説明

色止めのための後処理

本発明は、毛髪上に生じた着色処理の洗浄堅牢度を改善するための、および、色止めのための化粧用毛髪後処理剤の使用であって、後処理剤は、式(I):
【化1】


[式中、R1は、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cヒドロキシアルキル基、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル基、カルボキシ−C〜Cアルキル基、アリール−C〜Cアルキル基、ヘテロアリール−C〜Cアルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基を表し、Xは、生理学的に許容性のアニオンを表す]
で示される少なくとも1種のアセチルピリジニウム誘導体を化粧品担体中に含有する、使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後処理方法によって、特に赤みの色調の場合における、洗浄堅牢度が改善された、好ましくは酸化形式で、染色した毛髪の、後処理のための剤および方法に関する。上記後処理剤は、この目的のために、特定のカチオン性アセチルピリジニウム誘導体を含有する。本発明は、さらに、好ましくは赤みの色調向け毛髪用着色剤、特に酸化着色剤を、顕色剤製剤および後処理剤と共に含む、多成分パッケージユニット(キット)に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪の形状および色を変えることは、現代の美容術の重要分野である。そのため、毛髪の外観は、流行のファッション傾向および特定人の個人的要求の両者に合うようになされ得る。特にケラチン含有繊維(例えば人毛)に対する、色調を変化させる化粧剤を提供するための着色方法に対する要求に応じた種々の着色系は、当業者に知られている。
【0003】
いわゆる酸化着色剤は、付随する堅牢度特性を有する、永続的な、激しい着色方法のために使用される。このような着色剤は、通常、いわゆる顕色剤成分とカプラー成分に分けられた酸化染料前駆体生成物を含有し、酸化剤または大気中の酸素の作用で、互いの間で、実際の染料を形成する。酸化着色剤は、一般に、長期持続性の着色効果を得るためのものとして注目される。一時的な着色のためには、いわゆる直接染料を着色成分として含有する着色剤または調色剤を使用することが一般的である。これらは、染料分子であり、基材上に直接染み込み、色を形成するために酸化処理を必要としない。最後に、酸化処理に関して、メラニンの前駆体(天然の毛髪着色物質)を基材(例えば毛髪)上に塗布し毛髪中に生体類似の染料を形成するさらなる着色方法に対して多大な注目が集められている。基材を明るくするかさらにブリーチする場合、基材を着色する染料は、対応する酸化剤(例えば過酸化水素)を用いて、通常は酸化的に、脱色される。
【0004】
白髪を目立たなく隠すために通常なされる自然な色調を作ることに加えて、「流行」の色調を形成することが、酸化的毛髪着色(酸化着色剤)の用途の主要範囲である。強い赤、赤茶、および銅の色合いは、「流行の」色合いとして特に重点が置かれる。しかしながら、赤みの色合いのほとんどが弱い洗浄堅牢度を有することを、当業者は以前から既に知っており、これは、繰り返し毛髪を洗浄した後に、望ましくない色彩強度の低下として顕在化する。例えば汗、太陽光照射、または以前の化粧処理、例えばパーマネントウェーブまたはブリーチなどの環境要因により、毛髪構造が損傷している場合、洗い流しによる色みの損失は、さらにより早く進む。
【0005】
色彩強度の損失は、特に明るい「流行の」色調にとっての欠点として認識される。この既知の欠点を十分に解決することができる剤または方法は、文献において、未だ知られていない。したがって、本発明の課題は、酸化着色処理の後に、色止めを強化することができ、存在する赤い色合いの洗浄堅牢度を改善できる方法を提供することである。そのため、毛髪洗浄を繰り返した後の、色損失または色の流出を減らすことができる。特に損傷した毛髪での赤みの色合いの洗浄堅牢度を改善するためには、不十分な取り組みしかなされていないため、これは新規な着色の顕色剤および後処理系に対する格別の挑戦である。
【0006】
少なくとも1種のカチオン性アセチルピリジニウム誘導体を含有する後処理剤を塗布することにより、赤い色調の洗浄安定性を明らかに改善できることは予測できなかった。本発明のアセチルピリジニウム誘導体の物質種は、毛髪上で色を生じるための剤として(独国特許出願公開第197 45 356号)、または毛髪を明るくするための剤として(独国特許出願公開第10 2007 047685号)、文献から既知である。しかしながら、これらの出願は、酸化着色の効果(特に赤い色調)の着色維持における改善について、当業者に何らの示唆も与えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第197 45 356号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10 2007 047685号明細書
【発明を実施するための形態】
【0008】
したがって、本発明の第1の主題は、毛髪上に生じた着色処理の洗浄堅牢度を改善するための、および、色止めのための化粧用後処理剤の使用であって、ここで、後処理剤は、式(I):
【化1】

[式中、
R1は、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cヒドロキシアルキル基、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル基、カルボキシ−C〜Cアルキル基、アリール−C〜Cアルキル基、ヘテロアリール−C〜Cアルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基を表し、
Xは、生理学的に許容性のアニオンを表す]
で示される少なくとも1種のアセチルピリジニウム誘導体を、化粧品担体中に含有する。
【0009】
本発明の第1の主題の後処理剤は、化粧品担体中に活性物質を含有する。上記化粧品担体は、水性、アリルコール性、または水性アルコール性であることが好ましい。このような化粧品担体は、例えば、クリーム、エマルジョン、ゲル、あるいは界面活性剤を含有する発泡性溶液、例えばシャンプー、フォームエアロゾル、または毛髪における使用に適する他の製剤である。「水性」担体は、本発明の目的のために、少なくとも40重量%、特に50重量%の水を含有する。「水性アルコール性」の担体は、本発明の目的のために、C〜Cアルコール、特にエタノールまたはイソプロパノールを3〜70重量%含有する水性組成物であると理解される。本発明の剤は、さらなる有機溶媒、例えばメトキシブタノール、エチルジグリコール、1,2−プロピレングリコール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ブチレングリコール、グリセロール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、およびジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを、さらに含有することができる。これに関し、すべての水溶性有機溶媒が好ましい。好ましい剤は、非水溶媒をさらに含有するという特徴を有し、特に好ましい本発明の剤は、溶媒を、それぞれの場合において剤に基いて、0.1〜30重量%の濃度、好ましくは1〜20重量%の濃度、きわめて好ましくは2〜10重量%の濃度で含有する。
【0010】
本発明により使用する剤は、必須成分として、式(I)で示されるアセチルピリジニウム誘導体を含有する。式(I)で示される化合物の置換基として挙げられている残基の例を以下に示す。
【0011】
〜Cアルキル残基の例は、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH)、−CHCHCHCH、−CHCH(CH)、−CH(CH)CHCH、−C(CΗ)の基である。
【0012】
〜Cアルケニル基の例は、プロプ−2−エニル基(アリル基)、2−メチル−プロプ−2−エニル基、ブト−3−エニル基、ブト−2−エニル基、ペント−4−エニル基、またはペント−3−エニル基であり、プロプ−2−エニル基が好ましい。
【0013】
〜Cヒドロキシアルキル基の例は、−CHCHOH、−CHCHCHOH、−CHCH(OH)CH、および−CHCHCHCHOHであり、−CHCHOH基が好ましい。
【0014】
〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル基の例は、−CHCHOCH、−CHCHCHOCH、−CHCHOCHCH、−CHCHCHOCHCH、−CHCHOCH(CH)、−CHCHCHOCH(CH)の基である。
【0015】
カルボキシ−C〜Cアルキル基の例は、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基、または3−カルボキシプロピル基である。
【0016】
アリール−C〜Cアルキル基の例は、ベンジル基および2−フェニルエチル基である。
【0017】
ヘテロアリール−C〜Cアルキル基の例は、ピリジン−2−イルメチル基、ピリジン−3−イルメチル基、ピリジン−4−イルメチル基、ピリミジン−2−イルメチル基、ピロール−1−イルメチル基、ピロール−1−イルエチル基、ピラゾール−1−イルメチル基、またはピラゾール−1−イルエチル基である。
【0018】
アリール基の例は、フェニル基、1−ナフチル基、または2−ナフチル基である。
【0019】
ヘテロアリール基の例は、ピリジン−2−イル基、ピリジン−3−イル基、ピリジン−4−イル基、ピリミジン−2−イル基、ピロール−1−イル基、ピロール−2−イル基、ピラゾール−1−イル基、ピラゾール−3−イル基、またはピラゾール−4−イル基である。
【0020】
本発明の一態様において、一般構造(I)の残基R1が、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、またはC〜Cヒドロキシアルキル基を表す、式(I)で示される化合物が好ましい。
【0021】
本発明によれば、R1が、C〜Cアルキル基、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、またはイソプロピル、特に好ましくはメチルを表す場合、特に好ましい。
【0022】
式(I)で示されるアニオンXが、ハロゲン化物、特に塩化物、臭化物、およびヨウ化物、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、C〜Cアルキルスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、過塩素酸塩、1/2−硫酸塩、硫酸水素塩、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、またはテトラクロロジンケートから選択されることが好ましい。本発明によれば、生理学的に許容性のアニオンXが、ハロゲン化物イオン(特に塩化物または臭化物)、硫酸水素塩、1/2−硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、または酢酸塩を表す場合、特に好ましい。
【0023】
式(I)で示されるアセチルピリジニウム誘導体がピリジン環の2位または4位のいずれかにアセチル基を有する場合、本発明の特に有利な特性を有することがわかった。本発明のさらなる態様は、式(I)で示されるアセチルピリジニウム誘導体として、少なくとも1種の2−アセチルピリジニウム誘導体および/または4−アセチルピリジニウム誘導体を含有するという特徴を有する。
