芳香性ゴムシートとその製造法
【課題】自己粘着力を発揮することにより、ステッカーやシール、室内装飾片などとして貼り付け使用できる便利な芳香性ゴムシートを提供する。
【解決手段】硬度が50度以下のシリコーンゴムと、その100重量%に対する5〜20重量%のシリコーンオイルと、同じくシリコーンゴムの100重量%に対する4〜10重量%の加硫剤並びに0.5〜2.0重量%の香料との混合材料を金型に入れて、所要時間だけ加熱・加圧することにより、所定の大きさ・形状を有するゴムシート(10)として成形・加硫し、その成形・加硫直後のゴムシート(10)を香料の液中へ所要時間だけ直かに漬け込んで、自己粘着力と芳香性を発揮させた。
【解決手段】硬度が50度以下のシリコーンゴムと、その100重量%に対する5〜20重量%のシリコーンオイルと、同じくシリコーンゴムの100重量%に対する4〜10重量%の加硫剤並びに0.5〜2.0重量%の香料との混合材料を金型に入れて、所要時間だけ加熱・加圧することにより、所定の大きさ・形状を有するゴムシート(10)として成形・加硫し、その成形・加硫直後のゴムシート(10)を香料の液中へ所要時間だけ直かに漬け込んで、自己粘着力と芳香性を発揮させた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガラスや金属、タイル、プラスチック、木質材、その他の各種材質から成る品物・場所の平滑面へ貼り付けることにより、ステッカーやシール、室内装飾片、滑り止めマットなどとして多目的に使用できる芳香性ゴムシートと、その製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、壁掛け具やインテリア置物、ペンダントなどとして利用できる立体感のある装飾性を兼ね備えた芳香材が特許文献1に、ゲル状芳香組成物から成形した室内装飾用物品が特許文献2に、表面シートを剥がすと香りの出るシールが特許文献3に、また芳香剤入りワッペンが特許文献4に各々記載されており、これらの公知技術は使用時に芳香を発散し得る点で悉く共通するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−321225号公報
【特許文献2】特開平11−226103号公報
【特許文献3】特開平8−241039号公報
【特許文献4】実開昭63−124274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に記載の芳香材はたとえ図1、2に例示されるような壁掛け具として利用できるとしても、そのためには壁掛け用紐通し部(8)と図外の紐のみならず、装飾体(4)の磁石(41)なども必要である。
【0005】
また、特許文献3に記載のシールは印刷物(16)へ貼り付け使用されることになっているが、そのためには基礎シート(4)の粘着剤層(13)と剥離紙(14)が必須不可欠である。
【0006】
更に、特許文献4に記載のワッペンは衣服や帽子などに着用されるが、そのためには縫い付けるか、または両面接着テープを貼り付けなければならない。
【0007】
つまり、上記特許文献1、3、4に開示された公知技術の場合、その構成上特別の物理的な取付手段を具備しなければ、取り付け使用することができない。そのため、製造コストが高価になるほか、目的・用途にも制約を受ける問題がある。
【0008】
この点、特許文献2に記載の室内装飾用物品はゲル状芳香組成物のそれ自身から、全体形状が成形されているため、自己の形状を保持できる硬度を有するとしても、例えば室内の壁面や自動車の窓ガラス、その他の平滑な貼り付け対象面へ貼り付け使用することができず、室内の置物として使用するほかはない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はこのような課題の抜本的な解決を目的としており、その目的を達成するために、請求項1ではステッカーやシール、室内装飾片、滑り止めマットなどとして、各種材質から成る平滑な貼り付け対象面へ貼り付け使用する芳香性ゴムシートであって、
【0010】
低硬度のシリコーンゴムから成り、そのシリコーンゴムに少なくともシリコーンオイルと香料を混合させて、成形・加硫することにより、自己粘着力と芳香性を与えたことを特徴とする。
【0011】
又、請求項2では着色顔料を混合させると共に、表面に印刷画像を施したことを特徴とする。
【0012】
請求項3では硬度が50度以下のシリコーンゴムと、その100重量%に対する5〜20重量%のシリコーンオイルと、同じくシリコーンゴムの100重量%に対する4〜10重量%の加硫剤並びに0.5〜2.0重量%の香料との混合材料を金型に入れて、所要時間だけ加熱・加圧することにより、所定の大きさ・形状を有するゴムシートとして成形・加硫し、
【0013】
その成形・加硫直後のゴムシートを香料の液中へ所要時間だけ直かに漬け込んで、自己粘着力と芳香性を発揮させることを特徴とする。
【0014】
請求項4ではシリコーンゴムの100重量%に対する0.1〜2.0重量%の無機顔料を混合させて、希望の着色カラーを与えることを特徴とする。
【0015】
