説明

芳香族ポリエステル用改質剤及びそれを含む芳香族ポリエステル樹脂組成物

【課題】芳香族ポリエステルの耐熱性を著しく低下させることなく、芳香族ポリエステルの溶融流動性を高めることができる芳香族ポリエステル用改質剤及び該芳香族ポリエステル用改質剤を含む芳香族ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】多価フェノール残基と、芳香族多価カルボン酸、その酸ハロゲン化物又は酸無水物の残基とを含む芳香族ポリエステルに使用する改質剤であって、該改質剤が、式(I):−Ar−W−Ar−及び式(II):−Ar−で示される2価の基より成る群から選ばれる基に、式(III):−O−C(O)−Ar(R)(R)(R)で示される1価の基及び式(IV):−O−C(O)−Rで示される1価の基より成る群から選ばれる、同一の又は異なる2個の基が結合した物質から選ばれることを特徴とする芳香族ポリエステル用改質剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香族ポリエステル用改質剤及びそれを含む芳香族ポリエステル樹脂組成物に関し、更に詳しくは、芳香族ポリエステルの流動性改質剤及びそれを含む芳香族ポリエステル樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
多価フェノール、例えば、ビスフェノールAと、芳香族多価カルボン酸、その酸ハロゲン化物又は酸無水物、例えば、二塩化イソフタロイル又は二塩化テレフタロイルとから得られる芳香族ポリエステルは、通常、ガラス転移温度が高く、良好な耐熱性を有する。しかし、該芳香族ポリエステルは、通常、溶融流動性が低く、射出成型等の成形時に300℃以上の高温に加熱する必要がある。従って、成形品は淡黄色に着色しており、光ファイバー等の光学用途には適していなかった。
【0003】
従来、芳香族ポリエステル等の樹脂の溶融流動性を高めるために種々の試みがなされている。例えば、特許文献1には、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂および熱可塑性ポリイミド樹脂から成る群から選ばれる1種以上の樹脂を所定量含有する樹脂成分と、融点が200℃以上の有機化合物を所定量含む樹脂組成物が開示されている。該発明は、上記の有機化合物を含めることにより、高い耐熱性を保持したまま、樹脂組成物の流動性を高めようとするものである。ここで、該有機化合物として、フェノール系安定剤が使用される。また、実施例においては、樹脂成分に含まれる樹脂として、ポリフェニレンエーテル系樹脂及びポリカーボネート樹脂が使用されているのみである。特許文献2には、熱可塑性ポリエステル樹脂、および、熱変形温度が該熱可塑性ポリエステル樹脂より高い熱硬化性樹脂を所定量で含有する熱可塑性ポリエステル樹脂組成物が開示されている。ここで、該熱可塑性ポリエステル樹脂として、芳香族ポリエステル樹脂を使用し得ることが記載されている。該発明は、熱可塑性ポリエステル樹脂に所定の熱硬化性樹脂を含めることにより、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物に流動性を付与しようとするものである。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂が挙げられている。特許文献3には、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアルキレンナフタレート及びポリフェニレンエーテルから成る群より選択される少なくとも1種を主成分とする線状熱可塑性ポリマー、所定の層状珪酸塩、および、添加剤としての大環状オリゴマーの所定量から成る樹脂成形用材料が開示されている。該発明は、層状珪酸塩を配合した大環状オリゴマーの配合用濃縮物を、上記特定の線状熱可塑性ポリマーに配合することにより、流動性を改良して、優れた薄肉成形性及び剛性を有する樹脂成形品を得るものである。特許文献4には、非晶性樹脂に対し、所定構造を有する環状ポリフェニレンスルフィド化合物を所定量で配合してなる樹脂組成物が開示されている。ここで、非晶性樹脂として、非晶性ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ABS樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂およびポリ(メタ)アクリレート共重合体が挙げられている。該発明は、非晶性樹脂に特定の環構造を有する環状ポリフェニレンスルフィド化合物を配合することにより、非晶性樹脂に優れた流動性を付与しようとするものである。特許文献5には、ポリエステル樹脂、非晶性樹脂、流動性改良剤および安定剤を所定量で含む熱可塑性樹脂組成物が開示されている。ここで、非晶性樹脂として、ポリアリレート樹脂が挙げられている。また、上記の流動性改良剤は、3つ以上の官能基を有する化合物であって、その官能基が、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、グリシジル基、イソシアネート基、エステル基またはアミド基から選択されるものである。該発明は、上記の流動性改良剤を配合することにより、熱可塑性樹脂の機械的特性を維持したまま、流動性を改良しようとするものである。特許文献6には、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、非晶性ポリアミド樹脂、ポリフェニレンスルフィドスルホン樹脂から選ばれる少なくとも1種の非晶性樹脂およびそれ以外の熱可塑性樹脂の所定量からなる樹脂組成物に対して、芳香族オキシカルボニル単位、芳香族および/または脂肪族ジオキシ単位、およぴ、芳香族ジカルボニル単位から選ばれる少なくとも1種の構造単位と3官能以上の有機残基とを含み、かつ該有機残基の含有量が樹状ポリエステルを構成する全単量体に対して所定量の範囲にある樹状ポリエステル樹脂を所定量配合してなる熱可塑性樹脂組成物が開示されている。該発明は、上記のような複雑な樹状ポリエステルを配合することにより流動性を改良するものである。上記の特許文献1〜6に記載された発明は、いずれも芳香族ポリエステル等に流動性改質剤等の第3の物質を添加して、芳香族ポリエステル樹脂組成物等の全体として流動性を高めることにより比較的低温で成形することを可能にして、それにより、樹脂の着色等を防止し得るものである。しかし、第3の物質を添加することから、流動性を高めることはできても、樹脂の他の特性を阻害することもあった。また、特殊な物質を使用するとコスト高を招くと言う問題もあった。
【0004】
一方、芳香族ポリエステルの末端を封止して、成形時の着色を防止する試みがなされている。例えば、特許文献7には、芳香族多価アルコールと芳香族ポリカルボン酸、その酸ハロゲン化物又は酸無水物とを反応させて所定の分子量を有するポリエステルを製造する方法において、反応時に、式X−C(O)−Rで示される化合物、例えば、塩化ベンゾイルを存在させて、末端封止されたポリエステルを製造する方法が開示されている。該方法により製造された芳香族ポリエステルによれば、成形時に所定の流動性を得るべく比較的高温に加熱して成形しても、殆ど着色を有しない成形品が得られる。従って、該芳香族ポリエステルは、光学製品、例えば、光ファイバー等の光学用途に有用であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−113011号公報
【特許文献2】特開2009−40840号公報
【特許文献3】特開2009−197057号公報
【特許文献4】特開2008−222996号公報
【特許文献5】特開2009−132851号公報
【特許文献6】特開2009−132896号公報
【特許文献7】特開2007−320989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、芳香族ポリエステルの耐熱性を著しく低下させることなく、芳香族ポリエステルの溶融流動性を高めることができる芳香族ポリエステル用改質剤及び該芳香族ポリエステル用改質剤を含む芳香族ポリエステル樹脂組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
特許文献7記載の方法により得られた芳香族ポリエステルは、高い耐熱性を有するとともに、透明性を有し、かつ該芳香族ポリエステルは、高温での処理によっても殆ど着色するものではなかった。しかし、殆ど着色がないとは言っても、光学用途に使用するに際しては、それで十分と言うものではなかった。そこで、本発明者らは、加熱処理後において、更なる高い透明性を有する芳香族ポリエステルを得るべく、好ましくは、特許文献7記載の方法により得られるような末端封止された芳香族ポリエステルに、更に、流動性改質剤を添加すれば、より低い温度で芳香族ポリエステルを成形でき、従って、より一層透明性に優れた芳香族ポリエステル成形品を得ることができるのではないかと言う知見に立って、更に検討を重ねた。しかし、従来公知の流動性改質剤では、芳香族ポリエステルの流動性は改善できるものの、改質剤の添加により成形品に着色が生じたり、また、他の特性、例えば、耐熱性が著しく低下するなどの問題を生ずる。そこで、本発明者らは、如何なる流動性改質剤が、これらの問題を生ずることなく、芳香族ポリエステルの流動性をより高くすることができるかについて検討を加えた。その結果、下記所定の流動性改質剤を使用すれば、これら全ての問題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0008】
即ち、本発明は
(1)多価フェノール残基と、芳香族多価カルボン酸、その酸ハロゲン化物又は酸無水物の残基とを含む芳香族ポリエステルに使用する改質剤であって、該改質剤が、
下記式(I)
−Ar−W−Ar− (I)
[式(I)中、Arは、夫々独立して、フェニレン基又はナフチレン基を示し、これらの基は、夫々独立して、炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルキル基、炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、−SR基(ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)、及び−R−NR基(ここで、Rは、夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Rは存在していなくてもよい)より成る群から選ばれる一以上の基及び/又は原子で置換されていてよく、かつ、xは0又は1であり、xが1であるとき、Wは、炭素数1〜30の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルキレン基、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基又はスルホニル基を示し、xが0であるとき、2個のArが、夫々のAr中に含まれる1個の炭素原子により相互に共有結合をしている]
及び
下記式(II)
−Ar− (II)
[式(II)中、Arは、フェニレン基又はナフチレン基を示し、該基は、炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルキル基、炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、−SR基(ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)、−R−NR基(ここで、Rは、夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Rは存在していなくてもよい)、及び炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基より成る群から選ばれる一以上の基及び/又は原子で置換されていてよい]
で示される2価の基より成る群から選ばれる基に、
下記式(III)
【化1】

(式(III)中、R、R及びRは、夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜5個の飽和若しくは不飽和の鎖状アルキル基を示す)
及び
下記式(IV)
−O−C(O)−R (IV)
(式(IV)中、Rは、炭素数1〜5個の飽和若しくは不飽和の鎖状アルキル基を示す)
で示される1価の基より成る群から選ばれる、同一の又は異なる2個の基が結合した構造を有する物質
から選ばれることを特徴とする芳香族ポリエステル用改質剤
である。
【0009】
好ましい態様として、
