説明

芳香剤及びこれを含有する組成物

【課題】ヘリオトロピンの香質を維持しつつ、ヘリオトロピンの揮散性を向上させる芳香剤を提供する。
【解決手段】(A)ヘリオトロピンと、(B)クマリン及び/又はリモネンとを含有する芳香剤であって、(A):(B)で表される質量比が25:1〜5:1である芳香剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘリオトロピンを含有する芳香剤及びこれを含有する組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ヘリオトロピンは睡眠改善効果を有する。ヘリオトロピンがこの効果を発揮するには、一定量以上のヘリオトロピンが鼻腔に到達し、香りを感じ続ける必要がある。しかしながら、ヘリオトロピンは揮散しにくいという問題があった。これを解決するために、ヘリオトロピンを大量に配合することは、ヘリオトロピンが高価であるため不経済であり、また溶解性の問題が生じる。一般に、香料成分の揮散性を向上させる目的で、揮発性の高い溶剤としてエタノール等が使用されるが、それらには特有の香りがあり、ヘリオトロピンの香りの質を悪化させるという問題があった。一方、揮発性のあまり高くない多価アルコール等を用いると、揮散性を向上させることはできない。以上のことから、ヘリオトロピンの香りの質(香質)を維持しつつ、ヘリオトロピンの揮散性を向上させる技術が望まれていた。
【0003】
一方、香りを持続させる方法として、ゲル状組成物に香料を配合する方法が知られているが、それらの方法では剤型が限られてしまうという問題点があり、ヘリオトロピンの香りの持続性を向上する技術は知られていない。以上のことから、ヘリオトロピンの香りを持続させる技術が望まれていた。
【0004】
【特許文献1】特開昭63−73966号公報
【特許文献2】特開2006−014933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、ヘリオトロピンの香質を維持しつつ、ヘリオトロピンの揮散性を向上させる芳香剤及びこれを含有する組成物を提供することを目的とする。また、本発明のさらなる課題は、ヘリオトロピンの香り持続性に優れる芳香剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、(A)ヘリオトロピンを含有する芳香剤に、(B)クマリン及び/又はリモネンを、(A):(B)で表される質量比が25:1〜5:1となるように配合することで、ヘリオトロピンの香質、香調を維持しつつ、ヘリオトロピンの揮散性を向上させることができることを知見した。さらに、(C)3α,6,6,9α−テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1−b]フランを、(A):(C)で表される質量比が250:1〜10:1となるように配合することで、ヘリオトロピンの揮散性をさらに向上することに加え、ヘリオトロピンの香り持続性が向上することを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0007】
従って、本発明は、下記芳香剤及び組成物を提供する。
[1].(A)ヘリオトロピンと、(B)クマリン及び/又はリモネンとを含有し、(A):(B)で表される質量比が25:1〜5:1である芳香剤。
[2].さらに、(C)3α,6,6,9α−テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1−b]フランを含有し、(A):(C)で表される質量比が250:1〜10:1である[1]記載の芳香剤。
[3].[1]又は[2]記載の芳香剤を含有する、身体塗布用、毛髪用、経口用、リーブ・オフ用、浴用、口腔用、繊維もしくは皮革処理用、又は室内芳香用組成物。
なお、上記[2]の発明のさらなる課題は、ヘリオトロピンの香り持続性に優れる芳香剤を提供することである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ヘリオトロピンの香質を維持しつつ、ヘリオトロピンの揮散性を向上させる芳香剤及びこれを含有する組成物を提供することができ、さらに、(C)3α,6,6,9α−テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1−b]フランを含有し、(A):(C)で表される質量比が250:1〜10:1とすることで、ヘリオトロピンの香り持続性に優れる芳香剤及びこれを含有する組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の芳香剤は、(A)ヘリオトロピンと、(B)クマリン及び/又はリモネンとを含有する芳香剤であって、(A):(B)で表される質量比が25:1〜5:1であるものである。
【0010】
(A)ヘリオトロピン
ヘリオトロピンは、別名ピペロナール(3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド)であり、優れた睡眠改善効果を有する。ヘリオトロピンは、天然に存在するものを抽出して用いても、有機合成されたものを用いてもよい。例えば、バニラ豆中等の天然に存在するものを抽出して用いてもよく、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0011】
(B)クマリン及び/又はリモネン
クマリン、リモネンは香料成分であり、天然に存在するものを抽出して用いても、有機合成されたものを用いてもよく、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。この特定の香料成分を下記特定比率で用いることにより、ヘリオトロピンの揮散性を向上させることができる。
【0012】
本発明においては、(A):(B)で表される(A)成分と(B)成分との含有質量比が、25:1〜5:1である。この比率で用いることにより、ヘリオトロピンの香質を維持しつつ、ヘリオトロピンの揮散性を向上させることができる。上記質量比は、20:1〜6:1が好ましく、15:1〜8:1がより好ましい。
【0013】
(C)3α,6,6,9α−テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1−b]フラン
