説明

色彩選別機

【課題】光学検出部における蛍光灯等からなる光源をシュート等の移送手段の全体の幅より短いものを用いても、被選別物の検出位置の幅方向端部における光量が確保でき、機体の幅を狭くして小型化することが可能な色彩選別機を提供する。
【解決手段】被選別物を移送する移送手段と、該移送手段の端部から落下する被選別物を検出位置において検出する光学検出手段と、該光学検出手段のさらに下方に設けられ当該光学検出手段による検出結果に基づいて被選別物から異物又は不良品を除去するエジェクター手段とを備えた色彩選別機において、前記光学検出手段は、前記検出位置を照明する照明手段と、該検出位置において被選別物を撮像する撮像手段と、該撮像手段の撮像方向であって検出位置の背後に配置されるバックグラウンドとを備えてなり、前記検出位置の幅方向側部には、前記照明手段からの光量の減衰を防止する反射板を配置することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀粒や樹脂ペレット等の粒状物を色彩により選別する色彩選別機に関するものであり、例えば農家等で使用できるよう小型化が可能な色彩選別機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、米や小麦等の穀粒、樹脂ペレット、コーヒー豆、その他の粒状物からなる原料を色彩により良品と不良品に選別したり、原料に混入する異物を色彩により選別除去したりする色彩選別機が知られている。(特許文献1,2参照。)。
【0003】
図5は、特許文献1に記載された色彩選別機の概略斜視図、図6は、図5に記載された色彩選別機における一次選別部の側断面図を示すものである。
特許文献1に記載された色彩選別機は、精米工場等において使用される大型タイプのものであり、図5に示すように複数の一次選別部102A及び二次選別部102Bが並設配置され、装置全体が幅広に形成されるものである。なお、一次選別部102Aと二次選別部102Bはシュート面を除いて略同様の構成からなるものである。
【0004】
図6に示すように、特許文献1に記載された色彩選別機の一次選別部102Aは、一次選別用の穀粒を幅方向に広げた状態で流下移動させるために約60度の角度で傾斜して配置したシュート103と、一次選別用の穀粒を貯留するための貯留タンク104と、貯留タンク104からの一次選別用の穀粒をシュート103に搬送するための振動フィーダ105を備えるものである。また、当該一次選別部102Aは、前記シュート103の下端から流下する穀粒の流下軌跡の上下を挟んで設けられる一対の光学検出部106a,106bと、さらに下方に設けたエジェクターノズル107を備えるものである。さらに、当該一次選別部102Aは、エジェクターノズル107下方で前記シュート103と同傾斜線上にあり、エジェクターノズル107からの噴風を受けずにそのまま流下する穀粒を受ける一次良品排出樋108Aと、該一次良品排出樋108Aの周囲を囲むようにホッパー状に形成され、エジェクターノズル107からの噴風を受けて正常な穀粒から不良品を回収するため一次不良品排出樋109Aを備えるものである。
【0005】
前記光学検出部106a,106bは、それぞれ箱体115a,115bで形成され、穀粒の流下軌跡上側の箱体115aには、可視光用のCCDカメラ116aと、近赤外光用のNIRカメラ117と、蛍光灯等からなる可視光源118a,118aと、ハロゲンランプ等からなる近赤外光源119aと、光学検出部106bの対向用バックグラウンド120aが内装されている。一方、穀粒の流下軌跡下側の箱体115bには、可視光用のCCDカメラ116bと、蛍光灯等からなる可視光源118b,118bと、ハロゲンランプ等からなる近赤外光源119bと、光学検出部106aの対向用バックグラウンド120b,120cが内装されている。そして、各箱体115a,115bにおける穀粒の流下軌跡側には、透明ガラスからなる窓部材121a,121bが嵌め込まれている。なお、上側の箱体115a上部には、エアシリンダにより開閉可能な点検扉122が設けられており、分解の手間が不要で容易に光学検出部106aをメンテナンスすることができるようになっている。
【0006】
このような大型の色彩選別機にあっては、端部に位置する選別部のシュート103外端部においても十分な光量が得られるよう、前記光学検出部106a,106bにおける蛍光灯等からなる可視光源118a,118bは、選別部の全てのシュート103を合わせた幅よりも長いものが用いられ、その外端が、前記端部に位置するシュート103の外端よりも機体の幅方向外側に位置するように配置されている。