(2)式(I)中、Arは、夫々独立して、フェニレン基又はナフチレン基を示し、これらの基は、夫々独立して、炭素数1〜6の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルキル基、炭素数1〜6の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、−SR基(ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)、及び−R−NR基(ここで、Rは、夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Rは存在していなくてもよい)より成る群から選ばれる一以上の基及び/又は原子で置換されていてよく、かつ、xは0又は1であり、xが1であるとき、Wは、炭素数1〜6の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルキレン基、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基又はスルホニル基を示し、xが0であるとき、2個のArが、夫々のAr中に含まれる1個の炭素原子により相互に共有結合をしている、上記(1)記載の芳香族ポリエステル用改質剤、
(3)式(I)中、Arは、夫々独立して、フェニレン基又はナフチレン基を示し、これらの基は、夫々独立して、炭素数1〜4の飽和の鎖状アルキル基、炭素数1〜4の飽和の鎖状アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、−SR基(ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)、及び−R−NR基(ここで、Rは、夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Rは存在していなくてもよい)より成る群から選ばれる一以上の基及び/又は原子で置換されていてよく、かつ、xは0又は1であり、xが1であるとき、Wは、炭素数1〜4の飽和の鎖状アルキレン基、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基又はスルホニル基を示し、xが0であるとき、2個のArが、夫々のAr中に含まれる1個の炭素原子により相互に共有結合をしている、上記(1)記載の芳香族ポリエステル用改質剤、
(4)式(I)中、Arは、夫々独立して、フェニレン基又はナフチレン基を示し、これらの基は、夫々独立して、炭素数1〜4の飽和の鎖状アルキル基及びハロゲン原子より成る群から選ばれる一以上の基及び/又は原子で置換されていてよく、かつ、xは1であり、Wは、炭素数1〜4の飽和の鎖状アルキレン基を示す、上記(1)記載の芳香族ポリエステル用改質剤、
(5)式(I)中、Arは、いずれもフェニレン基を示し、これらの基は、夫々独立して、炭素数1〜4の飽和の鎖状アルキル基で置換されていてよく、かつ、xは1であり、Wは、炭素数1〜4の飽和の鎖状アルキレン基を示す、上記(1)記載の芳香族ポリエステル用改質剤、
(6)式(I)中、Arは、いずれもフェニレン基を示し、かつ、xは1であり、Wは、炭素数1〜3の飽和の鎖状アルキレン基を示す、上記(1)記載の芳香族ポリエステル用改質剤、
(7)式(II)中、Arは、フェニレン基又はナフチレン基を示し、該基は、炭素数1〜6の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルキル基、炭素数1〜6の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、−SR基(ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)、−R−NR基(ここで、Rは、夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Rは存在していなくてもよい)、及び炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基より成る群から選ばれる一以上の基及び/又は原子で置換されていてよい、上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の芳香族ポリエステル用改質剤、
(8)式(II)中、Arは、フェニレン基又はナフチレン基を示し、該基は、炭素数1〜4の飽和の鎖状アルキル基、炭素数1〜4の飽和の鎖状アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、−SR基(ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)、−R−NR基(ここで、Rは、夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Rは存在していなくてもよい)、及び炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基より成る群から選ばれる一以上の基及び/又は原子で置換されていてよい、上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の芳香族ポリエステル用改質剤、
(9)式(II)中、Arは、フェニレン基又はナフチレン基を示し、該基は、炭素数1〜4の飽和の鎖状アルキル基及びハロゲン原子より成る群から選ばれる一以上の基及び/又は原子で置換されていてよい、上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の芳香族ポリエステル用改質剤、
(10)式(II)中、Arは、フェニレン基を示し、該基は、炭素数1〜4の飽和の鎖状アルキル基で置換されていてよい、上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の芳香族ポリエステル用改質剤、
(11)式(II)中、Arは、フェニレン基を示す、上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の芳香族ポリエステル用改質剤、
(12)式(III)中、R、R及びRは、夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜5の飽和の鎖状アルキル基を示す、上記(1)〜(11)のいずれか一つに記載の芳香族ポリエステル用改質剤、
(13)式(III)中、R、R及びRのいずれか一つが、水素原子を示し、他の二つが、夫々独立して、炭素数1〜5の飽和の鎖状アルキル基を示す、上記(1)〜(11)のいずれか一つに記載の芳香族ポリエステル用改質剤、
(14)式(IV)中、Rは、炭素数1〜5の飽和の鎖状アルキル基を示す、上記(1)〜(13)のいずれか一つに記載の芳香族ポリエステル用改質剤、
(15)該改質剤が、ジフェニルフタレート、ジフェニルイソフタレート、ジフェニルテレフタレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)フタレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)イソフタレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)テレフタレート、ビス(6−t−ブチル−2−メチルフェニル)フタレート、ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェニル)イソフタレート、ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェニル)テレフタレート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジ−4−t−ブチルベンゾエート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジ−2−t−ブチルベンゾエート、及び4,4’−イソプロピリデンジフェノールジ−2,2’−ジメチルプロピオネートより成る群から選ばれる上記(1)記載の芳香族ポリエステル用改質剤、
(16)該改質剤が、ジフェニルフタレート、ジフェニルイソフタレート、ジフェニルテレフタレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)フタレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)イソフタレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)テレフタレート、ビス(6−t−ブチル−2−メチルフェニル)フタレート、ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェニル)イソフタレート、ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェニル)テレフタレート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジ−4−t−ブチルベンゾエート及び4,4’−イソプロピリデンジフェノールジ−2,2’−ジメチルプロピオネートより成る群から選ばれる上記(1)記載の芳香族ポリエステル用改質剤、
(17)該改質剤が、ビス(4−t−ブチルフェニル)フタレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)イソフタレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)テレフタレート、ビス(6−t−ブチル−2−メチルフェニル)フタレート、ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェニル)イソフタレート、ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェニル)テレフタレート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジ−4−t−ブチルベンゾエート及び4,4’−イソプロピリデンジフェノールジ−2,2’−ジメチルプロピオネートより成る群から選ばれる上記(1)記載の芳香族ポリエステル用改質剤、
(18)上記(1)〜(17)のいずれか一つに記載の芳香族ポリエステル用改質剤を含む芳香族ポリエステル樹脂組成物、
(19)上記(1)〜(17)のいずれか一つに記載の芳香族ポリエステル用改質剤を、芳香族ポリエステル100質量部に対して1〜50質量部含む芳香族ポリエステル樹脂組成物、
(20)上記(1)〜(17)のいずれか一つに記載の芳香族ポリエステル用改質剤を、芳香族ポリエステル100質量部に対して5〜40質量部含む芳香族ポリエステル樹脂組成物、
(21)上記(1)〜(17)のいずれか一つに記載の芳香族ポリエステル用改質剤を、芳香族ポリエステル100質量部に対して7〜30質量部含む芳香族ポリエステル樹脂組成物、
(22)上記(1)〜(17)のいずれか一つに記載の芳香族ポリエステル用改質剤を、芳香族ポリエステル100質量部に対して10〜20質量部含む芳香族ポリエステル樹脂組成物、
(23)光学材料用の上記(18)〜(22)のいずれか一つに記載の芳香族ポリエステル樹脂組成物、
(24)光ファイバー用の上記(18)〜(22)のいずれか一つに記載の芳香族ポリエステル樹脂組成物
を挙げることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の芳香族ポリエステル用改質剤は、芳香族ポリエステルの耐熱性を著しく低下させることなく、芳香族ポリエステルの溶融流動性を高めることができる。従って、本発明の芳香族ポリエステル用改質剤を含む芳香族ポリエステル樹脂組成物は、従来の芳香族ポリエステルに比較して更に低温で成形可能である故、成形時の着色を更に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施例1〜5の芳香族ポリエステル樹脂組成物及び比較例1の芳香族ポリエステルのX線回折結果を示したチャートである。
【図2】図2は、芳香族ポリエステル用改質剤の添加量を変化させたときの芳香族ポリエステル組成物のX線回折結果を示したチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の芳香族ポリエステル用改質剤は、多価フェノール残基と、芳香族多価カルボン酸、その酸ハロゲン化物又は酸無水物の残基とを含む芳香族ポリエステルに使用する改質剤である。本発明の芳香族ポリエステル用改質剤は、
下記式(I)
−Ar−W−Ar− (I)
及び
下記式(II)
−Ar− (II)
で示される2価の基より成る群から選ばれる基に、
下記式(III)
【化2】

及び
下記式(IV)
−O−C(O)−R (IV)
で示される1価の基より成る群から選ばれる、同一の又は異なる2個の基が結合した構造を有する物質から選ばれる。
【0013】
