説明

芳香族ポリウレアに基づく多孔性ゲル

本発明は、下記の成分を、反応した形態で含む多孔性ゲルに関する:(a1)少なくとも1つの多官能性イソシアナート、(a2)少なくとも1種の多官能性芳香族アミン、および、(a3)少なくとも1種のポリアルキレンポリアミン。本発明はさらに、多孔性ゲルを調製するためのプロセス、そのようにして得ることができる多孔性ゲル、ならびに、多孔性ゲルの、断熱材としての使用および真空断熱パネルにおける使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記の成分を、反応した形態で含む多孔性ゲルに関する:
(a1)少なくとも1つの多官能性イソシアナート、
(a2)少なくとも1つの多官能性芳香族アミン、および
(a3)少なくとも1つのポリアルキレンポリアミン。
【0002】
本発明はさらに、多孔性ゲルを調製するためのプロセス、そのようにして得ることができる多孔性ゲル、ならびに、多孔性ゲルの、断熱材としての使用および真空断熱パネルにおける使用に関する。
【背景技術】
【0003】
数マイクロメートルまたはそれよりも著しく小さいサイズ範囲における細孔と、少なくとも70%の大きい多孔性とを有する多孔性ゲルは、理論的検討に基づく特に良好な断熱材である。
【0004】
小さい平均細孔直径を有するそのような多孔性ゲルが、例えば、有機キセロゲルの形態で存在する可能性がある。文献では、用語「キセロゲル」は終始一貫して統一的に使用されていない。一般に、キセロゲルは、ゾル・ゲルプロセスによって調製されている多孔性材料であって、液相が、液相の臨界温度よりも低い温度および臨界圧力よりも低い圧力(「未臨界の状態」)のもとで乾燥することによってゲルから除かれている多孔性材料を意味することが理解される。対照的に、ゲルからの液相の除去が超臨界の状態のもとで行われているときには、エーロゲルと一般には呼ばれる。
【0005】
ゾル・ゲルプロセスにおいて、ゾルが反応性の有機ゲル前駆体に基づいて最初に調製され、その後、そのゾルが、ゲルを形成するための架橋反応によってゲル化される。多孔性材料(例えば、キセロゲル)をこのようなゲルから得るためには、液体を除かなければならない。この工程は、以降、簡略化する様式で、乾燥(する)として示される。
【0006】
国際公開第WO95/02009号は、とりわけ、真空断熱の分野における適用のためには好適であるイソシアナート系キセロゲルを開示する。この刊行物はさらに、芳香族ポリイソシナートを含む既知のポリイソシナートおよび非反応性の溶媒を使用してそのようなキセロゲルを調製するための、ゾル・ゲルに基づくプロセスを開示する。活性水素原子を有するさらなる化合物として、脂肪族または芳香族のポリアミンまたはポリオールが使用される。この刊行物において開示される実施例は、ポリイソシアナートがジアミノジエチルトルエンと反応させられる実施例を含む。開示されるキセロゲルは一般に、平均細孔サイズが50μmの領域にある。1つの実施例において、10μmの平均細孔直径が具体的に挙げられる。
【0007】
国際公開第WO2008/138978号は、30重量%〜90重量%の少なくとも1つの多官能性イソシナートおよび10重量%〜70重量%の少なくとも1つの多官能性芳香族アミンを含むキセロゲルであって、その体積加重平均細孔直径が最大でも5マイクロメートルであるキセロゲルを開示する。
【0008】
しかしながら、材料特性、とりわけ、ポリウレアに基づく知られている多孔性ゲルの機械的安定性は、すべての適用のためには十分ではない。加えて、元となる配合物は、未臨界の状態のもとでの乾燥の過程で、多孔性の減少を伴う収縮を示し、また、低いゲル化速度を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第WO95/02009号
【特許文献2】国際公開第WO2008/138978号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、上記の欠点を仮に有するとしても、そのような欠点をほんの小さな程度にしか有しない多孔性ゲルを提供することが、本発明の1つの目的であった。その上、そのような多孔性ゲルは、低い熱伝導率を、真空範囲を超える圧力においてさえ、とりわけ、約1mbar〜約100mbarの圧力範囲において有しなければならない。圧力の増大が時間の経過で真空パネルにおいて生じるので、このことは望ましい。より具体的には、そのような多孔性ゲルは、大きい多孔性および十分に大きい機械的安定性を有しなければならない。その上、そのような多孔性ゲルは、低い可燃性および大きい熱安定性を有しなければならない。
【0011】
さらなる目的が、低い細孔サイズ、大きい多孔性、および、同時に、大きい機械的安定性を有する多孔性ゲルを利用可能にするプロセスを提供することにあった。加えて、そのような多孔性ゲルを調製するためのはプロセスは、低い熱伝導率を有する多孔性ゲルを提供しなければならず、また、溶媒が未臨界の状態のもとで除かれるときには低い収縮をもたらさなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
従って、本発明の多孔性ゲル、および、多孔性ゲルを調製するための本発明によるプロセスが見出されている。
【0013】
好ましい実施形態を請求項および記載から理解することができる。好ましい実施形態の組合せは本発明の範囲から外れない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
多孔性ゲル
本発明によれば、多孔性ゲルは、下記の成分:
(a1)少なくとも1つの多官能性イソシアナート、
(a2)少なくとも1つの多官能性芳香族アミン、および
(a3)少なくとも1つのポリアルキレンポリアミン
を、反応した形態で含む。
【0015】
本発明の関連では、多孔性ゲルは、多孔性であり、かつ、ゾル・ゲルプロセスによって得られる物質である。本発明の関連では、本発明の多孔性ゲルはキセロゲルまたはエーロゲルの形態である。本発明の関連では、本発明の多孔性ゲルは好ましくは、キセロゲルの形態である。
【0016】
本発明の関連では、キセロゲルは、少なくとも70体積%の多孔性および最大でも50マイクロメートルの体積加重平均細孔直径を有する多孔性ゲルであって、ゾル・ゲル法によって調製されており、液相が、液相の臨界温度よりも低い温度および臨界圧力よりも低い圧力(「未臨界の状態」)のもとでの乾燥によってゲルから除かれている多孔性ゲルを意味することが理解される。
【0017】
対照的に、エーロゲルは、ゲルからの液相の除去が超臨界の状態のもとで行われているときの対応する多孔性ゲルを意味することが理解される。
【0018】
液相をゲルから除く過程では、毛細管力が作用しており、そのため、毛細管力が、生じた多孔性ゲルの細孔構造に影響を与える。液相を超臨界の状態のもとでゲルから除く過程では、これらの毛細管力は非常に小さい。液相を未臨界の状態のもとでゲルから除く過程では、ゲルの安定性およびタイプならびに除去されるべき溶媒の極性に依存するが、毛細管力が、細孔構造の変化を伴うゲルの収縮を引き起こす。
【0019】
好ましい実施形態において、本発明の多孔性ゲルは、少なくとも1つの多官能性イソシアナートから構成される30重量%〜90重量%の成分(a1)と、少なくとも1つの多官能性芳香族アミンから構成される9.99重量パーセント〜66重量パーセントの成分(a2)と、少なくとも1つのポリアルキレンポリアミンから構成される0.01重量パーセント〜4重量パーセントの成分(a3)とを含み、ただし、成分(a1)、成分(a2)および成分(a3)の総重量に基づく成分(a1)〜成分(a3)の重量百分率の和は100重量パーセントになる。
【0020】
成分(a1)、成分(a2)および成分(a3)が、多孔性ゲルにおいて、反応した形態で存在する。「反応した形態」は、ポリマー形態またはポリマー結合形態を意味することが理解される。
【0021】
多孔性ゲルは好ましくは、成分(a1)、成分(a2)および成分(a3)の総重量に基づいて、38重量%〜80重量%の成分(a1)と、19重量パーセント〜58重量パーセントの成分(a2)と、1重量パーセント〜4重量パーセントの成分(a3)とを含む。これらの重量比百分率は常に、反応した形態で多孔性ゲルに存在する使用される成分の量を反映する。
【0022】
本発明の関連では、化合物の官能価は、分子あたりの反応性基の数を意味することが理解されなければならない。成分(a1)の場合、官能価は、分子あたりのイソシアナート基の数である。成分(a2)のアミノ基の場合、官能価は、分子あたりの反応性アミノ基の数である。多官能性化合物は官能価が少なくとも2である。
【0023】
使用される成分(a1)または成分(a2)が、異なる官能価を有する化合物の混合物であるならば、これらの成分の官能価が、個々の化合物の官能価の数加重平均から計算される。多官能性化合物は、分子あたり少なくとも2つの上記官能基を含む。
【0024】
平均細孔直径が、DIN66133に従う水銀浸入測定によって求められ、本発明の関連では常に体積加重平均値である。DIN66133に従う水銀浸入測定はポロシメトリー法であり、ポロシメーターで行われる。この方法では、水銀が多孔性材料のサンプルに圧入される。小さい細孔は、水銀で満たされるために、大きい細孔よりも大きい圧力を必要とし、対応する圧力/体積図を使用して、細孔サイズ分布および体積加重平均細孔直径を求めることができる。
【0025】
多孔性ゲルの体積加重平均細孔直径は好ましくは最大でも5マイクロメートルである。多孔性ゲルの体積加重平均細孔直径はより好ましくは最大でも3.5マイクロメートルであり、最も好ましくは最大でも3マイクロメートルであり、とりわけ、最大でも2.5マイクロメートルである。
