が挙げられる。遊離フタル酸またはポリカルボン酸を用いる代わりに、対応する酸無水物または低級アルコールの対応する酸エステルまたはこれらの混合物をポリエステルを製造するために用い得る。オルトフタル酸、イソフタル酸および/またはテレフタル酸は、フタル酸として用い得る。他の適当な多塩基カルボン酸としては、脂肪族、脂環式および/またはヘテロ環式が挙げられ、これらは、例えばハロゲン原子で置換されてよく、および/または不飽和であってよい。適当な酸の例としては、以下のものが挙げられる:コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリット酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、グルタル酸無水物、マレイン酸、マレイン酸無水物、フマル酸、オレイン酸のようなダイマーおよびトリマー脂肪酸。適当な多価アルコールとしては、以下のものが挙げられる:エチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール(1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン)、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール−(1,2,6)ブタントリオール−(1,2,4)、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、キニトール、マンニトールおよびソルビトール、メチルグリコシド、またジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジブチレングリコールおよびポリブチレングリコール。ポリエステルは、カルボキシル末端基を含有してもよい。ラクトン、例えばε−カプロラクトン等、またはヒドロキシルカルボン酸、例えばδ−ヒドロキシカプロン酸等のポリエステルを用いてもよい。
【0045】
本発明の実施に用いるための好ましいポリエステルは、ラクトンのポリエステルまたはi)アジピン酸およびii)低分子量脂肪族ジオール化合物の反応生成物である。これらの好ましいポリエステルの分子量は、500〜3000、好ましくは1000〜2000である。本発明の実施に用いるための特に好ましいポリエステルポリオールとしては、(i)フタル酸化合物および(ii)低分子量脂肪族ジオール化合物の反応生成物が挙げられる。これらの特に好ましいポリエステルの数平均分子量は、350〜700、好ましくは350〜60である。このようなポリエステルポリオールは、米国特許第4644047号および同第4644048号に記載されている(その開示を参照によりここに組み込む)。
【0046】
本発明によれば、少なくとも1個、通常2〜8個、好ましくは3〜6個のヒドロキシル基を含有し、および100〜10000の数平均分子量を有する既知のタイプのポリエーテルを、ポリオールブレンドに用い得る。これらは、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、スチレンオキシドまたはエピクロルヒドリンのようなエポキシドの、例えばBFの存在下で単独での重合により、またはこれらのエポキシドの、必要に応じて混合物としてまたは連続的な、反応性水素原子を有する出発成分、例えばアルコールまたはアミン、水、エチレングリコール、プロピレングリコール−(1,3)または−(1,2)、トリメチロールプロパン、4,4−ジヒドロキシジフェニルプロパンアニリン、アンモニアエタノールアミンまたはエチレンジアミン等への化学付加により製造される。例えばドイツ特許公告公報第1176358号および同第1064938号に記載のスクロースポリエーテルは、使用してもよく、および好ましい。200を越えるOH価を有するポリエーテルを用いることは特に好ましい。
【0047】
典型的には、これらのポリエーテルポリオールは、少なくとも2、好ましくは少なくとも3のOH官能価を有する。これらのポリエーテルポリオールはまた、典型的には8.0以下、好ましくは6.0以下のOH官能価を有する。本発明のポリエーテルポリオールは、上記の上限値および下限値のこれらの値を含む任意の組み合わせの間の範囲、例えば2.0〜8.0、好ましくは3.0〜6.0のOH官能価を有し得る。
【0048】
本発明の実施に有用なポリエーテルポリオールは、典型的には少なくとも250、好ましくは少なくとも300のOH価を有する。これらのポリエーテルポリオールはまた、典型的には750以下、好ましくは650以下、さらに好ましくは550以下のOH価を有する。本発明のポリエーテルポリオールは、上記の上限値および下限値のこれらの値を含む任意の組み合わせの間の範囲、例えば250〜750、好ましくは300〜650、さらに好ましくは350〜550のOH価を有し得る。
