説明

色測定装置及び光源装置

【課題】 小型化を実現することができる色測定装置及び光源装置を提供する。
【解決手段】 複数の白色LED21,22,23及びカラーフィルタ24,25,26は、それぞれ異なる波長の光を照射し、照射用導光部材203は、複数の白色LED21,22,23及びカラーフィルタ24,25,26によって照射された光を混合した混合光を試験紙面へ導光し、光電変換部27は、試験紙面によって反射された反射光を受光するとともに、受光した反射光を光強度信号に変換し、色測定部3は、光電変換部27によって変換された光強度信号を複数の光源の波長毎に分解し、分解した光強度信号に基づいて試験紙の色を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象物の色を測定する色測定装置及び測定対象物に対して光を照射し、測定対象物による反射光を受光部により受光する光源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、生化学検査においては、試験紙を尿、血液及び唾液などに浸し、その呈色を測定することにより、陰性、陽性などを判定している(例えば、特許文献1参照)。このような検査を日常的に行う場合、ユーザは、呈色した試験紙と、見本となる色調表との目視比較によって検査結果を判定している。したがって、検査結果の精度は低いものであった。
【0003】
また、医療機関などにおける尿検査では、試験紙を高精度で読み取り、その色変化から自動的に尿検査項目を求めて表示する尿検査装置が用いられている。この尿検査装置では、色測定手法として45度照射−垂直受光型反射光測定が用いられ、単波長の4つのLED(赤:635nm、緑:585nm、青:565nm、近赤外:760)が用いられている。
【特許文献1】特開2001−141644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の尿検査装置は、分光器などの光学系を用いているため、装置が大型化し、コスト高となっている。また、在宅のユーザが日常的に使用するには、可搬性に優れているとはいえないものであった。さらに、単波長光源が急峻な分光分布である場合、分光分布が未知の中間色の色測定精度が悪化する虞がある。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、小型化を実現することができる色測定装置及び光源装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る色測定装置は、測定対象物の色を測定する色測定装置であって、それぞれ異なる波長の光を照射する複数の光源と、前記複数の光源によって照射された光を混合した混合光を測定対象物へ導光する導光手段と、前記測定対象物によって反射された反射光を受光し、受光した反射光を光強度信号に変換する光電変換手段と、前記光電変換手段によって変換された光強度信号を前記複数の光源の波長毎に分解し、分解した光強度信号に基づいて前記測定対象物の色を測定する色測定手段とを備える。
【0007】
この構成によれば、複数の光源によって、それぞれ異なる波長の光が照射され、導光手段によって、複数の光源によって照射された光を混合した混合光が測定対象物へ導光される。そして、光電変換手段によって、測定対象物によって反射された反射光が受光され、受光された反射光が光強度信号に変換される。色測定手段によって、光電変換手段によって変換された光強度信号が複数の光源の波長毎に分解され、分解された光強度信号に基づいて測定対象物の色が測定される。
【0008】
したがって、光強度信号が複数の光源の波長毎に分解され、分解された光強度信号に基づいて測定対象物の色が測定されるので、光学部品を用いずに複数の波長の光を混合した混合光を分解することができ、小型化を実現することができる。
【0009】
また、上記の色測定装置において、前記複数の光源をそれぞれ異なる点灯周波数でパルス点灯させる点灯制御手段をさらに備え、前記色測定手段は、前記点灯周波数を中心周波数とする複数のバンドパスフィルタを有し、各バンドパスフィルタを用いて前記光電変換手段によって変換された光強度信号から各光源の波長の光に対応する光強度信号を抽出することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、複数の光源をそれぞれ異なる点灯周波数でパルス点灯させ、点灯周波数を中心周波数とする複数のバンドパスフィルタによって、光電変換手段によって変換された光強度信号から各光源の波長の光に対応する光強度信号が抽出されるので、装置を大型化させる光学部品ではなく、電気回路によって複数の波長の光を分解することができる。
【0011】
また、上記の色測定装置において、前記点灯制御手段は、互いに素となる点灯周波数で各光源をパルス点灯させることが好ましい。この構成によれば、複数の光源の点灯周波数が互いに素となるように点灯されるので、複数の光源の点灯周波数が重なることなく、光強度信号を確実に分解することができる。
【0012】
