説明

色素及びデキストリンを含むタンパク質検出試薬及び方法

本発明は、タンパク質の検出及びタンパク質濃度の定量的決定のための試薬、方法及びキットを提供する。これらの試薬は、界面活性剤による妨害を排除するために、クーマシー色素などのタンパク質複合体形成色素及び、1種又は複数のデキストリンとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質を検出し、タンパク質濃度を定量的に決定するための試薬、方法及びキットに関する。
【背景技術】
【0002】
タンパク質を検出し、溶液中のタンパク質の濃度を決定するための幾つかの方法が利用可能である。これらの方法は、当技術分野で周知の色素結合法を包含しており、タンパク質複合体形成色素がタンパク質に結合する非特異性反応を伴う。色素−タンパク質複合体の形成によって色素の光学特性が変化し、それにより、試料中に存在するタンパク質の量に比例して色の変化が生じる。インビトロでのタンパク質定量に使用するタンパク質複合体形成色素としては、ブロモクレゾールグリーン(Gindler、米国特許第3,884,637号)、HABA及びメチルオレンジが挙げられるが、これらは、ほぼ例外なくアルブミンに結合し、一般にはあまり感度が高くないために使用が制限されている。
【0003】
タンパク質濃度を決定する他の方法としては、ビウレット法が挙げられ(Mokrasch及びMcGilvery、J.Biol.Chem.、(1956年)、221、909頁)、この方法では、少なくとも2つのペプチド結合を含有するペプチド構造体がアルカリ性溶液中のCu2+と反応して紫色のキレート錯体を形成する。
【0004】
Lowryら(J.Lab.Clin.Med.(1951年)、39、663頁)は、ビウレット法と同様、アルカリ性銅溶液でタンパク質の事前処理を行い、その後、フォリン・シオカルト試薬(リンタングステン酸及びリンモリブデン酸のリチウム塩を含有している)を添加した。生じた色は、リンタングステン酸及びリンモリブデン酸が、Cu−タンパク質複合体によって、及び、タンパク質のトリプトファン及びチロシンによって、タングステン及びモリブデンブルーに還元された結果であった。
【0005】
ビウレット法及びローリー法の重大な欠点は、タンパク質試料中にしばしば存在する還元剤に耐えられないことである。
【0006】
クーマシーブリリアントブルーG−250をタンパク質複合体形成色素として用いた色素/タンパク質複合体の形成が記載されている(Bradford、米国特許第4,023,933号)。クーマシーブリリアントブルー色素は、広範なタンパク質に結合する。更に、適切な酸性媒体中でG−250色素を使用することにより、ビウレット技法及び従来の色素結合技法よりおよそ100倍高く、且つ、ローリー法より約3〜5倍高い感度を有するタンパク質アッセイ試薬が得られる(Bradford、米国特許第4,023,933号)。米国特許第4,023,933号に開示された手順、即ち「ブラッドフォードアッセイ」においてクーマシーブリリアントブルーG−250色素を使用することは、他の色素を使用する方法を越える、高感度などの多くの利点を有しており、これにより、使用する試料のサイズが小さくてすみ、試料中に還元剤が存在する際に有用である。
【0007】
クーマシーブリリアントブルーG−250は、赤色及び青色という2つの異なる色形態で存在する。この色素の青色形態は中性及びアルカリ性溶液において存在し、一方、赤色形態は著しく酸性の溶液(pH0〜1)において存在する。酸性溶液中で、クーマシーブリリアントブルーG−250は、赤色及び青色形態が平衡状態で存在しており、このような溶液の外観は褐色である。タンパク質が色素に結合すると、色素は、異なる微小環境に入り、次いで、色素に赤色を与える酸性媒体から保護されると考えられている。酸性媒体の強度は、クーマシー色素を用いるタンパク質アッセイの感度にとって重要であるが、その理由は、酸性媒体の強度が増大すると、アッセイの感度が著しく損なわれるからである。タンパク質−色素複合体は凝集する傾向を有しており、これが色生成物の安定性に影響を及ぼす。エタノールなどの可溶化剤の存在は、タンパク質−色素複合体が、適正な期間凝集するのを妨げる傾向を有するが、エタノールが多すぎると、色素が青色形態へと著しくシフトする、つまり、より極性が低い環境へと変化する。アッセイの機序は、カルバニオン形態の色素を、極性が低下した環境のタンパク質に結合させることであると見なされている。また、これはおそらく、大量の界面活性剤及びアセトンがアッセイに及ぼす負の影響を表しているが、その理由は、これらの化合物が概ね本来非極性であり、色素の環境を変化させる傾向を有するからである。
【0008】
ブラッドフォードアッセイの主な欠点は、概してタンパク質−色素複合体の沈殿により、長期間の色安定性が事実上欠如していること、異なるタンパク質に対して実質的に同じ反応性を示せないこと、ベールの法則に従えないこと、更に最も重要なのは、試料中に存在する界面活性剤がアッセイに及ぼす悪影響である(Bradford,M.、Anal.Biochem.、72、248〜254頁、1976年、及び米国特許第4,023,933号)。
【0009】
色素/タンパク質複合体の形成はまた、電気泳動において用いられるようなゲル中のタンパク質を染色するためにも使用される。例えば、過塩素酸溶液中のクーマシーブリリアントブルーG−250色素がそのように使用されている(Reisner,A.H.ら(1975年)、Anal.Biochem.、64、509〜516頁)。
【0010】