【0024】
これに関して、適当なアセチルピリジニウム誘導体は、生理学的に許容性の塩であり、カチオンとして、4−アセチル−1−メチルピリジニウム、4−アセチル−1−アリルピリジニウム、4−アセチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウム、2−アセチル−1−メチルピリジニウム、2−アセチル−1−アリルピリジニウム、および2−アセチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムから選択されるアセチルピリジニウム誘導体を含有する。
【0025】
式(I)で示されるアセチルピリジニウム誘導体が、4−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホン酸塩、4−アセチル−1−メチルピリジニウムベンゼンスルホン酸塩、4−アセチル−1−メチルピリジニウムブロミド、4−アセチル−1−メチルピリジニウムクロリド、4−アセチル−1−メチルピリジニウム硫酸水素塩、4−アセチル−1−メチルピリジニウム酢酸塩、4−アセチル−1−アリルピリジニウム−p−トルエンスルホン酸塩、4−アセチル−1−アリルピリジニウムベンゼンスルホン酸塩、4−アセチル−1−アリルピリジニウムブロミド、4−アセチル−1−アリルピリジニウムクロリド、4−アセチル−1−アリルピリジニウム硫酸水素塩、4−アセチル−1−アリルピリジニウム酢酸塩、2−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホン酸塩、2−アセチル−1−メチルピリジニウムベンゼンスルホン酸塩、2−アセチル−1−メチルピリジニウムブロミド、2−アセチル−1−メチルピリジニウムクロリド、2−アセチル−1−メチルピリジニウム硫酸水素塩、2−アセチル−1−メチルピリジニウム酢酸塩、2−アセチル−1−アリルピリジニウム−p−トルエンスルホン酸塩、2−アセチル−1−アリルピリジニウムベンゼンスルホン酸塩、2−アセチル−1−アリルピリジニウムブロミド、2−アセチル−1−アリルピリジニウムクロリド、2−アセチル−1−アリルピリジニウム硫酸水素塩、および/または2−アセチル−1−アリルピリジニウム酢酸塩から構成される群から選択されるという特徴を有する剤が、本発明によれば、特に好ましい。
【0026】
特に有利な後処理剤は、式(I)で示されるアセチルピリジニウム誘導体が、4−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホン酸塩および/または2−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホン酸塩、特に4−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホン酸塩から選択されるという特徴を有する。
【0027】
一つの態様において、本発明により使用する後処理剤は、式(I)で示されるアセチルピリジニウム誘導体を、それぞれの場合において使用できる状態の剤に基づいて、0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜7.5重量%、好ましくは0.2〜6.5重量%、特に0.5〜5重量%の割合で含有する。
【0028】
式(I)で示されるアセチルピリジニウム誘導体を含有する後処理剤の使用は、酸化着色処理の色止めに特に適当である。
【0029】
したがって、この主題の一つの態様は、酸化着色処理の洗浄堅牢度を改善するためにおよび色止めのために上記後処理剤を使用するという特徴を有する。
【0030】
本発明の課題について「酸化着色処理」は、顕色のために、いわゆる酸化着色剤を使用する着色処理である。このような着色剤は、通常、色修飾成分として酸化染料前駆体生成物(いわゆる顕色剤成分およびカプラー成分)を含有し、酸化剤または大気中の酸素の影響で、互いの間に実際の染料を形成する。
【0031】
酸化染料前駆体生成物を、それぞれの場合において使用できる状態の酸化着色剤に基づいて、0.005〜25重量%、好ましくは0.05〜20重量%、特に好ましくは0.1〜15重量%の分量で使用することが好ましい。
【0032】
酸化着色剤は、少なくとも1種の顕色剤型の酸化染料前駆体生成物、および少なくとも1種のカプラー型の酸化染料前駆体生成物を含有することが好ましい。
【0033】
顕色剤およびカプラー成分を、通常、遊離型で使用する。しかしながら、アミノ基を有する物質の場合、塩の形で、特に塩酸塩および臭酸塩または硫酸塩の形で使用することが好ましい。
【0034】
本発明の顕色剤成分は、p−フェニレンジアミン、二核性顕色剤成分、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、複素環顕色剤成分、および/または前記の物質種の誘導体から選択される。顕色剤成分を、それぞれの場合において使用できる状態の酸化着色剤に基づいて、0.005〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%の分量で使用することが好ましい。
【0035】
好ましいp−フェニレンジアミンは、p−フェニレンジアミン、p−トルイレンジアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−p−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジプロピル−p−フェニレンジアミン、4−アミノ−3−メチル−(N,N−ジエチル)アニリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、4−N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−メチルアニリン、4−N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−クロロアニリン、2−(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−(1,2−ジヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−フルオロ−p−フェニレンジアミン、2−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−3−メチル−p−フェニレンジアミン、N−エチル−N−2−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N−(4'−アミノフェニル)−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)−p−フェニレンジアミン、2−メトキシメチル−p−フェニレンジアミン、2−(2−アセチルアミノエチルオキシ)−p−フェニレンジアミン、N−(2−メトキシエチル)−p−フェニレンジアミン、N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]アミン、5,8−ジアミノベンゾ−1,4−ジオキサンならびにそれらの生理学的に許容性の塩で構成される群の1種以上の化合物から選択される。特に好ましい本発明のp−フェニレンジアミン誘導体は、p−フェニレンジアミン、p−トルイレンジアミン、2−(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−(1,2−ジヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]アミン、2−メトキシメチル−p−フェニレンジアミン、およびおよびこれらの化合物の生理学的に許容性の塩の群の少なくとも1種の化合物から選択される。
【0036】
本発明によれば、顕色剤成分として、アミノ基および/またはヒドロキシル基で置換された少なくとも2個の芳香核を含有する化合物を使用することが、さらに好ましくあり得る。好ましい二核顕色剤成分は、特に、以下の化合物の少なくとも1種から選択される:N,N'−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−N,N'−ビス−(4'−アミノフェニル)−1,3−ジアミノプロパン−2−オール、N,N'−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−N,N'−ビス−(4'−アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N'−ビス−(4'−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−N,N'−ビス−(4'−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'−ビス−[4−(メチルアミノ)フェニル]テトラメチレンジアミン、N,N'−ジエチル−N,N'−ビス−(4'−アミノ−3'−メチルフェニル)エチレンジアミン、ビス−(2−ヒドロキシ−5−アミノフェニル)メタン、N,N'−ビス−(4'−アミノフェニル)−1,4−ジアザシクロヘプタン、N,N'−ビス−(2−ヒドロキシ−5−アミノベンジル)ピペラジン、N−(4'−アミノフェニル)−p−フェニレンジアミン、および1,10−ビス−(2',5'−ジアミノフェニル)−1,4,7,10−テトラオキサデカン、ならびにそれらの生理学的に許容性の塩。特に好ましい二核顕色剤成分は、N,N'−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−N,N'−ビス−(4−アミノフェニル)−1,3−ジアミノプロパン−2−オール、ビス−(2−ヒドロキシ−5−アミノフェニル)メタン、1,3−ビス−(2,5−ジアミノフェノキシ)プロパン−2−オール、N,N’−ビス−(4−アミノフェニル)−1,4−ジアザシクロヘプタン、1,10−ビス−(2,5−ジアミノフェニル)−1,4,7,10−テトラオキサデカンまたは上記化合物の生理学的に許容性の塩の1種から選択される。
【0037】
本発明によれば、顕色剤成分として、p−アミノフェノール誘導体またはそれらの生理学的に許容性の塩の1種を使用することがさらに好ましくあり得る。好ましいp−アミノフェノールは、特にp−アミノフェノール、N−メチル−p−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−3−フルオロフェノール、2−ヒドロキシメチルアミノ−4−アミノフェノール、4−アミノ−3−ヒドロキシメチルフェノール、4−アミノ−2−(2−ヒドロキシエトキシ)フェノール、4−アミノ−2−メチルフェノール、4−アミノ−2−ヒドロキシメチルフェノール、4−アミノ−2−メトキシメチルフェノール、4−アミノ−2−アミノメチルフェノール、4−アミノ−2−[(2−ヒドロキシエチルアミノ)メチル]フェノール、4−アミノ−2−(1,2−ジヒドロキシエチル)フェノール、4−アミノ−2−フルオロフェノール、4−アミノ−2−クロロフェノール、4−アミノ−2,6−ジクロロフェノール、4−アミノ−2−(ジエチルアミノメチル)フェノール、およびそれらの生理学的に許容性の塩である。特に好ましい化合物は、p−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−2−アミノメチルフェノール、4−アミノ−2−(1,2−ジヒドロキシエチル)フェノール、および4−アミノ−2−(ジエチルアミノメチル)フェノール、または上記化合物の生理学的に許容性の塩の1種である。