また、上記の色測定装置において、前記測定対象物は、所定の検査項目に対して呈色状態が変化する試験紙を含み、前記色測定手段は、前記試験紙の色相値を算出し、算出した色相値に基づいて前記呈色状態に対応する検査項目値を算出することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、色測定手段によって、所定の検査項目に対して呈色状態が変化する試験紙の色相値が算出され、算出された色相値に基づいて検査項目に対応する検査項目値が算出されるので、従来のように目視による段階的な測定ではなく、検査項目値を定量的に測定することができる。また、従来の目視による検査と比較して、高精度に検査を行うことができる。
【0014】
また、上記の色測定装置において、前記光源は、白色LEDと、当該白色LEDによって照射される光から、赤、緑及び青のうちのいずれか一つの色成分に対応する波長の光のみを透過させるカラーフィルタとを有することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、光源が、白色LED(発光ダイオード)と、当該白色LEDによって照射される光から、赤、緑及び青のうちのいずれか一つの色成分に対応する波長の光のみを透過させるカラーフィルタとを有している。したがって、汎用性に優れている白色LEDを用いることによって、煩雑なメンテナンスを不要とすることができる。
【0016】
また、上記の色測定装置において、前記カラーフィルタは、透過率分布が波長に対して緩やかに変化する特性を有することが好ましい。この構成によれば、カラーフィルタの透過率分布が波長に対して緩やかに変化する特性を有しているので、赤、緑及び青だけでなく、それらの中間色の色測定精度を向上させることができる。
【0017】
本発明に係る光源装置は、測定対象物に対して光を照射し、測定対象物による反射光を受光部により受光する光源装置であって、それぞれ異なる波長の光を照射する複数の光源と、前記測定対象物によって反射された反射光を前記受光部へ導光する受光用導光部材と、前記受光用導光部材の外側に設けられ、前記複数の光源によって照射された光を反射させる反射部材と、前記反射部材の外側に設けられ、その外周面から入射された複数の光源からの光を混合して測定対象物へと導光する照射用導光部材と、前記複数の光源と前記照射用導光部材とを被覆して外光を遮断する外光遮断材とを備える。
【0018】
この構成によれば、照射用導光部材によって、その外周面から入射された複数の光源からの光が混合されて測定対象物へと導光され、外光遮断材によって、複数の光源と照射用導光部材とが被覆されて外光が遮断され、照射用導光部材の内周面に沿って設けられている反射部材によって、複数の光源によって照射された光が反射され、反射部材の内周面側に設けられている受光用導光部材によって、測定対象物により反射された反射光が受光部へ導光される。
【0019】
したがって、複数の光源から照射されるそれぞれ波長の異なる光を、光学系を用いることなく混合することができ、特別な光学系を用いて光を混合する場合に比して、より小型化を実現することができる。
【0020】
また、上記の光源装置において、前記測定対象物へ光が入射する前記照射用導光部材の端部は、前記測定対象物による正反射光が前記受光用導光部材に入射しない曲面状に形成されることが好ましい。この構成によれば、受光用導光部材には、光源から照射された光の正反射光が入射しないので、光電変換手段は測定対象物の反射光のみを受光し、測定精度を良好に保つことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、光強度信号が複数の光源の波長毎に分解され、分解された光強度信号に基づいて測定対象物の色が測定されるので、光学部品を用いずに複数の波長の光を混合した混合光を分解することができ、小型化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の一実施の形態による色測定装置について図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る色測定装置の構成を示す図である。図1に示す色測定装置1は、ペン型のプローブ部2及び色測定部3を備えて構成される。
【0024】
プローブ部2は、複数の白色LED(発光ダイオード)21,22,23、複数のカラーフィルタ24,25,26、光電変換部27、I/V変換部28、パルス点灯制御部29、外縁部材201、外光遮断材202、照射用導光部材203、照射光反射材204及び受光用導光部材205を備えて構成される。
【0025】
白色LED21,22,23は、白色光を照射する。なお、白色LED21,22,23としては、例えば日亜化学工業社製BSPW500BSが用いられる。
【0026】
カラーフィルタ24,25,26は、白色LED21,22,23から照射された光から特定の波長の光のみを透過させる。本実施形態では、白色LED21,22,23から照射された光をR(赤)、G(緑)、B(青)の3色に分解するため、カラーフィルタ24は赤色の色ガラスフィルタ(例えば、ケンコー社製R25A)を用い、カラーフィルタ25は緑色の色ガラスフィルタ(例えば、ケンコー社製G−530)を用い、カラーフィルタ26は青色の色ガラスフィルタ(例えば、ケンコー社製B−440)を用いる。従来機器では単波長のLEDを複数個用いている場合が多いが、それぞれの分光分布が狭帯域であるため、照射光強度がほとんどない波長領域が複数発生し、それらの領域に対応する色測定精度が著しく悪化する虞がある。しかしながら、本実施形態のように、白色LEDから照射される光をカラーフィルタに透過させることにより、特定波長の光のみを透過させているので、いずれの波長領域においても照射光強度を確保することが可能となり、良好な色測定が可能となる。