【0007】
ところで、色彩選別機の小型化を考えた場合、上記光源118a,118bの外端が、端部に位置するシュート103外端より機体の幅方向外側に位置するよう配置することは好ましくない。
しかしながら、前記全てのシュート103を合わせた幅よりも長さの短い光源を用い、当該光源の外端が、端部に位置するシュート103外端より機体の幅方向内側に位置するよう配置した場合、当該端部に位置するシュート103外端部において十分な光量が得られなくなる問題がある。
【0008】
図7は、特許文献2に記載された穀粒選別機の概略構成図、図8は、図7に記載された穀粒選別機における光学検出部の拡大図、図9は、図8に記載された光学検出部に配置される基準板の斜視図を示すものである。
図7に示すように、特許文献2に記載された穀粒選別機は、ベルトコンベア138に供給された穀粒190が、搬送路に沿って搬送された後、該搬送路の一端から落下することになるが、その左下には、落下してきた穀粒の落下方向を変えるため、ソレノイドにより駆動される板バネからなるエジェクタ144と、選別された穀粒が通る各種の通路が形成された選別筒146を備えるものである。また、選別筒146とベルトコンベア138との間には、落下中の穀粒190を表裏2面から撮影するフロントカメラ140、リヤカメラ142が配置されている。ここで、フロントカメラ140、リヤカメラ142は、共に512画素を備えたラインセンサカメラであり、ベルトコンベア138から落下する穀粒の落下軌道の幅よりも広い所定の線状領域を撮影するものである。
【0009】
図8に示すように、フロントカメラ140の視野中心軸W1は略水平とされており、この軸W1に沿ってレンズ164が設置されている。また、レンズ164の視野を覆うようにしてカバー162が設けられており、軸W1の延長線に対応する位置にスリット163が形成されている。スリット163の先には軸W1に対して対称な位置に一対の蛍光灯170、172が配置されている。
一方、リヤカメラ142の視野中心軸W2は若干下方へ傾いており、この軸W2を中心に、前記フロントカメラ140と同様に、レンズ168、カバー166が配置され、軸W2の延長線に対応する位置にスリット167が形成されている。スリット167の先には軸W2に対して対称な位置に一対の蛍光灯174、176が配置されている。
【0010】
ところで、蛍光灯170は軸W2の延長線上に、蛍光灯174は軸W1の延長線上に、それぞれ位置しており、蛍光灯170からの光がリヤカメラ142に、蛍光灯174からの光がフロントカメラ140に直接差し込むことを回避するため、蛍光灯170、174の表面には所定色の比色板178、180がそれぞれ貼布されている。これら比色板178、180は、選別において、良品とみなされる穀粒と同じ反射率とされている。
【0011】
また、ベルトコンベア138から落下してきた穀粒190は、軸W1、W2の交点F近傍に到達した際に、フロントカメラ140、リヤカメラ142によって撮影されることになるが、これらのカメラにより撮影されるときの位置(検出位置)に、予め基準となる濃度(基準濃度)とされた基準板182が配置されている。
【0012】
図9に示すように、基準板182は、L字状に折り曲げられ両端部を除いて切り欠かれた形状をしている。ここで、切り欠きで残された舌片182A、182Bが上記図8における交点Fに対応する位置に配置され、舌片182Cがカバー166に締結されている。即ち、舌片182A、182Bの間の空間183を穀粒が落下することになり、落下する穀粒と同等の条件で基準板182が撮影されることになる。
【0013】
そして、特許文献2に記載された穀粒選別機は、穀粒検出位置の幅方向に沿って複数個の受光部を並設させたラインセンサカメラの各受光量の光量値が、選別対象である穀粒の正常物からの検出光に対する適正光量範囲を外れているか否かを判別し、適正光量範囲を外れている穀粒を不良物としてエジェクタ144により弾き飛ばすものである。
【0014】
ここで、特許文献2に記載された穀粒選別機は、穀粒を検出位置に搬送しない状態で、良品とみなされる穀粒と同じ反射率とされている比色板178、180と、上記検出位置に設けた基準板182とを撮影したラインセンサカメラの受光情報に基づいて前記適正光量範囲、即ち高レベル側閾値と低レベル側閾値を設定するものである。
