説明

花粉付着防止性能の評価方法および花粉脱落性能の評価方法

【課題】花粉付着防止性能と花粉脱落性能とを、実際に花粉が飛散している環境に近い条件でかつバラツキが少なく評価する、花粉付着防止性能の評価方法および花粉脱落性能の評価方法を提供する。
【解決手段】ボックス内部に繊維布帛を配置した後、該ボックス内部で花粉または擬似花粉を空気流とともに自由飛散させ、前記繊維布帛の表面に付着した花粉または擬似花粉の単位面積あたりの付着個数をカウントすることを特徴とする花粉付着防止性能の評価方法、および、繊維布帛の表面に花粉または擬似花粉が付着させた後、該表面が床面側になるように繊維布帛を固定し、該繊維布帛に衝撃を加えることにより前記花粉または擬似花粉を落下させ、前記表面に残存する花粉または擬似花粉の単位面積あたりの付着個数をカウントすることを特徴とする花粉脱落性能の評価方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維布帛に対する花粉の付着し難さを評価する花粉付着防止性能の評価方法、および繊維布帛に対する花粉の脱落性を評価する花粉脱落性能の評価方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、わが国では花粉症患者が急増している。その原因は、戦後の拡大造林で植えられたスギやヒノキなどの花粉が空気中に飛散し、それを吸い込むために起こる病気であると一般に言われており、花粉が鼻から吸い込まれたり、目に付着することにより、くしゃみ、鼻みず、鼻づまり、目のかゆみなどの症状があらわれる。
【0003】
このため、花粉が飛散する時期になると、花粉症患者はマスクやゴーグルを着用して鼻や目に花粉が付着することを抑えたり、さらには外出から家屋に花粉を持ち込まないよう花粉が付き難く落ちやすい被服を着用するなどの対策が講じられている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0004】
他方、花粉付着防止性能の評価方法に関しても多く研究されており、例えば、特許文献4や特許文献5では、短時間で手軽に擬似花粉の付着防止性能を評価できる評価方法が示されている。しかしながら、かかる方法では、擬似花粉を入れた袋を振って繊維布帛に擬似花粉を付着させるため、袋の縛り口付近にシワが発生し、そのシワ部に繊維布帛や擬似花粉が挟まり、擬似花粉の付着にバラツキが発生するという問題があった。
【0005】
また、別の評価方法として、単位面積あたり一定個数の花粉を付着させた後、衝撃を与えて花粉を脱落させた後、残留する花粉の個数を測定しリリース率を算出する評価方法も知られているが、かかる方法では、花粉脱落性能のみの評価であり、花粉付着防止性能は評価できないものであった。
【0006】
さらに特許文献6では、硬質容器に繊維布帛と花粉または擬似花粉を投入し、硬質容器を一定速度で回転させて繊維布帛に付着させる方法が示されているが、かかる評価方法は、繊維布帛が実際に被服として使用された際に花粉が付着する条件に近いものではなかった。
【0007】
以上のように、花粉付着防止性能と花粉脱落性能とを、実際に花粉が飛散している環境に近い条件でかつ評価結果のバラツキが少なく評価できる方法はこれまであまり提案されていない。
【0008】
【特許文献1】特開平9−192247号公報
【特許文献2】特開平6−158494号公報
【特許文献3】特開2005−15944号公報
【特許文献4】特開2003−213541号公報
【特許文献5】特開2003−227070号公報
【特許文献6】特開2005−146437号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、花粉付着防止性能と花粉脱落性能とを実際に花粉が飛散している環境に近い条件で、かつ評価結果のバラツキが少なく評価できる、花粉付着防止性能の評価方法および花粉脱落性能の評価方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は上記課題を達成するため鋭意検討した結果、ボックス内部に繊維布帛を配置した後、花粉または擬似花粉を空気流とともに自由飛散させ、前記繊維布帛の表面に付着した花粉または擬似花粉の単位面積あたりの付着個数をカウントすることにより、花粉付着防止性能の優れた評価方法が得られることを見出した。また、繊維布帛の表面に花粉または擬似花粉が付着させた後、該表面が下側になるように繊維布帛を固定し、該繊維布帛に衝撃を加えることにより前記花粉または擬似花粉を落下させ、残存する花粉または擬似花粉の単位面積あたりの付着個数をカウントすることにより花粉脱落性能の優れた評価方法が得られることを見出した。そして、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