上記の式(I)中、Arは、夫々独立して、フェニレン基又はナフチレン基、好ましくはフェニレン基を示す。これらの基は、夫々独立して、炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルキル基、好ましくは、炭素数1〜6の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルキル基、より好ましくは、炭素数1〜4の飽和の鎖状アルキル基;炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜6の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルコキシ基、より好ましくは、炭素数1〜4の飽和の鎖状アルコキシ基;ハロゲン原子、好ましくは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子、より好ましくは、塩素原子;ニトロ基;−SR基(ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)、好ましくは、−SH基;及び−R−NR基(ここで、Rは、夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Rは存在していなくてもよい)、好ましくは−NH基より成る群から選ばれる一以上の基及び/又は原子で置換されていてよい。xは0又は1、好ましくは1である。xが1であるとき、Wは、炭素数1〜30の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルキレン基(アルキリデン基を含む)、好ましくは、炭素数1〜6の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルキレン基(アルキリデン基を含む)、より好ましくは、炭素数1〜4の飽和の鎖状アルキレン基(アルキリデン基を含む)、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基又はスルホニル基を示す。また、xが0であるとき、2個のArが、夫々のAr中に含まれる1個の炭素原子により相互に共有結合をしている。ここで、式(I)で示される2価の基としては、芳香族ポリエステルの合成の際に使用される2価フェノールから2個のOH基が取り除かれた残基であれば特に制限はない。例えば、xが0であるとき、2個のArが、いずれもフェニレン基である基、又は、xが1であるとき、2個のArが、いずれもフェニレン基であり、かつWが、メチレン基、エチレン基、プロピレン基又はブチレン基等である基が挙げられる。これらのうち、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、1,1−ビス−(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタンの残基であることが好ましくは、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]の残基であることがより好ましい。
【0014】
上記の式(II)中、Arは、フェニレン基又はナフチレン基、好ましくは、フェニレン基を示す。該基は、炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルキル基、好ましくは、炭素数1〜6の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルキル基、より好ましくは、炭素数1〜4の飽和の鎖状アルキル基;炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜6の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルコキシ基、より好ましくは、炭素数1〜4の飽和の鎖状アルコキシ基;ハロゲン原子、好ましくは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子、より好ましくは、塩素原子;ニトロ基;−SR基(ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)、好ましくは、−SH基;−R−NR基(ここで、Rは、夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Rは存在していなくてもよい)、好ましくは−NH基;及び炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、好ましくはフェニル基より成る群から選ばれる一以上の基及び/又は原子で置換されていてよい。ここで、式(I)で示される2価の基としては、芳香族ポリエステル合成の際に使用される2価フェノールから2個のOH基が取り除かれた残基又は芳香族ポリエステルの合成に使用される芳香族ジカルボン酸、その酸ハロゲン化物又は酸無水物から2個のCOOH基が取り除かれた残基であれば特に制限はない。例えば、Arが、フェニレン基又はナフチレン基である基が挙げられる。好ましくは、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコールの残基、又は二塩化フタロイル、二塩化イソフタロイル、二塩化テレフタロイルの残基が挙げられる。
【0015】
上記の式(III)中、R、R及びRは、夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜5個の飽和若しくは不飽和の鎖状アルキル基を示し、好ましくは、R、R及びRは、夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜5個の飽和の鎖状アルキル基を示し、より好ましくは、R、R及びRのいずれか一つが、水素原子を示し、他の二つが、夫々独立して、炭素数1〜5の飽和の鎖状アルキル基を示し、更に好ましくは、R、R及びRのいずれか二つが、水素原子を示し、他の一つが、炭素数1〜5の飽和の鎖状アルキル基を示す。
【0016】
上記の式(IV)中、Rは、炭素数1〜5個の飽和若しくは不飽和の鎖状アルキル基、好ましくは、炭素数1〜5の飽和の鎖状アルキル基を示す
【0017】
本発明の芳香族ポリエステル用改質剤は、上記の式(I)及び(II)で示される2価の基より成る群から選ばれる基に、上記の式(III)及び(IV)で示される1価の基より成る群から選ばれる2個の基が結合した構造を有する物質であれば、いずれのものであってもよい。ここで、式(I)及び(II)で示される2価の基より成る群から選ばれる基に結合する式(III)及び(IV)で示される1価の基より成る群から選ばれる2個の基は、同一であっても異なっていてもよい。該芳香族ポリエステル用改質剤としては、例えば、ジフェニルフタレート、ジフェニルイソフタレート、ジフェニルテレフタレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)フタレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)イソフタレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)テレフタレート、ビス(6−t−ブチル−2−メチルフェニル)フタレート、ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェニル)イソフタレート、ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェニル)テレフタレート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジ−4−t−ブチルベンゾエート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジ−2−t−ブチルベンゾエート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジ−2,2’−ジメチルプロピオネートが挙げられる。これらのうち、ジフェニルフタレート、ジフェニルイソフタレート、ジフェニルテレフタレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)フタレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)イソフタレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)テレフタレート、ビス(6−t−ブチル−2−メチルフェニル)フタレート、ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェニル)イソフタレート、ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェニル)テレフタレート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジ−4−t−ブチルベンゾエート及び4,4’−イソプロピリデンジフェノールジ−2,2’−ジメチルプロピオネートが好ましく使用される。
【0018】
本発明の芳香族ポリエステル用改質剤は、上記に挙げたものであれば、配合する芳香族ポリエステルの種類に特に制限されない。好ましくは、芳香族ポリエステル用改質剤は、配合する芳香族ポリエステルに含まれる芳香族骨格構造と類似する構造を有するものである。例えば、ビスフェノールAと、二塩化イソフタロイル及び二塩化テレフタロイルとから得られる芳香族ポリエステルに配合する改質剤としては、Arがいずれもフェニレン基であり、かつWがプロピリデン基である式(I)の基、又はArがフェニレン基である式(II)の基に、夫々、式(III)及び/又は式(IV)で示される基が結合した構造を有する物質が好ましい。
【0019】
本発明の改質剤が含められる、多価フェノール残基と、芳香族多価カルボン酸、その酸ハロゲン化物又は酸無水物の残基とを含む芳香族ポリエステルは公知である。例えば、多価フェノールと、芳香族多価カルボン酸、その酸ハロゲン化物又は酸無水物とを反応することにより得られる。多価フェノール並びに、芳香族多価カルボン酸、その酸ハロゲン化物又は酸無水物はいずれも公知である。芳香族ポリエステルとしては、好ましくは、特開2007−320989号に記載された末端封止された芳香族ポリエステルが挙げられる。また、芳香族ポリエステルの製造条件も公知であり、例えば、温度−10〜55℃ で0.01〜24時間、0.01〜2MPaの圧力下で実施することができ、好ましくは窒素雰囲気下で実施する。また、製造は回分式又は連続式のいずれでも可能である。
【0020】
多価フェノールとしては、例えば、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2−ビス−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、2,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(2−ヒドロキシフェニル)メタン、3,3’−メチリデンビスフェノール、1,1−ビス−(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,2−ビス−(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(4’−ヒドロキシ−2’−クロロフェニル)エタン、2,2−ビス−(3’,5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン、ビス−(4’−ヒドロキシフェニル)エーテル、4,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−2,6−ジメチルジフェニルエーテル、3,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス−(3−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,2’−メチリデンビス(4−メチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(5−メチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(6−メチルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2−メチルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(3−メチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(3,5−ジメチルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2,6−ジメチルフェノール)、3,3’−メチリデンビス(2,4,6−トリメチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4−プロピルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2−プロピルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2−メチル−6−エチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(3,4,5,6−テトラメチルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2,3,5,6−テトラメチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2−メチル−5−イソプロピルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(3−メチル−6−イソプロピルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(5−メチル−6−イソプロピルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4−tert−ブチル−6−メチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(4−tert−ブチル−6−メチルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス( 