具体的には、ラインセンサカメラの各受光部について上記比色板178、180からの受光量により、その最大値に対する各受光部の受光量の比率、即ちシェーディングの度合いを示すシェーディング係数αを求めるとともに、上記受光量の最大値と、上記基準板182からの受光量との比較割合βを予め求めておく。
そして、実際に上記適正光量範囲を設定する場合には、そのときの基準板182からの受光量と上記比較割合βとから上記最大値に対する補正値を求め、その補正値に所望の高低各閾値率を掛け、さらに各受光部のシェーディング係数αを掛けることにより、各受光部毎に高レベル側閾値と低レベル側閾値を設定するものである。
【0015】
ここで、穀粒選別機としては、選別対象の穀粒を横幅方向に広げた状態で検出位置に搬送する形式の他、選別対象の穀粒を一列状態で検出位置に搬送する形式のものもある。そして、この形式の穀粒選別機においては、一般に、穀粒が一列状態で搬送される検出位置について、1つの受光部を配置させるものであるため、上記シェーディング係数αが不要になるが、このシェーディング係数αが不要になる点を除いて、上記と同様の手順により適正光量範囲を定める上記各閾値を設定することができる。
【0016】
特許文献2に記載された穀粒選別機は、毎朝の作業開始時や作業途中において、上記基準板182からの受光量に基づいて穀粒の選別基準となる受光量の適正光量範囲の校正(キャリブレーション)を行うことで、蛍光灯の光量やカメラの受光感度の変動等の影響を取り除くことができるものである。
【0017】
しかしながら、当該穀粒選別機は、上記のとおり基準板182の舌片182A,182B間の空間を穀粒が落下するものであり、使用するうちに該舌片182A,182B表面に穀粒の糠粉などが付着してしまい、上記適正光量範囲の校正が正確に行えなくなる問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2007−283204号公報
【特許文献2】特許第2862821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
そこで、本発明は、光学検出部における蛍光灯等からなる光源にシュート等の移送手段の幅より短いものを用いても、被選別物の検出位置幅方向端部における光量が確保でき、機体の幅を狭くして小型化することが可能な色彩選別機を提供することを第一の目的とする。
【0020】
また、本発明は、基準板への被選別物の粉塵等の付着の影響を受けることなく、穀粒の選別基準となる適正光量範囲の校正を行うことができる色彩選別機を提供することを第二の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するため、本発明は、被選別物を移送する移送手段と、該移送手段の端部から落下する被選別物を検出位置において検出する光学検出手段と、該光学検出手段のさらに下方に設けられ、当該光学検出手段による検出結果に基づいて被選別物から異物又は不良品を除去するエジェクター手段とを備えた色彩選別機において、前記光学検出手段が、前記検出位置を照明する照明手段と、該検出位置において被選別物を撮像する撮像手段と、該撮像手段の撮像方向であって検出位置の背後に配置されるバックグラウンドとを備えてなり、前記検出位置の幅方向側部には、前記照明手段からの光量の減衰を防止する反射板を配置することを特徴とするものである。
【0022】
本発明は、照明手段が移送手段の幅方向端部より内側に配置される一方、反射板は該照明手段より外側に配置されることが好ましい。
【0023】
本発明は、光学検出手段が照明手段と撮像手段をカバーの箱体内に配置して構成され、反射板が当該カバーの幅方向両側壁内面に配置されることが好ましい。
【0024】
本発明は、照明手段の前面に透明板が配置され、当該透明板を清掃する透明板用ワイパー体と前記反射板を清掃する反射板用ワイパー体とが一体で摺動可能な清掃手段を設けることが好ましい。
【0025】
本発明は、透明板の照明手段側における幅方向両端部にキャリブレーション板を設け、撮像手段によるキャリブレーション板の撮像信号に基づいて、被選別物を異物又は不良品と判定するための適正光量範囲を校正することが好ましい。
【0026】