【0026】
大きい多孔性を伴う最小限の細孔サイズが、低い熱伝導率の観点から望ましい。しかしながら、製造上の理由から、また、十分に機械的安定な多孔性ゲルを得るために、体積加重平均細孔直径における実用的下限が生じる。一般には、体積加重平均細孔直径は少なくとも10nmであり、好ましくは少なくとも50nmである。多くの場合において、体積加重平均細孔直径は少なくとも100nmであり、とりわけ、少なくとも200nmである。
【0027】
本発明の多孔性ゲルは好ましくは、少なくとも70体積%の多孔性、とりわけ、70体積%〜99体積%の多孔性を有し、より好ましくは少なくとも80体積%の多孔性を有し、最も好ましくは少なくとも85体積%の多孔性、とりわけ、85体積%〜95体積%の多孔性を有する。体積%での多孔性は、多孔性ゲルの総体積の報告された割合が細孔からなることを意味する。最大限の多孔性が通常の場合、最小限の熱伝導率の観点から望ましいが、多孔性における上限が、多孔性ゲルの機械的特性および加工性により生じる。
【0028】
本発明によれば、成分(a1)〜成分(a3)が多孔性ゲルにおいてポリマー形態で存在する。本発明の組成のために、成分(a1)および成分(a2)が、主としてウレア連結を介して結合する多孔性ゲルにおいて存在する。多孔性ゲルにおけるさらなる可能な連結が、成分(a1)のイソシアナート基の三量体化により生じるイソシアヌラート連結のものである。多孔性ゲルがさらなる成分を含むとき、さらなる可能な連結が、例えば、イソシアナート基がアルコールまたはフェノールと反応することによって形成されるウレタン基である。
【0029】
成分(a1)および成分(a2)は好ましくは、少なくとも50mol%の程度にまでウレア基−NH−CO−NH−によって連結される多孔性ゲルにおいて存在する。成分(a1)および成分(a2)は好ましくは、ウレア基によって50mol%〜100mol%連結される多孔性ゲルにおいて存在し、とりわけ、60mol%〜100mol%連結されて、一層より好ましくは70mol%〜100mol%連結されて、とりわけ、80mol%〜100mol%連結されて、例えば、90mol%〜100mol%連結されて存在する。
【0030】
100mol%に足りないモル%が、とりわけイソシアヌラート連結としてであるが、さらなる連結の形態で存在する。しかしながら、さらなる連結はまた、当業者に知られているイソシアナートポリマーの他の連結の形態で存在することができる。例には、エステル基、ウレア基、ビウレット基、アロファナート基、カルボジイミド基、イソシアヌラート基、ウレトジオン(uretdione)基および/またはウレタン基が含まれる。
【0031】
多孔性ゲルにおけるモノマー成分の連結のモル%が、固体状態または膨潤状態におけるNMR分光法(核スピン共鳴)によって求められる。好適な測定方法が当業者には知られている。
【0032】
成分(a1)のNCO基の、成分(a2)のアミノ基に対する使用比率(当量比)が好ましくは1.01:1〜1.5:1である。成分(a1)のNCO基の、成分(a2)のアミノ基に対する当量比がより好ましくは1.1:1〜1.4:1であり、とりわけ、1.1:1〜1.3:1である。過剰なNCO基は、溶媒が除かれるとき、多孔性ゲルのより低い収縮をもたらす。
【0033】
成分(a1)
本発明によれば、多孔性ゲルは、少なくとも1つの多官能性イソシアナートを、反応した形態で含む。多孔性ゲルは好ましくは、成分(a1)、成分(a2)および成分(a3)の総重量に基づいて30重量%〜90重量%(より好ましくは38重量%〜80重量%、とりわけ、40重量%〜70重量%)の少なくとも1つの多官能性イソシアナートを、反応した形態で含む。有用な多官能性イソシアナートには、芳香族イソシアナート、脂肪族イソシアナート、脂環族イソシアナートおよび/または芳香脂肪族(araliphatic)イソシアナートが含まれる。そのような多官能性イソシアナートはそれ自体が知られており、または、それ自体が知られている方法によって調製することができる。多官能性イソシアナートはとりわけまた、混合物の形態で使用することができ、その結果、この場合の成分(a1)は異なる多官能性イソシアナートを含むようになる。成分(a1)の構成成分として有用な多官能性イソシアナートは、成分の1分子あたり2つのイソシアナート基(これは以降、ジイソシナートとして示される)または3つ以上のイソシアナート基を有する。
【0034】
とりわけ好適なものが、ジフェニルメタン2,2’−、2,4’−および/もしくは4,4’−ジイソシアナート(MDI)、ナフタレン1,5−ジイソシアナート(NDI)、トリレン2,4−および/もしくは2,6−ジイソシアナート(TDI)、ジメチルジフェニル3,3’−ジイソシアナート、ジフェニルエタン1,2−ジイソシアナート、ならびに/または、p−フェニレンジイソシアナート(PPDI)、トリ−、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタ−および/もしくはオクタ−メチレンジイソシアナート、2−メチルペンタメチレン1,5−ジイソシアナート、2−エチルブチレン1,4−ジイソシアナート、ペンタメチレン1,5−ジイソシアナート、ブチレン1,4−ジイソシアナート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアナート、IPDI)、1,4−および/もしくは1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、1,4−シクロヘキサンジイソシアナート、1−メチルシクロヘキサン2,4−および/もしくは2,6−ジイソシアナート、ならびに/または、ジシクロヘキシルメタン4,4’−、2,4’−および/もしくは2,2’−ジイソシアナートである。
【0035】
成分(a1)の好ましい多官能性イソシアナートが芳香族イソシアナートである。成分(a1)の特に好ましい多官能性イソシアナートは下記の実施形態を有する:
i)トリレンジイソシアナート(TDI)に基づく多官能性イソシアナート、とりわけ、2,4−TDIもしくは2,6−TDI、または、2,4−TDIおよび2,6−TDIの混合物;
ii)ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)に基づく多官能性イソシアナート、とりわけ、2,2’−MDIもしくは2,4’−MDIもしくは4,4’−MDIもしくはオリゴマー状MDI(これはまた、ポリフェニルポリメチレンイソシアナートと呼ばれる)、または、上記ジフェニルメタンジイソシアナートの2つもしくは3つの混合物、または、MDIの調製において得られるクルードMDI、または、MDIの少なくとも1つのオリゴマーと、上記の低分子量MDI誘導体の少なくとも1つとの混合物;
iii)実施形態i)による少なくとも1つの芳香族イソシアナートと、実施形態ii)による少なくとも1つの芳香族イソシアナートとの混合物。
【0036】
多官能性イソシアナートとして、特に好ましいものとしてはオリゴマー状ジフェニルメタンジイソシアナートが挙げられる。オリゴマー状ジフェニルメタンジイソシアナート(これは以降、オリゴマー状MDIとして示される)は、1つのオリゴマー状縮合生成物、または、複数のオリゴマー状縮合生成物の混合物であり、従って、ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)の誘導体である。多官能性イソシアナートは好ましくはまた、モノマー状芳香族ジイソシアナートおよびオリゴマー状MDIの混合物から形成されてもよい。
【0037】
オリゴマー状MDIは、2を超える官能価(とりわけ、3または4または5の官能価)を有する1つまたは複数の、MDIの多環式縮合生成物を含む。オリゴマー状MDIは既知のものであり、ポリフェニルポリメチレンイソシアナートと呼ばれることが多い。オリゴマー状MDIは典型的には、異なる官能価を有するMDI系イソシアナートの混合物から形成される。典型的には、オリゴマー状MDIはモノマー状MDIとの混合物で使用される。
【0038】
オリゴマー状MDIを構成するイソシアナートの(平均)官能価は、約2.3〜約5の範囲(とりわけ、2.5〜3.5の範囲、とりわけ、2.5〜3の範囲)で変化し得る。異なる官能価を有するMDI系多官能性イソシアナートのそのような混合物はとりわけ、クルードMDIであり、これはMDIの調製において得られる。
【0039】
MDIに基づく多官能性イソシアナート、または、MDIに基づく複数の多官能性イソシアナートの混合物が知られており、例えば、Elastogran GmbHによってLupranat(登録商標)の名称で販売されている。
【0040】
成分(a1)の官能価は好ましくは少なくとも2であり、とりわけ、少なくとも2.2であり、より好ましくは少なくとも2.5である。成分(a1)の官能価は好ましくは2.5〜4であり、より好ましくは2.5〜3である。
【0041】
成分(a1)におけるイソシアナート基の含有量は好ましくは5mmol/g〜10mmol/gであり、とりわけ、6mmol/g〜9mmol/gであり、より好ましくは7mmol/g〜8.5mmol/gである。mmol/gでのイソシアナート基の含有量と、いわゆる、g/当量での当量重量とは、逆比となっていることが、当業者には知られている。mmol/gでのイソシアナート基の含有量が、ASTM D−5155−96Aに従う重量%での含有量から計算される。
【0042】
好ましい実施形態において、成分(a1)は、ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアナート、ジフェニルメタン2,4’−ジイソシアナート、ジフェニルメタン2,2’−ジイソシアナートおよびオリゴマー状ジフェニルメタンジイソシアナートから選択される少なくとも1つの多官能性イソシアナートからなる。
