説明

芳香族炭素縮合環系を含むヒドロキシフェニルトリアジン

本発明は、420nmまでの有意な吸収を伴う長波長シフトした吸収スペクトルを有する、新規なヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤に関する。本発明の更なる態様は、それらの製造方法、新規なUV吸収剤を含有するUV安定化組成物、有機材料の安定化方法、及び新規な化合物の有機材料のためのUV光安定剤としての使用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、420nmまでの有意な吸収を伴う長波長シフトした吸収スペクトルを有する、新規なヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤に関するものである。本発明の更なる態様は、それらの製造方法、新規なUV吸収剤を含有するUV安定化組成物、有機材料を安定化させる方法、及び新規な化合物の有機材料のためのUV光安定剤としての使用である。
【0002】
芳香族部分を含むポリマー基材、例えば芳香族エポキシド、芳香族ポリエステル又は芳香族(ポリ)イソシアナートに基づく接着剤又は塗料樹脂は、波長約420nmまでのUV/VIS放射に対して高い感応性を有する。
【0003】
これらの接着剤又は塗料層を、頂部のUV吸収層で保護することは極めて困難である。これはUVを吸収する頂部塗料(top coating)を貫通する非常に少量の放射−410nm前後の波長帯でも−、保護塗料の剥離及びはがれを起こすのに十分なためである。
【0004】
長波長シフトしたUV吸収剤が極めて有用である一般的な用途は、自動車用塗料である。
【0005】
今日の自動車用塗料は、防食陰極電着塗料を鋼板上に直接塗布している。有意に赤方シフトした陰極樹脂(約400〜420nmまで)のために、頂部塗料中の従来の先行技術によるUV吸収剤で陰極電着塗料を十分保護することは不可能である。
【0006】
これらの感応性層をより良好に保護するために、トリアジンのUV吸収を、より長波長側へシフトさせる試みが行われている。例えば、米国特許第5354794号、米国特許第5476937号及び米国特許第5556973号には、赤方シフトしたヒドロキシフェニルトリアジンが記載されている。
【0007】
しかしながら、本発明の化合物は、最新技術と比較して、420〜450nmまでの、特に420nmまでのより多量の光を吸収し得る。化合物は、予想外に光化学的安定性を維持し、通常の塗料の用途の移行を示してない。
【0008】
本発明の一態様は、
式(I):
【0009】
【化8】

【0010】
(式中、
1は、少なくとも3つの環を含む置換又は非置換の芳香族炭素縮合環系であり;
2は、独立してE1に定義したとおりであり;又は置換若しくは非置換のナフチルであり;又は1つ以上の環を含む置換若しくは非置換の芳香族複素環系であり;又は
式:
【0011】
【化9】

【0012】
に相当し、
1は、H、C1〜C24アルキル、C2〜C18アルケニル、C5〜C12シクロアルキル、C7〜C15フェニルアルキル、フェニル、若しくはフェニル環上がC1〜C8アルキルで置換された前記フェニル若しくは前記フェニルアルキル;又はOR3であり;
2は、H、C1〜C18アルキル;C2〜C6アルケニル;フェニル;C1〜C8アルキル若しくはC1〜C8アルコキシで置換されたフェニル;C7〜C11フェニルアルキル;C5〜C12シクロアルキル;COOR4;CN;NH2、NHR7、−N(R7)(R8)、NH−CO−R5;ハロゲン;C1〜C18ハロアルキル;C1〜C18アルコキシ;−S−R3又は−O−R3であり;
3は、独立してH、C1〜C18アルキル;C5〜C12シクロアルキル;C3〜C18アルケニル;フェニル;フェニル、OH、C1〜C18アルコキシ、C5〜C12シクロアルコキシ、C3〜C18アルケニルオキシ、ハロゲン、−COOH、−COOR4、−O−CO−R5、−O−CO−O−R6、−CO−NH2、−CO−NHR7、−CO−N(R7)(R8)、CN、NH2、NHR7、−N(R7)(R8)、−NH−CO−R5、フェノキシ、C1〜C18アルキル置換フェノキシ、フェニル−C1〜C4−アルキコシ、C6〜C15ビシクロアルコキシ、C6〜C15ビシクロアルキル−アルキコシ、C6〜C15ビシクロアルケニル−アルキコシ及び/若しくはC6〜C15トリシクロアルコキシで置換されたC1〜C18アルキル;OH、C1〜C4アルキル、C2〜C6アルケニル及び/又は−O−CO−R5で置換されたC5〜C12シクロアルキル;−CO−R9若しくは−SO2−R10;又は1つ以上の酸素原子で中断され、かつ非置換の若しくはOH、フェノキシ及び/若しくはC7〜C18アルキル−フェノキシで置換されたC3〜C50アルキル;又は−A;−CH2−CH(XA)−CH2−O−R12;−CR1313'−(CH2m−X−A;−CH2−CH(OA)−R14;−CH2−CH(OH)−CH2−XA;
下記:
【0013】
【化10】

【0014】
−CR1515'−C(=CH2)−R15";−CR1313'−(CH2m−CO−X−A;−CR1313'−(CH2m−CO−O−CR1515'−C(=CH2)−R15"又は−CO−O−CR1515'−C(=CH2)−R15"であり;
Aは、−CO−CR16=CH−R17であり;
4は、独立してC1〜C18アルキル;C3〜C18アルケニル;C7〜C11フェニルアルキル;C5〜C12シクロアルキル;又は1つ以上の−O−、−NH−、−NR7−及び−S−で中断され、かつ非置換の若しくはOH、フェノキシ及び/若しくはC7〜C18アルキルフェノキシで置換されたC3〜C50アルキル;又はC2〜C12ヒドロキシアルキルであり;
5は、独立してH;C1〜C18アルキル;COOH若しくはCOOR4で置換されたC1〜C18アルキル;C2〜C18アルケニル;COOH若しくはCOOR4で置換されたC2〜C18アルケニル;C5〜C12シクロアルキル;フェニル;C7〜C11フェニルアルキル;C6〜C15ビシクロアルキル;C6〜C15ビシクロアルケニル;又はC6〜C15トリシクロアルキルであり;
6は、独立してC1〜C18アルキル;C3〜C18アルケニル;フェニル;C7〜C11フェニルアルキル;又はC5〜C12シクロアルキルであり; R7とR8は、独立してC1〜C12アルキル;C3〜C12アルコキシアルキル;C4〜C16ジアルキルアミノアルキル;若しくはC5〜C12シクロアルキルであり;又は一緒になってC3〜C9−アルキレン、−オキサアルキレン若しくは−アザアルキレンを形成し;
9は、独立してC1〜C18アルキル;C2〜C18アルケニル;フェニル;C5〜C12シクロアルキル;C7〜C11フェニルアルキル;C6〜C15ビシクロアルキル、C6〜C15ビシクロアルキル−アルキル、C6〜C15ビシクロアルケニル、又はC6〜C15トリシクロアルキルであり;
10は、独立してC1〜C12アルキル;フェニル;ナフチル又はC7〜C14アルキルフェニルであり;
11及びR22は、独立してH;C1〜C18アルキル;C3〜C6アルケニル;C5〜C12シクロアルキル;フェニル;ナフチル;ビフェニリル;C7〜C11フェニルアルキル;C7〜C14アルキルフェニル;ハロゲン;C1〜C18ハロアルキル;又はC1〜C18アルコキシであり; R12は、独立してC1〜C18アルキル;C3〜C18アルケニル;フェニル;1〜3つのC1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C3〜C8アルケニルオキシ、ハロゲン及びトリフルオロメチル基で置換されたフェニル;C7〜C11−フェニルアルキル;C5〜C12シクロアルキル;C6〜C15トリシクロアルキル;C6〜C15ビシクロアルキル;C6〜C15ビシクロアルキル−アルキル;C6〜C15ビシクロアルケニル−アルキル;−CO−R5;又は1つ以上の−O−、−NH−、−NR7−及び−S−で中断され、かつ非置換の若しくはOH、フェノキシ及び/若しくはC7〜C18アルキルフェノキシで置換されたC3〜C50アルキルであり;
13及びR13'は、独立してH;C1〜C18アルキル;又はフェニルであり;
14は、独立してC1〜C18アルキル;C3〜C12アルコキシアルキル;フェニル;又はフェニル−C1〜C4アルキルであり;
15、R15'及びR15"は、独立してH又はCH3であり;
16は、独立してH;−CH2−COO−R4;C1〜C4アルキル;又はCNであり;
17は、独立してH;−COOR4;C1〜C17アルキル;又はフェニルであり;
22'は、R11の意味のうちの1つを有し;又はNH2、NHR7、NH−CO−R5;−S−R3、−N(R7)(R8)若しくはOR3であり;
Xは、独立して−NH−;−NR7−;−O−;−NH−(CH2p−NH−;又は−O−(CH2q−NH−であり;
かつ指標は、以下のとおりである:
mは、0〜19の数であり;
nは、1〜8の数であり;
pは、0〜4の数であり;かつ
qは、2〜4の数である)
で示される化合物である。
【0015】
11及びR22は、Hが好ましい。
OR3、特にOHであるR22'が、興味深い。
【0016】
例えば、E2は、独立してE1に定義したとおりであり、又は
式:
【0017】
【化11】

【0018】
に相当する。
【0019】
少なくとも3つの環を含む芳香族炭素縮合環系、又は1つ以上の環を含むナフチル若しくは芳香族複素環系における置換基は、例えば、互いに独立して、R22及びR22'に定義した1つ以上の基である。
【0020】
少なくとも3つの環を含む芳香族炭素縮合環系の例は、アントラセン、フェナントレン、フルオランテン、ピレン、クリセン、ベンゾアントラセン、ジベンゾアントラセン、ベンゾフルオランテン、ベンゾピレン、インデノピレン及びベンゾペリレン基であり、フェナントレン、フルオランテン及びピレンが好ましく、フルオランテン及びピレンが最も好ましい。
【0021】
例えば、少なくとも3つの環を含む芳香族炭素縮合環系は、この環系が、少なくとも3つの芳香環、特に少なくとも3つの芳香族縮合環を含むことを意味する。
【0022】
1つ以上の環を含む芳香族複素環系の例は、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3−b]チエニル、チアントレニル、フリル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ジベンゾフリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソオキサゾリル、フラザニル及びフェノキサジニルである。
【0023】
例えば、1分子中、−A;−CH2−CH(XA)−CH2−O−R12;−CR1313'−(CH2m−X−A;−CH2−CH(OA)−R14;−CH2−CH(OH)−CH2−XA;
下記:
【0024】
【化12】

【0025】
−CR1515'−C(=CH2)−R15";−CR1313'−(CH2m−CO−X−A;−CR1313'−(CH2m−CO−O−CR1515'−C(=CH2)−R15"及び−CO−O−CR1515'−C(=CH2)−R15"からなる群より選択されるR3基は、2つ以上存在しない。
【0026】
−A;−CH2−CH(XA)−CH2−O−R12;−CR1313'−(CH2m−X−A;−CH2−CH(OA)−R14;−CH2−CH(OH)−CH2−XA;
下記:
【0027】
【化13】