現在、電気泳動分離後にゲル中のタンパク質を染色するために幾つかのクーマシー系処方物が市販されている。多くの電気泳動用途のために、SDSなどの界面活性剤を使用してタンパク質の分離を促進する。界面活性剤は、クーマシー色素のタンパク質への結合による色の変化に悪影響を及ぼすので、幾つかの洗浄手順により界面活性剤を除去しなければならず、その結果、染色手順が長く複雑になる。
【0011】
したがって、特にローリーアッセイ試薬又はクーマシー色素を用いた、色素に基づくタンパク質検出及び定量の主な欠点は、界面活性剤、界面活性物質及び他の両親媒性分子からの妨害である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、試料中の界面活性剤の存在に対する許容性を向上させ、且つ、タンパク質−色素の色の安定性を向上させた、タンパク質の検出及び定量的決定のための試薬及び方法に対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、
(a)タンパク質複合体形成色素及び、
(b)1種又は複数のデキストリンと、
を含むか、又はそれらからなるタンパク質検出試薬を提供する。
【0014】
タンパク質複合体形成色素は、タンパク質−色素複合体の形成時に、典型的には光学特性の変化を受ける色素であり、これは、クーマシー(商標)ブリリアントブルー色素、ブロモクレゾールグリーン、HABA、メチルオレンジ、ビウレット試薬、フォリン・シオカルト試薬を併用するビウレット試薬(ローリー試薬)などで生じるような吸収スペクトルの変化、又は蛍光タンパク質/色素複合体を形成する色素、例えば、クーマシーオレンジ(Coomassie Orange)(商標)、フルオレセイン、アレキソフルオル(Alexofluor)、フィコエリトリン、テキサスレッド(Texas Red)(商標)の場合に生じるような発光スペクトルの変化でもよい。
【0015】
タンパク質複合体形成色素はタンパク質を含まないのが好ましく、好ましくは、タンパク質複合体形成色素は抗体もペプチドも含まない。
【0016】
タンパク質複合体形成色素は、好ましくは、クーマシーブリリアントブルー色素のようなクーマシー色素、例えばクーマシーブリリアントブルー色素G−250又はクーマシーブリリアントブルー色素R−250である。幾つかのタンパク質複合体形成色素、特にクーマシー色素の場合、タンパク質/色素複合体形成時に必要な光学特性の変化を達成するために低いpHが必要とされる。
【0017】
したがって、本発明は更に、
(a)タンパク質複合体形成色素、
(b)1種又は複数のデキストリン及び、
(c)4以下のpKaを有する酸と
を含む、タンパク質検出試薬を提供する。
【0018】
試薬中、色素は、約0.001%〜約0.1%(w/v)、好ましくは約0.005%〜0.05%(w/v)の範囲の濃度で存在するのが好ましい。使用時には、試薬を、典型的には試薬対希釈剤(例えば、タンパク質含有溶液)比が約1:1〜約1:60の範囲になるように希釈してもよい。25μg/ml以下のタンパク質を含有する溶液中のタンパク質を検出するために、試薬対タンパク質含有溶液の容量比は1:1が使用できる。タンパク質濃度がより高い(例えば、0.1mg/ml〜2mg/ml)溶液の場合、試薬対タンパク質含有溶液の容量比は1:60が適切である。
【0019】
有用な酸は、試薬が−1〜1のpHを有するように、0〜4、好ましくは3以下の範囲のpKaを有する。より好ましくは、酸は、試薬が0〜1のpHを有するように、約1〜約3の範囲のpKaを有する。多くの有用な酸は、Bradfordの特許(米国特許第4,023,933号)及びGindlerの特許(米国特許第4,239,495号)において同定されており、好適な酸としては、リン酸、亜リン(ホスホン)酸、過ヨウ素酸、セレン酸、マレイン酸、シュウ酸及びジクロロ酢酸が挙げられる。リン酸及びホスホン酸が好ましい。好ましいホスホン酸は、ニトリロトリス(メチレン)トリホスホン酸(NTP)、市販の多塩基酸である。
【0020】
本発明による試薬において、酸が存在する場合、この酸は、一般には、約4%〜約20%、好ましくは約4%〜約12%、好ましくは約7.5%〜約9.5%(w/v)の濃度で存在する。酸の最終濃度が約2%〜約20%の範囲内になるように、試薬を使用時に希釈してもよい。
【0021】
酸は、多塩基酸及び一塩基酸の混合物でもよい。このような混合物では、多塩基酸対一塩基酸比は、約2:1〜約3:1の範囲であるのが好ましい。試薬において、多塩基酸/一塩基酸混合物は、一般には、約1%〜約15%(v/v)、好ましくは約2%〜約5%(v/v)の範囲の濃度で存在する。使用するために、試薬を、多塩基酸/一塩基酸混合物の最終濃度が約0.5%〜約15%の範囲になるように希釈してもよい。
【0022】
本発明による試薬は、好ましくは直鎖デキストリン(D)、シクロデキストリン(CD)、シクロアミロース(CA)及びそれらの誘導体から選択される1種又は複数のデキストリンを含む。好ましい試薬は、1種又は複数のシクロデキストリンを含む。好適な直鎖デキストリンは、6個以上のグルコース単位、好ましくは10個以上のグルコース単位、例えば15個のグルコース単位を含み、シクロデキストリンは、一般には、6個の(α−CD)、7個の(β−CD)又は8個の(γ−CD)グルコース単位を有しており、シクロアミロースは、一般には8個以上のグルコース単位を含む。好適な誘導体としては、ヘプタキス2,6−ジ−o−ブチルβ−シクロデキストリン、カルボキシメチルβ−シクロデキストリン及びカルボキシメチルα−シクロデキストリンが挙げられる。
【0023】
