説明

花の香りが豊かな微生物発酵茶の製造方法

【課題】 花の香りが豊かな微生物発酵茶の製造方法の提供。
【解決手段】 発酵茶葉に、アスペルギルス属sp.(PK−1)菌〔Aspergillus sp.(PK−1)〕、アスペルギルス属sp.(AO−1)菌〔Aspergillus oryzae(NBRS 4214) sp.(AO−1)〕、アスペルギルス属sp.(SK−1)菌〔Aspergillus awamori(NBRS 4122) sp.(SK−1)〕等の発酵菌を植菌して発酵し、再発酵茶葉を生産する。 得られた再発酵茶葉は花の香りが豊かな微生物発酵茶である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、新規な微生物発酵茶の製造方法及び同方法により得られる微生物発酵茶に関するものであり、特に花の香りが豊かな微生物発酵茶の製造方法及び同方法により得られる微生物発酵茶に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、製茶は加熱、揉捻、乾燥という工程からなり、茶の葉が自然発酵していくのをどの段階で加熱により止めるか、また、カビ付けにより強制発酵させるか否かという製造方法の違いから、大きく不発酵茶(緑茶)、半発酵茶(烏龍茶、包種茶)、完全発酵茶(紅茶)及び後発酵茶(黒茶、プーアル茶)に大別される。
不発酵茶は生茶葉を蒸熱又は炒熱処理して殺青した後、揉捻、乾燥したものであり、生茶葉自身の持つ酵素群は失われている。一方、半発酵茶及び完全発酵茶は、殺青を行わず、揉稔して生茶葉自体の持つ酵素群の作用により発酵を行わせた後、加熱により酵素群を失活せしめて乾燥したものであり、その発酵の程度により半発酵茶から完全発酵茶に分類される。
【0003】
後発酵茶は、通常、殺青処理した茶葉を原料として、これにカビを植え付け、堆積してカビを用いて発酵を行わせたものであり、長期間発酵させたものが珍重されている。 後発酵茶の特徴は、茶葉中のガレート基を有するカテキン類が分解を受け、強い酸化防止効果を有する没食子酸を産生するとともに、旨味とコク味が増していることにあると言われている。さらに、後発酵茶は、後発酵により茶葉に独自の香りを付与するか、又は機能性を高めた茶葉を提供することを可能とするとともに、それらの機能性を利用した機能性食品類を提供することをも可能とする。例えば、プーアル茶は緑茶にカビを植菌して半年から1年間又はそれ以上の期間発酵させて作る後発酵茶の黒茶の一種であり、血中のコレステロールや中性脂肪を低下させる作用があり、脂肪代謝効果や免疫増強に有用であるといわれている。
【0004】
公知の後発酵茶の製造方法としては、例えば、茶の茎の共存下で茶葉を、アスペルギルス属、又はリゾプス属の微生物により発酵させることにより、黒茶が有するコレステロール低下作用などの生理活性を保持したまま、短期間で黒茶を製造することが可能であり、しかも発酵茶からの抽出物の収率を向上させた製造方法が提案されている(特許文献1参照)。また、麹菌(アスペルギルス ニガー)により茶葉のスラリー発酵を行い、発酵終了時の茶葉懸濁液を回収し、乾燥させた茶葉であって、単位茶葉あたりのガレート基を有するカテキン類の抽出量が他の茶飲料に対して少なく、没食子酸及びカテキン類の抽出量が他の茶飲料に対して多いにもかかわらず苦渋味が少なく旨味とコクの強い後発酵茶飲料が提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
また、従来技術として、青殺後の茶葉、粗柔後の茶葉、柔稔後の茶葉、中稔後の茶葉、精柔後の茶葉又は荒茶を25から80重量%の水を含むように調整し、イースト菌、又は焼酎用の種麹(A.sirousamii)等の真菌類の作用により発酵させ、次いで加熱乾燥させることにより得られた発酵機能茶が提案されている。この発酵茶は、香りを楽しむことができると同時に、茶葉由来のテアニンやカテキン類を分解しないで茶葉中に残存させることにより機能性物質を増大させたものであり、茶葉に含まれるグルタミン酸が変化したγ-アミノ酪酸を含有する(特許文献3参照)。
【0006】
また、本発明者は新しい機能特性を有する後発酵茶を、短期間で効率よく製造することができる後発酵茶の製造方法を開発し、特定の微生物、例えばアスペルギルス属又はユーロチウム属に属し、茶葉を発酵させて4-エテニル-1,2-ジメトキシベンゼン、アセトオイゲノール、又はイソオイゲノールを産生する微生物を茶葉に接種して発酵し、4-エテニル-1,2-ジメトキシベンゼン、アセトオイゲノール、又はイソオイゲノールを含有する後発酵茶葉を産生せしめる後発酵茶の製造方法を提供した(特許文献4参照)。
【0007】
