説明

芳香族アルデヒドをα−ケトオキシムと縮合してN−オキシドにし、次いでこれを活性化された酸誘導体と反応させることによるオキサゾールの製造方法

芳香族アルデヒドをα−ケトオキシムと縮合させてN−オキシドにし、次いでこれを活性化された酸誘導体と反応させることによる式IVのオキサゾールの製造方法が開示されている。本発明は、アルデヒドをα−ケトオキシムと縮合させて塩又は遊離塩基の形態でN−オキシドにし、次いでこれを活性化された酸誘導体と反応させて塩又は遊離塩基の形態でオキサゾールを得ることによるオキサゾールの製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルデヒドをα−ケトオキシムと縮合させてそれらの塩の形態、又は遊離塩基としてN−オキシドを得、続いて活性化された酸誘導体と反応させてそれらの塩形態又は遊離塩基としてオキサゾールを得る、特に芳香族アルデヒドとα−ケトオキシムとを縮合させ、続いて無機チオニルハライド又は有機スルホニルハライドの反応によりクロロメチルオキサゾールを得ることによるオキサゾールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、高収率及び高純度でのオキサゾールの製法を提供する。オキサゾールは、医薬活性物質、例えばPPARアゴニストの合成における有益な中間体である。PPARアゴニストの適当な例は、とりわけ、WO 03/020269、WO 2004/075815、WO 2004/076447、WO 2004/076428、WO 2004/076426、WO 2004/076427、DE 102004039533.0、DE 102004039532.2、DE 102004039509.8に記載されている。後者は、脂質代謝及び糖代謝の両方に正の影響を有しうる薬剤である。
【0003】
芳香族アルデヒドをα−ケトオキシムと縮合させてN−オキシドを得、続いて活性化された酸性誘導体と反応させてオキサゾールを得ることは、それ自体で知られている。
【0004】
N−オキシドからオキサゾールへの転化について、文献は、試薬、塩化リン(III)(PCl3)及びオキシ塩化リン(POCl3)及び1つの変種、無水酢酸((CH3COO)2O)を記載している(Y. Goto, M. Yamazaki, M. Hamana, Chem Pharm Bull. 19 (1971) 2050及びそこに引用された文献)。これらの試薬は広く適用できず、多くの場合、生成物が得られないか又は非常に汚染された生成物が得られ、費用のかかる不便なやり方、例えばクロマトグラフ処理によって十分な純度で低収率でしか得ることができない。
【0005】
記載された反応条件は、N−オキシドの単離を必要とする。発熱性の分解可能性のあるN−オキシドについて、これはかなり安全性に危険があり、その方法を工業規模で実施する妨げとなっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、驚くべきことに、N−オキシドからハロメチルオキサゾールへの変換は、無機チオニルハライド又は有機スルホニルハライドを用いて高収率及び高純度で予想外に順調に進行することがわかった。
【0007】
文献における所見に基づいて予想外だったにもかかわらず、いくつかの場合、ハロメチル−オキサゾールは、遊離塩基の形態又は塩として反応混合物から汚れなしに直接沈殿する。
【0008】
予期せぬことに、発熱分解の可能性のあるN−オキシドについて、希薄溶液中の安全な製造と溶液のさらなる直接反応によりハロメチルオキサゾールを得ることの両方が可能となった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、本発明は、式Iの芳香族アルデヒドを、式IIのα−ケトオキシムを用いて式IIIのN−オキシドを経て式IVのハロメチルオキサゾールに転化することによる式IVの化合物の製造方法であって、
【化1】