【0049】
好ましくはないが、得られるフォームの柔軟性および衝撃耐性を向上させるために、14および56の間のOH価を有するポリエーテルを挙げることが可能である。必要な場合には、添加する高分子量ポリエーテルの量は、ポリエーテルフォームのポリオール部分の35重量%未満、好ましくは25重量%未満、より好ましくは15重量%未満とするべきである。
【0050】
本発明の実施に用いるポリオール成分に包含させてもよいポリチオエーテルは、チオジグリコール単独から得られるおよび/または他のグリコール、ジカルボン酸、ホルムアルデヒド、アミノカルボン酸またはアミノアルコールとの縮合生成物である。得られる生成物は、共成分に応じて、ポリチオ混合エーテル、ポリチオエーテルまたはポリチオエーテルエステルアミドである。
【0051】
ウレタンまたはウレア基を既に含有するポリヒドロキシル化合物および未変性天然ポリオール、例えばヒマシ油、炭水化物またはデンプンを、本発明の実施に用いてもよい。アルキレンオキシドおよびフェニル/ホルムアルデヒド樹脂の付加生成物またはアルキレンオキシドおよびウレア/ホルムアルデヒド樹脂の付加生成物もまた、本発明に従って適当である。
【0052】
本発明の実施に用い得るこれらの化合物の代表的なものは、例えばHigh Polymers、第XVI巻、「Polyurethanes、Chemistry and Technology」、SaundersおよびFrischによる、Interscience Publishers、ニューヨーク、ロンドン、第I巻、1962年、第32〜42頁および第44〜54 頁および第II巻、1964年、第5、6および198〜199頁、およびKunststoff−Handbuch、第VII巻、Vieweg−Hochtlen、Carl−Hanser−Verlag、ミュンヘン、1966年、例えば第45〜71頁に記載されている。
【0053】
イソシアネート反応性成分の低分子量成分に用いるのに適しているのは、鎖延長剤および架橋剤である。これらの低分子量成分は、典型的には、1.5〜4.0の範囲のヒドロキシル官能価、62〜450の範囲の分子量および250〜1900の範囲のOH価を有する。
【0054】
上記低分子量成分は、典型的には、少なくとも1.5、好ましくは少なくとも2.0のヒドロキシル官能価を有する。これらの低分子量成分はまた、典型的には、4.0以下、好ましくは3.0以下のヒドロキシル官能価を有する。本発明のポリエーテルポリオールは、上記の上限値および下限値のこれらの値を含む任意の組み合わせの間の範囲、例えば1.5〜4.0、好ましくは2.0〜3.0のOH官能価を有し得る。
【0055】
低分子量成分は、典型的には、少なくとも62、好ましくは少なくとも100の分子量を有する。これらの成分はまた、典型的には450以下、好ましくは300以下の数平均分子量を有する。本発明の実施に用い得る鎖延長剤および/または架橋剤は、上記の上限値および下限値のこれらの値を含む任意の組み合わせの間の範囲、例えば62〜450、好ましくは100〜300の分子量を有し得る。
【0056】
上記低分子量成分は、典型的には、少なくとも250、好ましくは少なくとも350のヒドロキシル価を有する。これらの成分はまた、典型的には、1900以下、好ましくは1100以下のヒドロキシル価を有する。本発明の実施に有用な鎖延長剤および/または架橋剤は、上記の上限値および下限値のこれらの値を含む任意の組み合わせの間の範囲、例えば250〜1900、好ましくは350〜1100のヒドロキシル価を有し得る。
【0057】
適当な鎖延長剤の幾つかの例としては以下のものが挙げられる:エチレングリコール、1,2−および1,3−プロパンジオール、1,3−、1,4−および2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−および1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、トリブチレングリコール、ポリブチレングリコール、N−メチル−ジエタノールアミン、シクロヘキサン−ジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオールおよび2,2,4−トリメチル−ペンタン−1,3−ジオール。他の適当な鎖延長剤は、エチレンジアミン、トルエンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミン等のアルコキシル化生成物のようなアミン開始ポリエーテルである。
【0058】
また、適当なものは、上記鎖延長剤と、高官能性化合物、例えばグリセロールおよび/またはトリメチロールプロパンとの混合物であるが、混合物の全官能価は、本明細書に記載の鎖延長剤に必要な範囲である。ポリエステルを製造するために適していると本明細書に開示した任意の前記ジオールは、鎖延長剤として適当である。好ましい鎖延長剤は、ジエチレングリコールおよびジプロピレングリコールとトリプロピレングリコールとの混合物である。
