説明

花粉症を改善及び予防する飲食物

【課題】手軽に摂取でき副作用などがなく安全で花粉症の症状を改善及び予防する飲食物を提供する。
【解決手段】甘エビとだし入り味噌と水から成る飲食物、すなわちエビ味噌汁を1回約200ml朝、昼、夜に飲用し続けることで手軽に摂取でき副作用などがなく安全で飲み易い花粉症を改善及び予防する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は花粉症の治療に効果がある飲食物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、花粉症患者が増加し社会問題になっている。しかし花粉症の原因は花粉だけでなく、大気汚染、食事の変化、ストレスや生活環境の変化が関係していると言われる。
【0003】
花粉症は、吸入された花粉が鼻粘膜上に沈着し、粘液層で花粉からアレルゲンが遊離する。生体外異物と認識されて、IgE抗体が産生される。肥満細胞や好塩其球表面にIgE抗体が結合する(感作の成立) 新たに花粉の吸入、アレルゲンの遊離。肥満細胞からのケミカルメディエーターの放出。
【0004】
ケミカルメディエーターは、ヒスタミンや好酸球遊走因子、好中球遊走因子などがある。肥満細胞の活性化後、細胞内で酵素的に生合成され、アラキドン酸代謝産物であるプロスタグランジン、ロイコトリエンや血小板活性化因子などがある。
【0005】
ロイコトリエンB4は多核白血球の血管内皮細胞への粘着を促進するとともにその遊走亢進作用をもち、さらに集積した白血球を活性化して、活性酸素やリソゾーム酵素などを放出し、炎症を促す。血小板活性化因子はマクロファージ好酸球、血小板など炎症担当細胞の細胞膜リン脂質からも生成される。
【0006】
炎症担当細胞から各種のケミカルメディエーターが放出され連鎖的に炎症をひき起こし、ロイコトリエンなどによってくしゃみ、鼻水、鼻詰まりや眼のかゆみ、流涙などの症状が現れる。
【0007】
従来の花粉症の治療には、1)花粉の防除、2)減感作療法3)薬物療法などがある。
【0008】
花粉の防除は、外出時にマスクや眼鏡をつけ、帰宅後すぐに洗顔、洗眼、うがい、できたら鼻洗をする方法である。
【0009】
減感作療法は、抗原を少量から皮膚に注射していき患者が大量の抗原に耐えられるようにする方法で2,3年注射を続ける方法である。
【0010】
薬物療法は、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤などが知られている。
【非特許文献】斎藤洋三著(花粉症の科学)化学同人発行1994年P,107
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、マスクや眼鏡などだけでは花粉を防ぐことができず、減感作療法では注射を続けるのに時間がかかることや有効性が明らかではない。また薬物療法には眠気などの副作用が心配されるため、安全で効果的な花粉症を改善できる食品が期待される。
【0012】
そこで本発明は、手軽に摂取でき、副作用などがなく安全で花粉症の症状を改善及び予防する飲食物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は20年以上花粉症に悩まされていた。偶然飲んでいた甘エビとだし入り味噌と水分から成る飲食物、すなわちエビ味噌汁によって花粉症を改善及び予防できることを見出し、エビ味噌汁を1回約200ml朝、昼、夜に飲用し続けることで手軽に摂取でき副作用などがなく安全で飲み易い花粉症を改善及び予防する飲食物を得ることができる。
【0014】
本発明のエビ味噌汁はこれに限定されない。だし入り味噌の代わりにカツオエキスとコンブエキスと味噌を使用できる。又は市販のカツオだしとコンブだしと味噌でもよい。エビは甘エビなどの有頭エビを使用する。エビは頭部だけでも使用できる。エビは生だけではなく乾燥エビでもよい。又は乾燥エビを粉末状にしてもよい。エビから抽出したエビエキスも使用できる。
【0015】
本発明はエビ味噌汁であるがその形態はこれに限定されない。エビとだし入り味噌を粉末状にし水分で溶解したり、エビ味噌汁をゼリー状に加工したり、エビ味噌汁を濃縮しソフトカプセルに加工するなどが可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明のエビ味噌汁は花粉症の改善効果が高く、安全で摂取し易いので子供から妊婦の方まで、安心して飲用できる。速効性があり、また持続性や予防にも優れた効果を表した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は水約400mlに対し、甘エビ約200g、だし入り味噌約40gから作る。甘エビは頭と身に分ける。鍋に水を入れ沸騰させ先にエビの頭を入れ、次にエビの身を入れ約10分程度煮る。これにだし入り味噌を溶かし入れエビ味噌汁が完成される。
【0018】
本発明のエビ味噌汁を花粉症の時期は1回約200mlを朝、昼、夜に飲用し続ける事で花粉症を改善できる。花粉症がない時期でもエビ味噌汁を1日1回約200ml飲用し続ける事で予防もできる。
【実施例1】
【0019】
本発明者は、平成12年7月から平成13年7月までの1年間継続してエビ味噌汁を1日約200ml飲用していた時、平成13年2月からの花粉症の時期に花粉症の症状を全く感じないほどの効果を発揮した。