3,4−ジメチル−6−イソプロピルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)、2,2’−メチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4,6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2,6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4−クロロフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2−クロロフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4−ブロモフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4,6−ジクロロフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4,5−ジクロロフェノール)、3,3’−メチリデンビス(4,5−ジクロロフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2,5−ジクロロフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2,6−ジクロロフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4,6−ジブロモフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2,6−ジブロモフェノール)、2,2’−メチリデンビス(3,4,6−トリクロロフェノール)、3,3’−メチリデンビス(2,4,6−トリクロロフェノール)、2,2’−メチリデンビス(6−ブロモ−4−クロロフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4−ブロモ−6−ニトロフェノール)、2,2’−メチリデンビス(6−クロロ−4−ニトロフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4−ニトロフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2−ニトロフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4,6−ジニトロフェノール)、3,3’−メチリデンビス(6−メトキシフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2−メトキシフェノール)、ビス−(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−3−メトキシフェニル)メタン、2,2’−メチリデンビス(4−クロロ−6−メチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(6−クロロ−4−メチルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2−クロロ−6−メチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(6−ブロモ−4−メチルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(6−ブロモ−2−メチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(3−クロロ−4,6−ジメチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(6−ブロモ−4,5−ジメチルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2−クロロ−3,5,6−トリメチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4−クロロ−6−イソプロピルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(6−クロロ−4−trert−ブチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4−クロロ−3−メチル−6−イソプロピルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4−クロロ−6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4,6−ジクロロ−3−メチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(6−ニトロ−4−tert−ブチルフェノール)、2,2’−イソプロピリデンビス(5−メチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2−メチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2−シクロヘキシルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジブロモフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2−ニトロフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジニトロフェノール)、4,4’−ブタンジイルビス(2−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビスフェノール、2,2’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−sec−ブチリデンビスフェノール、4,4’−sec−ブチリデンビス(3−メチルフェノール)、2,2’−sec−ブチリデンビス(3−メチル−6−イソプロピルフェノール)、2,2’−sec−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−イソブチリデンビスフェノール、4,4’−イソブチリデンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−(1,3−シクロヘキサンジイル)ビスフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2−クロロフェノール)、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2,6−ジクロロフェノール)、2,2’−チオビスフェノール、4,4’−チオビスフェノール、4,4’−チオビス(2−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4,5−ジメチルフェノール)、2,2’−チオビス(4,6−ジメチルフェノール)、4,4’−チオビス(2,6−ジメチルフェノール)、2,2’−チオビス(6−tertブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−フルオロフェノール)、2,2’−チオビス(4−クロロフェノール)、4,4’−チオビス(3−クロロフェノール)、2,2’−チオビス(4−クロロ−5−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4,6−ジクロロフェノール)、4,4’−チオビス(2−ブロモフェノール)、2,2’−チオビス(5−ニトロフェノール)、4,4’−スルフィニルビスフェノール、4,4’−スルフィニルビス(2−メチルフェノール)、4,4’−スルフィニルビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、4,4’−スルフィニルビス(2−クロロフェノール)、4,4’−スルフィニルビス(4−クロロフェノール)、2,2’−スルフィニルビス(4,6−ジクロロフェノール)、4,4’−スルフィニルビス(2−ブロモフェノール)、2,2’−スルホニルビスフェノール、4,4’−スルホニルビスフェノール、4,4’−スルホニルビス(2−メチルフェノール)、4,4’−スルホニルビス(2,5−ジメチルフェノール)、4,4’−スルホニルビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、4,4’−スルホニルビス(2−クロロフェノール)、4,4’−スルホニルビス(3−クロロフェノール)、4,4’−スルホニルビス(2−ブロモフェノール)、4,4’−スルホニルビス(2−ニトロフェノール)、1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジオール、2,2−ビス−(4−ヒドロキシナフチル)プロパン、ビス−(ヒドロキシナフチル)エーテル、2,2’−エタンジイルジメルカプトビスフェノール等が挙げられる。また、多価フェノールとして、例えば、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、カテコール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、3−エチルカテコール、4−エチルカテコール、3−n−プロピルカテコール、4−n−プロピルカテコール、3−(t−ブチル)カテコール、3−n−ペンチルカテコール、4−n−ペンチルカテコール、4−(1,1−ジメチルプロピル)カテコール、4−ヘキシルカテコール、4−シクロヘキシルカテコール、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)カテコール、4−ノニルカテコール、3,4−ジメチルカテコール、3,5−ジメチルカテコール、3,6−ジメチルカテコール、4,5−ジメチルカテコール、4−メチル−5−エチルカテコール、3−クロロカテコール、4−クロロカテコール、3−ブロモカテコール、4−ブロモカテコール、3−フルオロカテコール、4−フルオロカテコール、3,5−ジクロロカテコール、4,5−ジクロロカテコール、3,4−ジクロロカテコール、3,4−ジブロモカテコール、3,5−ジブロモカテコール、4,5−ジブロモカテコール、4−クロロ−5−ニトロカテコール、3−クロロ−6−メトキシカテコール、5−ブロモ−4−ニトロカテコール、4−ブロモ−5−メチルカテコール、3−ブロモ−5−(t−ブチル)カテコール、3,4,5−トリクロロカテコール、3,4,5−トリブロモカテコール、3,4,6−トリブロモカテコール、テトラクロロカテコール、テトラブロモカテコール、3−アミノカテコール、4−アミノカテコール、3−(2−アミノエチル)カテコール、4−(2−メチルアミノエチル)カテコール、4−(2−ジメチルアミノエチル)カテコール、4−(2−アミノエチル)カテコール、6−アミノ−4−(2−アミノエチル)カテコール、3−ニトロカテコール、3,4−ジニトロカテコール、4,5−ジニトロカテコール、3−ニトロ−6−メトキシカテコール、4−ニトロ−3−メトキシカテコール、5−ニトロ−3−メチルカテコール、4−メトキシカテコール、6−メトキシカテコール、3−プロピオキシカテコール、3−ブチロキシカテコール、3,4−