【0038】
顕色剤成分を、さらに、o−アミノフェノールおよびその誘導体、例えば2−アミノ−4−メチルフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、または2−アミノ−4−クロロフェノールから選択することができる。
【0039】
顕色剤成分を、さらに、複素環顕色剤成分、例えばピリミジン誘導体、ピラゾール誘導体、ピラゾロピリミジン誘導体、それらの生理学的に許容性の塩のそれぞれから選択することができる。好ましいピリミジン誘導体は、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン、2−ジメチルアミノ−4,5,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジヒドロキシ−5,6−ジアミノピリミジン、および2,5,6−トリアミノピリミジンの化合物である。好ましいピラゾール誘導体は、4,5−ジアミノ−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4−ジアミノピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(4'−クロロベンジル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1,3−ジメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−フェニルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−メチル−3−フェニルピラゾール、4−アミノ−1,3−ジメチル−5−ヒドラジノピラゾール、1−ベンジル−4,5−ジアミノ−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−t−ブチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−t−ブチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−(4'−メトキシフェニル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−ヒドロキシメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−イソプロピルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−イソプロピルピラゾール、4−アミノ−5−(2−アミノエチル)アミノ−1,3−ジメチルピラゾールおよびそれらの生理学的に許容性の塩の中から選択される化合物である。
【0040】
好ましいピラゾロピリミジン誘導体は、特に、ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンの誘導体および互変異性平衡が存在する場合はそれらの互変異性型である。ピラゾロ[1,5a]ピリミジンは、特に、以下から選択される:ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン、2,5−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン、ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,5−ジアミン、2,7−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,5−ジアミン、3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン7−オール、3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン5−オール、2−(3−アミノピラゾロ[1,5−a]−ピリミジン7−イルアミノ)エタノール、2−(7−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン3−イルアミノ)エタノール、2−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン7−イル)−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、2−[(7−アミノピラゾロ[1,5−a]−ピリミジン3−イル)−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、5,6−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン、2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン、3−アミノ−7−ジメチルアミノ−2,5−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、ならびにそれらの生理学的に許容性の塩および互変異性平衡が存在する場合はそれらの互変異性型。
【0041】
極めて好ましい顕色剤成分は、p−フェニレンジアミン、p−トルイレンジアミン、2−(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−(1,2−ジヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−メトキシメチル−p−フェニレンジアミン、N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)−プロピル]アミン、N,N'−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−N,N'−ビス−(4−アミノフェニル)−1,3−ジアミノプロパン−2−オール、ビス−(2−ヒドロキシ−5−アミノフェニル)メタン、1,3−ビス−(2,5−ジアミノフェノキシ)プロパン−2−オール、N,N'−ビス−(4−アミノフェニル)−1,4−ジアザシクロヘプタン、1,10−ビス−(2,5−ジアミノフェニル)−1,4,7,10−テトラオキサデカン、p−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−2−アミノメチルフェノール、4−アミノ−2−(1,2−ジヒドロキシエチル)フェノールおよび4−アミノ−2−(ジエチルアミノメチル)フェノール、4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)ピラゾール、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン、ならびにそれらの生理学的に許容性の塩が構成する群の少なくとも1種の化合物から選択される。
【0042】
酸化着色に関して、カプラー成分単独では顕著な着色は生じないが、そのかわりに、顕色剤成分の存在が常に必要である。したがって、本発明において、少なくとも1種のカプラー成分を使用する場合、少なくとも1種の顕色剤成分をさらに使用することが好ましい。
【0043】
本発明のカプラー成分を、m−アミノフェノール、m−ジアミノベンゼン、o−ジアミノベンゼン、o−アミノフェノール、少なくとも1種のヒドロキシ基を有するナフタレン誘導体、ジ−またはトリヒドロキシベンゼン、ピリジン、ピリミジン、モノヒドロキシインドール、モノアミノインドール、モノヒドロキシインドリン、モノアミノインドリン、ピラゾロン、ベンゾモルホリン、キノキサリン、および/または前記の物質種の誘導体から選択することが好ましい。カプラー成分を、それぞれの場合において使用できる状態の酸化着色剤に基づいて、0.005〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%の分量で使用することが好ましい。
【0044】
本発明によれば、m−アミノフェノールまたはその誘導体を、m−アミノフェノール、5−アミノ−2−メチルフェノール、N−シクロペンチル−3−アミノフェノール、3−アミノ−2−クロロ−6−メチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシエタノール、2,6−ジメチル−3−アミノフェノール、3−トリフルオロアセチルアミノ−2−クロロ−6−メチルフェノール、5−アミノ−4−クロロ−2−メチルフェノール、5−アミノ−4−メトキシ−2−メチルフェノール、5−(2'−ヒドロキシエチル)アミノ−2−メチルフェノール、3−ジエチルアミノフェノール、N−シクロペンチル−3−アミノフェノール、1,3−ジヒドロキシ−5−(メチルアミノ)ベンゼン、3−エチルアミノ−4−メチルフェノール、2,4−ジクロロ−3−アミノフェノール、および上記の化合物の生理学的に許容性の塩が構成する群の少なくとも1種の化合物から選択することが好ましい。
【0045】
本発明によれば、m−ジアミノベンゼンまたはその誘導体を、m−フェニレンジアミン、2−(2,4−ジアミノフェノキシ)エタノール、1,3−ビス(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、1−メトキシ−2−アミノ−4−(2'−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン、1,3−ビス(2,4−ジアミノフェニル)プロパン、2,6−ビス(2'−ヒドロキシエチルアミノ)−1−メチルベンゼン、2−({3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4−メトキシ−5−メチルフェニル}アミノ)エタノール、2−({3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−メトキシ−5−メチルフェニル}アミノ)エタノール、2−({3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4,5−ジメチルフェニル}アミノ)エタノール、2−[3−モルホリン−4−イルフェニル)アミノ]エタノール、3−アミノ−4−(2−メトキシエトキシ)−5−メチルフェニルアミン、1−アミノ−3−ビス−(2'−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、およびそれらの生理学的に許容性の塩が構成する群の少なくとも1種の化合物から選択することが好ましい。
【0046】
本発明によれば、o−ジアミノベンゼンまたはその誘導体を、3,4−ジアミノ安息香酸および2,3−ジアミノ−1−メチルベンゼン、およびそれらの生理学的に許容性の塩が構成する群の少なくとも1種の成分から選択することが好ましい。
【0047】
ジヒドロキシベンゼンまたはトリヒドロキシベンゼンおよびそれらの誘導体を、レゾルシノール、レゾルシノールモノメチルエーテル、2−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、2,5−ジメチルレゾルシノール、2−クロロレゾルシノール、4−クロロレゾルシノール、ピロガロール、および1,2,4−トリヒドロキシベンゼンが構成する群の少なくとも1種の化合物から選択することが好ましい。
【0048】