これは、式Iの芳香族アルデヒドを、式II
【化2】

[式中:
R1は、H、(C1−C6)−アルキル、F、Cl、Br、I、O−(C0−C8)−アルキレン−H、CF3、OCF3、SCF3、SF5、OCF2−CHF2、(C6−C10)−アリール、O−(C6−C10)−アリール、O−(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、NO2、COOR9、CONR10R11、SH又はNR10R11、ここで、アリールは非置換又はF、Cl、Br、I、(C1−C4)−アルキル、O−(C1−C4)−アルキル若しくはCF3によって一、二若しくは三置換されており;
ここで、R9は、H、Li、Na、K、1/2Mg、1/2Ca、非置換又は(C1−C4)−アルキルによって一、二若しくは三置換されたアンモニウムイオンであるか、又は(C1−C8)−アルキルであり、
R10及びR11は、それぞれ独立してH、(C1−C5)−アルキル、フェニル又はCH2−フェニルであり、ここで、フェニルは非置換又はF、Cl、Br、I、(C1−C4)−アルキル、O−(C1−C4)−アルキル又はCF3によって一、二又は三置換されており;又は
R10及びR11は、共に(C4−C5)−アルキレンであり、ここにおいて、1つのCH2基は、O、S、NH、N−CH3又はN−ベンジルによって置き換えることができ;
R2は、H、(C1−C6)−アルキル、F、Cl、Br、I、O−(C0−C8)−アルキレン−H、CF3、OCF3、SCF3、SF5、OCF2−CHF2、(C6−C10)−アリール、O−(C6−C10)−アリール、O−(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、NO2、COOR9、CONR10R11、SH又はNR10R11であり、ここでアリールは、非置換又はF、Cl、Br、I、(C1−C4)−アルキル、O−(C1−C4)−アルキル若しくはCF3によって一、二若しくは三置換されており;
ここで、R9、R10及びR11は、それぞれの上記定義された通りであり;
R3は、H、(C1−C6)−アルキル、F、Cl、Br、I、O−(C0−C8)−アルキレン−H、CF3、OCF3、SCF3、SF5、OCF2−CHF2、(C6−C10)−アリール、O−(C6−C10)−アリール、O−(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、NO2、COOR9、CONR10R11、SH又はNR10R11であり、アリールは、非置換又はF、Cl、Br、I、(C1−C4)−アルキル、O−(C1−C4)−アルキル若しくはCF3によって一、二若しくは三置換されており;
ここで、R9、R10及びR11は、それぞれの上記定義された通りであり;
o=1ならば、Wは、CH、Nであり;
o=0ならば、Wは、O、S、NR12であり;
oは、0又は1であり;
R12は、H、(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキレンフェニル、フェニルであり;
R4は、H、(C1−C8)−アルキル、(C3−C8)−シクロアルキル、(C1−C3)−アルキレン−(C3−C8)−シクロアルキル、フェニル、(C1−C3)−アルキレンフェニル、(C5−C6)−ヘテロアリール、(C1−C3)−アルキレン−(C5−C6)−ヘテロアリール又はFによって完全に又は部分的に置換された(C1−C3)−アルキル、又はCOOR9、CONR(10)R(11)であり;
ここで、R9、R10及びR11は、それぞれ上記定義された通りであり;
R5及びR6は、それぞれ独立してH、(C1−C8)−アルキル、F、Cl、Br、I、O−(C0−C8)−アルキレン−H、O−(C6−C10)−アリール、O−(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、COOR9、CONR10R11、SH又はNR10R11であり、ここでR9、R10、R11はそれぞれ上記定義された通りであり;又は
R5及びR6は共に(C4−C5)−アルキレンであり、ここにおいて、1つのCH2基は、O、S、NH、N−CH3又はN−ベンジルによって置き換えることができ;
R7は、H又は(C1−C8)−アルキルである]のα−ケトオキシムを用いて、酸HX1、例えばHCl、HBr、H2SO4、H3PO4、HOOCCF3、HOOCCCl3、HO3SCF3、HO3SCH3、HO3SC6H5、HO3S−C6H4−p−CH3、HOOCHの存在下で、式III
【化3】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びX1は、それぞれ上記定義された通りであり、そしてn1は、0、1、1/2又は1/3である)のN−オキシドに転化し;
続いて、後者を試薬R8X2(これはSOCl−Cl、SOBr−Br、CH3SO2−Cl、CF3SO2−Cl、C6H5SO2−Cl、p−CH3−C6H4−SO2−Cl、CH3SO2−O3SCH3、CF3SO2−O3SCF3、C6H5SO2−O3SC6H5又はp−CH3−C6H4−SO2−O3S−C6H4−p−CH3を意味する)と反応させて、式IV
【化4】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びX2は、それぞれ上記定義された通りであり、そしてX3は、Cl、Br、CH3SO3、CF3SO3、C6H5SO3又はp−CH3−C6H4−SO3であり、そしてn2は、0又は1である)のハロメチルオキサゾールを得ることからなる前記製造方法に関する。
【0010】
本発明は、好ましくは、式IVにおいてW=CH、そしてo=1である式IVの化合物を製造方法に関する。
【0011】