【0043】
この好ましい実施形態において、成分(a1)はより好ましくは、オリゴマー状ジフェニルメタンジイソシアナートを含み、かつ、少なくとも2.5の官能価を有する。
【0044】
成分(a2)
本発明によれば、多孔性ゲルは、少なくとも1つの多官能性芳香族アミンを、反応した形態で含む。多孔性ゲルは好ましくは、成分(a1)、成分(a2)および成分(a3)の総重量に基づいて9.99重量%〜65重量%(より好ましくは19重量%〜58重量%、とりわけ、29重量%〜57重量%)の少なくとも1つの多官能性芳香族アミンを、反応した形態で含む。
【0045】
好適な芳香族アミン(a2)はとりわけ、ジアミノジフェニルメタンの異性体および誘導体である。成分(a2)の関連において好ましいジアミノジフェニルメタンの異性体および誘導体がとりわけ、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタンおよびオリゴマー状ジアミノジフェニルメタンである。
【0046】
好適な芳香族アミン(a2)はまた、とりわけ、トルエンアミンの異性体および誘導体である。成分(a2)の関連において好ましいトルエンアミンの異性体および誘導体がとりわけ、トルエンジアミン、とりわけ、トルエン−2,4−ジアミンおよび/またはトルエン−2,6−ジアミン、ならびに、ジエチルトルエンジアミン、とりわけ、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミンおよび/または3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミンである。
【0047】
成分(a2)は好ましくは、ジアミノジフェニルメタンの異性体および誘導体(とりわけ、上記の異性体および誘導体)からその少なくとも1つが選択される少なくとも1つの多官能性芳香族アミンを含む。
【0048】
成分(a2)はより好ましくは、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタンおよびオリゴマー状ジアミノジフェニルメタンからその少なくとも1つが選択される少なくとも1つの多官能性芳香族アミンを含む。
【0049】
オリゴマー状ジアミノジフェニルメタンは、アニリンと、ホルムアルデヒドとの、1つまたは複数の多環式メチレン架橋縮合生成物を含む。オリゴマー状MDAは、2を超える官能価(とりわけ、3または4または5の官能価)を有するMDAの、少なくとも1つのオリゴマーを含み、しかし、一般には、2を超える官能価(とりわけ、3または4または5の官能価)を有するMDAの、複数のオリゴマーを含む。オリゴマー状MDAは既知のものであり、または、それ自体が知られている方法によって調製することができる。典型的には、オリゴマー状MDAは、モノマー状MDAとの混合物の形態で使用される。
【0050】
オリゴマー状MDAを構成する多官能性アミンの(平均)官能価は、約2.3〜約5の範囲で、とりわけ、2.5〜3.5の範囲で、とりわけ、2.5〜3の範囲で変化し得る。異なる官能価を有するMDA系多官能性アミンのそのような混合物はとりわけ、クルードMDAであり、これは、とりわけ、クルードMDIの調製の中間体として、典型的には塩酸によって触媒される、アニリンと、ホルムアルデヒドとの縮合において形成される。
【0051】
成分(a2)は好ましくは、オリゴマー状ジアミノジフェニルメタンを含み、かつ、少なくとも2.3の官能価を有する。
【0052】
成分(a3)
本発明によれば、多孔性ゲルは、成分(a3)として、少なくとも1つのポリアルキレンポリアミンを、反応した形態で含む。
【0053】
本発明の多孔性ゲルは好ましくは、成分(a1)、成分(a2)および成分(a3)の総重量に基づいて0.1重量%〜5重量%の成分(a3)(より好ましくは1重量%〜4重量%、とりわけ、1重量%〜3重量%)を含む。
【0054】
比較的大きい割合の成分(a3)は、好都合な効果を、細孔構造に関して、また、とりわけ、機械的特性および断熱能に関して有する。
【0055】
しかしながら、成分(a3)の割合における増大は、その大きい反応性のために、材料構造および材料特性の均質性における悪化を引き起こす潜在的可能性がある。均質な混合が可能とならないうちに、硬化した領域が材料において形成することがあり、このことが特性における悪化を引き起こす。
【0056】
この背景に対して、成分(a3)を、それぞれの場合に成分(a1)〜成分(a3)の総重量に基づいて少なくとも0.1重量%(好ましくは少なくとも1重量%、とりわけ、少なくとも2重量%)の量で使用することが、好都合であると見出されている。成分(a3)を、それぞれの場合に成分(a1)〜成分(a3)の総重量に基づいて最大でも5重量%(とりわけ、最大でも4重量%、より好ましくは最大でも3重量%)の量で使用することがまた、好都合であると見出されている。
【0057】
本発明の関連では、用語「ポリアルキレンポリアミン」は、少なくとも3つの反応性アミノ基(すなわち、第一級アミノ基または第二級アミノ基)を含み、かつ、少なくとも500g/molの重量平均分子量(Mw)を有する脂肪族アミンを意味することが理解されなければならない。
【0058】
有用なポリアルキレンポリアミンの分子量は、広い範囲内で、とりわけ、500g/molから3000000g/molまで変化し得る。成分(a3)として好ましいポリアルキレンポリアミンは好ましくは、重量平均分子量(Mw)が500g/mol〜750000g/molであり、好ましくは800g/mol〜500000g/molであり、より好ましくは1000g/mol〜400000g/molである。
【0059】
特に好ましいポリアルキレンポリアミンがとりわけ、ポリエチレンイミンである。本発明の関連では、ポリエチレンイミンは、−CH2−CH2−NH−成分を有し、かつ、少なくとも3つのアミノ基を含み、そして、少なくとも500g/molの重量平均分子量(Mw)を有するオリゴマーと、そのようなホモポリマーおよびコポリマーとの両方を意味することが理解される。
【0060】
成分(a3)として特に好ましいポリエチレンイミンが好ましくは、−(CH−CH−NH)構造の末端エチレンイミンユニット、−(CH−CH−NH)−構造の線状エチレンイミンユニット、および、N−(CHCH−)構造の分岐したエチレンイミンユニットから選択されるユニットから形成される。
【0061】
成分(a3)は最も好ましくは、少なくとも1つのポリエチレンイミンからなる。有用なポリエチレンイミンの分子量は、広い範囲内で、とりわけ、500g/molから3000000g/molまで変化し得る。成分(a3)として特に好ましいポリエチレンイミンは好ましくは、重量平均分子量(Mw)が500g/mol〜750000g/molであり、好ましくは800g/mol〜500000g/molであり、より好ましくは800g/mol〜50000g/molであり、とりわけ、1000g/mol〜25000g/molである。
【0062】
本発明の関連では、ポリアルキレンポリアミンの重量平均分子量は静的光散乱によって求められる(静的光散乱には、本発明の関連において引用されるポリアルキレンポリアミンおよびポリエチレンイミンのすべての分子量が当てはまる)。これは、示差屈折率測定によって屈折率増分(dn/dc)を最初に求めることを伴う。静的光散乱による測定が、熱力学的に良好な溶媒において行われる。当業者はさらに、希薄溶液が存在するように溶媒におけるポリアルキレンポリアミンの濃度を選択する。分子量がジムプロットによって評価される。
【0063】
高分子量または高粘度のポリエチレンイミンの使用は、とりわけ、多孔性、熱伝導率および強度に関して、特に良好な特性を有する多孔性ゲルを一般にはもたらす。低分子量または低粘度のポリエチレンイミンの使用は、とりわけ、多孔性、熱伝導率および強度に関して、十分に良好な特性とともに、調製プロセスが簡便に行われることを一般にはもたらす。
【0064】
ポリエチレンイミンの粘度は一般には、DIN EN ISO2555(Brookfield RVT粘度計、20℃、20rpm)に従って求められるとき、100mPa.s〜300000mPa.sの範囲内であり、好ましくは500mPa.s〜250000mPa.sの範囲内であり、とりわけ、1000mPa.s〜200000mPa.sの範囲内である。
【0065】
ポリエチレンイミンは、例えば、「アジリジン系化合物」下でのUllmann Electronic Releaseでのプロセスによって、または、国際公開第WO−A94/12560号に従って得ることができる。
【0066】
エチレンイミンに基づくエチレンイミンのホモポリマーおよびオリゴマーは一般には、エチレンイミン(アジリジン)を、酸除去化合物、酸またはルイス酸の存在下、水溶液または有機溶液において重合することによって得ることができる。そのようなホモポリマーは、線状ポリマー、または、好ましくは分岐ポリマーである。後者は一般には、第一級アミノ基、第二級アミノ基および第三級アミノ基を、例えば、約1:1:0.7の比率で有する。アミノ基の分布が13C−NMR分光法によって求められる。
【0067】
使用されるポリエチレンイミンがコポリマーであるとき、好ましいものとしては、少なくとも2つのアミノ機能を有するコモノマーが挙げられる。好適なコモノマーの例には、2個〜10個の炭素原子をアルキレン基に有するアルキレンジアミンが含まれ、好ましいものとしては、エチレンジアミンおよびプロピレンジアミンが挙げられる。さらなる好適なコモノマーが、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、ジヘキサメチレントリアミン、アミノプロピルエチレンジアミンおよびビスアミノプロピレンジアミンである。