【0059】
本発明の実施に有用な適当な架橋剤としては、例えばトリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、グリセリン、およびグリセリンおよびプロピレンオキシドから形成される低分子量ポリエーテルのような化合物が挙げられ、これらは好ましい。
【0060】
本発明の実施におけるポリウレタンフォーム形成性反応性混合物に用いるために適当な1つのイソシアネート反応性成分としては、以下のものが挙げられる:
(a)30〜70重量部の1.5〜3.0の官能価および25〜250のOH価を有する少なくとも1つのポリエステルポリオールであって、
(i)1以上の脂肪族ジカルボン酸と、
(ii)1以上のジオールまたはトリオールと
の反応性生成物を含むポリエステルポリオール、
(b)20〜40重量部の3.0〜8.0の官能価および250〜750のOH価を有する少なくとも1つの高度分枝ポリエーテルポリオール(好ましくはスクロースまたはスクロースおよび1以上の他の適当なスターター化合物の混合物をアルコキシル化することにより製造される)、および
(c)10〜30重量部の2.0〜2.9のヒドロキシル官能価および400〜1900のOH価を有する少なくとも1つの鎖延長剤、
(a)、(b)および(c)の重量部の合計は、イソシアネート反応性成分の100重量部となる。
【0061】
本発明の実施においてこの特定のイソシアネート反応性成分を用いて水発泡ポリウレタン組成物を形成する場合には、好ましくは、80〜160重量部のポリメチレンポリ(フェニルイソシアネート)、ポリメチレンポリ(フェニルイソシアネート)に基づくイソシアネート基含有プレポリマーまたは25〜33重量%のNCO基含有量を有するこれらの混合物、中密度ポリウレタンフォーム(すなわち、10〜30pcf)をもたらすのに十分量の水、および固体難燃剤組成物と反応させる。
【0062】
本発明に従って用いるべき好ましいイソシアネート反応性成分は、
(a)30〜70(好ましくは45〜65)重量部の2.0〜3.0の官能価および160〜320のOH価を有する少なくとも1つのポリエステルポリオール、すなわち、1以上の多価アルコールと1以上のフタル酸または他の多塩基(好ましくは2塩基)カルボン酸、対応する酸無水物または対応する酸エステルとの反応生成物、
(b)0〜35(好ましくは0〜25)重量部の約1.5〜約3の官能価および約14〜約56のOH価を有するポリエーテルポリオール、
(c)0〜30重量部の3.0〜8.0の官能価および250〜750のOH価を有する少なくとも1つの高度分枝ポリエーテルポリオール(好ましくは、スクロースまたはスクロースおよび1以上の他の適当なスターター化合物の混合物をアルコキシル化することにより製造される)、および
(d)0〜30(好ましくは10〜25)重量部の1以上の鎖延長剤および/または1以上の架橋剤
を含み、(a)、(b)(c)および(d)の重量部の合計は、イソシアネート反応性成分の100重量部となる。
【0063】
この好ましいイソシアネート反応性成分では、ポリエステルポリオール成分(a)は、好ましくは2.0〜3.0の官能価を有し、好ましくは160〜320のOH価を有する。このポリエステルポリオール成分は、好ましくは、フタル酸無水物およびジエチレングリコールの反応生成物である。
【0064】
この好ましいイソシアネート反応性成分に成分(b)として用いるべき好ましいポリエーテルポリオールは、1.8〜3.5の官能価、および14〜56のOH価を有する。これらのポリエーテルポリオールは、好ましくは、グリセリンおよびエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの混合物の反応生成物である。
【0065】
この好ましいイソシアネート反応性成分に成分(c)として用いるべき好ましいポリエーテルポリオールは、4〜6の官能価、および250〜400のOH価を有する。これらのポリエーテルポリオールは、好ましくは、スクロースおよび水および/またはプロピレングリコールおよびプロピレンオキシドの混合物の反応生成物である。
【0066】
上記イソシアネート反応性成分の成分(d)のための好ましい鎖延長剤および/または架橋剤としては、ジエチレングリコール、トリプロピレングリコール、およびプロピレンオキシドでのグリセリン付加物が挙げられる。これらの鎖延長剤および/または架橋剤は、好ましくは2.0〜3.0の官能価および550〜1100のOH価を有する。
【0067】