本発明は、さらに好ましくは、式IVにおいて:
R1は、Hであり;
R2は、H、(C1−C6)−アルキル、F、Cl、Br、I、O−(C0−C8)−アルキレン−H、CF3、OCF3、SCF3、SF5、OCF2−CHF2、(C6−C10)−アリール、O−(C6−C10)−アリール、O−(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、NO2、COOR9、CONR10R11、SH又はNR10R11であり、ここでアリールは、非置換又はF、Cl、Br、I、(C1−C4)−アルキル、O−(C1−C4)−アルキル若しくはCF3によって一、二若しくは三置換されており;
ここでR9は、H、Li、Na、K、1/2Mg、1/2Ca、非置換又は(C1−C4)−アルキルによって一、二若しくは三置換されたアンモニウムイオンであるか、又は(C1−C8)−アルキルであり、
R10及びR11は、それぞれ独立してH、(C1−C5)−アルキル、フェニル又はCH2−フェニルであり、
ここでフェニルは、非置換又はF、Cl、Br、I、(C1−C4)−アルキル、O−(C1−C4)−アルキル若しくはCF3によって一、二若しくは三置換されており;又は
R10及びR11は、共に(C4−C5)−アルキレンであり、ここにおいて1つのCH2基は、O、S、NH、N−CH3又はN−ベンジルによって置き換えることができ;
R3は、H、(C1−C6)−アルキル、F、Cl、Br、I、O−(C0−C8)−アルキレン−H、CF3、OCF3、SCF3、SF5、OCF2−CHF2、(C6−C10)−アリール、O−(C6−C10)−アリール、O−(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、NO2、COOR9、CONR10R11、SH又はNR10R11であり、ここでアリールは、非置換又はF、Cl、Br、I、(C1−C4)−アルキル、O−(C1−C4)−アルキル若しくはCF3によって一、二若しくは三置換されており;
ここで、R9、R10及びR11は、それぞれ上記定義された通りである、式IVの化合物の製造方法に関する。
【0012】
本発明は、より好ましくは、式IVにおいて、
R1は、Hであり;
R2は、Hであり;
R3は、H、(C1−C6)−アルキル、F、Cl、Br、I、O−(C0−C8)−アルキレン−H、CF3、OCF3、SCF3、SF5、OCF2−CHF2、(C6−C10)−アリール、O−(C6−C10)−アリール、O−(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、NO2、COOR9、CONR10R11、SH又はNR10R11であり、ここでアリールは、非置換又はF、Cl、Br、I、(C1−C4)−アルキル、O−(C1−C4)−アルキル若しくはCF3によって一、二若しくは三置換されており;
ここでR9は、H、Li、Na、K、1/2Mg、1/2Ca、非置換又は(C1−C4)−アルキルによって一、二若しくは三置換されたアンモニウムイオンであるか、又は(C1−C8)−アルキルであり、
R10及びR11は、それぞれ独立してH、(C1−C5)−アルキル、フェニル又はCH2−フェニルであり、
ここでフェニルは、非置換又はF、Cl、Br、I、(C1−C4)−アルキル、O−(C1−C4)−アルキル若しくはCF3によって一、二若しくは三置換されており;又は
R10及びR11は、共に(C4−C5)−アルキレンであり、ここにおいて、1つのCH2基は、O、S、NH、N−CH3又はN−ベンジルによって置き換えることができる、式IVの化合物の製造方法に関する。
【0013】
さらに本発明は、より好ましくは、式IVにおいて、
R1、R2、R3は、それぞれ独立してH、(C1−C6)−アルキル、F、Cl、Br、I、O−(C0−C8)−アルキレン−H、CF3、OCF3、OCF2−CHF2、(C6−C10)−アリール、O−(C6−C10)−アリール、O−(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、NO2、COOR9、CONR10R11、SH又はNR10R11であり、ここでアリールは、非置換又はF、Cl、Br、I、(C1−C4)−アルキル、O−(C1−C4)−アルキル若しくはCF3によって一、二若しくは三置換されており;
ここでR9は、H、Li、Na、K、1/2Mg、1/2Ca、非置換又は(C1−C4)−アルキルによって一、二若しくは三置換されたアンモニウムイオンであり、又は(C1−C8)−アルキルであり、
R10及びR11は、それぞれ独立してH、(C1−C5)−アルキル、フェニル又はCH2−フェニル、ここでフェニルは、非置換又はF、Cl、Br、I、(C1−C4)−アルキル、O−(C1−C4)−アルキル若しくはCF3によって一、二若しくは三置換されており;又は
R10及びR11は、共に(C4−C5)−アルキレンであり、ここにおいて1つのCH2基は、O、S、NH、N−CH3又はN−ベンジルによって置き換えることができる、式IVの化合物の製造方法に関する。
【0014】
また、本発明は、より好ましくは、式IVにおいて、
W=CH;
o=1;
R1=H;
R2=H、CH3、OCH3、Br又はCl;
R3=H、CH3、OCH3、Br又はCl;
R4=CH3、CH2CH3又はCH(CH3)2
R5=H、CH3、CH2CH3又はCH(CH3)2
R6=H、CH3、CH2CH3又はCH(CH3)2
X3=Cl、CH3SO3又はp−CH3−C6H4−SO3そして
n2=0又は1である、式IVの化合物を製造方法に関する。
【0015】
R9の定義における非置換又は置換されたアンモニウムイオンは、それぞれトリエチルアンモニウムであることが好ましい。
【0016】
特に、本発明は、式VIII
【化5】