デキストリンの混合物は、例えば、α−CD、β−CD及びγ−CDから選択される2つ以上の環状デキストリン、α−CD、β−CD、γ−CD及びCAから選択される2つ以上の環状デキストリンなどの環状デキストリンの混合物、直鎖デキストリンと環状デキストリンとの混合物、例えば、直鎖デキストリンとα−CD、β−CD及びγ−CDの1種若しくは複数、又は直鎖デキストリンとα−CD、β−CD、γ−CD及びCAの1種若しくは複数を使用してもよい。文脈上、特に別の意味を指し示さない限り、本明細書中で使用される用語「デキストリン」は、デキストリン及びデキストリン誘導体を包含する。
【0024】
シクロデキストリン、デキストリン及び特定のシクロアミロースの誘導体の一部には、界面活性物質として作用する恐れがあり、本発明の試薬、方法及びキットに使用するにはさほど適合し得ないものがある。特定の濃度の幾つかのデキストリンは、そのデキストリンの界面活性のために特定の色素を妨害することになろう。そうしたデキストリン及び様々な色素に対する各々の妨害濃度は、当業者が容易に決定することができる。
【0025】
所与のタンパク質の場合、使用されるデキストリン又はそれらの混合物の選択を最適化してもよく、1種又は複数のデキストリンを使用する場合、所与のタンパク質又はタンパク質試料の検出及び/又は定量のための最も有効な条件を達成するように比を調節してもよい。
【0026】
本発明の試薬において、1種又は複数のデキストリンは、一般には、0.01mg/ml〜200mg/mlの範囲、好ましくは0.5mg/ml〜50mg/mlの範囲の濃度で存在することになろう。デキストリンの混合物を使用する場合、これらの濃度は全デキストリン濃度に対するものである。試薬の希釈は、デキストリンの最終濃度を所与のタンパク質及びタンパク質濃度に関して最適化するように調節し得る。界面活性剤がタンパク質試料中に存在する場合、1種又は複数のデキストリンの選択及び濃度を、所与の界面活性剤及びその界面活性剤の特定濃度に関して最適化し得る。適切な最終デキストリン濃度は、当業者によって、例えば、様々な濃度のデキストリン又はデキストリン混合物の存在下、タンパク質−色素複合体の吸光度又は発光スペクトルを適宜測定することによって容易に決定することができる。クーマシーブリリアントブルーG−250に関して、吸収は、吸収ピーク595nmで測定可能である。
【0027】
本発明による試薬は更に、色素−タンパク質複合体の溶解性を維持するべく、アルコールなどの可溶化剤を更に含んでいてもよい。可溶化剤は、色素−タンパク質複合体の沈殿を低減するか、又は遅延させる任意の薬剤でよい。
【0028】
試薬には1種又は複数のアルコールが含まれていてもよく、好適なアルコールとしては、エタノール、メタノール及びプロパノールが挙げられる。他の好適なアルコールは、界面活性剤のような挙動を僅かに示すか、又は全く示さない、良好な水溶性を有するものである。アルコールが試薬中に存在するとき、その濃度は、一般には、0.1%〜約10%(v/v)、好ましくは約0.1%〜約5%(v/v)、より好ましくは約1%〜約5%(v/v)である。
【0029】
本発明の試薬は、界面活性剤を含んでいてもよい。
【0030】
試薬は、複数要素で構成された系として、例えば、組み合わせて本発明の試薬を形成する1種又は複数の水性成分として提供することができる。2要素構成で提供される場合、一方の要素は、色素と、任意選択で酸及び/又は任意選択でアルコールとを含み、他方は、1種又は複数のデキストリンを含んでいてもよい。各成分の安定性は拡大され(冷蔵保存の場合には約1年)、混合して試薬を形成する際、試薬自体は4℃で冷蔵保存されると6カ月より長く安定性を有する。1種又は複数のデキストリンを市販のタンパク質染色試薬、例えばブラッドフォードアッセイ試薬又は他のクーマシータンパク質染色試薬と組み合わせることによって、本発明の試薬を生成してもよい。市販のタンパク質染色試薬、方法及びキット、特に市販のブラッドフォードアッセイ試薬、方法及びキットは、本発明による1種又は複数のデキストリンを包含させることによって適合可能である。このような市販のキットの例としては以下のものが挙げられる。
【0031】
Pierce:
23236 クーマシープラス−ベターブラッドフォードアッセイキット(Coomassie Plus−The Better Bradford Assay Kit)(標準のものを包含する)
23238 クーマシープラス−ベターブラッドフォードアッセイ試薬
23200 クーマシー(Bradford)タンパク質アッセイキット(Protein Assay Kit)
23296 クーマシー(Bradford)乾燥タンパク質アッセイプレート(Dry Protein Assay Plates) 2×96ウェル
23596 クーマシー(Bradford)乾燥タンパク質アッセイプレート 5×96ウェル
【0032】
BioRad:
500−0201EDU クイックスタートブラッドフォードタンパク質アッセイキット(Quick Start Bradford Protein Assay Kit)1
500−0202EDU クイックスタートブラッドフォードタンパク質アッセイキット2
500−0203EDU クイックスタートブラッドフォードタンパク質アッセイキット3
500−0204EDU クイックスタートブラッドフォードタンパク質アッセイキット4
500−0006EDU バイオラッドタンパク質アッセイ色素試薬濃縮物(Bio−Rad Protein Assay Dye Reagent Concentrate)
【0033】
Sigma Aldrich:
B6916 ブラッドフォード試薬(Sigma)
27813 クーマシー(登録商標)タンパク質アッセイ試薬バイオケミカ(BioChemika)(Fluka)