以上述べたように、従来開発されてきた後発酵茶は、茶葉に含有されている成分を発酵技術により有用な物質に変換して、その香りや機能特性を改善することを可能とするものであるが、従来の発酵技術によっては、新しい機能や花の香りが豊な微生物発酵茶を提供するにことはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−333929号公報
【特許文献2】特開2005−278519号公報
【特許文献3】特開2006−14684号公報
【特許文献4】特開2008−263831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上に鑑み、本発明者は新しい機能特性及び花の香りが豊な微生物発酵茶を効率よく製造することができる方法を開発することを目的にして鋭意研究を積み重ねた結果、単行複発酵方式を微生物発酵茶の製造工程において採用することにより、新しい花の香りが豊な微生物発酵茶の製造に成功し、本願発明を完成するに至った。
【0010】
よって、本発明の目的は、新規な花の香りが豊な微生物発酵茶の製造方法及び同
方法により得られる花の香りが豊な微生物発酵茶を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本願発明は、以下の技術的手段から構成される。
[1] 発酵茶葉に、アスペルギルス属sp.(PK−1)菌〔Aspergillus sp.(PK−1)〕、アスペルギルス属sp.(AO−1)菌〔Aspergillus oryzae(NBRS 4214) sp.(AO−1)〕、アスペルギルス属sp.(SK−1)菌〔Aspergillus awamori(NBRS 4122) sp.(SK−1)〕、又はユーロチウム属sp.(KA−1)菌〔Eurotium sp.(KA−1)〕から選択される1種を植菌して発酵し、再発酵茶葉を生産することを特徴とする花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
[2] 発酵茶葉に、アスペルギルス属又はユーロチウム属に属し、茶葉を発酵させて4-エテニル-1,2-ジメトキシベンゼン、アセトオイゲノール、又はイソオイゲノールを産生する微生物を接種して再発酵し、4-エテニル-1,2-ジメトキシベンゼン、アセトオイゲノール、又はイソオイゲノールを含有する再発酵茶葉を生産することを特徴とする花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
[3] アスペルギルス属に属する微生物が、PK−1(FERM AP−21280)である前記[1]又は[2]に記載の花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
[4] ユーロチウム属に属する微生物が、ユーロチウム属ヘルバリオラム(Eurotium herbariorum)である前記[1]又は[2]に記載の花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
[5] ユーロチウム属に属する微生物が、KA−1(FERM AP−21291)である前記[4]に記載の花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
[6] 発酵茶葉が、青殺後の発酵茶葉、粗柔後の発酵茶葉、柔稔後の発酵茶葉、中柔後の発酵茶葉、精柔後の発酵茶葉、又は荒茶の発酵茶のいずれか1から選ばれる前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
[7] 発酵茶葉が、烏龍茶様茶葉又は紅茶様茶葉であることを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
[8] 前記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の微生物発酵茶を製造する方法により製造された再発酵茶葉からなることを特徴とする花の香りが豊かな微生物発酵茶。
[9] 4-エテニル-1,2-ジメトキシベンゼン、アセトオイゲノール、又はイソオイゲノールを含有する再発酵茶葉からなることを特徴とする前記[8]記載の花の香りが豊かな微生物発酵茶。
【0012】
[10] 生茶葉破砕物と水の混合物からなるスラリー状混合物を緑茶又は荒茶に撒布して微生物発酵処理を行う第1工程と、第1工程で得られた微生物発酵茶葉にアスペルギルス属sp.(PK−1)菌〔Aspergillus sp.(PK−1)〕、アスペルギルス属sp.(AO−1)菌〔Aspergillus oryzae(NBRS 4214) sp.(AO−1)〕、アスペルギルス属sp.(SK−1)菌〔Aspergillus awamori(NBRS 4122) sp.(SK−1)〕、又はユーロチウム属sp.(KA−1)菌〔Eurotium sp.(KA−1)〕から選択される1種を植菌して再発酵させて再発酵茶葉を生産することを特徴とする花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