において、
R1=H、
R2=H又はCH3
R3=H又はOCH3
R4=CH3又はCH(CH3)2
W=CH、
X3=Cl又はCH3SO3、そして
n2=0又は1
である、式VIIIの化合物の製造方法に関する。
【0017】
本発明は、最も好ましくは、試薬R8X2が構造:SOCl−Cl、SOBr−Br、CH3SO2−Cl又はp−CH3−C6H4−SO2−Clを有する方法に関する。
【0018】
特に、本発明は、試薬R8X2が構造SOCl−Cl(式IX)又はCH3SO2−Cl(式X)
【化6】

を有する方法に関する。
【0019】
N−オキシド(式III)は、単離することもできるし又は溶液中でさらに直接反応させることもできる。
【0020】
N−オキシド(式III)又はオキサゾール(式IV)を塩(n1≠0又はn2≠0)として得る場合、塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムの水溶液で処理して対応する遊離塩基に転化することができる。
【0021】
N−オキシド(式I+式II→式III)を形成する反応について、有用な試薬HX1は、ハロゲン化水素、硫酸及びその酸性塩、リン酸及びその酸性塩、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ギ酸、そしてまたHMSO4、H2MPO4、HM2PO4であり、ここでM=Na、Kであり、ハロゲン化水素が好ましい。特に好ましい実施態様において、塩化水素が選ばれる。硫酸の場合、硫酸水素塩(n1=1)又は硫酸塩(n1=1/2)を形成することができ;リン酸の場合、リン酸二水素塩(n1=1)、リン酸水素塩(n1=1/2)又はリン酸(n1=1/3)を形成することができる。
【0022】
試薬HX1は、α−ケトオキシム(式II)に基づいて化学量論量から高過剰までで用いることができる。好ましい作用範囲は、化学量論量から7倍過剰までの使用である。1〜6倍過剰が特に好ましい。
【0023】
N−オキシドを形成する反応(式I+式II→式III)について、使用する溶媒は、プロトン性極性溶媒、例えばカルボン酸、非プロトン性の双極性溶媒、例えばスルホキシド、ニトリル又はエーテル若しくはポリエーテル、非プロトン性極性溶媒、例えばハロゲン化芳香族及び脂肪族炭化水素、又は非プロトン性無極性溶媒、例えば芳香族及び脂肪族炭化水素、又は溶媒群の混合物であることができる。例えば、有用な溶媒は、ギ酸、氷酢酸、プロピオン酸、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル及びより高級の同族体又はジクロロメタン及びクロロベンゼン又はトルエン、シクロヘキサン及びn−ヘプタンであり、各場合単独であるか又は混合物である。好ましい形態では、反応は、氷酢酸中、氷酢酸及びエチレングリコールジメチルエーテルの混合物中、又は氷酢酸及びトルエンの混合物中で実施する。
【0024】
N−オキシドの形成(式I+式II→式III)の反応温度は、広範囲で変化させることができ、そしてアルデヒド(式I)及び転化すべきα−ケトオキシム(式II)の溶解性を含む要因に左右される。従って、原則として、−20℃から150℃の反応温度が可能であり、−10℃から90℃までの反応温度が一般に好ましい。特に好ましい実施態様において、0℃から60℃の反応温度が選ばれる。
【0025】
N−オキシドの形成(式I+式II→式III)は、高められた圧力下の閉鎖系又は標準圧力下の開放系で、すなわち、例えば、大気に開放された系にハロゲン化水素ガスを導入することによって、又は有機溶媒中でハロゲン化水素ガスを用いることによって実施することができる。
【0026】
R1〜R6基の中に活性化された酸誘導体と反応することができるCOOR9のようなさらなる官能基が存在する場合、生成物は酸誘導体COX2として又は原則として知られている方法によって、前記加水分解、酸又はアルカリ加水分解した後、遊離酸COOHとして得ることができる。
【0027】
試薬R8X2は、中間体N−オキシド(式III)に基づいて化学量論量から高過剰までで使用することができる。好ましい作用範囲は、化学量論量から5倍過剰までの使用である。特に好ましいのは、1〜4倍過剰である。これにより共有結合された形態で式IV中にX2部分構造(R8X2の)を導入し、そして加水分解によってR8をHX3に転化する。
【0028】
ハロメチルオキサゾールを形成する反応(式III→式IV)について、使用する溶媒は、非プロトン性の双極性溶媒、例えばアミド、スルホキシド、ニトリル又はエーテル若しくはポリエーテル、非プロトン性の極性溶媒、例えばハロゲン化芳香族及び脂肪族炭化水素、又は非プロトン性の非極性溶媒、例えば芳香族及び脂肪族炭化水素、又は溶媒群の混合物であることができる。例えば、有用な溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル及びより高級の同族体、又はジクロロメタン及びクロロベンゼン又はトルエン、シクロヘキサン及びn−ヘプタンであり、各場合単独であるか又は混合物である。好ましい形態において、反応はジクロロメタン又はトルエン中で実施する。反応は、過剰の塩化チオニル又はメタンスルホニルクロリド試薬中、溶媒なしで実施することもできる。
【0029】
ハロメチルオキサゾール形成(式III→式IV)の反応温度は、広範囲で変化させることができ、アルデヒド及び転化すべきα−ケトオキシムの溶解性を含む要因に左右される。従って、原則として−20℃から150℃の反応温度が可能であり、20℃から120℃までの反応温度が一般に好ましい。特に好ましい実施態様では、20℃から80℃の反応温度が選ばれる。
【0030】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、好ましくはフッ素、塩素、臭素、より好ましくは塩素又は臭素そして最も好ましくは塩素を表す。
【0031】
アルキル基は、1〜6個の炭素を有する直鎖又は分枝炭化水素鎖、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロピル、イソブチル、ネオペンチル、tert−ブチルを意味するものとして理解される。
【0032】
アルキル基は、適切な基、例えば:F、Cl、Br、I、CF3、NO2、N3、CN、COOH、COO(C1−C6)−アルキル、CONH2、CONH(C1−C6)−アルキル、CON[(C1−C6)−アルキル]2、(C3−C8)−シクロアルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C6−C10)−アリールによって一、二又は三置換されていてもよい。
【0033】
アリール基は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、テトラヒドロナフチル、α又はβ−テトラロニル、インダニル又はインダン−1−オンイル基を意味するものとして理解される。
【0034】
アリール基は、適切な基、例えば:F、Cl、Br、I、CF3、NO2、SF5、N3、CN、COOH、COO(C1−C6)−アルキル、CONH2、CONH(C1−C6)−アルキル、CON[(C1−C6)アルキル]2、(C3−C8)−シクロアルキル、(C1−C10)−アルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、O−(C1−C6)−アルキル、O−CO(C1−C6)−アルキル、O−CO(C6−C10)−アリール
によって一、二又は三置換されていてもよい。
【0035】
シクロアルキル基は、1つ又はそれ以上の環を含み、もっぱら炭素原子で構成された飽和した又は部分的に不飽和の(1又は2個の二重結合を有する)形態で存在する3〜8員環系、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル又はアダマンチルを意味するものとして理解される。
【0036】
シクロアルキル基は、適切な基、例えば:F、Cl、Br、I、CF3、NO2、N3、CN、COOH、COO(C1−C6)−アルキル、CONH2、CONH(C1−C6)−アルキル、CON[(C1−C6)アルキル]2、(C3−C8)−シクロアルキル、(C1−C10)−アルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、O−(C1−C6)−アルキル、O−CO(C1−C6)−アルキル、O−CO(C6−C10)−アリールによって一、二又は三置換されていてもよい。
【0037】
ヘテロアリール基は、群O、N、Sからの1〜4個のヘテロ原子を含むことができるC5−C6−複素環を意味するものとして理解される。例としては、フラン、チオフェン、ピロール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、テトラゾールが含まれる。
【0038】
式IVの本発明の化合物は、さらに、例えばDE 102004040736.3に従って反応させて医薬活性物質、PPARアゴニストを得ることができる。
【0039】
実施例1
2−(3−メトキシフェニル)−4,5−ジメチルオキサゾール3−オキシド(式XI)
【化7】

