説明

色効果/柔らかい感触のコーティング

色効果および触覚効果の両方を有する1つ以上のコーティングを有する基材が開示される。色効果組成物および触覚効果組成物は、同じコーティング中または異なるコーティング中に含まれ得る。本発明は、1つ以上のコーティング層でコーティングされた基材に関し、ここで、少なくとも1つのコーティング層は、色効果組成物を含み、そして少なくとも1つのコーティング層は、触覚効果組成物を含み、色効果および触覚効果の両方が存在している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色効果組成物および触覚効果組成物を含む1つ以上のコーティング層を有する基材に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景情報)
「特別な効果」を有するコーティングは、しばしば、視覚的効果、触覚効果、不正、複製、偽造を妨げるかまたは阻止する効果などを与えるために、使用されている。例えば、基材に「柔らかい感覚」を与えるコーティングを用いて堅い基材をコーティングすることがしばしば望ましい。このような「柔らかい感覚」のコーティングが他のコーティングの機械的耐性および化学的耐性を有することが望ましい。コーティングに対する種々の色効果(フリップ−フロップ効果、角度色彩効果(goniochromatic effect)などを含む)を与えることも望ましい。角度色彩性は、照射または観察の角度が変化する場合に変化する知覚される色の効果である。これは、セキュリティーおよび偽造防止について特に興味が持たれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
コーティングにおいて種々の「特別な効果」を組み合わせることが望ましいものの、1つの特定の効果の組成物の使用は、別の特別な効果の組成物の効果を干渉し得るかまたは遮断し得る。従って、特別な効果の組成物の組み合わせを可能にするコーティングおよび方法が当該分野において必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の要旨)
本発明は、1つ以上のコーティング層でコーティングされた基材に関する。コーティング層の少なくとも1つは、色効果組成物を含み、このコーティング層の少なくとも1つは、触覚効果組成物を含む。色効果組成物および触覚効果組成物は、同じ層または異なる層にあり得る。
【0005】
本発明は、色効果および触覚効果の両方を有するコーティングを提供する。重要なことに、ある1つのものの使用は、他のものの効果を妨害も干渉もしない。これは、例えば、色効果を有する組成物上への触覚効果組成物の適用が、色効果を妨害する分野において、他のコーティングよりも有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、1つ以上のコーティング層でコーティングされた基材に関し、ここで、少なくとも1つのコーティング層は、色効果組成物を含み、そして少なくとも1つのコーティング層は、触覚効果組成物を含み、色効果および触覚効果の両方が存在している。「色効果組成物」は、所望の色効果をコーティングに与える任意の組成物をいう。例としては、透明なコーティングされたマイカおよび/または合成マイカ、コーティングされたシリカ、コーティングされたアルミナ、透明な液晶顔料、液晶コーティング、および/または材料の表面と空気との間の屈折率の差に起因するのではなく、材料内の屈折率の差から干渉が生じる任意の組成物を含む組成物が挙げられる。1つの実施形態において、色効果組成物は、マトリックスに保持された粒子の整った周期的なアレイを含む。別の実施形態において、アレイの粒子は、放射回折材料を含む。「触覚効果組成物」とは、基材に適用された場合、所望の感覚を生じる組成物をいう。例えば、触覚効果は、基材に柔らかいテキスチャーまたは「柔らかい感覚」を与え得る。
【0007】
本発明の1つの実施形態において、色効果組成物は、マトリックスに保持された粒子の整った周期的なアレイを含み、マトリックスと粒子との間の屈折率の差が、少なくとも約0.01(例えば、少なくとも約0.05、または少なくとも約0.1)である。マトリックスは、有機ポリマーであり得、例えば、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、アルキド、ポリエステル、シロキサン、ポリスルフィド、エポキシ、またはこれらの混合物であり、1つの実施形態において、架橋されている。あるいは、マトリックスは、無機ポリマーであり得、例えば、金属酸化物(例えば、アルミナ、シリカ、または二酸化チタン)あるいは半導体(例えば、セレン化カドミウム)である。
【0008】