本発明は、光学検出手段が被選別物の検出位置を挟んで上下又は前後に一対配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の色彩選別機は、検出位置の幅方向側部に照明手段からの光量の減衰を防止する反射板を配置するので、検出位置の幅方向端部における光量が確保でき、機体の幅を狭くして装置を小型化することが可能となる。
【0028】
本発明の色彩選別機は、照明手段が移送手段の幅方向端部よりも内側に配置される一方で、反射板が照明手段の外側に配置されるものであれば、機体の幅を狭くして装置の小型化を図ることができる。
【0029】
本発明の色彩選別機は、光学検出手段が照明手段と撮像手段をカバーの箱体内に配置して構成され、反射板が当該カバーの幅方向両側壁内面に配置されるものであれば、光学検出手段をコンパクトなものとすることが可能となる。
【0030】
本発明の色彩選別機は、照明手段の前面に透明板が配置され、当該透明板を清掃する透明板用ワイパー体と前記反射板を清掃する反射板用ワイパー体とが一体で摺動可能な清掃手段を設けるものとすれば、被選別物の粉塵等による透明板と反射板の汚れを一度に、しかも簡単に清掃することができ、検出位置における光量を確保し選別精度の低下を防止することができる。
【0031】
本発明の色彩選別機は、透明板の照明手段側における幅方向両端部にキャリブレーション板を設けるものとすれば、当該キャリブレーション板に被選別物の粉塵等が付着し汚染されることがない。そして、本発明の色彩選別機は、撮像手段によるキャリブレーション板の撮像信号に基づいて、被選別物を異物又は不良品と判定するための適正光量範囲を校正することとすれば、キャリブレーション板が粉塵等の付着による汚れの影響を受けることがないので、前記適正光量範囲の校正を正確に行うことができる。
【0032】
本発明の色彩選別機は、光学検出手段が被選別物の検出位置を挟んで上下又は前後に一対配置されるものであれば、選別作業をより正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態における色彩選別機の正面右上からの全体斜視図。
【図2】図1の色彩選別機における内部構造の概略説明図。
【図3】図2の色彩選別機における光学検出部の拡大図。
【図4】図1の色彩選別機の前側光学検出部を回動させた状態の斜視図。
【図5】従来の色彩選別機の概略斜視図。
【図6】図5の色彩選別機における一次選別部の側断面図。
【図7】従来の穀粒選別機の概略構成図。
【図8】図7の穀粒選別機における光学検出部の拡大図。
【図9】図8の光学検出部に配置される基準板の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0035】
図1は、本発明の実施の形態における色彩選別機の正面右上からの全体斜視図、図2は、前記色彩選別機の右側方からの内部構造の概略説明図であって一次選別部を示すものである。
【0036】
本発明の実施の形態における色彩選別機は、穀粒、樹脂ペレット、コーヒー豆、その他の粒状物を原料として、良品と不良品或いは原料に混入する異物を色彩により選別することができるものである。
【0037】
本発明の実施の形態における色彩選別機1は、原料を揚粒するための昇降部2と、該昇降部2の前面側に位置し原料を選別するための光学選別部3と、該光学選別部3の下方に位置して選別後の原料を前記昇降部2に返還するための振動コンベア4を備えるものである。
【0038】
昇降部2は、第1乃至第3バケットコンベア5〜7を色彩選別機1の正面視幅方向に並設した状態で構成されるものであり、図1に示すように、各バケットコンベア5〜7は、ハウジング内にコンパクトに収納されている。
【0039】
光学選別部3は、色彩選別機1の正面視幅方向に広がる状態で落下する複数の原料を検出する光学検出部32と、該光学検出部32の検出の結果、不良品や異物と判別されるものをエアーにより除去するエジェクター33とを備え、前記幅方向に一次選別部と二次選別部が並んで配置されるものである。なお、一次選別部と二次選別部はシュート面を除いて略同様の構造である。
【0040】
振動コンベア4は、光学選別部3の下方に配置され、当該光学選別部3により選別された原料を、それぞれ対応する各バケットコンベア5〜7に向けて搬送するものである。なお、ここでは振動コンベアを用いているが、ベルトコンベア等の他の手段を用いてもよい。
【0041】
図2に示すように、上記色彩選別機1において、投入ホッパ8に投入された原料は、第1バケットコンベア5により揚粒され、第1貯留タンク15に貯留された後、第1ロータリーバルブ18を介して一定流量で第1シュート24に供給される。