【0068】
しかしながら、使用されるポリエチレンイミンは好ましくは、本質的にはエチレンイミンから形成されるポリエチレンイミンであり、とりわけ、エチレンイミンのホモポリマーである。
【0069】
ポリアルキレンポリアミンは好ましくは、無水形態で使用され、この場合、「無水」は、水分含有量がカールフィッシャーに従うDIN53715に従って0重量%〜1.5重量%であり、好ましくは0重量%〜1重量%であり、より好ましくは0重量%〜0.5重量%であることを意味する。より多い量の水は多くの場合、発泡を引き起こし、また、細孔構造における悪化を引き起こす。
【0070】
しかしながら、ポリアルキレンポリアミンの高濃度水溶液を使用することが原理的に可能であり、そのような使用は、非常に大きい分子量を有するポリアルキレンポリアミンが使用されるときにはとりわけ、加工上の利点を有する。
【0071】
特に好ましい実施形態において、ポリエチレンイミンは高度に分岐している。本発明の関連では、高分岐ポリエチレンイミンは、−NH−基を有する架橋されていない高分子であって、その構造に関して、とりわけ、分岐点間の区間の長さおよび配列に関して不均一である高分子を意味することが理解される。高分岐ポリエチレンイミンは、中心の分子から生じるデンドリマーと類似して形成され得るが、分岐枝の異なる鎖長を有する。高分岐ポリエチレンイミンは代替では、側鎖官能基を有する線状構造を有するか、または、そうでなければ、2つの極限構造の組合せとして、線状分子成分および分岐型分子成分を有する。
【0072】
分岐度(DB)が、DB=(T+Z)/(T+Z+L)(式中、Tは末端モノマーユニットの数であり、Zは分岐型モノマーユニットの数であり、Lは線状モノマーユニットの数である)として定義され、典型的には、パーセントで報告される。これらの数は、第一級アミノ基(これはTを与える)、第三級アミノ基(これはZを与える)および第二級アミノ基(これはLを与える)として13C核共鳴スペクトルによって求められる。分岐度の定義については、H.Frey他、Acta Polym、1997、48、30もまた参照のこと。
【0073】
特に好ましい高分岐ポリエチレンイミンの分岐度DBは40%〜100%であり、好ましくは50%〜80%であり、とりわけ、55%〜70%である。
【0074】
好適なポリエチレンイミンが、例えば、Lupasol(登録商標)としてBASFから市販されている。
【0075】
多孔性ゲルを調製するためのプロセス
本発明によるプロセスは下記の工程を含む:
(a)成分(a1)と、それとは別個に、成分(a2)および成分(a3)とを、それぞれを溶媒(C)において提供する工程、
(b)成分(a1)〜成分(a3)を溶媒(C)の存在下でゲルに転化する工程;
(c)前記工程で得られるゲルを、好ましくは、ゲルに存在する液体を、ゲルに存在する液体の臨界温度および臨界圧力よりも低い温度および圧力でガス状態に転化することによって乾燥する工程。
【0076】
好ましい実施形態において、それぞれが溶媒(C)においてであるが、成分(a1)が第1の容器において提供され、成分(a2)および成分(a3)が第2の容器において提供され、最後に、工程(b)の開始時に一緒にされる。従って、本発明によるプロセスは好ましくは、下記の工程を含む:
(a−1)成分(a1)と、それとは別個に、成分(a2)および成分(a3)とを、それぞれを溶媒(C)において提供する工程であって、成分(a2)および成分(a3)が好ましくは、事前に混合される工程;
(a−2)成分(a1)〜成分(a3)を溶媒(C)において含むゲル前駆体(A)を、工程(a−1)において提供される成分を一緒にすることによって提供する工程;
(b)ゲル前駆体(A)を溶媒(C)の存在下でゲルに転化する工程;
(c)前記工程で得られるゲルを、好ましくは、ゲルに存在する液体を、ゲルに存在する液体の臨界温度および臨界圧力よりも低い温度および圧力でガス状態に転化することによって乾燥する工程。
【0077】
工程(a)
本発明によれば、工程(a)において、それぞれが溶媒(C)においてであるが、成分(a1)が、成分(a2)および成分(a3)とは別個に提供される。ゲル前駆体(A)が、成分(a1)〜成分(a3)の混合によって得られる。従って、ゲル前駆体(A)は、上記において「多孔性ゲル」のところで記載される成分(a1)〜成分(a3)を、同様に上記で記載される割合で含む。
【0078】
成分(a1)および成分(a2)はモノマー形態でのゲル前駆体(A)に存在するか、または、必要な場合にはさらなる成分(a1)〜成分(a3)を伴うが、ゲル前駆体(A)を形成するプレポリマーに、イソシアナート基およびアミノ基の部分的または非当量的な反応によって事前に転化されている。従って、ゲル前駆体(A)はゲル化可能である。すなわち、ゲル前駆体(A)は架橋によってゲルに転化することができる。多孔性ゲルにおける成分(a1)〜成分(a3)の割合は、成分(a1)〜成分(a3)がポリマー形態で存在する場合、未だ転化されていない形態でそれらが存在するゲル前駆体(A)における成分(a1)〜成分(a3)の割合に対応する。
【0079】
使用される成分(a1)の粘度は広い範囲の範囲内で変化し得る。本発明によるプロセスの工程(a)において使用される成分(a1)は好ましくは、100mPa.s〜3000mPa.sの粘度を有し、より好ましくは200mPa.s〜2500mPa.sの粘度を有する。
【0080】
用語「ゲル前駆体(A)」は、成分(a1)〜成分(a3)のゲル化可能な混合物を示す。ゲル前駆体(A)は続いて、工程(b)において、溶媒(C)の存在下、ゲル、すなわち、架橋されたポリマーに転化される。
【0081】
従って、本発明によるプロセスの工程(a)において、ゲル前駆体(A)を液体希釈剤において含む混合物が提供される。本発明の関連では、用語「溶媒(C)」は、液体希釈剤、すなわち、より狭い意味での溶媒と、分散剤との両方を含む。混合物はとりわけ、真の溶液、コロイド溶液または分散物(例えば、エマルションもしくは懸濁物)であり得る。混合物は好ましくは、真の溶液である。溶媒(C)は、工程(a)の条件のもとで液体である化合物であり、好ましくは有機溶媒である。
【0082】
芳香族イソシアナート(とりわけ、ジイソシアナート)が水と反応するとき、芳香族アミン(とりわけ、ジアミン)が形成されることが、当業者には知られている。従って、多官能性芳香族アミンの代わりとしてであるが、対応する芳香族多官能性イソシアナートおよび等しい量の水を成分(a2)として使用し、その結果、所望される量の多官能性芳香族アミンがインシトゥーまたは予備反応で形成されるようにすることが可能である。成分(a1)が過剰であり、かつ、水が同時に添加される場合、成分(a1)は一部が成分(a2)にインシトゥーで転化され得る。この場合、成分(a2)はその後、残る成分(a1)と直ちに反応して、ウレア連結を形成する。
【0083】
しかしながら、多官能性アミンは好ましくは、溶媒(C)における成分(a1)の存在下で成分(a2)から得られるのではなく、むしろ、成分(a2)として別個に加えられる。従って、工程(a)において提供される混合物は好ましくは、水を全く含まない。
【0084】
有用な溶媒(C)は、原理的には、1つの化合物、または、複数の化合物の混合物を含み、ただし、溶媒(C)は、混合物が工程(a)において提供される圧力および温度の条件のもとで液体である(略して、溶解状態)。溶媒(C)の組成は、溶媒(C)が有機ゲル前駆体を溶解または分散し得るように、好ましくは、有機ゲル前駆体を溶解し得るように選択される。好ましい溶媒(C)が、有機ゲル前駆体(A)に対する溶媒であるもの、すなわち、有機ゲル前駆体(A)を反応条件のもとで完全に溶解するものである。
【0085】
工程(b)からの反応生成物が、ゲル、すなわち、溶媒(C)によって膨潤される粘弾性の化学的網状組織物である。工程(b)において形成される網状組織物のための良好な膨潤剤である溶媒(C)は一般には、細かい細孔および小さい平均細孔直径を有する網状組織物をもたらし、これに対して、工程(b)から生じるゲルのための不良な膨潤剤である溶媒(C)は一般には、大きい平均細孔直径を有する粗大な細孔の網状組織物をもたらす。
【0086】
従って、溶媒(C)の選択は、所望される細孔サイズ分布および所望される多孔性に影響を及ぼす。溶媒(C)は一般にはさらに、沈殿した反応生成物が形成されることの結果としての沈殿形成または凝集が本発明によるプロセスの工程(b)の期間中またはその後で実質的に生じないように選択される。
【0087】
好適な溶媒(C)が選択される場合、沈殿した反応生成物の割合は典型的には、混合物の総重量に基づいて1重量%未満である。特定の溶媒(C)において形成される沈殿した生成物の量は、反応混合物をゲル化点の前で好適なフィルターによりろ過することによって重量測定法により求めることができる。
【0088】
有用な溶媒(C)には、イソシアナート系ポリマーのために先行技術から知られている溶媒が含まれる。好ましい溶媒が、すべての成分((a1)〜(a3))に対する溶媒であるもの、すなわち、成分(a1)〜成分(a3)を反応条件のもとで実質的に完全に溶解し、その結果、溶媒(C)を含む工程(a)において提供される混合物全体における有機ゲル前駆体(A)の含有量が好ましくは少なくとも5重量%であるようにするものである。溶媒(C)は好ましくは、成分(a1)に対して不活性であり、すなわち、成分(a1)に対して非反応性である。
【0089】