−CR1515'−C(=CH2)−R15";−CR1313'−(CH2m−CO−X−A;−CR1313'−(CH2m−CO−O−CR1515'−C(=CH2)−R15"又は−CO−O−CR1515'−C(=CH2)−R15"基を含む式(I)の化合物は、例えば以下のポリマーで列挙したような様々なポリマー基材に共重合され得る。
【0028】
特定の定義の範囲内で、アルキルは、分岐鎖又は非分岐鎖のアルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルペンチル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3−トリメチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、1−メチルウンデシル、ドデシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル又はオクタデシルである。
【0029】
例えばC5〜C12シクロアルキルは、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル及びシクロドデシルを含む。シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル及びシクロドデシルが好ましい。
アルケニルは、特定の定義の範囲内で、とりわけアリル、イソプロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、n−ペンタ−2,4−ジエニル、3−メチル−ブタ−2−エニル、n−オクタ−2−エニル、n−ドデカ−2−エニル、イソドデセニル、n−ドデカ−2−エニル及びn−オクタデカ−4−エニルを含む。
【0030】
置換アルキル、シクロアルキル又はフェニル基は、一又は多置換されていてもよく、結合炭素原子(α位に)、又は他の炭素原子に置換基を持っていてもよく;置換基がヘテロ原子(例えば、アルキコシ等)により結合される場合、該結合はα位ではなく、かつ置換アルキル基は、2個、特に3個、又はより多数の炭素原子を含むことが好ましい。複数の置換基は、異なる炭素原子に結合していることが好ましい。
【0031】
−O−、−NH−、−NR7−及び/又は−S−で中断されたアルキルは、言及した基の1つ以上で中断されてもよく、各場合において、通常、1つの基が、結合内に挿入されて、ヘテロ−ヘテロ結合、例えばO−O、S−S、NH−NH等を生じず;中断されたアルキルが、更に置換される場合、置換基は、通常、ヘテロ原子に関してα位に存在しない。−O−、−NH−、−NR7−及び−S−タイプの複数の中断基が基内に生じる場合、これらの基は通常、同一である。
【0032】
ヒドロキシアルキルは、ヒドロキシで置換されたアルキル基を意味する。
【0033】
例えば、アルキコシ、フェノキシ、アルケニルオキシ及びシクロアルコキシは、OZ基を意味し、ここでZは、それぞれ、アルキル、フェニル、アルケニル及びシクロアルキルである。
【0034】
フェニルアルキルは、所定の炭素原子の制限内で、例えば、ベンジル、α−メチルベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、フェニルペンチル及びフェニルヘキシルを含み;それにより、ベンジル、α−メチルベンジル及びα,α−ジメチルベンジルが好ましい。
【0035】
アルキルフェニル及びアルキルフェノキシは、それぞれ、アルキル置換されたフェニル及びフェノキシである。
【0036】
ハロゲン置換基は、−F、−Cl、−Br又は−Iであり;−F又は−Cl、特に−Clが好ましい。ハロアルキルは、特にクロロアルキル又はトリフルオロメチルであり;トリフルオロメチルが、工業的には特に重要である。
【0037】
アルキレンは、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン等である。この場合、アルキル鎖は、例えばイソプロピレンのように、分岐鎖であってもよい。
【0038】
4〜C12シクロアルケニルは、例えば2−シクロブテン−1−イル、2−シクロペンテン−1−イル、2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、2−シクロヘプテン−1−イル又は2−シクロオクテン−1−イルである。
【0039】
6〜C15ビシクロアルキルは、例えばボルニル、ノルボルニル又は2.2.2−ビシクロオクチルである。ボルニル及びノルボルニル、特にボルニル及びノルボルナ−2−イルが好ましい。
【0040】
6〜C15ビシクロアルコキシは、例えばボルニルオキシ又はノルボルナ−2−イル−オキシである。
【0041】
6〜C15ビシクロアルキル−アルキル又は−アルキコシは、ビシクロアルキルで置換されたアルキル又はアルキコシであり、炭素原子の合計数は、6〜15であり;例は、ノルボルナン−2−メチル及びノルボルナン−2−メトキシである。
【0042】
6〜C15ビシクロアルケニルは、例えばノルボルネニル又はノルボルナジエニルである。ノルボルネニル、特にノルボルナ−5−エニルが好ましい。
【0043】
6〜C15ビシクロアルケニル−アルキコシは、ビシクロアルケニルで置換されたアルキコシであり、炭素原子の合計数は、6〜15であり;例は、ノルボルナ−5−エニル−2−メトキシである。
【0044】
6〜C15トリシクロアルキルは、例えば1−アダマンチル又は2−アダマンチルであり;1−アダマンチルが好ましい。
【0045】
6〜C15トリシクロアルコキシは、例えばアダマンチルオキシである。
【0046】
3〜C12ヘテロアリールは、ピリジニル、ピリミジニル、トリアジニル、ピロリル、フラニル、チオ−フェニル又はキノリニルが好ましい。
【0047】
式(I)の化合物、及びそれらの出発物質は、公知の方法により製造できる。例えば、式(I)の化合物は、ハロトリアジンの対応する芳香族化合物及びフェノールへのフリーデル−クラフツ付加により、EP−A−434608、又は最初に言及した刊行物の1つに特定されている方法の1つと同様に、又はH.Brunetti and CE. Luthi, Helv. Chim. Acta 55, 1566(1972)による刊行物中に特定されている方法の1つと同様に製造される;米国特許第5,726,310号、米国特許第6,057,444号、米国特許第6,225,468号、及びEP−A−941989、WO00/29392も参照されたい。その手順に公知の方法による更なる反応が継続してもよく;そのような反応及び方法は、例えばEP−A−434608に記載されている。
【0048】
式(I)の化合物を調製するには、有利には、1当量の塩化シアヌルを出発物質として使用して、少なくとも3つの環を含む非置換の又は置換された芳香族炭素縮合環系のそれぞれの約1当量、並びに更なる芳香族化合物及びフェノール、例えば、レゾルシノールと反応させる。適切な芳香族出発物質は、芳香族化合物上に少なくとも1つのC−H結合を有する必要があり;使用するフェノールは、非置換のオルト位を有する必要がある。更なる芳香族化合物は、そのそれぞれが置換若しくは非置換であるナフタレン、芳香族複素環系若しくはベンゼンであってもよく、又は同一の若しくは他の一種の少なくとも3つの環を含む非置換の若しくは置換された芳香族炭素縮合環系であってもよい。
【0049】
反応は、出発物質を不活性溶媒中、無水AlCl3の存在下で塩化シアヌルと反応させることにより、それ自体公知の方法で実施される。三塩化アルミニウムは、過剰量で及び/又はHCl、例えば濃塩酸水溶液との混合物で、使用することができる。有利には、芳香族炭素縮合環系を最初に反応させ、フェノール化合物を最後に添加する。
【0050】
塩化シアヌルと芳香族炭素縮合環系との反応生成物を、更に直接反応させるか、又は公知の方法により単離することができる。
【0051】
適切な溶媒は、例えば、炭化水素、塩素化炭化水素、SO若しくはSO2基を含む炭化水素、又はニトロ化芳香族炭化水素;特に芳香族炭化水素、塩素化又はニトロ化芳香族炭化水素である。
【0052】
温度は、一般に重要ではない;使用する温度は、通常、−20℃〜溶媒の沸点、例えば0〜130℃である。
【0053】
反応生成物の、トリアジン環に関してp位の遊離フェノール性ヒドロキシル基は、公知の方法、例えばエーテル化により更に変性することができる。習慣的な方法、例えば抽出及び分離ステップ、濾過及び乾燥により処理してもよく;必要であれば、更に精製ステップ、例えば再結晶を実施することができる。
【0054】
上述した反応からの生成物は、式(I)の所定の定義の範囲内で、公知の方法に従って更に変性することができる。
【0055】
反応は、例えばアルゴン等の不活性ガスをフラッシュすることにより酸素を排除して実施することができる;しかしながら、酸素は各場合において不具合を生じず、従って反応は言及した手段を使用せずとも実施することができるる。反応が完了したら、習慣的な方法に従って処理を実施することができる。
【0056】
1
式:
【0057】
【化14】

【0058】
であり;
2が、独立してE1に定義したとおりであり、又は
式:
【0059】
【化15】

【0060】
に相当し、
25及びR27が、独立してR22に定義したとおりであり;
23、R24及びR26が、独立してR22'に定義したとおりであり;
他の基が、上記に定義したとおりである化合物が興味深い。
【0061】
例えば、E1
式:
【0062】
【化16】