【0011】
かくして、本発明によれば「繊維布帛に対する花粉の付着し難さを評価する花粉付着防止性能の評価方法であって、ボックス内部に繊維布帛を配置した後、該ボックス内部で花粉または擬似花粉を空気流とともに自由飛散させ、前記繊維布帛の表面に付着した花粉または擬似花粉の単位面積あたりの付着個数をカウントすることを特徴とする花粉付着防止性能の評価方法。」が提供される。
【0012】
その際、前記繊維布帛が、ボックス内において試料台の上に配置されていることが好ましい。あた、前記試料台の傾斜角度が可変であることが好ましい。また、前記試料台が絶縁体を含むことにより、該試料台の上に配置された繊維布帛に帯電させることが可能であることが好ましい。また、 前記繊維布帛として、静電気が帯電した繊維布帛を用いることが好ましい。また、前記ボックス内において、花粉または擬似花粉の飛散量が75〜700個/cmの範囲内であることが好ましい。また、前記ボックス内において、床面4隅について単位面積(1cm)あたりの花粉または擬似花粉の個数を測定して、下記式で定義する均一飛散性が15%以下であることが好ましい。
均一飛散性Y[%]=((飛散個数の最大値[個/cm])−(飛散個数の最小値[個/cm]))/(飛散個数の最大値[個/cm])×100
【0013】
また、本発明によれば「繊維布帛に対する花粉の脱落性を評価する花粉脱落性能の評価方法であって、花粉または擬似花粉が付着した繊維布帛表面が床面側に向くように繊維布帛を配し、該繊維布帛に衝撃を加えることにより前記花粉または擬似花粉を落下させ、前記表面に残存する花粉または擬似花粉の単位面積あたりの付着個数をカウントすることを特徴とする花粉脱落性能の評価方法。」が提供される。
【0014】
その際、前記繊維布帛が試料台に貼り付けられており、該試料台の上方1〜10cmの高さから質量5〜30grの金属球を該試料台に落下させることにより前記繊維布帛に衝撃を加えることが好ましい。また、繊維布帛として、前記の花粉付着防止性能の評価方法により花粉または擬似花粉をその表面に付着させた繊維布帛を用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、花粉付着防止性能と花粉脱落性能とを、実際に花粉が飛散している環境に近い条件でかつバラツキが少なく評価する、花粉付着防止性能の評価方法および花粉脱落性能の評価方法が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の花粉付着防止性能の評価方法において、まず、ボックス内部に繊維布帛(試料)を配置する。前記ボックスのサイズは特に限定されないが、1辺が1m以下(好ましくは0.4〜0.8m)の直方体か立方体であると、花粉または擬似花粉を均一に飛散させることができ好ましい。また、該ボックスの素材も特に限定されないが、透明塩化ビニル樹脂または透明アクリル樹脂が、ボックス内部を外部からみることができるので好適に例示される。
【0017】
前記の繊維布帛は、ボックス内において試料台の上に配置されていることが好ましい。特に該試料台が取り外し可能で、傾斜角度が可変(好ましくは床に水平な方向に対し0〜90度の傾斜角度)であることが好ましい。該試料台の素材は特に限定されないが、試料台が絶縁体を含むと、後記のように繊維布帛に静電気を帯電させることができ好ましい。例えば、試料台の上に絶縁ゴムを貼り付けその上に繊維布帛を配置することが好ましい。また、通常かかる試料台は支持台(スタンド)により固定される。
【0018】
前記繊維布帛の種類としては特に限定されず、ポリエステル布帛、ナイロン布帛、アクリル布帛、綿布帛、レーヨン布帛など任意のものを評価することができる。特に、該繊維布帛として静電気が帯電した繊維布帛を用いると、繊維布帛が実際に衣服に縫製され着用された状況に近い環境となり好ましい。その際、繊維布帛に静電気を帯電させる方法としては、例えば、別途用意した綿布帛等で摩擦帯電させる方法が好ましく例示される。