【0042】
第1シュート24上を落下する原料は、一次選別部において検出され、検出の結果、良品は第1排出樋16から、不良品はエジェクター33により弾かれて第2排出樋17から、それぞれ振動コンベア4の対応するトラフ上に落下する。
【0043】
そして、一次選別部において良品とされた原料は、振動コンベア4により第2バケットコンベア6に搬送され揚粒されて、袋詰め等のために機外に排出される。
また、不良品とされた原料は、第3バケットコンベア7に搬送されて、図示しない第2貯留タンクに貯留された後、第2ロータリーバルブを介して一定流量で第2シュートに供給される。
【0044】
第2シュート上を落下する原料は、二次選別部において検出され、検出の結果、良品は第3排出樋18から振動コンベア4の対応するトラフ上に落下し、当該振動コンベア4により第1バケットコンベア5に搬送され投入ホッパ8に投入された原料とともに揚粒されて、再度一次選別部において選別されることとなる。
一方、不良品とされた原料は、エジェクター33により弾かれて第4排出樋19から直接機外に排出される。
【0045】
次に、本発明の実施の形態における色彩選別機1の光学検出部32の構成について詳細に説明する。
【0046】
図3は、本発明の実施の形態における色彩選別機の光学検出部32の内部構造の説明図、また、図4は、前記色彩選別機の前側光学検出部32aを回動させ内部を露出させた状態の斜視図を示すものである。
【0047】
本実施形態における光学検出部32は、図3及び図4に示すように第1シュート24及び第2シュート25を前後に挟んだ状態で配置される、前側光学検出部32aと後側光学検出部32bとから構成される。
【0048】
図3に示すように、前側光学検出部32aは、カバーの箱体内に、例えばCCDラインセンサ等からなる前側センサ34a、ミラー35a、蛍光灯等からなる光源36a、背景手段としてのバックグラウンド37aが配置されてなるものである。また、光源36aが配置される原料流下軌跡側には、カバーの箱体内に原料の粉塵等が入り込むのを防ぐためガラス等の透明板38aが設けられ、当該透明板38aの内側に前記バックグラウンド37aが装着されている。なお、当該バックグラウンド37aは、後側光学検出部32bにおける後側センサ34bの視野中心軸(光軸)上に対向して配置されるものである。
ここで、蛍光灯等からなる光源36aは、前記第1シュート24及び第2シュート25を合わせた幅より長さの短いものが採用され、各シュート24,25の外端よりも内側に配置されている。
【0049】
後側光学検出部32bも同様に、カバーの箱体内にCCDラインセンサ等からなる後側センサ34b、ミラー35b、蛍光灯等からなる光源36b、背景手段としてのバックグラウンド37bが配置されてなるものである。また、光源36bが配置される原料流下軌跡側には、カバーの箱体内に原料の粉塵等が入り込むのを防ぐためにガラス等の透明板38bが設けられ、当該透明板38bの内側に前記バックグラウンド37bが装着されている。なお、当該バックグラウンド37bは、前側光学検出部32aにおける前側センサ34aの視野中心軸(光軸)上に対向して配置されるものである。
ここで、後側光学検出部32bの光源36bも、前記第1シュート24及び第2シュート25を合わせた幅より長さの短いものが採用され、各シュート24,25の外端よりも内側に配置されている。
【0050】
図4に示すように、前側光学検出部32aと後側光学検出部32bとは、両カバーの上部においてヒンジを介して連結され、前側光学検出部32aが上方へ回動可能とされている。そして、前側光学検出部32aにおける光源36aが配置される箇所と、後側光学検出部32bにおける光源36bが配置される箇所の両カバーにおける両側壁内面には、それぞれミラー等からなる反射板51a,51bが取り付けられている。
【0051】
本実施の形態における両光学検出部32a,32bは、図3に示すとおり、各シュート24,25の下端から落下する原料を光源36a,36bにより照明し、検出位置を通過する原料をミラー35a,35bを介して各センサー34a,34bにより撮像するものである。
【0052】
本実施の形態における両光学検出部32a,32bは、前記各シュート24,25を合わせた幅よりも短い長さの光源36a,36bが、各シュート24,25の外端より内側に配置されるものであるが、当該検出位置の側方に位置する両カバーの両側壁内面には、それぞれ反射板51a,51bが取り付けられており、各シュート24,25の外端部における光量を確保することができるものである。