更に、請求項5では成形・加硫直後のゴムシートを香料の液中へ漬け込む前において、そのゴムシートの表面へシリコーンゴム専用の印刷インキにより、希望の印刷画像をスクリーン印刷することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の上記構成によれば、その芳香性ゴムシートは低硬度のシリコーンゴムから成り、シリコーンオイルの混合による自己粘着力を発揮するため、冒頭の特許文献1〜4には不可欠である壁掛け用紐通し部や縫い付け用ミシン糸、タック紙、両面接着テープなどの物理的な取付手段が全く不要となり、ガラスや金属、タイル、鏡、プラスチック、木質材、その他の各種材質から成る平滑面へ便利良く貼り付け使用することができ、量産効果も最大限に期待し得るのである。
【0017】
又、請求項2の構成を採用するならば、その芳香性ゴムシートの貼り付け使用中において、文字通りに香料の芳香を発散し、優雅味を感得させることができるほか、着色顔料による希望の着色カラーと印刷画像に基く装飾効果も与えることができる。
【0018】
他方、請求項3の製造法によれば、上記請求項1の芳香性ゴムシートを容易に安定良く成形・加硫することができ、その香料が混合材料としてシリコーンゴムと一緒に練り込まれているほか、成形・加硫直後の完成したゴムシートが、香料の液中へ浸漬されることも行なわれているため、上記貼り付け使用中における芳香の発散を極力長く持続できる効果がある。
【0019】
殊更、請求項4や請求項5の構成を採用するならば、その芳香性ゴムシートに着色カラーや印刷画像に基く希望の装飾効果を付与することもでき、室内装飾片として貼り付け使用する場合に大変役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係る芳香性ゴムシート(ステッカー)を示す正面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】図1の貼り付け使用状態を示す説明図である。
【図4】図3から抽出した拡大断面図である。
【図5】図1のプレス加硫金型を示す平面図である。
【図6】上記金型の型開き状態を示す断面図である。
【図7】同じく型締め状態を示す図6に対応する断面図である。
【図8】上記金型による成形・加硫直後のゴムシートを示す平面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る芳香性ゴムシート(テーブル上での滑り止めマット)を示す斜面図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る芳香性ゴムシート(室内装飾片)の成形・加硫状態を示す平面図である。
【図11】図10から型抜きしたゴムシート(室内装飾片)を示す説明図である。
【図12】本発明の第4実施形態に係る芳香性ゴムシート(別な室内装飾片)のプレス加硫金型を示す平面図である。
【図13】図12のゴムシート(室内装飾片)を示す正面図である。
【図14】図13の14−14線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、図1〜4はその本発明の第1実施形態として、自動車用ステッカー(A1)になる芳香性ゴムシート(10)を示しており、これは低硬度(好ましくは50度以下)のシリコーンゴムから一定厚み(例えば約1〜2mm)を備えた全体的なほぼ正方形(例えば約100mm×約100mm)の平面輪郭形状に作成されている。
【0022】
しかも、上記ゴムシート(10)をシリコーンゴムから成形・加硫する時には、所定比率のシリコーンオイルが混合されており、これによって強い自己粘着力(タック力)を発揮し得るようになっている。そのため、そのゴムシート(10)を自動車用ステッカー(A1)として、図3、4のように貼り付け対象面(G)である窓ガラスへ、室内側から貼り付け使用でき、その貼り付け対象面(G)が弯曲面であっても、低硬度のシリコーンゴムから成るものとして、安定良く密着した貼り付け状態を得られる。
【0023】
また、上記ゴムシート(10)をシリコーンゴムから成形・加硫する時には、所定比率の香料が練り込まれるだけでなく、その成形・加硫後香料の液中へ所定時間だけ直かに浸漬することも行なわれることにより、その完成したゴムシート(10)を芳香性のそれとして、使用中に芳香を発散し得るようになっている。
【0024】
(11)は上記成形・加硫後のゴムシート(10)を香料の液中へ漬け込む前工程において、そのゴムシート(10)の表面へシリコーンゴム用の印刷インキを使って、シルクスクリーン印刷された画像であり、文字や図形、記号若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合(標章)から成るが、その印刷画像(11)は爾後的に香料の液中へ浸漬されても、決して形崩れしたり、消失したりするおそれはない。
【0025】
図5〜7は上記芳香性ゴムシート(10)のプレス加硫金型(M)を示しており、これはそのゴムシート(10)の多数個取りとして、ほぼ正方形(例えば約400mm×約400mm)の大きなキャビティ(凹窩)(C)を備えた下型(12)と、その下型(12)のキャビティ(C)を密閉し得る上型(熱盤)(13)との1組から成り、その上型(13)を複数本の昇降ガイドピン(14)に沿って、下型(12)から昇降作動できるようになっている。(15)はスライド盤(16)に対する下型(12)の取り付け固定ネジである。