【0034】
従来、幾つかのタンパク質複合体形成色素を使用したタンパク質の検出及び定量は、界面活性剤から非常に甚大な妨害を受ける。特に悪影響を及ぼすのは、タンパク質複合体形成色素であるクーマシーブルーG−250、クーマシーレッドG−250、クーマシーオレンジ、ビウレット試薬及びフォリン・シオカルト試薬を併用するビウレット試薬である。本発明はこれらの欠点を克服する。理論に拘束されるものではないが、界面活性剤はデキストリンと複合体を形成し、デキストリンに対する界面活性剤の親和性は色素に対する界面活性剤の親和性より高いと考えられている。好適な量のデキストリン又はデキストリン混合物を使用することにより、界面活性剤をデキストリン−界面活性剤複合体中で捕捉し、それにより、界面活性剤がタンパク質−色素反応を妨害する度合いを制限することができる。
【0035】
現在入手できるタンパク質検出試薬と比較して、本発明の試薬は、界面活性剤がタンパク質含有試料中に存在する際に首尾よく使用することができる。これは、本発明の試薬が、膜タンパク質を可溶化するか、又は界面活性剤を豊富に含む溶液、例えば市販の抽出溶液(B−PER(登録商標)及びセルリティック(CelLytic)(商標)など)を用いて微生物からタンパク質を直接抽出するために必要となり得るような、界面活性剤又は界面活性物質が豊富な環境でのタンパク質検出を可能にするので非常に重要である。
【0036】
本発明は更に、
(a)タンパク質複合体形成色素、及び
(b)1種又は複数のデキストリン
を含む溶液と、タンパク質含有試料とを接触させ、
色素/タンパク質複合体の形成を検出することを含む、タンパク質検出方法を提供する。
【0037】
強酸性条件を必要とする色素のために、本発明は、
(a)タンパク質複合体形成色素、
(b)1種又は複数のデキストリン、及び
(c)4以下のpKaを有する酸
を含む溶液と、タンパク質含有試料とを接触させ、
色素/タンパク質複合体の形成を検出することを含む、タンパク質検出方法を提供する。
【0038】
色素/タンパク質複合体形成の検出は、形成された色素/タンパク質複合体の量を定量して、試料中のタンパク質の濃度を決定することを含んでいてもよい。
【0039】
更なる実施形態において、本発明は、
(a)タンパク質複合体形成色素、
(b)1種又は複数のデキストリン
を含む溶液と、タンパク質含有試料とを接触させ、
色素/タンパク質複合体の形成を定量することを含む、タンパク質定量方法を提供する。
【0040】
強酸性環境を必要とする色素のために、本発明は、
(a)タンパク質複合体形成色素、
(b)1種又は複数のデキストリン、及び
(c)4以下のpKaを有する酸
を含む溶液と、タンパク質含有試料とを接触させ、
色素/タンパク質複合体の形成を定量することを含む、タンパク質定量方法を提供する。
【0041】
タンパク質含有試料は、溶液でもよく、又は、タンパク質含有試料は、ゲル、ゾル、クロマトグラフィープレート、濾過紙、ニトロセルロース膜又は樹脂などの支持体上に備えることができる。
【0042】
したがって、追加の実施形態において、本発明は更に、
(a)タンパク質を含む支持体を提供し、
(b)(i)タンパク質複合体形成色素、及び
(ii)1種又は複数のデキストリンを含む溶液と、前記タンパク質とを接触させ、
色素/タンパク質複合体の形成を検出することを含む、タンパク質検出方法を提供する。
【0043】
酸性条件を必要とするタンパク質複合体形成色素のために、本発明は、
(a)タンパク質を含む支持体を提供し、
(b)(i)タンパク質複合体形成色素、
(ii)1種又は複数のデキストリン、及び
(iii)4以下のpKaを有する酸を含む溶液と、前記タンパク質とを接触させ、
色素/タンパク質複合体の形成を検出することを含む、タンパク質検出方法を提供する。
【0044】
本発明の方法で使用する溶液に含ませるのに適するタンパク質複合体形成色素、デキストリン及び必要であれば酸は上記に説明してある。タンパク質複合体形成色素、1種又は複数のデキストリン及び存在する場合にはpKaが4以下の酸は、本発明の試薬によって提供することができ、この試薬は溶液を形成すべく希釈されていてもよい。溶液は、本明細書中に記載されるようなアルコールなどの可溶化剤を含んでいてもよい。
【0045】
支持体は、ゲル、ゾル、クロマトグラフィープレート、濾過紙、ニトロセルロース膜又は樹脂でもよい。支持体は界面活性剤を含んでいてもよい。本発明の方法を使用して、界面活性剤の存在下で接触を行うことができる。これらの方法は、例えば、タンパク質試料が、電界を使用して、例えば電気泳動により分離されているときに、ポリアクリルアミドゲル、アガロースゲル又はポリマー複合体ゲル中のタンパク質を検出するのに特に適している。
【0046】
電界を使用して、例えば電気泳動により分離された後に生じたようなゲル中のタンパク質を検出し、定量的に決定するための、本明細書中に記載される試薬及び方法により、従来の手順が簡略化されるので、SDSなどの界面活性剤及び過剰の染色剤(バックグラウンドの染色剤)を取り除くための洗浄手順はもはや必要とされない。
【0047】
典型的には、本方法は室温で行われる。
【0048】
本発明の方法において、色素−タンパク質複合体形成の検出は、色素/タンパク質複合体の吸収又は発光スペクトルの変化を検出することを含んでいてもよい。幾つかの例では、例えば、G−250などのクーマシーブリリアントブルー色素を使用するときの色の変化を検出してもよい。色の変化は、例えば、570nm〜620nmの範囲の波長で吸光度を測定することができる比色計などの従来の装置を使用して検出してもよい。
