説明

芳香剤用担体系

本発明は、芳香剤又は着臭剤を含むコアa)及びシェルb)を含むマイクロカプセルであって、b)が1以上のアクリル酸及び/又はメタクリル酸のC1-C24-アルキルエステル、及び20から60質量%の量で前記シェル中に存在するMAA及び/又は10から50質量%の量のBDA2及び/又は10から50質量%の量のPETIA及び/又は10から50質量%の量のEDGMA[BDA2、PETIA及びEDGMAの(合計)量は少なくとも30質量%である]を重合させることで得られる前記マイクロカプセル、その製造及び種々の技術分野でのその使用に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香剤用担体系、その製造及び各種産業分野における該担体系の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
意図した使用を行う以前の貯蔵時において、染料、医薬及び作物保護組成物、酵素、更には、芳香剤又は着臭剤などの有用な化合物を保護するために、マイクロカプセルの使用が検討されることが多くなっているか、既に実施されている。これらのマイクロカプセルによって、上記有用な有効成分を使用混合物中に既に比較的均質に分布した状態で提供して、貯蔵中に他の成分に曝露される必要がないようにすることができる。カプセルのシェルを好適に選択することによって、遅延放出などの効果をこのように達成することも可能となる。
【0003】
例えば、EP0457154には、ポリマーのシェル、より具体的には着色担体(color carriers)を封入するための30から100質量%のアクリル酸若しくはメタクリル酸のアルキルエステル及び0から80質量%の二官能性若しくは多官能性モノマー、更には0から40質量%の他のビニル系モノマーのポリマーのシェルが記載されている。これらの着色担体は、低揮発性であることに注目すべきである。
【0004】
WO05/105291には、5から90質量%のアクリル酸若しくはメタクリル酸などの水溶性モノマー、5から90質量%の二官能性若しくは多官能性モノマー及び0から55質量%のアクリル酸若しくはメタクリル酸のアルキルエステルなどの低水溶性モノマーから構成されるポリマーのシェルが開示されている。それは、紡糸工程で直接繊維製品をコーティングするためのパラフィン類、即ち同様に非揮発性物質のカプセル封入に役立つものである。
【0005】
1から95質量%のアクリル酸若しくはメタクリル酸などの水溶性モノマー、5から99質量%の二官能性若しくは多官能性モノマー及び0から60質量%のアクリル酸若しくはメタクリル酸のアルキルエステルなどの低水溶性モノマーから構成されるポリマーのシェルを開示するWO08/058868も、非揮発性物質、即ちパラフィンの封入に役立つものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】EP0457154
【特許文献2】WO05/105291
【特許文献3】WO08/058868
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
洗浄及びクリーニング用組成物に適用するために、並びに洗濯及び表面処理のために、例えば多くの芳香剤又は着臭剤を含む揮発性化合物を保存するためにマイクロカプセルを使用する場合、そのカプセルは揮発性物質を特に効率的に封入するものでなければならない。従って、揮発性物質に対する不浸透性(imperviosity)が改善されたマイクロカプセルを提供することが、本発明の目的であった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
驚くべきことに、その目的は請求項1から7によるマイクロカプセル;それを含む請求項8及び9による化学組成物、そして請求項10から13による使用によって達成され、請求項14及び15による微粒子を含む物品が本発明の更に別の構成要素を形成する。
【0009】
従って、前記目的は、
芳香剤又は着臭剤を含むコアa)及びシェルb)を含むマイクロカプセルであって、b)が1以上のアクリル酸及び/又はメタクリル酸のC1-C24-アルキルエステル、及び
20から60質量%の量で前記シェル中に存在するMAA、及び/又は
10から50質量%の量のBDA2及び/又は
10から50質量%の量のPETIA及び/又は
10から50質量%の量のEDGMA[共重合した形態での前記シェルに存在するBDA2、PETIA及びEDGMAの(合計)量は少なくとも30質量%である]を重合させることで得られる、前記マイクロカプセルによって達成される。
【0010】
略称は下記の意味を有する:
MMA:メタクリル酸メチル
MAA:メタクリル酸
BDA2:1,4-ブタンジオールジアクリラート
PETIA:ペンタエリスリチルトリアクリラート
EDGMA:エチレングリコールジメタクリラート
DMAEMA:ジメチルアミノエチルメタクリラート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
芳香剤又は着臭剤は、所望の嗅覚特性を有し、基本的に無毒である全ての有機物質を意味するものと理解される。それには、洗浄若しくはクリーニング用の組成物又は香水で通常使用される全ての芳香剤又は着臭剤などがある。それは、天然、半合成又は合成起源の化合物であっても良い。好ましい芳香剤又は着臭剤は、炭化水素類、アルデヒド類又はエステル類の物質クラスに割り当てることができる。芳香剤又は着臭剤には、オレンジ油、レモン油、バラ抽出物、ラベンダー、麝香、パチョリ、バルサム・エッセンス、ビャクダン油、松根油及びシダー油などの構成成分の複雑な混合物を含み得る天然の抽出物及び/又はエッセンスなどもある。
【0012】
合成及び半合成の芳香剤又は着臭剤の例には、7-アセチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-1,1,6,7-テトラメチルナフタレン、α-イオノン、β-イオノン、γ-イオノン、α-イソメチルイオノン、メチルセドリルケトン、ジヒドロジャスモン酸メチル、メチル1,6,10-トリメチル-2,5,9-シクロドデカトリエン-1-イルケトン、7-アセチル-1,1,3,4,4,6-ヘキサメチル-テトラリン、4-アセチル-6-tert-ブチル-1,1-ジメチルインダン、ヒドロキシフェニルブタノン、ベンゾフェノン、メチルβ-ナフチルケトン、6-アセチル-1,1,2,3,3,5-ヘキサメチルインダン、5-アセチル-3-イソプロピル-1,1,2,6-テトラメチルインダン、1-ドデカナール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、10-ウンデセン-1-アール、イソヘキセニルシクロヘキシルカルボキシアルデヒド、ホルミルトリシクロデカン、ヒドロキシシトロネラールとアントラニル酸メチルの縮合生成物、ヒドロキシシトロネラールとインドールの縮合生成物、フェニルアセトアルデヒドとインドールの縮合生成物、2-メチル-3-(パラ-tert-ブチルフェニル)プロピオンアルデヒド、エチルバニリン、ヘリオトロピン、ヘキシルシンナムアルデヒド、アミルシンナムアルデヒド、2-メチル-2-(イソ-プロピルフェニル)プロピオンアルデヒド、クマリン、デカラクトン-γ、シクロペンタデカノリド、16-ヒドロキシ-9-ヘキサデセノラクトン、1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-4,6,6,7,8,8-ヘキサメチルシクロペンタ-γ-2-ベンゾピラン、β-ナフトールメチルエーテル、アンブロキサン、ドデカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチルナフト[2,lb]フラン、セドロール、5-(2,2,3-トリメチルシクロペント-3-エンイル)-3-メチルペンタン-2-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、カリオフィレンアルコール、プロピオン酸トリシクロデセニル、酢酸トリシクロデセニル、サリチル酸ベンジル、酢酸セドリル及び酢酸tert-ブチルシクロヘキシルがあるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
