説明

芳香族炭化水素のアルキル化用触媒

芳香族化合物のアルキル化又はトランスアルキル化のための触媒を開示する。触媒は、表面非骨格アルミニウム及び骨格アルミニウムを含んでなる酸性ゼオライト触媒を有機二塩基酸と、約2:1−約20:1の範囲の触媒:酸の質量比及び約50−約100℃の範囲の温度において接触させて、表面非骨格アルミニウムの少なくとも一部を選択的に除去することを含む方法によって製造された酸処理したゼオライト触媒である。得られた触媒は、ベンゼンのプロピレンによるクメンを形成するアルキル化反応に関する一次速度常数(kcum)少なくとも2.0cm2/s gを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示する具体例は、一般に、芳香族化合物のオレフィン、アルコール及び/又はハロゲン化アルキルによるアルキル化又はトランスアルキル化法に係る。他の態様では、ここに開示する具体例は、芳香族化合物のアルキル化又はトランスアルキル化のための触媒の製法に係る。
【背景技術】
【0002】
アルキル化は、一般に、有機化合物へのアルキル基の付加を生ずる1種の化学反応である。エチレン、プロピレン、及びブチレンのようなオレフィンは、しばしば、アルキル化誘導体の合成において使用される周知のアルキル化剤である。ベンゼンのアルキル化は、燃料のオクタン価を増大させるため及び高価な化学原料を製造するために使用される商業的に重要なプロセスである。例えば、ベンゼンのエチレンによるアルキル化はエチルベンゼン(続いて、スチレンに転化される)を製造するために使用される。同様に、ベンゼンのプロピレンによるアルキル化は、クメン(続いて、フェノール及びアセトンに転化される)を製造するために使用される。
【0003】
代表的なベンゼンのアルキル化反応を下記に示す。
【化1】

【0004】
アルキル化技術(石油化学工業において、さらに広く利用されている)は、リン酸系の触媒の使用を含む。より新しい技術は、ゼオライトモレキュラーシーブ触媒のような無公害、非腐食性の、再生可能な物質を使用している。米国特許第4,371,714号及び第4,469,908号は、固定床においてモレキュラーシーブ触媒を使用する芳香族化合物のストレートパスアルキル化を開示している。しかし、アルキル化反応においてゼオライト触媒を使用することによって生ずる2つの主な課題:すなわち、コーキング及び毒作用によるゼオライト触媒の迅速な脱活性化及び高収量のアルキル化副生物がある。アルキル化及びトランスアルキル化におけるゼオライト触媒の使用を検討している他の特許としては、中でも、米国特許第5,118,897号、第4,083,886号及び第4,891,458号がある。
【0005】
天然及び合成のゼオライト物質の両方が、上述のアルキル化を含む各種のタイプの炭化水素の転化に関する触媒特性を有していることが示されている。そのプロセス性能を改善するために、これら物質を脱アルミニウム化することがしばしば有利である。脱アルミニウムによって一般的に改善される性能としては、生成物の選択率、生成物の品質及び触媒の安定性がある。
【0006】
ゼオライトの脱アルミニウムに関する従来の技術としては、熱水処理、HCl、HNO3及びH2SO4による無機酸処理、及びSiCl4又はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)による化学処理ある。多くのケースでは、処理は、結晶分解の開始及び収着能力の損失により、脱アルミニウムの程度において限定される。米国特許第4,419,220号は、HCl溶液による処理を解するゼオライトβの脱アルミニウムが、約200−300のSiO2/Al2O3比に制限され、これを越えると、ゼオライトの結晶性に関する顕著なロスが観察されることを開示している。
【0007】
米国特許第3,442,795号には、ソルボリシス、例えば、加水分解、及び続くキレート化によって、結晶性のアルミノシリケートから高度にケイ酸を含有するゼオライトタイプの物質を製造する方法が開示されている。この方法では、アルミノシリケートからアルミニウムを除去するために、ゼオライトの酸形を加水分解に供する。ついで、エチレンジアミン四酢酸又はカルボン酸のような錯化剤又はキレート剤を使用することによって、アルミニウムを物理的に分離して、アルミニウム錯体(アルミニウム錯体は、アルミノシリケートから容易に除去される)を形成する。開示された実施例は、EDTAを使用して、アルミナを除去するものである。
【0008】
ヨーロッパ特許第0 259 526号には、ECR-17の製造における脱アルミニウムの使用が開示されている。好適な脱アルミニウム法は、水蒸気処理及び酸浸出の組み合わせ、又はハロゲン化ケイ素による化学処理を含む。使用する酸は、好ましくは、HCl、HNO3又はH2SO4のような無機酸であるが、ギ酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、酒石酸等のような弱い酸でも良い。
【0009】
米国特許第5,310,534号には、ギ酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、硫酸、及び硝酸のような強無機又は有機酸を使用するゼオライトの脱アルミニウムが開示されている。
【0010】
米国特許第5,874,647号には、高温において、水及び不活性成分を含むガスにて触媒を熱水処理し、続いて、触媒を、硝酸、シュウ酸、塩酸、メタンスルホン酸、フルオロスルホン酸、及びフッ化水素酸のような酸にて処理することを含むゼオライト触媒の製法が開示されている。
【0011】
米国特許第6,620,402号には、Al3+イオンの除去によって得られるような、ゼオライト骨格又は結晶構造の除去によるゼオライトの脱アルミニウムを含む方法が開示されている。脱アルミニウム化剤としては、無機酸、多価酸、及びアルミニウム含有剤のようなキレート剤が含まれる。
【0012】
ゼオライトからのアルミニウム抽出を開示する他の各種特許としては、米国特許第4,954,243号、第5,242,676号、第5,200,168号、第5,304,695号、第5,567,666号、第5,929,295号、第6,025,293号、第5,723,710号及び第5,321,194号が含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
多くの従来技術による脱アルミニウム法において使用される条件によって、結果として、触媒内の高酸性度骨格アルミニウムサイトが失われ、これにより、さらに、触媒の酸性度が失われる。従って、アルミナ(非骨格アルミニウム)の一部のみを選択的に除去して、ゼオライト構造に含有される強酸性サイトへのアクセシビリティーを増大させることができる脱アルミニウム法についての要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
1態様では、ここに開示する具体例は、酸性ゼオライト触媒の酸性度を改善する方法であって、表面非骨格アルミニウム及び骨格アルミニウムを含んでなる酸性ゼオライト触媒を有機二塩基酸と、約2:1−約20:1の範囲の触媒:酸の質量比及び約50−約100℃の範囲の温度において、約2時間以下の時間で接触させて、表面非骨格アルミニウムの少なくとも一部を選択的に除去し、これによって、選択的に脱アルミニウム化したゼオライト触媒を形成することを含む方法に係る。選択的に脱アルミニウム化されたゼオライト触媒は、ベンゼンのプロピレンによるクメンを形成するアルキル化反応に関する測定された一次速度常数(kcum)少なくとも2.0cm3/s gを有することができる。