【0049】
タンパク質/色素複合体の形成時に吸収スペクトルの変化を受ける色素の場合、例えば分光光度法を用いて吸光度を測定することによって検出を行うことができる。400nm〜700nmの波長帯を有するUV/VIS分光光度計などの従来の装置を用いて分光光度分析を行ってもよい。
【0050】
タンパク質/色素複合体の形成時に発光スペクトルの変化を受ける色素の場合、例えば、好適には190nm〜800nmの波長帯を有する分光蛍光計(発光光度計)を用いて発光を測定することによって検出を行うことができる。
【0051】
タンパク質/色素複合体の検出は、存在するタンパク質/色素複合体の量を定量して、タンパク質の量又は濃度を決定することを含んでいてもよい。定量は、色素/タンパク質複合体の吸収又は発光スペクトルの変化を測定することを含む方法によって行うことができる。定量は、例えば、色の変化を測定することを含んでいてもよい。上述のように、吸光度は、分光光度法によって測定することができ、吸光度の経時的変化が測定されてもよい。吸光度は、一般には、約400nm〜約700nmの範囲の波長で測定される。
【0052】
クーマシーブリリアントブルーG−250の場合、吸光度は、約595nmの波長で測定され、この色素に関する吸光度は、タンパク質に複合化されるときに最大となる。クーマシーブリリアントブルーG−250を使用するとき、色素/タンパク質複合体の形成により595nmでの吸光度の増加をモニタリングすることによってタンパク質を検出することができる。
【0053】
タンパク質の濃度を決定するために、測定した吸光度又は発光を標準値、標準値の組又は標準曲線と比較することができる。結果は、実施例に示されるように極めて再現性があり、且つ正確である。
【0054】
本発明の試薬及び方法を用いて示された高感度のため、試料1mlあたり、およそ0.1μgもの低いタンパク質濃度を選択することができる。更に、このような正確で感度良好な決定を行うのに必要な時間は、伝統的なローリー式アッセイ又はビウレット式アッセイに一般に必要とされる30〜40分とは対照的に、1つの試料につき約2分未満である。結果として、本発明の方法は、自動化及び多数の試料の分析に極めて適している。
【0055】
本発明は更に、タンパク質を検出及び/又は定量するためのキットを提供し、このキットは、1種又は複数のデキストリンを含む。タンパク質を検出及び/又は定量するためのキットは、1種又は複数のデキストリンと、タンパク質複合体形成色素とを含んでいてもよい。更に、キットは、本明細書中に記載されるような1種又は複数の酸及び/又はアルコールを含んでいてもよい。本発明によるタンパク質を検出及び/又は定量するためのキットは、本発明の試薬を含んでいてもよく、この試薬は、成分が混合されて本発明の試薬を形成している多要素で構成された系として提供されてもよい。
【0056】
本発明は更に、界面活性剤の存在下でのタンパク質結合色素/タンパク質複合体の形成を増大させるための、1種又は複数のデキストリンの使用を提供する。
【0057】
更に、本発明は、界面活性剤の存在下でタンパク質結合色素/タンパク質複合体を形成する際に界面活性剤からの妨害を低減するための、1種又は複数のデキストリンの使用を提供する。
【0058】
本発明は更に、界面活性剤の存在下で、タンパク質複合体形成色素などの色素の光学特性を改変するための、1種又は複数のデキストリンの使用を提供する。
【実施例】
【0059】
(実施例1)
ブラッドフォード試薬の調製
100mgのクーマシーブリリアントブルー(G−250)に、47gのエタノール、85gのリン酸及び850gの水を添加した。この溶液を20分間混合して、確実に全成分を溶解させた結果、0.01%(w/v)のクーマシーブリリアントブルーG−250、4.7%のエタノール(w/v)及び8.5%(w/v)のリン酸を含む試薬が得られた。特定の実施例において示したように、この溶液に異なるデキストリンを添加した。
【0060】
ブラッドフォードアッセイ(標準的な方法)
0.1mg/ml〜1.5mg/mlのタンパク質及び/又は0.00%〜0.5%の界面活性剤を含有する試料溶液5mlを、96ウェルマイクロタイタープレートのウェル内にピペットで移した。これに、300mlのブラッドフォード試薬を添加した。吸光度を595nmで測定した。
【0061】
界面活性剤の妨害低減
ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)(アニオン性)、セチルトリメチル臭化アンモニウム(CTAB)(カチオン性)、TWEEN(商標)−20(非イオン性)、TRITON(商標)−X100(非イオン性)及びBrij−35(非イオン性)の5種類の異なる界面活性剤を実験に使用した。デキストリン−15(D15)、α−シクロデキストリン(α−CD)、β−シクロデキストリン(β−CD)及びγ−シクロデキストリン(γ−CD)の4種類の異なるデキストリンを実験に使用し、これらデキストリンの等質量(equimass)混合物(MIX)も使用した。更に、異なるシクロアミロース濃度も試験した。
【0062】
A)デキストリンを合計100mg/ml含有するか、又は様々なデキストリンを飽和濃度で含むブラッドフォードアッセイ
595nmで測定した吸光度(水試料をブランクとする)の表
【表1】

【0063】
B)様々なデキストリンを合計10mg/ml含むブラッドフォードアッセイ
595nmで測定した吸光度(水試料をブランクとする)の表
【表2】

【0064】
C)様々なデキストリンを合計1mg/ml含むブラッドフォードアッセイ
595nmで測定した吸光度(水試料をブランクとする)の表