【0027】
なお、カラーフィルタ24,25,26としては、ゼラチンフィルタを用いてもよい。この場合、例えば、カラーフィルタ24は富士写真フイルム社製SC−60の赤色のゼラチンガラスフィルタを用い、カラーフィルタ25は富士写真フイルム社製BPB−53の緑色のゼラチンフィルタを用い、カラーフィルタ26は富士写真フイルム社製BPB−45の青色のゼラチンフィルタを用いる。このように、色ガラスフィルタ又はゼラチンフィルタを用いた場合、入射角の変化による透過光分布の変化がほとんどないため、組み付け誤差や振動による部品間位置の変化を原因とする色測定誤差の発生を防止することが可能であり、製造面及びメンテナンス面においても有効である。
【0028】
図2は、各カラーフィルタの透過率分布の特性を概略的に示す図である。なお、図2における縦軸は透過率(%)を表し、横軸は波長λ(nm)を表している。図2に示すTRは、赤色成分の波長を透過させるカラーフィルタ24の透過光分布を表し、TGは、緑色成分の波長を透過させるカラーフィルタ25の透過光分布を表し、TBは、青色成分の波長を透過させるカラーフィルタ26の透過光分布を表している。図2に示すように、カラーフィルタ24,25,26は、透過率分布が波長に対して緩やかに変化する特性を有している。したがって、ある特定の波長のみ急峻な立ち上がりを示すフィルタを用いるのではなく、透過率分布が波長に対して緩やかに変化する特性を有しているカラーフィルタを用いているので、赤、緑及び青だけでなく、それらの中間色の色測定精度を向上させることができる。
【0029】
また、カラーフィルタ24,25,26としては、ダイクロイック・カラーフィルタを用いてもよい。カラーフィルタとして、ダイクロイック・カラーフィルタを用いた場合、色分解特性を向上させるには、ダイクロイック・カラーフィルタへの入射角を規定値の0°とせずに、例えば45°として遮断特性の中心を短波長側に移動させ、且つ遮断特性を滑らかにする手法をとる必要がある。
【0030】
このように、光源として、白色LEDと、当該白色LEDから所定の波長の光のみを透過させるカラーフィルタとが用いられる。したがって、汎用性に優れている白色LEDを用いることによって、煩雑なメンテナンスを不要とすることができる。
【0031】
光電変換部27は、例えばフォトダイオード等の光電変換素子で構成され、受光した光を光電変換し、光強度に応じた光強度信号(電流)を出力する。なお、フォトダイオードとしては、例えば浜松ホトニクス社製S2387−66Rが用いられる。
【0032】
I/V変換部28は、光電変換部27によって出力された光強度信号を電圧に変換し、変換した電圧の光強度信号を後述する色測定部3のBPF部301,302,303へ出力する。
【0033】
パルス点灯制御部29は、白色LED21,22,23の点灯を制御するものであり、複数の光源をそれぞれ異なる点灯周波数でパルス点灯させる。具体的に、白色LED21,22,23の点灯周波数は、基本周波数を互いに素となる整数値で分周した値としている。例えば、白色LED21,22,23のそれぞれの点灯周波数は、52.8kHzの基本周波数を3分周、8分周、13分周して得られる17.6kHz、6.6kHz、4.1kHzとしている。これにより、光電変換部27で検出される光強度信号は、17.6kHz、6.6kHz、4.1kHzの3周波数を主成分とする合成信号となる。
【0034】
外縁部材201は、アルミニウム製であり、側面に白色LED21,22,23及びカラーフィルタ24,25,26を収納するための穴が形成されており、外光を遮断するためプローブ部2全体を覆っている。
【0035】
外光遮断材202は、外光を遮断するとともに、照射用導光部材203内における白色LED21,22,23によって照射された光を反射する。なお、本実施形態では、プローブ部2の下端部分を外光遮断材202によって被覆し、上端部分を外縁部材201によって被覆しているが、全てを外縁部材201によって被覆してもよい。
【0036】
照射用導光部材203は、透明のアクリルパイプで構成され、白色LED21,22,23によって照射された光を混合した混合光を試験紙面に導くものである。
【0037】
照射光反射材204は、円筒形状であり、照射用導光部材203の内周面に沿って形成され、照射用導光部材203内における白色LED21,22,23によって照射された光を反射する。
【0038】
受光用導光部材205は、透明のアクリル棒で構成され、試験紙200によって反射された光を光電変換部27へ導くものである。
【0039】
図3は、図1に示す照射用導光部材203の端部を拡大して示す図である。白色LED21,22,23によって照射された光は、それぞれ照射用導光部材203に入射する。入射した光は、外縁部材201の内壁及び外光遮断材202の内壁と、照射光反射材204との両面で反射しながら照射用導光部材203内を進み、この間に白色LED21,22,23からの光(カラーフィルタ24,25,26を透過した特定波長の光)が混合される。混合された混合光は、ドーム状に形成された照射用導光部材203先端の外光遮断材202の内壁により反射され、試験紙200に照射される。なお、図3に示すように、混合光が試験紙200に照射される照射角度θは、被測定面での正反射光が受光用導光部材205に直接入射しない角度であり、このように構成することによって色測定精度を良好に保つことができる。