【0026】
上記プレス加硫金型(M)を用いて、本発明の芳香性ゴムシート(10)を製造するに当っては、低硬度(先に例示した50度以下)のシリコーンゴム(コンパウンド)と、その100重量%の5〜20重量%に相当するシリコーンオイルと、同じくシリコーンゴムの100重量%に対する4〜10重量%の加硫剤と、やはりシリコーンゴムの100重量%に対する0.5〜2.0重量%の香料とを混合して、その混合材料を図5〜7のように上記プレス加硫金型(M)における下型(12)のキャビティ(C)へ装入し、予じめタイマーにより設定した時間だけ加熱・加圧するのである。
【0027】
その場合、加熱温度は約150℃〜約180℃として、約3分〜約7分の一定時間だけ電気加熱する。加圧力は約100トンである。上記香料の混合比率(練り込み比率)については、0.5重量%よりも過少であると、その香料の種類を問わず、香気が発生しない。他方、2.0重量%よりも過多であると、これに応じて加硫剤の混合比率も増す必要があり、そうすると加硫剤の強い臭気によって、香料本来の香気が消されてしまうことになる。
【0028】
香料としては天然の花香をそのまま取り入れて基調としたものや、各種の香料を混合して、天然の花香を模写表現したものが好ましく、その種類を問わないが、上記混合材料として採用する香料の種類によっても、加硫剤の混合比率が変化し、その混合比率を増さなければ、加硫しないことが起り得る。例えば、その香料がミントであれば、これの混合比率を1.5重量%とする一方、加硫剤の混合比率を4.0重量%に定める。ジャスミンの場合には、その香料の混合比率を同じく1.5重量%としつつも、加硫剤の混合比率を10.0重量%に設定するのである。
【0029】
但し、ミントを除く各種の香料ではゴムシート(10)の成形・加硫直後に、その香料の香気がそのまま発生しないため、後述するとおり、そのゴムシート(10)として成形・加硫し終えた完成品(例えば自動車用ステッカー)を、香料の液(香水)中へ所要時間だけ直かに漬け込んで、その香料の香気をゴムシート(10)へ浸透・帯有させるのである。
【0030】
更に、上記ゴムシート(10)はシリコーンゴムから成り、透明性に優れるため、そのシリコーンゴムの100重量%に対する約0.1〜2.0重量%の無機顔料を混合することにより、そのゴムシート(10)にあらゆる着色カラーを与えることができ、その濃淡の程度も調整し得る。
【0031】
図8は上記プレス加硫金型(M)によって成形・加硫した直後のゴムシート(10)を示しており、その状態では未だキャビティ(C)に対応する大きな正方形(先に例示した約400mm×約400mm)の平面輪郭形状をなしているため、このようなゴムシート(10)の表面へ次にシリコーンゴム用の印刷インキを使って、目的とする自動車用ステッカー(A1)にふさわしい希望の文字や図形、色彩などから成る印刷画像(11)を、シルクスクリーン印刷する。
【0032】
そして、約150℃の焼付け温度のもとで、印刷インキを約30分だけ定着させた後、未だ大きな平面輪郭形状のゴムシート(10)を抜き刃型(図8の鎖線参照)により、目的とする自動車用ステッカー(A1)の大きさ・形状(先に例示した約100mm×約100mm)に型抜きして、言わば多数個取りすれば良い。
【0033】
最後に、その自動車用ステッカー(A1)として完成したゴムシート(10)を、希望する香料の液中へ所要時間だけ直かに漬け込むのである。その漬け込み所要時間としては、例えば香料がラベンダーの場合約120分、ジャスミンの場合約240分、レモンの場合約10分であり、その香料の種類に応じて選定する。
【0034】
要するに、上記自動車用ステッカー(A1)となるゴムシート(10)を使用者が手にとって、その香気を嗅ぐことができる程度までの所要時間だけ、希望する香料の液中へゴムシート(10)を浸漬させれば良い。この程度は、ゴムシート(10)の体積が約10%だけ増大することを目安として知ることができる。
【0035】
そのゴムシート(10)の体積が浸漬前のそれから10%を越える程に膨張すると、たとえシリコーンゴムが50度以下の低硬度であるとしても、貼り付け対象面(G)への全面密着状態に安定良く貼り付け使用することが困難になり、他方上記ゴムシート(10)が香料の液を充分含浸せず、その体積が10%までも膨張しない程度では、香料から発生する芳香を持続させることができず、本発明の所期する効果を得られない。
【0036】
その場合、香料の液はその濃度100%の原液のみならず、約25%以上の濃度に希釈された液も採用するに値いする。何れにしても、先にゴムシート(10)の表面へスクリーン印刷されている画像(11)は、シリコーンゴム専用の印刷インキから成るため、これがその後香料の液中に晒されるも、形崩れしたり、消失したりするおそれがない。
【0037】
また、上記シリコーンオイルの混合によってゴムシート(10)に付与された自己粘着性(タック力)も、その後漬け込まれる香料の液によって、弱められたり、まして失なわれてしまったりするおそれがなく、そのゴムシート(10)から成る自動車用ステッカー(A1)の表面と裏面を、区別なく貼り付け使用することができる。
【0038】