固体難燃剤成分としては、以下のものが挙げられる:(i)メラミン被覆アンモニウムポリホスフェート、(ii)ホウ酸亜鉛、および必要に応じて(iii)1以上の金属酸化物または水和物。金属酸化物または水和物としては、これらに限定されないが、アルミナ三水和物、マグネシウム化合物、例えば水酸化マグネシウム等、水酸化カルシウムおよび種々の酸化アンチモンが挙げられる。適当な酸化アンチモンは、五酸化アンチモンおよび三酸化アンチモンである。
【0068】
本発明に従えば、メラミン被覆アンモニウムポリホスフェートとホウ酸亜鉛の重量比は、3.0:1.0〜1.0:3.0、好ましくは2.0:1.0〜1.0:2.0の範囲である。さらに、ホウ酸亜鉛は、得られるポリウレタンフォームが、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも6重量%のホウ酸亜鉛を含有するような量で存在する。
【0069】
金属酸化物および水和物を、必要に応じて固体難燃剤成分の一部として存在させる場合、ホウ酸亜鉛とこれらの金属酸化物およびその水和物との重量比は、1.0:3.0〜3.0:1.0の範囲である。さらに、ホウ酸亜鉛は、得られるポリウレタンフォームが、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも6重量%のホウ酸亜鉛を含有するような量で存在し、メラミン被覆アンモニウムポリホスフェートの量は、上で定義したように存在する。
【0070】
本発明に従えば、固体難燃剤は、典型的には、難燃剤含有ポリウレタンフォームの100重量%を基準として10重量%〜50重量%未満、好ましくは15〜25重量%未満、より好ましくは約20重量%の量で本発明に用いる。
【0071】
ポリリン酸アンモニウムは、既知であり、例えば難燃剤として記載されている。ポリリン酸アンモニウム(APP)は、ポリリン酸およびアンモニアの無機塩である。APPの化学式は、[NHPOであり、一般構造:
【化1】

で示される。APPは、安定性非揮発性化合物である。
【0072】
本発明の実施に必要なメラミン被覆APPは、当業者に既知の任意の技術により製造し得る。1つのこのような技術は、米国特許第5945467号に開示されている。メラミン被覆APPは、Clariantから名称Exolit AP−462として、JLS Chemicalsから記号表示APP−101として、Ferro−Plastから名称FerroFlam APP203として、BuddenheimからFR CROS C 30およびC40として、Shifang Chengfang Chem Co. Ltd.から記号表示CF APP202として市販されている。
【0073】
固体難燃剤の成分(ii)として用いるべき適当なホウ酸亜鉛としては、化学式:2ZnO・3B・5HO、2ZnO・3B・3.5HO、2ZnO・3B、4ZnO・B・HOで示されるホウ酸亜鉛が挙げられる。このようなホウ酸亜鉛は、商品名Firebrake(登録商標)としてRio Tinto Boraxから市販されている。難燃剤が、得られるポリウレタンフォームが少なくとも5重量%、好ましくは6〜15重量%ホウ酸亜鉛を含有するような量でホウ酸亜鉛を含むことが好ましい。
【0074】
さらに、固体難燃性成分は、必要に応じて金属酸化物、好ましくはアルミナ三水和物を含有してよい。
【0075】
本発明によれば、固体難燃剤は、(i)メラミン被覆アンモニウムポリホスフェートおよび(ii)ホウ酸亜鉛を、3.0:1.0〜1.0:3.0、好ましくは2.0:1.0〜1.0:2.0の重量比で含有する。さらに、この実施態様では、ホウ酸亜鉛は、得られるポリウレタンフォームが少なくとも5重量%のホウ酸亜鉛を含有するような十分な量で存在する。
【0076】
固体難燃剤はまた、(iii)1以上の金属酸化物または水和物を含む場合には、該成分は、典型的には、ホウ酸亜鉛と金属酸化物または水和物との重量比が3.0:1.0〜1.0:3.0、好ましくは2.0:1.0〜1.0:2.0の範囲となるような量で存在する。得られるポリウレタンフォームはまた、少なくとも5%、好ましくは少なくとも6重量%のホウ酸亜鉛を含有する。ポリリン酸アンモニウムは、前記の量で存在する。
【0077】
アルミナ三水和物は、固体難燃剤成分の成分(iii)として用いるべき好ましい化合物である。アルミナ三水和物を、固体難燃剤の一部として存在させる場合、好ましくは、ホウ酸亜鉛とアルミナ三水和物との重量比が3.0:1.0〜1.0:3.0、より好ましくは2.0:1.0〜1.0:2.0の範囲となるような量で存在させる。上述の通り、本発明に従って製造されるポリウレタンフォームは、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも6重量%のホウ酸亜鉛を含有する。また、ポリリン酸アンモニウムの量は、上で定義した通りである。
【0078】