【0015】
他の態様では、ここに開示する具体例は、芳香族炭化水素のアルキル化又はトランスアルキル化する方法であって、a)少なくとも1つのC6+芳香族炭化水素及びb)オレフィン、アルコール及びハロゲン化アルキルの少なくとも1つと、c)酸処理したゼオライト触媒とを、アルキレート生成物及びトランスアルキレート生成物の少なくとも1つを生成する温度及び圧力条件下で接触させることを含んでなり、ここで、酸処理したゼオライト触媒が、表面非骨格アルミニウム及び骨格アルミニウムを含んでなる酸性ゼオライト触媒を有機二塩基酸と、約2:1−約20:1の範囲の触媒:酸の質量比及び約50−約100℃の範囲の温度において接触させて、表面非骨格アルミニウムの少なくとも一部を選択的に除去することを含んでなる方法によって調製されたものであることを特徴とする方法に係る。
【0016】
他の態様では、ここに開示する具体例は、芳香族炭化水素のアルキル化又はトランスアルキル化に有用な触媒であって、前記触媒が、表面非骨格アルミニウム及び骨格アルミニウムを含んでなる酸性ゼオライト触媒を有機二塩基酸と、約2:1−約20:1の範囲の触媒:酸の質量比及び約50−約100℃の範囲の温度において接触させて、表面非骨格アルミニウムの少なくとも一部を選択的に除去することを含んでなる方法によって調製された酸処理したゼオライト触媒を含んでなるものである触媒に係る。
【0017】
他の態様及び利点は、下記の記載及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ここに開示する具体例に従って選択的に脱アルミニウム化したゼオライト触媒の酸性度を、未処理のゼオライト触媒と比較したテスト結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1態様では、ここに開示する具体例は、芳香族化合物のオレフィン、アルコール及び/又はハロゲン化アルキルによるアルキル化又はトランスアルキル化法に係る。他の態様では、ここに開示する具体例は、芳香族化合物のアルキル化又はトランスアルキル化に有用な触媒の製法に係る。
【0020】
ここに開示する具体例において有用な触媒は、シリカ−アルミネート及びアルミノシリケートのような、触媒からアルミニウムの一部を選択的に除去するために有機二塩基酸にて処理された酸性ゼオライト触媒を含む。ここで有用なアルミニウム含有触媒は、ケイ素及びアルミニウム元素(それぞれ、共有する酸素原子の四面体で包囲される)の集合体からなる結晶性骨格構造及び正確に限定された孔構造を有することによって特徴付けられる。孔には交換可能なカチオンが存在できる。骨格アルミニウムに加えて、ここに開示する具体例において有用なアルミニウム含有触媒は、結晶性骨格構造とは一体ではない非骨格又は骨格外アルミニウムを有することができる。ここに開示する方法による酸性ゼオライト触媒の有機二塩基酸による処理により、選択的に非骨格アルミニウムを除去し、これによって、触媒全体の酸性度を増大することができる。いくつかの具体例では、酸処理は、触媒から非骨格アルミニウムのみを除去し、触媒の骨格から本質的にアルミニウムが抽出されないような条件下で行われる。
【0021】
触媒は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタル、及びニオブを含む1以上の任意元素を、約0−10質量%、他の具体例では、約0.01−約3質量%の量で含有することもできる。これらの任意の元素は、選択的脱アルミニウム以前に触媒物質に組み込まれ、又は選択的脱アルミニウムの後に物質に導入されうる。
【0022】
ここに開示する具体例による選択的に脱アルミニウム化された触媒は、表面非骨格アルミニウム及び骨格アルミニウムを含んでなる酸性ゼオライト触媒を有機二塩基酸と接触させて、表面非骨格アルミニウムの少なくとも一部を選択的に除去することによって調製される。選択的脱アルミニウムに要求される有機二塩基酸の量は、所定の酸性ゼオライト触媒の詳細な組成及びその物理特性に左右される。一般に、処理工程の間に使用される有機二塩基酸の量は、いくつかの具体例において、触媒:酸の質量比で、約1.5:1−約20:1の範囲である。他の具体例では、触媒:酸の質量比は、約2:1−約20:1の範囲であり;他の具体例では、約2:1−約15:1の範囲であり;他の具体例では、約2.5:1−約12:1の範囲であり;他の具体例では、約3.5:1−約10:1の範囲であり;さらに他の具体例では、約6:1−約8:1の範囲である。
【0023】
いくつかの具体例では、酸性ゼオライト触媒を、有機二塩基酸溶液と、5分−2時間の範囲;他の具体例では30−90分間の期間接触させる。酸ゼオライト触媒の選択的脱アルミニウムは、単工程又は多工程で実施される。選択的脱アルミニウムは、いくつかの具体例では、約50−約100℃の範囲の温度;他の具体例では、約65−約90℃の範囲の温度のような比較的温和な条件下で行われる。有機二塩基酸との接触の間、連続して又は断続的にスラリーを撹拌する。
【0024】
選択的脱アルミニウムのための有機二塩基酸との接触に続いて、処理容器内の過剰の溶液を排出し、選択的に脱アルミニウム化した触媒を充分な量の清浄な脱イオン水にて洗浄する。ついで、触媒を、例えば、約80−約150℃の範囲の温度において乾燥する。
【0025】
ここに開示する具体例に従って選択的に脱アルミニウム化される酸性ゼオライト触媒としては、天然及び合成のゼオライトが含まれる。ここに開示する具体例において有用な酸性結晶性ゼオライト構造は、酸素原子のシェアリングによって結合されたAlO4及びSiO4四面体の三次元ネットワークの構築によって得られる。このようにして得られるネットワークは、孔、チャネル及びケージ又は相互に連結したボイドを含む。格子位置において3価アルミニウムイオンが4価アルミニウムイオンと置き換わるため、ネットワークは正味負電荷を帯び、対イオン(カチオン)によって補償されなければならない。これらのカチオンは可動性であり、例えば、それらの活動範囲、電荷又は水和度に応じて各種の交換サイトを占有できる。これらは、また、各種の度合まで、他のカチオンとの置換によって交換される。電気的中性を維持する必要性のため、ネットワークのアルミニウム含量と交換カチオンによって提供される正電荷の数との間には、直接の1:1の関係が存在する。交換カチオンがプロトンの場合、ゼオライトは酸性である。従って、ゼオライトの酸性度は、アルミニウムの量に関して、他のカチオンに代わって存在するプロトンの量によって決定される。
【0026】