図1に示されるように、本発明の1つの実施形態の色効果組成物2は、ポリマーマトリックス6に保持される粒子P、P、...Px−1およびPのアレイ4を含む。粒子:マトリックスの容積比は、25:75〜80:20(例えば、72:28〜76:24)の範囲であり得る。粒子は、代表的には、約0.01〜約1ミクロン(例えば、0.06〜0.5ミクロン)の平均粒径を有する;粒子は、代表的に、サイズが類似し、1つの実施形態において、最大5〜15%で互いのサイズが異なる。粒子は、互いに積み重ねられた層L、L、...Lx−1、およびLで配列され、その結果、粒子P〜Pの表面は、互いに接触する。各粒子の表面は、少なくとも他の粒子と接触する。粒子P〜Pは、有機ポリマー、例えば、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリルポリマー、アルキドポリマー、ポリエステル、シロキサンポリマー、ポリスルフィド、エポキシ含有ポリマー、またはエポキシ含有ポリマー由来のポリマーから構成され得る。1つの実施形態において、ポリマーは、架橋されている。あるいは、粒子P〜Pは、無機ポリマーまたは無機材料、例えば、金属酸化物(例えば、アルミナ、シリカ、または二酸化チタン)または半導体(例えば、セレン化カドミウム)から構成され得る。1つの実施形態において、粒子およびマトリックスは、同じ材料を含み得るが、但し、屈折率の違いが存在する。
【0009】
粒子は、キャリア中において全てが同じ荷電を有する粒子の分散物を提供する工程、この分散物を基材(例えば、一時的な基材)上に適用する工程、キャリアをエバポレートしてこの基材上に粒子の整った周期的なアレイを生成する工程、この粒子のアレイをマトリックスでコーティングする工程、およびこのマトリックスを硬化して、このポリマー内に粒子のアレイを固定する工程によって、マトリクス内に固定される。この分散物は、約1〜約70容積%の荷電粒子(例えば、約30〜約65容積%の荷電粒子)を含み得る。基材は、可撓性材料(例えば、ポリエステルフィルム)または不撓性材料(例えば、ガラス)であり得る。分散物は、浸積、噴霧、ブラッシング、ロールコーティング、カーテンコーティング、フローコーティング、またはダイコーティングによって、所望の厚み(例えば、約20ミクロン、約10ミクロン、または約5ミクロンの厚み)まで、この基材に適用され得る。粒子の固定アレイは、伸張フィルムまたは連続層の形態で基材から除去され得るか、または基材から除去され、粒子またはフレークに変換され得る。伸張フィルムまたは連続層の形態である場合、層自体は、色効果組成物を含むコーティングであり得る。フィルムまたは層の厚みは、使用者の必要性に依存して変化し得る。例えば、フィルムまたは層は、約100ミクロン以下、例えば、20ミクロン以下または10ミクロン以下であり得る。粒子またはフレークの形態である場合、粒子またはフレークは、コーティング組成物に添加され得る。この実施形態において、粒子/フレークは、コーティング組成物の合計の0.1〜40重量%、例えば、1〜20または5〜15重量%を構成し得る。粒子/フレークのサイズは、5〜5000ミクロン、例えば、5〜100または10〜50ミクロンの直径の範囲であり得る。この実施形態の色効果組成物は、本明細書中において、参考として援用される、米国公開番号2003/0125416にさらに記載される。
【0010】
本発明に従う少なくとも1つのコーティング層は、触覚効果組成物を含む。任意の触覚効果組成物が使用され得る。
【0011】
本発明の1つの実施形態において、触覚効果組成物および色効果組成物は、同じ層である。例えば、色効果組成物は、フレーク化または粒子化され得、触覚効果組成物を有するコーティングに添加され得る。
【0012】
本発明の別の実施形態において、色効果組成物は、1つのコーティング層であり、触覚効果組成物は、別のコーティング層である。例えば、色効果組成物を含むコーティングは、ベースコートであり得、この上に、色効果組成物を含まないクリアコートが適用され;クリアコートは、触覚効果組成物を含み得る。柔らかい感覚のクリアコートは、VELVECRONとして、PPG Industries,Inc.から市販される。この実施形態において、色効果組成物を含むコーティングの乾燥フィルムの厚みは、1〜50ミクロン、例えば、3〜15ミクロンの範囲であり得、触覚効果組成物を含むコーティングの乾燥フィルムの厚みは、0.1〜20ミル、例えば、1.5〜4ミルの範囲であり得る。
【0013】