ジメトキシカテコール、3,6−ジメトキシカテコール、5−メトキシ−3−(t−ブチル)カテコール、3−エトキシ−(t−ブチル)カテコール、3,4,6−トリメトキシカテコール、レゾルシノール、2−クロロレゾルシノール、4−クロロレゾルシノール、5−クロロレゾルシノール、2,4−ジクロロレゾルシノール、4,6−ジクロロレゾルシノール、2,4,6−トリクロロレゾルシノール、2−ブロモ−4−クロロレゾルシノール、4−ブロモ−2−クロロレゾルシノール、4−クロロ−5−メチルレゾルシノール、6−クロロ−4−エチルレゾルシノール、2−クロロ−4−ブチルレゾルシノール、6−クロロ−4−ブチルレゾルシノール、6−クロロ−4−シクロヘキシルレゾルシノール、2,4−ジクロロ−5−メチルレゾルシノール、トリクロロレゾルシノール、2−ブロモレゾルシノール、4−ブロモレゾルシノール、5−ブロモレゾルシノール、2,4−ジブロモレゾルシノール、4,6−ジブロモレゾルシノール、2,4,6−トリブロモレゾルシノール、6−ブロモ−4−ブチルレゾルシノール、2−ヨードレゾルシノール、4−ヨードレゾルシノール、5−ヨードレゾルシノール、4,6−ジヨードレゾルシノール、2,4,6−トリヨードレゾルシノール、2−アミノレゾルシノール、5−アミノレゾルシノール、4−アミノ−2,5−ジメチルレゾルシノール、5−メルカプトレゾルシノール、5−メチルチオレゾルシノール、5−エチルチオレゾルシノール、5−プロピルチオレゾルシノール、5−ブチルチオレゾルシノール、2−ニトロレゾルシノール、4−ニトロレゾルシノール、5−ニトロレゾルシノール、2,4−ジニトロレゾルシノール、4,6−ジニトロレゾルシノール、2,4,6−トリニトロレゾルシノール、テトラニトロレゾルシノール、6−ニトロ−5−メトキシレゾルシノール、2−ニトロ−5−メトキシレゾルシノール、4−ニトロ−5−メトキシレゾルシノール、2,4−ジニトロ−5−メチルレゾルシノール、2,4,6−トリニトロ−5−メチルレゾルシノール、2−メトキシレゾルシノール、4−メトキシレゾルシノール、5−メトキシレゾルシノール、2,3−メトキシレゾルシノール、2,5−メトキシレゾルシノール、2−メトキシ−5−メチルレゾルシノール、5−メトキシ−4−メチルレゾルシノール、5−メトキシ−6−メチルレゾルシノール、5−エトキシレゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、2−エチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、5−エチルレゾルシノール、2−n−プロピルレゾルシノール、4−n−プロピルレゾルシノール、5−n−プロピルレゾルシノール、2−(2−プロペニル)レゾルシノール、4−(2−プロペニル)レゾルシノール、4−(1−メチルエテニル)レゾルシノール、4−(2−メチルエテニル)レゾルシノール、2−n−ブチルレゾルシノール、4−n−ブチルレゾルシノール、5−n−ブチルレゾルシノール、2−n−ブチルレゾルシノール、5−sec−ブチルレゾルシノール、4−tert−ブチルレゾルシノール、2−n−ペンチルレゾルシノール、4−n−ペンチルレゾルシノール、5−n−ペンチルレゾルシノール、4−(1−メチルブチル)レゾルシノール、5−(2−メチル−1−エチルプロピル)レゾルシノール、2−n−ヘキシルレゾルシノール、4−n−ヘキシルレゾルシノール、5−n−ヘキシルレゾルシノール、4−(4−メチルペンチル)レゾルシノール、5−(4−メチルペンチル)レゾルシノール、5−(1,1−ジメチルブチル)レゾルシノール、5−(1,2−ジメチルブチル)レゾルシノール、5−(1−メチル−1−ペンテニル)レゾルシノール、4−シクロヘキシルレゾルシノール、4−フェニルレゾルシノール、4−ヘプチルレゾルシノール、5−ヘプチルレゾルシノール、5−(1−メチルヘキシル)レゾルシノール、4−フェニルメチルレゾルシノール、2−オクチルレゾルシノール、4−オクチルレゾルシノール、5−オクチルレゾルシノール、4−(1−メチルヘプチル)レゾルシノール、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)レゾルシノール、4−(2−フェニルエチル)レゾルシノール、5−ノニルレゾルシノール、5−(1−メチルオクチル)レゾルシノール、5−(1,1−ジメチルヘプチル)レゾルシノール、5−(1,2−ジメチルヘプチル)レゾルシノール、5−(1,2,4−トリメチルヘキシル)レゾルシノール、4−デシルレゾルシノール、5−(1−メチルノニル)レゾルシノール、2,4−ジメチルレゾルシノール、2,5−ジメチルレゾルシノール、4,5−ジメチルレゾルシノール、4,6−ジメチルレゾルシノール、4−エチル−2−メチルレゾルシノール、5−エチル−2−メチルレゾルシノール、2−エチル−4−メチルレゾルシノール、5−エチル−4−メチルレゾルシノール、6−エチル−4−メチルレゾルシノール、5−エテニル−4−メチルレゾルシノール、2,4−ジメチルレゾルシノール、5−メチル−4−プロピルレゾルシノール、2−メチル−5−sec−ブチルレゾルシノール、4,6−ジ(イソプロピル)レゾルシノール、4−エチル−6−ペンチルレゾルシノール、4,6−ジ−(tert−ブチル)レゾルシノール、2,4,5−トリメチルレゾルシノール、2,4,6−トリメチルレゾルシノール、4,5,6−トリメチルレゾルシノール、4,6−ジメチル−5−sec−ブチルレゾルシノール、テトラメチルレゾルシノール、5−トリフルオロメチルレゾルシノール、ヒドロキノン、フェニルヒドロキノン、クロロヒドロキノン、メチルヒドロキノン、トリフルオロヒドロキノン、テトラフルオロヒドロキノン、2−クロロ−3−メトキシヒドロキノン、2−クロロ−5−メトキシヒドロキノン、2−クロロ−6−メトキシヒドロキノン、2,3−ジクロロヒドロキノン、2,5−ジクロロヒドロキノン、2,6−ジクロロヒドロキノン、トリクロロヒドロキノン、テトラクロロヒドロキノン、ブロモヒドロキノン、3−ブロモ−2,6−ジメチルヒドロキノン、2,5−ジブロモヒドロキノン、2,6−ジブロモヒドロキノン、トリブロモヒドロキノン、ヨードヒドロキノン、2,6−ジヨードヒドロキノン、テトラヨードヒドロキノン、ニトロヒドロキノン、2,6−ジニトロヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、2−メトキシ−3−メチルヒドロキノン、2−メトキシ−5−メチルヒドロキノン、3−メトキシ−2−メチルヒドロキノン、5−メトキシ−2−メチルヒドロキノン、2−メトキシ−6−プロピルヒドロキノン、2−メトキシ−5−プロペニルヒドロキノン、2,3−ジメトキシヒドロキノン、2,5−ジメトキシヒドロキノン、2,6−ジメトキシヒドロキノン、メルカプトヒドロキノン、メチルヒドロキノン、2−メチル−6−エチルヒドロキノン、2−メチル−5−イソプロピルヒドロキノン、2−メチル−5−シクロヘキシルヒドロキノン、2,3−ジメチルヒドロキノン、2,5−ジメチルヒドロキノン、2,6−ジメチルヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、テトラメチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、2,6−ジエチルヒドロキノン、ビニルヒドロキノン、n−プロピルヒドロキノン、イソプロピルヒドロキノン、1−プロペニルヒドロキノン、2−プロペニルヒドロキノン、2,5−ジイソプロピルヒドロキノン、4−ブチルヒドロキノン、2,3−ジ(tert−ブチル)ヒドロキノン、2,5−ジ(tert−ブチル)ヒドロキノン、2,6−ジ(tert−ブチル)ヒドロキノン、ヘキシルヒドロキノン、4−メチルペンチルヒドロキノン、シクロヘキシルヒドロキノン、4−フェニルメチルヒドロキノン、オクチルヒドロキノン等が挙げられる。これらのうち、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、1,1−ビス−(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコールが好ましく、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]がより好ましい。
【0021】
芳香族多価カルボン酸、その酸ハロゲン化物又は酸無水物としては、下記のものが挙げられる。芳香族ジカルボン酸として、例えば、フタル酸、フタル酸ジメチル、フタル酸ジフェニル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジ(シアノメチル)、イソフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジ(2,4−ジニトロフェニル)、イソフタル酸(1,1−ジオキソベンゾチオフェン−3−イル)、イソフタル酸ジ(3−ベンゾイソオキサゾリル)、イソフタル酸ジ(2−ベンゾチアゾリル)、イソフタル酸(1−ベンゾトリアゾリル)、ジチオイソフタル酸S,S’−ジプロピル、ジチオイソフタル酸S,S’−ジ(p−ニトロフェニル)、ジチオイソフタル酸S,S’−ジ(2−ベンゾオキサゾリル)、ジチオイソフタル酸S,S’−ジ(2−ベンゾチアゾリル)、4−メチルイソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、5−メチルイソフタル酸、5−メチルイソフタル酸ジメチル、4,5−ジメチルイソフタル酸、4,6−ジメチルイソフタル酸、4−クロロイソフタル酸、4−クロロイソフタル酸ジメチル、5−クロロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸ジメチル、4,6−ジクロロイソフタル酸、4,6−ジクロロイソフタル酸ジメチル、4−ブロモイソフタル酸、4,6−ジブロモイソフタル酸、4,6−ジブロモイソフタル酸ジメチル、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジ(シアノメチル)、テレフタル酸ジフェニル、テレフタル酸ジ(3−ベンゾイソオキサゾリル)、テレフタル酸ジ(2−ベンゾチアゾリル)、2−メチルテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸ジメチル、2,5−ジメチルテレフタル酸、2,6−ジメチルテレフタル酸、2,6−ジメチルテレフタル酸ジメチル、2−クロロテレフタル酸、2−クロロテレフタル酸ジメチル、2,5−ジクロロテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸ジメチル、テトラクロロテレフタル酸、テトラクロロテレフタル酸ジメチル、2−ブロモテレフタル酸、2−ブロモテレフタル酸ジメチル、2,5−ジブロモテレフタル酸、2,5−ジブロモテレフタル酸ジエチル、2,2’−ジフェニルジカルボン酸、3,3’−ジフェニルジカルボン酸、3,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、3,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,6−ナフタレンジカルボン酸ジフェニル、1,7−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,8−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,8−ナフタレンジカルボン酸ジフェニル、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,3−ナフタレンジカルボン酸ジフェニル、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジフェニル、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸ジフェニル、1,2−(9−オキソフルオレン)ジカルボン酸、1,2−(9−オキソフルオレン)ジカルボン酸ジメチル、1,5−(9−オキソフルオレン)ジカルボン酸ジメチル、1,6−(9−オキソフルオレン)ジカルボン酸、1,6−(9−オキソフルオレン)ジカルボン酸ジメチル、1,7−(9−オキソフルオレン)ジカルボン酸、1,7−(9−オキソフルオレン)ジカルボン酸ジメチル、2,3−(9−オキソフルオレン)ジカルボン酸、2,3−(9−オキソフルオレン)ジカルボン酸ジメチル、2,7−(9−オキソフルオレン)ジカルボン酸、2,7−(9−オキソフルオレン)ジカルボン酸ジメチル、1,4−アントラセンジカルボン酸、1,5−アントラセンジカルボン酸、1,5−アントラセンジカルボン酸ジエチル、1,8−アントラセンジカルボン酸、1,9−アントラセンジカルボン酸、2,3−アントラセンジカルボン酸、9,10−アントラセンジカルボン酸、9,10−アントラセンジカルボン酸ジメチル、1,2−アントラキノンジカルボン酸、1,2−アントラキノンジカルボン酸ジメチル、1,3−1,2−アントラキノンジカルボン酸、1,4−アントラキノンジカルボン酸、1,5−アントラキノンジカルボン酸、1,5−アントラキノンジカルボン酸ジメチル、1,5−アントラキノンジカルボン酸ジフェニル、1,6−アントラキノンジカルボン酸、1,7−アントラキノンジカルボン酸、1,8−アントラキノンジカルボン酸、2,3−アントラキノンジカルボン酸、2,7−アントラキノンジカルボン酸、2,3−ビフェニルジカルボン酸、2,3−ビフェニルジカルボン酸ジメチル、2,5−ビフェニルジカルボン酸、2,6−ビフェニルジカルボン酸、3,4−ビフェニルジカルボン酸、3,4−ビフェニルジカルボン酸ジメチル、3,4−ビフェニルジカルボン酸、3,4−ビフェニルジカルボン酸ジメチル、3,4−ビフェニルジカルボン酸,2,2’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ビフェニルジカルボン酸ジメチル、2,2’−ビフェニルジカルボン酸ジフェニル、2,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,4’−ビフェニルジカルボン酸ジメチル、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸ジメチル、3,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,4’−ビフェニルジカルボン酸ジメチル、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジメチル、4