【0063】
ではなく、特に
式:
【0064】
【化17】

【0065】
ではない。
【0066】
例えば、
2は、H、C1〜C18アルキル;C2〜C6アルケニル;フェニル;C1〜C8アルキル若しくはC1〜C8アルコキシで置換されたフェニル;NH−CO−R5;ハロゲン;C1〜C18ハロアルキル;C1〜C18アルコキシ;又はOR3であり;
22、R25及びR27は、独立してH、C7〜C11フェニルアルキル又はC1〜C8アルキルであり;
22'、R23、R24及びR26は、独立してH;C1〜C8アルキル;C3〜C6アルケニル;C7〜C11フェニルアルキル;C5〜C12シクロアルキル;フェニル;ナフチル;ビフェニリル;C7〜C14アルキルフェニル;NHR7;−N(R7)(R8);ハロゲン;C1〜C18ハロアルキル;又はOR3である。
【0067】
例えば、
2は、H、C1〜C8アルキル;フェニル;メチル若しくはメトキシで置換されたフェニル;NH−CO−R5;トリフルオロメチル;C1〜C18アルコキシ;又はOR3であり;
22、R25及びR27は、独立してH、C7〜C11フェニルアルキル又はC1〜C8アルキルであり;
22'、R23、R24及びR26は、独立してH;C1〜C8アルキル;C3〜C6アルケニル;C7〜C11フェニルアルキル;C5〜C12シクロアルキル;トリフルオロメチル;フェニル;ナフチル;ビフェニリル;C7〜C14アルキルフェニル;NHR7;−N(R7)(R8);又はOR3である。
【0068】
23、R24、R25、R26及びR27は、Hが好ましい。HであるR22が興味深い。
【0069】
1が、H又はC1〜C24アルキル、C2〜C18アルケニル、C5〜C12シクロアルキル、C7〜C15フェニルアルキル、フェニル、若しくはフェニル環がC1〜C8アルキルで置換された前記フェニル若しくは前記フェニルアルキル;又はOR3であり;
2が、H、C1〜C18アルキル;C2〜C6アルケニル;フェニル;C1〜C8アルキル若しくはC1〜C8アルコキシで置換されたフェニル;NH−CO−R5;ハロゲン;C1〜C18ハロアルキル;C1〜C18アルコキシ;又はOR3であり;
3が、独立してH、C1〜C18アルキル;C5〜C12シクロアルキル;C3〜C18アルケニル;フェニル;フェニル、OH、C1〜C18アルコキシ、C5〜C12シクロアルコキシ、C3〜C18アルケニルオキシ、ハロゲン、−COOH、−COOR4、−O−CO−R5、−O−CO−O−R6、−CO−NH2、−CO−NHR7、−CO−N(R7)(R8)、CN、NH2、NHR7、−N(R7)(R8)、−NH−CO−R5、フェノキシ、C1〜C18アルキル置換フェノキシ及び/若しくはフェニル−C1〜C4アルコキシで置換されたC1〜C18アルキル;OH、C1〜C4アルキル、C2〜C6アルケニル及び/又は−O−CO−R5で置換されたC5〜C12シクロアルキル;又は−SO2−R10;又は1つ以上の酸素原子で中断され、かつ非置換の若しくはOH、フェノキシ及び/若しくはC7〜C18アルキルフェノキシで置換されたC3〜C50アルキル;又は−CO−CH=CH2若しくは−CO−C(CH3)=CH2であり;
4が、独立してC1〜C18アルキル;C3〜C18アルケニル;C7〜C11フェニルアルキル;C5〜C12シクロアルキル;又は1つ以上の−O−、−NH−、−NR7−及び−S−で中断され、かつ非置換の若しくはOH、フェノキシ及び/若しくはC7〜C18アルキルフェノキシで置換されたC3〜C50アルキル;又はC2〜C12ヒドロキシアルキルであり;
5が、独立してH;C1〜C18アルキル;C2〜C18アルケニル;C5〜C12シクロアルキル;フェニル;又はC7〜C11フェニルアルキルであり;
6が、独立してC1〜C18アルキル;C3〜C18アルケニル;フェニル;C7〜C11フェニルアルキル;又はC5〜C12シクロアルキルであり;
7とR8が、独立してC1〜C12アルキル;C3〜C12アルコキシアルキル;C4〜C16ジアルキルアミノアルキル;若しくはシクロヘキシルであり;又は一緒になってC3〜C9−アルキレン若しくは−オキサアルキレンを形成し;
10が、独立してC1〜C12アルキル;フェニル;ナフチル又はC7〜C14アルキルフェニルであり;
11及びR22が、独立してH、C7〜C11フェニルアルキル又はC1〜C8アルキルであり;
22'が、独立してH;C1〜C8アルキル;C3〜C6アルケニル;C7〜C11フェニルアルキル;C5〜C12シクロアルキル;フェニル;ナフチル;ビフェニリル;C7〜C14アルキルフェニル;NHR7;−N(R7)(R8);ハロゲン;C1〜C18ハロアルキル;又はOR3であり;
他の基が上記に定義したとおりである化合物が、更に興味深い。
【0070】
1が、H若しくはC1〜C24アルキル、C2〜C18アルケニル、C5〜C12シクロアルキル、C7〜C15フェニルアルキル、フェニル、若しくはフェニル環がC1〜C8アルキルで置換された前記フェニル若しくは前記フェニルアルキル;又はOR3であり;
2が、H、C1〜C8アルキル;フェニル;メチル若しくはメトキシで置換されたフェニル;NH−CO−R5;トリフルオロメチル;C1〜C18アルコキシ;又はOR3であり;
3が、独立してH、C1〜C18アルキル;シクロヘキシル;C3〜C18アルケニル;フェニル、OH、C1〜C18アルコキシ、シクロヘキシルオキシ、ハロゲン、−COOH、−COOR4、−O−CO−R5、−CO−NHR7、−CO−N(R7)(R8)、CN、NHR7、−N(R7)(R8)、−NH−CO−R5及び/若しくはフェニル−C1〜C4アルコキシで置換されたC1〜C18アルキル;又はOH、C1〜C4アルキル、C2〜C6アルケニル及び/若しくは−O−CO−R5で置換されたシクロヘキシルであり;
4が、独立してC1〜C18アルキル;C7〜C11フェニルアルキル;C5〜C12シクロアルキル;又はC2〜C12ヒドロキシアルキルであり;
5が、独立してH;C1〜C18アルキル;C2〜C8アルケニル;シクロヘキシル;フェニル;又はC7〜C11フェニルアルキルであり;
7とR8が、独立してC3〜C12アルキル若しくはシクロヘキシルであるか;又は一緒になってC3〜C9オキサアルキレンを形成し;
11及びR22が、独立してH、C7〜C11フェニルアルキル又はC1〜C8アルキルであり;
22'が、独立してH;C1〜C8アルキル;C3〜C6アルケニル;C7〜C11フェニルアルキル;C5〜C12シクロアルキル;トリフルオロメチル;フェニル;ナフチル;ビフェニリル;C7〜C14アルキルフェニル;NHR7;−N(R7)(R8);又はOR3であり;
他の基が上記に定義したとおりである化合物も興味深い。
【0071】
式(II):
【0072】
【化18】

【0073】
(式中、
1'は、
下記:
【0074】
【化19】



【0075】
であり;
2'は、独立してE1'に定義したとおりであり、又は
式:
【0076】
【化20】

【0077】
に相当し;
他の基は、上記に定義したとおりである)
に相当する化合物が好ましい。
【0078】
1'が、
式:
【0079】
【化21】

【0080】
であり、
2'が、独立してE1'に定義したとおりであり、又は
式:
【0081】
【化22】

【0082】
に相当し、
他の基が上記に定義したとおりである化合物が、より好ましい。
【0083】
1
下記:
【0084】
【化23】

【0085】
ではないことが好ましい。
【0086】
1'が、
式:
【0087】
【化24】

【0088】
であり、
2'が、独立してE1'に定義したとおりであり、又は
式:
【0089】
【化25】

【0090】
に相当し、
1が、H、C1〜C12アルキル又はOR3であり;
2が、H、C1〜C8アルキル;又はOR3であり;
3が、独立してH、C1〜C18アルキル;又はOH、C1〜C18アルコキシ、COOR4及び/若しくは−O−CO−R5で置換されたC1〜C12アルキルであり;
4が、独立してC1〜C18アルキルであり;
5が、独立してH;C1〜C18アルキル;又はC7〜C11フェニルアルキルであり;
11が、Hであり;かつ
22'が、H、メチル又はOR3である化合物が、更により好ましい。
【0091】
1'
式:
【0092】
【化26】

【0093】
であり;
2'が、独立してE1'に定義したとおりであり、又は
式:
【0094】
【化27】

【0095】
に相当し、
1及びR2が、独立してOR3であり;
3が、独立してH、C1〜C18アルキル;又はOH、C1〜C18アルコキシ及び/若しくはCOOR4で置換されたC1〜C12アルキルであり;
4が、独立してC1〜C18アルキルであり;
11が、Hであり;かつ
22'が、OR3、好ましくはOHである化合物が最も好ましい。
【0096】
1は、
下記:
【0097】
【化28】

【0098】
ではないことが好ましい。
【0099】
例えば、R3は、独立してH、C1〜C18アルキル;又はOH及び/若しくはC1〜C18アルコキシで置換されたC1〜C12アルキルである。例えば、R3は、C1〜C18アルキルではない。
【0100】
例えば、R11は、本明細書にて上記に定義したとおりである。
【0101】
例えば、R22'は、OHである。
【0102】
本発明のトリアジンは、一般に、様々な基材中のUV吸収剤として有用である。したがって、本発明の別の態様は、
(a)光誘起分解に付される有機材料、及び
(b)式(I)で示される化合物
を含む、光誘起分解に対して安定化された組成物である。
【0103】
例えば、組成物は、更に添加剤を含む。
【0104】
更なる添加剤の例を、以下に記載する。
【0105】
1.酸化防止剤
1.1. アルキル化モノフェノール、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチル−フェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、側鎖において直鎖又は分岐鎖であるノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデカ−1’−イル)フェノール及びその混合物。
【0106】
1.2. アルキルチオメチルフェノール、例えば2,4−ジオクチルチオメチル6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチル−チオメチル6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0107】
1.3. ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ−フェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアラート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジパート。
【0108】
1.4. トコフェロール、例えばα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びその混合物(ビタミンE)。
【0109】
1.5. ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−ジスルフィド。
【0110】
1.6. アルキリデンビスフェノール、例えば2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチル−フェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチラート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタラート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0111】
1.7. O−、N−及びS−ベンジル化合物、例えば3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジ−ベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセタート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセタート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタラート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセタート。
【0112】
1.8. ヒドロキシベンジル化マロナート、例えばジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロナート、ジ−オクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロナート、ジ−ドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロナート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロナート。
【0113】
1.9. 芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0114】
1.10. トリアジン化合物、例えば2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌラート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌラート、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソ−シアヌラート。
【0115】
1.11. ベンジルホスホナート、例えばジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホナート、ジエチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホナート、ジオクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホナート、ジオクタデシル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホナート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0116】
1.12. アシルアミノフェノール、例えば4−ヒドロキシラウルアニリド、4−ヒドロキシステアルアニリド、オクチルN−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバマート。
【0117】
1.13. β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステル、一価又は多価アルコール類、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0118】
1.14. β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸の一価又は多価アルコール類とのエステル、アルコール類は、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N,N’−ビス−(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカンとのエステルである。
【0119】
1.15. β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の一価又は多価アルコール類とのエステル、アルコール類は、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステルである。
【0120】
1.16. 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸の一価又は多価アルコール類とのエステル、アルコール類は、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステルである。
【0121】
1.17. β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えばN,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Naugard(登録商標)XL-1、Uniroyal社から供給)。
【0122】
1.18. アスコルビン酸(ビタミンC)
【0123】
1.19. アミン酸化防止剤、例えばN,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニル−アミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチル−アミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノ−メチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラ−メチル−4−4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニル−アミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ及びジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化tert−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ及びジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルフェノチアジンの混合物、モノ及びジアルキル化tert−オクチル−フェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブタ−2−エン。
【0124】
2.UV吸収剤及び光安定剤
2.1. ベンゾトリアゾール、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニル−エチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシ−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール];2−[3’−tert−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;
【0125】
【化29】

【0126】
(式中、R=3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]−ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)−フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0127】
2.2. 2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ及び2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0128】
2.3. 安息香酸塩、例えば4−tert−ブチル−フェニルサリチラート、フェニルサリチラート、オクチルフェニルサリチラート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、ヘキサデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート。
【0129】
2.4.アクリル酸塩、(α−シアノアクリラートなどの)、例えばエチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリラート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリラート、メチルα−カルボメトキシシンナマート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナマート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−シンナマート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナマート、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン、ネオペンチルテトラ(α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリラート。
【0130】
2.5.ニッケル化合物、例えば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン又はN−シクロヘキシルジエタノールアミンなどのリガンドを場合により更に有する、1:1又は1:2錯体などの2,2’−チオ−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチル−ブチル)フェノール]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバマート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルホスホン酸の、モノアルキルエステル例えばメチル又はエチルエステルのニッケル塩、ケトキシム、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、更なるリガンドを有する又は有しない1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0131】
2.6.立体障害性アミン安定剤、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)コハク酸、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロナート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖又は環式縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセタート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロナート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバカート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)コハク酸、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖又は環式縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−と4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンならびに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(CAS登録番号[136504-96-6])の縮合物;1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンならびにN,N−ジブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(CAS登録番号[192268-64-7])の縮合物;N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4,5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ−[4,5]デカンとエピクロリヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エタン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサ−メチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸の1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィン共重合体の2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、2,4−ビス[N−(1−シクロへキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−(2−エチルヘキサノイル)−オキシメチル3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、Sanduvor(登録商標)(Clariant;CAS登録番号106917-31-1)、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、2,4−ビス[(1−シクロへキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンのN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン。
【0132】
2.7.オキサニドリド、例えば4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エトキサニリド及びその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物及びo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0133】
2.8.s−トリアジン、例えば2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピル−オキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル−フェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−[2−エチルヘキシルオキシ]−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0134】
3.金属不活性化剤、例えばN,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラール−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0135】
4.ホスファイト及びホスホナイト、例えば トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキル ホスファイト、フェニルジアルキル ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリル ホスファイト、トリオクタデシル ホスファイト、ジステアリルペンタエリトリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)−ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2’’−ニトリロ−[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0136】
以下のホスファイトは特に好ましい。
【0137】
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(lrgafos(登録商標)168、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・インコーポレーテッド)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
【0138】
【化30】