さらに、固体難燃剤は、必要に応じて、他の固体難燃剤、例えば種々の環式ホスフェートおよびホスホネートエステル、および1を越える官能価またはウレアを有する反応性オリゴマーオルガノホスフェートを含有し得る。
【0079】
任意の実施態様では、本発明は、液体難燃剤を更に含み得る。本発明の実施に有用な液体難燃剤は、ハロゲン原子を含有してもよく、または含有しなくてもよい。当業者に既知の液体難燃剤は、固体難燃剤を用いる系において粘度を減少させるために用いることができ、および用いる場合が多い。これらは、ポリオール部分の粘度を減少させてポリウレタンの取り扱いおよび加工を易しくするが、得られるポリウレタンの衝撃耐性を向上させるのではなくむしろ減少させる。
【0080】
本発明の実施に有用な液体難燃剤物質は、当技術分野において既知であり、市販されている。有用な液体難燃剤としては、これらに限定されないが、Chemtura Corporationから市販のPHT−4 DIOL(または相当するEthyl Corporation生成物RB−79)、トリス(クロロプロピル)ホスフェート(Fyrol(登録商標) PCF、Supresta Chemicalから市販)、トリス(クロロエチル)ホスフェート(Fyrol(登録商標) CEF、Supresta Chemicalから市販)、トリス(1,3−ジクロロ−1−プロピル)ホスフェート(Fyrol(登録商標) 38、Supresta Chemicalから市販)、トリス(2,3−ジクロロ−1−プロピル)ホスフェート(Fyrol(登録商標) FR−2、Supresta Chemicalから市販)、トリエチルホスフェート(Fyrol(登録商標) TEP、Supresta Chemicalから市販)、Albemarleから市販のAntiblaze(登録商標) 80、Albemarleから市販のAntiblaze(登録商標) 500、Solvay−fluorから市販のIxol(登録商標) B−251およびIxol(登録商標) 350およびジメチルメチルホスホネートが挙げられる。
【0081】
本発明の実施に用いるポリウレタンフォーム組成物に含まれるべき他の潜在的添加剤および補助剤としては、以下のものが挙げられる:触媒、表面活性添加剤、例えば乳化剤および発泡安定剤ならびに既知の内部離型剤、顔料、気泡調整剤、可塑剤、染料、充填剤および補強材、例えば繊維またはフレークの形態でのガラスまたは炭素繊維等。ポリ塩化ビニルも充填剤として組み込み得る。
【0082】
適当な触媒の幾つかの例としては、第3級アミン触媒および有機金属触媒が挙げられる。適当な有機金属触媒の幾つかの例としては、例えば錫、鉛、鉄、ビスマス、水銀等の有機金属化合物が挙げられる。また、適しているのは、触媒として熱活性化アミン塩である。これには、脂肪族第3級アミンおよび芳香族第3級アミンがいずれも包含される。触媒として、熱活性化アミン塩を用いることは好ましい。本発明の実施に用いる触媒の量は、上記系に従来使用される量、すなわち、約0.05〜約5重量%である。反応時間を、本発明の方法において、ポリウレタンフォーム形成性混合物に含まれる触媒の量を増加させずに著しく減少させることは、驚くべきことであると考えられ、予期し得なかった。
【0083】
乳化剤および発泡安定剤の例としては次のものが挙げられる:N−ステアリル−N’,N’−ビス−ヒドロキシエチルウレア、オレイルポリオキシエチレンアミド、ステアリルジエタノールアミド、イソステアリルジエタノール−アミド、ポリオキシエチレングリコールモノオレエート、ペンタエリトリトール/アジピン酸/−オレイン酸エステル、オレイン酸のヒドロキシエチルイミダゾール誘導体、N−ステアリルプロピレンジアミンおよびヒマシ油スルホネートまたは脂肪酸のナトリウム塩。例えばドデシルベンゼンスルホン酸またはジナフチルメタンスルホン酸および脂肪酸のようなスルホン酸のアルキル金属またはアンモニウム塩を、表面活性添加剤として用い得る。
【0084】
また、適当な発泡安定剤としては、ポリエーテルシロキサンが挙げられる。これらの化合物の構造は、通常、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのコポリマーがポリジメチルシロキサン基へ結合する構造である。このような発泡安定剤は、米国特許第2764565号に記載されている。
【0085】
本発明に従えば、種々の添加剤および補助剤ならびに液体難燃剤および/またはポリ塩化ビニルは、ポリウレタンフォーム形成性反応性混合物のイソシアネート反応性成分に添加することができ、および/またはこれらがイソシアネート反応性基を含有しない場合には、ポリウレタンフォーム形成性反応性混合物のイソシアネート成分へ添加することができる。当然のことながら、これらの添加剤、補助剤、液体難燃剤および/またはポリ塩化ビニルは、別個の成分としてポリウレタンフォーム形成性反応性混合物へ添加してもよい。