ここに開示するいくつかの具体例において使用されるゼオライト触媒としては、大きい孔サイズのゼオライト、中位の孔サイズのゼオライト、及び小さい孔サイズのゼオライトが含まれる。これらのゼオライトは、W. H. Meier及びD. H. Olson編, Atlas of Zeolite Structure Types, Butterworth-Heineman, 第3版, 1992に記載されており、この文献を参照することにより本明細書に組み込む。大きい孔のゼオライトは、一般に約7Åより大の孔サイズを有し、例えば、LTL、VFI、MAZ、MEI、FAU、EMT、OFF、BEA、及びMOR構造タイプのゼオライト(IUPAC Commission of Zeolite Nomenclature)が含まれる。大きい孔のゼオライトの例としては、例えば、mazzite、モルデナイト、オフレタイト、ゼオライトL、VPI-5、ゼオライトY、ゼオライトX、ω、β、ZSM-3、ZSM-4、ZSM-18及びZSM-20が含まれる。中位の孔サイズのゼオライトは、一般に約5−約7Åの孔サイズを有し、例えば、MFI、MFS、MEL、MTW、EUO、MTT、HEU、FER、及びTON構造タイプのゼオライト(IUPAC Commission of Zeolite Nomenclature)が含まれる。中位の孔サイズのゼオライトの例としては、例えば、ZSM-5、ZSM-12、ZSM-22、ZSM-23、ZSM-34、ZSM-35、ZSM-38、ZSM-48、ZSM-50、シリカライト、及びシリカライト2が含まれる。小さい孔サイズのゼオライトは、一般に約3−約5.0Åの孔サイズを有し、例えば、CHA、ERI、KFI、LEV、及びLTA構造タイプのゼオライト(IUPAC Commission of Zeolite Nomenclature)が含まれる。小さい孔サイズのゼオライトの例としては、例えば、ZK-4、ZK-14、ZK-21、ZK-22、ZK-5、ZK-20、ゼオライトA、エリオナイト、チャバサイト、ゼオライトT、gemlinite及びクリノプチロライトが含まれる。
【0027】
シリカ−アルミナ及びフッ化シリカ−アルミナを含むクレー又は非晶質触媒も使用される。アルキル化触媒に関する検討については、米国特許第5,196,574号、第6,315,964号及び第6,617,481号において見られる。他のタイプの触媒製油プロセスと共に、アルキル化反応について、各種のタイプのゼオライトが使用される。FCCプロセスは、例えば、タイプY、β、及びZSM-5の少なくとも1つを利用する。FCCゼオライト触媒は、一般的には、3つの部分;すなわち、ゼオライト(一般に、触媒粒約30−50質量%)、活性なマトリックス及び結合剤を含有する。1具体例では、FCC触媒の粒径は50−60μmである。他の具体例ではゼオライト触媒は、初期にはアンモニウム形であり、アルキル化触媒として使用される前に、300℃以上で加熱することによってH+形に転化される。過剰の温度はゼオライトを脱アルミニウム化し、リング構造を縮小させるため、これにより、アルキル化活性を低減させるため、アルキル化前に触媒を過熱しないように注意しなければならない。ゼオライト触媒に加えて、アルキル化用として、硫酸ジルコニア又はタングステン酸ジルコニアのような無機触媒も使用できる。他の有用なゼオライト触媒としては、ZSM-22、ZSM-23、MCM-22及びMCM-49が含まれる。
【0028】
いくつかの具体例では、アルキル化及びトランスアルキル化に好適な触媒としては、金属安定化触媒が含まれる。例えば、このような触媒は、ゼオライト成分、金属成分及び無機酸化物成分を含む。ゼオライトはペンタシル型ゼオライトであり、MFI、MEL、MTW、MTT及びFER(IUPAC Commission of Zeolite Nomenclature)、MWW、βゼオライト又はモルデナイトの構造を含む。金属成分は、一般に、貴金属又は卑金属であり、触媒の残余は、アルミナのような無機酸化物結合剤からなる。ここに開示する具体例において使用されるゼオライト構造を有する他の触媒は、例えば、米国特許第7,253,331号に開示さ
れており、参照して、これを本明細書に組み込む。
【0029】
選択的脱アルミニウムに先立って又は続いて、酸性ゼオライト触媒を、シリカ−アルミナ−トリア、シリカ−アルミナ−ジルコニア、シリカ−アルミナ−マグネシア、及びシリカ−マグネシア−ジルコニアのような三元組成物と同様に、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、シリカ−トリア、シリカ−ベリリア、シリカ−チタニアのような多孔性のマトリックス物質にて複合化させる。マトリックスは共ゲルの形でもよい。ゼオライト成分と無機酸化物マトリックスとの相対比は、組成物の質量の1−99%、より一般的には5−80%の範囲のゼオライト含量で、広い範囲で変動する。
【0030】
ここに開示する具体例による選択的脱アルミニウムに有用な有機二塩基酸としては、各種のジカルボン酸が含まれる。好適な酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、酒石酸、マレイン酸、フタル酸、又はその混合物が含まれる。他の有用なカルボン酸としては、1,2-シクロペンタンジカルボン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、テレフタル酸、フェニルマロン酸、ヒドロキシフタル酸、ジヒドロキシフマル酸、トリカルバリル酸、及びベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸が含まれる。ジカルボン酸は、ジカルボン酸水溶液のような溶液として使用される。クエン酸のようなトリカルボン酸及びより高級なポリカルボン酸も使用される。ここに開示するプロセスでは、所望の選択的脱アルミニウムを達成するために、1以上の酸処理工程を使用できる。
【0031】
非骨格アルミニウムを選択的に脱アルミニウム化するために好適な脱アルミニウムの結果として、ここに開示する具体例による触媒は、クメンを生成するベンゼンのプロピレンによるアルキル化のようなアルキル化反応及びトランスアルキル化反応について、極めて高い活性を発揮する。例えば、ここに開示する具体例に従って選択的に脱アルミニウム化された触媒は、下記の(実施例に記載する)テスト方法において記載するような制御されたテスト条件下で測定して、一次速度定数kcumが少なくとも2cm3/sgである活性を有する。他の具体例では、一次速度定数kcumが少なくとも2.25 cm3/sgであり;他の具体例では、少なくとも2.5cm3/sgであり;他の具体例では、少なくとも3cm3/sgであり;他の具体例では、少なくとも3.25 cm3/sgであり;他の具体例では、少なくとも3.5cm3/sgであり;及び他の具体例では、少なくとも4cm3/sgである。
【0032】
例えば、いくつかの具体例では、ここに開示する具体例に従ってβゼオライトを選択的に脱アルミニウム化すると、一次速度定数kcum少なくとも2cm3/sg;他の具体例では、少なくとも2.1cm3/sg;他の具体例では、少なくとも2.2cm3/sg;他の具体例では、少なくとも2.5cm3/sg;及び他の具体例では、少なくとも3cm3/sgを有する選択的に脱アルミニウム化された触媒が得られる。
【0033】
他の例として、いくつかの具体例では、高性能βゼオライトを選択的に脱アルミニウム化すると、一次速度定数kcum少なくとも2.5cm3/sg;他の具体例では、少なくとも3cm3/sg;他の具体例では、少なくとも3.5cm3/sg;他の具体例では、少なくとも3.75 cm3/sg;及び他の具体例では、少なくとも4cm3/sgを有する選択的に脱アルミニウム化された触媒が得られる。