有用な溶媒(C)には、例えば、ケトン、アルデヒド、アルカン酸アルキル、アミド(例えば、ホルムアミドおよびN−メチルピロリドンなど)、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシドなど)、脂肪族および脂環族のハロゲン化炭化水素、ハロゲン化芳香族化合物およびフッ素化エーテルが含まれる。同様に有用なものが上記化合物の2つ以上の混合物である。
【0090】
溶媒(C)としてさらに有用なものがアセタールであり、とりわけ、ジエトキシメタン、ジメトキシメタンおよび1,3−ジオキソランである。
【0091】
ジアルキルエーテルおよび環状エーテルが溶媒(C)として同様に有用である。好ましいジアルキルエーテルがとりわけ、2個〜6個の炭素原子を有するものであり、とりわけ、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、プロピルエチルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、プロピルイソプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルイソブチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、エチルn−ブチルエーテル、エチルイソブチルエーテルおよびエチルt−ブチルエーテルである。好ましい環状エーテルがとりわけ、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびテトラヒドロピランである。
【0092】
置換基あたり3個までの炭素原子を有するアルキル基を有するケトンおよびアルデヒドが溶媒(C)として同様に好ましい。
【0093】
多くの場合において、特に好適な溶媒(C)が、互いに完全に混和性であり、かつ、混合物の形態で上記溶媒から選択される2つ以上の化合物を使用することによって生じる。
【0094】
本発明によれば、工程(a)において、一方おいては成分(a1)と、他方においては成分(a2)および成分(a3)とが、別個の形態で提供される。
【0095】
成分(a3)の第一級アミノ基は好ましくは、工程(b)の開始時には保護された形態で存在する。より好ましくは、成分(a3)の第一級アミノ基は、工程(b)を行う前において、保護された形態で存在する。最も好ましくは、成分(a3)は、とりわけ、同時に溶媒(C)であるが、第一級アミノ基を保護するための媒体に溶解することによって、保護された形態で第一級アミノ基が存在する工程(a)において提供される。
【0096】
「保護された形態で存在する第一級アミノ基」は、第一級アミノ基が−NHとしてフリー形態では本質的に存在しないことを意味することが理解される。保護された形態で存在する成分(a3)の第一級アミノ基は、イソシアナートに対する低下した反応性を有する。第一級アミノ基は好ましくは、少なくとも1つさらなる官能基または少なくとも1つのさらなる分子(いわゆる保護基)に対する可逆的な結合による保護された形態で存在する。
【0097】
「可逆的な結合」は、対応する官能基または分子(保護基)が、イソシアナートに対する第一級アミノ基の反応性を実際には低下させるが、第一級アミノ基のイソシアナート基との反応の前には制御された様式で除かれることによって、または、好ましいことであるが、反応性の第一級アミノ基を本発明によるプロセスの工程(b)の過程で再形成することによってのどちらかにより反応を完全には抑制せず、このことにより、第一級アミノ基と、イソシアナート基との間での低下した反応速度がもたらされることを意味することが理解される。そのような再形成が、例えば、保護された形態と、反応性のフリー形態との間における平衡の形態で進行し得る。
【0098】
より好ましくは、成分(a3)の第一級アミノ基は、ケチミンの形態および/またはアルジミンの形態で工程(b)において存在する。非常に特に好ましいこととしては、成分(a3)をケチミンおよび/またはアルジミンの形態で本発明によるプロセスの工程(a)において提供することが挙げられる。
【0099】
このことは、好ましくはそのすべてであるが、成分(a3)の第一級アミノ基の少なくとも一部がケチミン基および/またはアルジミン基の形態で存在することを意味することが理解される。ケチミンおよび/またはアルジミンは、とりわけ、ケトンおよび/またはアルデヒドを溶媒(C)として使用することによって得ることができる。
【0100】
好適なアルジミンまたはケチミンは、第一級アミノ基を有するジアミンまたは多官能性アミンと、アルデヒドまたはケトンとに由来し、これらの物質から、それ自体は知られている様式で、例えば、必要な場合には形成する水を除きながら、また、必要な場合には、例えば、酸による触媒作用とともに不活性な有機溶媒における加熱によって、しかし、好ましくは、溶媒としての過剰なケトンおよび/またはアルデヒドにおける反応によって得ることができる。アルジミンまたはケチミンはさらにまた、イソシアナートに対して反応性であるさらなる官能基(例えば、ヒドロキシル基またはイミノ基)を含むことができる。
【0101】
さらに有用なものが、保護された第一級アミノ基のほかに、フリーの第二級アミノ基もまた含むケチミンまたはアルジミンであり、例えば、メチルイソブチルケトンとのジエチレントリアミンのジケチミンである。
【0102】
保護基が、脱離化剤を加えることによって工程(b)の実施前または実施期間中に脱離させられるとき、アルジミンおよびケチミンの場合の保護基はとりわけ、水を脱離化剤として加えることによって脱離させることができる。
【0103】
しかしながら、アルジミンおよび/またはケチミンは好ましくは、脱離化剤を事前に添加しない場合、本発明によるプロセスの工程(b)においてイソシアナートとの遅い反応で反応する。この場合には、フリーの第一級アミノ基と、保護された第一級アミノ基との溶媒(C)中での平衡が好ましくは利用される。
【0104】
多官能性のアルジミンおよび/またはケチミンと、ポリイソシアナートとの間における反応生成物は、原理的には、アミノ基と、イソシアナート基とが直接に反応する反応生成物と化学的に同一または実質的に同一である。しかしながら、第一級脂肪族アミノ基と、イソシアナート基との反応速度における低下は、とりわけ、工程(b)において生じるゲルの細孔構造に対する正の影響を有する。
【0105】
第一級アミンと可逆的に反応する保護基は好ましくは、実験条件のもとで液体である。保護基は好ましくは、第一級アミノ基に対して反応性である溶媒(C)の形態で使用される。
【0106】
最も好ましくは、工程(a)において、成分(a3)は、溶媒(C)としてのケトンおよび/またはアルデヒドに溶解される成分(a2)と一緒に提供され、工程(b)において成分(a1)と一緒にされる。
【0107】
アルジミンまたはケチミンを調製するために使用され得るアルデヒドまたはケトンは、とりわけ、一般式R−(CO)−R(式中、RおよびRはそれぞれが、水素、または、1個、2個、3個もしくは4個の炭素原子を有するアルキル基である)に対応するものである。好適なアルデヒドまたはケトンがとりわけ、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソペントアルデヒド(isopentaldehyde)、2−メチルペントアルデヒド、2−エチルヘキスアルデヒド(hexaldehyde)、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド、フルフラール、アクロレインダイマー、メタクロレインダイマー、1,2,3,6−テトラヒドロベンズアルデヒド、6−メチル−3−シクロヘキセンアルデヒド、シアンアセトアルデヒド、グルオキシル酸エチル、ベンズアルデヒド、アセトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルn−ブチルケトン、エチルイソプロピルケトン、2−アセチルフラン、2−メトキシ−4−メチルペンタン−2−オン、シクロヘキサノンおよびアセトフェノンである。上記のアルデヒドおよびケトンはまた、混合物の形態で使用することができる。
【0108】
原理的には、アルジミンまたはケチミンを純粋な形態で事前に調製し、続いて、溶媒(C)における溶液として提供することが可能である。しかしながら、好ましくは、上記のアルデヒドおよび/またはケトンは本発明によるプロセスにおいて溶媒(C)として使用され、そのような場合には、成分(a2)が溶解されるとき、アルジミンまたはケチミンが形成される。
【0109】
アルデヒドまたはケトンは、硬化段階の期間中にポリマーから容易に逃れ得るように、約180℃よりも低い沸点を有することが望ましい。
【0110】
好ましくは、一方においては成分(a1)と、他方においては成分(a2)および成分(a3)とが、互いに別々に溶媒(C)(とりわけ、アルデヒドおよび/またはケトン)に溶解される。
【0111】
好適な溶媒(C)がとりわけ、成分(a1)〜成分(a3)が十分な溶解性を有し、かつ、成分(a2)の第一級アミノ基との反応により、アルジミンおよび/またはケチミンが、好ましくは室温で形成されるそのようなアルデヒドおよび/またはケトンである。
【0112】
原理的には、成分(a1)と、成分(a2)および成分(a3)とは、溶媒が互いに完全に混和し、かつ、成分(a1)〜成分(a3)がそれぞれ、十分な溶解性を溶媒混合物において有するならば、異なる溶媒(c1)および溶媒(c2)に溶解することができる。
【0113】
工程(c)における乾燥の過程で大きく収縮しない十分に安定なゲルを工程(b)において得るために、本発明によるプロセスの工程(a)において提供される混合物全体におけるゲル前駆体(A)の割合は一般に、5重量%未満であってはならない。溶媒(C)を含む本発明によるプロセスの工程(a)において提供される混合物全体におけるゲル前駆体(A)の割合は好ましくは少なくとも8重量%であり、より好ましくは少なくとも10重量%であり、とりわけ、少なくとも12重量%である。