本発明に従って使用される色効果組成物および触覚効果組成物は、幅広い種々のコーティング組成物で使用され得る。これらとしては、水に浮く(waterborne)液体コーティング組成物および溶媒に浮く(solvent−borne)液体コーティング組成物、粉末コーティング組成物、粉末スラリー組成物、および電着組成物が挙げられる。これらは、透明なコーティング(すなわち、実質的な透明性を有する硬化フィルムを生成するコーティング)で使用され得るか、またはこれらは、着色コーティングにおいて、他の顔料および/または染料に添加され得る。機能的には、本発明に従う色効果組成物および触覚効果組成物を含み得るコーティングとしては、プライマー、ベースコート、およびトップコート、ならびにマルチコートの組み合わせ中の任意の1つ以上のコーティングが挙げられる。色効果組成物および触覚効果組成物と種々のポリマー型との適合性が観察され、コーティングに使用される任意の公知のフィルム形成ポリマー組成物が、使用され得ることが期待され得る。コーティングにおいて使用されるポリマー組成物のより一般的なファミリーのいくつかとしては、ポリウレタン、アクリルポリマー、アルキドポリマー、ポリエステル、シロキサン含有ポリマー、ポリスルフィド、エポキシ含有ポリマー、およびエポキシ含有ポリマー由来のポリマー、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。これらは、ラッカー、熱可塑性物質、または熱硬化性型組成物として、コーティングにおいて提供されることが公知である。熱硬化性組成物は、さらに、架橋剤、例えば、ポリイソシアネート、アミノ−ホルムアルデヒドアミノプラスト、ポリ酸、ポリ無水物、およびこれらの組み合わせを含む。本明細書中で使用される場合、「フィルム形成」とは、組成物中に存在する任意の溶媒もしくはキャリアの除去の際、または周囲温度もしくは高温で硬化した際に、材料が、少なくとも水平な表面上に、自己支持連続フィルムを形成することを意味する。
【0014】
液体または粉末スラリーコーティング組成物において希釈剤として含まれ得る揮発性物質としては、コーティング産業において一般的に使用されるような、水および/または有機溶媒(例えば、アルコール、エーテルおよびエーテルアルコール、ケトン、エステル、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、および芳香族炭化水素が挙げられる。コーティングのための溶媒の例としては、脂肪族溶媒(例えば、ヘキサン、ナフサ、およびミネラルスピリット);芳香族および/アルキル化芳香族溶媒(例えば、トルエン、キシレン、およびSOLVESSO 100(Exxon Chemicalsからの芳香族ブレンド);アルコール(例えば、エチルアルコール、メチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、およびアミルアルコール、およびm−プリオール(pryol));エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、およびイソ酪酸イソブチル);ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、およびイソホロン);グリコールエーテルおよびグリコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、およびジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)が挙げられる。
【0015】
コーティング組成物は、1つ以上の添加剤、例えば、UV吸収剤および安定化剤、レオロジー制御剤、界面活性剤、触媒、フィルム構築添加剤、フィラー、平坦化剤、泡抑止剤、ミクロゲル、pH制御添加剤、および他の顔料をさらに含み得る。色効果組成物とともに、いくつかの場合において、従来の顔料および染料を含むことが有用であり得る。これらとしては、マイカ、鉄酸化物、カーボンブラック、二酸化チタン、アルミニウムフレーク、ブロンズフレーク、コーティングされたマイカ、ニッケルフレーク、スズフレーク、銀フレーク、銅フレーク、およびこれらの組み合わせが挙げられる。他の有機着色剤(例えば、染料または有機顔料)もまた含まれ得る。
【0016】
本発明のコーティング層は、任意の適切な手段(例えば、ダイコーティング、直接ロールコーティングまたは逆転ロールコーティング、カーテンコーティング、噴霧コーティング、ブラシコーティング、グラビアコーティング、フローコーティング、スロット染料コーティング、インクジェットコーティング、電着、およびこれらの任意の組み合わせ)を使用して、基材に適用され得る。粉末コーティングは、一般的に、静電堆積によって適用される。当業者は、1つより多くの層が使用される場合、適切な適用方法を選択し得、さらに、コーティング層の硬化に作用する方法を知っている。
【0017】
任意の基材が、本発明に従ってコーティングされ得る。装飾的印刷を有する基材が特に好ましい。