【0034】
ここに開示する具体例による触媒の選択的脱アルミニウムは、有機二塩基酸の水溶液を調製し;酸性ゼオライト触媒を前記水溶液と混合して接触させ;酸と接触したゼオライト触媒を水溶液から分離し;酸と接触した触媒を洗浄して、過剰の有機二塩基酸を除去し;及び洗浄した触媒を約80−約150℃の範囲の温度で乾燥することを含んでなる方法によって行われる。
【0035】
さらに、処理条件及びここで使用する酸:触媒の使用量のため、ゼオライト触媒を脱アルミニウム化するために一般的に使用される追加の処理工程は排除される。例えば、従来技術による多くの脱アルミニウム法は、酸処理前においてゼオライトの熱水処理又は他のプレ処理工程を含むものである。ここに開示する具体例による選択的脱アルミニウムは、このようなプレ処理工程なしで行われるが、極めて高い活性を有する触媒が生成される。このように、ここに開示する具体例による触媒の製法は、ゼオライトの脱アルミニウムのために使用される熱水処理工程及び他のプレ処理工程なしで行われる。
【0036】
上述の選択的に脱アルミニウム化された触媒は、オレフィン、アルコール及びハロゲン化アルキルを含む各種のアルキル化剤による芳香族化合物のアルキル化又はトランスアルキル化に使用される。このような触媒は、さらに、流体接触クラッキング(FCC)プロセス又は水素化分解プロセスにおける用途と共に、オレフィン及び/又はアルコールによるイソパラフィンのアルキル化プロセスにおける用途が認められる。
【0037】
ここに記載のアルキル化及びトランスアルキル化プロセスのいくつかの具体例では、オレフィンを、ベンゼンのような芳香族炭化水素と反応させて、アルキレート又はトランスアルキレート生成物を生成する。いくつかの具体例では、芳香族炭化水素のアルキル化又はトランスアルキル化のためのオレフィンは、炭素原子2−6個を含有するものである。他の具体例では、芳香族炭化水素のアルキル化又はトランスアルキル化のためのオレフィンは、エチレン、プロピレン、ブテン-1、トランス-ブテン-2及びシス-ブテン-2、又はその混合物のような炭素原子2−4個を含有するものである。
【0038】
ここに開示する各種具体例において使用されるオレフィン供給材料ストリームは、対応するC2−C4パラフィンのような特定の不純物を含有することもできる。一般的には、ジエン、アセチレン、水、イオウ化合物又は窒素化合物を含むオレフィン供給原料ストリームに存在し得る不純物は、迅速な触媒の非活性化を防止するために、アルキル化及びトランスアルキル化反応以前に除去される。しかし、いくつかの具体例では、触媒特性を最適化するために、制御された状態で、少量の水又は窒素化合物を添加することが望ましい。
【0039】
他の具体例では、ここに開示する具体例において有用なオレフィンは、炭素原子20個以下を含有することができる。例えば、炭素原子6個以上を有するオレフィンが使用される。
【0040】
ここに開示する具体例において有用なアルコールは、C1−C6の第一級及び第二級アルコールが含まれる。用語「アルコール」は、炭化水素供給原料の飽和及び不飽和炭化水素、特にC3−C7炭化水素と共に共沸混合物を形成することができる低級アルキルアルコールを含む。ここに開示する具体例において有用なアルコールの例としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール及びt-ブタノールが含まれる。いくつかの具体例では、メタノールを、C2+アルコールの1以上と組み合わせて使用できる。
【0041】
ここに開示する具体例において有用なハロゲン化アルキルは、塩化アルキル及び臭化アルキルのようなモノ-又はポリ-ハロゲン化C2−C6炭化水素を含むことができる。例えば、ここに開示する具体例において有用なハロゲン化アルキルは、ハロゲン化メチル、エチル、プロピル及びブチル、これらの高級同族体及びこれらの異性体が含まれる。
【0042】
ここに開示するアルキル化プロセスの具体例において、ベンゼンのような芳香族化合物を含有する炭化水素供給原料を、アルキル化触媒の存在下において、オレフィンと反応させてアルキルベンゼン(特別な化学供給原料として又はハイオクタンガソリンの成分として有用である)を生成する。特に、ここに記載する1具体例は、アルキル化触媒の存在下における、モノアルキレート生成物を生成するベンゼンとC2−C4オレフィンとの反応を含むものである。正確なプロセス工程及びプロセス条件は、使用する触媒系に応じて変動する。他の具体例では、アルキル化反応を容易なものとするために不均一系スラリー触媒を使用する。プロセスを説明するために(限定するものでない)、下記に、いくつかの代表的なオレフィンのベンゼンによるアルキル化反応を例示する:
1)エチレン+ベンゼン→エチルベンゼン
2)プロピレン+ベンゼン→イソプロピルベンゼン(クメン)
3)n-ブチレン+ベンゼン→ブチルベンゼン
4)イソブチレン+ベンゼン→イソブチルベンゼン
【0043】
モノアルキレート生成物に加えて、アルキル化反応では、一般に、ポリアルキレート、重質のフラックスオイル(トランスアルキレートではない成分を含む)、及びポリマー化供給オレフィンを含む(ただし、これらに限定されない)重質の炭化水素の形の他の望ましくない副生物が生ずる。
【0044】
トランスアルキル化反応は、ベンゼンをポリアルキレートと反応させることによってモノアルキレートを生成するために使用される。トランスアルキル化が望まれる場合、トランスアルキル化剤は、それぞれ炭素原子2−約4個を有する2つ以上のアルキル基を含有するポリアルキレート芳香族炭化水素である。例えば、好適なポリアルキレート芳香族炭化水素としては、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジエチルメチルベンゼン(ジエチルトルエン)、ジイソプロピルベンゼン、トリイソプロピルベンゼン、ジイソプロピルトルエン、ジブチルベンゼン等のようなジ-、トリ-及びテトラ-アルキル芳香族炭化水素が含まれる。特別な1具体例では、ポリアルキレート芳香族炭化水素は、ジイソプロピルベンゼンであり、ベンゼンと反応してクメン(イソプロピルベンゼン)を生成する。
【0045】
ベンゼンのアルキル化プロセスから得られる反応生成物としては、ベンゼンとエチレン又はポリエチルベンゼンとの反応からのエチルベンゼン;ベンゼンとプロピレン又はポリイソプロピルベンゼンとの反応からのクメン;トルエンとエチレン又はポリエチルトルエンとの反応からのエチルトルエン;トルエンとプロピレン又はポリイソプロピルトルエンとの反応からのシメン;及びベンゼンとn-ブチレン又はポリブチルベンゼンとの反応からの2級ブチルベンゼンが含まれる(ただし、これらに限定されない)。プロセスを説明するため、ポリアルキレートとベンゼンとのトランスアルキル化プロセスの代表的な例を下記に示す(これらに限定されない):
1)ジエチルベンゼン+ベンゼン→2エチルベンゼン
2)ジイソプロピルベンゼン+ベンゼン→2イソプロピルベンゼン(クメン)
3)ジブチルベンゼン+ベンゼン→2ブチルベンゼン
【0046】