【0019】
前記繊維布帛を試料台に固定する方法としては、接着剤や両面テープで貼り合せてもよいが、図2に模式的に示すように試料台に凸部を設けた後、該凸部の上に繊維布帛をかぶせ、その上から該凸部の周囲を囲むようにOリングか輪ゴムで固定するとよい。
【0020】
次いで、前記のボックス内部で花粉または擬似花粉を空気流とともに自由飛散させる。その際、擬似花粉としては、特開2005−146437号公報に開示されているような擬似花粉が好ましく、具体的には、粒径10〜60μm程度の石松子、でんぷん、脱脂粉乳、ベントナイト、シリカゲルなどが例示される。もちろん、粒径10〜60μm程度の風媒花の花粉を使用してもよい。
【0021】
花粉または擬似花粉の投入量は、空気流量1リットルに対して0.01g〜0.3gの範囲内であることが好ましい。花粉または擬似花粉の個数としては、ボックス内部の底面に落下した個数が、単位面積(1cm)あたり75〜700個(より好ましくは100〜300個)の範囲内であることが好ましい。その際、前記ボックス内の床面4隅について単位面積(1cm)の花粉または擬似花粉の個数を測定して、下記式で定義する均一飛散性が15%以下であることが好ましい。
均一飛散性Y[%]=((飛散個数の最大値[個/cm])−(飛散個数の最小値[個/cm]))/(飛散個数の最大値[個/cm])×100
【0022】
また、空気流を発生させる方法としては、ボックス内で小型ファン、スプレーガン、エアブラシ(例えば、扶桑精機社製、RS−506N)などを用いることが好ましい。その際、空気流量は1.0〜7.0リットル/分、時間は0.5〜2分間の範囲内であることが好ましい。
【0023】
次いで、前記繊維布帛の表面に付着した花粉または擬似花粉の単位面積あたりの付着個数をカウントする。例えば、繊維布帛の表面を同一倍率の実態顕微鏡で観察し、デジタルカメラ等に画像を取り込んだ後印刷し、花粉または擬似花粉の単位面積あたりの付着個数をカウントすることが好ましい。
前記の方法により、実際に花粉が飛散している環境に近い条件で、かつ評価結果のバラツキが少なく、繊維布帛に対する花粉の付着し難さを評価することができる。
【0024】
次に、本発明の花粉脱落性能の評価方法において、まず、繊維布帛の表面に花粉または擬似花粉を付着させ、単位面積あたりの初期付着個数をカウントする。なお、付着方法としては、前記の花粉付着防止性能の評価方法により花粉または擬似花粉を繊維布帛の表面に付着させることが好ましく、カウントする方法も前記のように、繊維布帛の表面を同一倍率の実態顕微鏡で観察し、デジタルカメラ等に画像を取り込んだ後印刷し、花粉または擬似花粉の単位面積あたりの付着個数をカウントすることが好ましい。
【0025】
次いで、花粉または擬似花粉が付着した表面が床面側(下側)になるように繊維布帛を空中に固定し、該繊維布帛に衝撃を加えることにより前記花粉または擬似花粉を落下させる。その際、該試料台の上方1〜10cmの高さから質量5〜30grの金属球を該試料台に落下させることにより前記繊維布帛に衝撃を加えることが好ましい。なお、金属球の材質は、鉄、銅など通常の金属でよく特に限定されない。
【0026】
そして、前記表面に残存する花粉または擬似花粉の単位面積あたりの残留付着個数を前記の方法でカウントし、下記式により花粉脱落性能Xを評価する。該Xの数値が大きいほど花粉脱落性能が優れる。
花粉脱落率X[%]=((初期付着個数[個/cm])−(残存個数[個/cm]))/(初期付着個数[個/cm])×100
かかる方法により、実際に花粉が飛散している環境に近い条件で、かつ評価結果のバラツキが少なく、繊維布帛に対する花粉の脱落し易さを評価することができる。
【実施例】
【0027】
次に本発明の実施例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
(1)摩擦帯電圧[V]
JIS L1094による摩擦帯電圧[V]を測定した。
(2)花粉脱落率X[%]
擬似花粉の初期付着個数[個/cm]と残存個数[個/cm]とから下記式により花粉脱落率X[%]を算出した。