【0139】
5.ヒドロキシルアミン、例えばN,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化獣脂アミンから誘導したN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0140】
6.ニトロン、例えば、N−ベンジル−アルファ−フェニルニトロン、N−エチル−アルファ−メチルニトロン、N−オクチル−アルファ−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−アルファ−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−アルファ−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−アルファ−ヘプタ−デシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘキサデシルニトロン、水素化獣脂アミンから誘導したN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導したニトロン。
【0141】
7.チオ相乗剤、例えばジラウリルチオジプロピオナート、ジミストリルチオジプロピオナート、ジステアリルチオジプロピオナート又はジステアリルジスルフィド。
【0142】
8.過酸化物スカベンジャー、例えばβ−チオジプロピオン酸のエステル、例えばラウリル、ステアリル、ミリスチル又はトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾール又は2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオナート。
【0143】
9.ポリアミド安定剤、例えばヨウ化物及び/又はリン化合物と組み合わせた銅塩、及び二価マンガンの塩。
【0144】
10.塩基性補助安定剤、例えばメラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌラート、ウレア誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウム及びパルミチン酸カリウム、ピロカテコール酸アンチモン又はピロカテコール酸亜鉛。
【0145】
11.核剤、例えば、タルクなどの無機物質、二酸化チタン又は酸化マグネシウムなどの金属酸化物、好ましくはアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩又は硫酸塩;モノ又はポリカルボン酸及びその塩などの有機化合物、例えば4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム;イオンコポリマー(イオノマー)などのポリマー化合物。特に好ましいものは1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール、及び1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトール。
【0146】
12.充填剤及び強化剤、例えば炭酸カルシウム、ケイ酸塩、ガラス繊維、ガラス球、アスベスト、タルク、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物及び水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉及び他の天然物の粉末又は繊維、合成繊維。
【0147】
13.その他の添加剤、例えば可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流れ調整剤、蛍光増白剤、防炎加工剤、静電防止剤及び発泡剤。
【0148】
14.ベンゾフラノン及びインドリノン、例えば米国特許第4,325,863;米国特許第4,338,244;米国特許第5,175,312;米国特許第5,216,052;米国特許第5,252,643;DE−A−4316611;DE−A−4316622;DE−A−4316876;EP−A−0589839、EP−A−0591102;EP−A−1291384に開示されるもの、又は3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシ−エトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2−アセチル−5−イソオクチルフェニル)−5−イソオクチル−ベンゾフラン−2−オン。
【0149】
例えば、更なる添加剤は、フェノール系及び/又はアミン系酸化防止剤、立体障害アミン安定剤、式(I)とは異なるUV吸収剤、ホスファイト、ホスホナイト、ベンゾフラノン、ステアリン酸金属塩、金属酸化物、顔料、染料、有機リン化合物、ヒドロキシルアミン及び/又は難燃剤である。
【0150】
そのような更なる添加剤は、オキサニリド、ヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾアート、α−シアノアクリラート、ベンゾトリアゾール及び式(I)とは異なるs−トリアジンからなる群より選択される立体障害アミン安定剤及び/又はUV吸収剤が好ましい。
【0151】
更なるUV吸収剤が添加される場合、それらは、有機材料の重量に基づき、0.1〜30%、より好ましくは0.5〜15%、最も好ましくは1〜10重量%の量で添加されることが好ましい。例えば、これらの選択は、塗料、塗料組成物及び記録材料に適用される。例えば、ポリマー組成物中、更なるUV吸収剤は、有機材料の重量に基づき、0.1〜10%、好ましくは0.1〜5%、特に0.1〜2%の量で添加される。
【0152】
立体障害アミン安定剤が更に添加される場合、安定剤は、有機材料の重量に基づき、0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%、最も好ましくは1〜3重量%の量で添加されることが好ましい。例えば、これらの選択は、塗料、塗料組成物及び記録材料に適用される。例えば、ポリマー組成物中、立体障害アミン安定剤の量は、有機材料の重量に基づき、0.1〜5%、好ましくは0.1〜2%、特に0.1〜0.5%である。
【0153】
式(I)のUV吸収剤、及び他のUV吸収剤、及び/又は立体障害アミン安定剤の合計量は、有機材料の重量に基づき、例えば0.5〜15重量%である。
【0154】
立体障害アミン安定剤と、異なるクラスのUV吸収剤の例は、上記に記載されている。
【0155】
特に好ましいUV吸収剤は、以下のs−トリアジン及びベンゾトリアゾールである:
下記:
【0156】
【化31】