トランスアルキル化プロセスと共に、アルキル化プロセスにおいて、各種の反応器を使用できる。アルキル化又はトランスアルキル化反応において使用する反応器のタイプの選択は、所望の操作モード、処理容量、及び反応制御パラメーター(滞留時間及び生成物収率等)を含む多くのファクターに左右される。
【0047】
大規模な工業用プロセスでは、一般的に、連続流動反応器(固定床又は移動床反応器)が使用される。移動床反応器は、一般的に、並流又は向流式の触媒、オレフィン及び炭化水素の流れにて作動される。これらの反応器は、単独の触媒床又は複数個の触媒床を含有でき、オレフィンの段間添加及び段間冷却を具備することもできる。段間オレフィン添加及び極めて等温の操作により、生成物の品質及び触媒寿命が増大される。移動床反応器では、再生するため及び新たな又は再生した触媒と交換するために、使用済み触媒を連続して取り出すことが可能である。
【0048】
移動床反応器において、アルキル化は、オレフィンの導入に続いて比較的短い反応域で行われる。反応する芳香族分子の10−30%が2回以上アルキル化される。トランスアルキル化は遅い反応であり、トランスアルキル化域及びアルキル化域の両方で行われる。トランスアルキル化が等量を越えると、一般に、90%以上のモノアルキル化生成物への選択率が達成される。このように、トランスアルキル化は、ポリアルキル化生成物をベンゼンと反応させることによって、モノアルキル化生成物の収率を増大させる。
【0049】
ここに開示する具体例による選択的に脱アルミニウム化された触媒を使用して行われるオレフィンによる芳香族化合物の選択的モノアルキル化において、オレフィン、アルコール及びハロゲン化アルキルは、2−少なくとも20個の炭素原子を含有でき、分枝状又は直鎖状、ターミナル又はインターナルでもよい。このように、アルキル化剤の特性は格別重要ではない。
【0050】
ベンゼンは、ここに開示する具体例において使用されるアルキル化される芳香族化合物の特に重要な代表例である。より一般的には、芳香族化合物は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナトレン、及びそれらの置換誘導体からなる群から選ばれる。アルキル化可能な芳香族化合物の芳香環上で見られる置換基の最も重要なクラスは、炭素原子1−約20個を含有するアルキル部分である。他の重要な置換基は、アルコキシ部分(そのアルキル基が炭素原子1−20個を含有する)と共に、ヒドロキシ部分である。置換基がアルキル又はアルコキシ基である場合、フェニル部分も、パラフィン鎖において置換され得る。本発明の実施では、未置換又は置換されたベンゼン、ナフタレン、アントラセン、及びフェナトレンが、特に頻繁に使用されるが、多置換芳香族化合物も使用され得る。上述のものに加えて、好適なアルキル化可能な芳香族化合物の例としては、ビフェニル、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン等;フェノール、クレゾール、アニソール、エトキシ-、プロポキシ-、ブトキシ-、ペントキシ-、ヘキソキシ-ベンゼン等が含まれる。
【0051】
アルキル化の条件は、1379−6985 kPa(約200−約1000 psig)の範囲の圧力を含むが、通常、2069−4137 kPa(約300−600 psig)の範囲である。一般的なアルキル化温度は、ベンゼンとエチレンとのアルキル化については200−250℃であり、ベンゼンとプロピレンとのアルキル化については90−200℃である。本発明のアルキル化可能な芳香族化合物とC2−C20の範囲のオレフィンとのアルキル化について好適な温度範囲は、約40−約400℃の範囲であり、最も一般的には、約90−250℃の範囲である。
【0052】
プロセスにおいて使用されるアルキル化可能な芳香族化合物とアルキル化剤との比は、反応混合物の芳香族成分及びオレフィン成分の相対的コストと共に、所望の選択的モノアルキル化度に左右される。プロピレンによるベンゼンのアルキル化については、ベンゼン/オレフィンの比は、低くて約1、高くて約10であり、2.5−8の比が好ましい。ベンゼンをエチレンにてアルキル化する場合、ベンゼン/オレフィンの比は、好ましくは約1/1−8/1である。C6−C20のオレフィンについては、ベンゼン/オレフィンの比が5/1−30/1の範囲であれば、充分に所望のモノアルキル化の選択率を達成でき、約8/1−約20/1の範囲がより望ましい。
【0053】
上述のように、ここに開示する具体例による触媒は、アルキル化と共に、トランスアルキル化において触媒作用を発揮するためにも使用される。「トランスアルキル化」とは、芳香核上のアルキル基が、第2の芳香核に分子間転移するプロセスを意味する。ここで特に興味深いトランスアルキル化は、多アルキル化芳香族化合物の1以上のアルキル基が、非アルキル化芳香族化合物に転移する反応であり、例として、ジイソプロピルベンゼンとベンゼンとが反応して、クメン2分子を生成する反応が挙げられる。このように、トランスアルキル化は、アルキル化の間に常に形成されるポリアルキレートを非アルキル化芳香族化合物と反応させて、追加のモノアルキル化生成物を形成することによって、所望の選択的モノアルキル化の選択率を高めるためにしばしば利用される。この目的について、ポリアルキル化芳香族化合物は、上述のアルキル化可能な芳香族化合物とオレフィンとのアルキル化において形成されるものであり、非アルキル芳香族化合物としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレンがある。トランスアルキル化についての反応条件はアルキル化のものと同様であり、温度は100−約250℃であり、圧力は690−5171 kPa(100−約750 psig)の範囲であり、非アルキル化芳香族化合物/ポリアルキル化芳香族化合物の比は約1−約10の範囲である。例えば、ベンゼン(非アルキル化芳香族化合物)と反応されるポリアルキル化芳香族化合物の例としては、ジエチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、ジブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、トリイソプロピルベンゼン等が含まれる。
【0054】
[実施例]
クメンの生成に関するテスト法
ゼオライトβ触媒の触媒活性を、クメンを生成するベンゼンのプロピレンによるアルキル化反応において評価した。テスト反応器は、再循環式微分固定床反応器(7/8インチID SS管)及びテスト条件は、圧力2413 kPa(350 psig)、温度170℃、再循環速度200g/分であった。テスト用供給材料はベンゼンに溶解したプロピレン0.35−0.45質量%を含有し、供給速度は6.0g/分であった。触媒充填物は、ゼオライト80質量%及び結合剤20質量%を含有する1.6mm押出し成形物に由来する粒子サイズ12−20メッシュを有するもので、0.7gであった。反応器に導入する前に、触媒を350℃において2時間乾燥した。ガスクロマトグラフィー(GC)による分析のため30分毎にサンプルを取り出しながら、テストを7−8時間行った。一次反応速度定数kを、クメンを生成するベンゼンのプロピレンによるアルキル化についての触媒活性を示すため算定した。
【0055】
触媒の調製
[比較例1]
(市販のβ)
この例及び実施例1−7において使用するゼオライトβ触媒を、Zeolyst International Co.(ペンシルベニア州バレー・フォージ)から得た。受け取ったままの触媒はゼオライト80質量%を含有する1.6mmの押出し成形物であり、12−20メッシュの粒子にサイズ変更した。触媒粒子の一部を使用し、上述の操作法を使用するクメンを生成するベンゼンのプロピレンによるアルキル化に関する触媒活性をテストし、触媒粒子の他の部分を、初めに実施例1−7に記載するように酸処理に供し、ついで評価し、その結果を表1及び図1に示す。
【実施例1】
【0056】
脱イオン(DI)水200 mlにシュウ酸二水和物0.50gを溶解することによって形成した水溶液を70℃に加熱した。ついで、比較例1からの触媒粒子5.0gを溶液に添加し、得られた混合物を、攪拌しながら、70℃に1時間保持した。この混合物を25℃に冷却した後、真空濾過によって固体物質を集めた。このようにして得た固状物をDI水500 mlに添加し、得られた混合物を70℃に加熱し、攪拌しながら、この温度に1持間維持した。最後に、固状物を真空濾過によって集め、120℃において一夜オーブン乾燥した。
【実施例2】
【0057】
脱イオン(DI)水200 mlにシュウ酸二水和物1.0gを溶解することによって形成した水溶液を70℃に加熱した。ついで、比較例1からの触媒粒子5.0gを溶液に添加し、得られた混合物を、攪拌しながら、70℃に1時間保持した。この混合物を25℃に冷却した後、真空濾過によって固体物質を集めた。このようにして得た固状物をDI水500 mlに添加し、得られた混合物を70℃に加熱し、攪拌しながら、この温度に1持間維持した。最後に、固状物を真空濾過によって集め、120℃において一夜オーブン乾燥した。
【実施例3】
【0058】
脱イオン(DI)水200 mlにシュウ酸二水和物2.0gを溶解することによって形成した水溶液を70℃に加熱した。ついで、比較例1からの触媒粒子5.0gを溶液に添加し、得られた混合物を、攪拌しながら、70℃に1時間保持した。この混合物を25℃に冷却した後、真空濾過によって固体物質を集めた。このようにして得た固状物をDI水500 mlに添加し、得られた混合物を70℃に加熱し、攪拌しながら、この温度に1持間維持した。最後に、固状物を真空濾過によって集め、120℃において一夜オーブン乾燥した。
【実施例4】
【0059】
脱イオン(DI)水200 mlにシュウ酸二水和物3.0gを溶解することによって形成した水溶液を70℃に加熱した。ついで、比較例1からの触媒粒子5.0gを溶液に添加し、得られた混合物を、攪拌しながら、70℃に1時間保持した。この混合物を25℃に冷却した後、真空濾過によって固体物質を集めた。このようにして得た固状物をDI水500 mlに添加し、得られた混合物を70℃に加熱し、攪拌しながら、この温度に1持間維持した。最後に、固状物を真空濾過によって集め、120℃において一夜オーブン乾燥した。
【実施例5】
【0060】
脱イオン(DI)水200 mlにシュウ酸二水和物10.0gを溶解することによって形成した水溶液を70℃に加熱した。ついで、比較例1からの触媒粒子5.0gを溶液に添加し、得られた混合物を、攪拌しながら、70℃に1時間保持した。この混合物を25℃に冷却した後、真空濾過によって固体物質を集めた。このようにして得た固状物をDI水500 mlに添加し、得られた混合物を70℃に加熱し、攪拌しながら、この温度に1持間維持した。最後に、固状物を真空濾過によって集め、120℃において一夜オーブン乾燥した。
【実施例6】
【0061】
脱イオン(DI)水200 mlにシュウ酸二水和物25.0gを溶解することによって形成した水溶液を70℃に加熱した。ついで、比較例1からの触媒粒子5.0gを溶液に添加し、得られた混合物を、攪拌しながら、70℃に1時間保持した。この混合物を25℃に冷却した後、真空濾過によって固体物質を集めた。このようにして得た固状物をDI水500 mlに添加し、得られた混合物を70℃に加熱し、攪拌しながら、この温度に1持間維持した。最後に、固状物を真空濾過によって集め、120℃において一夜オーブン乾燥した。
【実施例7】
【0062】
脱イオン(DI)水200 mlにマロン酸0.87gを溶解することによって形成した水溶液を70℃に加熱した。ついで、比較例1からの触媒粒子5.0gを溶液に添加し、得られた混合物を、攪拌しながら、70℃に1時間保持した。この混合物を25℃に冷却した後、真空濾過によって固体物質を集めた。このようにして得た固状物をDI水500 mlに添加し、得られた混合物を70℃に加熱し、攪拌しながら、この温度に1持間維持した。最後に、固状物を真空濾過によって集め、120℃において一夜オーブン乾燥した。
【0063】
【表1】

【0064】
[比較例2]
(高性能β)
この例及び実施例8−19において使用する高性能β(「HP」β)触媒を、米国特許第6,809,055号に記載された方法に従って、ゼオライト80質量%及び結合剤20質量%を含有する1.6mmの押出し成形物の形で調製した。押出し成形物を、反応器の評価及び実施例8−19に記載する酸処理のために12−20メッシュにサイズ変更した。酸処理したサンプルと共に、このサンプルのテスト結果を表2に示す。
【実施例8】
【0065】
脱イオン(DI)水200 mlにシュウ酸二水和物0.50gを溶解することによって形成した水溶液を70℃に加熱した。ついで、比較例2からの触媒粒子5.0gを溶液に添加し、得られた混合物を、攪拌しながら、70℃に1時間保持した。この混合物を25℃に冷却した後、真空濾過によって固体物質を集めた。このようにして得た固状物をDI水500 mlに添加し、得られた混合物を70℃に加熱し、攪拌しながら、この温度に1持間維持した。最後に、固状物を真空濾過によって集め、120℃において一夜オーブン乾燥した。
【実施例9】
【0066】
脱イオン(DI)水200 mlにシュウ酸二水和物1.0gを溶解することによって形成した水溶液を70℃に加熱した。ついで、比較例2からの触媒粒子5.0gを溶液に添加し、得られた混合物を、攪拌しながら、70℃に1時間保持した。この混合物を25℃に冷却した後、真空濾過によって固体物質を集めた。このようにして得た固状物をDI水500 mlに添加し、得られた混合物を70℃に加熱し、攪拌しながら、この温度に1持間維持した。最後に、固状物を真空濾過によって集め、120℃において一夜オーブン乾燥した。
【実施例10】
【0067】
脱イオン(DI)水200 mlにシュウ酸二水和物2.0gを溶解することによって形成した水溶液を70℃に加熱した。ついで、比較例2からの触媒粒子5.0gを溶液に添加し、得られた混合物を、攪拌しながら、70℃に1時間保持した。この混合物を25℃に冷却した後、真空濾過によって固体物質を集めた。このようにして得た固状物をDI水500 mlに添加し、得られた混合物を70℃に加熱し、攪拌しながら、この温度に1持間維持した。最後に、固状物を真空濾過によって集め、120℃において一夜オーブン乾燥した。
【実施例11】
【0068】
脱イオン(DI)水200 mlにシュウ酸二水和物25.0gを溶解することによって形成した水溶液を70℃に加熱した。ついで、比較例2からの触媒粒子5.0gを溶液に添加し、得られた混合物を、攪拌しながら、70℃に1時間保持した。この混合物を25℃に冷却した後、真空濾過によって固体物質を集めた。このようにして得た固状物をDI水500 mlに添加し、得られた混合物を70℃に加熱し、攪拌しながら、この温度に1持間維持した。最後に、固状物を真空濾過によって集め、120℃において一夜オーブン乾燥した。