【0018】
本明細書中で使用される場合、他に明確に記載されない限り、全ての数字(例えば、値、範囲、量または割合を表すもの)が、その用語が明確に明らかでないとしても、単語「約」が前に置かれるかのように、読まれ得る。本明細書中に示される任意の数字の範囲は、その中に包含される全ての下位範囲を含むことが意図される。複数形は、単数形を包含し、その逆もまた同じである。また、本明細書中で使用される場合、用語「ポリマー」は、プレポリマー、オリゴマー、ホモポリマーおよびコポリマーの両方をいうことを意味し、接頭辞「ポリ」は、2つ以上を示す。
【実施例】
【0019】
以下の実施例は、本発明を説明することを意図し、いかなるようにも本発明を制限するとして解釈されるべきではない。
【0020】
(実施例1)
(紫外線硬化可能有機組成物)
紫外線硬化可能有機組成物は、以下の手順を介して調製された。818gのエチルアルコール中のジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド/2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン(30g)、50/50ブレンド(Aldrich Chemical Company,Inc.,Milwaukee,Wisconsin製)、140gのSR295(Sartomer Company,Inc.,Exton,Pennsylvania製)および130gのSR494(Sartomer Company,Inc.,Exton,Pennsylvania製)を、撹拌しながら、730gのSR9020(Sartomer Company,Inc.,Exton,Pennsylvania製)に添加した。
【0021】
(実施例2)
(水中のポリマー粒子の分散物)
水中のポリマー粒子の分散物を、以下の手順を介して調製した:2.45gの重炭酸ナトリウム(Aldrich Chemical Company,Inc.製)を、2045gの脱イオン水と混合し、熱電対、バッフル、スターラー、還流凝縮器、加熱マントル、および窒素入口を備える1ガロンの反応ケトルに、加えた。この混合物を、撹拌しながら40分間、窒素を噴霧し、窒素で覆った。229gの脱イオン水中のAerosol MA80−I(26.5g)(Cytec Industries,Inc.,West Paterson,New Jersey製)を、撹拌しながら、この混合物に添加し、この混合物を、電気マントルを使用して、50℃に加熱した。スチレンモノマー(416.4g)(Aldrich Chemical Company,Inc.製)を、撹拌しながら添加した。この混合物を、60℃に加熱した。過硫酸ナトリウム(Aldrich Chemical Company,Inc.製)(72gの脱イオン水中、6.2g)を、撹拌しながら混合物に添加した。ジビニルベンゼン(102.7g)(Aldrich Chemical Company,Inc.製)を、撹拌しながら、この混合物に添加した。スチレンモノマー(100.0g)、メタクリル酸メチルモノマー(239.4g)、エチレングリコールジメタクリレートモノマー(24.0g)およびジビニルベンゼンモノマー(15.1g)(Aldrich Chemical Company,Inc.製)を、撹拌しながら添加した。3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸、ナトリウム塩(41.4g、水中40%)(Aldrich Chemical Company,Inc.製)を、撹拌しながらこの混合物に添加した。この混合物の温度を、6時間、約60℃で維持した。得られたポリマー分散物を、室温に冷却させ、325メッシュステンレス鋼スクリーンで濾過した。このプロセスを繰り返した。2つの得られた分散物を一緒に加え、EP2524−BS01−T2カラム(PTI Advance Filtration,Oxnard,California製)を使用して、限外濾過した。脱イオン水(約600g)を、約600gの限外濾液を除去した後に、この分散物に添加した。この交換を15回繰り返した。次いで、さらなる限外濾液を、この混合物の固体内容物が41.2重量%になるまで、除去した。
【0022】
(実施例3)
(色効果フィルム)
実施例2において調製された1800gの材料を、スロット−ダイコーター(Frontier Technologies,Towanda,Pennsylvania製)を介して、ポリエチレンテレフタレート基材に適用し、180°Fで、40秒間、約7.0ミクロンの多孔性乾燥フィルム厚みに乾燥した。実施例1において調製された1000gの材料を、スロット−ダイコーター(Frontier Industrial Technologies製)を介して、ポリエチレンテレフタレート基材上の多孔性乾燥フィルムの隙間空間内に適用し、150°Fで40秒間乾燥させ、次いで、100W水銀灯を使用して、紫外線硬化させた。