【0040】
なお、本実施形態において、測定対象物へ光が入射する照射用導光部材203の端部は、測定対象物による正反射光が受光用導光部材205に入射しない曲面状に形成されるが、本発明は特にこれに限定されず、他の形状であってもよく、測定対象物による正反射光が受光用導光部材205に入射しない形状であればよい。
【0041】
受光用導光部材205によって導光された反射光は、外縁部材201の上端に設けられた光電変換部27へ入射し、当該光電変換部27によって電気信号に変換される。光電変換部27から出力された電気信号は、ノイズなどの影響を除去するため光電変換部27の直近に設けられたI/V変換部28によって電流信号から光強度に比例した電圧信号に変換される。
【0042】
このように、円筒形状である照射用導光部材203によって、その外周面から入射された複数の白色LED21,22,23からの光が混合されて試験紙200へと導光され、外縁部材201及び外光遮断材202によって、複数の白色LED21,22,23と照射用導光部材203とが被覆されて外光が遮断され、照射用導光部材203の内周面に沿って設けられている照射光反射材204によって、複数の白色LED21,22,23によって照射された光が反射され、照射光反射材204の内周面側に設けられている受光用導光部材205によって、試験紙200により反射された反射光が光電変換部27へ導光される。
【0043】
したがって、複数の白色LED21,22,23から照射されるそれぞれ波長の異なる光を光学系を用いることなく混合することができ、特別な光学系を用いて光を混合する場合に比して、より小型化を実現することができる。
【0044】
なお、プローブ部2が光源装置の一例に相当し、白色LED21,22,23及びカラーフィルタ24,25,26が複数の光源の一例に相当し、照射用導光部材203が導光手段の一例に相当し、外縁部材201及び外光遮断材202が外光遮断材の一例に相当し、照射光反射材204が反射部材の一例に相当し、光電変換部27が光電変換手段の一例に相当し、色測定部3が色測定手段の一例に相当し、パルス点灯制御部29が点灯制御手段の一例に相当する。
【0045】
色測定部3は、BPF(バンドパスフィルタ)部301,302,303、RMS(Root Mean Square:2乗平均平方根)回路304,305,306、LPF(ローパスフィルタ)部307,308,309、増幅器310,311,312、A/D変換器40、制御部41、液晶表示部42及びスイッチ部43を備えて構成される。
【0046】
BPF部301は、白色LED21の点灯周波数を中心周波数とし、複数の周波数を主成分とする合成信号から、カラーフィルタ24を透過した光の波長に対応する光強度信号のみを抽出する。本実施形態では、白色LED21の点灯周波数が17.6kHzであるので、BPF部301の中心周波数も17.6kHzとし、I/V変換部28から出力された電気信号の中から赤色に対応する光強度信号のみを通過させる。
【0047】
BPF部302は、白色LED22の点灯周波数を中心周波数とし、複数の周波数を主成分とする合成信号から、カラーフィルタ25を透過した光の波長に対応する光強度信号のみを抽出する。本実施形態では、白色LED22の点灯周波数が6.6kHzであるので、BPF部302の中心周波数も6.6kHzとし、I/V変換部28から出力された電気信号の中から緑色に対応する光強度信号のみを通過させる。
【0048】
BPF部303は、白色LED23の点灯周波数を中心周波数とし、複数の周波数を主成分とする合成信号から、カラーフィルタ26を透過した光の波長に対応する光強度信号のみを抽出する。本実施形態では、白色LED23の点灯周波数が4.1kHzであるので、BPF部303の中心周波数も4.1kHzとし、I/V変換部28から出力された電気信号の中から青色に対応する光強度信号のみを通過させる。
【0049】
RMS回路304は、BPF部301を通過した光強度信号の実効値相当量を求める。RMS回路305は、BPF部302を通過した光強度信号の実効値相当量を求める。RMS回路306は、BPF部303を通過した光強度信号の実効値相当量を求める。すなわち、BPF部301,302,303を通過した光強度信号の振幅成分が光強度に比例するため、その振幅成分を抽出するためにRMS回路304,305,306は実効値相当量を求める。
【0050】
LPF部307は、RMS回路304から出力される光強度信号を平滑化する。LPF部308は、RMS回路305から出力される光強度信号を平滑化する。LPF部309は、RMS回路306から出力される光強度信号を平滑化する。
【0051】
増幅器310は、LPF部307から出力される光強度信号を増幅する。増幅器311は、LPF部308から出力される光強度信号を増幅する。増幅器312は、LPF部309から出力される光強度信号を増幅する。
【0052】