【0086】
本発明に従って製造されるポリウレタンフォーム組成物は、約90〜150(好ましくは100〜130)の範囲のイソシアネート指数にて従来法による加工技術を用いて成形し得る。本発明では、用語「イソシアネート指数」(「NCO指数」とも通常称される」)とは、イソシアネート基の当量をイソシアネート反応性水素含有物質の当量で割って得られた商を100倍したものであると定義される。
【0087】
開放金型法では、反応性物質を、金型中へ注入する(金型中へ射出しない)。開放金型中での処理に適した物質は、通常、密閉金型(典型的なRIM)法に用いる物質より僅かに長いゲル時間および硬化時間を有することを特徴とする。
【0088】
これらのフォーム形成性組成物から成形ポリウレタンフォームを製造する方法では、典型的には、ポリウレタンフォーム形成性組成物を開放金型中へ導入し、金型を閉じ、組成物を反応させ、金型ポリウレタンフォームを金型から取り出す。関連条件、適当な金型、離型時間、最終用途等についての適当な情報は、当業者に既知である。フォームのフリーライズ密度は、8および20pcf(1立方フィート当たりのポンド)の間であること、フォームの成形密度は、12および24pcfの間であることが好ましい。
【0089】
好ましくはないが、従来のRIM法または密閉金型法を用いて、本明細書に記載のポリウレタンフォーム形成性組成物から成形品を製造することも可能である。
【0090】
以下の実施例により、本発明の組成物の調製および使用についての詳細をさらに説明する。先に記載した本発明は、これらの実施例によって精神または範囲が制限されるべきではない。当業者であれば、以下の製造方法の条件および方法の既知の変形を使用してこれらの組成物を製造し得ることを容易に理解するであろう。特記がない限り、全ての温度は華氏度であり、全ての部およびパーセンテージはそれぞれ重量部および重量%である。
【実施例】
【0091】
本発明を以下の実施例により更に説明するが、限定されない。「部」および「パーセント」で示される全ての量は、特記のない限り、重量によるものと理解される。
【0092】
以下の成分を実施例に用いた:
〔ポリオールA〕
芳香族ポリエステルポリオール(すなわち、2の官能価および約190のヒドロキシル価を有するポリジエチレングリコールフタレート(Stepanpol PS−1922AとしてStepan Company(ノースフィールド、イリノイ州)から市販))。
【0093】
〔ポリオールB〕
約36mgKOH/gのOH価および約3の公称官能価を有するグリセリン開始ポリエーテルポリオール(Bayer MaterialScienceからHyperlite E−824として市販)。
【0094】
〔ポリオールC〕
ジエチレングリコール。
【0095】
〔ポリオールD〕
2の官能価および約425のOH価を有するポリプロピレングリコール(Bayer MaterialScienceからArcol Polyol PPG−425として市販)。
【0096】
〔界面活性剤〕
Air Products and Chemicals of AllentownからDabco(登録商標) DC−198として市販のポリアルキレンオキシドメチルシロキサンコポリマー。
【0097】
〔相容化剤〕
N,N−ジメチルプロピレンジアミンとタル油との反応生成物。
【0098】
〔触媒A〕
酸ブロックトアミン発泡触媒、Niax(登録商標) A−107としてニューヨーク州アルバニーのMomentive Performance Materialsから市販。
【0099】
〔触媒B〕
酸ブロックトアミンゲル化触媒、Niax(登録商標) A−577としてニューヨーク州アルバニーのMomentive Performance Materialsから市販。
【0100】
〔イソシアネートA〕
約30.4重量%のNCO基含有量を有する変性ポリマーメチレン(ジフェニルジイソシアネート)(Mondur 1515としてBayer MaterialScienceから市販)。
【0101】
〔難燃剤A〕
Hubercarb(登録商標) SB 122としてジョージア州アトランタのHuber Engineered Materialsから市販のアルミナ三水和物、Firebreak(登録商標) ZBとしてカリフォルニア州バレンシアのU.S.Borax,Inc.から市販のホウ酸亜鉛およびAPPとしてカリフォルニア州ポモナのJLS Chemicalsから市販のポリリン酸アンモニウムの同重量混合物。
【0102】
〔難燃剤B〕
Hubercarb(登録商標) SB 122としてジョージア州アトランタのHuber Engineered Materialsから市販のアルミナ三水和物、Firebreak(登録商標) ZBとしてカリフォルニア州バレンシアのU.S.Borax,Inc.から市販のホウ酸亜鉛およびAPP−101としてカリフォルニア州ポモナのJLS Chemicalsから市販のメラミン被覆ポリリン酸アンモニウムの同重量混合物。