【実施例12】
【0069】
脱イオン(DI)水200 mlにシュウ酸二水和物2.0gを溶解することによって形成した水溶液を85℃に加熱した。ついで、比較例2からの触媒粒子5.0gを溶液に添加し、得られた混合物を、攪拌しながら、85℃に1時間保持した。この混合物を25℃に冷却した後、真空濾過によって固体物質を集めた。このようにして得た固状物をDI水500 mlに添加し、得られた混合物を85℃に加熱し、攪拌しながら、この温度に1持間維持した。最後に、固状物を真空濾過によって集め、120℃において一夜オーブン乾燥した。
【実施例13】
【0070】
脱イオン(DI)水200 mlにシュウ酸二水和物2.0gを溶解することによって水溶液を形成した。ついで、比較例2からの触媒粒子5.0gを溶液に添加し、得られた混合物を、22℃において1時間攪拌した。固体物質を真空濾過によって集め、DI水500 mlで洗浄し、120℃において一夜オーブン乾燥した。
【実施例14】
【0071】
脱イオン(DI)水200 mlにシュウ酸二水和物2.0gを溶解することによって水溶液を形成した。ついで、比較例2からの触媒粒子5.0gを溶液に添加し、得られた混合物を、22℃において6時間攪拌した。固体物質を真空濾過によって集め、DI水500 mlで洗浄し、120℃において一夜オーブン乾燥した。
【実施例15】
【0072】
3.5質量%HNO3を含有する水溶液(200 ml)を70℃に加熱した。ついで、比較例2からの触媒粒子5.0gを溶液に添加し、得られた混合物を、攪拌しながら、70℃に1時間保持した。この混合物を25℃に冷却した後、真空濾過によって固体物質を集めた。このようにして得た固状物をDI水500 mlに添加し、得られた混合物を70℃に加熱し、攪拌しながら、この温度に1持間維持した。最後に、固状物を真空濾過によって集め、120℃において一夜オーブン乾燥した。
【実施例16】
【0073】
0.7質量%HNO3を含有する水溶液(200 ml)を70℃に加熱した。ついで、比較例2からの触媒粒子5.0gを溶液に添加し、得られた混合物を、攪拌しながら、70℃に1時間保持した。この混合物を25℃に冷却した後、真空濾過によって固体物質を集めた。このようにして得た固状物をDI水500 mlに添加し、得られた混合物を70℃に加熱し、攪拌しながら、この温度に1持間維持した。最後に、固状物を真空濾過によって集め、120℃において一夜オーブン乾燥した。
【実施例17】
【0074】
比較例2からの触媒粒子(5.0g)を、0.7質量%HNO3を含有する水溶液(200 ml)に添加し、混合物を22℃において1時間攪拌した。ついで、真空濾過によって固体物質を集め、DI水500 mlにて洗浄し、120℃において一夜オーブン乾燥した。
【実施例18】
【0075】
脱イオン(DI)水200 mlに酢酸1.35gを溶解することによって形成した水溶液を70℃に加熱した。ついで、比較例2からの触媒粒子5.0gを溶液に添加し、得られた混合物を、攪拌しながら、70℃に1時間保持した。この混合物を25℃に冷却した後、真空濾過によって固体物質を集めた。このようにして得た固状物をDI水500 mlに添加し、得られた混合物を70℃に加熱し、攪拌しながら、この温度に1持間維持した。最後に、固状物を真空濾過によって集め、120℃において一夜オーブン乾燥した。
【実施例19】
【0076】
脱イオン(DI)水200 mlにマロン酸0.87gを溶解することによって形成した水溶液を70℃に加熱した。ついで、比較例2からの触媒粒子5.0gを溶液に添加し、得られた混合物を、攪拌しながら、70℃に1時間保持した。この混合物を25℃に冷却した後、真空濾過によって固体物質を集めた。このようにして得た固状物をDI水500 mlに添加し、得られた混合物を70℃に加熱し、攪拌しながら、この温度に1持間維持した。最後に、固状物を真空濾過によって集め、120℃において一夜オーブン乾燥した。
【0077】
【表2】

【0078】
直鎖状アルキルアルキルベンゼンのアルキル化についてのテスト方法及び結果を下記に示す。市販のβ(比較例1において使用したものと同じサンプル)及び酸処理したβ(実施例2において使用したものと同じサンプル)の触媒活性を評価した。全てのテストを、攪拌機を具備するオートクレーブ(1L)を使用して行った。ベンゼンの1-ドデセンによるアルキル化について、触媒1.25g、ベンゼン112g、及び1-ドデセン12gを使用して、反応を140℃において行った。ベンゼンのパコレイト(Pacolate)によるアルキル化について、この反応も140℃で行ったが、触媒0.625g、ベンゼン60g、及びパラフィン(C10−C14)50g及びオレフィン(C10−C14)6gを含有するパコレイト60gを使用した。反応混合物を、反応時間2.5時間、4.0時間及び6.0時間の時点においてGCによって分析し、変化率を表3に示す。
【表3】

【0079】
上述のように、ここに開示する具体例は、アルキル化及びトランスアルキル化プロセスにおける使用に好適なゼオライト触媒を提供する。ゼオライト触媒を、特定の酸/触媒の比及び反応条件化で脱アルミニウム化して、非骨格アルミニウムの少なくとも一部を選択的に除去する。いくつかの具体例では、ここに開示する具体例による脱アルミニウムは、本質的に表面の非骨格アルミニウムのみを有利に除去でき、骨格アルミニウムをそのままで残す。ここに開示する具体例による選択的脱アルミニウムでは、触媒に含有される強酸サイトを増大させ得る。このように、ここに開示する具体例による選択的に脱アルミニウム化された触媒は所望の芳香族化合物のアルキル化及びトランスアルキル化反応により容易に利用される活性な酸性サイトを有することができる。
【0080】
開示は限られた数の具体例を含むが、この開示の利益を享受する当業者であれば、これらの開示の範囲から逸脱しない他の具体例を想起できるであろう。従って、発明の範囲は添付の請求の範囲によってのみ制限されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸性ゼオライト触媒の酸性度を改善する方法であって、該方法は、表面非骨格アルミニウム及び骨格アルミニウムを含んでなる酸性ゼオライト触媒を有機二塩基酸と、触媒:酸の質量比約2:1−約20:1の範囲、及び温度約50−約100℃の範囲において、期間約2時間以下で接触させて、表面非骨格アルミニウムの少なくとも一部を選択的に除去し、これによって、選択的に脱アルミニウム化されたゼオライト触媒を生成することを含んでなり、前記選択的に脱アルミニウム化されたゼオライト触媒は、ベンゼンのプロピレンによるクメンを形成するアルキル化反応に関する測定された一次速度常数(kcum)少なくとも2.0cm3/s gを有するものである、酸性ゼオライト触媒の酸性度の改善法。
【請求項2】