[11] アスペルギルス属に属する微生物が、PK−1(FERM AP−21280)である前項[10] に記載の花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
[12] ユーロチウム属に属する微生物が、ユーロチウム属ヘルバリオラム((Eurotium herbariorum)である前項[10] に記載の花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
[13] ユーロチウム属に属する微生物が、KA−1(FERM AP−21291)である前項[12] に記載の花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
[14] 前項[10] 〜[13]のいずれか1項に記載の微生物発酵茶を製造する方法により製造されたことを特徴とする花の香りが豊かな微生物発酵茶。
[15] 4-エテニル-1,2-ジメトキシベンゼン、アセトオイゲノール、又はイソオイゲノールを含有する再発酵茶葉からなることを特徴とする前項[14] 記載の花の香りが豊かな微生物発酵茶。
【発明の効果】
【0013】
上記の本願発明によれば、烏龍茶様茶葉、紅茶様茶葉、その他の発酵茶葉を原料として、確実かつ容易に花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造することができる。
一般の茶飲料製造工場において微生物を扱うことは、製造設備、製造技術も負担が大きい問題があったが、生茶葉破砕物と水の混合物からなるスラリー状混合物を緑茶又は荒茶に撒布して微生物発酵処理を行う工程を採用する本願発明によれば、一般の茶飲料製造工場において、酵素反応タンク1つを増設すれば微生物発酵茶の製造も可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願発明者は鋭意研究した結果、発酵茶葉を原料とし、これに植菌して再度発酵させることにより、華やかな花様の芳香を産生した再発酵茶葉からなる花の香りが豊かな微生物発酵茶を得ることに成功した。
本願発明の実施の態様について説明する。
まず、単行複発酵方式による再発酵茶(本願発明による発酵茶)の製造について説明する。「単行複発酵方式」とは、単独に二つの発酵を前後して行う方式であるが、この方式による微生物発酵茶の製造法では斯界において初めてである。
本願発明では、これらの二つの発酵は前後して別々の時間帯に酵素反応を行うので、ビール製造技術において用いられる用語である「単行複発酵」に準じて、本願発明者が「単行複発酵茶」と名づけた。
本願発明による単行複発酵による複発酵茶葉の製造の骨子は、(1)茶の生葉から、常法に従って発酵茶葉を製造する。(2)次いで、(1)で得られた発酵茶葉に発酵菌を植菌して発酵させ複発酵茶葉よりなる花の香りが豊な微生物発酵茶を製造する、ことである。
本願発明方法の原料となる発酵茶葉としては、(a)烏龍茶様の香りの原料茶葉や(b)紅茶様の香味がある原料茶葉が挙げられる。
【0015】
本願発明による単行複発酵茶の製造方法における、第1の発酵茶を製造する方法としては、代表的に以下の方法が挙げられる。
(1)ウーロン茶の製造:
(2)紅茶の製造:
(3)生葉ジュース酵素法による発酵茶の製造:(緑茶の荒茶に、茶の生葉のジュースを添加し、例えば30℃で24時間発酵させ、香気発酵させる。)
(4)Eurotiumを用いる発酵茶の製造:(例えばsp.No16とGF−1を用いて香気発酵する。それにより、リナロール、ゲラニオールを生成させる。)
(5)天野エンザイムアロマーゼを用いる発酵茶の製造:
【0016】
次に上記(1)〜(5)の方法によって製造された第1の発酵茶に対して、更に酵素を植菌して発酵処理を施し、第2の発酵茶(本願発明の花の香りが豊な微生物発酵茶)を製造する。
【0017】
本願発明による複発酵茶葉の製造の一例の概要は、
第1工程において、生茶葉中の酵素β−プリメベロシダーゼを利用し、香駆体の二糖(香気成分プリメベロース(glucose1−4xylose))を加水分解して、香気成分リナロールやゲラニオールを生成した発酵茶葉を取得する。
次いで第2工程において、前記第1工程で得られた発酵茶を原料にして、水分調整・殺菌工程を経て、安全性が確認した微生物を用いて、没食子酸とカテキン等が増加した再発酵茶葉からなる花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する。