【表3】

【0065】
D)様々な濃度のシクロアミロース(CA)含むブラッドフォードアッセイ
595nmで測定した吸光度(水試料をブランクとする)の表
【表4】

【0066】
595nmでの吸光度は、クーマシーG−250色素の青色形態の量を示している。特定の界面活性剤の所与の濃度では、高い吸光度値は、界面活性剤の存在に起因する高いバックグラウンドを示しているので、検出された青色は、存在するタンパク質−色素複合体の量を表すものではなく、故に、タンパク質濃度を表すものではない。試験された各界面活性剤について、溶液中の1種又は複数のデキストリンが存在すると吸光度値が低下したが、このことは、バックグラウンドの妨害が減少し、デキストリンの存在でタンパク質検出の感度及び正確度が向上することを示すことが分かる。所与の界面活性剤に関し、デキストリン及びデキストリンの濃度の最適な選択は、様々な濃度のデキストリン及びそれらの組合せの存在下、色素/タンパク質複合体の吸光度ピークで吸光度を測定することによって決定することができる。
【0067】
(実施例2)
界面活性剤の存在下における標準曲線の線形性
ウシ血清アルブミン(BSA)(Pierce、23209)及びウシ免疫グロブリン(IgG)(Sigma、15506)の2種類の異なるタンパク質の希釈系列を、0.1mg/ml〜1.5mg/mlの濃度範囲で作製した。CTABを界面活性剤として選択し、0.25%(w/v)の濃度になるまでタンパク質試料に添加した。0.25mg/mlのデキストリン−15(D15)、0.25mg/mlのα−シクロデキストリン(α−CD)、0.25mg/mlのβ−シクロデキストリン(β−CD)及び0.25mg/mlのγ−シクロデキストリン(γ−CD)を含有するブラッドフォード試薬を用いてブラッドフォードアッセイを行った。これらを、デキストリンを含まないブラッドフォード試薬で行ったブラッドフォードアッセイと比較した。
【0068】
(実施例3)
ポリアクリルアミドゲル中のタンパク質の検出
ゲル染色溶液の調製
80mgのクーマシーブリリアントブルー(G−250)に、50gのエタノール、80gのリン酸及び850gの水を添加した。この溶液を20分間混合して、確実に全成分を溶解させた。これは溶液Aであった。これに続いて、250mgのデキストリン−15、250mgのα−シクロデキストリン(α−CD)、250mgのβ−シクロデキストリン(β−CD)及び250mgのγ−シクロデキストリン(γ−CD)を100mlの溶液Aに添加することによって溶液Bを作製した。
【0069】
試料及びゲルの調製
β−ラクトグロブリン(BLG)(Sigma、L−0130)の希釈系列を、0.08mg/ml〜10mg/mlの濃度範囲で調製した。30mlの試料を、10mlのNupage LDS試料緩衝液(Invitrogen、NP0007)で希釈した。同じゲル2つを調製し、15mlの各試料を各ゲル(Nupage 10% Bis−Tris、Invitrogen、NP0302)上に充填した。10mlのMark 12(商標)分子量標準(Invitrogen、LC5677)もゲルに充填した。ゲルを、標準的なMES緩衝液中で35分間一定の電圧(200V)で流動させた。これに続いて、一方のゲルを25mlの溶液B(2.5mg/mlのデキストリン−15(D15)、2.5mg/mlのα−シクロデキストリン(α−CD)、2.5mg/mlのβ−シクロデキストリン(β−CD)及び2.5mg/mlのγ−シクロデキストリン(γ−CD)のデキストリン混合物を含有する25mlの上記溶液Aからなる染色溶液)に浸した。他方のゲルを、25mlの溶液Aからなる染色溶液に浸した。染色溶液中で1時間45分インキュベーションした後、ゲルを撮影した(図3)。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】界面活性剤を含まないタンパク質試料に関する標準曲線を示すグラフである。両方法はいずれも、界面活性剤を含まない試料に関して妥当な線形応答を示す。両方法の曲線の勾配及び相関係数は同程度であり、このことは、試薬に含まれるデキストリンがタンパク質−色素結合を妨害しないことを示している。
【図2】界面活性剤(0.25% CTAB)を含むタンパク質試料に関する標準曲線を示すグラフである。デキストリンを含む試薬だけが線形応答を示し、その勾配及び相関係数は、界面活性剤を含まない試料の勾配及び相関係数と同程度である。
【図3】ポリアクリルアミドゲル中のタンパク質の検出の図である。 以下の試料を各ゲル上で泳動させた。 レーン1:分子量標準、Mark 12(商標) レーン2:β−ラクトグロブリン 0.08mg/ml レーン3:β−ラクトグロブリン 0.16mg/ml レーン4:β−ラクトグロブリン 0.31mg/ml レーン5:β−ラクトグロブリン 0.63mg/ml レーン6:β−ラクトグロブリン 1.25mg/ml レーン7:β−ラクトグロブリン 2.5mg/ml レーン8:空 レーン9:β−ラクトグロブリン 5mg/ml レーン10:空 レーン11:β−ラクトグロブリン 10mg/ml レーン12:分子量標準 実施例3に記載されるように、ゲルBを溶液Bで染色し、ゲルAを溶液Aで染色した。染色溶液中で1時間45分インキュベーションした後、これらのゲルを撮影した。
【図3A】

【図3B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)タンパク質複合体形成色素及び、
(b)1種又は複数のデキストリンと、
を含む、タンパク質検出試薬。
【請求項2】
4以下のpKaを有する酸を含む、請求項1に記載の試薬。
【請求項3】