2,3−ブタンジオンモノオキシム15.2g(0.150mol)を最初に入れ、トルエン260ml、3−メトキシベンズアルデヒド22.1g(0.157mol)及び氷酢酸70ml(73.4g,1.224mol)を撹拌しながら加えた。塩化水素ガス27.3g(0.749mol)を、内部温度が<22℃となるような速度で冷却しながら導入した。続いて、混合物を16時間まで撹拌した。撹拌しながら、反応混合物を水600mlに加えた(発熱反応)。pHを10.6に調整し、そのために33%水酸化ナトリウム水溶液172ml(1.930mol)が必要であり、内部温度は外部冷却によって<32℃に保持した。二相が形成され、これを分離した。水相を各回トルエン100mlで二回抽出し、続いて捨てられた。合わせた有機相を、減圧下で50mlを留去しながら濃縮した。このようにして得たトルエン性溶液(420ml)を、4−クロロメチル−2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール塩酸塩の合成に直接用いた。
収率:2−(3−メトキシフェニル)−4,5−ジメチルオキサゾール−3−オキシド32.9g(100%)、単離することなく、その後の段階の計算の前提条件とした。
以下のデータは、有機相の溶媒を完全に留去した後に得られた純粋な物質で測定した。融点:114℃
1H NMR(CDCl3, 400MHz)δ(ppm)= 2.20 (s, 3 H); 2.35 (s, 3 H); 3.87 (s, 3 H); 6.98 (m, 1 H); 7.38 (m, 1 H); 7.88 (m, 3 H); 8.26 (m, 1 H)。
【0040】
実施例2
4−クロロメチル−2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール塩酸塩(式XII)
【化8】

実施例1のトルエン性溶液(420ml)全体に60℃で塩化チオニル54.2g(0.456mol)を滴下して混合し、<60℃で22時間まで撹拌した。続いて、混合物を229mlを留去することによって濃縮した。懸濁液を<20℃にさまし、生成物を吸引濾過によって単離し、各回トルエン20mlで3回洗浄し、そして減圧下、高められた温度で乾燥した。
収率:4−クロロメチル−2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール塩酸塩23.2g(56%)
融点:117℃
1H NMR(CDCl3, 400MHz)δ(ppm)=2.58 (s, 3 H); 3.92 (s, 3 H); 4.78 (s, 2 H); 7.15 (m, 1 H); 7.42 (m, 1 H); 7.79 (m, 1 H); 8.04 (m, 1 H)。
【0041】
実施例3
4−クロロメチル−2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール(式XIII)
【化9】

4−クロロメチル−2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール塩酸塩10.1g(0.037mol)を水100ml及びジクロロメタン75ml中に懸濁した。撹拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液45ml(0.023mol)を用いて水相中のpHを12にした。続いて、相を分離し、そして水相を捨てた。有機相を減圧下で完全に蒸留して濃縮した。種結晶を添加した後、残りの油を結晶化させた。
収率:4−クロロメチル−2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール8.0g(92%)
融点:46〜50℃
1H NMR(CDCl3, 400MHz)δ(ppm)=2.43 (s, 3 H); 3.88 (s, 3 H); 4.56 (s, 2 H); 6.99 (m, 1 H); 7.35 (m, 1 H); 7.54 (m, 1 H); 7.60 (m, 1 H)。
【0042】
実施例4
4,5−ジメチル−2−p−トリルオキサゾール−3−オキシド塩酸塩(式XIV)
【化10】

ブタン−2,3−ジオンモノオキシム100g(979mmol)を最初に入れ、酢酸500ml中に溶解した。4−メチルベンズアルデヒド120g(979mmol)を加えた。塩化水素ガス100g(2.74mol)を内部温度が40℃を超えないような速度で導入した。続いて、混合物をさらに2〜3時間、35〜40℃で撹拌した。強力に冷却して、tert−ブチルメチルエーテル2Lを加えた。反応混合物を10℃で1時間撹拌した。生成物を、吸引濾過によって単離し、tert−ブチルメチルエーテルで洗浄し、減圧下、高められた温度で乾燥した。
収率:4,5−ジメチル−2−p−トリルオキサゾール−3−オキシド塩酸塩213g(91%)
融点:101℃
1H NMR(DMSO−D6, 500MHz)δ(ppm)=10.30 (sbr, 1H), 8.17 (d, J=8.3 Hz; 2H), 7.47 (d, J=8.3 Hz; 2H), 2.44 (s, 3H), 2.42 (s, 3H)。
【0043】
実施例5
4−クロロメチル−5−メチル−2−p−トリルオキサゾール(式XV)
【化11】