本発明に従って使用可能な芳香剤又は着臭剤の別の例が、例えばUS6,143,707、US5,089,162、EP1360270及びWO2009/027957に記載されている。
【0014】
特に好ましいものは、ヘキシルシンナムアルデヒド、2-メチル-3-(tert-ブチルフェニル)-プロピオンアルデヒド、7-アセチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-1,1,6,7-テトラメチルナフタレン、サリチル酸ベンジル、7-アセチル-1,1,3,4,4,6-ヘキサメチルテトラリン、酢酸パラ-tert-ブチル-シクロヘキシル、ジヒドロジャスモン酸メチル、β-ナフトールメチルエーテル、メチルβ-ナフチルケトン、2-メチル-2-(パラ-イソプロピルフェニル)プロピオンアルデヒド、1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-4,6,6,7,8,8-ヘキサメチルシクロペンタ-γ-2-ベンゾピラン、ドデカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチル-ナフト[2,lb]フラン、アニスアルデヒド、クマリン、セドロール、バニリン、シクロペンタデカノリド、酢酸トリシクロデセニル及びプロピオン酸トリシクロデセニルである。
【0015】
他の芳香剤には、ペルーバルサム、オリバナムレジノイド、スチラックス、ラブダナム樹脂、ナツメグ、カッシア油、ベンゾイン樹脂、コリアンダー及びラバンジンなどの多数の入手源からのエッセンシャルオイル類、レジノイド類及び樹脂類がある。別の好適な芳香剤には、フェニルエチルアルコール、テルピネオール、リナロール、酢酸リナリル、ゲラニオール、ネロール、酢酸2-(1,1-ジメチルエチル)-シクロヘキサノール、酢酸ベンジル及びオイゲノールがある。
【0016】
芳香剤又は着臭剤は、純粋な物質として、又は互いの混合物で使用可能である。芳香剤又は着臭剤は、単一の疎水性材料としてマイクロカプセルのコアを形成することができる。あるいはマイクロカプセルは、芳香剤又は着臭剤を溶解又は分散させる、芳香剤又は着臭剤以外のさらなる疎水性材料を含むことができる。例えば、室温で固体である芳香剤又は着臭剤を用いる場合、溶媒又は分散剤として室温で液体である疎水性材料を使用することが有利である。
【0017】
芳香剤又は着臭剤にさらなる疎水性材料を加えることで、その芳香剤又は着臭剤の疎水性を高めることも同様に可能である。
【0018】
好ましくは、芳香剤若しくは着臭剤又は芳香剤若しくは着臭剤の混合物は、疎水性コア材料の1から100質量%、好ましくは20から100質量%を構成する。疎水性材料は100℃未満の温度、好ましくは60℃未満の温度、より好ましくは室温で液体である。
【0019】
アクリル酸及び/又はメタクリル酸のC1-C24-アルキルエステルは通常、純粋なアルキルエステルだけでなく、アクリル酸のアルキルアミド又はビニルアルキルエーテルなどの修飾された化合物も意味するものと理解される。例としてはtert-ブチルアクリルアミド及びアクリルアミドがあるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
好ましい実施形態が存在することは明らかであり、例えば好ましいものとしては、
前記シェルが共重合した形態で、アクリル酸及び/又はメタクリル酸のC1-C24-アルキルエステル及び
25から50質量%の量のMAA及び/又は
20から40質量%の量のBDA2及び/又は
20から40質量%の量のPETIA及び/又は
20から40質量%の量のEDGMAを含むマイクロカプセルがある。
【0021】
更により好ましいものは、前記アクリル酸及び/又はメタクリル酸のC1-C24-アルキルエステルがメタクリル酸メチルであり、
MAAが35から45質量%の量でシェル中に共重合されており、及び/又は
BDA2は25から35質量%の量であり、及び/又は
PETIAは25から35質量%の量であり、及び/又は
EDGMAは25から35質量%の量であるマイクロカプセルである。
【0022】
本発明のマイクロカプセルは、揮発性物質を蒸発から効率的に保護するという利点を有する。
【0023】
従って本発明は更に、芳香剤又は着臭剤を含むコアa)及びシェルb)を有するマイクロカプセルであって、b)が1以上のアクリル酸及び/又はメタクリル酸のC1-C24-アルキルエステルを重合させることで得ることができ、前記マイクロカプセルが「蒸発率試験(evaporation rate test)」によって測定される蒸発率10質量%未満を有するマイクロカプセルを提供する。
【0024】
「蒸発率試験」では、最初に乾燥サンプルの重量(約1g)を室温で測定する。次に、そのサンプルを130℃で1時間処理する。次に、それを再度室温で秤量する。乾燥サンプルの総重量と比べてそうして測定された質量損失に100を掛けた値が蒸発率であり、それは%で報告される。
【0025】
測定に関して、使用されるサンプルの量は、使用される重量の少なくとも10倍のバランスの誤差限界外の質量損失結果に達するのに十分な大きさである。使用されるサンプルの量は、サンプルの質量がサンプルをオーブンに入れる際の容器の質量より大きくなるようにも選択すべきであり、容器の比熱容量は<1000J/(kg・K)であるべきであり、これは例えば、アルミニウム皿を用いることで達成することができる。アルミニウム皿の重量は、代表的には約1から2gである。
【0026】
サンプルがまだ乾燥していない場合には、例えば製造時に得られた状態での分散液1.5から2.0gを、最初に105℃で2時間乾燥させて、水分を除去する。次に、乾燥させたサンプルの重量を上記の方法に従って求める。
【0027】
従って、特に好ましいものは、「蒸発率試験」によって測定される蒸発率が10質量%未満である上記のマイクロカプセルである。
【0028】
そのようなマイクロカプセルは、シェルを形成するモノマー又はモノマー混合物を、安定な水中油型エマルジョンの油相で重合させることで得ることができ、その油相は疎水性材料からなるものである。重合開始の前に、モノマー及び少なくとも一つの芳香剤又は着臭剤を含む疎水相の混合物が存在しなければならない。この調製方法は、自体が公知であり、例えばEP-A-0457154に記載されている。
【0029】
前記油相で使用可能な疎水性材料には、植物油、動物油、鉱油、パラフィン類、クロロパラフィン類、フルオロ炭化水素類及び他の合成油などのあらゆる種類の油が含まれる。
【0030】