本発明の芳香剤には、3α,6,6,9α−テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1−b]フランを配合することが好ましい。3α,6,6,9α−テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1−b]フランは、別名アンブロックス(以下、「アンブロックス」と表記する)である。アンブロックスは香料成分であり、天然に存在するものを抽出して用いても、有機合成されたものを用いてもよく、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0014】
(A):(C)で表される(A)成分と(C)成分との含有質量比は、250:1〜10:1が好ましく、この比率で用いることにより、ヘリオトロピンの揮散性をさらに向上することに加え、香りを持続して感じることができる。上記質量比は、150:1〜20:1がより好ましく、100:1〜30:1がさらに好ましい。
【0015】
(A)〜(C)成分の芳香剤中の配合量は特に限定されないが、(A)成分は0.5〜30質量%が好ましく、(B)成分は0.02〜6質量%が好ましく、(C)成分は0.002〜3質量%が好ましい。
【0016】
本発明の芳香剤には、(A)〜(C)成分以外の香料成分を、本発明の効果を損わない範囲で配合することができる。香料成分としては、例えば、合成香料としては、1996年化学工業日報社刊印藤元一著「合成香料化学と商品知識」、1969年MONTCLAIR,N.J.刊、ステファンアークタンダー(STEFFEN ARCTANDER)著「パヒューム アンド フレーバーケミカルス(Perfume and Flavor Chemicals)」等に記載の香料が使用できる。天然香料としては、「香りの百科」(日本香料協会編)に記載の香料が使用できる。(A)〜(C)成分を含む香料成分全量に対する(A)ヘリオトロピンの量は30〜98質量%が好ましく、80〜96質量%がより好ましい。
【0017】
芳香剤には、本発明の効果を損わない範囲で、香料用溶剤、香料安定化剤を配合することができる。香料用溶剤としては、エタノール、アセチン(トリアセチン)、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。香料用溶剤の配合量は、芳香剤中60〜99.4質量%が好ましい。
【0018】
香料安定化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンEとその誘導体、カテキン化合物、フラボノイド化合物、ポリフェノール化合物等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。香料安定化剤の配合量は、芳香剤中0.0001〜1質量%が好ましい。
【0019】
芳香剤は、例えば、上記(A),(B)成分、必要に応じて(C)成分、その他香料成分、香料用溶剤(残部)及び香料安定化剤を混合し、得ることができる。
【0020】
本発明の芳香剤はそのまま用いてもよいし、各種組成物に配合して使用することができる。本発明の芳香剤及びこれを含有する組成物は、その効果の点から、睡眠改善剤として好適である。各種組成物としては、身体塗布用、毛髪用、経口用、リーブ・オフ用、浴用、口腔用、繊維もしくは皮革処理用、室内芳香用組成物等が挙げられる。身体塗布用組成物としては、ボディ用練香水、ボディ用乳液、ボディ用クリーム等、毛髪用組成物としては、洗い流さないヘアトリートメント、ヘアスタイリング用ミスト、ヘアワックス等、経口用組成物としては、飴、ドリンク剤、ガム等、リーブ・オフ用組成物としては、ボディソープ、石鹸、シャンプー、コンディショナー等、浴用組成物としては、入浴剤、バスバブル等、口腔用組成物としては、洗口剤、歯磨、口臭予防剤等、繊維処理用組成物としては、リネンスプレー、衣料用洗剤、衣料用柔軟剤等、皮革処理用組成物としては、防水スプレー、ワックス、オイル等、繊維もしくは皮革処理用組成物としては、繊維もしくは皮革処理用ミスト等、室内芳香用組成物としては、香、線香、液体芳香用組成物、固形芳香用組成物、ジェル状芳香用組成物が挙げられる。
【0021】
各種組成物中の芳香剤の配合量は特に制限されるものではなく、組成物の用途によって異なるが、0.001〜40質量%が好ましく、0.01〜20質量%がより好ましく、0.1〜10質量%がさらに好ましい。また、ヘリオトロピン量として組成物中0.0003〜40質量%が好ましく、0.008〜20質量%がより好ましい。
【0022】
芳香剤のpH(25℃)は特に限定されるものではなく、高温(40℃以上)での分解等を考慮すると、通常pH2〜10であり、好ましくは3〜8である。また、芳香剤を配合した組成物も同様である。
【実施例】
【0023】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%、比率は質量比を示す。
【0024】
[実施例1〜16、比較例1〜7]
表2〜5に示す組成の芳香剤を常法に基づいて調製し、実施例1〜9、比較例1〜7は、「ヘリオトロピンの揮散性」及び「ヘリオトロピンの香質の維持」の評価を行い、実施例10〜16は、「ヘリオトロピンの揮散性」及び「ヘリオトロピンの香りの持続性」の評価を行った。結果を表中に併記する。
【0025】
[ヘリオトロピンの揮散性]
口径7cm、深さ9cmの円柱プラスチック容器に、試料溶液2mLを入れ、容器上端から上方2cmの高さにおける、ヘリオトロピンの空気中濃度をPTR−MS(PTR−MS(陽子移動反応質量分析計);Ionicon Analytik GesmbH社製)で測定し、ヘリオトロピンの分子量に相当する分子量151のピークにて比較した。測定は、積算時間60秒を1サイクルとして測定し、測定開始時の値を0として、大気中濃度が立ち上がり、安定した3サイクルの平均値をヘリオトロピン大気中濃度とし、コントロールのヘリオトロピン大気中濃度1に対する試料の濃度比を併記する。なお、実施例4のヘリオトロピン大気中濃度の結果を表1、ヘリオトロピン大気中濃度を示すグラフ及び平均に用いる3サイクルについて図1に示す。
【0026】
【表1】