A/D変換器40は、増幅器310,311,312によって増幅された光強度信号(アナログ信号)をディジタル信号に変換する。A/D変換器40によってディジタル信号に変換された光強度信号は、それぞれ制御部41へ出力される。
【0053】
制御部41は、例えばマイクロチップコンピュータで構成され、正規化処理部411、知覚色情報変換部412、測定不能判断部413、検査項目値推定部414及び表示制御部415を備えて構成される。なお、本実施形態における制御部41は、1つのマイクロチップコンピュータにより構成されているが、本発明は特にこれに限定されず、複数のマイクロチップコンピュータにより構成してもよく、各機能を複数のマイクロチップコンピュータに分散させて処理してもよい。
【0054】
正規化処理部411は、予め測定した白色粗面の反射光強度及び黒色粗面の反射光強度を用いて赤、緑、青に対するそれぞれの出力を正規化する。具体的に、正規化された反射光強度は、下記の(1)〜(3)式を用いて算出される。
【0055】
R*=(R−Rblack)/(Rwhite−Rblack)・・・・(1)
G*=(G−Gblack)/(Gwhite−Gblack)・・・・(2)
B*=(B−Bblack)/(Bwhite−Bblack)・・・・(3)
なお、上記(1)〜(3)式において、R,G,Bは、赤、緑、青に由来する反射光強度信号を表し、Rblack,Gblack,Bblackは、黒色粗面に対する赤、緑、青の反射光強度信号を表し、Rwhite,Gwhite,Bwhiteは、白色粗面に対する赤、緑、青の反射光強度信号を表し、R*,G*,B*は、正規化後の赤、緑、青の反射光強度信号を表している。本実施形態において、黒色粗面に対する赤、緑、青の反射光強度信号Rblack,Gblack,Bblack及び白色粗面に対する赤、緑、青の反射光強度信号Rwhite,Gwhite,Bwhiteは、製品の出荷前に予め測定しておき制御部41が備える記憶部に予め記憶しておくが、本発明は特にこれに限定されず、ユーザが色測定する前に黒色粗面及び白色粗面の反射光を測定することによって設定してもよい。
【0056】
このように、予め測定した白色粗面の反射光強度及び黒色粗面の反射光強度を用いて、検出された光強度信号を正規化することによって、高い測定精度を維持することができ、装置の異常診断が可能となる。
【0057】
知覚色情報変換部412は、正規化処理部411によって正規化された赤、緑、青に対する出力値を、色相、彩度及び明度のうちの少なくとも一つを含む知覚色情報に変換する。なお、本実施形態において、知覚色情報変換部412は、知覚色情報のうちの色相値を六角錐カラーモデルにおける0°以上360°未満の数値で算出する。
【0058】
測定不能判断部413は、知覚色情報変換部412によって変換された彩度に基づいて、測定された知覚色情報が測定可能な正常な値であるか否かを判断する。すなわち、測定不能判断部413は、知覚色情報変換部412によって変換された彩度と、予め記憶部に記憶されている彩度の規定値とを比較し、彩度が規定値以下である場合、測定不能であると判断する。
【0059】
なお、本実施形態では、彩度を用いて測定可能であるか否かを判断しているが、本発明は特にこれに限定されず、明度を用いて測定可能であるか否かを判断してもよい。この場合、測定不能判断部413は、知覚色情報変換部412によって変換された明度と、予め記憶部に記憶されている明度の規定値とを比較し、明度が規定値以下である場合、測定不能であると判断する。
【0060】
このように、色測定部3の知覚色情報変換部412によって、試験紙200の彩度又は明度が算出され、測定不能判断部413によって、算出された彩度又は明度と予め規定されている規定値とが比較され、彩度又は明度が規定値以下である場合、測定不能であると判断される。したがって、装置の異常又は測定対象物の異常を検出することができ、測定精度の安定化を図ることができる。
【0061】
検査項目値推定部414は、既知の検査項目値に対する試験紙の色相値を予め収集しておき、検査項目に応じて近似した校正曲線のパラメータと、知覚色情報変換部412によって変換された色相値とを用いて検査項目値を推定する。なお、例えば尿検査における検査項目には、ヘモグロビン、潜血、ウロビリノーゲン、タンパク質、ブドウ糖及びpH(ペーハー)などがあり、それぞれの検査項目に対応する検査項目値が推定される。検査項目値がpHのように対数値で表される場合、下記の(4)式に基づいて近似した校正曲線が用いられ、ブドウ糖濃度のように対数値となっていない場合、下記の(5)式に基づいて近似した校正曲線が用いられる。
【0062】
【数1】

【0063】
【数2】

【0064】
なお、上記(4)式及び(5)式において、valueは、検査項目値を表し、hueは、色相値を表し、huemaxは、検査項目値の上限時における色相値を表し、hueminは、検査項目値の下限時における色相値を表し、value0は、huemaxとhueminとの平均の色相値を与える検査項目値を表し、dv及びpは、それぞれ色相値の変化の度合いを表す係数を表している。
【0065】
上記(4)式及び(5)式で示される校正曲線(シグモイド曲線)は、特徴的な2色の混合比によって生成される色相値変化を近似するのに有効であり、多くの呈色試験の定量測定に利用可能である。校正曲線のパラメータの設定は、各検査項目値の推定精度を左右するものであり、在宅においても設定可能であるが、尿検査紙などの試験紙製造メーカによって校正が行われ、色測定装置1が備える通信部により利用者がパラメータのみを入手して設定する方が好ましい。