4,5−ジメチル−2−p−トリルオキサゾール−3−オキシド塩酸塩32.8g(137mmol)をジクロロメタン165ml中に懸濁した。メタンスルホニルクロリド17.5g(151mmol)を加えた。完全に転化するまで(HPLC)、反応液を還流下で撹拌した。続いて、エチレングリコールジメチルエーテル200mlを加え、ジクロロメタンを減圧下で留去した。反応混合物を15℃に冷却し、そして水250mlを加えた。混合物を15℃で1時間撹拌した。沈殿した生成物を吸引濾過によって単離し、水で洗浄し、そして減圧下、高められた温度で乾燥した。
収率:4−クロロメチル−5−メチル−2−p−トリルオキサゾール27.6g(91%)
融点:95℃
1H NMR(DMSO−D6, 500MHz)δ(ppm)=7.82 (d, J=8.1 Hz, 2H), 7.33 (d, J=8.1 Hz, 2H), 4.74 (s, 2H), 2.43 (s, 3H), 2.37 (s, 3H)。
【0044】
実施例6
4−メチルペンタン−2,3−ジオン−2−オキシム(式XVI)
【化12】

2−メチルペンタン−3−オン100g(948mmol)を、tert−ブチルメチルエーテル400mlに溶解した。エチレングリコールジメチルエーテル中の塩酸塩の溶液50g(274mmol)(20%)を加えた。続いてtert−ブチルメチルエーテル150ml中の亜硝酸イソアミル117g(949mmol)の溶液を60分以内に滴加した。溶媒を減圧下で完全に除去した。残留物をn−ヘプタン300ml中に溶解し、減圧下で再び濃縮した。n−ヘプタン200mlを加えた後、水酸化ナトリウム溶液(2モル濃度)522mlを用いて抽出を実施した。相分離した後、水相をn−ヘプタンで洗浄した。濃塩酸を加えることによって水相を酸性化した。生成物を吸引濾過によって単離し、水で洗浄し、そして減圧下、高められた温度で乾燥した。
収率:4−メチルペンタン−2,3−ジオン−2−オキシム61.1g(50%)
融点:94℃
1H NMR(DMSO−D6, 500MHz)δ(ppm)=12.3 (s, 1H), 3.54 (sept, J=6.9 Hz, 1H), 1.82 (2, 3H), 1.02 (s, 3H), 1.01 (s, 3H)。
【0045】
実施例7
5−イソプロピル−2−(3−メトキシフェニル)−4−メチルオキサゾール3−オキシド(式XVII)
【化13】

3−メトキシベンズアルデヒド19.0g(137mmol)を酢酸中の塩化水素の溶液(12%)30g(99mmol)及びエチレングリコールジメチルエーテル中の塩化水素の溶液(20%)30g(164mmol)中の4−メチルペンタン−2,3−ジオン−2−オキシム18.0g(137mmol)の溶液に加えた。反応液を50〜55℃で3時間、そして室温で60時間撹拌した。続いて、水500ml及びtert−ブチルメチルエーテル300mlを加えた後、炭酸水素ナトリウムを加えることによってpHを3〜4にした。相分離した後、水相を各回tert−ブチルメチルエーテル100mlで2回抽出した。合わせた有機相を水4×100mlで洗浄し、減圧下で完全に濃縮した。
収率:5−イソプロピル−2−(3−メトキシフェニル)−4−メチルオキサゾール−3−オキシド42.8g(純度79%)(100%)
1H NMR(DMSO−D6, 500MHz)δ(ppm)=8.12 (m, 1H), 7.86 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.48 (t, J=8.0 Hz, 1H), 7.06 (dd, J=2.4, 8.0 Hz, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.16 (sept, J=7.0 Hz, 1H), 2.12 (s, 3H), 1.29 (d, J=7.0 Hz, 3H)。
【0046】
実施例8
4−クロロメチル−5−イソプロピル−2−(3−メトキシフェニル)オキサゾール(式XVIII)
【化14】

メタンスルホニルクロリド75g(648mmol)を、20℃の温度でジクロロメタン500ml中の5−イソプロピル−2−(3−メトキシフェニル)−4−メチルオキサゾール−3−オキシド135g(435mmol)の溶液に加えた。完全に転化するまで反応液を40〜45℃で撹拌した。tert−ブチルメチルエーテル500ml及び水300mlを加えた。20%水酸化ナトリウム溶液を添加してpHを8にした。相分離した後、有機相を水3×200mlで洗浄した。有機相を減圧下で十分に濃縮した。
収率:4−クロロメチル−5−イソプロピル−2−(3−メトキシフェニル)−オキサゾール132g(純度87%)(99%)
1H NMR(DMSO−D6, 500MHz)δ(ppm)= 7.55 (m, 1H), 7.45 (m, 2H), 7.10 (ddd, J=0.9, 2.7, 5.6 Hz, 1H), 4.77 (s, 2H), 3.85 (s, 3H), 3.33 (sept, 7.0 Hz, 1H), 1.30 (d, J=7.0 Hz, 6H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IVの化合物の製造方法であって、
【化1】