前記色素がクーマシー色素である、請求項1又は2に記載の試薬。
【請求項4】
前記色素がクーマシーブリリアントブルー色素である、請求項3に記載の試薬。
【請求項5】
前記クーマシーブリリアントブルー色素がG−250である、請求項4に記載の試薬。
【請求項6】
前記色素が、約0.001%〜約0.1%(w/v)の範囲の濃度で存在する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の試薬。
【請求項7】
前記酸が約1〜約3の範囲のpKaを有する、請求項2から6までのいずれか一項に記載の試薬。
【請求項8】
前記酸が、リン酸、亜リン(ホスホン)酸、過ヨウ素酸、セレン酸、マレイン酸、シュウ酸、ジクロロ酢酸及びニトリロトリス(メチレン)トリホスホン酸から選択される酸である、請求項2から7までのいずれか一項に記載の試薬。
【請求項9】
前記酸が一塩基酸である、請求項2から8までのいずれか一項に記載の試薬。
【請求項10】
前記酸が、約4%〜約20%(w/v)の濃度で存在する、請求項2から9までのいずれか一項に記載の試薬。
【請求項11】
前記酸が、多塩基酸及び一塩基酸との混合物である、請求項2から6までのいずれか一項に記載の試薬。
【請求項12】
多塩基酸対一塩基酸比が、約2:1〜約3:1の範囲内である、請求項11に記載の試薬。
【請求項13】
前記酸が、約1%〜約15%(v/v)の範囲の濃度で存在する、請求項11又は12に記載の試薬。
【請求項14】
前記1種又は複数のデキストリンが、直鎖デキストリン、シクロデキストリン、シクロアミロース及びそれらの誘導体から選択される、請求項1から13までのいずれか一項に記載の試薬。
【請求項15】
前記デキストリンの濃度が、約0.01mg/ml〜約200mg/mlの範囲内である、請求項1から14までのいずれか一項に記載の試薬。
【請求項16】
色素/タンパク質複合体の沈殿を低減する可溶化剤を含む、請求項1から15までのいずれか一項に記載の試薬。
【請求項17】
1種又は複数のアルコールを含む、請求項1から16までのいずれか一項に記載の試薬。
【請求項18】
前記1種又は複数のアルコールが、エタノール、メタノール及びプロパノールから選択される、請求項17に記載の試薬。
【請求項19】
前記アルコールの濃度が、約0.1%〜約10%v/vである、請求項17又は18に記載の試薬。
【請求項20】
界面活性剤を含む、請求項1から19までのいずれか一項に記載の試薬。
【請求項21】
(a)タンパク質複合体形成色素、及び
(b)1種又は複数のデキストリン
を含む溶液と、タンパク質含有試料とを接触させ、
色素/タンパク質複合体の形成を検出することを含む、タンパク質検出方法。
【請求項22】
前記溶液が、4以下のpKaを有する酸を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記溶液が、請求項1から20までのいずれか一項に記載の試薬を含む、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記タンパク質含有試料が溶液である、請求項21から23までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記タンパク質含有試料が支持体上に備えられている、請求項21から23までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
検出が、前記色素/タンパク質複合体の吸収又は発光スペクトルの変化を検出することを含む、請求項21から25までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
検出が、色の変化を検出することを含む、請求項21から26までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
検出が、吸光度を測定することを含む、請求項21から27までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
吸光度が、分光光度法によって測定される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
吸光度が、約400nm〜約700nmの範囲の波長で測定される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記タンパク質複合体形成色素がクーマシーブリリアントブルーG−250であり、及び吸光度が約595nmの波長で測定される、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
検出が定量を含む、請求項21から31までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
定量が、吸光度を経時的に測定することによって行われる、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
(a)タンパク質複合体形成色素、及び
(b)1種又は複数のデキストリン
を含む溶液と、タンパク質含有試料とを接触させ、
色素/タンパク質複合体の形成を定量することを含む、タンパク質定量方法。
【請求項35】
前記溶液が、4以下のpKaを有する酸を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記溶液が、請求項1から20までのいずれか一項に記載の試薬を含む、請求項34又は35に記載の方法。
【請求項37】