【0114】
他方で、提供される混合物における各成分の濃度は、高すぎるレベルで選択してはならない。これは、好都合な特性を有する多孔性ゲルが、そうでない場合には得られないからである。一般には、本発明によるプロセスの工程(a)において提供される混合物全体におけるゲル前駆体(A)の割合は最大でも40重量%である。溶媒(C)を含む本発明によるプロセスの工程(a)において提供される混合物全体におけるゲル前駆体(A)の割合は好ましくは最大でも30重量%であり、より好ましくは最大でも20重量%であり、とりわけ、最大でも15重量%である。
【0115】
必要な場合には、工程(a)において提供される混合物は、さらなる成分(B)として、少なくとも1つの触媒(b1)もまた含む。しかしながら、好ましいこととしては、触媒の存在を伴わないゲル前駆体(A)の転化を行うことが挙げられる。
【0116】
触媒(b1)が使用されるとき、典型的には、イソシアヌラートの形成を触媒する三量体化触媒が使用される。使用されるそのような三量体化触媒は、例えば、当業者には広く知られている触媒、例えば、下記において列挙されるものであり得る。
【0117】
三量体化触媒が成分(b1)として使用されるとき、知られている触媒、例えば、第四級アンモニウム水酸化物、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のアルコキシド、ならびに、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のカルボン酸塩(例えば、酢酸カリウムおよび2−エチルヘキサン酸カリウムなど)、特定の第三級アミンおよび非塩基性金属カルボン酸塩(例えば、オクタン酸鉛およびトリアジン誘導体(とりわけ、対称的なトリアジン誘導体)など)などが好適である。トリアジン誘導体が三量体化触媒として特に好適である。
【0118】
成分(a1)〜成分(a3)は好ましくは、ゲル前駆体(A)が、30重量%〜90重量%の成分(a1)、9.99重量パーセント〜65重量パーセントの成分(a2)および0.01重量パーセント〜5重量パーセントの成分(a3)を含むように使用される。
【0119】
ゲル前駆体(A)は好ましくは、38重量%〜80重量%の成分(a1)、19重量パーセント〜58重量パーセントの成分(a2)および1重量パーセント〜4重量パーセントの成分(a3)を含む。ゲル前駆体(A)はより好ましくは、40重量%〜70重量%の成分(a1)、28重量パーセント〜57重量パーセントの成分(a2)および1重量パーセント〜3重量パーセントの成分(a3)を含む。
【0120】
工程(a)において提供される混合物はまた、当業者には知られている典型的な補助剤をさらなる構成成分(B)として含むことができる。例には、界面活性物質、難燃剤、核化剤、酸化安定剤、滑剤および型出し助剤、色素および顔料、安定剤(例えば、加水分解、光、熱または変色に対する安定剤)、無機フィラーおよび/または有機フィラー、強化剤ならびに殺生物剤が含まれる。
【0121】
上記で述べられた補助剤および添加物のさらなる詳細を、技術文献から、例えば、Plastics Additive Handbook(第5版、H.Zweifel編、Hanser Publishers、Munich、2001)から引用することができる。
【0122】
混合物が、典型的な様式で本発明によるプロセスの工程(a)において提供され得る。この目的のために、撹拌装置または別の混合装置が好ましくは、良好な混合を達成するために使用される。それ以外の混合条件は一般に重要ではない;例えば、0℃〜100℃および0.1bar〜10bar(絶対圧)で混合すること、とりわけ、例えば、室温および大気圧で混合することが可能である。
【0123】
工程(a)において提供される混合物はまた、ゾルと呼ぶことができる。ゾルは、有機ゲル前駆体(A)が分散媒体としての溶媒に極微細に分散されるコロイド溶液、または、溶媒における有機ゲル前駆体(A)の真の溶液のどちらかを意味することが理解されなければならない。
【0124】
工程(b)
本発明によれば、工程(b)において、成分(a1)〜成分(a3)が溶媒(C)の存在下でゲルに転化される。従って、本発明によるプロセスの工程(b)において、有機ゲル前駆体(A)がゲル化反応でゲルに転化される。ゲル化反応は重付加反応であり、とりわけ、イソシアナート基と、アミノ基との重付加である。
【0125】
ゲルは、液体と接触して存在するポリマーに基づく架橋された系(いわゆるソルボゲル(solvogel)もしくはリオゲル(lyogel)、または、液体として水を有する場合、アクアゲルもしくはヒドロゲル)を意味することが理解されなければならない。この場合、ポリマー相は、連続する三次元網状組織を形成する。
【0126】
本発明によるプロセスの工程(b)において、ゲルが典型的には、放置することによって、例えば、混合物が存在する容器、反応容器またはリアクター(これらは以降、ゲル化装置として示される)を単に放置することによって形成する。ゲル化(ゲル形成)の期間中、混合物は好ましくは、撹拌または混合が行われない。これは、撹拌または混合がゲルの形成を妨げる可能性があるからである。混合物をゲル化の期間中は覆うこと、または、ゲル化装置を閉じることが好都合であることが見出されている。
【0127】
ゲル化の継続期間は、使用された成分のタイプおよび量ならびに温度に従って変化し、数日である場合がある。ゲル化の継続期間は典型的には1分〜10日であり、好ましくは1日未満であり、とりわけ、5分〜12時間であり、より好ましくは最大でも1時間であり、とりわけ、5分〜1時間である。
【0128】
ゲル化を、熱を供給することなく、室温領域の温度で、とりわけ、15℃〜25℃の温度で、または、20℃以上である室温に対して高い温度で、とりわけ、25℃〜80℃の温度で行うことができる。典型的には、より高いゲル化温度はゲル化の継続期間を短くする。しかしながら、高いゲル化温度は、機械的特性が十分でないゲルをもたらし得るので、より高いゲル化温度がすべての場合において好都合であるとは限らない。好ましいこととしては、ゲル化を、室温領域の温度で、とりわけ、15℃〜25℃の温度で行うことが挙げられる。
【0129】
ゲル化の過程における圧力は広い範囲の範囲内で変化し得るが、一般に重要ではない。ゲル化の過程における圧力は、例えば、0.1bar〜10bar、好ましくは0.5bar〜8bar、とりわけ、0.9bar〜5barであり得る(それぞれの場合において絶対圧である)。具体的には、水性混合物を室温および大気圧でゲル化させることが可能である。
【0130】
ゲル化の期間中、混合物は、寸法安定性がより大きいゲルまたはより小さいゲルに固化する。従って、ゲル形成は、簡単な様式では、サンプルが入れられているゲル化装置または容器がゆっくり傾けられるとき、ゲル化装置の内容物がもはや動かないことによって認識することができる。その上、混合物の音響学的特性がゲル化の過程で変化する:ゲル化装置の外壁が軽くたたかれるとき、ゲル化した混合物は、未だゲル化していない混合物とは異なる鳴音を与える(いわゆる鳴動ゲル)。
【0131】
好ましい実施形態において、工程(b)におけるゲル化で得られるゲルは、工程(c)が行われる前に、ゲルの形成を完了させるいわゆる熟成に供される。熟成は、とりわけ、ゲルを先のゲル化の場合よりも高い温度に一定の時間さらすことによって行われる。この目的のために、例えば、加熱浴もしくは加熱キャビネットを使用することができ、または、ゲルが存在する装置もしくは環境を好適な様式で加熱することができる。
【0132】
熟成の過程における温度は広い範囲の範囲内で変化し得、それ自体は重要ではない。一般に、熟成は30℃〜150℃の温度で行われ、好ましくは40℃〜100℃の温度で行われる。熟成温度は、10℃〜100℃の範囲で、とりわけ、20〜80℃の範囲で、ゲル化温度よりも高くなければならない。ゲル化が室温で行われているとき、熟成を、とりわけ、40℃〜80℃の温度で、好ましくは約60℃で行うことが可能である。熟成の過程における圧力は重要ではなく、典型的には0.9bar〜5bar(絶対圧)である。
【0133】
熟成の継続期間はゲルのタイプに依存し、数分である場合があり、しかし、長い時間を要する場合もある。熟成の継続期間は、例えば、30日までであり得る。典型的には、熟成の継続期間は10分〜12時間であり、好ましくは20分〜6時間であり、より好ましくは30分〜5時間である。
【0134】
タイプおよび組成に従って、ゲルは、熟成の期間中にわずかに収縮し、ゲル化装置の壁から剥がれることがある。好都合なことではあるが、ゲルは熟成の期間中は覆われるか、または、ゲルが存在するゲル化装置が閉じられる。
【0135】
工程(c)
本発明によれば、工程(c)において、前段工程で得られるゲルが、キセロゲルを得るために、好ましくは、ゲルに存在する液体を、ゲルに存在する液体の臨界温度および臨界圧力よりも低い温度および圧力でガス状態に変換することによって乾燥される。乾燥は、ゲルの流体相の除去を意味することが理解される。
【0136】
代替として、とりわけ、溶媒を、超臨界の状態のもとで後で除かれる好適な流体相(とりわけ、二酸化炭素)に交換することによって、ゲルを超臨界の状態のもとで乾燥して、エーロゲルを得ることが同様に可能にある。
【0137】
好ましいこととしては、生じたゲルを、溶媒(C)を溶媒(C)の臨界温度および臨界圧力よりも低い温度および圧力でガス状態に変換することによって乾燥することが挙げられる。従って、好ましいこととしては、乾燥を、反応で存在していた溶媒(C)を、さらなる溶媒に事前に交換することなく除くことによって行うことが挙げられる。
