説明

花粉症用治療用具等

【課題】花粉症の主な症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ)の治療法の提供。
【解決手段】花粉症の主な症状の治療又は予防薬に粘膜保護作用、抗菌殺菌作用並びに抗炎症作用及び細胞再生活性化作用などをもつ人の唾液又は人工唾液を使い、これらをティッシュペーパー状の柔らかく刺激の少ない材料で作られた鼻炎用塗布用具1の鼻炎用唾液含浸部に染み込ませて患部に直接塗付することで治療を行うとともに、唾液の粘性と塗付用具のティッシュペーパー状の構造があいまって患部の洗浄効果も得られるため花粉症などの原因物質(花粉やカビ、ダニなど)を効果的に取り除くことができるのでこれらの相乗作用により確実に花粉症の各症状を改善する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療効果を高めた花粉症の治療用具等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
花粉症の主な症状の治療法は未だ確立しておらず、患者はさまざまな苦労を強いられている。
【0003】
たとえば、最も根治療法に近いとされる減感作療法については、流行シーズン後から準備を始めて1年ないし5年の長きにわたって何度も注射を繰り返さなければならず、早い人でも治療を始めた次のシーズンにならなければ効果は期待できない。しかも治療を受けた全ての人に必ず効果が出るというわけでもなく、何割かの人は治療効果が得られないのである。また、まれにはショック症状を起こすなどの副作用も報告されている。
【0004】
次に、花粉症の治療法で一般的なものは、それぞれの症状に応じた対症療法である。それにしても、この花粉症の治療に関しては、さまざまな方法が試みられており、そのどれもが未だ決定打になっていないため、さらに新しい方法が次から次へと発表されている。そのことが、いかにこの花粉症の治療が難しいかを如実に示している。その中でも、今日主流となっているのは抗ヒスタミン薬やステロイド薬使用した薬物療法である。まず、抗ヒスタミン薬については服用して数十分で効き目が出る第一世代抗ヒスタミン薬は、眠気などの副作用が強く出やすいので運転などのときは注意が必要であるし、副作用の比較的少ない第二世代抗ヒスタミン薬は、服用して数日から二週間たたないと充分な効果が得られない。次に、ステロイド薬については主に重傷者に用いられ強力にアレルギーを抑えることができる反面、免疫機能を弱らせることにつながり、長期投与を行うと他の感染症を招くなどの重大な副作用の危険もあるなど、慎重に用いなければならない。
【0005】
また、薬を患部に塗布する方法についても改善の余地が見られる。点鼻薬などを鼻に塗布する場合は多くのものが噴射式を採用している。しかし、的確な部分に薬を塗布するにはその構造上不安を拭えない。つまり、鼻づまりが起きていない場合は患部以外の鼻腔の奥の部分まで塗布したり、逆に鼻づまりを起こしている場合には患部まで届かないことが予想されるなど不都合な部分がある。かといって、薬を患部に直接塗付する場合には綿棒などを用いてきたが粘膜には優しくなく違和感を覚えるなど改善の余地がある。以上のように花粉症の治療に関してはいまだ課題が多いといわざるを得ないのである。
【非特許文献1】環境省 花粉症保健指導マニュアル2007(PDF http://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/html/pdfs/manual_full.pdf)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、花粉症などの治療法が確立していないため多くの患者が苦痛を強いられている点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、粘膜保護作用、抗菌殺菌作用、抗炎症作用、細胞再生活性化作用等を持つ人間の唾液を予防又は治療薬とし、それらを柔らかくて刺激の少ない清潔なティッシュペーパー状の紙を材料として作られた塗付用具に染み込ませて安全且つ確実に患部に塗付するとともに、薬の粘性とティッシュペーパー状の紙の表面の構造を利用して患部に付着している原因物質(花粉やカビなど)や患部の汚れなどを効果的に取り除くことができるようにして花粉症の症状を簡単に改善できるようにしたことを特徴とする。さらに、口腔内に何らかの疾患があり自分の唾液が使えない場合や、唾液に細菌やウィルスなどが存在している人のためには、工業的に製造されそのような不純物を含まない人工唾液を使うことでより衛生的な治療や予防が可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明では予防又は治療薬に唾液を活用するために、塗付用具さえ携行していれば何時でも何処でも簡単に予防又は治療が行え、効き目も早いので、症状が起きた時点で対処することも出来る為に、花粉症の煩わしさから開放される。また、塗布用具に柔らかくて粘膜に優しく清潔なティッシュペーパー状のものを使うことで、薬を患部に安全且つ確実に塗布するとともに、薬の粘性とこの紙の表面の構造(繊維が複雑に絡み合っている)を活かして原因物質や患部の汚れを絡めとることができる為に、治療効果はさらに倍増するという利点がある。さらに、人工唾液を使用すれば誰でも衛生的に治療や予防が行える