なお、反射板51a,51bは、各シュート24,25の外端部における光量を確保できるものであればよく、ミラー以外にも鏡面仕上げされた他の部材等を用いることができる。
【0053】
また、図4に示すように、後側光学検出部32bには、両光学検出部32a,32bの各透明板38a,38bを清掃するための透明板拭き取りワイパー52a,52bと、両光学検出部32a,32bのカバー両側壁内面に取り付けられた反射板51a,51bを清掃するための反射板拭き取りワイパー52c,52cが一体化された矩形状の清掃用ワイパー53が配置されている。当該清掃用ワイパー53は、エアシリンダ等の駆動手段によりカバー内を上下に摺動し、前記透明板38a,38b及び反射板51a,51bを拭き取り清掃するものである。
【0054】
本実施の形態における両光学検出部32a,32bは、清掃用ワイパー53により透明板38a,38b及び反射板51a,51bを拭き取り清掃するものであるので、原料の粉塵等が付着することによる光量の減少を防ぐことができる。
【0055】
図4に示すように、さらに後側光学検出部32bにおける透明板38bの内側面幅方向両端部には、キャリブレーション板39bが取り付けられており、当該キャリブレーション板39bに原料の粉塵等が直接付着しないよう構成されている。
なお、図示しないが、前側光学検出部32aにおける透明板38aの内側面幅方向両端部にも、同様にキャリブレーション板が取り付けられている。
【0056】
本実施の形態における両光学検出部32a,32bは、毎朝の作業開始時や作業途中において、例えば、特許文献2に記載されたものと同様の方法(前記段落[0014]、[0015]等を参照。)で、各センサー34a,34bにより撮像して得られるキャリブレーション板39a,39bの撮像信号に基づいて、原料を不良品又は異物と判別するための適正光量範囲、即ち高レベル側閾値と低レベル側閾値を校正(補正)し、蛍光灯等の光源の光量やカメラ等の受光感度の変動等の影響を取り除くことができるものであるが、キャリブレーション板39a,39bが透明板38a,38bの内側面に取り付けられているため、原料の粉塵等が付着することによる影響を受けることがない。また、透明板38a,38bの外側面に付着した粉塵等は、上記のとおり清掃用ワイパー53により拭き取り清掃されるため、上記各閾値の校正に際し、原料の粉塵等による影響を最小限に抑えることが可能となる。
【0057】
上記実施の形態における色彩選別機は、光学検出部へ原料を移送する手段として傾斜シュートを用いるものであるが、特許文献2に記載されたもののように水平配置したコンベアを用いるものでもよい。また、上記色彩選別機は、不良品や異物等を除去するエジェクター手段としてエアーを用いるものであるが、特許文献2に記載されたもののようにソレノイド等により駆動される板バネ等を用いるものでもよい。
【0058】
上記色彩選別機は、光学検出部32がシュートを挟んで上下あるいは前後に一対配置されるものであるが、光学検出部32はいずれか一方にのみ配置されるものでもよい。
【0059】
上記色彩選別機は、一次選別部と二次選別部を備えるものであるが、一次選別部のみを備えるものでもよい。また、三次以上の選別部を備えるものでもよい。
【0060】
上記色彩選別機は、検出位置において原料を撮像する撮像手段としてラインセンサを用いるものであるが、エリアセンサを用いるものでもよい。
【0061】
上記色彩選別機は、光学検出部32がカバーの箱体内にセンサ34a,34b、ミラー35a,35b、光源36a,36b、バックグラウンド37a,37bを配置してなるものであるが、これら各部材の配置はこれに限るものでなく、色彩選別機の機体内に配置されるものであればよい。そして、その場合、カバーの両側壁内面に取り付けられる反射板51a、51bは、原料検出位置における幅方向両端部の光量を確保できるよう、色彩選別機の機体内であって当該検出位置の幅方向側部に適宜配置することができる。
【0062】
上記実施の形態において、キャリブレーション板39a,39bを利用して行われる、原料を不良品や異物と判別するための適正光量範囲の校正(補正)も、上記特許文献2に記載された方法に限らず、適宜の方法を採用することができる。
【0063】