【0157】
ヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤は公知であり、その一部は市販品目である。
【0158】
最も適切なベンゾトリアゾールUV吸収剤は、商品名TINUVIN(登録商標)384、TINUVIN(登録商標)928、TINUVIN(登録商標)900、TINUVIN(登録商標)328及びTINUVIN(登録商標)1130の下で市販されている。
【0159】
好ましいオキサニリドUV吸収剤は、SANDUVOR(登録商標)VSU及びSANDUVOR(登録商標)3206を含む。
【0160】
好ましいヒドロキシベンゾフェノンは、CHIMASSORB(登録商標)81及びUVINUL(登録商標)3049を含む。
【0161】
立体障害アミン安定剤は、以下の市販製品からなる群より選択されることが好ましい:
DASTIB(登録商標)845、TINUVIN(登録商標)770、TINUVIN(登録商標)765、TINUVIN(登録商標)144、TINUVIN(登録商標)123、TINUVIN(登録商標)111、TINUVIN(登録商標)783、TINUVIN(登録商標)791、TINUVIN(登録商標)123、TINUVIN(登録商標)292、TINUVIN(登録商標)152、TINUVIN(登録商標)144、MARK(登録商標)LA52、MARK(登録商標)LA57、MARK(登録商標)LA62、MARK(登録商標)LA67、HOSTAVIN(登録商標)N20、HOSTAVIN(登録商標)N24、SANDUVOR(登録商標)3050、SANDUVOR(登録商標)3058、DIACETAM(登録商標)5、SUMISORB(登録商標)TM61、UVINUL(登録商標)4049、SANDUVOR(登録商標)PR31、GOODRITE(登録商標)UV3034、GOODRITE(登録商標)UV3150、GOODRITE(登録商標)UV3159、GOODRITE(登録商標)3110x128、UVINUL(登録商標)4050H、CHIMASSORB(登録商標)944、CHIMASSORB(登録商標)2020、CYASORB(登録商標)UV3346、CYASORB(登録商標)UV3529、DASTIB(登録商標)1082、CHIMASSORB(登録商標)119、UVASIL(登録商標)299、UVASIL(登録商標)125、UVASIL(登録商標)2000、UVINUL(登録商標)5050H、LICHTSCHUTZSTOFF(登録商標)UV31、LUCHEM(登録商標)HAB18、MARK(登録商標)LA63、MARK(登録商標)LA68、UVASORB(登録商標)HA88、TINUVIN(登録商標)622、HOSTAVIN(登録商標)N30及びFERRO(登録商標)AM806。
【0162】
TINUVIN(登録商標)770、TINUVIN(登録商標)292、TINUVIN(登録商標)123、TINUVIN(登録商標)144、TINUVIN(登録商標)152及びSANDUVOR(登録商標)3058が、特に好ましい。
【0163】
記録材料である有機材料が興味深い。
【0164】
本発明による記録材料は、感圧複写システム、マイクロカプセルを使用した写真複写システム、感熱複写システム、写真材料及びインクジェット印刷に適切である。
【0165】
本発明による記録材料は、特に日光堅牢度に関する品質面での予想外の改善により際立っている。
【0166】
本発明による記録材料は、特定の用途に関する周知の構造を有する。それらは、習慣的な担体、例えば1つ以上の層を被覆した紙又はプラスチックフィルムから構成される。材料の種類に応じて、これらの層は、適切な必要成分を含み、写真材料の場合、例えばハロゲン化銀エマルジョン、染料カプラー、染料等を含む。インクジェット印刷に特に適切な材料は、習慣的な担体上に、インクに対して特に吸収力のある層を有する。インクジェット印刷には、非被覆紙も使用することができる。この場合、紙は、担体材料とインク吸収層の両方として働く。インクジェット印刷に適切な材料は、例えば米国特許第5,073,448号に記載されている。
【0167】
記録材料はまた、例えば映写フィルムの場合、透明であることができる。
【0168】
式(I)の化合物は、紙の製造中において、早期の梳毛材料の製造中に、例えば紙パルプに添加することにより、梳毛材料中に組み込むことができる。用途の第二の方法は、梳毛材料に式(I)の化合物の水溶液をスプレーし、又は化合物を塗料組成物に添加することである。
【0169】
映写に適切な透明記録材料を意図する塗料組成物は、顔料及びフィラー等の、光を散乱する任意の粒子を含有することができない。
【0170】
染料結合塗料組成物は、多数の他の添加剤、例えば酸化防止剤、光安定剤(本発明によるUV吸収剤に属さないUV吸収剤も含む)、増粘剤、蛍光増白剤、殺生物剤及び/又は帯電防止剤を含有することができる。
【0171】
塗料組成物は、通常、以下のように調製される:水溶性成分、例えばバインダーを水に溶解し、一緒に撹拌する。固体成分、例えば既に記載したフィラー及び他の添加剤を、この水性媒体中に分散する。分散は、装置を用いて、例えば超音波サンプル、タービン攪拌機、ホモジナイザー、コロイドミル、ビーズミル、サンドミル、高速攪拌機等により、有利に梳き出される。式(I)の化合物は、塗料組成物中に容易に組み込むことができる。
【0172】
本発明による記録材料は、1〜5000mg/m2、特に50〜1200mg/m2の式(I)の化合物を含有することが好ましい。
【0173】
既に述べたように、本発明による記録材料は、幅広い分野を包含する。式(I)の化合物は、例えば感圧複写システムに使用することができる。これらは、紙中に導入されて、マイクロカプセル内に封入した染料前駆体を光から保護し、又は現像剤層のバインダー中に導入されて、そこで形成される染料を保護することができる。
【0174】
圧力により現像する感光性マイクロカプセルを使用した写真複写システムは、米国特許第4,416,966号;米国特許第4,483,912号;米国特許第4,352,200号;米国特許第4,535,050号;米国特許第4,5365,463号;米国特許第4,551,407号;米国特許第4,562,137号及び米国特許第4,608,330号、並びにEP−A139,479;EP−A162,664;EP−A164,931;EP−A237,024;EP−A237,025又はEP−A260,129にも記載されている。これらの全システムにおいて、化合物を染料受容層中に導入することができる。しかしながら、化合物は、発色剤を光から保護するために、供与層中にも導入することができる。
【0175】
安定化することができる写真材料は、写真染料、及びそれら染料又はその前駆体を含有する層、例えば写真紙及びフィルムである。適切な材料は、例えば、米国特許第5,364,749号に記載されている。式(I)の化合物は、ここではフラッシュに対するUVフィルターとして作用する。カプラー及び染料は、カラー写真材料中で、光化学的分解に対しても保護され得る。
【0176】
本発明の化合物は、カラー写真材料の全種類に使用することができる。例えば、これらは、カラー紙、カラーリバーサル紙、直接ポジカラー材料、カラーネガフィルム、カラーポジフィルム、カラーリバーサルフィルム等に使用することができる。これらは、とりわけリバーサル基材を含む、又はポジを形成するカラー写真材料に使用することが好ましい。
【0177】
カラー写真記録材料は、通常、支持体上に、青感性及び/又は緑感性及び/又は赤感性ハロゲン化銀エマルジョン層と、所望であれば保護層を含み、化合物は、好ましくは、緑感性層若しくは赤感性層中に、又は緑感性層と赤感性層の間の層中に、又はハロゲン化銀エマルジョン層の頂部の層中に存在する。
【0178】
式(I)の化合物は、光重合、光可塑化、又はマイクロカプセルの破裂の原理に基づく記録材料中にも使用することができ、あるいは感熱及び感光性の場合、ジアゾニウム塩、酸化剤を有するロイコ染料、又はルイス酸を有するラクトン染料が使用される。
【0179】
更に、これらは、染料拡散転写、溶融型熱転写印刷及びドットマトリクス印刷のための記録材料として、また静電、電子写真、電気泳動、磁気図形及びレーザー電子写真プリンター及びペンプロッターと共に使用することができる。上記の中でも、例えばEP−A−507,734に記載されているように、染料拡散転写印刷のための記録材料が好ましい。
【0180】
これらは、例えば、更に米国特許第5,098,477号に記載されているように、インク、好ましくはインクジェット印刷のためのインク中にも使用することができる。
【0181】
更に、天然、半合成又は合成ポリマー、特に熱可塑性ポリマーである有機材料が興味深い。
【0182】
そのようなポリマーの例を以下に示す。
1 モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタ−1−エン、ポリ−4−メチルペンタ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(場合により架橋されることができる)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)。
【0183】
ポリオレフィン、すなわち、前の段落に例示したモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、異なる方法、特に以下の方法により調製することができる:
a)ラジカル重合(通常、高圧及び高温下)。
b)通常、周期律表の第IVb、Vb、VIb又はVIII族の1つ以上の金属を含有する触媒を用いた触媒重合。これらの金属は、通常、1つ以上のリガンドを有し、それらは一般に、π−又はσ−共役型であってもよいオキシド、ハライド、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールである。これらの金属錯体は、遊離形態、又は基体、一般に活性化塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナ若しくは酸化ケイ素上に固定されていてもよい。これらの触媒は、重合媒体に可溶又は不溶であってもよい。触媒は、重合に単独で使用することができ、又は更に一般に金属アルキル、金属ハライド、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシド若しくは金属アルキルオキサンである活性剤を使用してもよく、前記金属は、周期律表の第Ia、IIa及び/又はIIIa族の元素である。活性剤は、更にエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル基で都合良く変性されていてもよい。これらの触媒系は、通常、Phillips、Standard Oil Indiana、チーグラー(-Natta)、TNZ(DuPont)、メタロセン又はシングルサイト触媒(SSC)と称される。
【0184】
2 1)で言及したポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレン、ポリプロピレンとポリエチレンの混合物(例えばPP/HDPE、PP/LDPE)、及び異なる種類のポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
【0185】
3 モノオレフィン及びジオレフィンの互いの、又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、及びその低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブタ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブタ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、エチレン/ノルボルネン様COC)、エチレン/1−オレフィンコポリマー、ここで1−オレフィンは、その場で生成される;プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アクリル酸アルキルコポリマー、エチレン/メタクリル酸アルキルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(イオノマー)、並びにエチレンのプロピレンとジエン、例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン−ノルボルネンとのターポリマー;並びにそれらコポリマーの互いの、及び上記の1)に言及したポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA、並びに交互又はランダムポリアルキレン/炭素モノオキシドコポリマー及びその他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0186】
4 その水素化変性物を含む炭化水素樹脂(例えばC5〜C9)(例えば、タッキファイヤー)、及びポリアルキレンと澱粉の混合物。
【0187】
1)〜4)からのホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、イソタクチック、ヘミイソタクチック又はアタクチックを含む任意の立体構造を有していてもよい;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0188】
5 ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0189】
6 スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全異性体、特にp−ビニルトルエン、エチルスチレンの全異性体、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセンを含むビニル芳香族モノマーから誘導した芳香族ホモポリマー及びコポリマー、並びにそれらの混合物。ホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、イソタクチック、ヘミイソタクチック又はアタクチックを含む任意の立体構造を有していてもよい;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0190】
6a 前述したビニル芳香族モノマーと、エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、無水マレイン酸、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニルから選択されるコモノマー又はアクリル誘導体とのコポリマー、並びにそれらの混合物、例えばスチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(インターポリマー)、スチレン/メタクリル酸アルキル、スチレン/ブタジエン/アクリル酸アルキル、スチレン/ブタジエン/メタクリル酸アルキル、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸メチル;スチレンコポリマーと他のポリマーとの高衝撃強度の混合物、例えばポリアクリラート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマー;並びに例えばスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレン等の、スチレンのブロックコポリマー。
【0191】
6b 6)で言及したポリマーの水素化により誘導した水素化芳香族ポリマー、特に、多くの場合、ポリビニルシクロヘキサン(PVCH)と称される、アタクチックポリスチレンの水素化により調製されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含む。
【0192】
6c 6a)で言及したポリマーの水素化により誘導した水素化芳香族ポリマー。
ホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、イソタクチック、ヘミイソタクチック又はアタクチックを含む任意の立体構造を有していてもよい;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0193】
7 例えばスチレン又はα−メチルスチレン等のビニル芳香族モノマーのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエン上のスチレン、ポリブタジエン−スチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマー上のスチレン;ポリブタジエン上のスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリラート;ポリブタジエン上のスチレン及び無水マレイン酸;ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル及び無水マレイン酸又はマレイミド;ポリブタジエン上のスチレン及びマレイミド;ポリブタジエン上のスチレン及びアクリル酸又はメタクリル酸アルキル;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー上のスチレン及びアクリロニトリル;アクリル酸ポリアルキル又はメタクリル酸ポリアルキル上のスチレン及びアクリロニトリル、アクリラート/ブタジエンコポリマー上のスチレン及びアクリロニトリル、並びにそれらの6)で列挙したコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして公知のコポリマー混合物。
【0194】
8 ハロゲン含有ポリマー、例えばポリクロロプレン、塩素化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化及び臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化又はスルホ塩素化ポリエチレン、エチレンと塩素化エチレンとのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ及びコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、及び例えば塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマー等のそれらのコポリマー。
【0195】
9 α,β−不飽和酸及びその誘導体から誘導したポリマー、例えばポリアクリラート及びポリメタクリラート;アクリル酸ブチルで衝撃変性(impact-modified)したポリメチルメタクリラート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
【0196】
10 9)で言及したモノマーの互いの、又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アクリル酸アルキルコポリマー、アクリロニトリル/アクリル酸アルコキシアルキル若しくはアクリロニトリル/ハロゲン化ビニルコポリマー、又はアクリロニトリル/アルキルメタクリラート/ブタジエンターポリマー。
【0197】
11 不飽和アルコール及びアミン又はアシル誘導体若しくはそのアセタールから誘導したポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレイン酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリフタル酸アリル又はポリアリルメラミン;並びにそれらの上記の1)に言及したオレフィンとのコポリマー。
【0198】
12 環状エーテルのホモポリマー及びコポリマー、例えばポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、又はそれらのビスグリシジルエーテルとのコポリマー。
【0199】
13 ポリアセタール、例えばポリオキシメチレン、及びエチレンオキシドをコモノマーとして含有するポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリラート又はMBSで変性させたポリアセタール。
【0200】
14 ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、並びにポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
【0201】
15 ヒドロキシル末端ポリエーテル、ポリエステル又はポリブタジエンを一方の成分として、脂肪族又は芳香族ポリイソシアナートを他方の成分として誘導したポリウレタン、並びにその前駆体。
【0202】
16 ジアミン及びジカルボン酸、並びに/又はアミノカルボン酸若しくは対応するラクタムから誘導したポリアミド及びコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミン及びアジピン酸から出発した芳香族ポリアミド;ヘキサメチレンジアミン並びにイソフタル酸又は/及びテレフタル酸から、変性剤としてエラストマーを用いて又は用いずに調製したポリアミド、例えばポリ−2,4,4,−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ−m−フェニレンイソフタルアミド;並びにまた、前述したポリアミドのポリオレフィン、オレフィンコポリマー、イオノマー又は化学的に結合し若しくはグラフトしたエラストマーとのブロックコポリマー;又はポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール若しくはポリテトラメチレングリコールとのブロックポリマー;並びにEPDM又はABSで変性させたポリアミド又はコポリアミド;並びに加工中に縮合させたポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0203】
17 ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンゾイミダゾール。
【0204】
18 ジカルボン酸とジオール及び/又はヒドロキシカルボン酸若しくは対応するラクトンから誘導したポリエステル、例えばポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタラート、ポリアルキレンナフタラート(PAN)及びポリヒドロキシベンゾアート、並びにヒドロキシル末端ポリエーテルから誘導したブロックコポリエーテルエステル;並びにまた、ポリカーボネート又はMBSで変性させたポリエステル。
【0205】
19 ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート。
【0206】
20 ポリケトン。
【0207】
21 ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
【0208】
22 アルデヒドを一方の成分として、フェノール、尿素及びメラミンを他方の成分として誘導した架橋ポリマー、例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。
【0209】
23 乾燥及び非乾燥アルキド樹脂。
【0210】
24 飽和及び不飽和ジカルボン酸と多価アルコールのコポリエステル、及び架橋剤としてのビニル化合物のコポリエステルから誘導した不飽和ポリエステル樹脂、並びにまた、それらの低燃焼性のハロゲン含有変性物。
【0211】
25 置換アクリラート、例えばエポキシアクリラート、ウレタンアクリラート又はポリエステルアクリラートから誘導した架橋性アクリル樹脂。
【0212】
26 メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアナート、イソシアヌラート、ポリイソシアナート又はエポキシ樹脂と架橋したアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリラート樹脂。
【0213】
27 促進剤を伴い、又は伴わずに例えば無水物又はアミン等の習慣的な硬化剤で架橋させた、脂肪族、環式脂肪族、複素環式又は芳香族グリシジル化合物から誘導した架橋エポキシ樹脂、例えばビスフェノールA及びビスフェノールFのジグリシジルエーテル生成物。
【0214】
28 例えばセルロース、ゴム、ゼラチン等の天然ポリマー、及び化学的に変性させたそれらの同族誘導体、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース及び酪酸セルロース、又は例えばメチルセルロース等のセルロースエーテル;並びにロジン及びその誘導体。
【0215】
29 前述したポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDM若しくはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリラート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリラート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0216】
本発明の化合物を、合成有機ポリマー、例えば塗料若しくはバルクポリマー又はそれらから形成された物品、特に熱可塑性ポリマー及び対応する組成物、並びに塗料組成物、例えば酸又は金属触媒された塗料組成物中の安定剤として使用することが、興味深い。
【0217】
一般に、本発明の化合物は、安定化させる有機ポリマーに、(安定化させる有機ポリマーに基づき)0.01〜10%、好ましくは0.01〜5%、特に0.01〜2%の量で添加される。本発明の化合物は、0.05〜1.5%、特に0.1〜0.5%の量で使用することが特に好ましい。
【0218】
有機ポリマー中への組み込みは、例えば、本発明の化合物、及び所望であれば更に添加剤を、当該技術分野にて習慣的な方法により混合又は塗布することにより達成されることができる。組み込みは、成形操作前若しくは操作中に実施できるか、又は溶解し若しくは分散した化合物をポリマーに塗布し、続いて溶媒を蒸発させ、若しくは蒸発させなくてもよい。エラストマーの場合、これらはラテックスとしても安定化され得る。本発明の化合物をポリマー中に組み込む別の可能性は、化合物を対応するモノマーの重合前、重合中若しくは重合直後、又は架橋前に添加することである。この文脈において、本発明の化合物は、そのままで又はさもなくば(例えばロウ、油又はポリマー中の)封入形態で添加され得る。
【0219】
本発明の化合物は、前記化合物を例えば2.5〜25重量%の濃度で含むマスターバッチの形態で、安定化されるポリマーに添加することができる。
【0220】
本発明の化合物は、賢明には以下の方法で組み込むことができる:
−エマルジョン又は分散液として(例えば、ラテックス又はエマルジョンポリマーへ)、
−更なる成分又はポリマー混合物の混合中に、乾燥混合物として、
−加工装置(例えば、押出機、内部混合機等)内へ直接導入、
−溶液又は溶融物として。
【0221】
新規なポリマー組成物は、様々な形態で、様々な製品を与え、例えばフィルム、繊維、テープ、成形組成物、プロファイル(を与え)、又は塗料材料、接着剤若しくはパテのための結合剤として、使用し及び/又は加工することができる。
【0222】
例えば、有機材料は、塗料組成物、特に自動車用塗料組成物である。
【0223】
例えば、有機材料は、塗料、特に自動車用塗料である。
【0224】
塗料に使用する樹脂は、一般に、例えば、アルデヒドを一方の成分として、フェノール、尿素及びメラミンを他方の成分として誘導した架橋ポリマー、例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂である。
【0225】
飽和及び不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとのコポリエステル、及び架橋剤としてのビニル化合物から誘導した不飽和ポリエステル樹脂、並びにまた、それらの低燃焼性のハロゲン含有変性物も有用である。
【0226】
置換アクリラート、例えばエポキシアクリラート、ウレタンアクリラート又はポリエステルアクリラートから誘導した架橋性アクリル樹脂は、好ましく使用される。
【0227】
メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアナート、イソシアヌラート、ポリイソシアナート又はエポキシ樹脂と架橋したアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリラート樹脂も可能である。
【0228】
促進剤を伴い、又は伴わずに例えば無水物又はアミン等の習慣的な硬化剤で架橋させた、脂肪族、環式脂肪族、複素環式又は芳香族グリシジル化合物から誘導した架橋エポキシ樹脂、例えばビスフェノールA及びビスフェノールFのジグリシジルエーテル生成物。
【0229】
塗料材料は、エチレン型不飽和モノマー又はオリゴマー、及びポリ不飽和脂肪族オリゴマーを含有する放射線硬化組成物であってもよい。
【0230】
光の作用に対して安定化することができる本発明によるアルキド樹脂ラッカーは、特に自動車(自動車用仕上げラッカー)の塗料に使用される従来の焼き付けラッカー、例えばアルキド/メラミン樹脂及びアルキド/アクリル/メラミン樹脂に基づくラッカー(H. Wagner and H. F. Sarx, "Lackkunstharze"(1977),pages 99-123参照)である。他の架橋剤は、グリコウリル樹脂、ブロックイソシアナート又はエポキシ樹脂を含む。
【0231】
本発明の化合物は、場合によりケイ素、イソシアナート又はイソシアヌラートで変性された非酸触媒熱硬化性樹脂、例えばエポキシ、エポキシ−ポリエステル、ビニル、アルキド、アクリル及びポリエステル樹脂中での使用に適合することも理解される。エポキシ及びエポキシ−ポリエステル樹脂は、従来の架橋剤、例えば酸、酸無水物、アミン等で架橋される。これに対応して、エポキシドは、骨格構造上の反応性基の存在により変性されている様々なアクリル又はポリエステル樹脂系の架橋剤として使用してもよい。
【0232】
水溶性、水混和性又は水分散性塗装が所望される場合、樹脂中に存在する酸基のアンモニウム塩が形成される。メタクル酸グリシジルを選択されたアルコール成分と反応させることにより、粉末塗料組成物を調製することができる。
【0233】
有機材料は、以下の層を含む自動車用塗料であることが最も好ましい。
d)金属基材に付着する、陰極に堆積させた塗料;
e)陰極に堆積させた塗料に付着する、式(I)で示される化合物を含有する少なくとも1つ次の塗料層;及び
f)式(I)のものとは異なる一種以上のUV吸収剤、及び場合により更に光安定剤を含有する透明頂部塗料。
【0234】
例えば、塗料層e)は、塗料層d)と直接隣り合い、塗料層f)は、塗料層e)と直接隣り合う。
【0235】
例えば、このような自動車用塗料において、金属基材は、例えば習慣的なリン酸亜鉛浴内で前処理される。
【0236】
塗料が380nmを超える波長の電磁放射に感応する基材上に塗布される組成物が興味深い。
【0237】
典型的な感応性基材は、例えば金属基材に付着する、陰極に堆積させた塗料である。このような塗料は、一般に自動車産業で使用される。
【0238】
380nmを超える波長の電磁放射に対する感応性に基づき、例えば450nmまで、好ましくは440nmまで、特に420nmの波長帯におけるUV又は可視光が理解される。
【0239】
例えば、式(I)の化合物は、本発明の組成物中、有機材料の重量に基づき、0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜15%、より好ましくは1〜10重量%の量で存在する。これらの濃度は、塗料組成物若しくは塗料又は記録材料において特に興味深い。ポリマー組成物のための好ましい濃度は、上記に記載されている。
【0240】
本発明の更なる態様は、UV及び/又は可視光の有害な影響に対して有機材料を安定化させる方法であり、該方法は、安定剤として前記材料に、式(I)の化合物を混合及び/又は塗布することを含む。
【0241】
例えば、この方法において、有機材料は塗料、特に自動車用塗料である。
【0242】
より詳細には、この方法において、有機材料は自動車用塗料であり、
g)金属基材に付着する、陰極に堆積させた塗料を塗布し;
h)陰極に堆積させた塗料に付着する少なくとも1つの塗料に、式(I)の化合物を組み込み;そして
j)陰極に堆積させた塗料に付着する塗料上に、透明頂部塗料を塗布し、該透明頂部塗料は、式(I)のものとは異なる一種以上のUV吸収剤、及び場合により更に光安定剤を含有する、ことを含む。
【0243】
例えば、塗料層h)は、塗料層g)と直接隣り合い、塗料層j)は、塗料層h)と直接隣り合う。
【0244】
本発明の別の態様は、光誘起分解に付される有機材料中の紫外(UV)及び可視(VIS)光吸収剤としての、式(I)で示される化合物の使用である。
【0245】
例えば、この使用のための有機材料は、塗料、特に自動車用塗料である。
【0246】
化合物に関する定義及び選択は、本発明の他の態様にも適用される。
【0247】
別に示さない限り、提示する百分率は、重量百分率である。
【0248】
本発明を以下の実施例にて説明する。
【0249】
実施例
全ての反応は、特記のない限り、不活性かつ乾燥条件下で実施した。
【0250】
略語:
H-NMR:Bruker 300/400MHz(CDCl,DMSO−d
RT:室温
mp:融点(℃)
ε:吸光係数(lmol-1cm-1
λmax:最大吸収(nm)
【0251】
適用例において使用する市販の安定剤:
【0252】
【化32】