さらに、有機二塩基酸の水溶液を生成し;酸性ゼオライト触媒を前記水溶液と混合して接触させ;酸と接触したゼオライト触媒を前記水溶液から分離し;酸と接触した触媒を洗浄して過剰の有機二塩基酸を除去し;及び洗浄した触媒を温度約80−約150℃の範囲で乾燥することを含んでなる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ゼオライト触媒と有機二塩基酸との接触によって、本質的に、表面非骨格アルミニウムのみを除去する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
触媒:酸の質量比が約6:1−約8:1の範囲である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
選択的に脱アルミニウム化されたゼオライト触媒が、ベンゼンのプロピレンによるクメンを形成するアルキル化反応に関する測定された一次速度常数(kcum)少なくとも3cm3/s gを有するものである、請求項4記載の方法。
【請求項6】
有機二塩基酸が、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、エチレンジアミン四酢酸、及びその混合物の少なくとも1つからなるものである、請求項1記載の方法。
【請求項7】
ゼオライト触媒が、シリカ−アルミナ及びアルミノシリケートの少なくとも1つからなるものである、請求項1記載の方法。
【請求項8】
接触を、約65−約90℃の範囲の温度において、0.5−1.5時間の範囲の期間で行う、請求項1記載の方法。
【請求項9】
ゼオライト触媒が、ゼオライトβ、ZSM-5、ZSM-22、ZSM-23、MCM-22及びMCM-49の少なくとも1つからなるものである、請求項1記載の方法。
【請求項10】
酸性ゼオライト触媒が高性能βゼオライトからなるものであり、選択的に脱アルミニウム化されたゼオライト触媒が、ベンゼンのプロピレンによるクメンを形成するアルキル化反応に関する測定された一次速度常数(kcum)少なくとも4cm3/s gを有するものである、請求項1記載の方法。
【請求項11】
a)少なくとも1つのC6+芳香族炭化水素及びb)オレフィン、アルコール及びハロゲン化アルキルの少なくとも1つを、c)酸処理されたゼオライト触媒と、温度及び圧力条件下で接触させて、アルキレート生成物及びトランスアルキレート生成物の少なくとも1つを生成することを含んでなる芳香族炭化水素のアルキル化又はトランスアルキル化法であって、前記酸処理されたゼオライト触媒が、表面非骨格アルミニウム及び骨格アルミニウムを含んでなる酸性ゼオライト触媒を有機二塩基酸と、触媒:酸の質量比約2:1−約20:1の範囲、及び温度約50−約100℃の範囲において接触させて、表面非骨格アルミニウムの少なくとも一部を選択的に除去することを含んでなる方法によって調製されたものである、芳香族炭化水素のアルキル化又はトランスアルキル化法。
【請求項12】
ゼオライト触媒を有機二塩基酸と接触させることによって、本質的に、表面非骨格アルミニウムのみを除去する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
触媒が、ベンゼンのプロピレンによるクメンを形成するアルキル化反応に関する測定された一次速度常数(kcum)少なくとも2cm3/s gを有するものである、請求項11記載の方法。
【請求項14】
触媒:酸の質量比が約6:1−約8:1の範囲である、請求項11記載の方法
【請求項15】
触媒が、ベンゼンのプロピレンによるクメンを形成するアルキル化反応に関する測定された一次速度常数(kcum)少なくとも3cm3/s gを有するものである、請求項14記載の方法。
【請求項16】
有機二塩基酸が、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、エチレンジアミン四酢酸、及びその混合物の少なくとも1つからなるものである、請求項11記載の方法。
【請求項17】
ゼオライト触媒が、シリカ−アルミナ及びアルミノシリケートの少なくとも1つからなるものである、請求項11記載の方法。
【請求項18】
接触を、約65−約90℃の範囲の温度において、0.5−1.5時間の範囲の期間で行う、請求項11記載の方法。
【請求項19】
ゼオライト触媒が、ゼオライトβ、ZSM-5、ZSM-22、ZSM-23、MCM-22及びMCM-49の少なくとも1つからなるものである、請求項11記載の方法。
【請求項20】
酸処理したゼオライト触媒を調製する方法が、さらに、有機二塩基酸の水溶液を生成し;酸性ゼオライト触媒を前記水溶液と混合して接触させ;酸と接触したゼオライト触媒を前記水溶液から分離し;酸と接触した触媒を洗浄して過剰の有機二塩基酸を除去し;及び洗浄した触媒を温度約80−約150℃の範囲で乾燥することを含んでなるものである、請求項11記載の方法。
【請求項21】
酸性ゼオライト触媒が高性能βゼオライトからなるものであり、選択的に脱アルミニウム化されたゼオライト触媒が、ベンゼンのプロピレンによるクメンを形成するアルキル化反応に関する測定された一次速度常数(kcum)少なくとも4cm3/s gを有するものである、請求項11記載の方法。
【請求項22】
芳香族化合物のアルキル化又はトランスアルキル化に使用される触媒であって、該触媒は、表面非骨格アルミニウム及び骨格アルミニウムを含んでなる酸性ゼオライト触媒を有機二塩基酸と、触媒:酸の質量比約2:1−約20:1の範囲、及び温度約50−約100℃の範囲において接触させて、表面非骨格アルミニウムの少なくとも一部を選択的に除去することを含んでなる方法によって調製された酸処理されたゼオライト触媒からなるものである、芳香族化合物のアルキル化又はトランスアルキル化用触媒。
【請求項23】
触媒を調製する方法が、さらに、有機二塩基酸の水溶液を生成し;酸性ゼオライト触媒を前記水溶液と混合して接触させ;酸と接触したゼオライト触媒を前記水溶液から分離し;酸と接触した触媒を洗浄して過剰の有機二塩基酸を除去し;及び洗浄した触媒を温度約80−約150℃の範囲で乾燥することを含んでなるものである、請求項22記載の触媒。
【請求項24】
触媒が、ベンゼンのプロピレンによるクメンを形成するアルキル化反応に関する測定された一次速度常数(kcum)少なくとも2cm3/s gを有するものである、請求項22記載の触媒。
【請求項25】
酸性ゼオライト触媒が高性能βゼオライトからなるものであり、選択的に脱アルミニウム化されたゼオライト触媒が、ベンゼンのプロピレンによるクメンを形成するアルキル化反応に関する測定された一次速度常数(kcum)少なくとも4cm3/s gを有するものである、請求項22記載の触媒。

【図1】
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【公表番号】特表2012−515081(P2012−515081A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546241(P2011−546241)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/059353
【国際公開番号】WO2010/082963
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(391011227)ルマス テクノロジー インコーポレイテッド (26)
【Fターム(参考)】