代表的な例には、ひまわり油、菜種油、オリーブ油、落花生油、大豆油、ケロセン、ベンゼン、トルエン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、クロロホルム、四塩化炭素、塩素化ジフェニル類及びシリコーン油があるが、これらに限定されるものではない。例えばフタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソヘキシル、フタル酸ジオクチル、アルキルナフタレン、ドデシルベンゼン、ターフェニル、部分水素化ターフェニル類、パルミチン酸エチルヘキシル、カプリン酸/カプリル酸-トリグリセリド、PPG-2ミリスチルエーテルプロピオネート;PPG-5セテス-20;C12-15安息香酸アルキル、鉱油(CAS:8042-47-5);セテアリルエチルヘキサノエート;ジメチコン;ポリイソブチレン(例えば、BASF:グリソパール(登録商標)、オパノール(登録商標))などの高沸点を有する疎水性材料を用いることも可能である。
【0031】
芳香剤若しくは着臭剤を場合により含むか、またはそれからなる疎水性材料は、それがそれの融点と水の沸点との間の温度で水に乳化可能となるように選択される。低粘度疎水性材料は、<5Pa・sのブルックフィールド粘度(DIN EBN ISO 3219に対して20回転/秒のスピンドル5を用いて23℃で測定)を有する。
【0032】
マイクロカプセルのコアは、水で乳化可能な疎水性材料によって形成される。その疎水性材料は同時に、重合によるカプセルシェルの調製で使用されるモノマー混合物に対する溶媒又は分散剤として働く。次に、安定な水中油型エマルジョンの油相で重合が起こる。このエマルジョンは、例えば最初にモノマー及び重合開始剤及び場合により重合調節剤を疎水性材料に溶かし、そうして得られた溶液を乳化剤及び/又は保護コロイドを含む水系媒体中で乳化させることで得られる。しかしながら、最初に疎水相又はそれの構成成分を水相で乳化させ、次にそのエマルジョンにモノマー又は重合開始剤及び保護コロイド若しくは重合調節剤などのさらに使用すべき補助剤を加えることも可能である。
【0033】
別の変法では、疎水性材料及びモノマー類を水に乳化させ、次に重合開始剤のみを加えることも可能である。疎水性材料はエマルジョン中でほぼ実質的にマイクロカプセル化された状態であるべきことから、水溶解度が限られている疎水性材料のみを優先的に用いることが可能であって好ましい。溶解度は好ましくは5重量%を超えないようにすべきである。水中油型エマルジョンの油相で疎水性材料を完全にカプセル封入するには、疎水性材料における溶解度に従ってモノマーを選択することが適切である。モノマー類は本質的に油に可溶であるが、それらは重合の過程で、個々の油滴において、水中油型エマルジョンの油相にも水相にも溶解せず、油滴と水相の間の界面に移動するオリゴマー及びポリマーを形成する。更に重合する過程で、それらはそこで壁材料を形成し、それが最終的に疎水性材料をマイクロカプセルのコアとして封入する。
【0034】
安定な水中油型エマルジョンを形成するには、保護コロイド及び/又は乳化剤を用いる。好適な保護コロイドは、例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン及びN-ビニルピロリドンのコポリマー、ポリビニルアルコール類及び部分加水分解ポリ酢酸ビニル類である。特に好ましいものは、ポリビニルアルコール類である。更に、ゼラチン、アラビアガム、キサンタンガム、アルギン酸類、ペクチン類、分解デンプン類及びカゼインを用いることも可能である。イオン性保護コロイドも使用可能である。使用されるイオン性保護コロイドは、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸及びメタクリル酸のコポリマー、アクリル酸スルホエチル、メタクリル酸スルホエチル又はメタクリル酸スルホプロピルを含むスルホ含有水溶性ポリマー、及びN-(スルホエチル)マレイミド、2-アクリルアミド-2-アルキルスルホン酸類、スチレンスルホン酸類及びホルムアルデヒドのポリマー、ならびにフェノールスルホン酸類とホルムアルデヒドの縮合物であることができる。保護コロイドは通常、エマルジョンの水相基準で0.1から10質量%の量で加える。イオン性保護コロイドとして用いられるポリマーは好ましくは、500から1000000g/mol、好ましくは1000から500000g/molの平均モル質量Mwを有する。
【0035】
前記重合は通常、フリーラジカルを形成する重合開始剤の存在下に行われる。それに関して、通常使用される量、例えば重合すべきモノマーの質量に基づいて0.1から5質量%の量で全ての一般的な過酸化化合物及びアゾ化合物を用いることが可能である。好ましいものは、油相又はモノマー類に可溶な重合開始剤である。それの例としては、過酸化ネオデカン酸t-ブチル、過酸化ピバリン酸t-ブチル、過酸化ピバリン酸t-アミル、過酸化ジラウロイル、過酸化2-エチルヘキサン酸t-アミルなどがある。
【0036】
水中油型エマルジョンの重合は、代表的には20から100℃、好ましくは40から90℃で行う。代表的には、その重合は、標準圧力で行うが、高圧又は減圧で、例えば0.5から20バールの範囲で行うこともできる。その手順は適切には、高速分散装置を用いて水、保護コロイド及び/又は乳化剤、疎水性材料、重合開始剤及びモノマーの混合物を乳化させて所望の液滴径の疎水性材料とし、重合開始剤の分解温度を考慮して安定なエマルジョンを加熱するものである。重合速度は、温度及び重合開始剤の量の選択による公知の方法で制御することができる。重合温度に達したら、適切には重合を更なる期間にわたり、例えば2から6時間にわたって続けることで、モノマー類の変換を完了させる。
【0037】
特に好ましいものは、重合時に、重合反応混合物の温度を連続的若しくは定期的に変える、例えば連続的若しくは定期的に上昇させる操作形態である。例えばそれは、昇温を行うプログラムによる支援下に行う。
【0038】
これに関しては、合計重合時間を2以上の期間に分けることができる。第1の重合期間は、重合開始剤の緩やかな分解を特徴とする。第2の重合期間及び更にそれ以上の重合期間では、反応混合物の温度を上昇させて、重合開始剤の分解を促進する。昇温は、1段階もしくは2以上の段階で行うことができるか、直線的若しくは非直線的に連続的に行うことができる。重合の開始と終了の間の温度差は、50℃以下であることができる。概して、この差は3から40℃、好ましくは3から30℃である。
【0039】
上記の手順のいずれかによって得られたマイクロカプセル分散液を次に、一般的な方法で噴霧乾燥させることができる。噴霧乾燥マイクロカプセルの再分散を促進するため、追加量の乳化剤及び/又は保護コロイドを分散液に加えてから噴霧乾燥を行っても良い。好適な乳化剤及び保護コロイドは、マイクロカプセル分散液の製造との関連で前述したものである。概して、前記水系マイクロカプセル分散液を、スプレーミストと並流若しくは向流で、好ましくは並流で流す熱気流で霧化する。熱気流の入口温度は、代表的には、100から200℃、好ましくは120から160℃の範囲であり、気流の出口温度は通常、30から90℃、好ましくは60から80℃の範囲である。水系マイクロカプセル分散液は、例えば1物質若しくは多物質ノズルによって、又は回転ディスクによって噴霧することができる。
【0040】
噴霧乾燥されたマイクロカプセルは通常、サイクロン又はフィルター分離装置を用いて沈降させる。
【0041】
そうして得ることができるマイクロカプセルは好ましくは、1から100μm、より好ましくは1から50μm、最も好ましくは1から30μmの範囲の平均直径を有する。
【0042】