【0027】
[ヘリオトロピンの香質の維持]
口径7cm、深さ9cmの円柱プラスチック容器に、試料溶液2mLを入れた。パネラー5名で容器上端から上方2cmの高さにおける香りの質を官能評価し、下記評価基準に基づいて評価した。結果は5名の平均値(評価点・小数点1位を四捨五入)で示す。4点以上を合格とする。
<評価基準>
5点:ヘリオトロピンと同質の香りがする
4点:ほぼヘリオトロピンと同質の香りがする
3点:どちらともいえない
2点:ややヘリオトロピンと異なる香りがする
1点:ヘリオトロピンと異なる香りがする
【0028】
[ヘリオトロピンの香りの持続性]
口径7cm、深さ9cmの円柱プラスチック容器に、試料溶液2mLを入れて机の上に置き、椅子に腰掛けた被験者からは見えないようについ立をたてた。試料溶液から被験者までは約1mとし、試料溶液が送風機と被験者との間に位置するように設置した。送風機は、被験者の顔の高さで、かつ上記容器上端から送風機中央までの距離は約20cmに設置し、送風機で被験者がほとんど風を感じない程度に被験者に向けて送風した。
被験者には予め、途中で容器に蓋をして芳香を止めるので、「香りを感じはじめた」、「香りがなくなった」と思ったら知らせてくれるように教示しておいた。実際には香りを呈示し続け、プラスチック容器のふたをはずして芳香を開始し、被験者が香りを感じはじめてから香りを感じなくなるまでの時間を測定し、香りの持続時間とした。評価には14.8m3の部屋を使用し、評価時の室内環境は温度25±2℃、相対湿度45±5%とした。嗅覚の順応を避けるため、評価は1人、1日1サンプルで実施した。香りの持続時間から、下記評価基準に基づいて評価した。結果は5名の平均値(評価点・小数点1位を四捨五入)で示す。
<評価基準>
5点:6時間以上持続
4点:4時間以上持続〜6時間未満持続
3点:2時間以上持続〜4時間未満持続
2点:1時間以上持続〜2時間未満持続
1点:1時間未満
(日本人の睡眠時間を考慮すると、4点以上が望ましい)
【0029】
【表2】