花粉脱落率X[%]=((初期付着個数[個/cm])−(残存個数[個/cm]))/(初期付着個数[個/cm])×100
(3)均一飛散性Y[%]
ボックスの床面4隅にワセリンを塗布したスライドガラスを配置し、飛散後これを取り出し、実態顕微鏡により単位面積あたりの飛散個数をそれぞれ測定し、下記式により算出した。
均一飛散性Y[%]=((飛散個数の最大値[個/cm])−(飛散個数の最小値[個/cm]))/(飛散個数の最大値[個/cm])×100
【0028】
[実施例1]
経糸、緯糸ともにポリエチレンテレフタレート繊維(84デシテックス72フィラメント)を用いた仕上がり織密度、経152本/2.54cm、緯101本/2.54の平組織織物を2枚用意し、一方は公知の制電加工を実施し、もう一方は制電加工を実施しなかった。そして、両者について摩擦帯電圧を測定したところ、制電加工品は100V、未加工品は4500Vであった。
【0029】
他方、図2に模式的に示すように、試料台として幅20cm×奥行き10cm×厚さ3mmの鉄板に、表面抵抗1.0×1012オーム以上の厚さ0.2mmの絶縁ゴムを貼り付け、さらにその上に、直径7cm、厚さ2mmの円形形状をした絶縁ゴムを接着剤にて2箇所接着することにより2箇所の凸部を形成した。そして、前記の制電加工品と未加工品とを1枚ずつ前記凸部の上に配し、別途用意したオーリングを凸部(円形ゴム部分)の周囲にはめこみ、上述の試料生地2枚をそれぞれ固定した。次に、マグネットサポーター(カネテック社製、MT−A−2)を床面に対して水平から垂直まで変化させることができるように独自に改良した支持台に、試料台を床面に対し垂直方向となるよう取り付け、前記の各試料生地を綿生地(金巾3号)にて10回摩擦し帯電させたのち、ボックス(簡易グローブボックス、アズワン製、品番3−116−01、幅700mm×奥行き500mm×高さ500mm)内に配置した。
【0030】
次いで、前記ボックス内部にて、ボックス内床面から上部に向け、エアブラシ(扶桑精機社製、RS−506N)を使用し、0.3gの擬似花粉(石松子、粒径31ミクロンm)を該エアブラシに投入し、空気流量5リットル/分×1分間の空気にて飛散させた。この際、均一飛散性を確認すべく、ボックスの床面4隅にワセリンを塗布したスライドガラスを配置し、飛散後これを取り出し、実態顕微鏡(マイクロネット社製、型式NYPIXSスーパーシステム)により単位面積あたりの飛散量を測定したところ、最大値が263個[個/cm]、最小値が250個[個/cm]であり、均一飛散性Yが5.0%と4隅ともほとんど差がなく、ボックス内を均一に擬似花粉を飛散させることができた。
【0031】
また、擬似花粉を飛散させた後の試料台を取り出し、各試料生地に付着した擬似花粉を実態顕微鏡(マイクロネット社製、型式NYPIXSスーパーシステム)にて観察し、デジタルカメラ(ニコン社製、型式クールピクス4500)に画像を取り込んだ後印刷し、擬似花粉の単位面積あたりの付着個数をカウントした。結果を表1に示す。花粉付着防止性については、制電加工品が、擬似花粉付着個数2個/cmあったのに対し、制電未加工品では150個/cmの付着があり、帯電による花粉付着性の差を正確に測定することができた。
【0032】
次に、花粉脱落性能について、上述の試料台を床面に対して45度の角度に設定した以外は、全て同様に擬似花粉を飛散させた後、各試料生地に付着した擬似花粉の個数をカウントした。その後、試料台を裏向きに床面に対して水平に固定し、試料台から5cmの高さより16gの金属球を落下させ、擬似花粉を脱落させた。脱落後、再度付着状況を確認した場所と同じ場所を実態顕微鏡で確認し、残存する擬似花粉の個数をカウントした。そして、花粉脱落率を算出したところ、制電加工品は脱落率98%であったのに対し、制電未加工品は15%と帯電時の付着した花粉の落ち難さを正確に測定することができた。
【0033】
[実施例2]
試料台に絶縁ゴムの代わりに鉄板を張り合わせたこと以外は全て実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。均一飛散性は最大値が261個[個/cm]、最小値が245個[個/cm]であり、均一飛散性Yが6.1%と実施例1と同様に均一に飛散させることができた。一方、花粉付着防止性について、制電加工品が、擬似花粉付着個数1個/cmであったのに対し、制電未加工品も2個/cm付着であり、帯電性による花粉付着性の差を正確に測定することができなかった。また、花粉脱落率については、制電加工品は脱落率99%であったのに対し、制電未加工品は97%と帯電時の付着した花粉の落ち難さを正確に測定することができた。