使用目的のために、好ましい範囲はシェルの厚さのカプセル直径に対する比率に対しても生じる。従って、シェルの厚さのマイクロカプセル直径に対する比率が0.0005から0.2の範囲、より好ましくは0.005から0.08の範囲、最も好ましくは0.015から0.055の範囲であるマイクロカプセルが好ましい。
【0043】
本発明は更に、上記のマイクロカプセルを含む化学組成物を提供する。例えば、液体マイクロカプセル製剤又は噴霧乾燥マイクロカプセルは、特に洗浄組成物又はクリーニング組成物の製剤に用いることができる。しかしながら、それらは、例えば接着剤、塗料、化粧品、消臭剤、忌避剤及び分散液の製剤に用いることもできる。
【0044】
特に好ましいものは、界面活性剤、消毒剤、染料、酸類、塩基類、錯化剤、殺生物剤、ヒドロトロープ類、増粘剤、ビルダー(builder)、コビルダー(cobuilder)、酵素、漂白剤、漂白活性化剤、腐食防止剤、漂白触媒、着色防止添加剤(color protection additive)、染料移行阻害剤、灰色化防止剤、防汚ポリマー、繊維保護添加剤(fiber protection additive)、シリコーン類、殺菌剤及び防腐剤、有機溶媒、可溶化剤、溶解改良剤並びに香料からなる群から選択される少なくとも1種類の物質を含む化学組成物である。
【0045】
界面活性剤は通常、疎水性部分と親水性部分からなる。疎水性部分は通常、炭素原子4から20個、好ましくは炭素原子6から19個、より好ましくは炭素原子8から18個の鎖長を有する。疎水性基の官能性単位は通常はOH基であり、その場合にアルコールは分岐していても分岐していなくても良い。親水性部分は通常、本質的にアルコキシル化単位(例えば、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)及び/又はブチレンオキサイド(BO))(その場合に、これらアルコキシル化単位のうちの代表的には2から30個、好ましくは5から20個が直列で存在している)及び/又は硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、カルボン酸、アンモニウム及びアンモニウムオキサイドなどの荷電単位からなるものである。
【0046】
アニオン系界面活性剤の例には、カルボン酸塩、スルホン酸塩、スルホ脂肪酸メチルエステル、硫酸塩、リン酸塩がある。カチオン系界面活性剤の例には、4級アンモニウム化合物がある。ベタイン系界面活性剤の例にはアルキルベタイン類がある。ノニオン系化合物の例にはアルコールアルコキシレート類がある。
【0047】
「カルボン酸塩」は、分子中に少なくとも1個のカルボキシレート基を有する化合物を意味するものと理解される。本発明に従って使用可能なカルボン酸塩の例には、
石鹸類-例えば、アルカリ金属若しくはアンモニウムのステアリン酸塩、オレイン酸塩、ヤシ油脂肪酸塩、
エーテルカルボン酸塩-例えば、Akypo(登録商標)RO20、Akypo(登録商標)RO50、Akypo(登録商標)RO90
がある。
【0048】
「スルホン酸塩」は、分子中に少なくとも1個のスルホネート基を有する化合物を意味するものと理解される。本発明に従って使用可能なスルホン酸塩の例には、
アルキルベンゼンスルホン酸塩-例えば、Lutensit(登録商標)A-LBS、Lutensit(登録商標)A-LBN、Lutensit(登録商標)A-LBA、Marlon(登録商標)AS3、Maranil(登録商標)DBS、
アルキルスルホン酸塩-例えば、AlscoapOS-14P、BIO-TERGE(登録商標)AS-40、BIO-TERGE(登録商標)AS-40CG、BIO-TERGE(登録商標)AS-90ビーズ、Calimulse(登録商標)AOS-20、Calimulse(登録商標)AOS-40、Calsoft(登録商標)AOS-40、Colonial(登録商標)AOS-40、Elfan(登録商標)OS46、Ifrapon(登録商標)AOS38、Ifrapon(登録商標)AOS38P、Jeenate(登録商標)AOS-40、Nikkol(登録商標)OS-14、Norfox(登録商標)ALPHA XL、POLYSTEP(登録商標)A-18、Rhodacal(登録商標)A-246L、Rhodacal(登録商標)LSS-40/A、
スルホン化オイル、例えばロート油、
オレフィンスルホン酸塩、
芳香族スルホン酸塩-例えばNekal(登録商標)BX、Dowfax(登録商標)2A1
がある。
【0049】
「スルホ脂肪酸メチルエステル」は、以下の一般式(I)の単位を有する化合物を意味するものと理解される。
【化1】

【0050】
[式中、Rは10から20個の炭素原子を有し;Rは好ましくは12から18個、より好ましくは14から16個の炭素原子を有する。]
「硫酸塩」は、分子中に少なくとも1個のSO4基を有する化合物を意味するものと理解される。本発明に従って使用可能な硫酸塩の例には、
脂肪アルコール硫酸塩、例えばヤシ脂肪アルコール硫酸塩(CAS97375-27-4)-例えば、EMAL(登録商標)10G、Dispersogen(登録商標)SI、Elfan(登録商標)280、Mackol(登録商標)100N、
他のアルコール硫酸塩-例えば、Emal(登録商標)71、Lanette(登録商標)E、
ヤシ脂肪アルコールエーテル硫酸塩-例えば、Emal(登録商標)20C、Latemul(登録商標)E150、Sulfochem(登録商標)ES-7、Texapon(登録商標)ASV-70 Spec.、Agnique SLES-229-F、Octosol 828、POLYSTEP(登録商標)B-23、Unipol(登録商標)125-E、130-E、Unipol(登録商標)ES-40、
他のアルコールエーテル硫酸塩-例えば、Avanel(登録商標)S-150、Avanel(登録商標)S150CG、Avanel(登録商標)S150CGN、Witcolate(登録商標)D51-51、Witcolate(登録商標)D51-53
がある。
【0051】
この文脈では、「リン酸塩」は、分子中に少なくとも1個のPO4基を有する化合物を意味するものと理解される。本発明に従って使用可能なリン酸塩の例には、
アルキルエーテルリン酸塩-例えば、Maphos(登録商標)37P、Maphos(登録商標)54P、Maphos(登録商標)37T、Maphos(登録商標)210T及びMaphos(登録商標)210P、
ルテンシット(Lutensit)A-EPなどのリン酸塩、
リン酸アルキル類
がある。
【0052】
アニオン系界面活性剤は、化学組成物の調製の途中で好ましくは塩の形態で加える。好適な塩は、例えばナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩などのアルカリ金属塩、並びにヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジ(ヒドロキシエチル)アンモニウム塩及びトリ(ヒドロキシエチル)アンモニウム塩などのアンモニウム塩である。
【0053】
「4級アンモニウム化合物」は、分子中に少なくとも1個のR4N+基を有する化合物を意味するものと理解される。本発明に従って使用可能な4級アンモニウム化合物の例には、
ココ-、タロー-又はセチル/オレイルトリメチルアンモニウムのハライド、メソ硫酸塩、硫酸塩及び炭酸塩
がある。
【0054】
特に好適なカチオン系界面活性剤には、
-C7-C25-アルキルアミン類;
-N,N-ジメチル-N-(ヒドロキシ-C7-C25-アルキル)アンモニウム塩;
-アルキル化剤で4級化されたモノ-及びジ(C7-C25-アルキル)ジメチルアンモニウム化合物;