本発明によれば、ピリジン誘導体を、2,6−ジヒドロキシピリジン、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、2−アミノ−5−クロロ−3−ヒドロキシピリジン、3−アミノ−2−メチルアミノ−6−メトキシピリジン、2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン、2,6−ジヒドロキシ−4−メチルピリジン、2,6−ジアミノピリジン、2,3−ジアミノ−6−メトキシピリジン、3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2−(2−メトキシエチル)アミノ−3−アミノ−6−メトキシピリジン、2−(4'−メトキシフェニル)アミノ−3−アミノピリジン、および前記の化合物の生理学的に許容性の塩が構成する群の少なくとも1種の化合物から選択することが好ましい。
【0049】
少なくとも1種のヒドロキシ基を有する好ましいナフタレン誘導体を、1−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、2−ヒドロキシメチル−1−ナフトール、2−ヒドロキシエチル−1−ナフトール、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、および2,3−ジヒドロキシナフタレンが構成する群の少なくとも1種の化合物から選択する。
【0050】
本発明によれば、インドール誘導体を、4−ヒドロキシインドール、6−ヒドロキシインドール、および7−ヒドロキシインドール、および前記の化合物の生理学的に許容性の塩が構成する群の少なくとも1種の化合物から選択することが好ましい。
【0051】
本発明によれば、インドリン誘導体を、4−ヒドロキシインドリン、6−ヒドロキシインドリン、および7−ヒドロキシインドリン、および前記の化合物の生理学的に許容性の塩が構成する群の少なくとも1種の化合物から選択することが好ましい。
【0052】
好ましいピリミジン誘導体は、4,6−ジアミノピリミジン、4−アミノ−2,6−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジン、2,4,6−トリヒドロキシピリミジン、2−アミノ−4−メチルピリミジン、2−アミノ−4−ヒドロキシ−6−メチルピリミジン、および4,6−ジヒドロキシ−2−メチルピリミジン、および前記の化合物の生理学的に許容性の塩が構成する群の少なくとも1種の化合物から選択される。
【0053】
本発明によれば、カプラー成分を、3−アミノフェノール、5−アミノ−2−メチルフェノール、3−アミノ−2−クロロ−6−メチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシエタノール、5−アミノ−4−クロロ−2−メチルフェノール、5−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−メチルフェノール、2,4−ジクロロ−3−アミノフェノール、2−アミノフェノール、3−フェニレンジアミン、2−(2,4−ジアミノフェノキシ)エタノール、1,3−ビス(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、1−メトキシ−2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン、1,3−ビス(2,4−ジアミノフェニル)プロパン、2,6−ビス(2'−ヒドロキシエチルアミノ)−1−メチルベンゼン、2−({3−[(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]−4−メトキシ−5−メチルフェニル}アミノ)エタノール、2−({3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−メトキシ−5−メチルフェニル}アミノ)エタノール、2−({3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4,5−ジメチルフェニル}アミノ)エタノール、2−[3−モルホリン−4−イルフェニル)アミノ]エタノール、3−アミノ−4−(2−メトキシエトキシ)−5−メチルフェニルアミン、1−アミノ−3−ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、4−クロロレゾルシノール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、3−アミノ−2−メチルアミノ−6−メトキシピリジン、2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン、3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン、1−フェニル−3−メチルピラゾール−5−オン、1−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、4−ヒドロキシインドール、6−ヒドロキシインドール、7−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシインドリン、6−ヒドロキシインドリン、7−ヒドロキシインドリン、またはこれらの化合物の混合物または前記の化合物の生理学的に許容性の塩の中から選択することが特に好ましい。
【0054】
これに関して、顕色剤成分およびカプラー成分を、通常、互いに近似するモル量で使用する。モル使用が有利であることがわかったが、個別の酸化染料前駆体生成物が、いくらか過剰であることは不利ではないため、顕色剤成分およびカプラー成分は、3:1〜1:3、特に2:1〜1:2のモル比で存在することができる。
【0055】
式(I)で示される少なくとも1種のアセチルピリジニウム誘導体を化粧品担体中に含有する本発明の後処理剤の使用は、酸化着色処理が、赤い色調、赤みがかった色調、または赤茶の色調を含む場合に、特に有利であることが分かった。このような色調は、特定の酸化染料前駆体生成物を使用することにより好ましく作ることができる。これらは、特に、顕色剤型の複素環酸化染料前駆体生成物を含む。
【0056】
したがって、本発明の第1の主題のさらなる態様は、酸化着色処理の洗浄堅牢度を改善するために本発明により使用する後処理剤の色の形成が、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン、2−ジメチルアミノ−4,5,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジヒドロキシ−5,6−ジアミノピリミジン、および2,5,6−トリアミノピリミジン、ならびに4,5−ジアミノ−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4−ジアミノピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(4'−クロロベンジル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1,3−ジメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−フェニルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−メチル−3−フェニルピラゾール、4−アミノ−1,3−ジメチル−5−ヒドラジノピラゾール、1−ベンジル−4,5−ジアミノ−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−t−ブチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−t−ブチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−(4−メトキシフェニル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−ヒドロキシメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−イソプロピルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−イソプロピルピラゾール、4−アミノ−5−(2−アミノエチル)アミノ−1,3−ジメチルピラゾール、およびそれらの生理学的に許容性の塩が構成する群から選択される、顕色剤型の少なくとも1種の酸化染料前駆体生成物の使用に基づくという特徴を有する。
【0057】
酸化着色を、4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)ピラゾールおよび/または2,4,5,6−テトラアミノピリミジンから選択される少なくとも1種の顕色剤型の酸化染料前駆体生成物を使用して作ることが特に好ましい。
【0058】
赤い色調、赤みがかった色調、または赤茶色の色調を、顕色剤型およびカプラー型の特定の酸化染料前駆体生成物の特別な組合せを用いて、好ましく作りだすことができる。以下から選択され少なくとも1種の顕色剤/カプラーの組合せを色を構成するために使用する場合、洗浄堅牢度の改善、酸化着色処理の色止めのために、式(I)で示される少なくとも1種のアセチルピリジニウム誘導体を化粧品担体中に含有する後処理剤が本発明の好ましい方法で使用される:
2,4,5,6−テトラアミノピリミジンおよびレゾルシノール;
2,4,5,6−テトラアミノピリミジンおよび2−メチルレゾルシノール;
2,4,5,6−テトラアミノピリミジンおよび4−クロロレゾルシノール;
2,4,5,6−テトラアミノピリミジンおよび2,6−ビス(2'−ヒドロキシエチルアミノ)−1−メチルベンゼン;
4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)ピラゾールおよびレゾルシノール;
4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)ピラゾールおよび2−メチルレゾルシノール;
4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)ピラゾールおよび4−クロロレゾルシノール;
4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)ピラゾールおよび3−アミノフェノール;
4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)ピラゾールおよび3−アミノ−2−クロロ−6−メチルフェノール;
4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)ピラゾールおよび5−アミノ−2−メチルフェノール;
4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)ピラゾールおよび1−ヒドロキシナフタレン;および
4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)ピラゾールおよび2,4−ジクロロ−m−アミノフェノール。
【0059】
酸化着色処理の場合、酸化染料前駆体生成物からの顕色を、原則として、大気中の酸素を使用して作用させることができる。しかしながら、特に、着色に加えて人毛の明色化作用を望む場合、化学的酸化剤を使用することが好ましい。この明色化作用は、着色処理にかかわらず望まれ得る。適当な酸化剤は、過硫酸塩、ペルオキソ二硫酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩であり、および、特に過酸化水素および/またはその有機化合物または無機化合物との固体付加生成物の1種である。