本発明の色彩選別機は、上記実施の形態に限らず、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、その構成を適宜変更できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の色彩選別機は、被選別物の検出位置の幅方向側部に、照明手段からの光量の減衰を防止する反射板を配置するものであるから、長さの短い照明手段を採用しても検出位置の幅方向端部における光量が確保でき、機体の幅を狭くして装置を小型化することが可能となる。
また、本発明の色彩選別機は、透明板の照明手段側における幅方向両端部にキャリブレーション板を設けるものであるから、キャリブレーション板が被選別物の粉塵等の付着による汚れの影響を受けることなく被選別物の選別基準となる適正光量範囲の校正を行うことができる。
【符号の説明】
【0065】
1 色彩選別機
2 昇降部
3 光学選別部
4 振動コンベア
8 投入ホッパ
24 第1シュート
25 第2シュート
32 光学検出部
32a 前側光学検出部
32b 後側光学検出部
33 エジェクター
34a 前側センサ
34b 後側センサ
35a,35b ミラー
36a,36b 光源
37a,37b バックグラウンド
38a,38b 透明板
39b キャリブレーション板
51a,51b 反射板
52a,52b 透明板拭き取りワイパー
52c 反射板拭き取りワイパー
53 清掃用ワイパー


































【特許請求の範囲】
【請求項1】
被選別物を移送する移送手段と、該移送手段の端部から落下する被選別物を検出位置において検出する光学検出手段と、該光学検出手段のさらに下方に設けられ当該光学検出手段による検出結果に基づいて被選別物から異物又は不良品を除去するエジェクター手段とを備えた色彩選別機において、
前記光学検出手段は、前記検出位置を照明する照明手段と、該検出位置において被選別物を撮像する撮像手段と、該撮像手段の撮像方向であって検出位置の背後に配置されるバックグラウンドとを備えてなり、
前記検出位置の幅方向側部には、前記照明手段からの光量の減衰を防止する反射板を配置することを特徴とする色彩選別機。
【請求項2】
前記照明手段は、前記移送手段の幅方向端部より内側に配置される一方、前記反射板は該照明手段より外側に配置されることを特徴とする請求項1記載の色彩選別機。
【請求項3】
前記光学検出手段は、前記照明手段と撮像手段をカバーの箱体内に配置して構成され、前記反射板は、当該カバーの幅方向両側壁内面に配置されることを特徴とする請求項1又は2記載の色彩選別機。
【請求項4】
前記照明手段の前面には透明板が配置され、当該透明板を清掃する透明板用ワイパー体と前記反射板を清掃する反射板用ワイパー体とが一体で摺動可能な清掃手段を設けることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の色彩選別機。
【請求項5】
前記透明板の照明手段側における幅方向両端部にキャリブレーション板を設け、前記撮像手段によるキャリブレーション板の撮像信号に基づいて、被選別物を異物又は不良品と判定するための適正光量範囲を校正することを特徴とする請求項4記載の色彩選別機。
【請求項6】
前記光学検出手段は、被選別物の検出位置を挟んで上下又は前後一対配置されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載の色彩選別機。
















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−88096(P2011−88096A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−245113(P2009−245113)
【出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 株式会社食料醸界新聞社 「食料醸界新聞 平成21年10月15日付 第6455号」 平成21年10月15日発行
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成21年6月9日〜6月12日 社団法人日本食品機械工業会主催の「FOOMA JAPAN 2009国際食品工業展」に出品
【出願人】(000001812)株式会社サタケ (223)
【Fターム(参考)】