【0034】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明によれば、花粉付着防止性能と花粉脱落性能とを実際に花粉が飛散している環境に近い条件で、かつバラツキが少なく評価する、花粉付着防止性能の評価方法および花粉脱落性能の評価方法が提供され、その工業的価値が極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】花粉付着防止性能の測定装置を模式的に例示したものである。
【図2】試料台を模式的に例示したものであり、(1)断面図、(2)斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
1 エアブラシ
2 ボックス
3 飛散する擬似花粉
4 試料台
5 支持台
6 鉄板
7 絶縁ゴム
8 鉄板
9 絶縁ゴム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維布帛に対する花粉の付着し難さを評価する花粉付着防止性能の評価方法であって、
ボックス内部に繊維布帛を配置した後、該ボックス内部で花粉または擬似花粉を空気流とともに自由飛散させ、前記繊維布帛の表面に付着した花粉または擬似花粉の単位面積あたりの付着個数をカウントすることを特徴とする花粉付着防止性能の評価方法。
【請求項2】
前記繊維布帛が、ボックス内において試料台の上に配置されている、請求項1に記載の花粉付着防止性能の評価方法。
【請求項3】
前記試料台の傾斜角度が可変である、請求項2に記載の花粉付着防止性能の評価方法。
【請求項4】
前記試料台が絶縁体を含むことにより、該試料台の上に配置された繊維布帛に帯電させることが可能である、請求項2または請求項3に記載の花粉付着防止性能の評価方法。
【請求項5】
前記繊維布帛として、静電気が帯電した繊維布帛を用いる、請求項1〜4のいずれかに記載の花粉付着防止性能の評価方法。
【請求項6】
前記ボックス内において、花粉または擬似花粉の飛散量が75〜700個/cmの範囲内である、請求項1〜5のいずれかに記載の花粉付着防止性能の評価方法。
【請求項7】
前記ボックス内において、床面4隅について単位面積(1cm)あたりの花粉または擬似花粉の個数を測定して、下記式で定義する均一飛散性が15%以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の花粉付着防止性能の評価方法。
均一飛散性Y[%]=((飛散個数の最大値[個/cm])−(飛散個数の最小値[個/cm]))/(飛散個数の最大値[個/cm])×100
【請求項8】
繊維布帛に対する花粉の脱落性を評価する花粉脱落性能の評価方法であって、
花粉または擬似花粉が付着した繊維布帛表面が床面側に向くように繊維布帛を配し、該繊維布帛に衝撃を加えることにより前記花粉または擬似花粉を落下させ、前記表面に残存する花粉または擬似花粉の単位面積あたりの付着個数をカウントすることを特徴とする花粉脱落性能の評価方法。
【請求項9】
前記繊維布帛が試料台に貼り付けられており、該試料台の上方1〜10cmの高さから質量5〜30grの金属球を該試料台に落下させることにより前記繊維布帛に衝撃を加える、請求項8に記載の花粉脱落性能の評価方法。
【請求項10】
繊維布帛として、請求項1〜7のいずれかに記載の花粉付着防止性能の評価方法により花粉または擬似花粉をその表面に付着させた繊維布帛を用いる、請求項8または請求項9に記載の花粉脱落性能の評価方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−266849(P2008−266849A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−113958(P2007−113958)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(302011711)帝人ファイバー株式会社 (1,101)
【Fターム(参考)】