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
花粉症の主な症状の治療又は予防薬として、粘膜保護作用、抗菌殺菌作用、抗炎症作用、細胞再生活性化作用などを持つ人間の唾液を使い、これらを柔らかいティッシュペーパー状の材料で作った塗付用具の唾液含浸部に染み込ませて安全確実に患部に直接塗付するとともに、唾液の粘性と塗付用具の構造による清浄作用によって患部に付着した花粉症などの原因物質(花粉やカビ、ダニ等)を取り除くようにした。さらに、唾液に細菌やウィルスなどが存在する人のためには、工業的に作った人工唾液を使用して、より衛生的な治療や予防を行う。
【実施例1】
【0010】
図1は本発明の一実施例を示した斜視図であって、鼻炎の治療の場合である。まず、鼻炎用塗布用具1を口にくわえ(人工唾液の場合には1を人工唾液に浸す)回転させながら鼻炎用唾液含浸部2に唾液をたっぷりと染み込ませ、それを鼻腔に挿入し数回回転させながら唾液を患部に塗付するとともに、鼻腔内の原因物質を絡めとり清浄に保つ。図3は鼻炎用塗布用具の一例を示した斜視図であって、もち手の部分に綿棒などに使われる紙軸を利用したものであり、紙軸の周りにティッシュペーパー状の清潔な紙を巻いた構造になっている。なお、この場合鼻炎用唾液含浸部2の形状はその柔らかさにより鼻腔の形状に沿って変化して、より刺激の少ない且つ確実な治療が可能となっている。
【実施例2】
【0011】
図2は結膜炎の治療の場合の実施例を示す。結膜炎用塗付用具3は清潔なティッシュペーパー状の紙を16折にした構造をしており、中央部分の結膜炎用唾液含浸部4に唾液を充分染み込ませて、患部を拭うようにして唾液を塗付するとともに、患部に付着した原因物質を絡めとる。なお、この場合目を閉じた状態で行い、眼球に傷をつけないようにする。
【0012】
それぞれの治療は、一回ごとに塗布用具を新しいものに換えて数回繰り返し行う。なお、この治療を行う場合当然のことながら口の中を清浄に保ち、さらに、リンパマッサージをするなどして唾液をたくさん分泌させて、口の中が唾液でいっぱいになるようにして、雑菌がつかないようにすること。ただし、口腔内になんらかの疾患がある場合は、この治療法は行えないので、人工唾液に頼ることになるであろう。人工唾液は約99,5パーセントの水分と約0,5パーセントのたんぱく質等の薬効成分からなる。その主な成分は粘性を示し粘膜などを保護する成分のムチンで、ほかに抗菌、殺菌あるいは免疫機能などをつかさどるリゾチーム、ラクトフェリンや免疫グロブリンのIgAなど。さらに細胞再生活性化に作用する上皮成長因子(EGF)などを含む生成物である。
【産業上の利用可能性】
【0013】
人工唾液はさまざまな病気の治療用にも使える可能性を秘めており万能薬として今後使われることになるであろう。さらに、ティッシュペーパー状の紙を使用した塗付用具についても花粉症に限らず他のどんな病気の場合でも患部に直接薬液を塗付する場合のほとんどに使用でき、その際も患部の清浄効果も得られるので一石二鳥の塗付用具として重宝されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】鼻炎用塗布用具の使用例を示した説明図である。(実施例1)
【図2】鼻炎用塗付用具の一例を示した斜視図である。
【図3】結膜炎用塗付用具の使用例を示した説明図である。(実施例2)
【図4】結膜炎用塗付用具の一例を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0015】
1 鼻炎用塗布用具
2 鼻炎用唾液含浸部
3 結膜炎用塗付用具
4 結膜炎用唾液含浸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
花粉症などのアレルギー性鼻炎及びアレルギー性結膜炎(以下まとめて花粉症とする)の主な症状であるくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ(以下主な症状とする)の治療及び予防薬として人の唾液又は人工唾液を使うこと。
【請求項2】
人の唾液と同じ薬効成分(粘膜保護成分、抗菌、殺菌成分及び抗炎症成分さらに細胞再生活性化成分等)を含む工業的に生成された人工唾液。
【請求項3】
花粉症の主な症状の治療及び予防のために人工唾液などの薬液を患部に塗布する際に使用する塗布用具の材料に、ティッシュペーパー状の清潔で柔らかくて患部の粘膜に刺激の少ない吸水性と耐水性に優れた紙を使用することによって、薬液の塗布を安全確実に行うと同時に、薬液の粘性と塗布用具のティッシュペーパー状の構造により花粉症などの原因物質である花粉やカビなどを患部から効果的に取り除くことができるようにした塗布用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−1530(P2009−1530A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−165170(P2007−165170)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(707001137)
【Fターム(参考)】