-エステルクアト、特にはC8-C22-カルボン酸でエステル化された4級エステル化モノ-、ジ-及びトリアルカノールアミン類;
-イミダゾリンクアト、特には下記式II又はIIIの1-アルキルイミダゾニウム塩
【化2】

【0055】
[式中、可変要素はそれぞれ下記で定義の通りである。
【0056】
R9:C1-C25-アルキル又はC2-C25-アルケニル;
R10:C1-C4-アルキル又はヒドロキシ-C1-C4-アルキル;
R11:C1-C4-アルキル、ヒドロキシ-C1-C4-アルキル又はR1-(CO)-X-(CH2)m-基(X:-O-又は-NH-;m:2又は3)であり、
少なくとも1個のR9基がC7-C22-アルキルである。]
などがある。
【0057】
更に、「ベタイン系界面活性剤」は、使用条件下で、即ち、例えば標準的な圧力下及び室温から95℃の温度での繊維製品洗濯の場合に、それぞれが少なくとも1個の正電荷及び1個の負電荷を有する化合物を意味するものと理解される。「アルキルベタイン」は、分子中に少なくとも1個のアルキル単位を有するベタイン系界面活性剤である。本発明に従って使用可能なベタイン系界面活性剤の例には、
コカミドプロピルベタイン-例えば、MAFO(登録商標)CAB、Amonyl(登録商標)380BA、AMPHOSOL(登録商標)CA、AMPHOSOL(登録商標)CG、AMPHOSOL(登録商標)CR、AMPHOSOL(登録商標)HCG;AMPHOSOL(登録商標)HCG-50、Chembetaine(登録商標)C、Chembetaine(登録商標)CGF、Chembetaine(登録商標)CL、Dehyton(登録商標)PK、Dehyton(登録商標)PK45、Emery(登録商標)6744、Empigen(登録商標)BS/F、Empigen(登録商標)BS/FA、Empigen(登録商標)BS/P、Genagen(登録商標)CAB、Lonzaine(登録商標)C、Lonzaine(登録商標)CO、Mirataine(登録商標)BET-C-30、Mirataine(登録商標)CB、Monateric(登録商標)CAB、Naxaine(登録商標)C、Naxaine(登録商標)CO、Norfox(登録商標)CAPB、Norfox(登録商標)ココベタイン、Ralufon(登録商標)414、TEGO(登録商標)-ベタインCKD、TEGO(登録商標)ベタインEKE1、TEGO(登録商標)-ベタインF、TEGO(登録商標)-ベタインF50及びアミンオキサイド類、例えばアルキルジメチルアミンオキサイド類、即ち下記一般式(IV)の化合物
【化3】

【0058】
[式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に脂肪族、環状又は3級アルキル又はアミドアルキル基である]、例えばMazox(登録商標)LDA、Genaminox(登録商標)、Aromox(登録商標)14DW970がある。
【0059】
ノニオン系界面活性剤は、中性pH範囲でイオン性電荷を持たない(アニオン系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤とは対照的に)、電荷を持たない極性で親水性の水可溶性頭部基を有し、その頭部基が界面で吸着され、ミセル形成濃度(cmc)を超えて凝集して中性ミセルを形成する界面活性な物質である。その種類の親水性頭部基に従い、脂肪アルコールポリグリコールエーテル類(脂肪アルコールアルコキシレート類)、アルキルフェノールポリグリコールエーテル類及び脂肪酸エトキシレート類、アルコキシル化トリグリセリド類及び混合エーテル類(ジアルキル化ポリエチレングリコールエーテル類)などの(オリゴ)オキシアルキレン基、特には(オリゴ)オキシエチレン基(ポリエチレングリコール基)と例えばアルキルポリグルコシド類及び脂肪酸N-メチルグルカミド類などの炭水化物基とを区別することができる。
【0060】
アルコールアルコキシレート類は、炭素原子4から20個、好ましくは炭素原子6から19個、より好ましくは炭素原子8から18個の鎖長を有する疎水性部分(アルコールは分岐でも非分岐でも良い)及び例えばエチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)及び/又はブチレンオキサイド(BuO)などのアルコキシル化単位を有し、2から30の繰り返し単位を有することができる親水性部分に基づくものである。例としては、Lutensol(登録商標)XP、Lutensol(登録商標)XL、Lutensol(登録商標)ON、Lutensol(登録商標)AT、Lutensol(登録商標)A、Lutensol(登録商標)AO、Lutensol(登録商標)TOなどがある。
【0061】
アルコールフェノールアルコキシレート類は、下記一般式(V)の化合物であり、
【化4】

【0062】
それはアルキレンオキサイド、好ましくはエチレンオキサイドをアルキルフェノールに加えることで調製される。
【0063】
この構造において、R6及びR8は異なっているか、好ましくは同一であり、アルキル、好ましくはメチル又はエチルまたは特には水素から選択される。
【0064】
R7は、置換されていないか置換されている直鎖又は好ましくは分岐のアルキル基から選択され、特にはC1-C20-アルキル基から選択される。
【0065】
好ましくは、R4=Hである。R5=H-であり、従ってモノマーがEOである場合も好ましい。R5=CH3であり、従ってモノマーがPOである場合、或いはR5=CH2CH3であり、従ってモノマーがBuOである場合も同じように好ましい。
【0066】
特に好ましいものには、オクチル-[(R1=R3=H、R2=1,1,3,3-テトラメチルブチル(ジイソブチレン)]、ノニル-[(R1=R3=H、R2=1,3,5-トリメチルヘキシル(トリプロピレン)]、ドデシル-、ジノニル-又はトリブチルフェノールポリグリコールエーテル(例えば、EO、PO、BuO)、R7-C6H4-O-(EO/PO/BuO)n(R7=C8からC12であり、n=5から10である)が存在する化合物もある。そのような化合物の例には、Norfox(登録商標)OP-102、Surfonic(登録商標)OP-120、T-Det(登録商標)O-12などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0067】
脂肪酸エトキシレート類は、異なる量のエチレンオキサイド(EO)で処理した後の脂肪酸エステルである。
【0068】
トリグリセリド類は、3個のヒドロキシル基全てが脂肪酸でエステル化されたグリセリンのエステル(グリセリド)である。これらはアルキレンオキサイドで修飾されていることができる。
【0069】
脂肪酸アルカノールアミド類は、下記一般式(VI)の化合物である。
【化5】

【0070】
これはアルキル基R9及び1個若しくは2個のアルコキシ基を有する少なくとも1個のアミド基を有し、R9は11から17個の炭素原子を含み、1≦m+t≦5である。
【0071】
アルキルポリグリコシド類は、アルキルモノグルコシド(アルキルα-D-及びβ-D-グルコピラノシド及び少量の-グルコフラノシド)、アルキルジグルコシド類(イソマルトシド類、マルトシド類及びその他)及びアルキルオリゴグルコシド類(マルトトリオシド類、テトラオシド類及びその他)の混合物である。アルキルポリグリコシド類は、数ある方法の中でも、グルコース(若しくはデンプン)又はn-ブチルグルコシド類からの脂肪アルコール類との酸触媒反応(フィッシャー反応)によって得ることができる。アルキルポリグリコシド類は、下記一般式(VII)に相当する。