【0023】
(実施例4)
(色効果包装)
210gのエチルアルコール中の、1190gのSR−9020(Sartomer Company,Inc.,Exton Pennsylvania製)および24gのジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド/2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン(30g)、50/50ブレンド(Aldrich Chemical Company,Inc.,Milwaukee,Wisconsin製)を含む、1400gの放射線硬化可能組成物を、スロット−ダイコーター(Frontier Industrial Technologies,Towanda,Pensylvania製)を介して、実施例3の1000平方フィートの色効果フィルムに適用した。コーティングされたフィルムを、150°Fで40秒間乾燥させ、軽い圧縮(10psi)のもとで、2つのコーターニップロールの間で、黒色、緑色、紫色、黄色および白色印刷および透明(非印刷)ウィンドウを用いて、印刷ポリエチレンテレフタレートシートに積層させ、次いで、100W水銀灯を使用して、紫外線硬化させた。次いで、実施例3のポリエチレンテレフタレート基材を、積層された印刷シートからはがし、一方、色効果組成物は、積層された印刷シートに取り付けられたままであった。得られた色効果積層印刷シートを、光沢のある装飾的色効果包装を生じるように、折り畳み、接着させた。この包装の知覚される色は、緑色、青色および紫色を含むように、見る角度とともに変化した。さらに、透明なウインドウは、光沢のある青色を示し、これは、見る角度とともに変化して、紫色に変化するが、透き通って(clear)、透明(transparent)なままであった。
【0024】
(実施例5)
(触覚色効果包装)
折り畳み、接着する前に、得られた色効果積層印刷シートを、さらに、噴霧適用を介して、50〜75ミクロン(乾燥フィルム厚み)のVELVECRON XPC30002(PPG Industries,Inc.,Pittsburgh,Pennsylvania製)でさらにコーティングしたことを除いて、実施例4を繰り返した。塗られたシートを、10分間、室温で乾燥させ、次いで、30分間、180°Fの温度で、対流オーブンを使用して、硬化させた。得られたVELVECRONコーティングした色効果積層印刷シートを折り畳み、光沢のある装飾的色効果包装を生じるように接着した。この包装の知覚される色は、緑色、青色および紫色を含むように、見る角度とともに変化した。さらに、透明なウインドウは、光沢のある青色を示し、これは、見る角度とともに変化して、紫色に変化したが、透き通って(clear)、透明(transparent)なままであった。さらに、光沢のある装飾的色効果包装は、具体的には、柔らかいベルベット様の感覚を有する望ましい触覚品質を有した。
【0025】
(例6)
(比較例)
緑色、青色および紫色を含むように見る角度ともに包装の知覚される色が変化する点で、所望の色効果を示すエンボス加工されたホログラムを有するPINNACLE POWER COREゴルフボール(Acushnet Company,Fairhaven,Massachusetts製)からの包装スリーブを広げ、さらに、噴霧適用を介して、50〜75ミクロン(乾燥フィルム厚み)のVELVECRON XPC30002を用いてコーティングした。塗られた広げられた包装を、10分間室温で乾燥させ、次いで、180°Fの温度で、30分間、対流オーブンを使用して、硬化させた。得られたVELVECRONコーティングされた包装を折り畳み、装飾的包装を生じるように接着した。装飾的包装は、柔らかいベルベット様の感覚を具体的に有する望ましい触覚品質を有した。しかし、見る角度とともに知覚される色の所望の色効果の変化は、もはや観察されなかった。これは、色効果および柔らかい感覚の両方が達成される点で、本発明の1つの利点を実証している。
【0026】
(実施例7)
(色効果フレーク)