尚、上記ゴムシート(10)の成形・加硫工程において、そのゴムコンパウンド(シリコーンゴム)に練り込む混合材料としての香料と、その成形・加硫し終えた完成品を漬け込む香料とは、互いに同じである場合だけに限らず、互いに異なる種類を採用して、その言わば経時的に異なる芳香を発散させることも可能である。
【0039】
次に、図9は本発明の第2実施形態として、テーブル上での滑り止めマット(A2)になる芳香性ゴムシート(10)を示しており、その大きさ・形状が例えば約350mm×約250mmの長方形、厚みが同じく約2mmであることを除くほかの構成については、図1〜8の上記第1実施形態と実質的に同一であるため、その図9に図1〜8との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略するが、このような芳香性ゴムシート(10)もテーブルを言わば貼り付け対象面(G)として、これに貼り付くため、滑り止めマット(A2)の機能を果せる。
【0040】
更に、図10〜14は本発明の第3、4実施形態として、表裏両面の平坦な室内装飾片(A3)になる芳香性ゴムシート(10)と、表面が立体的な凹凸形状をなし、且つ裏面が平坦な室内装飾片(A4)になる芳香性ゴムシート(10)を示しており、その第3実施形態に係る芳香性ゴムシート(10)の平面輪郭形状(例えばハート形)が、図10、11のように、プレス加硫金型(M)による成形後、やはり抜き刃型を用いて型抜きされているに比し、第4実施形態の芳香性ゴムシート(10)は図12〜14のような1個づつ又は多数個取りとして、その表面も含む形状の全体がプレス加硫金型(M)又はゴム弾性型(図示省略)により成形されている。
【0041】
このような室内装飾片(A3)(A4)は室内の壁面や家具、鏡、各種装置品を平滑な貼り付け対象面(G)として貼り付け使用できるばかりでなく、その小型品として例えば小物入れ箱やかばんなどへ貼り付け使用することも可能であり、その場合上記ゴムシート(10)に対する画像(11)のスクリーン印刷を省略し、着色カラーを施すだけにとどめても良い。
【0042】
尚、その第3、4実施形態の芳香性ゴムシート(10)におけるその他の構成は、図1〜8の上記第1実施形態と実質的に同一であるため、その図10〜14に図1〜8との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を割愛する。
【0043】
上記第1〜4実施形態の何れにあっても、その自動車用ステッカー(A1)やテーブル上での滑り止めマット(A2)、各種の室内装飾片(A3)(A4)などになる芳香性ゴムシート(10)は、そのシリコーンゴム(コンパウンド)に対するシリコーンオイルの混入によって、自己粘着力(タック力)が付与されているため、冒頭の特許文献1〜4には不可欠である物理的な取付手段が全く不要となり、自動車の窓ガラスや木質の家具、冷蔵庫、鏡、タイル、金属テーブル、皮革かばん、プラスチック容器、その他の各種材質から成る品物・場所の平滑な貼り付け対象面(G)へ、確固に安定良く貼り付け使用できる効果があり、その貼り付け位置も容易に変え得るので、利便性に優れる。
【0044】
しかも、上記芳香性ゴムシート(10)はその文字通りに芳香を発散するゴムシートとして、そのシリコーンゴム(コンパウンド)に希望の香料が練り込まれているだけでなく、その後の成形完成品に香料の液が含浸・帯有されてもいるため、芳香の発散を持続することができ、特に玄関や洗面所、トイレ、その他の比較的狭い空間において使う芳香材兼用装飾材として、頗る有益であり、特許文献2の芳香剤とゲル化剤とから成るゲル状芳香組成物と異なって、高熱に晒らされるも変形したり、溶け出したりするおそれがない。
【符号の説明】
【0045】
(10)・芳香性ゴムシート
(11)・印刷画像
(12)・下型
(13)・上型
(14)・昇降ガイドピン
(15)・固定ネジ
(16)・スライド盤
(A1)・自動車用ステッカー
(A2)・滑り止めマット (A3)(A4)・室内装飾片 (C)・キャビティ
(G)・貼り付け対象面
(M)・プレス加硫金型
【技術分野】
【0001】
本発明はガラスや金属、タイル、プラスチック、木質材、その他の各種材質から成る品物・場所の平滑面へ貼り付けることにより、ステッカーやシール、室内装飾片、滑り止めマットなどとして多目的に使用できる芳香性ゴムシートと、その製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、壁掛け具やインテリア置物、ペンダントなどとして利用できる立体感のある装飾性を兼ね備えた芳香材が特許文献1に、ゲル状芳香組成物から成形した室内装飾用物品が特許文献2に、表面シートを剥がすと香りの出るシールが特許文献3に、また芳香剤入りワッペンが特許文献4に各々記載されており、これらの公知技術は使用時に芳香を発散し得る点で悉く共通するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−321225号公報
【特許文献2】特開平11−226103号公報
【特許文献3】特開平8−241039号公報
【特許文献4】実開昭63−124274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に記載の芳香材はたとえ図1、2に例示されるような壁掛け具として利用できるとしても、そのためには壁掛け用紐通し部(8)と図外の紐のみならず、装飾体(4)の磁石(41)なども必要である。