【0060】
酸化剤による、酸化染料前駆体生成物の早期の望ましくない反応を防ぐために、通常、酸化染料前駆体生成物と酸化剤自体を互いに別々に充填し、使用の直前に始めて接触させる。
【0061】
酸化剤製剤は、酸化剤として、過酸化水素および/またはそれらの有機化合物または無機化合物、例えば尿素、メラミン、およびホウ酸ナトリウムとの固体付加生成物の1種を含有することが好ましい。
【0062】
使用できる状態の剤における酸化剤の量は、それぞれの場合において、使用できる状態の剤に基づいて、好ましくは0.5〜12重量%、好ましくは2〜10重量%、特に好ましくは3〜6重量%(100%Hとして算出)である。
【0063】
この種の酸化剤製剤は
水性で流動性の酸化剤製剤であることが好ましい。これに関して、好ましい製剤は、流動性の酸化剤製剤が、水を、その重量に基づいて40〜90重量%、好ましくは50〜85重量%、特に好ましくは55〜8重量%、より好ましくは60〜77.5重量%、特に65〜75重量%含有するという特徴を有する。
【0064】
しかしながら、染料前駆体生成物の酸化を活性化する触媒(例えば大気中の酸素)と共に、酸化着色剤を毛髪に塗布することもできる。このような触媒は、例えば、特定の酵素、ヨウ化物、キノン、または金属イオンである。
【0065】
さらに、酸化剤製剤が、少なくとも1種の安定剤または錯化剤を含有する場合に有利であることが分かった。特に好ましい安定剤は、フェナセチン、アルカリ安息香酸エステル(安息香酸ナトリウム)およびサリチル酸である。既存技術の全ての錯化剤を用いることも可能である。これらは種々の化学群に属してよく、所望により単独でまたは互いの混合物で使用する。本発明の好ましい錯化剤は、窒素−含有ポリカルボン酸、特にEDTA、およびホスホン酸塩、好ましくはヒドロキシアルカンホスホン酸塩またはアミノアルカンホスホン酸塩、特に1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸塩(HEDP)もしくはそのジ−またはテトラナトリウム塩および/またはエチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸塩(EDTMP)もしくはそのヘキサナトリウム塩および/またはジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸塩(DTPMP)もしくはそのヘプタ−またはオクタナトリウム塩である。
【0066】
使用できる状態の着色製剤、および後処理剤は、さらなる補助剤および添加剤を含有することができる。例えば、着色製剤、酸化剤製剤、および/または後処理剤が、少なくとも1種の増粘剤を含有する場合、有利であることが分かった。原則として、この増粘剤に関して制限はない。有機増粘剤および完全に無機の増粘剤の両方を使用することができる。
【0067】
適当な増粘剤は、
・アニオン性合成ポリマー;
・カチオン性合成ポリマー;
・天然に存在する増粘剤、例えば非イオン性グアーガム、スクレログルカンガムまたはキサンタンガム、アラビアガム、ガッチガム、カラヤガム。、トラガカントガム、カラギーナンガム、寒天、ローカストビーン粉末、ペクチン、アルギン酸塩、デンプン断片および誘導体、例えばアミロース、アミロペクチン、およびデキストリン、ならびにセルロース誘導体、例えば、メチルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、およびヒドロキシアルキルセルロース;
・非イオン性完全合成ポリマー、例えばポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリジノン;および
・無機増粘剤、特に層状ケイ酸塩、例えばベントナイト、特にスメクタイト、例えばモンモリナイトまたはヘクトライト
である。
【0068】
着色剤製剤の性能をさらに向上するために、少なくとも1種のSiO化合物、例えばケイ酸またはケイ酸塩、特に水ガラスを、本発明の組成物にさらに加えることができる。本発明によれば、SiO化合物を、それぞれの場合において、本発明による無水の組成物に基づいて、0.05重量%〜15重量%の分量、特に好ましくは0.15重量%〜10重量%の分量、きわめて好ましくは0.2重量%〜5重量%の分量で使用することが好ましくあり得る。上記の量は、それぞれの場合において、剤における(それらの水分を含まない)SiO化合物の濃度を表す。
【0069】
上記の後処理剤の使用は、さらに、直接染料に由来する着色方法の、洗浄堅牢度の改善をもたらし、色止めに役立つ。酸化着色剤は、少なくとも1種の直接染料をさらに含有することもできる。これらは、毛髪に直接しみ込む染料であり、色を形成するために酸化的方法を必要としない。直接染料は、通常、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン、またはインドフェノールである。直接染料は、アニオン性、カチオン性、および非イオン性直接染料として知られている。直接染料を、それぞれ、塗布製剤の全体に基づいて、0.001〜20重量%の分量で使用することが好ましい。
【0070】
好ましいアニオン性直接染料は、国際称号または商品名のアシッドイエロー1、イエロー10、アシッドイエロー23、アシッドイエロー36、アシッドオレンジ7、アシッドレッド33、アシッドレッド52、ピグメントレッド57:1、アシッドブルー7、アシッドグリーン50、アシッドバイオレット43、アシッドブラック1、アシッドブラック52、ブロモフェノールブルーおよびテトラブロモフェノールブルーで知られる化合物である。
【0071】
好ましいカチオン性直接染料は、カチオン性トリフェニルメタン染料、例えば、ベーシックブルー7、ベーシックブルー26、ベーシックバイオレット2、およびベーシックバイオレット14、第四級窒素基で置換された芳香族系、例えばベーシックイエロー57、ベーシックレッド76、ベーシックブルー99、ベーシックブラウン16、およびベーシックブラウン17、ならびに少なくとも1種の第四級窒素原子を有する複素環を含有する直接染料、特にベーシックイエロー87、ベーシックオレンジ31、およびベーシックレッド51である。Arianorの商標名で販売されるカチオン性直接染料も同様に、本発明の好ましいカチオン性直接染料である。
【0072】
非イオン性ニトロおよびキノン染料、および中性アゾ染料が、非イオン性直接染料として特に適当である。好ましい非イオン性直接染料は、国際称号または商品名のHCイエロー2、HCイエロー4、HCイエロー5、HCイエロー6、HCイエロー12、HCオレンジ1、ディスパースオレンジ3、HCレッド1、HCレッド3、HCレッド10、HCレッド11、HCレッド13、HCレッドBN、HCブルー2、HCブルー11、HCブルー12、ディスパースブルー3、HCバイオレット1、ディスパースバイオレット1、ディスパースバイオレット4、ディスパースブラック9、ならびに1,4−ジアミノ−2−ニトロベンゼン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、1,4−ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−ニトロベンゼン、3−ニトロ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノフェノール、2−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−4,6−ジニトロフェノール、4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−ニトロ−1−メチルベンゼン、1−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−5−クロロ−2−ニトロベンゼン、4−アミノ−3−ニトロフェノール、1−(2'−ウレイドエチル)アミノ−4−ニトロベンゼン、2−[(4−アミノ−2−ニトロフェニル)アミノ]安息香酸、6−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、ピクラミン酸およびその塩、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、4−エチルアミノ−3−ニトロ安息香酸、および2−クロロ−6−エチルアミノ−4−ニトロフェノールで知られる化合物である。
【0073】
式(I)で示されるアセチルピリジニウム誘導体を含有する後処理剤の使用は、着色化合物として少なくとも1種の少なくとも1種の生体類似の染料前駆体生成物および/または少なくとも1種のオキソ染料前駆体生成物を含有する着色剤を用いて生じた色の色止めに対して同様に適当である。
【0074】
染料前駆体として使用する生体類似の染料は、好ましくは六員環上の置換基として、ヒドロキシ基および/またはアミノ基から選択される少なくとも2個の基を含む、インドールおよびインドリンであることが好ましい。これらの基がさらなる置換基を有していてもよく、例えばヒドロキシ基のエーテル化またはエステル化の形態、または、アミノ基のアルキル化の形態である。さらなる態様において、着色剤は、少なくとも1種のインドール誘導体および/またはインドリン誘導体を含有する。生体類似の染料の前駆体を含有する本発明の組成物を、空気−酸化着色剤として使用することが好ましい。そのため、この態様において、上記の組成物は、組成物に添加するさらなる酸化剤を有さない。生体類似の染料の染料前駆体は、それぞれ、塗布製剤の全体に基づいて、0.001〜5重量%の分量で使用することが好ましい。直接染料の総量は、好ましくは、多くても3重量%である。
【0075】
好ましいインドリン誘導体は、5,6−ジヒドロキシインドリン、N−メチル−5,6−ジヒドロキシインドリン、N−エチル−5,6−ジヒドロキシインドリン、N−プロピル−5,6−ジヒドロキシインドリン、N−ブチル−5,6−ジヒドロキシインドリン、ならびに5,6−ジヒドロキシインドリン−2−カルボン酸であり、特に好ましくは5,6−ジヒドロキシインドリンである。好ましいインドール誘導体は、5,6−ジヒドロキシインドール、N−メチル−5,6−ジヒドロキシインドール、N−エチル−5,6−ジヒドロキシインドール、N−プロピル−5,6−ジヒドロキシインドール、N−ブチル−5,6−ジヒドロキシインドール、5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸であり、特に5,6−ジヒドロキシインドールである。
【0076】
色を付与するためのさらなる可能性は、いわゆるオキソ染料前駆体生成物を含有する着色剤を使用することである。したがって、さらなる態様において、オキソ染料前躯体生成物を本発明の色修飾成分として使用することもできる。オキソ染料前躯体生成物は、少なくとも1個の反応性カルボニル基を含有する少なくとも1種の(オキソ1)化合物と、C,H−酸性化合物、および/または第1級または第2級アミノ基またはヒドロキシ基を有する化合物から選択される少なくとも1種の(オキソ2)化合物との組合せで使用することが好ましい。
【0077】
上記の(オキソ1)および(オキソ2)成分は、一般に、それ自体が染料ではないため、それぞれが個々に検討されている場合、それらだけではケラチンを含有する繊維の着色に対して適さない。組み合わせると、オキソ染色と称される非酸化方法で、それらは実際の染料を形成する。得られた着色は、多くの場合に、ケラチン含有繊維において酸化染色の場合と同等の染色堅牢度値を有する。
【0078】