実施例2において調製された1800gの材料を、スロット−ダイコーター(Frontier Technologies,Towanda,Pennsylvania製)を介して、ポリエチレンテレフタレート基材に適用し、180°Fで40秒間、約3.5ミクロンの多孔性乾燥フィルム厚みに乾燥させた。実施例1において調製された1000gの材料を、スロット−ダイコーター(Frontier Industrial Technologies製)を介して、ポリエチレンテレフタレート基材上の多孔性乾燥フィルムの隙間空間内に適用し、150°Fで40秒間乾燥させ、次いで、100W水銀灯を使用して、紫外線硬化させた。硬化フィルムをポリエチレンテレフタレート基材から除去し、モデルZM100遠心分離ミル(Retsch GmbH & Co.KG,Haan,Germany製)を使用して、約50ミクロンの大きさに粉砕した。
【0027】
(実施例8)
(触覚色効果コーティング)
実施例7において調製された20gの材料を、80gのVELVECRON XPC30002に撹拌しながら添加した。黒いプラスチックの3次元スタイル形態を、噴霧適用を介して、コーティングし、得られたコーティング組成物を50〜75ミクロンの乾燥フィルム厚みにした。このコーティングされた物品の知覚される色は、青色、紫色および黒色を含むように、見る角度とともに変化した。さらに、光沢のある装飾的色効果コーティングは、具体的には柔らかいベルベット様の感覚を有する所望の触覚品質を有した。
【0028】
本発明の特定の実施形態が説明のために上記されているが、本発明の詳細の多くの変更が、添付の特許請求の範囲に規定される発明から逸脱することなく、なされ得ることが当業者に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、本発明の1つの実施形態に従って作製された色効果組成物の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のコーティング層でコーティングされた基材であって、少なくとも1つのコーティング層が、色効果組成物を含み、そして少なくとも1つのコーティング層が、触覚効果組成物を含み、色効果および触覚効果の両方が存在している、基材。
【請求項2】
請求項1に記載の基材であって、前記色効果組成物および前記触覚効果組成物が、同じコーティング層にある、基材。
【請求項3】
請求項1に記載の基材であって、前記色効果組成物および前記触覚効果組成物が異なるコーティング層にある、基材。
【請求項4】
請求項1に記載の基材であって、前記色効果組成物が、マトリックス内に保持された粒子の整った周期的アレイを含む、基材。
【請求項5】
請求項4に記載の基材であって、前記マトリックスがポリマーマトリックスである、基材。
【請求項6】
請求項5に記載の基材であって、前記ポリマーが架橋ポリマーである、基材。
【請求項7】
請求項5に記載の基材であって、前記ポリマーが、ポリウレタン、アクリルポリマー、アルキドポリマー、ポリエステル、シロキサン含有ポリマー、ポリスルフィド、エポキシ含有ポリマー、および/またはエポキシ含有ポリマー由来のポリマーからなる群より選択される、基材。
【請求項8】
請求項7に記載の基材であって、前記ポリマーが架橋アクリルポリマーである、基材。
【請求項9】
請求項4に記載の基材であって、前記マトリックスが、金属酸化物および半導体からなる群より選択される、基材。
【請求項10】
請求項4に記載の基材であって、前記粒子が、ポリウレタン、アクリルポリマー、アルキドポリマー、ポリエステル、シロキサン含有ポリマー、ポリスルフィド、エポキシ含有ポリマー、およびエポキシ含有ポリマー由来のポリマーからなる群より選択されるポリマー材料を含む、基材。
【請求項11】
請求項10に記載の基材であって、前記粒子が、架橋アクリルポリマーを含む、基材。
【請求項12】
請求項4に記載の基材であって、前記粒子が、金属酸化物および半導体からなる群より選択される材料を含む、基材。
【請求項13】
請求項4に記載の基材であって、前記粒子が、0.01〜1ミクロンの平均粒径を有する、基材。
【請求項14】
請求項4に記載の基材であって、前記粒子と前記マトリックスとの間の屈折率における差異が、0.1より大きい、組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2008−507438(P2008−507438A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523646(P2007−523646)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【国際出願番号】PCT/US2005/025702
【国際公開番号】WO2006/020312
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(599087017)ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド (267)
【Fターム(参考)】