【0030】
【表3】

【0031】
【表4】

【0032】
【表5】

【0033】
[実施例17]
リネンスプレー(繊維処理用組成物)
リネンスプレー内容液 (%)
(A)ヘリオトロピン 1.0
(B)クマリン 0.08
(B)リモネン 0.04
(C)アンブロックス 0.02
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 1.0
エタノール 10.0
水 バランス
合計 100.0
(A):(B)=8:1
(A):(C)=50:1
香料成分全量に対するヘリオトロピンの量 88%
上記リネンスプレー内容液をポンプタイプのスプレー容器に充填し、就寝前に枕に噴霧して使用させたところ、香り立ちがよく、香りの持続性もよいことが確認された。また、睡眠改善効果も確認された。
【0034】
[実施例18]
ボディ用練香水
組成 (%)
(A)ヘリオトロピン 15.0
(B)クマリン 0.8
(B)リモネン 0.7
(C)アンブロックス 0.3
シア脂 10.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 2.0
ジプロピレングリコール 2.0
パラオキシ安息香酸プロピル 0.1
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
塩化ベンザルコニウム 0.01
ミツロウ バランス
合計 100.0
(A):(B)=10:1
(A):(C)=50:1
香料成分全量に対するヘリオトロピンの量 89%
上記ボディ用練香水を常法に準じて調製し、ジャータイプの容器に充填した。就寝前に胸元に塗布して使用させたところ、香り立ちがよく、香りの持続性もよいことが確認された。また、睡眠改善効果も確認された。
【0035】
[実施例19]
ヘアトリートメントウォーター
組成 (%)
(A)ヘリオトロピン 0.1
(B)クマリン 0.0057
(B)リモネン 0.0026
(C)アンブロックス 0.00125
アミノ変性シリコーン 1.2
ジメチルシリコーン 1.0
没食子酸−3,5−ジグルコシド 0.4
プロピレングリコール 6.0
ポリオキシエチレン(30)フィトステロール 0.3
テトラオレイン酸ポリオキシエチレン
(40)ソルビット 0.3
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.0
ポリオキシエチレン(30)ステアリルエーテル 2.0
加水分解ケラチン 2.5
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
無水ピロリン酸ナトリウム 0.05
グリコール酸 0.2
エタノール 20.0
水 バランス
合計 100.0
(A):(B)=12:1
(A):(C)=80:1
香料成分全量に対するヘリオトロピンの量 91%
上記ヘアトリートメントウォーターを常法に準じて調製し、トリガータイプのスプレー容器に充填した。就寝前に毛髪にスプレーして使用させたところ、香り立ちがよく、香りの持続性もよいことが確認された。また、睡眠改善効果も確認された。
【0036】
[実施例20]