【0253】
実施例1:出発物質の調製
【0254】
【化33】

【0255】
18.5g(0.1mol)及び 20.5g(0.1mol)をクロロベンゼン350mlに溶解した。溶液を0〜5℃の温度に冷却し、15分以内にAlCl3 14.7gをこの溶液に少量ずつ加えた。懸濁液が形成され、それを5℃より低い反応温度で2時間撹拌した。反応を、冷メタノール200mlを反応混合物に加えて完成した。生成物が結晶として沈殿した。単離した結晶を、T=0〜5℃で、更に1時間、2N HCL 200mlに分散した。生成物の結晶を濾別し、水で洗浄した(収率:84%)。融点:245〜247℃。
【0256】
実施例2
【0257】
【化34】

【0258】
7g(20mmol)をニトロベンゼン50mlに分散し、AlCl3 5.9gを加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。 4.84g(44mmol)をこの溶液に加え、反応混合物を90℃の反応温度まで加熱した。2時間後、反応塊を室温に冷却し、その塊を、2N HCL 200mlを加えてクエンチした。生成物が結晶として沈殿し、濾別した。結晶をメタノール200ml中で洗浄し、濾過により分離し、70℃で乾燥した。生成物を85%の収率で単離した。融点:>310℃。
【0259】
実施例3
【0260】
【化35】

【0261】
8g(16.1mmol)及び炭酸カリウム4.9gをジメチルホルムアミド50mlに溶解した。溶液をT=100℃まで加熱し、次いで 6.83g(35mmol)を加えた。反応混合物をこの温度で3時間保持し、次いで室温に冷却し、水20mlを加えて加水分解した。生成物が結晶として沈殿し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤としてトルエン)により精製した。精製後、生成物を40%の収率で画分として単離した。融点:190〜200℃;UV/Vis(CHCl3):λmax(ε):298.5(41311)、361.5(55791)、400(25461)、436(1972)。
【0262】
実施例4
【0263】
【化36】