それにも関わらず、本発明によれば、(オキソ2)がC,H−酸性化合物の中からのみ選択される場合が好ましい。上記に挙げた(オキソ1)および(オキソ2)化合物は、各々使用され、それらを使用する場合、それぞれの場合に使用できる状態の剤の総重量に基づいて、0.001〜10重量%、特に0.01〜5重量%の分量で使用することが好ましい。
【0079】
酸化染料前駆体生成物、直接染料、オキソ染料前躯体生成物、または生体類似の染料が、それぞれの場合において、単一の化合物を示す必要はない。その代わりに、個々の染料の製造方法に応じてさらなる成分を少量で含有することができ、ただし、それらは着色結果に不利な影響を与えず、あるいは、他の理由(例えば毒性)で除かれるべき必要がないものである。
【0080】
色定着のための後処理剤の本発明による使用を、毛髪の着色(好ましくは酸化着色)の後に行う。
【0081】
したがって、本発明のさらなる主題は、人の毛髪の着色および後処理のための方法であり、この方法は、以下の特徴を有する:
a)第1工程において、毛髪に着色剤を用いる着色処理を施し、
b)第2工程において、色運搬物質を毛髪から洗い流し、次いで、毛髪を任意に乾かし、
c)第3工程において、次いで、式(I):
【化2】

[式中、
R1は、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cヒドロキシアルキル基、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル基、カルボキシ−C〜Cアルキル基、アリール−C〜Cアルキル基、ヘテロアリール−C〜Cアルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基を表し、
Xは、生理学的に許容性のアニオンを表す]
で示される少なくとも1種のアセチルピリジニウム誘導体を化粧品担体中に含有する化粧用毛髪処理剤で毛髪に後処理を施す。
【0082】
この方法の詳細な態様は、第1工程a)において、酸化着色剤を用いて毛髪に酸化着色処理を施すことを特徴とする。第1工程a)は、次いで、人毛の酸化着色を特徴とする。このため、少なくとも1種の酸化染料前駆体生成物ならびに任意に酸化剤を化粧品担体中に含有する、使用できる状態の着色製剤を、酸化着色剤として毛髪上に塗布し、毛髪上に5〜45分の接触時間の間、放置する。
【0083】
酸化着色剤は、少なくとも1種の酸化染料前駆体生成物を化粧品単体に含有する製剤と、酸化剤製剤とを、使用する直前に混合することにより作ることができる。
【0084】
使用できる状態の着色製剤の接触時間は、5〜45分、特に10〜40分、特に好ましくは15〜35分に相当することが好ましい。
【0085】
繊維への剤の接触時間の間、熱を与えることにより着色作用を補助することが有利であり得る。外部の熱源、例えば温風送風機からの温風により熱を与えることができ、さらに、特に生体の毛髪着色処理の場合、生体の体温により熱を与えることができる。後者について、通常、着色すべき部位をフードで覆う。室温での接触段階も、同様に、本発明に従う。接触時間の間の温度は、特に0℃〜40℃、特に25℃〜38℃である。酸化着色剤は、生理学的に許容性の45℃未満の温度で、激しい着色を既に生じる。
【0086】
接触時間が終了した後、第2工程b)において、水または洗浄剤で、残っている色運搬物質を毛髪から洗い流す。市販の普通のシャンプーを、特にこれに関して洗浄剤とすることができ、この場合において、特に着色剤が高い界面活性剤含量を有する媒体を有する場合、洗浄剤を省略することができ、洗い流す操作を水道水を用いて行うことができる。
【0087】
第3処理工程の前に、毛髪を任意に乾かすことができる。しかしながら、後処理を湿った毛髪で行うこともできる。
【0088】
本発明の方法は、第2処理工程の終わりと第3処理工程の後処理との間に、経過する時間が長すぎないことを特徴とする。後処理は、第2処理工程の後に、通常60分未満、好ましくは30分未満、特に10分未満、特に好ましくは直後に続く。
【0089】
第3処理工程c)において、本発明の後処理剤を(まだ湿っている、または、今は乾いている)毛髪上に塗布し、5〜45分、好ましくは5〜30分、そこに放置する。後処理剤の繊維上での接触時間の間、熱を与えることにより処理作用を補助することが、同様に、有利であり得る。接触時間の間の温度は、特に20〜40℃、特に25℃〜38℃である。
【0090】
後処理剤を「つけたままの」製品のように使用する場合、後処理の後のさらなる洗い流し操作を行わない。しかしながら、さらなる態様において、後処理剤を「洗い流す」製品のように使用することもできる。この場合、さらなる洗い流し操作が、追加の処理工程として続く。ここで、第2処理b)に関する記載を同様に適用する。
【0091】
前述した本発明の主題の着色剤(好ましくは酸化着色剤)および後処理剤は、追加の活性物質、補助剤および添加剤を、さらに含有することができる。
【0092】
剤を、流動性の製剤として使用可能にすることが好ましく、したがって、乳化剤または界面活性剤を、それに追加して添加する。界面活性な物質は、用途分野によって、「界面活性剤」または「乳化剤」と称され、アニオン性、カチオン性、双性イオン性、両性、および非イオン性の界面活性剤および乳化剤から選択される。
【0093】
本発明により好ましい剤は、剤が少なくとも1種のアニオン性界面活性剤をさらに含有するという特徴を有する。好ましいアニオン性界面活性剤は、脂肪酸、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、およびアルキル基において10〜20個の炭素原子および分子内に16個以下のグリコールエーテル基を有するエーテルカルボン酸である。アニオン性界面活性剤を、使用できる状態の剤の総量に基づいて、0.1〜45重量%、好ましくは1〜30重量%、極めて特に1〜15重量%の分量で使用する。
【0094】
本発明により好ましい剤は、剤が少なくとも1種の双性イオン性界面活性剤をさらに含有するという特徴を有する。特に適当な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタインおよびN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシン酸塩、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシン酸塩、および2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリンである。好ましい双性イオン性界面活性剤は、Cocamidopropyl BetaineのINCI名で知られる脂肪酸アミド誘導体である。
【0095】
本発明により好ましい剤は、剤が少なくとも1種の両性界面活性剤をさらに含有するという特徴を有する。適当な両性界面活性剤の例は、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸、およびアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート、およびC12〜C18アシルサルコシンである。
【0096】
さらに、剤が非イオノゲン界面活性物質をさらに含有する場合に有利であることがわかった。アルキルポリグリコシドが、それぞれの場合において脂肪アルコールまたは脂肪酸の1モルあたりに2〜30モルのエチレンオキシドを有する、飽和直鎖状の脂肪アルコールおよび脂肪酸とのアルキレンオキシド付加生成物と同様に、好ましい非イオノゲン界面活性剤として有効であることがわかった。製剤が、エトキシ化グリセロールの脂肪酸エステルを非イオン性界面活性剤として含有する場合、顕著な特性を有する製剤が同様に得られる。
【0097】
非イオン性、双性イオン性、または両性界面活性剤を、使用できる状態の剤の総量に基づいて、0.1〜45重量%、好ましくは1〜30重量%、きわめて好ましくは1〜15重量%の分量で使用する。
【0098】
本発明により適当な剤は、第四級化アンモニウム化合物、エステルクォート、およびアミドアミン型のカチオン性界面活性剤を含有することもできる。好ましい第四級化アンモニウム化合物は、ハロゲン化アンモニウム、ならびにQuaternium-27およびQuaternium-83のINCI名で知られるイミダゾリウム化合物である。本発明により使用できるさらなるカチオン性界面活性剤は、四級化タンパク質加水分解物である。本発明により特に適当なアミドアミンから選ばれる化合物は、Tegoamid(登録商標)S 18の名称で市販されているステアロアミドプロピルジメチルアミンである。好ましいエステルクォートは、脂肪酸とトリエタノールアミンとの第四級エステル塩、脂肪酸とジエタノールアルキルアミンとの第四級エステル塩、および脂肪酸と1,2−ジヒドロキシプロピルジアルキルアミンとの第四級エステル塩である。このような生成物は、例えば、Stepantex(登録商標)、Dehyquart(登録商標)およびArmocare(登録商標)の商品名で販売されている。カチオン性界面活性剤を、本発明により使用する剤に、剤全体に基づいて0.05〜10重量%の分量で含有させることが好ましい。0.1〜5重量%の分量が特に好ましい。
【0099】
本発明の剤は、さらなる活性物質、補助剤、および添加剤、例えば、非イオン性ポリマー、例えばビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、ポリビニルピロリジノン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ポリエチレングリコール、およびポリシロキサン;追加のシリコーン、例えば揮発性または不揮発性、直鎖状、分枝状または環状、架橋または非架橋ポリアルキルシロキサン(例えばジメチコーンまたはシクロメチコーン)、ポリアリールシロキサンおよび/またはポリアルキルアリールシロキサン、特に有機官能基、例えば有機官能基(例えば置換または非置換のアミン(アモジメチコン)、カルボキシル基、アルコキシ基、および/またはヒドロキシル基(ジメチコンポリオール)を有するポリシロキサン、直鎖状ポリシロキサン(A)−ポリオキシアルキレン(B)ブロックコポリマー、グラフト化シリコーンポリマー;カチオン性ポリマー、例えば第四級セルロースエーテル、第四級の基を有するポリシロキサン、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドポリマー、アクリルアミド/ジメチルジアリルアンモニウムクロリドコポリマー、ジエチルサルフェートで四級化させたジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルピロリドンコポリマー、ビニルピロリドン/イミダゾリニウムメトクロリドコポリマー、および第四級ポリビニルアルコール;双性イオン性および両性ポリマー;アニオン性ポリマー、例えばポリアクリル酸または架橋ポリアクリル酸;構造化剤、例えばグルコース、マレイン酸、および乳酸、毛髪−コンディショニング化合物、例えばphospholipids、例えばレシチンおよびケファリン;香油、ジメチルイソソルビド、およびシクロデキストリン;繊維構造改善活性物質、特にモノ−、ジ−およびオリゴサッカリド、例えばグルコース、ガラクトース、フルクトース、果糖および乳糖;剤を着色するための染料;抗フケ活性物質、例えばピロクトンオラミン、亜鉛オマジンおよびクリンバゾール;アミノ酸およびオリゴペプチド、特にアルギニンおよび/またはセリン;動物性タンパク質加水分解物および/または植物性タンパク質加水分解物、例えば、エラスチン、コラーゲン、ケラチン、絹および乳