【0103】
〔顔料〕
DPU−B2371−2Bとしてイリノイ州ウェストシカゴのRicon Color Inc.から市販の褐色酸化鉄顔料。
【0104】
ポリオールA55.68部、ポリオールB20.87部、ポリオールC19.26部、水0.23部、相容化剤1.0部、界面活性剤1.5部、ポリオールD3.29部、触媒A0.10部、触媒B1.3部および顔料0.65部の混合物を、30分間激しく撹拌した。該ブレンドに55部の難燃剤AまたはBを添加し、該混合物を再び、更に15分間激しく撹拌した。難燃剤を含有するブレンドに、イソシアネート102部を添加した。反応性は、当業者に既知のこれらのカップショット法を用いて決定した:実験室において、いずれも77°Fにて組み合わせた反応物を、5秒間高剪断下で撹拌し、種々の反応状態を記録した。Krauss−Maffei反応射出成形機により、成分(100°Fに加熱したポリオールブレンドおよび88°Fに加熱したイソシアネート)を、衝撃混合ヘッド中で両方の流れの圧力により約2000psiにて組み合わせた。再び、同じ反応状態を記録した。部品は、変形することなく、および/または継続して膨張することなく金型(140°Fに加熱)から取り出すことができる場合に硬化したと見なされた。
【0105】
このようにして製造したフォームの特性を、以下の表に示す。
【0106】
【表1】

【0107】
メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム含有組成物の硬化時間(140°Fの金型から取り出す前の時間)を、未被覆ポリリン酸アンモニウム含有組成物と比較することにより分かるように、意外にも45%の処理時間の減少を実現した。これは、難燃剤の1つの簡単な変更により製造能力がほぼ2倍とすることができ、この結果は驚くべきことであり、非常に有用であった。
【0108】
試験屋根板を、ASTM E108として知られるUL(Underwriters Laboratories Standard)試験プロトコルにより評価した。該プロトコルを用いて、試験デッキを、硬質フォーム処方物のいずれからも作った屋根板で構成した。VersaShield(Elk Building Products(GAF Materials Corp.の子会社、ニュージャージー州ウェーン)、Wayne、NJから市販の耐火性屋根用下敷敷布)の層を、屋根板を結合する前にベニヤ板へ直接適用した。VersaShieldの第2層(相互作用)を、次の各層のための屋根板により覆われることとなる屋根板の区域上に適用した。該系はいずれもクラスAの燃焼ブレンド試験等級を得た。
【0109】
本発明の上記の実施例を、本発明を制限する目的ではなく、例示の目的で提供する。本明細書に記載の実施態様を、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の方法で変形または修正し得ることは当業者には明らかである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって判定すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中密度難燃性成形ポリウレタンフォームの製造方法であって、
a)(1)50〜90重量部のポリウレタンフォーム形成性反応性混合物、
(2)10〜50重量部の固体難燃剤であって、
(i)メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム、
(ii)ホウ酸亜鉛、および
(iii)必要に応じて、1以上の金属酸化物またはその水和物
を、
(A)ポリリン酸アンモニウムとホウ酸亜鉛との重量比が3:1〜1:3の範囲となり、および
(B)製造されるポリウレタンフォームが、フォームの100重量%を基準として少なくとも5重量%のホウ酸亜鉛を含む
ような量で含んでなる固体難燃剤
を含む組成物を金型中へ導入する工程、
b)金型中へ導入した組成物を硬化させて中密度ポリウレタンフォームを形成する工程、および
c)中密度ポリウレタンフォームを金型から取り出す工程
を含み、工程b)およびc)の間で経過する時間は、ポリリン酸アンモニウムおよびホウ酸亜鉛を含む固体難燃剤組成物をポリウレタンフォーム形成性反応性混合物(1)に含ませる場合より短い、方法。
【請求項2】
15〜30重量部の固体難燃剤組成物を、金型中へ導入した組成物に含ませる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
20〜25重量部の固体難燃剤組成物を、金型中へ導入した組成物に含ませる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