従来技術により製造された微生物発酵茶は、緑茶の荒茶を原料としていたが、華やかな花様の芳香を生成しないものであった。
【実施例】
【0018】
以下に本願発明の実施例について説明する。
実施例1:
以下は、烏龍茶様原料茶の製造とその発酵茶葉を用いた本願発明の微生物発酵茶の製造法である。
1.茶樹の新芽・葉を機械的に傷を付ける。
a.回転歯のついたローラを茶の樹の上から、葉っぱの上を平行移動しながら茶の葉っぱに傷付ける。これによって、茶葉の中の遺伝子が動き出して、香気前駆体の二糖(プリメベロース)を分解するβ−プリメベロシダーゼを生成させることができる。その結果、ゲラニオール、リナロールが茶葉の中に生成する。
b.又は茶園に大型ファンを設置し、風力を新芽にあて、葉っぱ同士が擦れ合い傷を付ける。このことで、遺伝子が動き出し、葉っぱの中に香気駆体の二糖(プリメベロース)を分解するβ−プリメベロシダーゼが生成する。
2.次に採取したら、紫外線ランプの照射をする。
摘採した茶葉を紫外線照射すると更に次に遺伝子が動き出し、新しいβ−プリメベロシダーゼが生成する。この作用によって、ゲラニオール、リラノール以外にベンギルアルコールが生成し始める。
3.更に室内萎稠させることにより、茶葉中で酵素反応させる。これにより、花様の香りを深める。
4.揉念し、乾燥する。
5.以上で得られた第1の発酵茶を原料とし、それに酵素を植菌して第2の発酵処理を行って、本願発明の花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する。
なお、植菌する好適な発酵菌の菌株として以下のものが挙げられる。
アスペルギルス属sp.(PK−1)菌〔Aspergillus sp.(PK−1)〕、アスペルギルス属sp.(AO−1)菌〔Aspergillus oryzae(NBRS 4214) sp.(AO−1)〕、アスペルギルス属sp.(SK−1)菌〔Aspergillus awamori(NBRS 4122) sp.(SK−1)〕、又はユーロチウム属sp.(KA−1)菌〔Eurotium sp.(KA−1)〕、Aspergillus sp.PK−1(FERM AP−21280)、Eurotium awamori(NBRS 4114)、Eurotium sp.KA−1(FERM AP−21291)、Eurotium sp.No.16(寄託申請準備中)、Eurotium sp.GF(寄託申請準備中)。
【0019】
実施例2:
1.紅茶様製造法:
生茶の時代にストレスを与え、茶樹の新芽・葉にある時代に、物理的に傷をつける又はウンカなどによってストレスを与えることにより、葉の中の前駆物質の「ゲラニオールグルコースキシロース」や「リナロールグルコースキシロース」の二糖(プリメベロース)を加水分解して「ゲラニール」「リナロール」が生成する。
この芳香を出すためにストレスを与え、茶葉の中の遺伝子を順序立って働かせることにより、花様の香気の高い茶を製造する。このお茶は、烏龍茶様茶及び紅茶様茶となる。
このお茶を第1の発酵茶とし、更に実施例1で挙げられた発酵菌を植菌し発酵処理を行って花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する。

紅茶様原料茶の製造とその茶を用いた微生物発酵茶の製造法
1.摘採後、日光萎稠を5〜6時間する。
2.揉念を行う。
3.酵素反応を効果的にするために、釜を用いる。
4.乾燥・火入れをする。
5.紅茶様原料茶が完成したら、微生物発酵茶の製造工程
【0020】
実施例3:
荒茶100kgと茶の生葉30kgを用意する。
まず、生葉をミキサーに掛けて、40℃の水25Lに混合する。
次いで、得られた混合液を、上記の荒茶に撒布し、これを30℃に24時間保持して微生物発酵すると花様の香りのする第1の発酵茶が生成する。
その後、第1の発酵茶に植菌(例えば実施例1に挙げられた発酵菌を植菌)して発酵処理を行うことによって、花の香りが豊かな微生物発酵茶が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発酵茶葉に、アスペルギルス属sp.(PK−1)菌〔Aspergillus sp.(PK−1)〕、アスペルギルス属sp.(AO−1)菌〔Aspergillus oryzae(NBRS 4214) sp.(AO−1)〕、アスペルギルス属sp.(SK−1)菌〔Aspergillus awamori(NBRS 4122) sp.(SK−1)〕、又はユーロチウム属sp.(KA−1)菌〔Eurotium sp.(KA−1)〕から選択される1種を植菌して発酵し、再発酵茶葉を生産することを特徴とする花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