【化6】

【0072】
[式中、
r=0から3であり、
s=4から20である。]
1例は、Lutensol(登録商標)GD70である。
【0073】
下記一般式(VIII):
【化7】

【0074】
のノニオン系N-アルキル化、好ましくはN-メチル化脂肪酸アミドの群において、R10はn-C12-アルキル基であり、R11は1から8個の炭素原子を有するアルキル基である。R11は好ましくはメチルである。
【0075】
少なくとも1種類の消毒剤も含む上記の組成物が、特に好ましい。前記少なくとも1種類の消毒剤は、組成物中に0.1から20質量%、好ましくは1から10質量%の(合計)量で存在する。
【0076】
消毒剤は、酸化剤、塩素及びヨウ素などのハロゲン類及びそれらを放出する物質、エタノール、1-プロパノール及び2-プロパノールなどのアルコール類、アルデヒド類、フェノール類、エチレンオキサイド、クロルヘキシジン及びメチル硫酸メセトロニウムであることができる。
【0077】
消毒剤使用の利点は、病原体が処理表面上でほとんど広がることができないという点である。病原体には、細菌、胞子及びウィルスがあり得る。
【0078】
染料には、アシッドブルー9、アシッドイエロー3、アシッドイエロー23、アシッドイエロー73、ピグメントイエロー101、アシッドグリーン1、アシッドグリーン25などがあり得る。
【0079】
好ましいものは、前記少なくとも1種類の染料が0.1から20質量%、より好ましくは1から10質量%の(合計)量で存在する組成物である。
【0080】
酸は、例えばスケール沈積の溶解又はそれの防止に有利に用いられる化合物である。酸の例には、ギ酸、酢酸、クエン酸、塩酸、硫酸及びスルホン酸がある。
【0081】
塩基は、錯化剤に好ましいpH範囲の設定において有利に用いることができる化合物である。本発明に従って使用することができる塩基の例には、NaOH、KOH及びアミノエタノールがある。
【0082】
好適な無機ビルダーは特には、
-特にはゼオライト類などのイオン交換特性を有する結晶性及び非晶質のアルミノケイ酸塩[各種ゼオライトが好適であり、特別にはナトリウム形態またはナトリウムがLi、K、Ca、Mg若しくはアンモニウムなどの他のカチオンに部分的に交換されている形態でのゼオライトA、X、B、P、MAP及びHSである];
-特には二ケイ酸塩及び層状ケイ酸塩(例えば、δ-及びβ-Na2Si2O5)などの結晶性ケイ酸塩[ケイ酸塩類は、それのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩の形態で用いることができ、好ましいものはケイ酸ナトリウム、リチウム及びマグネシウムである];
-メタケイ酸ナトリウム及び非晶質二ケイ酸塩などの非晶質ケイ酸塩;
-炭酸塩及び炭酸水素塩[これらは、それのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩の形態で用いることができる。好ましいものは、炭酸及び炭酸水素ナトリウム、リチウム及びマグネシウムであり、特別には炭酸ナトリウム及び/又は炭酸水素ナトリウムである];
-三リン酸ペンタナトリウムなどのポリリン酸類
である。
【0083】
好適なオリゴマー及びポリマーコビルダーは、アクリル酸及びアスパラギン酸のホモポリマー、オリゴマー酸類、マレイン酸とアクリル酸、メタクリル酸又はC2-C22-オレフィン類(例えば、イソブテン又は長鎖α-オレフィン類)、ビニルC1-C8-アルキルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、C1-C8-アルコール類の(メタ)アクリル酸エステル及びスチレンのコポリマーなどのオリゴマー及びポリマーカルボン酸類である。好ましいものは、アクリル酸のホモポリマー及びアクリル酸とマレイン酸のコポリマーである。オリゴマー及びポリマーカルボン酸類は、酸型又はナトリウム塩として用いられる。
【0084】
錯化剤は、カチオンに結合することができる化合物である。これを利用して、水の硬度を下げ、厄介な重金属を沈澱させることができる。錯化剤の例には、NTA、EDTA、MGDA、DTPA、DTPMP、IDS、HEDP、β-ADA、GLDA、クエン酸、オキソジコハク酸及びブタンテトラカルボン酸がある。これら化合物の使用の利点は、多くのクリーニング活性化合物が軟水でより良好な作用を発揮するという点であり、更に、水の硬度低下によってクリーニング後のスケール沈積の発生を防止し得るという点である。従って、これらの化合物を用いることで、クリーニングされた表面を乾燥させる必要がなくなる。これは、作業手順に関して有利であり、特に防腐に使用される本発明の組成物がこのようにして再度部分除去されないことから望ましい。繊維製品の処理の場合、繊維はより可動的な状態に留まることで、着用した特により良好な感触を有することになる。
【0085】
好適な灰色化防止剤は、例えばカルボキシメチルセルロース及び酢酸ビニルのポリエチレングリコールへのグラフトポリマーである。
【0086】
好適な漂白剤は、例えば過ホウ酸ナトリウム1水和物、過ホウ酸ナトリウム4水和物及び炭酸ナトリウム過酸化水素化物などの無機塩への過酸化水素の付加物、並びにフタルイミド過カプロン酸などの過カルボン酸である。
【0087】
好適な漂白活性化剤は、例えばN,N,N′,N′-テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、p-ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム及び硫酸N-メチルモルホリニオアセトニトリロメチルである。
【0088】
好適な酵素は、例えばプロテアーゼ類、リパーゼ類、アミラーゼ類、セルラーゼ類、マンナナーゼ類、オキシダーゼ類及びペルオキシダーゼ類である。
【0089】
好適な染料移行阻害剤は、例えば1-ビニルピロリドン、1-ビニルイミダゾール又は4-ビニルピリジンN-オキサイドのホモポリマー、コポリマー及びグラフトポリマーである。クロロ酢酸と反応させておいた4-ビニルピリジンのホモポリマー及びコポリマーも染料移行阻害剤として好適である。
【0090】
殺生物剤は、細菌を殺す化合物である。殺生物剤の1例はグルタルアルデヒドである。殺生物剤使用の利点は、それが病原体の広がりに対抗するという点である。
【0091】
ヒドロトロープは、化学組成物中の界面活性剤/複数の界面活性剤の溶解度を向上させる化合物である。ヒドロトロープの1例はクメンスルホン酸塩である。
【0092】
増粘剤は、化学組成物の粘度を高める化合物である。増粘剤の例には、ポリアクリレート類及び疎水性修飾されたポリアクリレート類などがあるが、これらに限定されるものではない。増粘剤使用の利点は、より高い粘度を有する液体は、相対的に低い粘度を有する液体と比較して傾斜表面又は鉛直表面でより長い滞留時間を有するという点である。これによって、組成物とクリーニング対象となる表面の間の相互作用が増える。
【0093】
本発明の化学組成物の製造における本発明のマイクロカプセルの使用は、本発明の主題の別の部分を形成するものである。
【0094】
本発明は更に、表面処理のための本発明のマイクロカプセルの使用を提供する。好ましいものは、処理対象の表面が繊維、不織布、発泡体、旗、タイル、大理石、セラミック、コンクリート、プラスチック、金属、エナメル、ガラスからなる群から選択される使用である。特に好ましいものは、処理対象の物品が繊維製品である使用であり、即ち洗浄組成物又は織物軟化剤での使用である。