タンパク質加水分解物、またはアーモンド、米、豆、ジャガイモおよび小麦タンパク質加水分解物、ならびにそれらの脂肪酸縮合生成物の形の誘導体または任意にアニオンまたはカチオン変性させた誘導体;植物油、例えばマカデミアナッツ油、ヤシ油、アマランス種子油、桃仁油、アボガド油、オリーブ油、ヤシ油、菜種油、ゴマ油、ホホバ油、大豆油、落花生油、およびメマツヨイグサ油およびチャノキ油;光保護剤、例えば誘導体化ベンゾフェノン、ケイ皮酸誘導体、およびトリアジン;活性物質、例えばパンテノール、パントテン酸、パントラクトン、アラントイン、ピロリジノンカルボン酸、およびそれらの塩ならびにビサボロール;ポリフェノール、特にヒドロキシケイ皮酸、6,7−ジヒドロキシクマリン、ヒドロキシ安息香酸、カテキン、タンニン、ロイコアントシアニジン、アントシアニジン、フラバノン、フラボン、およびフラボノール;セラミドまたは擬似セラミド;ビタミン、プロビタミン、およびビタミン前駆体、特にA、B、B、B、C、E、FおよびHの群のもの;植物抽出物、例えばアロエベラ、アンゼリカ、アニス、アプリコット、安息香、ベルガモット、カバノキ、イラクサ、ショウブ、クロフサスグリ、コスタス、ハイビスカス、樫皮、エレミ、タラゴン、松葉、ガルバヌム、ゼラニウム、チョウセンニンジン、フレープフルーツ、グアヤクウッド、緑茶、ハマメリス、ハリモクシュク類、ホップ、フキタンポポ、根生姜、アヤメ、ジャスミン、カモミール、カルダモン、クローバー、ゴボウ、松、キウイフルーツ、ココナツ、コリアンダー、キャラウェイ、山松、ラベンダー、レモングラス、ユリ、ライム、リンデンブロッサム、ライチ、メース、ウスベニアオイ、アーモンド、マンゴー、レモンバーム、メロン、メリステム、ミルラ、ネロリ、オリバナム、オポポナックス、オレンジ、パチョリ、プチグレイン、カラカサマツ、ワイルドタイム、ルイボス、バラ、ローズマリー、セイヨウトチノキ、ビャクダン、セージ、トクサ、ノコギリソウ、セロリ、トウヒ、タイム、セイヨウネズ、ブドウ葉、サンザシ、コムギ、ハナタネツケバナ、イランイラン、ヒマラヤスギおよびレモンの抽出物;脂肪およびワックス、例えば脂肪アルコール、ビーズワックス、モンタンロウ、およびパラフィン;膨潤物質および浸透物質、例えばグリセロール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、炭酸塩、炭酸水素塩、グアニジン、尿素、および第1級、第2級および第3級リン酸塩;乳白剤、例えばラテックス、スチレン/PVPおよびスチレン/アクリルアミドコポリマー;光沢剤、例えばエチレングリコールモノ−およびジステアレートならびにPEG−3ジステアレート;顔料、および高圧ガス、例えばプロパン/ブタン混合物、NO、ジメチルエーテル、COおよび空気を含有することもできる。
【0100】
当業者は、所望の剤特性に応じて、これらのさらなる物質を選択する。さらなる任意成分ならびに使用するこれらの成分の量に関して、当業者に既知の関連する手引書、例えばKh. Schrader、Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika[化粧品の基礎および製剤]、第2版、Huthig Buch Verlag、ハイデルベルク、1989を明示的に参照する。追加の活性物質および補助剤を、本発明の剤に、塗布混合物の総量に基づいて、それぞれ、0.0001〜10重量%、特に0.0005〜5重量%の分量で使用することが好ましい。
【0101】
本発明により好ましい本発明の一態様は、第1処理工程a)の使用できる状態の酸化着色剤が、6〜12、特に7〜11.5、特に好ましくは8〜11のpHを有することからなる。
【0102】
本発明により好ましい本発明のさらなる態様によれば、第3処理工程c)の式(I)で示される少なくとも1種のアセチルピリジニウム誘導体を含有する後処理剤は、2.0〜8.0、好ましくは2.5〜7.5、特に好ましくは3.0〜7.0のpHを有する。本発明に基づくpH値は、22℃の温度で測定したpH値である。
【0103】
pH値は、通常、pH調整剤を用いて調整される。当業者はpH値の調整のために化粧品において汎用されている酸性化剤およびアルカリ剤を熟知している。pH値の調整に使用できるアルカリ剤は、通常、無機塩、特にアルカリおよびアルカリ土類金属の塩、有機アルカリ剤、特にアミン、塩基性アミノ酸およびアルカノールアミン、およびアンモニアから選択される。本発明の好ましい酸性化剤は食物酸、例えばクエン酸、酢酸、リンゴ酸または酒石酸、ならびに希薄鉱酸である。
【0104】
本発明により使用できる有機アルカリ剤を、2−アミノエタン−1−オール(モノエタノールアミン)、3−アミノプロパン−1−オール、4−アミノブタン−1−オール、5−アミノペンタン−1−オール、1−アミノプロパン−2−オール(モノイソプロパノールアミン)、1−アミノブタン−2−オール、1−アミノペンタン−2−オール、1−アミノペンタン−3−オール、1−アミノペンタン−4−オール、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−アミノ−2−メチルブタノール、3−アミノ−2−メチルプロパン−1−オール、1−アミノ−2−メチル−プロパン−2−オール、3−アミノプロパン−1,2−ジオール、2−アミノ−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、N,N−ジメチルエタノールアミン、メチルグルカミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、およびトリイソプロパノールアミンから構成される群から選択することが好ましい。本発明により好ましいアルカノールアミンは、モノエタノールアミンおよびトリエタノールアミンである。本発明の無機のアルカリ剤を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムから構成される群から選択することが好ましい。水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが極めて好ましい。本発明のアルカリ剤として使用できる塩基性アミノ酸を、好ましくはL−アルギニン、、D−アルギニン、D/L−アルギニン、L−リジン、D−リジン、D/L−リジンから構成される群から選択することが好ましく、L−アルギニン、D−アルギニン、D/L−アルギニンを本発明に基づくアルカリ剤として使用することが特に好ましい。最後に、さらなる好ましいアルカリ剤はアンモニアである。
【0105】
本発明の第1の主題の態様は、変更すべきところは変更して、本発明の第2の主題の方法に対して有効である。
【0106】
(該当する場合、酸化着色処理の)色の保持を改善するための本発明による後処理剤の使用は、着色操作の直後に行うことが好ましい。したがって、より簡便な使用およびパッケージの経済性の理由から、使用者が両方の剤を共に入手できるようにすることが有用である。
【0107】
したがって、本発明のさらなる主題は、以下の特徴を有する互いに別々に充填された少なくとも2つの成分を含む多成分パッケージユニット(部品のキット)である:
i)第1成分は、少なくとも1種の着色剤を化粧品担体中に含有する着色製剤(A)であり、
ii)第2成分は、式(I):
【化3】

[式中、
R1は、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cヒドロキシアルキル基、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル基、カルボキシ−C〜Cアルキル基、アリール−C〜Cアルキル基、ヘテロアリール−C〜Cアルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基を表し、
は、生理学的に許容性のアニオンを表す]
で示される少なくとも1種のアセチルピリジニウム誘導体を化粧品担体中に含有する後処理剤(C)である。
【0108】
着色製剤(A)は、着色剤として、少なくとも1種の酸化染料前駆体生成物および/または少なくとも1種の直接染料を含有することが好ましい。着色製剤(A)は、特に好ましくは酸化着色剤である。
【0109】
したがって、本発明のこの主題の1つの態様は、以下の特徴を有する互いに別々に充填された少なくとも3つの成分を含む多成分パッケージユニット(部品のキット)である:
i)第1成分は、少なくとも1種の酸化染料前駆体生成物を化粧品担体中に含有する着色製剤(A)であり、
ii)第2成分は、少なくとも1種の酸化剤を化粧品担体中に含有する酸化剤製剤(B)であり、
iii)第3成分は、式(I):
【化4】

[式中、
R1は、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cヒドロキシアルキル基、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル基、カルボキシ−C〜Cアルキル基、アリール−C〜Cアルキル基、ヘテロアリール−C〜Cアルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基を表し、
は、生理学的に許容性のアニオンを表す]
で示される少なくとも1種のアセチルピリジニウム誘導体を化粧品担体中に含有する後処理剤(C)である。
【0110】
多成分パッケージユニットの成分は、物理的に異なる容器に互いに別々に充填される。
【0111】
用語「容器」は、本発明において、その形状、材料または密封装置にかかわらず、受け入れる特性を有するという特徴を持ち、物質または物質混合物を含有する特性を具体化する。したがって、用語「容器」は、それに対して限定されることなく、管の内部、小袋または大袋の内部、キャニスタの内部、缶の内部、皿の内部、ボトルの内部、グラスまたは小箱の内部、紙箱の内部、箱の内部、封筒の内部、または他の入れ物の内部を含む。容器は、再び密閉できる開口部、例えばスクリュー閉鎖を備えることができる。特に、複数の剤を、使用前に振ることによって、互いに十分に混合すべき場合、これは有利であり得る。
【0112】
酸化着色製剤の成分を、別々のまたは共有の開口部を有する2室容器内に含有させることができる。しかしながら、それらを異なる容器に分け、消費者が使用前にそれらを互いに混合するようにさせることが好ましい。
【0113】
多成分パッケージユニット(部品のキット)が、1組の使用説明書をさらに含有することが好ましい。使用説明書は、特に情報、説明、および適用可能であれば、本発明の第2の主題にしたがう方法においてパッケージユニットの容器から剤を使用するための使用者(男性/女性)のためのイラストを含む。混合補助器具、例えば皿、塗布器具、例えば櫛またはブラシ、および/または人の保護装置、例えば使い捨て手袋がキットに含まれる場合、さらに好ましくあり得る。
【0114】
本発明の前述の主題の態様は、変更すべきところは変更して、本発明の多成分パッケージユニットの成分の好ましい態様に関して有効である。
【実施例】
【0115】
以下の実施例は、本発明を説明するが、それらに限定されるものではない。
【0116】
〔1.着色クリームの製造〕
次の着色クリームを製造した。
Hydrenol D [1] 8.5g
Lorol, technical [2] 2.0g
Texapon NSO-UP [3] 20.0g
Dehyton K [4] 12.5g
Eumulgin B2 [5] 0.75g
亜硫酸ナトリウム 1.0g
硫酸アンモニウム 1.0g
4,5-ジアミノ-1-(2-ヒドロキシエチル)ピラゾール、硫酸塩 3mmol
レゾルシノール 3mmol
プロピレングリコール 5.0g