【0005】
また、特許文献3に記載のシールは印刷物(16)へ貼り付け使用されることになっているが、そのためには基礎シート(4)の粘着剤層(13)と剥離紙(14)が必須不可欠である。
【0006】
更に、特許文献4に記載のワッペンは衣服や帽子などに着用されるが、そのためには縫い付けるか、または両面接着テープを貼り付けなければならない。
【0007】
つまり、上記特許文献1、3、4に開示された公知技術の場合、その構成上特別の物理的な取付手段を具備しなければ、取り付け使用することができない。そのため、製造コストが高価になるほか、目的・用途にも制約を受ける問題がある。
【0008】
この点、特許文献2に記載の室内装飾用物品はゲル状芳香組成物のそれ自身から、全体形状が成形されているため、自己の形状を保持できる硬度を有するとしても、例えば室内の壁面や自動車の窓ガラス、その他の平滑な貼り付け対象面へ貼り付け使用することができず、室内の置物として使用するほかはない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はこのような課題の抜本的な解決を目的としており、その目的を達成するために、請求項1ではステッカーやシール、室内装飾片、滑り止めマットなどとして、各種材質から成る平滑な貼り付け対象面へ貼り付け使用する芳香性ゴムシートであって、
【0010】
低硬度のシリコーンゴムから成り、そのシリコーンゴムに少なくともシリコーンオイルと香料を混合させて、成形・加硫することにより、自己粘着力と芳香性を与えたことを特徴とする。
【0011】
又、請求項2では着色顔料を混合させると共に、表面に印刷画像を施したことを特徴とする。
【0012】
請求項3では硬度が50度以下のシリコーンゴムと、その100重量%に対する5〜20重量%のシリコーンオイルと、同じくシリコーンゴムの100重量%に対する4〜10重量%の加硫剤並びに0.5〜2.0重量%の香料との混合材料を金型に入れて、所要時間だけ加熱・加圧することにより、所定の大きさ・形状を有するゴムシートとして成形・加硫し、
【0013】
その成形・加硫直後のゴムシートを香料の液中へ所要時間だけ直かに漬け込んで、自己粘着力と芳香性を発揮させることを特徴とする。
【0014】
請求項4ではシリコーンゴムの100重量%に対する0.1〜2.0重量%の無機顔料を混合させて、希望の着色カラーを与えることを特徴とする。
【0015】
更に、請求項5では成形・加硫直後のゴムシートを香料の液中へ漬け込む前において、そのゴムシートの表面へシリコーンゴム専用の印刷インキにより、希望の印刷画像をスクリーン印刷することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の上記構成によれば、その芳香性ゴムシートは低硬度のシリコーンゴムから成り、シリコーンオイルの混合による自己粘着力を発揮するため、冒頭の特許文献1〜4には不可欠である壁掛け用紐通し部や縫い付け用ミシン糸、タック紙、両面接着テープなどの物理的な取付手段が全く不要となり、ガラスや金属、タイル、鏡、プラスチック、木質材、その他の各種材質から成る平滑面へ便利良く貼り付け使用することができ、量産効果も最大限に期待し得るのである。
【0017】
又、請求項2の構成を採用するならば、その芳香性ゴムシートの貼り付け使用中において、文字通りに香料の芳香を発散し、優雅味を感得させることができるほか、着色顔料による希望の着色カラーと印刷画像に基く装飾効果も与えることができる。
【0018】
他方、請求項3の製造法によれば、上記請求項1の芳香性ゴムシートを容易に安定良く成形・加硫することができ、その香料が混合材料としてシリコーンゴムと一緒に練り込まれているほか、成形・加硫直後の完成したゴムシートが、香料の液中へ浸漬されることも行なわれているため、上記貼り付け使用中における芳香の発散を極力長く持続できる効果がある。
【0019】
殊更、請求項4や請求項5の構成を採用するならば、その芳香性ゴムシートに着色カラーや印刷画像に基く希望の装飾効果を付与することもでき、室内装飾片として貼り付け使用する場合に大変役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係る芳香性ゴムシート(ステッカー)を示す正面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】図1の貼り付け使用状態を示す説明図である。
【図4】図3から抽出した拡大断面図である。
【図5】図1のプレス加硫金型を示す平面図である。
【図6】上記金型の型開き状態を示す断面図である。
【図7】同じく型締め状態を示す図6に対応する断面図である。
【図8】上記金型による成形・加硫直後のゴムシートを示す平面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る芳香性ゴムシート(テーブル上での滑り止めマット)を示す斜面図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る芳香性ゴムシート(室内装飾片)の成形・加硫状態を示す平面図である。
【図11】図10から型抜きしたゴムシート(室内装飾片)を示す説明図である。