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジフェニル、1,5−ビフェニレンジカルボン酸、1,5−ビフェニレンジカルボン酸ジメチル、1,8−ビフェニレンジカルボン酸、1,8−ビフェニレンジカルボン酸ジメチル、2,6−ビフェニレンジカルボン酸、2,6−ビフェニレンジカルボン酸ジメチル、2,7−ビフェニレンジカルボン酸、2,7−ビフェニレンジカルボン酸ジメチル、2,2’−ジメチル4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジメチル4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジエチル、4,4’’−p−テルフェニルジカルボン、4,4’’’−p−クアテルフェニルジカルボン酸ジメチル、4,4’’’−p−クアテルフェニルジカルボン酸、2,2’−メチレン二安息香酸、2,2’−メチレン二安息香酸ジメチル、2,4’−メチレン二安息香酸、2,4’−メチレン二安息香酸ジメチル、3,3’−メチレン二安息香酸、4,4’−メチレン二安息香酸、4,4’−メチレン二安息香酸ジメチル、4,4’−イソプロピリデン二安息香酸、2,2’−ビベンジルジカルボン酸、2,2’−ベンジルジカルボン酸ジメチル、3,3’−ビベンジルジカルボン酸ジメチル、4,4’−ビベンジルジカルボン酸、4,4’−ビベンジルジカルボン酸ジメチル、2,2’−trans−スチルベンジカルボン酸、2,2’−trans−スチルベンジカルボン酸ジメチル、2,2’−trans−スチルベンジカルボン酸ジフェニル、2,4’−trans−スチルベンジカルボン酸、4,4’−trans−スチルベンジカルボン酸、4,4’−trans−スチルベンジカルボン酸、2,4’−trans−スチルベンジカルボン酸、4,4’−trans−スチルベンジカルボン酸、4,4’−trans−スチルベンジカルボン酸ジメチル、2,2’−トランジカルボン酸、2,2’−トランジカルボン酸ジメチル、2,4’−トランジカルボン酸、4,4’−トランジカルボン酸、4,4’−トランジカルボン酸ジメチル、プソイド−p−ジカルボキシ[2,2]パラシクロファン、4,4’−カルボニル二安息香酸、3,3’−オキシ二安息香酸、4,4’−オキシ二安息香酸、4,4’−オキシ二安息香酸ジメチル、4,4’−オキシ二安息香酸ジフェニル、4,4’−チオ二安息香酸、4,4’−スルホニル二安息香酸、4,4’−スルホニル二安息香酸ジメチル、3,3’−ジチオ二安息香酸、4,4’−ジチオ二安息香酸、4,4’−ジチオ二安息香酸ジエチル、2,2’−3,3’−ジチオ二安息香酸、2,2’−アゾベンゼンジカルボン酸、2,2’−アゾベンゼンジカルボン酸ジメチル、3,3’−アゾベンゼンジカルボン酸、3,3’−アゾベンゼンジカルボン酸ジメチル、4,4’−アゾベンゼンジカルボン酸、4,4’−アゾベンゼンジカルボン酸ジメチル、ホモフタル酸、ホモフタル酸ジメチル、ホモイソフタル酸、ホモイソフタル酸ジメチル、ホモテレフタル酸、ホモテレフタル酸ジメチル、o−フェニレン二酢酸、o−フェニレン二酢酸ジエチル、m−フェニレン二酢酸、m−フェニレン二酢酸ジエチル、p−フェニレン二酢酸、p−フェニレン二酢酸ジエチル、3,3’−o−フェニレンジプロピオン酸、3,3’−o−フェニレンジプロピオン酸ジエチル、3,3’−m−フェニレンジプロピオン酸、3,3’−m−フェニレンジプロピオン酸ジエチル、3,3’−p−フェニレンジプロピオン酸、3,3’−p−フェニレンジプロピオン酸ジエチル、2−カルボキシ桂皮酸、3−カルボキシ桂皮酸、4−カルボキシ桂皮酸、4−カルボキシ桂皮酸ジエチル、3t,3’t−o−フェニレンジアクリル酸、3t,3’t−o−フェニレンジアクリル酸ジメチル、3t,3’t−m−フェニレンジアクリル酸、3t,3’t−m−フェニレンジアクリル酸ジメチル、3t,3’t−p−フェニレンジアクリル酸、3t,3’t−p−フェニレンジアクリル酸ジメチル、m−フェニレンプロピオール酸、m−フェニレンプロピオール酸ジメチル、1,4−ナフタレン二酢酸、1,5−ナフタレン二酢酸、1,5−ナフタレン二酢酸ジメチル、3,3’−(1,4−ナフタレン)ジプロピオン酸、3,3’−(1,4−ナフタレン)ジプロピオン酸ジエチル、4,4’−ビフェニル二酢酸、4,4’−ビフェニル二酢酸ジエチル、3,3’−(4,4’−ビフェニル)ジプロピオン酸、3,3’−[4,4’−(メチレンジ−p−フェニレン)]ジプロピオン酸、4,4’−ビベンジル二酪酸、3,3’−(4,4’−ビベンジル)ジプロピオン酸、4,4’−(オキシジ‐p‐フェニレン)二酪酸、3,3’−[4,4’−(オキシジ−p−フェニレン)]ジプロピオン酸、3,3’−[4,4’−(オキシジ−p−フェニレン)]二酪酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,3−フランジカルボン酸、2,3−フランジカルボン酸ジメチル、2,4−フランジカルボン酸、2,4−フランジカルボン酸ジメチル、2,5−フランジカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸ジメチル、2,5−フランジカルボン酸ジフェニル、3,4−フランジカルボン酸、3,4−フランジカルボン酸ジメチル、3,4−ジフェニル−2,5−フランジカルボン酸、3,4−ジフェニル−2,5−フランジカルボン酸ジメチル、3,3’−(2,5−フラン)ジプロピオン酸、3,3’−(2,5−フラン)ジプロピオン酸ジメチル、2,5−cis−テトラヒドロフランジカルボン酸、2,5−cis−テトラヒドロフランジカルボン酸ジメチル、3,3’−(2,5−cis−テトラヒドロフラン)ジプロピオン酸、3,3’−(2,5−cis−テトラヒドロフラン)ジプロピオン酸ジエチル、2,3−チオフェンジカルボン酸、2,3−チオフェンジカルボン酸ジメチル、2,4−チオフェンジカルボン酸、2,4−チオフェンジカルボン酸ジメチル、2,5−チオフェンジカルボン酸、2,5−チオフェンジカルボン酸ジメチル、2,5−チオフェンジカルボン酸ジフェニル、3,4−チオフェンジカルボン酸、3,4−チオフェンジカルボン酸ジメチル、3,4−ジフェニル−2,5−チオフェンジカルボン酸、3,4−ジフェニル−2,5−チオフェンジカルボン酸ジメチル、2,5−チオフェン二酢酸、3,3’−(2,5−チオフェン)ジプロピオン酸、3,3’−(2,5−チオフェン)ジプロピオン酸ジエチル、2,5−cis−テトラヒド
ロチオフェンジカルボン酸、2,5−cis−テトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエチル、3,4−cis−テトラヒドロチオフェンジカルボン酸、3,4−cis−テトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジメチル、1,1−ジオキソ−2,5−cis−テトラヒドロチオフェンジカルボン酸、1,1−ジオキソ−2,5−cis−テトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエチル、2,6−4H−ピランジカルボン酸、4−オキソ−2,6−4H−ピランジカルボン酸、4−オキソ−2,6−4H−ピランジカルボン酸ジエチル、2,6−cis−テトラヒドロピランジカルボン酸、2,6−cis−テトラヒドロピランジカルボン酸ジメチル、2,6−cis−テトラヒドロチオピランジカルボン酸、2,6−cis−テトラヒドロチオピランジカルボン酸ジメチル、1,1−ジオキソ−2,6−cis−テトラヒドロチオピランジカルボン酸、1,1−ジオキソ−2,6−cis−テトラヒドロチオピランジカルボン酸ジメチル、2,8−ジベンゾフランジカルボン酸、2,8−ジベンゾフランジカルボン酸ジメチル、3,7−ジベンゾフランジカルボン酸、3,7−ジベンゾフランジカルボン酸ジメチル、4,6−ジベンゾフランジカルボン酸、4,6−ジベンゾフランジカルボン酸ジメチル、2,8−ジベンゾチオフェンジカルボン酸、5,5−ジオキソ−2,8−ジベンゾチオフェンジカルボン酸、9−オキソ−1,8−キサンテンジカルボン酸、9−オキソ−2,7−キサンテンジカルボン酸、9−オキソ−2,7−キサンテンジカルボン酸ジメチル、1,6−ジベンゾ[1,4]ジオキシンジカルボン酸、1,6−ジベンゾ[1,4]ジオキシンジカルボン酸ジメチル、2,7−ジベンゾ[1,4]ジオキシンジカルボン酸、2,7−ジベンゾ[1,4]ジオキシンジカルボン酸ジメチル、2,8−ジベンゾ[1,4]ジオキシンジカルボン酸、2,8−ジベンゾ[1,4]ジオキシンジカルボン酸ジメチル、1,6−フェノキサチインジカルボン酸、4,6−フェノキサチインジカルボン酸、4,6−フェノキサチインジカルボン酸ジメチル、10,10−ジオキソ−1,6−フェノキサインジカルボン酸、10,10−ジオキソ−1,6−フェノキサインジカルボン酸ジメチル、10,10−ジオキソ−1,9−フェノキサインジカルボン酸、10,10−ジオキソ−1,9−フェノキサインジカルボン酸ジメチル、10,10−ジオキソ−2,8−フェノキサインジカルボン酸、10,10−ジオキソ−2,8−フェノキサインジカルボン酸ジメチル、10,10−ジオキソ−4,6−フェノキサインジカルボン酸、2,7−チアントレンジカルボン酸、2,7−チアントレンジカルボン酸ジメチル、10,10−ジオキソ−1,9−チアントレンジカルボン酸、5,5,10,10−テトラオキソ−2,7−チアントレンジカルボン酸、5,5,10,10−テトラオキソ−2,7−チアントレンジカルボン酸ジメチル、10−オキソ−10−フェニル−2,8−フェノキサホスフィンジカルボン酸、9−オキサビシクロ[3,3,1]ノナン−2,6−ジカルボン酸ジメチル、9−オキサビシクロ[3,3,1]ノナン−2,6−ジカルボン酸ジフェニル、2,4,6,8−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−ジカルボン酸、2,4,6,8−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−ジカルボン酸ジメチル、2,4,6,8−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−二酢酸、2,4,6,8−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−二酢酸ジエチル、2,3−ピロ−ルジカルボン酸、2,3−ピロ−ルジカルボン酸ジメチル、2,4−ピロ−ルジカルボン酸、2,4−ピロ−ルジカルボン酸ジメチル、2,5−ピロ−ルジカルボン酸、2,5−ピロ−ルジカルボン酸ジメチル、1−メチル−2,5−ピロ−ルジカルボン酸、1−メチル−2,5−ピロ−ルジカルボン酸ジメチル、1−フェニル−2,5−ピロ−ルジカルボン酸、1−フェニル−2,5−ピロ−ルジカルボン酸ジメチル、3,4−ピロ−ルジカルボン酸、3,4−ピロ−ルジカルボン酸ジメチル、1−メチル−3,4−ピロ−ルジカルボン酸、1−メチル−3,4−ピロールジカルボン酸ジエチル、1−フェニル−3,4−ピロ−ルジカルボン酸、1−フェニル−3,4−ピロ−ルジカルボン酸ジエチル、3,5−ジメチル−2,4−ピロ−ルジカルボン酸ジエチル、2,5−ジメチル−3,4−ピロ−ルジカルボン酸、2,5−ジメチル−3,4−ピロ−ルジカルボン酸ジエチル、1,2,5−トリメチル−3,4−ピロ−ルジカルボン酸、1,2,5−トリメチル−3,4−ピロ−ルジカルボン酸ジエチル1−メチル−2,5−ピロール二酢酸、1−メチル−2,5−ピロール二酢酸ジメチル、3,3’−(2,5−ピロール)ジプロピオン酸ジメチル、3,3’−(1−メチル−2,5−ピロール)ジプロピオン酸、3,3’−(1−メチル−2,5−ピロール)ジプロピオン酸ジメチル、3,3’−(1−フェニル−2,5−ピロール)ジプロピオン酸ジエチル、1−メチル−2,5−cis−ピロリジンジカルボン酸ジエチル、1−フェニル−2,5−cis−ピロリジンジカルボン酸ジエチル、1−メチル−2,5−ピロリジン二酢酸ジエチル、3,3’−(1−メチル−2,5−ピロリジン)ジプロピオン酸、3,3’−(1−メチル−2,5−ピロリジン)ジプロピオン酸ジエチル、2,5−インドールジカルボン酸ジエチル、2,6−インドールジカルボン酸、2,6−インドールジカルボン酸ジエチル、9−メチル−1,8−カルバゾールジカルボン酸、2,6−カルバゾールジカルボン酸、2,6−カルバゾールジカルボン酸ジエチル、3,6−カルバゾールジカルボン酸、3,6−カルバゾールジカルボン酸ジエチル、9−メチル−3,6−カルバゾールジカルボン酸、9−メチル−3,6−カルバゾールジカルボン酸ジエチル、3,4−ピラゾールジカルボン酸、3,4−ピラゾールジカルボン酸ジメチル、2−メチル−3,4−ピラゾールジカルボン酸、1−フェニル−3,4−ピラゾールジカルボン酸、1−フェニル−3,4−ピラゾールジカルボン酸ジメチル、2−フェニル−3,4−ピラゾールジカルボン酸、2−フェニル−3,4−ピラゾールジカルボン酸ジメチル、3,5−ピラゾールジカルボン酸、3,5−ピラゾールジカルボン酸ジメチル、1−メチル−3,5−ピラゾールジカルボン酸、1−メチル−3,5−ピラゾールジカルボン酸ジメチル、1-フェニル−3,5−ピラゾールジカルボン酸、1-フェニル−3,5−ピラゾールジカルボン酸ジメチル、4,5−イミダゾールジカルボン酸、4,5−イミダゾールジカルボン酸ジフェニル、1−メチル−4,5−イミダゾールジカルボン酸、1−メチル−4,5−イミダゾールジカルボン酸ジメチル、1−フェニル−4,5−イミダゾールジカルボン酸、1−フェニル−4,5−イミダゾールジカルボン酸ジエチル、2,3‐ピリジンジカルボン酸、2,3−ピリジンジカルボン酸ジメチル、2,3−ピリジンジカルボン酸ジフェニル、2,4−ピリジンジカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸ジメチル、2,4−ピリジンジカルボン酸ジフェニル、2,5−ピリジンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル、2,5−ピリジンジカルボン酸ジフェニル、2,6−ピリジンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸ジメチル、2,6−ピリジンジカルボン酸ジフェニル、3,4−ピリジンジカルボン酸、3,4−ピリジンジカルボン酸ジメチル、3,5−ピリジンジカルボン酸、3,5−ピリジンジカルボン酸ジフェニル、2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸、2,4,6−トリメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸、2,5−ピペリジンジカルボン酸ジメチル、2,3−ピペリジンジカルボン酸ジエチル、2,6−cis−ピペリジンジカルボン酸、2,6−cis−ピペリジンジカルボン酸ジメチル、1−メチル−2,6−cis−ピペリジンジカルボン酸、1−メチル−2,6−cis−ピペリジンジカルボン酸ジメチル、3,5−ピペリジンジカルボン酸ジエチル、2,6−cis−ピペリジン二酢酸、1−メチル−2,6−cis−ピペリジン二酢酸、1−メチル−2,6−cis−ピペリジン二酢酸ジエチル、2,3−キノリンジカルボン酸、2,3−キノリンジカルボン酸ジメチル、2,4−キノリンジカルボン酸、2,4−キノリンジカルボン酸ジメチル、2,6−キノリンジカルボン酸、3,7−キノリンジカルボン酸、4,8−キノリンジカルボン酸、4,8−キノリンジカルボン酸ジメチル、5,6−キノリンジカルボン酸、5,6−キノリンジカルボン酸ジメチル、5,8−キノリンジカルボン酸、6,7−キノリンジカルボン酸、6,7−キノリンジカルボン酸ジメチル、6,8−キノリンジカルボン酸、7,8−キノリンジカルボン酸、2,2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸、2,2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸ジメチル、2,2’−ビピリジン−5,5’−ジカルボン酸、2,2’−ビピリジン−5,5’−ジカルボン酸ジメチル、2,2’−ビピリジン−6,6’−ジカルボン酸、3,3’−ビピリジン−2,2’−ジカルボン酸ジメチル、4,5−ピリダジンジカルボン酸、4,5−ピリミジンジカルボン酸、4,6−ピリミジンジカルボン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸ジメチル、2,5−ピラジンジカルボン酸、2,5−ピラジンジカルボン酸ジメチル、2,5−ピラジンジカルボン酸ジフェニル、2,6−ピラジンジカルボン酸、2,6−ピラジンジカルボン酸ジメチル、1,4−ピペラジン二酢酸ジメチル、3,3’−(1,4−ピペラジン)ジプロピオン酸ジメチル、1,6−フェナジンジカルボン酸、1,6−フェナジンジカルボン酸ジメチル等が挙げられる。この内、主鎖中にアルキレン鎖を含まない剛直な分子構造からなる全芳香族多価カルボン酸、例えば、フタル酸類、テレフタル酸類、イソフタル酸類、ビフェニルジカルボン酸類、ナフタレンジカルボン酸類、オキソフルオレンジカルボン酸類、アントラセンジカルボン酸類、アントラキノンジカルボン酸類、ビフェニレンジカルボン酸類、テルフェニルジカルボン酸類、クアテルフェニルジカルボン酸類、アゾベンゼンジカルボン酸類、フランジカルボン酸類、チオフェンジカルボン酸類、ピランジカルボン酸類、ジベンゾフランジカルボン酸類、ジベンゾチオフェンジカルボン酸類、キサンテンジカルボン酸類、ジベンゾ[1,4]ジオキシンジカルボン酸類、フェノキサチインジカルボン酸類、チアントレンジカルボン酸類、フェノキサホスフィンジカルボン酸類、ピロールジカルボン酸類、インドールジカルボン酸類、カルバゾールジカルボン酸類、ピラゾールジカルボン酸類、イミダゾールジカルボン酸類、ピリジンジカルボン酸類、キノリンジカルボン酸類、ビピリジンジカルボン酸類、ピリミジンジカルボン酸類、ピラジンジカルボン酸類、フェナジンジカルボン酸類等が挙げられる。また、上記の芳香族ジカルボン酸の酸ハロゲン化物又は酸無水物を使用することもできる。芳香族ジカルボン酸の酸ハロゲン化物としては、例えば、二塩化フタロイル、二塩化ナフトイル等が挙げられる。これらのうち、好ましくは二塩化フタロイル、例えば、二塩化イソフタロイル又は二塩化テレフタロイルが使用される。
【0022】
好ましく使用される末端封止剤としては、特開2007−320989号に記載されたものを挙げることができる。例えば、式:X−C(O)−Rで示されるものを使用することができる。ここで、Xはハロゲン、好ましくは塩素、臭素又はヨウ素、より好ましくは塩素又は臭素である。また、Rは、炭素数1〜22個の直鎖又は分岐のアルキル基、好ましくは炭素数1〜10個の直鎖又は分岐のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜8個の直鎖又は分岐のアルキル基であり得る。これらとして、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、t‐ブチル基等が挙げられる。Rはまた、炭素数6〜30個、好ましくは炭素数6〜24個、より好ましくは炭素数6〜18個のアリール基であり得る。これらとしてはフェニル基のほか、複数の環が縮合し たもの、例えば、ナフチル基、アントラニル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、ピレニル基等が挙げられ、又は複数の環が炭素・炭素結合で結合したもの、例えば、ビフェニル基、ターフェニル基等が挙げられる。また、Rは、上記のアルキル基とアリール基とから成るアルカリール基若しくはアラルキル基であり得、例えば、ベンジル基、トリル基、キシリル基、ブチルフェニル基、ドデシルフェニル基等が挙げられる。加えて、Rは、これらのアルキル基、アリール基、アルカリール基及びアラルキル基の少なくとも一つの水素が、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アルコキシル基(−OR)、メルカプ ト基(−SH)、スルフェナト基(−SO−R)、スルフィナト基(−OSO−R)、スルホ基(−SOOH)、アルコキシカルボニル基(−COOR)、アシル基(−CO−R)、アルコキシスルフィニル基(−SO−OR)、アルキルチオカルボニル基(−CO−SR)、チオスルホ基(−SOOR)、シアノ基(−CN)、チオシアノ基(−S−CN)、イソシアノ基(−NC)、イソシアナト基(−N=C=O)、イソチオシアナト基(−N=C=S)又はニトロ基(−NO)により置換されている基であり得る。しかし、これに限定されるものではない。ここで、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルコキシスル フィニル基及びアルキルチオカルボニル基が有するアルキル基は、好ましくは炭素数1〜8個、より好ましくは1〜4個、更に好ましくは1〜2個である。
【0023】
本発明の芳香族ポリエステル樹脂組成物は、上記の多価フェノール残基と、芳香族多価カルボン酸、その酸ハロゲン化物又は酸無水物の残基とを含む芳香族ポリエステル及び上記本発明の芳香族ポリエステル用改質剤を含む。芳香族ポリエステル用改質剤の含有量の上限は、芳香族ポリエステル100質量部に対して、好ましくは50質量部、より好ましくは40質量部、更に好ましくは30質量部、より更に好ましくは20質量部であり、下限は、好ましくは1質量部、より好ましくは5質量部、更に好ましくは7質量部、より更に好ましくは10質量部である。上記上限を超えては、芳香族ポリエステル樹脂組成物の透明性が低下し、上記下限未満では、芳香族ポリエステル樹脂組成物の流動性を十分に高めることができない。本発明の芳香族ポリエステル樹脂組成物は、レンズ、光学素子、ディスプレイ基板、光ファイバー等の光学材料に有用であり、とりわけ、光ファイバーに有用である。
【0024】
以下の実施例において、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0025】
(実施例)
芳香族ポリエステル樹脂改質剤
実施例において使用した芳香族エステル樹脂改質剤は、下記の合成実施例1〜5において製造した物質である。
【0026】
[合成実施例1]
ガラス製丸底フラスコに、水500ミリリットル、水酸化ナトリウム22.1グラム(0.55モル)及び6−t−ブチル−2−メチルフェノール86.2グラム(0.525モル)を加え、窒素雰囲気下に室温で30分間攪拌して均一溶液を得た。該溶液に臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム403ミリグラム(1.25ミリモル)を加え、同じく室温で10分間攪拌した。次いで、該溶液に、ジクロロメタン400ミリリットルに二塩化フタロイル50.5グラム(0.25モル)を溶解した溶液を7分間かけて滴下し、更に、1時間攪拌を継続してエステル化を完了した。得られた反応混合物を分液ロートに移し水層を除去した。有機層を、0.1規定の苛性ソーダ溶液を200ミリリットルずつ使用して2回洗浄し、続いて、水を200ミリリットルずつ使用して3回洗浄した。次いで、得られた溶液に無水硫酸ナトリウム約50グラムを加えて十分に乾燥した。乾燥後、無水硫酸ナトリウムをろ過により除去し、95%エタノール250ミリリットルを加え、ロータリーエバポレーターを使用して大気圧下にジクロロメタンを留去した。次いで、室温で放置して析出した白色結晶を減圧濾過により回収した。得られた白色粗結晶をジクロロメタン500ミリリットルに溶解し、再度、95%エタノール250ミリリットルを加え、同一の操作により再結晶させた。回収した白色結晶は合計86.0グラム(収率75%)であった。得られた白色結晶は、ビス(6−t−ブチル−2−メチルフェニル)フタレート(改質剤1)であり、その融点は、融点測定用細管と加熱媒体としてのシリコーンオイルとを使用する方法により測定したところ、156〜157℃であった。
【0027】
[合成実施例2]
二塩化フタロイルに代えて二塩化イソフタロイルを使用し、かつ6−t−ブチル−2−メチルフェノール86.2グラム(0.525モル)に代えて4−t−ブチルフェノール78.9グラム(0.525モル)を使用した以外は、上記の合成実施例1と同一に実施した。回収した白色結晶は合計102.3グラム(収率95%)であった。得られた白色結晶は、ビス(4−t−ブチルフェニル)イソフタレート(改質剤2)であり、その融点は159〜160℃であった。
【0028】
[合成実施例3]
二塩化フタロイルに代えて二塩化テレフタロイルを使用し、かつ6−t−ブチル−2−メチルフェノール86.2グラム(0.525モル)に代えて4−t−ブチルフェノール78.9グラム(0.525モル)を使用した以外は、上記の合成実施例1と同一に実施した。回収した白色結晶は合計106.5グラム(収率99%)であった。得られた白色結晶は、ビス(4−t−ブチルフェニル)テレフタレート(改質剤3)であり、その融点は216〜220℃であった。
【0029】
[合成実施例4]
6−t−ブチル−2−メチルフェノール86.2グラム(0.525モル)に代えて2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]57.1グラム(0.25モル)を使用し、かつ二塩化フタロイル50.5グラム(0.25ミリモル)に代えて塩化4−t−ブチルペンゾイル103.3グラム(0.525モル)を使用した以外は、上記の合成実施例1と同一に実施した。回収した白色結晶は合計133.0グラム(収率97%)であった。得られた白色結晶は、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジ−4−t−ブチルベンゾエート(改質剤4)であり、その融点は166〜168℃であった。
【0030】
[合成実施例5]
6−t−ブチル−2−メチルフェノール86.2グラム(0.525モル)に代えて2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]57.1グラム(0.25モル)を使用し、かつ二塩化フタロイル50.5グラム(0.25ミリモル)に代えて塩化ピバロイル63.3グラム(0.525モル)を使用した以外は、上記の合成実施例1と同一に実施した。回収した白色結晶は合計94.1グラム(収率95%)であった。得られた白色結晶は、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジ−2,2’−ジメチルプロピオネート(改質剤5)であり、その融点は123〜125℃であった。
【0031】