【請求項2】
発酵茶葉に、アスペルギルス属又はユーロチウム属に属し、茶葉を発酵させて4-エテニル-1,2-ジメトキシベンゼン、アセトオイゲノール、又はイソオイゲノールを産生する微生物を接種して再発酵し、4-エテニル-1,2-ジメトキシベンゼン、アセトオイゲノール、又はイソオイゲノールを含有する再発酵茶葉を生産することを特徴とする花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
【請求項3】
アスペルギルス属に属する微生物が、PK−1(FERM AP−21280)である請求項1又は2に記載の花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
【請求項4】
ユーロチウム属に属する微生物が、ユーロチウム属ヘルバリオラム(Eurotium herbariorum)である請求項1又は2に記載の花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
【請求項5】
ユーロチウム属に属する微生物が、KA−1(FERM AP−21291)である請求項4に記載の花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
【請求項6】
発酵茶葉が、青殺後の発酵茶葉、粗柔後の発酵茶葉、柔稔後の発酵茶葉、中柔後の発酵茶葉、精柔後の発酵茶葉、又は荒茶の発酵茶のいずれか1から選ばれる請求項1〜5のいずれか1項に記載の花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
【請求項7】
発酵茶葉が、烏龍茶様茶葉又は紅茶様茶葉であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の微生物発酵茶を製造する方法により製造された再発酵茶葉からなることを特徴とする花の香りが豊かな微生物発酵茶。
【請求項9】
4-エテニル-1,2-ジメトキシベンゼン、アセトオイゲノール、又はイソオイゲノールを含有する再発酵茶葉からなることを特徴とする請求項8記載の花の香りが豊かな微生物発酵茶。
【請求項10】
生茶葉破砕物と水の混合物からなるスラリー状混合物を緑茶又は荒茶に撒布して微生物発酵処理を行う第1工程と、第1工程で得られた微生物発酵茶葉にアスペルギルス属sp.(PK−1)菌〔Aspergillus sp.(PK−1)〕、アスペルギルス属sp.(AO−1)菌〔Aspergillus oryzae(NBRS 4214) sp.(AO−1)〕、アスペルギルス属sp.(SK−1)菌〔Aspergillus awamori(NBRS 4122) sp.(SK−1)〕、又はユーロチウム属sp.(KA−1)菌〔Eurotium sp.(KA−1)〕から選択される1種を植菌して再発酵させて再発酵茶葉を生産することを特徴とする花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
【請求項11】
アスペルギルス属に属する微生物が、PK−1(FERM AP−21280)である請求項10に記載の花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
【請求項12】
ユーロチウム属に属する微生物が、ユーロチウム属ヘルバリオラム((Eurotium herbariorum)である請求項10に記載の花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
【請求項13】
ユーロチウム属に属する微生物が、KA−1(FERM AP−21291)である請求項12に記載の花の香りが豊かな微生物発酵茶を製造する方法。
【請求項14】
請求項10〜13のいずれか1項に記載の微生物発酵茶を製造する方法により製造されたことを特徴とする花の香りが豊かな微生物発酵茶。
【請求項15】
4-エテニル-1,2-ジメトキシベンゼン、アセトオイゲノール、又はイソオイゲノールを含有する再発酵茶葉からなることを特徴とする請求項14記載の花の香りが豊かな微生物発酵茶。


【公開番号】特開2012−80812(P2012−80812A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−229180(P2010−229180)
【出願日】平成22年10月11日(2010.10.11)
【出願人】(504428636)株式会社RIVERSON (11)
【Fターム(参考)】