【0020】
本発明者は平成13年8月から平成16年1月まで約2年6ヶ月もの間エビ味噌汁の飲用を停止していたにもかかわらず、平成14年と平成15年の花粉症の時期にも全く花粉症の症状があらわれないので完治したものと実感した。
【0021】
しかし、平成16年2月から花粉症のくしゃみ、鼻水、鼻詰まりを感じたので、エビ味噌汁約200mlを1日3回朝,昼,夜に飲用し、1週間程で花粉症の症状が改善できた。
【実施例2】
【0022】
本発明者は 寝る前に強い鼻詰まりを感じたので、エビ味噌汁約200mlを飲用し、約20分後に鼻詰まりが解消されたので速効性があると実感できた。またその効果は朝まで約8時間も続き、持続性も発揮した。
【0023】
6歳の子供が鼻詰まりを感じ、エビ味噌汁を約180ml飲用し、やはり約20分後に鼻詰まりが解消され、朝まで効果が持続された。
【0024】
本発明者はエビ味噌汁が花粉症に大変効果があるので成分を文献で調べた結果、味噌には多くの生理機能があり、エビやカツオエキス、コンブエキスにも有効な成分が報告されていた。
【0025】
エビ味噌汁の味噌については、抗変異原性、抗酸化性、活性酸素ラジカル消去能、コレステロール低下、脂肪肝抑制作用、薬物代謝、酸素活性化作用、生体防御担当細胞活性化作用などの生理機能に関する研究が報告されている。
【0026】
カツオエキスに含まれるヒスチジン、アンセリン、カルノシンの生理作用が研究され、虚血性疾患、十二指腸潰瘍などの治療効果、副賢脂質ホルモン様の作用、抗炎症作用、殺菌効果、免疫調節作用、抗酸化作用、細胞内緩衝作用などがあるとされ実際の治療にも利用されている。
【0027】
魚油やDHA,EPAの摂取は急性、慢性、アレルギー性の炎症症状の軽減にも役立つことが知られている。この作用のメカニズムとしては、魚油のDHAやEPAが白血球膜リン脂質中のアラキドン酸を減少させたりして、アラキドン酸からの生成するロイコトリエンA4やB4などを少なくするとともに、白血球の働きを抑制することによるとされている。
【0028】
コンブのうま味成分のグルタミン酸、甘エビに多く含まれる成分のグリシンは哺乳動物の脳神経系で作用する神経伝達物質である。脳の血流、酸素供給量の増加、脳細胞の代謝機能亢進に関与する。
【0029】
エビ類に含まれるカルテノイド(アスタキサンチン)の生理機能、生物活性として、プロビタミンA活性(ビタミンAの前駆体としての働き)一重項酸素やフリーラジカルなどの活性酸素捕捉、消去活性、腫瘍細胞増殖阻害活性などが知られている。
【0030】
アスタキサンチンは、ヘルパーT(Th)細胞のクローンであるTh1とTh2の両細胞によるIgMおよびIgGの産生を高めた。またアスタキサンチンは、ストレスに起因する多くの疾患の予防に対し有効な成分であるかもしれないとのことです。
【発明の効果】
【0031】
以上のことから、本発明のエビ味噌汁は、相乗効果により神経系を調節しヒスタミンやロイコトリエンなどのケミカルメディエーターによる炎症を抑制し、人が本来備わっている生体機能を正常化し花粉症を根本的に改善できるものとおもわれる。従って本発明は副作用などがなく安全で花粉症を改善及び予防できる飲食物である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
花粉症改善だけでなく様々な疾患病などにも効果が期待でき、健康補助食品としても利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エビとだし入り味噌と水分から成る花粉症を改善及び予防する飲食物。
【請求項2】
エビと市販のカツオだしとコンブだしと味噌と水分から成る花粉症を改善及び予防する飲食物。
【請求項3】
エビは甘エビとすることを特徴とする請求項1ないし請求項2いずれか記載の飲食物。
【請求項4】
エビはエビ頭部とすることを特徴とする請求項1,請求項2、請求項3いずれか記載の飲食物。
【請求項5】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4いずれか記載のものを粉末状に加工した飲食物。
【請求項6】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4いずれか記載のものをゼリー状に加工した飲食物。
【請求項7】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4いずれか記載のものを濃縮しソフトカプセルに加工した飲食物。
【請求項8】
甘エビを乾燥させたもの。
【請求項9】
エビ頭部を乾燥させたもの。
【請求項10】
甘エビ頭部を乾燥させたもの。
【請求項11】
請求項8、請求項9、請求項10いずれか記載のものを粉末状にし、だし紙パックに入れたもの。
【請求項12】
エビから抽出したエビエキス。
【請求項13】
エビは甘エビとすることを特徴とするエビエキス。
【請求項14】
エビはエビ頭部とすることを特徴とするエビエキス。

【公開番号】特開2006−254885(P2006−254885A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−116234(P2005−116234)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(505136538)
【Fターム(参考)】