【図12】本発明の第4実施形態に係る芳香性ゴムシート(別な室内装飾片)のプレス加硫金型を示す平面図である。
【図13】図12のゴムシート(室内装飾片)を示す正面図である。
【図14】図13の14−14線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、図1〜4はその本発明の第1実施形態として、自動車用ステッカー(A1)になる芳香性ゴムシート(10)を示しており、これは低硬度(好ましくは50度以下)のシリコーンゴムから一定厚み(例えば約1〜2mm)を備えた全体的なほぼ正方形(例えば約100mm×約100mm)の平面輪郭形状に作成されている。
【0022】
しかも、上記ゴムシート(10)をシリコーンゴムから成形・加硫する時には、所定比率のシリコーンオイルが混合されており、これによって強い自己粘着力(タック力)を発揮し得るようになっている。そのため、そのゴムシート(10)を自動車用ステッカー(A1)として、図3、4のように貼り付け対象面(G)である窓ガラスへ、室内側から貼り付け使用でき、その貼り付け対象面(G)が弯曲面であっても、低硬度のシリコーンゴムから成るものとして、安定良く密着した貼り付け状態を得られる。
【0023】
また、上記ゴムシート(10)をシリコーンゴムから成形・加硫する時には、所定比率の香料が練り込まれるだけでなく、その成形・加硫後香料の液中へ所定時間だけ直かに浸漬することも行なわれることにより、その完成したゴムシート(10)を芳香性のそれとして、使用中に芳香を発散し得るようになっている。
【0024】
(11)は上記成形・加硫後のゴムシート(10)を香料の液中へ漬け込む前工程において、そのゴムシート(10)の表面へシリコーンゴム用の印刷インキを使って、シルクスクリーン印刷された画像であり、文字や図形、記号若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合(標章)から成るが、その印刷画像(11)は爾後的に香料の液中へ浸漬されても、決して形崩れしたり、消失したりするおそれはない。
【0025】
図5〜7は上記芳香性ゴムシート(10)のプレス加硫金型(M)を示しており、これはそのゴムシート(10)の多数個取りとして、ほぼ正方形(例えば約400mm×約400mm)の大きなキャビティ(凹窩)(C)を備えた下型(12)と、その下型(12)のキャビティ(C)を密閉し得る上型(熱盤)(13)との1組から成り、その上型(13)を複数本の昇降ガイドピン(14)に沿って、下型(12)から昇降作動できるようになっている。(15)はスライド盤(16)に対する下型(12)の取り付け固定ネジである。
【0026】
上記プレス加硫金型(M)を用いて、本発明の芳香性ゴムシート(10)を製造するに当っては、低硬度(先に例示した50度以下)のシリコーンゴム(コンパウンド)と、その100重量%の5〜20重量%に相当するシリコーンオイルと、同じくシリコーンゴムの100重量%に対する4〜10重量%の加硫剤と、やはりシリコーンゴムの100重量%に対する0.5〜2.0重量%の香料とを混合して、その混合材料を図5〜7のように上記プレス加硫金型(M)における下型(12)のキャビティ(C)へ装入し、予じめタイマーにより設定した時間だけ加熱・加圧するのである。
【0027】
その場合、加熱温度は約150℃〜約180℃として、約3分〜約7分の一定時間だけ電気加熱する。加圧力は約100トンである。上記香料の混合比率(練り込み比率)については、0.5重量%よりも過少であると、その香料の種類を問わず、香気が発生しない。他方、2.0重量%よりも過多であると、これに応じて加硫剤の混合比率も増す必要があり、そうすると加硫剤の強い臭気によって、香料本来の香気が消されてしまうことになる。
【0028】
香料としては天然の花香をそのまま取り入れて基調としたものや、各種の香料を混合して、天然の花香を模写表現したものが好ましく、その種類を問わないが、上記混合材料として採用する香料の種類によっても、加硫剤の混合比率が変化し、その混合比率を増さなければ、加硫しないことが起り得る。例えば、その香料がミントであれば、これの混合比率を1.5重量%とする一方、加硫剤の混合比率を4.0重量%に定める。ジャスミンの場合には、その香料の混合比率を同じく1.5重量%としつつも、加硫剤の混合比率を10.0重量%に設定するのである。
【0029】
但し、ミントを除く各種の香料ではゴムシート(10)の成形・加硫直後に、その香料の香気がそのまま発生しないため、後述するとおり、そのゴムシート(10)として成形・加硫し終えた完成品(例えば自動車用ステッカー)を、香料の液(香水)中へ所要時間だけ直かに漬け込んで、その香料の香気をゴムシート(10)へ浸透・帯有させるのである。
【0030】
更に、上記ゴムシート(10)はシリコーンゴムから成り、透明性に優れるため、そのシリコーンゴムの100重量%に対する約0.1〜2.0重量%の無機顔料を混合することにより、そのゴムシート(10)にあらゆる着色カラーを与えることができ、その濃淡の程度も調整し得る。
【0031】
図8は上記プレス加硫金型(M)によって成形・加硫した直後のゴムシート(10)を示しており、その状態では未だキャビティ(C)に対応する大きな正方形(先に例示した約400mm×約400mm)の平面輪郭形状をなしているため、このようなゴムシート(10)の表面へ次にシリコーンゴム用の印刷インキを使って、目的とする自動車用ステッカー(A1)にふさわしい希望の文字や図形、色彩などから成る印刷画像(11)を、シルクスクリーン印刷する。
【0032】
そして、約150℃の焼付け温度のもとで、印刷インキを約30分だけ定着させた後、未だ大きな平面輪郭形状のゴムシート(10)を抜き刃型(図8の鎖線参照)により、目的とする自動車用ステッカー(A1)の大きさ・形状(先に例示した約100mm×約100mm)に型抜きして、言わば多数個取りすれば良い。
【0033】
最後に、その自動車用ステッカー(A1)として完成したゴムシート(10)を、希望する香料の液中へ所要時間だけ直かに漬け込むのである。その漬け込み所要時間としては、例えば香料がラベンダーの場合約120分、ジャスミンの場合約240分、レモンの場合約10分であり、その香料の種類に応じて選定する。
【0034】
要するに、上記自動車用ステッカー(A1)となるゴムシート(10)を使用者が手にとって、その香気を嗅ぐことができる程度までの所要時間だけ、希望する香料の液中へゴムシート(10)を浸漬させれば良い。この程度は、ゴムシート(10)の体積が約10%だけ増大することを目安として知ることができる。
【0035】
そのゴムシート(10)の体積が浸漬前のそれから10%を越える程に膨張すると、たとえシリコーンゴムが50度以下の低硬度であるとしても、貼り付け対象面(G)への全面密着状態に安定良く貼り付け使用することが困難になり、他方上記ゴムシート(10)が香料の液を充分含浸せず、その体積が10%までも膨張しない程度では、香料から発生する芳香を持続させることができず、本発明の所期する効果を得られない。
【0036】
その場合、香料の液はその濃度100%の原液のみならず、約25%以上の濃度に希釈された液も採用するに値いする。何れにしても、先にゴムシート(10)の表面へスクリーン印刷されている画像(11)は、シリコーンゴム専用の印刷インキから成るため、これがその後香料の液中に晒されるも、形崩れしたり、消失したりするおそれがない。
【0037】
また、上記シリコーンオイルの混合によってゴムシート(10)に付与された自己粘着性(タック力)も、その後漬け込まれる香料の液によって、弱められたり、まして失なわれてしまったりするおそれがなく、そのゴムシート(10)から成る自動車用ステッカー(A1)の表面と裏面を、区別なく貼り付け使用することができる。
【0038】
尚、上記ゴムシート(10)の成形・加硫工程において、そのゴムコンパウンド(シリコーンゴム)に練り込む混合材料としての香料と、その成形・加硫し終えた完成品を漬け込む香料とは、互いに同じである場合だけに限らず、互いに異なる種類を採用して、その言わば経時的に異なる芳香を発散させることも可能である。
【0039】
次に、図9は本発明の第2実施形態として、テーブル上での滑り止めマット(A2)になる芳香性ゴムシート(10)を示しており、その大きさ・形状が例えば約350mm×約250mmの長方形、厚みが同じく約2mmであることを除くほかの構成については、図1〜8の上記第1実施形態と実質的に同一であるため、その図9に図1〜8との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略するが、このような芳香性ゴムシート(10)もテーブルを言わば貼り付け対象面(G)として、これに貼り付くため、滑り止めマット(A2)の機能を果せる。
【0040】
更に、図10〜14は本発明の第3、4実施形態として、表裏両面の平坦な室内装飾片(A3)になる芳香性ゴムシート(10)と、表面が立体的な凹凸形状をなし、且つ裏面が平坦な室内装飾片(A4)になる芳香性ゴムシート(10)を示しており、その第3実施形態に係る芳香性ゴムシート(10)の平面輪郭形状(例えばハート形)が、図10、11のように、プレス加硫金型(M)による成形後、やはり抜き刃型を用いて型抜きされているに比し、第4実施形態の芳香性ゴムシート(10)は図12〜14のような1個づつ又は多数個取りとして、その表面も含む形状の全体がプレス加硫金型(M)又はゴム弾性型(図示省略)により成形されている。
【0041】
このような室内装飾片(A3)(A4)は室内の壁面や家具、鏡、各種装置品を平滑な貼り付け対象面(G)として貼り付け使用できるばかりでなく、その小型品として例えば小物入れ箱やかばんなどへ貼り付け使用することも可能であり、その場合上記ゴムシート(10)に対する画像(11)のスクリーン印刷を省略し、着色カラーを施すだけにとどめても良い。
【0042】
尚、その第3、4実施形態の芳香性ゴムシート(10)におけるその他の構成は、図1〜8の上記第1実施形態と実質的に同一であるため、その図10〜14に図1〜8との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を割愛する。
【0043】