組成 (%)
(A)ヘリオトロピン 0.015
(B)クマリン 0.001
(B)リモネン 0.00066
(C)アンブロックス 0.0005
グラニュー糖 58.0
水 17.0
水飴 バランス
合計 100.0
(A):(B)=9:1
(A):(C)=30:1
香料成分全量に対するヘリオトロピンの量 87%
上記飴を、常法に準じて調製し、就寝前に摂取させたところ、香り立ちがよく、香りの持続性もよいことが確認された。また、睡眠改善効果も確認された。
【0037】
[実施例21]
ボディソープ
組成 (%)
(A)ヘリオトロピン 0.7
(B)クマリン 0.04
(B)リモネン 0.018
(C)アンブロックス 0.0088
ラウリン酸カリウム 5.0
ミリスチン酸カリウム 8.0
パルミチン酸カリウム 2.0
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 2.0
N−ラウロイル−β−アラニン 1.0
ラウリン酸モノエタノールアミド 3.0
塩化ジメチルジアリルアンモニウム
/アクリルアミド共重合体(70/30) 0.1
ヒドロキシエチルセルロース 0.2
プロピレングリコール 10.0
グリセリン 5.0
エデト酸ナトリウム 0.2
エチレングリコールジステアレート 3.0
水酸化カリウム pH10に調整量
水 バランス
合計 100.0
(A):(B)=12:1
(A):(C)=80:1
香料成分全量に対するヘリオトロピンの量 91%
上記ボディソープを常法に準じて調製し、ポンプタイプの容器に充填した。夜間入浴時に全身の洗浄に使用させたところ、香り立ちがよく、香りの持続性もよいことが確認された。また、睡眠改善効果も確認された。
【0038】
[実施例22]
入浴剤
組成 (%)
(A)ヘリオトロピン 0.8
(B)クマリン 0.03
(B)リモネン 0.023
(C)アンブロックス 0.008
グリセリン 4.0
1,3−ブチレングリコール 3.5
dl−ピロリドンカルボン酸カリウム 5.0
ポリオキシエチレン(20)オクチルドデシルエーテル
0.8
エタノール 8.0
水 バランス
合計 100.0
(A):(B)=15:1
(A):(C)=100:1
香料成分全量に対するヘリオトロピンの量 93%
上記入浴剤を常法に準じて調製し、ボトル容器に充填した。40gを夜間入浴時に使用させたところ、香り立ちがよく、香りの持続性もよいことが確認された。また、睡眠改善効果も確認された。
【0039】
[実施例23]
洗口剤(液)
組成 (%)
(A)ヘリオトロピン 0.015
(B)クマリン 0.001
(B)リモネン 0.00066
(C)アンブロックス 0.0005
イソプロピルメチルフェノール 0.05
l−メントール 0.005
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.5
グリセリン 1.0
プロピレングリコール 2.0
キシリトール 3.0
エタノール 10.0
クエン酸 0.03
クエン酸ナトリウム 0.25
水 バランス
合計 100.0
(A):(B)=9:1
(A):(C)=30:1
香料成分全量に対するヘリオトロピンの量 87%
上記洗口剤を、常法に準じて調製し、ボトル容器に充填した。就寝前に口中のすすぎに使用させたところ、香り立ちがよく、香りの持続性もよいことが確認された。また、睡眠改善効果も確認された。
【0040】
[実施例24]
繊維又は皮革用芳香ミスト
内容液組成 (%)
(A)ヘリオトロピン 2.0
(B)クマリン 0.1
(B)リモネン 0.08
(C)アンブロックス 0.05
アシルアミドプロピルジメチルアミンオキシド 0.3
ジアルキルジメチルアンモニウム塩 0.1
エタノール 5.0
水 バランス
合計 100.0
(A):(B)=11:1
(A):(C)=40:1
香料成分全量に対するヘリオトロピンの量 90%
上記の繊維又は皮革用芳香ミストの内容液を常法に準じて調製し、ポンプタイプのスプレー容器に充填した。就寝前に、枕、シーツ、掛け布団に噴霧して使用させたところ、香り立ちがよく、香りの持続性もよいことが確認された。また、睡眠改善効果も確認された。
【0041】
[実施例25]

組成 (%)
(A)ヘリオトロピン 5.0
(B)クマリン 0.25
(B)リモネン 0.25
(C)アンブロックス 0.1
木炭粉 35.0
タブ粉 20.0
コーンスターチ 5.0
炭酸カルシウム 5.0
珪藻土 17.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 3.0
POEソルビタン脂肪酸エステル 0.1
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.3
木粉 バランス
合計 100.0
(A):(B)=10:1
(A):(C)=56:1
香料成分全量に対するヘリオトロピンの量 89%
上記の香を常法に準じて調製し、コーン(円錐)型に成形した。就寝前に室内で使用させたところ、香り立ちがよく、香りの持続性もよいことが確認された。また、睡眠改善効果も確認された。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施例4のヘリオトロピンの揮散性評価における、ヘリオトロピン大気中濃度を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ヘリオトロピンと、(B)クマリン及び/又はリモネンとを含有し、(A):(B)で表される質量比が25:1〜5:1である芳香剤。
【請求項2】
さらに、(C)3α,6,6,9α−テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1−b]フランを含有し、(A):(C)で表される質量比が250:1〜10:1である請求項1記載の芳香剤。
【請求項3】
請求項1又は2記載の芳香剤を含有する、身体塗布用、毛髪用、経口用、リーブ・オフ用、浴用、口腔用、繊維もしくは皮革処理用、又は室内芳香用組成物。

【図1】
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【公開番号】特開2010−90317(P2010−90317A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263336(P2008−263336)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【出願人】(000169466)高砂香料工業株式会社 (194)
【Fターム(参考)】