【0066】
そして、校正曲線のパラメータが設定されると、検査項目値推定部414は、下記の(6)式又は(7)式を用いて色相値から各検査項目値を推定する。なお、検査項目値がpHのように対数値で表される場合、下記の(6)式を用いて推定され、ブドウ糖濃度のように対数値となっていない場合、下記の(7)式を用いて推定される。
【0067】
【数3】

【0068】
【数4】

【0069】
なお、上記(6)式及び(7)式において、valueは、検査項目値を表し、hueは、色相値を表し、huemaxは、検査項目値の上限時における色相値を表し、hueminは、検査項目値の下限時における色相値を表し、value0は、huemaxとhueminとの平均の色相値を与える検査項目値を表し、dv及びpは、それぞれ色相値の変化の度合いを表す係数を表している。
【0070】
表示制御部415は、検査項目値推定部414によって推定された検査項目値を液晶表示部42に表示するよう制御する。また、表示制御部415は、測定不能判断部413によって測定不能であると判断された場合、測定不能である旨を使用者に報知するための報知画面を液晶表示部42に表示するよう制御する。
【0071】
液晶表示部42は、検査項目値推定部414によって推定された検査項目値を表示する。また、液晶表示部42は、測定不能判断部413によって測定不能であると判断された場合、測定不能である旨を使用者に報知するための報知画面を表示する。
【0072】
スイッチ部43は、ユーザによる電源オン/オフの入力や、ユーザによる測定開始指示の入力を受け付ける。なお、制御部41は、スイッチ部43により測定開始指示を受け付けると、測定開始指示信号をパルス点灯制御部29へ出力する。パルス点灯制御部29は、制御部41からの測定開始指示信号が入力されると、白色LED21,22,23のパルス点灯を開始する。また、スイッチ部43は、ユーザが所望する検査項目の選択を受け付ける。
【0073】
次に、本発明に係る色測定装置の動作について説明する。図4は、図1に示す色測定装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0074】
まず、ステップS1において、制御部41は、スイッチ部43を用いてユーザからの測定開始指示を受け付ける。ユーザは、測定開始を指示するためにスイッチ部43に設けられたボタンを操作する。制御部41は、測定開始指示を受け付けると、パルス点灯制御部29へ測定開始指示信号を出力する。
【0075】
次に、ステップS2において、パルス点灯制御部29は、制御部41から測定開始指示信号が入力されると、3つの白色LED21,22,23をそれぞれ異なる点灯周波数でパルス点灯させる。白色LED21,22,23から照射された光は、それぞれカラーフィルタ24,25,26を透過し、赤、緑、青のそれぞれの色成分の光として照射用導光部材203に入射する。照射用導光部材203に入射した赤、緑、青の光は、照射用導光部材203内で混合される。混合された光は、照射用導光部材203の端部より試験紙200に照射される。試験紙200により反射された光は、受光用導光部材205へ入射し、光電変換部27へ導光される。光電変換部27は、入射した光を光強度に応じた電気信号(光強度信号)に変換する。光電変換部27によって変換された光強度信号は、I/V変換部28によって電圧信号に変換され、BPF部301,302,303へ出力される。BPF部301,302,303は、白色LED21,22,23の点灯周波数と同じ周波数帯域の光強度信号を通過させることにより、混合光の光強度信号を分解し、赤、緑、青の各色成分に対応する光強度信号を出力する。BPF部301,302,303を通過した光強度信号は、RMS回路304,305,306によって実効値相当量が求められ、LPF部307,308,309によって平滑化され、増幅器310,311,312によって増幅され、A/D変換器40へ出力される。A/D変換器40によってディジタル信号に変換された光強度信号は、制御部41へ出力される。
【0076】
次に、ステップS3において、正規化処理部411は、A/D変換器40によってディジタル信号に変換された赤、緑、青に対するそれぞれの出力値を、予め測定した白色粗面の反射光強度及び黒色粗面の反射光強度を用いて正規化する。
【0077】
次に、ステップS4において、知覚色情報変換部412は、正規化処理部411によって正規化された赤、緑、青に対するそれぞれの出力値を知覚色情報に変換する。ここで、知覚色情報変換部412は、赤、緑、青に対するそれぞれの出力値を、少なくとも色相値及び彩度に変換する。
【0078】
次に、ステップS5において、測定不能判断部413は、知覚色情報変換部412によって変換された彩度が、予め記憶されている規定値以下であるか否かを判断する。ここで、彩度が規定値以下であると判断された場合(ステップS5でYES)、ステップS6に処理を移行し、彩度が規定値よりも大きいと判断された場合(ステップS6でNO)、ステップS7に処理を移行する。
【0079】