定量が、前記色素/タンパク質複合体の吸収又は発光スペクトルの変化を測定することを含む、請求項34から36までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
定量が、色の変化を測定することを含む、請求項34から37までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
定量が、吸光度を測定することを含む、請求項34から38までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
吸光度が、分光光度法によって測定される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
吸光度が、約400nm〜約700nmの範囲の波長で測定される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記タンパク質複合体形成色素がクーマシーブリリアントブルーG−250であり、及び吸光度が約595nmの波長で測定される、請求項39又は40に記載の方法。
【請求項43】
測定された吸光度又は発光が、標準値、標準値の組又は標準曲線と比較される、請求項26から33まで、又は37から42までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
(a)タンパク質を含む支持体を提供し、
(b)(i)タンパク質複合体形成色素、及び
(ii)1種又は複数のデキストリンを含む溶液と、前記タンパク質とを接触させ、
色素/タンパク質複合体の形成を検出することを含む、タンパク質検出方法。
【請求項45】
前記溶液が、4以下のpKaを有する酸を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記溶液が、請求項1から20までのいずれか一項に記載の試薬を含む、請求項44又は45に記載の方法。
【請求項47】
前記支持体が、ゲル、ゾル、クロマトグラフィープレート、濾過紙、ニトロセルロース膜又は樹脂である、請求項44から46までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記支持体が、ポリアクリルアミドゲル、アガロースゲル又はポリマー複合体ゲルである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記タンパク質が、電界を使用して、例えば電気泳動によって分離されている、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記支持体が界面活性剤を含む、請求項44から49までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
接触が、界面活性剤の存在下で行われる、請求項44から50までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
検出が、前記色素/タンパク質複合体の吸収又は発光スペクトルの変化を検出することを含む、請求項44から51までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
検出が、色の変化を検出することを含む、請求項44から52までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
検出が、吸光度を測定することを含む、請求項44から53までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
吸光度が、分光光度法によって測定される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
吸光度が、約400nm〜約700nmの範囲の波長で測定される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記タンパク質複合体形成色素がクーマシーブリリアントブルーG−250であり、吸光度が約595nmの波長で測定される、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
1種又は複数のデキストリンを含む、タンパク質を検出及び/又は定量するためのキット。
【請求項59】
1種又は複数のデキストリン及び、タンパク質複合体形成色素とを含む、タンパク質を検出及び/又は定量するためのキット。
【請求項60】
請求項1から20までのいずれか一項に記載の試薬を含む、タンパク質を検出及び/又は定量するためのキット。
【請求項61】
界面活性剤の存在下でタンパク質結合色素/タンパク質複合体の形成を増大させるための、1種又は複数のデキストリンの使用。
【請求項62】
界面活性剤の存在下でタンパク質結合色素/タンパク質複合体を形成する際に界面活性剤の妨害を低減するための、1種又は複数のデキストリンの使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−535614(P2009−535614A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507182(P2009−507182)
【出願日】平成19年4月30日(2007.4.30)
【国際出願番号】PCT/GB2007/050226
【国際公開番号】WO2007/125372
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(508320572)エクスペデオン リミテッド (1)
【Fターム(参考)】