【0264】
5g(10mmol)及びトリフェニルホスホニウムブロミド50mgをジメチルホルムアミド20mlに溶解した。反応混合物をT=100℃の反応温度まで加熱した。 3.7g(20mmol)を少量ずつ加え、全てのエポキシドが反応するまで、反応混合物をT=105℃で保持した。反応混合物を室温に冷却し、CH2Cl2で希釈し、有機相を水で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、溶媒を留去した。生成物混合物は、生成物9a(76%)及び生成物9b(15%)からなる。生成物9aをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤としてトルエン)により精製して、73%の収率で画分として得た。融点9a:170〜175℃;UV/Vis(CHCl3):λmax(ε):299(46400)、358.5(53700)、400(26000)。
【0265】
生成物9bを、上記カラムクロマトグラフィー(Rf=0.18、トルエン)により、12%の収率で、第1の画分として単離した。9b:油;UV/Vis(CHCl3):λmax(ε):293(41400)、345(36700)、400(22000)。
【0266】
実施例5
【0267】
【化37】

【0268】
9.2g(0.05mol)及び 20.2g(0.1mol)をクロロベンゼン250mlに溶解した。溶液をT=0〜5℃の温度に冷却し、15分以内にAlCl3 14.7gをこの溶液に少量ずつ加えた。懸濁液が形成され、それを5℃より低い反応温度で2時間撹拌した。反応混合物を、全てのピレンが反応するまで、T=50℃まで加熱した。中間体10を有する反応混合物をT=50℃に冷却し、AlCl3 11gを更に加え、反応混合物を30分間撹拌した。続いて、 11gを加え、反応温度をT=105℃に上げた。反応が完了した後、反応塊を室温に冷却し、その塊を、2N HCL 200mlを加えてクエンチした。生成物11を沈殿し、濾別した。結晶をメタノール200ml中で洗浄し、濾過により分離し、70℃で乾燥した。生成物11を66%の収率で得た。融点11:>300℃。
【0269】
実施例6
【0270】
【化38】

【0271】
11 5g(8.5mmol)及びトリフェニルホスホニウムブロミド50mgをジメチルホルムアミド10mlに溶解した。反応混合物をT=140℃の反応温度まで加熱した。 3.05g(16mmol)を少量ずつ加え、反応が終了するまで、反応混合物をT=140℃で保持した。反応混合物を室温に冷却し、生成物をメタノール200mlに沈殿した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤としてトルエン)により精製した。生成物12を、54%の収率で、結晶の形態にて、画分として得た。融点12:245〜250℃;UV/Vis(CHCl3):λmax(ε):295.5(55700)、377(54115)、400(49500)。
【0272】
実施例7
【0273】
【化39】

【0274】
9.25g(50mmol)及び13 10.1g(50mmol)をベンゼン100mlに溶解した。溶液を0〜5℃の温度に冷却し、60分以内に、AlCl3 7.5gをこの溶液に少量ずつ加えた。溶液が形成され、それを、反応混合物を室温まで温めながら、20時間撹拌した。懸濁液を冷メタノール200mlに沈殿し、生成物14を結晶として単離した。単離した結晶を、T=0〜5℃で更に1時間、2N HCL 200mlに分散した。生成物14の結晶を濾別し、水で洗浄し、最終的にトルエンから再結晶化した。生成物14を、85%の収率で、結晶の形態にて得た。融点14:230〜240℃。
【0275】
実施例8
【0276】
【化40】

【0277】
14 6g(17mmol)をニトロベンゼン120mlに溶解し、AlCl3 5gを加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。 4.15g(37mmol)をこの溶液に加え、反応混合物を90℃の反応温度まで加熱した。18時間後、反応塊を室温に冷却し、その塊を、2N HCL 200mlを加えてクエンチした。生成物15が結晶として沈殿し、濾別した。結晶をメタノール200ml中で洗浄し、濾過により分離し、70℃で乾燥した。生成物15を高温のジメチルホルムアミドから再結晶化し、74%の収率で得た。融点15:>300℃。
【0278】
実施例9
【0279】
【化41】

【0280】
15 5g(10mmol)及び炭酸カリウム3.04gをジメチルホルムアミド40mlに溶解した。溶液を100℃の温度まで加熱し、次いで 4.7g(24mmol)を加えた。反応混合物を、全てのが反応するまで保持し、次いで室温まで冷却し、水20mlを加えて加水分解した。生成物をCH2Cl2により抽出した。溶媒の蒸留後、粗生成物16をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤としてトルエン、酢酸エチル)により精製して、42%の収率で画分として得た。融点16:110〜115℃;UV/Vis(CHCl3):λmax(ε):308.5(37952)、364(55348)、400(16054)、436(436)。
【0281】
実施例10
【0282】
【化42】

【0283】
10g(0.054mol)及び13 23.5g(0.116mol)をクロロベンゼン300mlに溶解した。溶液をT=0〜5℃の温度に冷却し、30分以内にAlCl3 14.8gをこの溶液に少量ずつ加えた。懸濁液が直ちに形成され、それを5℃より低い反応温度で3時間撹拌した。次いで、全てのフルオランテン13が反応するまで、反応混合物をT=60℃まで加熱した。中間体17を含有する反応混合物をT=60℃の温度に冷却した。次いで、AlCl3 7.2gを加え、反応混合物を15分間撹拌した。次いで、 8.9g(8mmol)をこの溶液に加え、反応混合物をT=90℃の反応温度まで加熱した。反応が完了した後、反応塊を室温に冷却し、2N HCL 200mlを加えて、その塊をクエンチした。生成物18が沈殿し、濾別した。褐色を帯びた結晶をメタノール200ml中で洗浄し、濾過により分離し、70℃で乾燥した。生成物18を41%の収率で得た。融点18:280〜285℃。
【0284】
実施例11
【0285】
【化43】

【0286】
18 5g(8.5mmol)及びトリフェニルホスホニウムブロミド30mgをジメチルホルムアミド20mlに溶解した。反応混合物をT=100℃の反応温度まで加熱した。エポキシド7,8(異性体混合物) 7.2g(25mmol)を少量ずつ加え、反応混合物をT=140℃の温度に上げた。反応混合物をこの温度で3時間保持した。反応混合物を室温に冷却し、トルエン(高温)で希釈し、有機相を水で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、溶媒を留去した。粗生成物19をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤としてトルエン)により精製して、34%の収率で画分として得た。融点19:190〜195℃;UV/Vis(CHCl3):λmax(ε):273(43550)、307.5(45823)、343.5(37000)、375(50360)、400(35050)。
【0287】
実施例12
【0288】
【化44】

【0289】
5g(10mmol)及び炭酸カリウム2.9gをジメチルホルムアミド7mlに溶解した。溶液をT=100℃まで加熱し、次いでトルエン15ml中で希釈した21 5.6g(21mmol)を反応混合物に加えた。反応混合物をこの温度で3時間保持し、次いで室温に冷却し、水20mlを加えて加水分解した。有機相を分離し、蒸発した。粗生成物22をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤としてトルエン/酢酸エチル)により精製した。精製後、生成物22を46%の収率で画分として単離した。融点22:146〜152℃;UV/Vis(CHCl3):λmax(ε):298.5(47521)、359(50775)、365(48007)、400(25601)、436(3421)。
【0290】
実施例13
【0291】
【化45】

【0292】
化合物を実施例1と同様に調製した: 9.31g(0.05mol)をジクロロベンゼン100mlに溶解した。溶液をT=0〜5℃の温度に冷却し、30分以内にAlCl3 20.2g(0.15mol)を少量ずつこの溶液に加えた。懸濁液が形成され、ジクロロベンゼン40mlに溶解した 10g(0.05mol)を1時間以内に加えると、黒色の懸濁液が形成され、それを0℃より低い反応温度で2時間撹拌した。ジクロロベンゼン40mlに溶解した13 10g(0.05mol)を、1時間以内に、中間体を含有する反応混合物に加えた。次いで、反応混合物をT=25℃まで温め、1時間後、全てのが反応するまでT=80℃まで加熱した。中間体23を含有する反応混合物に、 6.11g(0.05mol)を加え、反応混合物をT=120℃まで加熱した。反応が完了した後、反応塊を室温に冷却し、その塊を、2N HCL 200mlを加えてクエンチした。生成物24が沈殿し、濾別した。結晶をメタノール200ml中で洗浄し、濾過により分離し、70℃で乾燥した。生成物24を3%の収率で得た。融点24:308〜311℃。
【0293】
実施例14
【0294】
【化46】

【0295】
24 0.5g(0.8mmol)及び炭酸カリウム0.12gをジメチルホルムアミド2mlに溶解した。溶液をT=100℃まで加熱し、次いでトルエン3ml中で希釈した21 0.23g(0.86mmol)を反応物に加えた。反応混合物をこの温度で3時間保持し、次いで室温に冷却し、水20mlを加えて加水分解した。これら2個の相を分離し、蒸発した。粗生成物25をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤としてトルエン/酢酸エチル)により精製した。精製後、生成物25を30%の収率で単離した。融点25:136〜142℃;UV/Vis(CHCl3):λmax:298.5、359、365、400、436。
【0296】
実施例15:出発物質の調製
【0297】
【化47】

【0298】
26 10g(55mmol)をニトロベンゼン80mlに溶解し、水20gを加えた。このエマルションに、臭化ナトリウム3.9g(38mmol)及び臭素酸ナトリウム2.4g(16mmol)を加えた。反応混合物をT=0℃に冷却し、7時間以内に硫酸11g(25mmol)を加えた。次いで、温度を室温まで温め、3時間撹拌した。生成物27をジクロロメタン100mlでの抽出により単離し、有機相を水30mlで3回洗浄した。生成物27を蒸発し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤としてヘプタン)により精製した。生成物27を54%の収率で油として単離した。
【0299】
実施例16:出発物質の調製
【0300】
【化48】

【0301】
27 5.1g(20mmol)をジオキサン100mlに溶解し、DDQ(4,5−ジクロロ−3,6ジオキソ−1,4−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボニトリル)14.9g(65mmol)を加えた。黒色の懸濁液が形成され、反応混合物をT=100℃まで加熱し、24時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、濾過した。生成物28を蒸発により単離し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤としてヘプタン)により精製した。生成物28を67%の収率で無色の結晶として単離した。融点28:84〜88℃。
【0302】
実施例17:出発物質の調製
【0303】
【化49】

【0304】
マグネシウム0.6g(24mmol)をテトラヒドロフラン10mlに懸濁した。テトラヒドロフラン10mlに溶解した溶液28 2.1g(8.2mmol)を30分以内に加え、温度を2時間80℃に維持した。次いで、このグリニャール中間体を室温に冷却し、濾過し、テトラヒドロフラン10ml中の冷(0℃)懸濁液1.5g(8.2mmol)に30分以内に加えた。黒色の懸濁液が形成され、24時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、生成物29を濾過により単離した。固体を氷上で保持し、ジクロロメタンで抽出した;有機相を蒸発し、70℃で乾燥した。生成物29を27%の収率で粉末として単離した。融点29:>240℃。
【0305】
実施例18
【0306】
【化50】