彩度が規定値以下であると判断された場合、ステップS6において、表示制御部415は、測定不能である旨を使用者に報知するための報知画面を液晶表示部42に表示するよう制御する。そして、液晶表示部42は、測定不能である旨を使用者に報知するための報知画面を表示し、処理を終了する。
【0080】
一方、彩度が規定値よりも大きいと判断された場合、ステップS7において、検査項目値推定部414は、知覚色情報変換部412によって変換された色相値に基づいて、各検査項目に応じた検査項目値を推定する。検査項目値推定部414は、予め測定することによって得られる校正曲線のパラメータを検査項目毎に記憶しており、このパラメータを用いて検査項目値を推定する。
【0081】
次に、ステップS8において、表示制御部415は、検査項目値推定部414によって推定された検査項目値を液晶表示部42に表示するよう制御する。液晶表示部42は、検査項目値推定部414によって推定された検査項目値を表示する。
【0082】
ここで、従来の目視による検査と、色測定装置1による検査とを比較して説明する。下記の表1は、従来の目視による尿検査と、色測定装置による尿検査とを検査項目毎に比較したものである。なお、試験紙としては、テルモ製尿検査紙「ウリエース−Te」を使用した。
【0083】
【表1】

【0084】
上記表1に示すように、ヘモグロビンについて検査する場合、従来の目視による検査では、4段階の評価しかできなかったのに対し、色測定装置1による検査では、155段階の評価をすることが可能となった。他の検査項目についても同様に、従来の検査が、数段階の評価であるのに対し、色測定装置1による検査では、数十段階から百数十段階まで評価することが可能となった。
【0085】
また、図5は、色測定装置1を用いてpH濃度及びブドウ糖濃度の定量測定を行った結果を示す図であり、図5(a)は、色測定装置1を用いてpH濃度の定量測定を行った結果を示す図であり、図5(b)は、色測定装置1を用いてブドウ糖濃度の定量測定を行った結果を示す図である。図5(a)において、縦軸は、色測定装置1によるpH濃度の測定結果を表し、横軸は、実際のpH濃度を表している。図5(b)において、縦軸は、色測定装置1によるブドウ糖濃度の測定結果を表し、横軸は、実際のブドウ糖濃度を表している。また、図5(a)及び図5(b)における白丸は色測定装置1による測定結果を表す実測値であり、直線は理論値を表している。図5(a)及び図5(b)に示すように、pH濃度及びブドウ糖濃度の測定結果と理論値とは、ほぼ一致しており、高い精度で測定することが可能であることがわかる。
【0086】
なお、測定範囲の両端では、試験紙の色変化が乏しいため、測定結果の悪化が見られる。図5(a)に示すpH濃度の測定結果においては、pH9以上において測定誤差が生じているが、pHの正常値が4.8〜7.5であることを考えると、日常の使用においては特に問題がない。図5(b)に示すブドウ糖濃度の測定結果においても、極低濃度域での測定結果の精度が低くなっているが、家庭内で使用する場合、このような低い濃度の測定結果が得られることはあり得ないので、充分な測定精度である。また、これらの問題は、色変化が大きい尿検査紙を用いることによって改善することが可能である。
【0087】
このように、複数の白色LED21,22,23及びカラーフィルタ24,25,26によって、それぞれ異なる波長の光が照射され、照射用導光部材203によって、複数の複数の白色LED21,22,23及びカラーフィルタ24,25,26によって照射された光を混合した混合光が測定対象物である試験紙200へ導光される。そして、光電変換部27によって、試験紙200によって反射された反射光が受光されるとともに、受光された反射光が光強度信号に変換される。色測定部3によって、光電変換部27によって変換された光強度信号が複数の光源の波長毎に分解され、分解された光強度信号に基づいて試験紙200の色が測定される。
【0088】
したがって、光強度信号が複数の光源の波長毎に分解され、分解された光強度信号に基づいて測定対象物の色が測定されるので、光学部品を用いずに複数の波長の光を混合した混合光を分解することができ、小型化を実現することができる。また、可搬性に優れているので、ユーザは、尿検査などを日常的に行うことができ、在宅医療における日常的健康管理が強化され、高齢化社会の福祉に大きく寄与することができる。
【0089】
また、複数の白色LED21,22,23をそれぞれ異なる点灯周波数でパルス点灯させ、点灯周波数を中心周波数とする複数のBPF部301,302,303によって、光電変換部27によって変換された光強度信号から各白色LED21,22,23の波長の光に対応する光強度信号が抽出されるので、装置を大型化させる光学部品ではなく、電気回路によって複数の波長の光を分解することができる。また、分光器などの光学部品が不要となるので、製作コストを低減することができる。
【0090】
また、色測定部3によって、検査項目に対して呈色状態が変化する試験紙200の色相値が算出され、算出された色相値に基づいて呈色状態に対応する検査項目値が推定されるので、従来のように目視による段階的な測定ではなく、検査項目値を定量的に測定することができる。
【0091】