【0095】
従って、本発明のマイクロカプセルの使用及び特には繊維製品の洗濯での本発明のマイクロカプセルを含む化学組成物の使用も、本発明の主題の特に好ましい部分を形成する。
【0096】
本発明は更に、本発明のマイクロカプセルを含む物品を提供するものであり、好ましくは表面に本発明のマイクロカプセルを有する物品である。
【0097】
好適な物品は、それが接触時に、即ち圧力を加えた場合に特定の臭気を放つことが望まれる物である。例としては、段ボール、フィルム、接着剤、接着性ラベル、清掃用布巾、不織布、皮革製品、塗料及びコーティング材料などのあらゆる種類の包装材、化粧品、あらゆる種類の容器、特には食品又は化粧品を入れるもの、ガラス、プラスチック部品、自動車などがあるが、これらに限定されるものではない。
【実施例】
【0098】
以下、実施例によって本発明を更に説明する。
【0099】
%での数字は、別段で明瞭に言及されていない限り、重量パーセントである。
【0100】
実施例
マイクロカプセルを製造するため、下記の物質を用いた。
【0101】
オイル:
40℃での粘度が約68mm2/sであり、凝固点が-21℃である高圧下で水素化された鉱油(ホワイトオイル)。
【0102】
着臭剤:
(それぞれ重量%での構成成分)
着臭剤A:
早期放出成分[重量%]:
β-ピネン0.09、シトロネロール2.54、酢酸シトロネリル1.04、デシルアルデヒド2.00、δ-ダマスコン0.10、ジヒドロミルセノール6.75、ゲラニルニトリル9.29、d-リモネン22.90、ロリシア(lorysia)0.74、リモレン(lymolene)9.73、メチルノニルアセトアルデヒド2.07、パラシメン0.17、テルピノレン11.44、ヴェルドクス3.38
遅延放出成分:
グリコール酸アリルアミル0.14、α-テルピネオール0.38、アニスアルデヒド0.18、酪酸エチル0.01、2-メチル酪酸エチル0.26、2-メチルペンタン酸エチル0.34、オイカリプトール1.36、フロールアセテート1.81、フルテン(frutene)1.30、ゲラニオール6.33、リグストラール(ligustral)2.16、リナロール1.03、メチルグレープフルーツ(methyl grapefruit)1.48、オクチルアルデヒド1.43、酢酸プレニル0.46、トリプラル0.14
ベースマスキング成分:
シトラタール(citrathal)1.18、ハバノリド100%0.74、β-イオノン0.37、Iso E Super0.74、ネオブテノン0.03
別の成分:
ジヒドロジャスモン酸メチル5.89
着臭剤B:
早期放出成分:
β-ピネン0.08、酢酸シトロネリル3.97、デシルアルデヒド1.75、δ-ダマスコン0.39、ゲラニルニトリル4.12、d-リモネン17.70、ロリシア1.40、リモレン8.50、パラシメン0.15、テルピノレン10.00、テトラヒドロリナロール13.52
遅延放出成分:
グリコール酸アリルアミル0.12、カプロン酸アリル1.59、2-メチル酪酸エチル5.57、オイカリプトール0.63、フロールアセテート2.11、フルテン2.11、ゲラニオール2.70、リグストラール4.05、リナロール0.90、メチルグレープフルーツ1.31、オクチルアルデヒド1.25、フェニルエチルアルコール0.45、酢酸プレニル0.40、ビオリフ0.79
ベースマスキング成分:
シトラタール0.38、クローナル(clonal)0.16、シクラブト(cyclabut)1.59、フロルヒドラル0.08、ネクタリル2.39、ネオブテノン(neobutenone)0.16
別の成分:
ジヒドロジャスモン酸メチル9.68
着臭剤C:
リモネン100
着臭剤D:
シトロネラール100
保護コロイド:
保護コロイド1:メチルヒドロキシプロピルセルロース(ブルックフィールド粘度(20℃、20rpm、2%で)90から125mPasを有する)、5重量%水溶液
保護コロイド2:ポリビニルアルコール溶液:10重量%水溶液、加水分解度79%、平均重合度PW:1900
モノマー略称:
MMA:メタクリル酸メチル
MAA:メタクリル酸
BDA2:1,4-ブタンジオールジアクリラート
PETIA:ペンタエリスリチルトリアクリラート
EDGMA:エチレングリコールジメタクリラート
DMAEMA:N,N-ジメチルアミノエチルメタクリラート。
【0103】
実施例1(方法1に相当)
EGDMA
40/20/40 MMA/MAA/EDGMAホワイトオイル
最初に、下記の組成を用いて、水相及び油相を別個に製造した:
水相:
207.0g:水
120.33g:保護コロイド1
60.20g:保護コロイド2
1.12g:2.5重量%亜硝酸ナトリウム水溶液
油相:
144g:着臭剤A
96g:オイル
24.0g:メタクリル酸メチル
12.0g:メタクリル酸
24.55g:98重量%EGDMA水溶液
1.20g:過ネオデカン酸tert-ブチル
供給液1:
3.6g:炭化水素中の10重量%tert-ブチルヒドロペルオキシド水溶液
供給液2:
16.25g:2%アスコルビン酸水溶液。
【0104】
最初に水相を室温で入れた。油相を加え、次に3500rpmで40分間にわたり溶解攪拌機で分散させた。生成したエマルジョンを、アンカー型攪拌機で撹拌しながら加熱して60分以内に50℃とし、さらに60分以内に75℃とし、2時間にわたって75℃に維持した。生成したマイクロカプセル分散液に、撹拌しながら供給液1を加えた。混合物を冷却して60分以内に室温とする途中で、供給液2を50分以内で計量投入した。生成したマイクロカプセル分散液は、固形分含有率44.9%及び平均粒径2.13μm(フラウンホーファー回折によって測定、体積平均)を有していた。
【0105】
実施例2(方法2に相当)
PETIA
30/40/30 MMA/PETIA/MAAホワイトオイル
最初に、下記の組成を用いて、水相及び油相を別個に製造した:
水相:
271.62g:水
82.19g:保護コロイド1
20.55g:保護コロイド2
0.91g:2.5重量%亜硝酸ナトリウム水溶液
油相:
120g:着臭剤A
70.28g:オイル
14.31g:MMA
19.09g:PETEA
14.31g:MAA
0.95g:過ネオデカン酸tert-ブチル
供給液1:
2.33g:10重量%tert-ブチルヒドロペルオキシド水溶液
供給液2:
12.24g:1%アスコルビン酸水溶液。
【0106】
最初に水相を室温で入れた。油相を加え、次に3500rpmで40分間にわたり溶解攪拌機で分散させた。生成したエマルジョンを、アンカー型攪拌機で撹拌しながら加熱して60分以内に70℃とし、さらに60分以内に85℃とし、2時間にわたって85℃に維持した。生成したマイクロカプセル分散液に、撹拌しながら供給液1を加えた。混合物を冷却して60分以内に室温とする途中で、供給液2を50分以内で計量投入した。生成したマイクロカプセル分散液は、固形分含有率40.7%及び[0.9]平均粒径2.9μm(フラウンホーファー回折によって測定、体積平均)を有していた。
【0107】
実施例X1及びX2では、それぞれ方法1及び2に従って比較的高い着臭剤負荷量でのマイクロカプセルの製造で本発明を説明している。これらの実施例では、油相の質量基準での割合を一定に維持し、着臭剤及びモノマーのみで構成した。溶媒の量を着臭剤の量に変え、それによってマイクロカプセルの着臭剤負荷量が増える。これにより、着臭剤の濃度を調節することが可能となる。この着臭剤負荷量を変える方法は、多様な種類のカプセル壁に用いることができる。
【0108】
実施例3から15
【表1】

【0109】
実施例16