上記第1〜4実施形態の何れにあっても、その自動車用ステッカー(A1)やテーブル上での滑り止めマット(A2)、各種の室内装飾片(A3)(A4)などになる芳香性ゴムシート(10)は、そのシリコーンゴム(コンパウンド)に対するシリコーンオイルの混入によって、自己粘着力(タック力)が付与されているため、冒頭の特許文献1〜4には不可欠である物理的な取付手段が全く不要となり、自動車の窓ガラスや木質の家具、冷蔵庫、鏡、タイル、金属テーブル、皮革かばん、プラスチック容器、その他の各種材質から成る品物・場所の平滑な貼り付け対象面(G)へ、確固に安定良く貼り付け使用できる効果があり、その貼り付け位置も容易に変え得るので、利便性に優れる。
【0044】
しかも、上記芳香性ゴムシート(10)はその文字通りに芳香を発散するゴムシートとして、そのシリコーンゴム(コンパウンド)に希望の香料が練り込まれているだけでなく、その後の成形完成品に香料の液が含浸・帯有されてもいるため、芳香の発散を持続することができ、特に玄関や洗面所、トイレ、その他の比較的狭い空間において使う芳香材兼用装飾材として、頗る有益であり、特許文献2の芳香剤とゲル化剤とから成るゲル状芳香組成物と異なって、高熱に晒らされるも変形したり、溶け出したりするおそれがない。
【符号の説明】
【0045】
(10)・芳香性ゴムシート
(11)・印刷画像
(12)・下型
(13)・上型
(14)・昇降ガイドピン
(15)・固定ネジ
(16)・スライド盤
(A1)・自動車用ステッカー
(A2)・滑り止めマット (A3)(A4)・室内装飾片 (C)・キャビティ
(G)・貼り付け対象面
(M)・プレス加硫金型
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステッカーやシール、室内装飾片、滑り止めマットなどとして、各種材質から成る平滑な貼り付け対象面へ貼り付け使用する芳香性ゴムシートであって、
低硬度のシリコーンゴムから成り、そのシリコーンゴムに少なくともシリコーンオイルと香料を混合させて、成形・加硫することにより、自己粘着力と芳香性を与えたことを特徴とする芳香性ゴムシート。
【請求項2】
着色顔料を混合させると共に、表面に印刷画像を施したことを特徴とする請求項1記載の芳香性ゴムシート。
【請求項3】
硬度が50度以下のシリコーンゴムと、その100重量%に対する5〜20重量%のシリコーンオイルと、同じくシリコーンゴムの100重量%に対する4〜10重量%の加硫剤並びに0.5〜2.0重量%の香料との混合材料を金型に入れて、所要時間だけ加熱・加圧することにより、所定の大きさ・形状を有するゴムシートとして成形・加硫し、
その成形・加硫直後のゴムシートを香料の液中へ所要時間だけ直かに漬け込んで、自己粘着力と芳香性を発揮させることを特徴とする芳香性ゴムシートの製造法。
【請求項4】
シリコーンゴムの100重量%に対する0.1〜2.0重量%の無機顔料を混合させて、希望の着色カラーを与えることを特徴とする請求項3記載の芳香性ゴムシートの製造法。
【請求項5】
成形・加硫直後のゴムシートを香料の液中へ漬け込む前において、そのゴムシートの表面へシリコーンゴム専用の印刷インキにより、希望の印刷画像をスクリーン印刷することを特徴とする請求項3記載の芳香性ゴムシートの製造法。
【請求項1】
ステッカーやシール、室内装飾片、滑り止めマットなどとして、各種材質から成る平滑な貼り付け対象面へ貼り付け使用する芳香性ゴムシートであって、
低硬度のシリコーンゴムから成り、そのシリコーンゴムに少なくともシリコーンオイルと香料を混合させて、成形・加硫することにより、自己粘着力と芳香性を与えたことを特徴とする芳香性ゴムシート。
【請求項2】
着色顔料を混合させると共に、表面に印刷画像を施したことを特徴とする請求項1記載の芳香性ゴムシート。
【請求項3】
硬度が50度以下のシリコーンゴムと、その100重量%に対する5〜20重量%のシリコーンオイルと、同じくシリコーンゴムの100重量%に対する4〜10重量%の加硫剤並びに0.5〜2.0重量%の香料との混合材料を金型に入れて、所要時間だけ加熱・加圧することにより、所定の大きさ・形状を有するゴムシートとして成形・加硫し、
その成形・加硫直後のゴムシートを香料の液中へ所要時間だけ直かに漬け込んで、自己粘着力と芳香性を発揮させることを特徴とする芳香性ゴムシートの製造法。
【請求項4】
シリコーンゴムの100重量%に対する0.1〜2.0重量%の無機顔料を混合させて、希望の着色カラーを与えることを特徴とする請求項3記載の芳香性ゴムシートの製造法。
【請求項5】
成形・加硫直後のゴムシートを香料の液中へ漬け込む前において、そのゴムシートの表面へシリコーンゴム専用の印刷インキにより、希望の印刷画像をスクリーン印刷することを特徴とする請求項3記載の芳香性ゴムシートの製造法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−26462(P2011−26462A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173999(P2009−173999)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(509108135)有限会社 東京ポリマー (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(509108135)有限会社 東京ポリマー (2)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]