これは、式Iの芳香族アルデヒドを、式II
【化2】

[式中、
R1は、H、(C1−C6)−アルキル、F、Cl、Br、I、O−(C0−C8)−アルキレン−H、CF3、OCF3、SCF3、SF5、OCF2−CHF2、(C6−C10)−アリール、O−(C6−C10)−アリール、O−(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、NO2、COOR9、CONR10R11、SH又はNR10R11、ここで、アリールは非置換又はF、Cl、Br、I、(C1−C4)−アルキル、O−(C1−C4)−アルキル若しくはCF3によって一、二若しくは三置換されており;
ここで、R9は、H、Li、Na、K、1/2Mg、1/2Ca、非置換又は(C1−C4)−アルキルによって一、二若しくは三置換されたアンモニウムイオンであるか、又は(C1−C8)−アルキルであり、
R10及びR11は、それぞれ独立してH、(C1−C5)−アルキル、フェニル又はCH2−フェニルであり、
ここで、フェニルは非置換又はF、Cl、Br、I、(C1−C4)−アルキル、O−(C1−C4)−アルキル若しくはCF3によって一、二若しくは三置換されており;又は
R10及びR11は、共に(C4−C5)−アルキレンであり、ここにおいて、1つのCH2基は、O、S、NH、N−CH3又はN−ベンジルによって置き換えてよく;
R2は、H、(C1−C6)−アルキル、F、Cl、Br、I、O−(C0−C8)−アルキレン−H、CF3、OCF3、SCF3、SF5、OCF2−CHF2、(C6−C10)−アリール、O−(C6−C10)−アリール、O−(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、NO2、COOR9、CONR10R11、SH又はNR10R11であり、アリールは、非置換又はF、Cl、Br、I、(C1−C4)−アルキル、O−(C1−C4)−アルキル若しくはCF3によって一、二若しくは三置換されており;
ここで、R9、R10及びR11は、それぞれ上記定義された通りであり;
R3は、H、(C1−C6)−アルキル、F、Cl、Br、I、O−(C0−C8)−アルキレン−H、CF3、OCF3、SCF3、SF5、OCF2−CHF2、(C6−C10)−アリール、O−(C6−C10)−アリール、O−(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、NO2、COOR9、CONR10R11、SH又はNR10R11であり、ここでアリールは、非置換又はF、Cl、Br、I、(C1−C4)−アルキル、O−(C1−C4)−アルキル若しくはCF3によって一、二若しくは三置換されており;
ここで、R9、R10及びR11は、それぞれ上記定義された通りであり;
o=1ならば、Wは、CH、Nであり;
o=0ならば、Wは、O、S、NR12であり;
oは、0又は1であり;
R12は、H、(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキレンフェニル、フェニルであり;
R4は、H、(C1−C8)−アルキル、(C3−C8)−シクロアルキル、(C1−C3)−アルキレン−(C3−C8)−シクロアルキル、フェニル、(C1−C3)−アルキレンフェニル、(C5−C6)−ヘテロアリール、(C1−C3)−アルキレン−(C5−C6)−ヘテロアリール又はFによって完全に又は部分的に置換された(C1−C3)−アルキル、又はCOOR9、CONR(10)R(11)であり;
ここで、R9、R10及びR11は、それぞれ上記定義された通りであり;
R5及びR6は、それぞれ独立してH、(C1−C8)−アルキル、F、Cl、Br、I、O−(C0−C8)−アルキレン−H、O−(C6−C10)−アリール、O−(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、COOR9、CONR10R11、SH又はNR10R11であり、ここでR9、R10、R11はそれぞれ上記定義された通りであり;又は
R5及びR6は共に(C4−C5)−アルキレンであり、ここにおいて、1つのCH2基は、O、S、NH、N−CH3又はN−ベンジルによって置き換えてよく;
R7は、H又は(C1−C8)−アルキルである]のα−ケトオキシムを用いて、酸の存在下で、式III
【化3】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びX1は、それぞれ上記定義された通りであり、そしてn1は、0、1、1/2又は1/3である)のN−オキシドに転化し;
続いて、後者を試薬R8X2(これはSOCl−Cl、SOBr−Br、CH3SO2−Cl、CF3SO2−Cl、C6H5SO2−Cl、p−CH3−C6H4−SO2−Cl、CH3SO2−O3SCH3、CF3SO2−O3SCF3、C6H5SO2−O3SC6H5又はp−CH3−C6H4−SO2−O3S−C6H4−p−CH3を意味する)と反応させて、式IV
【化4】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びX2は、それぞれ上記定義された通りであり、そしてX3は、Cl、Br、CH3SO3、CF3SO3、C6H5SO3又はp−CH3−C6H4−SO3であり、そしてn2は、0又は1である)のハロメチルオキサゾールを得ることからなる、
上記製造方法。
【請求項2】
式IVにおいて
W=CH、そして
o=1である、
請求項1記載の式IVの化合物の製造方法。
【請求項3】
式IVにおいて、
R1は、Hであり;
R2は、H、(C1−C6)−アルキル、F、Cl、Br、I、O−(C0−C8)−アルキレン−H、CF3、OCF3、SCF3、SF5、OCF2−CHF2、(C6−C10)−アリール、O−(C6−C10)−アリール、O−(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、NO2、COOR9、CONR10R11、SH又はNR10R11であり、ここでアリールは、非置換又はF、Cl、Br、I、(C1−C4)−アルキル、O−(C1−C4)−アルキル若しくはCF3によって一、二若しくは三置換されており;
ここでR9は、H、Li、Na、K、1/2Mg、1/2Ca、非置換又は(C1−C4)−アルキルによって一、二若しくは三置換されたアンモニウムイオンであるか、又は(C1−C8)−アルキルであり、
R10及びR11は、それぞれ独立してH、(C1−C5)−アルキル、フェニル又はCH2−フェニルであり、
ここでフェニルは、非置換又はF、Cl、Br、I、(C1−C4)−アルキル、O−(C1−C4)−アルキル若しくはCF3によって一、二若しくは三置換されており;又は
R10及びR11は、共に(C4−C5)−アルキレンであり、ここにおいて1つのCH2基は、O、S、NH、N−CH3又はN−ベンジルによって置き換えてよく;
R3は、H、(C1−C6)−アルキル、F、Cl、Br、I、O−(C0−C8)−アルキレン−H、CF3、OCF3、SCF3、SF5、OCF2−CHF2、(C6−C10)−アリール、O−(C6−C10)−アリール、O−(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、NO2、COOR9、CONR10R11、SH又はNR10R11であり、ここでアリールは、非置換又はF、Cl、Br、I、(C1−C4)−アルキル、O−(C1−C4)−アルキル若しくはCF3によって一、二若しくは三置換されており;
ここで、R9、R10及びR11は、それぞれ上記定義された通りである、
請求項1又は2記載の式IVの化合物の製造方法。
【請求項4】
式IVにおいて、
R1は、Hであり;
R2は、Hであり;
R3は、H、(C1−C6)−アルキル、F、Cl、Br、I、O−(C0−C8)−アルキレン−H、CF3、OCF3、SCF3、SF5、OCF2−CHF2、(C6−C10)−アリール、O−(C6−C10)−アリール、O−(C1−C4)−アルキレン−(C6−C10)−アリール、NO2、COOR9、CONR10R11、SH又はNR10R11であり、ここでアリールは、非置換又はF、Cl、Br、I、(C1−C4)−アルキル、O−(C1−C4)−アルキル若しくはCF3によって一、二若しくは三置換されており;
ここでR9は、H、Li、Na、K、1/2Mg、1/2Ca、非置換又は(C1−C4)−アルキルによって一、二若しくは三置換されたアンモニウムイオンであるか、又は(C1−C8)−アルキルであり、
R10及びR11は、それぞれ独立してH、(C1−C5)−アルキル、フェニル又はCH2−フェニルであり、
ここでフェニルは、非置換又はF、Cl、Br、I、(C1−C4)−アルキル、O−(C1−C4)−アルキル若しくはCF3によって一、二若しくは三置換されており;又は
R10及びR11は、共に(C4−C5)−アルキレンであり、ここにおいて、1つのCH2基は、O、S、NH、N−CH3又はN−ベンジルによって置き換えてよい、
請求項1〜3のいずれか1項記載の式IVの化合物の製造方法。
【請求項5】
式IVにおいて、
W=CH;
o=1;
R1=H;
R2=H、CH3、OCH3、Br又はCl;
R3=H、CH3、OCH3、Br又はCl;
R4=CH3、CH2CH3又はCH(CH3)2
R5=H、CH3、CH2CH3又はCH(CH3)2
R6=H、CH3、CH2CH3又はCH(CH3)2
X3=Cl、CH3SO3又はp−CH3−C6H4−SO3そして
n2=0又は1
である、請求項1〜4のいずれか1項記載の式IVの化合物の製造方法。
【請求項6】
式VIII
【化5】