織物軟化剤の製造及び性能試験
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(活性成分含有率75%)を最初に45℃で希釈して活性成分含有率7%とし、冷却して25℃とし、次に撹拌しながら0.6%の着臭剤(活性成分含有率)と混合した。ケースA)では封入されない芳香剤混合物を用い、ケースB)では実施例11から本発明に従ってカプセル封入された芳香剤混合物を用いて、織物軟化剤製剤を製造した。
【0110】
次に、そうして製造された織物軟化剤について洗濯機(Miele(ミーレ))で試験を行った(ハンドタオル3.5kg、綿製、液体洗濯組成物で予洗、芳香処理せず、40℃、16°dH、50mL量での織物軟化剤製剤A又はBの後すすぎサイクルでの添加、「普通乾燥」設定としたミーレからのベント式乾燥機で乾燥)。
【0111】
放出挙動の分析
少なくとも5枚のハンドタオルについての芳香の印象を、手を拭く前後で感覚的に評価した(評点スケール参照)。それから得られる平均を報告する。その評価は、1週間/2週間/4週間にわたる保管後にその都度繰り返した。
【0112】
評価スケールの定義:
数値評価
1:非常に低い臭気感知
2:明瞭な臭気感知
3:強い臭気感知
手拭き実験前
1週間/2週間/4週間
A)1/1/1
B)2/2/1
手拭き実験後
1週間/2週間/4週間
A)1/1/1
B)3/2/2。
【0113】
本発明の製造物が長期保管時間の間及び機械的応力の結果として、改善された芳香放出を有することが明瞭に示されている。
【0114】
実施例17
液体洗濯組成物の製造及び性能試験
最初にノニオン系界面面活性剤(C13-C15アルコール、7EOでエトキシル化)100gを入れ、加熱して50℃とした。次に、1,2-プロパンジオール80g、ヤシ油脂肪酸85g及び水酸化カリウム44gをその順に撹拌しながら入れる。次に、その混合物全体を45℃に加熱した水507gと混合する。さらに、アルキルベンゼンスルホン酸134g及びクエン酸ナトリウム30gを撹拌しながら入れた。冷却して室温とした後、エタノール20gも混合物に加える。ケースC)では封入されない芳香剤混合物4.5gをこの液体洗濯組成物製剤に撹拌しながら入れ、ケースD)ではカプセル封入芳香剤混合物4.5g(活性成分含有量)を入れる。
【0115】
次に、そうして製造された液体洗濯組成物製剤について洗濯機(ミーレ)で試験を行った(ハンドタオル3.5kg、綿製、40℃、16°dH、後すすぎなし、製剤C)又はD)95mL、「普通乾燥」設定としたミーレからのベント式乾燥機で乾燥)。
【0116】
放出挙動の分析
少なくとも5枚のハンドタオルについての芳香の印象を、手を拭く前後で感覚的に評価した(評点スケール参照)。それから得られる平均を報告する。
【0117】
手拭き実験前
1週間/2週間/4週間
A)1/1/1
B)2/1/1
手拭き実験後
1週間/2週間/4週間
A)1/1/1
B)2/2/2。
【0118】
本発明の製造物が長期保管時間の間及び機械的応力の結果として、改善された芳香放出を有することが明瞭に示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香剤又は着臭剤を含むコアa)及びシェルb)を含むマイクロカプセルであって、b)が1以上のアクリル酸及び/又はメタクリル酸のC1-C24-アルキルエステル、及び
20から60質量%の量で前記シェル中に存在するMAA、及び/又は
10から50質量%の量のBDA2及び/又は
10から50質量%の量のPETIA及び/又は
10から50質量%の量のEDGMAを重合させることで得られ、ここで、BDA2、PETIA及びEDGMAの(合計)量は少なくとも30質量%である、前記マイクロカプセル。
【請求項2】
アクリル酸及び/又はメタクリル酸のC1-C24-アルキルエステル及び
25から50質量%の量のMAA及び/又は
20から40質量%の量のBDA2及び/又は
20から40質量%の量のPETIA及び/又は
20から40質量%の量のEDGMA
が共重合した形態で前記シェル中に存在する、請求項1に記載のマイクロカプセル。
【請求項3】
前記アクリル酸及び/又はメタクリル酸のC1-C24-アルキルエステルがメタクリル酸メチルであり、
35から45質量%の量のMAA及び/又は
25から35質量%の量のBDA2及び/又は
25から35質量%の量のPETIA及び/又は
25から35質量%の量のEDGMA
が共重合した形態で前記シェル中に存在する、請求項1又は2に記載のマイクロカプセル。
【請求項4】
芳香剤又は着臭剤を含むコアa)及びシェルb)を有するマイクロカプセルであって、b)が1以上のアクリル酸及び/又はメタクリル酸のC1-C24-アルキルエステルを重合させることで得られ、該マイクロカプセルが「蒸発率試験」による測定で10質量%未満の蒸発率を有する、前記マイクロカプセル。
【請求項5】
前記マイクロカプセルが、「蒸発率試験」による測定で10質量%未満の蒸発率を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマイクロカプセル。
【請求項6】
平均直径が0.8から100μmの範囲である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のマイクロカプセル。
【請求項7】
前記シェルの厚さの前記マイクロカプセルの直径に対する比が0.005から0.1の範囲である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のマイクロカプセル。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のマイクロカプセルを含む化学組成物。
【請求項9】
界面活性剤、消毒剤、染料、酸類、塩基類、錯化剤、殺生物剤、ヒドロトロープ類、増粘剤、ビルダー、コビルダー、酵素、漂白剤、漂白活性化剤、腐食防止剤、漂白触媒、着色防止添加剤、染料移行阻害剤、灰色化防止剤、防汚ポリマー、繊維保護添加剤、シリコーン類、殺菌剤及び防腐剤、有機溶媒、可溶化剤、溶解改良剤並びに香料からなる群から選択される少なくとも1種類の物質を含む、請求項8に記載の化学組成物。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の組成物を製造するための、請求項1〜7のいずれか1項に記載のマイクロカプセルの使用。
【請求項11】
表面処理のための、請求項1〜7のいずれか1項に記載のマイクロカプセルの使用。
【請求項12】
繊維製品の洗濯における、請求項1〜7のいずれか1項に記載のマイクロカプセルの使用。
【請求項13】
繊維製品の洗濯における、請求項8又は9に記載の化学組成物の使用。
【請求項14】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のマイクロカプセルを含む物品。
【請求項15】
表面上に前記マイクロカプセルを有する、請求項14に記載の物品。

【公表番号】特表2012−523872(P2012−523872A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505144(P2012−505144)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054791
【国際公開番号】WO2010/119020
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】