工程b)およびc)の間で経過する時間が、1.5〜4.0分である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも25%の工程b)およびc)の間の時間を、メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムを用いた場合に、未被覆ポリリン酸アンモニウムを用いた場合と比べて減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも40%の工程b)およびc)の間の時間を、メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムを用いた場合に、未被覆ポリリン酸アンモニウムを用いた場合と比べて減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
金型中へ導入される組成物は、
(1)75〜85重量部を越えるポリウレタンフォーム形成性反応性混合物、および
(2)15重量部〜25重量部未満の固体難燃剤
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ポリウレタンフォームは、10〜30pcfの密度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
固体難燃剤組成物は、1:3〜3:1のホウ酸亜鉛とアルミナ三水和物との重量比で存在するアルミナ三水和物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ポリウレタンフォーム形成性反応性混合物は、
(I)1以上のポリメチレンポリ(フェニルイソシアネート、ポリメチレンポリ(フェニルイソシアネート)に基づくイソシアネート基含有プレポリマーまたはこれらの混合物、および
(II)(a)少なくとも1つのポリエステルポリオール、
(b)少なくとも1つの高度分枝ポリエーテルポリオール、および
(c)少なくとも1つの鎖延長剤
を含む1以上のイソシアネート反応性成分
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ポリウレタンフォーム形成性反応性混合物は、
(I)1以上のポリメチレンポリ(フェニルイソシアネート、ポリメチレンポリ(フェニルイソシアネート)に基づくイソシアネート基含有プレポリマーまたはこれらの混合物、および
(II)(a)少なくとも1つのポリエステルポリオール、
(b)少なくとも1つの約1.8〜3.5の官能価および約14〜56のOH価を有するポリエーテルポリオール、
(c)少なくとも1つの約4〜6の官能価および約250〜400のOH価を有する高度分枝ポリエーテルポリオール、および
(d)少なくとも1つの鎖延長剤
を含む1以上のイソシアネート反応性成分
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
(a)メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム、
(b)ホウ酸亜鉛、および
(c)必要に応じて、1以上の金属酸化物またはその無水物
を、
(1)メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムとホウ酸亜鉛との重量比が3:1〜1:3の範囲となり、および
(2)製造されるポリウレタンフォームが、フォームの100重量%を基準として少なくとも5重量%のホウ酸亜鉛を含む
ような量で含む、中密度成形ポリウレタンフォームのための難燃剤組成物。
【請求項13】
アルミナ三水和物を、1:3〜3:1のホウ酸亜鉛とアルミナ三水和物との重量比を得るのに十分な量で含む、請求項14に記載の難燃剤組成物。
【請求項14】
請求項1に記載の方法により製造された中密度難燃性成形ポリウレタンフォーム。

【公表番号】特表2013−511589(P2013−511589A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539868(P2012−539868)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/002973
【国際公開番号】WO2011/062611
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(503349707)バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (178)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
【Fターム(参考)】