[式中、
R1=H、
R2=H又はCH3
R3=H又はOCH3
R4=CH3又はCH(CH3)2
W=CH、
X3=Cl又はCH3SO3、そして
n2=0又は1
である]で表わされる、請求項1記載の式VIIIの化合物の製造方法。
【請求項7】
式I及びIIの化合物からN−オキシド(式III)を形成する反応温度が−20℃〜+150℃の間である、請求項1〜6のいずれか1項記載の式IV又はVIIIの化合物の製造方法。
【請求項8】
N−オキシド(式III)を形成する反応をプロトン性、極性、非プロトン性、非極性の溶媒又は記載された溶媒の混合物中で実施する請求項1〜7のいずれか1項記載の式IV又はVIIIの化合物の製造方法。
【請求項9】
式IIIの化合物からハロメチルオキサゾール(式IV)を形成する反応温度が−20℃〜+150℃である請求項1〜8のいずれか1項記載の式IV又はVIIIの化合物の製造方法。
【請求項10】
ハロメチルオキサゾール(式IV)を形成する反応を非プロトン性の双極性、非プロトン性の極性、非プロトン性の非極性溶媒又は記載された溶媒の混合物中で実施する、請求項1〜9のいずれか1項記載の式IV又はVIIIの化合物の製造方法。
【請求項11】
式R8X2の化合物がN−オキシド(式III)に基づいて1〜4−倍過剰で使用される、請求
項1〜10のいずれか1項記載の式IV又はVIIIの化合物の製造方法。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項記載の式IV又はVIIIの化合物の製造方法における1つ又はそれ以上の式I、II、III又はIVの化合物の使用。

【公表番号】特表2008−523124(P2008−523124A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545880(P2007−545880)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012800
【国際公開番号】WO2006/066694
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】