芳香族ポリエステル樹脂
芳香族ポリエステル樹脂及びその組成物の各性質は下記のようにして測定した。
【0032】
<ガラス転移温度(Tg、℃)>
示差熱分析装置(ブルカー・エイエックス株式会社製、DSC−3100S型)を使用して測定した。測定に使用した試料はペレットである。測定は窒素雰囲気下で行った。
【0033】
<メルトフローレート(MFR、g/10min)>
メルトインデクサー[株式会社東洋精機製作所製メルトインデクサーF−W01(商標)]を使用して測定した。測定条件は260℃、10.0kg荷重である。
【0034】
<X線回折>
X線回折装置[リガク株式会社製RINT2000(商標)]を使用して、熱溶融押出し試料(押出し条件:溶融温度260℃、荷重10.0kg)について測定した。
【0035】
[芳香族ポリエステル樹脂の製造]
ガラス製三角フラスコにジクロロメタン1,000ミリリットルを入れ、更に、塩化ベンゾイル2.98グラム(21.2ミリモル)、二塩化イソフタロイル15.37グラム(75.7ミリモル)及び二塩化テレフタロイル15.37グラム(75.7ミリモル)を加えて、十分に攪拌して溶解した。
【0036】
一方、ガラス製丸底フラスコに水1,100ミリリットルを入れ、更に、水酸化ナトリウム13.3グラム(0.33モル)及び、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]38.0グラム(166.6ミリモル)を加えて、室温で30分間攪拌して溶解した。その後、更に、触媒としての臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム12.2ミリグラム(0.038ミリモル)を加えて、同じく室温で30分間攪拌した。
【0037】
次いで、前者の三角フラスコ中の物質全量を、後者の丸底フラスコ中に加えて、室温で30分間攪拌混合して反応させた。反応終了後、水層を除去し、有機層を分液ロートに移した。次いで、該分液ロートに水1,000ミリリットルを加えて攪拌洗浄した後、静置して、有機層を分離した。この洗浄操作を3回繰り返した。得られた有機層をメタノールと水との混合溶液(体積比で9:1)に攪拌下に加えた。析出したポリマーを集め乾燥した。得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は33,000であり、ガラス転移温度(Tg)は193℃であり、かつメルトフローレート(MFR)は1.8g/10minであった。
【0038】
[実施例1〜5]
上記のようにして製造された芳香族ポリエステル樹脂に、改質剤1〜5を、夫々、10重量%加えた。得られた芳香族ポリエステル樹脂組成物について、ガラス転移温度、メルトフローレート及びX線回折を測定した。ガラス転移温度及びメルトフローレートの結果を表1に示す。また、X線回折測定の結果を図1に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
実施例1〜3は、夫々、改質剤として、ビス(6−t−ブチル−2−メチルフェニル)フタレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)イソフタレート及びビス(4−t−ブチルフェニル)テレフタレートを使用したものである。いずれも改質剤を添加していない比較例1の芳香族ポリエステルと比較して、メルトフローレートは著しく増加した。また、ガラス転移温度は多少低下したが、例えば、光学用途に使用するに際して妨げとなるものではなかった。実施例4及び5は、夫々、改質剤として、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジ−4−t−ブチルベンゾエート及び4,4’−イソプロピリデンジフェノールジ−2,2’−ジメチルプロピオネートを使用したものである。いずれも改質剤を添加していない比較例1の芳香族ポリエステルと比較して、メルトフローレートは著しく増加し、かつガラス転移温度の低下も小さいものであった。一方、比較例1では、メルトフローレートが実施例1〜5と比較して低かった。従って、実施例1〜5の芳香族ポリエステル樹脂組成物と比較して、成形時により高温にする必要があり、実施例1〜5の芳香族ポリエステル樹脂組成物からの成形品には認められない僅かな着色が認められた。
【0041】
図1には、実施例1〜5の芳香族ポリエステル樹脂組成物及び比較例1の芳香族ポリエステルのX線回折結果を示した。該結果から、改質剤1〜5を添加した実施例1〜5の芳香族ポリエステル樹脂組成物においては、改質剤を添加していない比較例1に比べて、非晶性の度合いがより高いことが分かった。また、図2には、改質剤1の添加量を、上記の芳香族ポリエステル樹脂100質量部に対して、10〜50質量部の範囲で変化させて得た芳香族ポリエステル樹脂組成物及び比較例1の芳香族ポリエステルのX線回折結果を示した。該結果から、改質剤1の添加量を多くするとより非晶性の度合いが高くなることが分かった。また、改質剤1の添加量が、50質量部では多少結晶性の度合いが高くなったことが分かった。結晶性の度合いが高くなると、芳香族ポリエステル樹脂組成物の透明性の度合いが低くなることから、改質剤1の添加量は50質量部以下が好ましいと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の芳香族ポリエステル用改質剤は、芳香族ポリエステルの耐熱性を著しく低下させることなく、芳香族ポリエステルの溶融流動性を高めることができる。従って、本発明の芳香族ポリエステル用改質剤を含む芳香族ポリエステル樹脂組成物は、成形時の着色が殆どない。よって、本発明の芳香族ポリエステル用改質剤及びそれを含む芳香族ポリエステル樹脂組成物は、レンズ、光学素子、ディスプレイ基板、光ファイバー等の光学材料、とりわけ、光ファイバーに有用である。
【符号の説明】
【0043】
1 実施例1の芳香族ポリエステル樹脂組成物のX線回折
2 実施例2の芳香族ポリエステル樹脂組成物のX線回折
3 実施例3の芳香族ポリエステル樹脂組成物のX線回折
4 実施例4の芳香族ポリエステル樹脂組成物のX線回折
5 実施例5の芳香族ポリエステル樹脂組成物のX線回折
6 比較例1の芳香族ポリエステル樹脂組成物のX線回折
10 改質剤1の添加量が10質量部の芳香族ポリエステル樹脂組成物のX線回折
20 改質剤1の添加量が20質量部の芳香族ポリエステル樹脂組成物のX線回折
30 改質剤1の添加量が30質量部の芳香族ポリエステル樹脂組成物のX線回折
40 改質剤1の添加量が40質量部の芳香族ポリエステル樹脂組成物のX線回折
50 改質剤1の添加量が50質量部の芳香族ポリエステル樹脂組成物のX線回折

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多価フェノール残基と、芳香族多価カルボン酸、その酸ハロゲン化物又は酸無水物の残基とを含む芳香族ポリエステルに使用する改質剤であって、該改質剤が、
下記式(I)
−Ar−W−Ar− (I)
[式(I)中、Arは、夫々独立して、フェニレン基又はナフチレン基を示し、これらの基は、夫々独立して、炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルキル基、炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、−SR基(ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)、及び−R−NR基(ここで、Rは、夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Rは存在していなくてもよい)より成る群から選ばれる一以上の基及び/又は原子で置換されていてよく、かつ、xは0又は1であり、xが1であるとき、Wは、炭素数1〜30の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルキレン基、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基又はスルホニル基を示し、xが0であるとき、2個のArが、夫々のAr中に含まれる1個の炭素原子により相互に共有結合をしている]
及び
下記式(II)
−Ar− (II)
[式(II)中、Arは、フェニレン基又はナフチレン基を示し、該基は、炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルキル基、炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の鎖状又は環状アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、−SR基(ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)、−R−NR基(ここで、Rは、夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Rは存在していなくてもよい)、及び炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基より成る群から選ばれる一以上の基及び/又は原子で置換されていてよい]
で示される2価の基より成る群から選ばれる基に、
下記式(III)
【化1】

(式(III)中、R、R及びRは、夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜5の飽和若しくは不飽和の鎖状アルキル基を示す)
及び
下記式(IV)
−O−C(O)−R (IV)
(式(IV)中、Rは、炭素数1〜5の飽和若しくは不飽和の鎖状アルキル基を示す)
で示される1価の基より成る群から選ばれる、同一の又は異なる2個の基が結合した構造を有する物質
から選ばれることを特徴とする芳香族ポリエステル用改質剤。
【請求項2】
式(I)中、Arは、いずれもフェニレン基を示し、これらの基は、夫々独立して、炭素数1〜4の飽和の鎖状アルキル基で置換されていてよく、かつ、xは1であり、Wは、炭素数1〜4の飽和の鎖状アルキレン基を示し、かつ
式(II)中、Arはフェニレン基を示し、該基は、炭素数1〜4の飽和の鎖状アルキル基で置換されていてよい、請求項1記載の芳香族ポリエステル用改質剤。
【請求項3】
式(I)中、Arは、いずれもフェニレン基を示し、かつ、xは1であり、Wは、炭素数1〜3の飽和の鎖状アルキレン基を示し、かつ
式(II)中、Arはフェニレン基を示す、請求項1記載の芳香族ポリエステル用改質剤。
【請求項4】
該改質剤が、ジフェニルフタレート、ジフェニルイソフタレート、ジフェニルテレフタレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)フタレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)イソフタレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)テレフタレート、ビス(6−t−ブチル−2−メチルフェニル)フタレート、ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェニル)イソフタレート、ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェニル)テレフタレート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジ−4−t−ブチルベンゾエート及び4,4’−イソプロピリデンジフェノールジ−2,2’−ジメチルプロピオネートより成る群から選ばれる請求項1記載の芳香族ポリエステル用改質剤。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の芳香族ポリエステル用改質剤を含む芳香族ポリエステル樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の芳香族ポリエステル用改質剤を、芳香族ポリエステル100質量部に対して1〜50質量部含む芳香族ポリエステル樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の芳香族ポリエステル用改質剤を、芳香族ポリエステル100質量部に対して10〜20質量部含む芳香族ポリエステル樹脂組成物。
【請求項8】
光学材料用の請求項5〜7のいずれか一つに記載の芳香族ポリエステル樹脂組成物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−190334(P2011−190334A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56820(P2010−56820)
【出願日】平成22年3月13日(2010.3.13)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成21年9月1日 社団法人 高分子学会発行の「高分子学会予稿集 58巻2号 〔2009〕」に発表
【出願人】(504193837)国立大学法人室蘭工業大学 (70)
【出願人】(000111085)ニッタ株式会社 (588)
【Fターム(参考)】