【0138】
結果的には、工程(b)の後では、ゲルは好ましくは、ゲル(とりわけ、ゲルの細孔)に存在する溶媒(C)をこの有機液体に交換するために有機液体と接触させられない。ゲルが熟成されるか否かにかかわらず、このことは当てはまる。溶媒交換が省かれるとき、プロセスは、特に簡便かつ費用のかからない様式で行うことができる。しかしながら、溶媒交換が行われるとき、溶媒(C)を非極性の溶媒に交換すること、とりわけ、炭化水素(例えば、ペンタンなど)に交換することが好ましい。
【0139】
ゲルに存在する液体を、好ましくは溶媒(C)をガス状態に変換することによる乾燥については、有用な方法は原理的には、昇華ではなく、気化および蒸発の両方である。気化または蒸発による乾燥には、凍結乾燥ではなく、とりわけ、大気圧下で乾燥すること、減圧下で乾燥すること、室温で乾燥すること、および、高い室温で乾燥することが含まれる。本発明によれば、乾燥が、ゲルに存在する液体の臨界圧力および臨界温度よりも低い圧力および温度で行われる。従って、本発明によるプロセスの工程(d)において、溶媒含有ゲルが、有機多孔性ゲルをプロセス生成物として形成するために乾燥させられる。
【0140】
ゲルを乾燥するために、ゲル化装置は典型的には開けられ、ゲルが、液相がガス状態への変換によって除かれてしまうまで、すなわち、液相が気化または蒸発させられるまで、述べられた圧力条件および温度条件のもとで保たれる。気化を促進させるために、ゲルを容器から取り出すことがしばしば好都合である。この方法では、気化および/または蒸発が生じるゲル/周囲空気相の境界が拡大される。例えば、ゲルを乾燥のための平坦な下敷きまたはふるいの上に置くことができる。有用な乾燥プロセスはまた、当業者が熟知している乾燥プロセスであり、例えば、対流乾燥キャビネット、マイクロ波乾燥キャビネット、真空乾燥キャビネット、または、これらのプロセスの組合せなどである。
【0141】
ゲルは大気下で乾燥することができ、または、ゲルが酸素感受性であるならば、他のガス(例えば、窒素または希ガスなど)のもとで同様に乾燥することができ、また、必要な場合には、環境の圧力、温度および溶媒含有量が制御できる乾燥キャビネットまたは他の好適な装置を使用することが、この目的のために可能である。
【0142】
乾燥の過程で選択されるべき温度条件および圧力条件は、ゲルに存在する液体の性質を含む様々な要因に依存する。乾燥は好ましくは、ゲルに存在する液体(好ましくは溶媒(C))の臨界圧力pcritよりも低い圧力、および、臨界温度Tcritよりも低い温度で行われる。従って、乾燥が未臨界の状態のもとで行われる。これに関連して、臨界は、臨界圧力および臨界温度において、液相の密度が気相の密度に等しいこと(いわゆる臨界密度)、そして、Tcritを超える温度においては、流体相が、超高圧を加えた場合でさえ、もはや液化され得ないことを意味する。
【0143】
アセトンが溶媒として使用されるとき、乾燥が、0℃〜150℃の温度、好ましくは10℃〜100℃の温度、より好ましくは15℃〜80℃の温度で、かつ、高真空から、例えば、10−3mbarから、5barまでの圧力、好ましくは1mbar〜3barの圧力、とりわけ、10mbar〜約1bar(絶対圧)の圧力で行われる。例えば、乾燥を、大気圧で、かつ、0℃〜80℃で、とりわけ、室温で行うことができる。特に好ましいこととしては、ゲルを、0.5〜2bar(絶対圧)の圧力および0℃〜100℃の温度で工程(d)において乾燥することが挙げられる。
【0144】
ゲルに存在する他の液体、とりわけ、アセトン以外の溶媒(C)は、簡単な試験により当業者によって決定され得る乾燥条件(圧力、温度、時間)に対する調節を必要とする。
【0145】
乾燥は、真空を加えることによって促進または完了させることができる。乾燥作用をさらに改善するために、この真空乾燥は、慣用的圧力での乾燥よりも高い温度で着手することができる。例えば、溶媒(C)の大部分を30分〜3時間の範囲内で室温および大気圧において最初に除くことができ、その後、ゲルを、10分〜6時間の範囲内で、1mbar〜100mbarの減圧下において、とりわけ、5mbar〜30mbarの減圧下において40℃〜80℃で乾燥することができる。より長い乾燥時間もまた可能であることが理解される(例えば、1日〜5日)。しかしながら、好ましいこととしては、12時間未満の乾燥時間がしはしば挙げられる。
【0146】
そのような段階的乾燥の代わりに、圧力はまた、乾燥の期間中に連続的に、例えば、直線的もしくは指数的な様式で下げることができ、または、温度をそのような様式で上げることができ、すなわち、圧力プログラムまたは温度プログラムに従って行うことができる。本質的には、大気の水分含有量が低いほど、ゲルは迅速に乾燥する。
【0147】
同じことが、必要な変更を伴って、水以外の液相に対して、また、空気以外のガスに対して当てはまる。
【0148】
好ましい乾燥条件は、溶媒だけでなく、ゲルの性質、とりわけ、乾燥の過程で作用する毛細管力に関連する網状組織の安定性にも依存する。
【0149】
工程(d)における乾燥の過程で、流体相は一般に、完全に除かれるか、または、生じた多孔性ゲルに基づいて0.01重量%〜1重量%の残存含有量にまで低下する。
【0150】
多孔性ゲルの特性および使用
本発明によるプロセスによって得ることができる多孔性ゲルは好ましくは、体積平均の平均細孔直径が最大でも5μmである。本発明によるプロセスによって得ることができるキセロゲルの体積平均の平均細孔直径は好ましくは、200nm〜5μmである。
【0151】
本発明によるプロセスによって得ることができる多孔性ゲルの特に好ましい体積加重平均細孔直径は最大でも5μmであり、とりわけ、最大でも3.5μmであり、最も好ましくは最大でも2.5μmである。
【0152】
一般に、体積加重平均細孔直径は少なくとも10nmであり、好ましくは少なくとも50nmである。多くの場合において、体積加重平均細孔直径は少なくとも100nmであり、とりわけ、少なくとも200nmである。本発明によるプロセスによって得ることができる多孔性ゲルは好ましくは、少なくとも70体積%の多孔性、とりわけ、70体積%〜99体積%の多孔性を有し、より好ましくは少なくとも80体積%の多孔性を有し、最も好ましくは少なくとも85体積%の多孔性、とりわけ、85体積%〜95体積%の多孔性を有する。
【0153】
本発明によるプロセスによって得ることができる多孔性ゲルの密度は典型的には20g/l〜600g/lであり、好ましくは50g/l〜500g/lであり、より好ましくは100g/l〜400g/lである。
【0154】
本発明によるプロセスは、単にポリマー粉末またはポリマー粒子ではなく、凝集性の多孔性材料をもたらす。生じた多孔性ゲルの三次元形状が、ゲル化装置の形状により結果的には決定されるゲルの形状によって決定される。例えば、円筒状のゲル化容器は典型的には、円筒形態での多孔性ゲルにその後で乾燥することができるほぼ円筒状のゲルをもたらす。
【0155】
本発明の多孔性ゲル、および、本発明によるプロセスによって得ることができる多孔性ゲルは、低い熱伝導率、大きい多孔性および低い密度を、同時に大きい機械的安定性とともに有する。加えて、多孔性ゲルは小さい平均細孔サイズを有する。上記特性の組合せは、断熱の分野における断熱材としての使用、とりわけ、真空パネルの最小限の厚さが、例えば、冷却ユニットまたは建物では好まれる真空分野における適用のための使用を可能にする。例えば、真空断熱パネルにおける使用、とりわけ、真空断熱パネルのためのコア材としての使用が好ましい。好ましいこととしてはまた、断熱材としての本発明の多孔性ゲルの使用が挙げられる。
【0156】
さらに、本発明の多孔性ゲルの低い熱伝導率は、1mbar〜100mbarの圧力での適用、とりわけ、10mbar〜100mbarの圧力での適用を可能にする。本発明の多孔性ゲルの特性プロフィルは、とりわけ、真空パネルの長い寿命が望まれ、かつ、低い熱伝導率を、圧力増大が長年の後でさえ1年あたり約2mbarである場合でさえ、例えば、100mbarの圧力において有する適用を開拓する。本発明の多孔性ゲル、および、本発明によるプロセスによって得ることができる多孔性ゲルは、一方では有益な熱特性を有し、他方では有益な材料特性、例えば、簡単な加工性および大きい機械的安定性(例えば、低い脆さ)を有する。
【実施例】
【0157】
材料のサンプル1gあたりのmlでの細孔体積および平均細孔サイズをDIN66133(1993)に従う水銀ポロシメトリーによって室温で求めた。本発明の関連では、平均細孔サイズは平均細孔直径と同等と見なすことができる。体積加重平均細孔直径が、上記基準に従って求められる細孔サイズ分布からの計算によって求められる。
【0158】
多孔性(単位、体積%)を、式P=(V/(V+V))100体積%によって求めた(式中、Pは多孔性であり、Vは、DIN66133に従うHg浸入体積(ml/g)であり、Vは試料の比体積(ml/g)である)。
【0159】
多孔性ゲルの密度ρ(単位、g/ml)を、式ρ=1/(V+V)によって計算した。使用された比体積は、1/V=1.38g/mlの値であった。この値はHeピクノメトリーによって求められた。
【0160】
熱伝導率λを動的熱線法によって求めた。この熱線法では、薄いワイヤが、分析されるサンプルに埋め込まれる。この場合、このワイヤは同時に加熱素子および温度センサーとして役立つ。使用されたワイヤ材は、直径が100マイクロメートルで、長さが40mmである白金線であり、これを特定の試料の2つの半分物の間に埋め込んだ。サンプルおよび熱線から構成される試験構成を、所望される圧力が排気後、ガス状窒素を入れることによって確立された排気可能な容器において準備した。