水 100まで
【0117】
以下の市販品を使用した:
[1]INCI名:Cetearyl Alcohol(Cognis)
[2]INCI名:Coconut Alcohol(Cognis)
[3]INCI名:Sodium Laureth Sulfate;約27.5%活性物質(Cognis)
[4]INCI名:Cocamidopropyl Betaine(Cognis)
[5]INCI名:Ceteareth-20(Cognis)
【0118】
Hydrenol DおよびLorolを、Texapon NSO、Dehyton K、およびEumulgin B2と共に80℃で溶解させた。その後、水の一部で溶解させた亜硫酸ナトリウムおよび硫酸アンモニウムで、溶解物を乳化した。酸化染料前駆体生成物を、プロピレングリコールおよび水の示された量のさらなる一部に加熱しながら溶解させ、撹拌しながら添加した。その後、製剤を水で100%まで合わせ、冷却しながら撹拌した。
【0119】
〔2.顕色剤分散体との混合、および塗布〕
このようにして得た着色クリームを、2:1の比率で、3重量%の過酸化水素含量を有する酸化剤製剤と混合した。損傷した毛束(ブリーチを2回およびパーマネントウェーブ2回;Kerling Euro-Natur hair、白)を、着色処理に使用した。それぞれの場合において、4倍量の使用できる状態の混合物をそれぞれの束に塗布し、32℃で30分間放置した。
【0120】
〔3.洗い流し操作〕
その後、髪の毛をぬるま湯で洗い流し、市販の普通のシャンプーで洗浄し、乾かした。
【0121】
〔4.後処理〕
後処理工程のために、着色した髪の毛を、室温で15分間、次の溶液で処理した;
4-アセチル-1-メチルピリジニウムp−トルエンスルホン酸塩 1.00g
水 100まで
(溶液のpH=3.4)。
【0122】
参照の毛束を、クエン酸を添加することによりpHを3.4にした水で同様に処理した。
【0123】
〔5.洗い流し操作〕
次いで、ぬるま湯で毛束を再び洗い流し、乾燥させた。
【0124】
〔6.比色測定〕
調整した毛束を、Datacolor Spectraflash 450測色計を用いて比色分析により測定した。
【0125】
色空間は、3次元の座標系により記載される。黒(L=0)および白(L=100)に終点を有するL*軸は、色の明るさを再現する。a軸は、色の赤み成分または緑み成分を記載し、緑みの割合が高い色は負のa値を有し、赤みの割合が高い色は正のa値を有する。b軸は、青み成分または黄み成分を記載し、負のb値は青みの割合が高い色を表し、正のb値は黄みの割合が高い色を表す。
【0126】
色彩強度(彩度)は、それらから、式C=√[(a)+(b)]を用いて計算される。
【0127】
〔7.毛髪洗浄〕
洗い流し操作を再現するために、毛束を、1重量%のTexapon-NSO水溶液を満たしたElma社の超音波浴中(モデルT 790/H、レベル5)に15分間入れた。乾燥後に、他の比色測定を行った。
【0128】
〔8.結果〕
【表1】

【0129】
【表2】

【0130】
値が高いほど、対応する色調の赤みの割合が大きくなる。本発明の後処理剤で後処理した直後に、参照の毛束と比較してより大きな赤い着色の保持が、視覚的観察および機器的印象の両方に対して、すでに可能であった(Δa値=1.76)。この効果は、6回の毛髪洗浄の後にさらに高められ(Δa値=3.48)、このことから、本発明の後処理の場合に、色調の赤み成分が顕著により良好に定着すると結論づけられ得る。
【0131】
表1および表2の結果より繰り返しの毛髪洗浄による彩度損失(ΔC=C−C)が、本発明の後処理剤での場合よりも、比較の後処理の場合に極めてより大きいことがさらに明らかである(本発明によるΔC=0.90と比較して、本発明によらないΔC=3.03)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪上に生じた着色処理の洗浄堅牢度を改善するための、および、色止めのための化粧用後処理剤の使用であって、該後処理剤は、式(I):
【化1】

[式中、
R1は、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cヒドロキシアルキル基、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル基、カルボキシ−C〜Cアルキル基、アリール−C〜Cアルキル基、ヘテロアリール−C〜Cアルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基を表し、
Xは、生理学的に許容性のアニオンを表す]
で示される少なくとも1種のアセチルピリジニウム誘導体を化粧品担体中に含有する、使用。
【請求項2】
後処理剤が、アセチルピリジニウム誘導体として、4−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホン酸塩および/または2−アセチル−1−メチルピリジニウム−p−トルエンスルホン酸塩を含有する、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
酸化着色処理の、洗浄堅牢度を改善するための、および色止めのための、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
酸化着色処理の洗浄堅牢度を改善するための使用であって、該着色処理が、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン、2−ジメチルアミノ−4,5,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジヒドロキシ−5,6−ジアミノピリミジン、および2,5,6−トリアミノピリミジン、ならびに4,5−ジアミノ−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4−ジアミノピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(4'−クロロベンジル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1,3−ジメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−フェニルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−メチル−3−フェニルピラゾール、4−アミノ−1,3−ジメチル−5−ヒドラジノピラゾール、1−ベンジル−4,5−ジアミノ−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−t−ブチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−t−ブチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−(4−メトキシフェニル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−ヒドロキシメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−イソプロピルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−イソプロピルピラゾール、4−アミノ−5−(2−アミノエチル)アミノ−1,3−ジメチルピラゾール、およびそれらの生理学的に許容性の塩から構成される群から選択される少なくとも1種の顕色型の酸化染料前駆体生成物の使用に基づく、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
【請求項5】
人の毛髪を着色および後処理する方法であって、該毛髪に、
a)第1工程において、着色剤を用いる着色処理を施し、
b)第2工程において、色運搬物質を該毛髪から洗い流し、次いで、該毛髪を任意に乾かし、
c)第3工程において、次いで、式(I):
【化2】

[式中、
R1は、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cヒドロキシアルキル基、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル基、カルボキシ−C〜Cアルキル基、アリール−C〜Cアルキル基、ヘテロアリール−C〜Cアルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基を表し、
Xは、生理学的に許容性のアニオンを表す]
で示される少なくとも1種のアセチルピリジニウム誘導体を化粧品担体中に含有する化粧用毛髪処理剤で該毛髪に後処理を施す、
方法。
【請求項6】
第1工程において酸化着色剤を用いて毛髪に酸化着色処理を施す、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
互いに別々に充填された少なくとも2つの成分を含む多成分パッケージユニット(部品のキット)であって、
i)第1成分は、少なくとも1種の着色剤を化粧品担体中に含有する着色製剤(A)であり、
ii)第2成分は、式(I):
【化3】

[式中、
R1は、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cヒドロキシアルキル基、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル基、カルボキシ−C〜Cアルキル基、アリール−C〜Cアルキル基、ヘテロアリール−C〜Cアルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基を表し、
は、生理学的に許容性のアニオンを表す]
で示される少なくとも1種のアセチルピリジニウム誘導体を化粧品担体中に含有する後処理剤(C)である
多成分パッケージユニット。
【請求項8】
互いに別々に充填された少なくとも3つの成分を含む多成分パッケージユニット(部品のキット)であって、
i)第1成分は、少なくとも1種の酸化染料前駆体生成物を化粧品担体中に含有する着色製剤(A)であり、および
ii)第2成分は、少なくとも1種の酸化剤を化粧品担体中に含有する酸化剤製剤(B)であり、
iii)第3成分は、式(I):
【化4】

[式中、
R1は、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cヒドロキシアルキル基、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル基、カルボキシ−C〜Cアルキル基、アリール−C〜Cアルキル基、ヘテロアリール−C〜Cアルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基を表し、
は、生理学的に許容性のアニオンを表す]
で示される少なくとも1種のアセチルピリジニウム誘導体を化粧品担体中に含有する後処理剤(C)である
多成分パッケージユニット。

【公表番号】特表2012−529453(P2012−529453A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514402(P2012−514402)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055599
【国際公開番号】WO2010/142493
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】