なお、本実施形態では、光源の数を3つとしているが、本発明は特にこれに限定されず、2つ以上の光源から照射される光を混合した混合光を試料に照射してもよい。この場合、各光源の点灯周波数を互いに素となるように設定し、その公倍数で生じる同時点滅の影響を低周波通過フィルタで平滑化するように信号処理回路を設計することによって広範囲なセンサ開発にも応用することができる。
【0092】
また、本実施形態では、尿検査紙などの試験紙の呈色を測定することにより、検査項目値を推定しているが、本発明は特にこれに限定されず、例えば、人間の目視検査によって色測定を行う種々の機器に利用可能であり、塗装や印刷物など人間の知覚情報を主たる判断基準とする色測定装置や、後天的視覚障害者に対する色提示装置などにも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明に係る色測定装置の構成を示す図である。
【図2】各カラーフィルタの透過率分布の特性を概略的に示す図である。
【図3】図1に示す照射用導光部材の端部を拡大して示す図である。
【図4】図1に示す色測定装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】色測定装置1を用いてpH濃度及びブドウ糖濃度の定量測定を行った結果を示す図である。
【符号の説明】
【0094】
1 色測定装置
2 プローブ部
3 色測定部
21,22,23 白色LED
24,25,26 カラーフィルタ
27 光電変換部
28 I/V変換部
29 パルス点灯制御部
40 A/D変換器
41 制御部
42 液晶表示部
43 スイッチ部
201 外縁部材
202 外光遮断材
203 照射用導光部材
204 照射光反射材
205 受光用導光部材
301,302,303 BPF部
304,305,306 RMS回路
307,308,309 LPF部
310,311,312 増幅器
411 正規化処理部
412 知覚色情報変換部
413 測定不能判断部
414 検査項目値推定部
415 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物の色を測定する色測定装置であって、
それぞれ異なる波長の光を照射する複数の光源と、
前記複数の光源によって照射された光を混合した混合光を測定対象物へ導光する導光手段と、
前記測定対象物によって反射された反射光を受光し、受光した反射光を光強度信号に変換する光電変換手段と、
前記光電変換手段によって変換された光強度信号を前記複数の光源の波長毎に分解し、分解した光強度信号に基づいて前記測定対象物の色を測定する色測定手段とを備えることを特徴とする色測定装置。
【請求項2】
前記複数の光源をそれぞれ異なる点灯周波数でパルス点灯させる点灯制御手段をさらに備え、
前記色測定手段は、前記点灯周波数を中心周波数とする複数のバンドパスフィルタを有し、各バンドパスフィルタを用いて前記光電変換手段によって変換された光強度信号から各光源の波長の光に対応する光強度信号を抽出することを特徴とする請求項1記載の色測定装置。
【請求項3】
前記点灯制御手段は、互いに素となる点灯周波数で各光源をパルス点灯させることを特徴とする請求項2記載の色測定装置。
【請求項4】
前記測定対象物は、所定の検査項目に対して呈色状態が変化する試験紙を含み、
前記色測定手段は、前記試験紙の色相値を算出し、算出した色相値に基づいて前記呈色状態に対応する検査項目値を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の色測定装置。
【請求項5】
前記光源は、白色LEDと、当該白色LEDによって照射される光から、赤、緑及び青のうちのいずれか一つの色成分に対応する波長の光のみを透過させるカラーフィルタとを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の色測定装置。
【請求項6】
前記カラーフィルタは、透過率分布が波長に対して緩やかに変化する特性を有することを特徴とする請求項5記載の色測定装置。
【請求項7】
測定対象物に対して光を照射し、測定対象物による反射光を受光部により受光する光源装置であって、
それぞれ異なる波長の光を照射する複数の光源と、
前記測定対象物によって反射された反射光を前記受光部へ導光する受光用導光部材と、
前記受光用導光部材の外側に設けられ、前記複数の光源によって照射された光を反射させる反射部材と、
前記反射部材の外側に設けられ、その外周面から入射された複数の光源からの光を混合して測定対象物へと導光する照射用導光部材と、
前記複数の光源と前記照射用導光部材とを被覆して外光を遮断する外光遮断材とを備えることを特徴とする光源装置。
【請求項8】
前記測定対象物へ光が入射する前記照射用導光部材の端部は、前記測定対象物による正反射光が前記受光用導光部材に入射しない曲面状に形成されることを特徴とする請求項7記載の光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−71589(P2006−71589A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−258436(P2004−258436)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(399030060)学校法人 関西大学 (208)
【Fターム(参考)】