【0161】
実験期間中、ワイヤを一定の電力で加熱した。温度が25℃であった。熱線部位における生じた温度上昇の経時的進展を、抵抗を測定することによって記録した。熱伝導率を、H.−P.Ebert他、High Temp.−High.Press、1993、25、391〜401に従って、サンプルと、ワイヤとの間の熱接触抵抗、および、軸方向の熱損失を考慮して、解析解を経時的な温度の進展に合わせることによって求めた。ガス圧力を、異なる測定範囲(0.1〜1000mbar、および、0.001〜10mbar)を有する2つの容量性圧力センサーにより求めた。
【0162】
下記の化合物を使用した:
a−1:オリゴマー状MDI(Lipranat(登録商標)M50)、これは、NCO含有量が、ASTM D−5155−96Aに従って100gあたり31.5gであり、官能価が2.8〜2.9の範囲にあり、粘度がDIN53018に従って25℃で550mPa.sである。
【0163】
a−2:オリゴマー状ジアミノジフェニルメタン、これは、粘度がDIN53018に従って50℃で2710mPa.sであり、官能価が2.4の領域にあり、電位差測定法により求められたアミン価が約560mgKOH/gである。
【0164】
a−3:ポリエチレンイミン、これは、水分含有量が1重量%未満であり、20℃での粘度が200000mPasであり、pH4.5での電荷密度が100重量%のa−3に基づいて17meq/gであり、第一級/第二級/第三級アミノ基の比率が1/1.2/0.76であり、分子量(Mw)が25000g/molである。
【0165】
a−4:オリゴマー状MDI(Lipranat(登録商標)M200)、これは、NCO含有量が、ASTM D−5155−96Aに従って100gあたり30.9gであり、官能価が3の領域にあり、粘度がDIN53018に従って25℃で2100mPa.sである。
【0166】
(実施例1)
2.4gの化合物(a−1)を20℃で撹拌とともにビーカーにおいて10.5gのアセトンに溶解した。1.3gの化合物(a−2)および0.1gの化合物(a−3)を第2のビーカーにおいて11gのアセトンに溶解した。工程(a)から得られるこれら2つの溶液を混合した。透明な低粘度の混合物が得られた。混合物を硬化のために室温で24時間放置した。その後、ゲルをビーカーから取り出し、液体(アセトン)を20℃での7日間の乾燥によって除いた。
【0167】
得られた物は多孔性が87体積%であり、対応する密度が170g/lであった。
【0168】
(実施例1C)
2.4gの化合物(a−1)を20℃で撹拌とともにビーカーにおいて10.5gのアセトンに溶解した。1.3gの化合物(a−2)を第2のビーカーにおいて11gのアセトンに溶解した。工程(a)から得られるこれら2つの溶液を混合した。透明な低粘度の混合物が得られた。混合物を硬化のために室温で24時間放置した。その後、ゲルをビーカーから取り出し、液体(アセトン)を20℃での7日間の乾燥によって除いた。
【0169】
実施例1と比較して、得られた物は著しく収縮した形態を有した。多孔性が71体積%であり、対応する密度が390g/lであった。
【0170】
(実施例2)
40gの化合物(a−4)を20℃で撹拌とともにビーカーにおいて212gのアセトンに溶解した。25gの化合物(a−2)および0.4gの化合物(a−3)を第2のビーカーにおいて216.8gのアセトンに溶解した。工程(a)から得られるこれら2つの溶液を混合した。即時的反応が生じた。混合物を硬化のために室温で24時間放置した。その後、ゲルをビーカーから取り出し、液体(アセトン)を20℃での7日間の乾燥によって除いた。
【0171】
得られた物は多孔性が87体積%であり、対応する密度が170g/lであった。
【0172】
得られた物は熱伝導率が1013mbarの圧力で35mW/mKであり、0.0037mbarの圧力で4.6mW/mKであった。
【0173】
(実施例3)
2.4gの化合物(a−1)を20℃で撹拌とともにビーカーにおいて10.5gのアセトンに溶解した。1.3gの化合物(a−2)および0.1gのトリエチレンジアミンを第2のビーカーにおいて11gのアセトンに溶解した。工程(a)から得られるこれら2つの溶液を混合した。即時的反応が生じた。混合物を硬化のために室温で24時間放置した。その後、ゲルをビーカーから取り出し、液体(アセトン)を20℃での7日間の乾燥によって除いた。
【0174】
実施例1と比較して、得られた物は著しく収縮した形態を有した。多孔性が74体積%であり、対応する密度が350g/lであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の成分:
(a1)少なくとも1種の多官能性イソシアナート、
(a2)少なくとも1種の多官能性芳香族アミン、および
(a3)少なくとも1種のポリアルキレンポリアミン
を、反応した形態で含む多孔性ゲル。
【請求項2】
下記の成分:
(a1)30重量%〜90重量%の少なくとも1種の多官能性イソシアナート、
(a2)9.99重量パーセント〜65重量パーセントの少なくとも1種の多官能性芳香族アミン、および
(a3)0.01重量パーセント〜5重量パーセントの少なくとも1種のポリアルキレンポリアミン
(ただし、成分(a1)〜成分(a3)の重量百分率の合計は100重量パーセントである)
を、反応した形態で含む、請求項1に記載の多孔性ゲル。
【請求項3】
成分(a3)が高分岐ポリアルキレンポリアミンである、請求項1または2に記載の多孔性ゲル。
【請求項4】
多孔性ゲルがキセロゲルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多孔性ゲル。
【請求項5】
成分(a3)がポリエチレンイミンである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の多孔性ゲル。
【請求項6】
成分(a2)が、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタンおよびオリゴマー状ジアミノジフェニルメタンから選択される少なくとも1種の多官能性芳香族アミンからなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多孔性ゲル。
【請求項7】
成分(a2)がオリゴマー状ジアミノジフェニルメタンを含み、かつ、少なくとも2.3の官能価を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の多孔性ゲル。
【請求項8】
成分(a1)が、ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアナート、ジフェニルメタン2,4’−ジイソシアナート、ジフェニルメタン2,2’−ジイソシアナートおよびオリゴマー状ジフェニルメタンジイソシアナートから選択される少なくとも1種の多官能性イソシアナートからなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の多孔性ゲル。
【請求項9】
成分(a1)がオリゴマー状ジフェニルメタンジイソシアナートを含み、かつ、少なくとも2.5の官能価を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の多孔性ゲル。
【請求項10】
成分(a1)がオリゴマー状ジフェニルメタンジイソシアナートを含み、成分(a2)がオリゴマー状ジアミノジフェニルメタンを含み、かつ、成分(a1)の官能価および成分(a2)の官能価の和が少なくとも5.5である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の多孔性ゲル。
【請求項11】
前記多孔性材料の体積加重平均細孔直径が最大でも3μmである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の多孔性ゲル。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載される多孔性ゲルを製造する方法であって、
(a)請求項1〜11のいずれか一項に規定された、成分(a1)と、それとは別個に、成分(a2)および成分(a3)とを、それぞれを溶媒(C)に提供する工程、
(b)成分(a1)〜成分(a3)を前記溶媒(C)の存在下でゲルに転化させる工程、および
(c)前記工程で得られたゲルを乾燥する工程
を含むプロセス。
【請求項13】
前記得られたゲルは、前記溶媒(C)の臨界温度および臨界圧力よりも低い温度および圧力で前記溶媒(C)をガス状態に転化させることによって乾燥する、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
請求項12または13に従って得られる多孔性ゲル。
【請求項15】
請求項1〜11のいずれか一項に記載される多孔性ゲル、または請求項14に記載される多孔性ゲルを、断熱材として使用する方法。
【請求項16】
請求項1〜11のいずれか一項に記載される多孔性ゲル、また、請求項14に記載される多孔性ゲルを、真空断熱パネルのために使用する方法。

【公表番号】特表2012−531483(P2012−531483A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516741(P2012−516741)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際出願番号】PCT/EP2010/058992
【国際公開番号】WO2011/000771
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】