【0307】
29 0.4g(1.2mmol)をクロロベンゼン3mlに懸濁し、AlCl3 0.3g(2.35mmol)を加えた。30分間の撹拌後、 0.3g(2.25mmol)を加え、反応物を、全ての29が反応するまで90℃まで加熱した。反応塊を室温に冷却し、その塊を、2N HCL 10mlを加えてクエンチした。生成物30が沈殿し、濾別した。粗生成物30をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤としてトルエン/テトラヒドロフラン)により精製し、70%の収率で得た。融点30:>295℃。
【0308】
実施例19
【0309】
【化51】

【0310】
30 0.5g(11mmol)及び炭酸カリウム0.18gをジメチルホルムアミド3mlに溶解した。溶液を100℃の温度に加熱し、次いで21 0.35g(1.3mmol)を加えた。反応混合物を、全ての30が反応するまで、この温度で保持し、次いで室温に冷却し、水20mlを加えて加水分解した。生成物をCH2Cl2により抽出した。溶媒の蒸留後、粗生成物31をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤としてトルエン、酢酸エチル)により精製して、63%の収率で得た。UV/Vis(CHCl3):λmax:308.5、364、400、436。
【0311】
適用例
【0312】
実施例20:光耐久性
本発明のUV吸収剤の光耐久性を下記の通り評価した:
【0313】
本発明のUV吸収剤を、熱硬化性アクリル/メラミンクリアコート(Viacryl(登録商標)SC 303/Viacryl(登録商標)SC 370/Maprenal(登録商標)MF 650を基剤とする)に、配合物の固形分(固形分:50.4%)に対して3%の濃度で組み込んだ。クリアコートをガラスプレートに噴霧すると、硬化(130℃/30分)後、乾燥フィルム厚20μmのクリアコートが得られた。
【0314】
試験片の暴露の前に、UV/VIS分光計(Perkin Elmer、Lamda 40)を使用して、UV吸収スペクトルを記録した。基準:非安定化アクリル/メラミンクリアコート。続いて、SAE J 1960に従って、試験片をXenon-WOMウェザロメーター(Atlas Corp.)内で暴露した。暴露の際の保持されたUV吸収剤の割合(λ maxで測定)を、規則的な暴露間隔後にUV吸収スペクトルを記録することによってモニターした。試験結果を表1にまとめた。
【0315】
【表1】

【0316】
実施例21
別の実施例では、2つの連続するクリアコートを互いの上に塗布した。第1のクリアコート(クリアコートI)を安定化し、実施例20に非常に詳細に記載している通りに塗布した。続いて、第2の熱硬化性アクリル/メラミンクリアコート(Viacryl(登録商標)SC 303 / Viacryl(登録商標)SC 370 / Maprenal(登録商標)MF 650を基剤とする)を第1のクリアコートに噴霧すると、硬化(130℃/30分)後、乾燥フィルム厚40μmの第2のクリアコート(クリアコートII)が得られた。TINUVIN(登録商標)109 3%/TINUVIN(登録商標)400 1.5%及びTINUVIN(登録商標)152 1%のUV吸収剤の組合せを補助安定剤(HALS)として使用して、第2のクリアコートを安定化した。基準:非安定化の第1のクリアコート。実施例20に記載の通り、試験片の暴露の前に、UV/VIS分光計(Perkin Elmer、Lamda 40)を使用して、UV透過スペクトルを記録した。続いて、SAE J 1960に従って、試験片をXenon-WOMウェザロメーター(Atlas Corp.)に暴露した。暴露時間の関数としての透過値(394nmで測定)を、規則的な暴露間隔後に透過スペクトルを記録することによってモニターした。試験結果を表2A及び2Bにまとめた。
【0317】
【表2】

【0318】
【表3】

【0319】
実施例22:電着コート上に塗布されたクリアコートの接着性
実施例21に非常に詳細に記載している通り、2つの連続するクリアコートを、ACT Laboratories (ACT Laboratories, Inc., Southfield, Michigan 48 075, USA)から市販の、電着コートされたアルミニウムパネル(ED 6950A, 10x30cm)の上に塗布した。基準:a)両クリアーコート層は非安定化、(b)第2のクリアコートはTINUVIN(登録商標)109/TINUVIN(登録商標)400を基剤とする従来のUV吸収剤パッケージで安定化、すなわち300〜385nmの範囲の全てのUV光を除外した。
【0320】
続いて、SAE J 1960に従って、試験片をXenon-WOMウェザロメーター(Atlas Corp.)内で暴露した。クリアコートと光感受性電着コートの間の接着性を、規則的な間隔で、クロスハッチ(cross hatch)(ISO 2409)、その後テープ試験により測定した。試験結果を表3にまとめた。
【0321】
【表4】

【0322】
クリアコート配合物:
a)Viacryl SC 3031 27.51g
(キシレン/ブタノール中65%溶液、26:9 wt./wt.)
b)Viacryl SC 3702 23.34g
(Solvesso 1003中75%)
c)Maprenal MF 6504 27.29g
(イソブタノール中55%)
d)酢酸ブチル/ブタノール(37:8 wt./wt.) 4.33g
e)イソブタノール 4.87g
f)Solvesso 1505 2.72g
g)Crystal oil 306 8.74g
h)Baysilone MA7(Solvesso 150中1%) 1.20g
合計 100.00g
【0323】
原材料
1Viacryl SC 303:アクリル樹脂(Solutia、以前のVianova Resins)
2Viacryl SC 370:アクリル樹脂(Solutia、以前のVianova Resins)
3Solvesso 100:芳香族炭化水素、沸点163〜180℃(Exxon Corp.)
4Maprenal MF 650:メラミン樹脂(Solutia、以前のVianova Resins)
5Solvesso 150:芳香族炭化水素、沸点180〜203℃(Exxon Corp.)
6Crystal oil 30:脂肪族炭化水素、沸点145〜200℃(Shell Corp.)
7Baysilone MA:レベリング剤(Bayer AG)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


(式中、
1は、少なくとも3つの環を含む置換又は非置換の芳香族炭素縮合環系であり;
2は、独立してE1に定義したとおりであり;又は置換若しくは非置換のナフチルであり;又は1つ以上の環を含む置換若しくは非置換の芳香族複素環系であり;又は
式:
【化2】


に相当し、
1は、H、C1〜C24アルキル、C2〜C18アルケニル、C5〜C12シクロアルキル、C7〜C15フェニルアルキル、フェニル、若しくはフェニル環上がC1〜C8アルキルで置換された前記フェニル若しくは前記フェニルアルキル;又はOR3であり;
2は、H、C1〜C18アルキル;C2〜C6アルケニル;フェニル;C1〜C8アルキル若しくはC1〜C8アルコキシで置換されたフェニル;C7〜C11フェニルアルキル;C5〜C12シクロアルキル;COOR4;CN;NH2、NHR7、−N(R7)(R8)、NH−CO−R5;ハロゲン;C1〜C18ハロアルキル;C1〜C18アルコキシ;−S−R3又は−O−R3であり;
3は、独立してH、C1〜C18アルキル;C5〜C12シクロアルキル;C3〜C18アルケニル;フェニル;フェニル、OH、C1〜C18アルコキシ、C5〜C12シクロアルコキシ、C3〜C18アルケニルオキシ、ハロゲン、−COOH、−COOR4、−O−CO−R5、−O−CO−O−R6、−CO−NH2、−CO−NHR7、−CO−N(R7)(R8)、CN、NH2、NHR7、−N(R7)(R8)、−NH−CO−R5、フェノキシ、C1〜C18アルキル置換フェノキシ、フェニル−C1〜C4−アルキコシ、C6〜C15ビシクロアルコキシ、C6〜C15ビシクロアルキル−アルキコシ、C6〜C15ビシクロアルケニル−アルキコシ及び/若しくはC6〜C15トリシクロアルコキシで置換されたC1〜C18アルキル;OH、C1〜C4アルキル、C2〜C6アルケニル及び/若しくは−O−CO−R5で置換されたC5〜C12シクロアルキル;−CO−R9若しくは−SO2−R10;又は1つ以上の酸素原子で中断され、かつ非置換の若しくはOH、フェノキシ及び/若しくはC7〜C18アルキル−フェノキシで置換されたC3〜C50アルキル;又は−A;−CH2−CH(XA)−CH2−O−R12;−CR1313'−(CH2m−X−A;−CH2−CH(OA)−R14;−CH2−CH(OH)−CH2−XA;
下記;
【化3】


−CR1515'−C(=CH2)−R15";−CR1313'−(CH2m−CO−X−A;−CR1313'−(CH2m−CO−O−CR1515'−C(=CH2)−R15"又は−CO−O−CR1515'−C(=CH2)−R15"であり;
Aは、−CO−CR16=CH−R17であり;
4は、独立してC1〜C18アルキル;C3〜C18アルケニル;C7〜C11フェニルアルキル;C5〜C12シクロアルキル;又は1つ以上の−O−、−NH−、−NR7−及び−S−で中断され、かつ非置換の若しくはOH、フェノキシ及び/若しくはC7〜C18アルキルフェノキシで置換されたC3〜C50アルキル;又はC2〜C12ヒドロキシアルキルであり;
5は、独立してH;C1〜C18アルキル;COOH若しくはCOOR4で置換されたC1〜C18アルキル;C2〜C18アルケニル;COOH若しくはCOOR4で置換されたC2〜C18アルケニル;C5〜C12シクロアルキル;フェニル;C7〜C11フェニルアルキル;C6〜C15ビシクロアルキル;C6〜C15ビシクロアルケニル;又はC6〜C15トリシクロアルキルであり;
6は、独立してC1〜C18アルキル;C3〜C18アルケニル;フェニル;C7〜C11フェニルアルキル;又はC5〜C12シクロアルキルであり;
7とR8は、独立してC1〜C12アルキル;C3〜C12アルコキシアルキル;C4〜C16ジアルキルアミノアルキル;若しくはC5〜C12シクロアルキルであり;又は一緒になってC3〜C9−アルキレン、−オキサアルキレン若しくは−アザアルキレンを形成し;
9は、独立してC1〜C18アルキル;C2〜C18アルケニル;フェニル;C5〜C12シクロアルキル;C7〜C11フェニルアルキル;C6〜C15ビシクロアルキル、C6〜C15ビシクロアルキル−アルキル、C6〜C15ビシクロアルケニル、又はC6〜C15トリシクロアルキルであり;
10は、独立してC1〜C12アルキル;フェニル;ナフチル又はC7〜C14アルキルフェニルであり;
11及びR22は、独立してH;C1〜C18アルキル;C3〜C6アルケニル;C5〜C12シクロアルキル;フェニル;ナフチル;ビフェニリル;C7〜C11フェニルアルキル;C7〜C14アルキルフェニル;ハロゲン;C1〜C18ハロアルキル;又はC1〜C18アルコキシであり;
12は、独立してC1〜C18アルキル;C3〜C18アルケニル;フェニル;1〜3つのC1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C3〜C8アルケニルオキシ、ハロゲン及びトリフルオロメチル基で置換されたフェニル;C7〜C11−フェニルアルキル;C5〜C12シクロアルキル;C6〜C15トリシクロアルキル;C6〜C15ビシクロアルキル;C6〜C15ビシクロアルキル−アルキル;C6〜C15ビシクロアルケニル−アルキル;−CO−R5;又は1つ以上の−O−、−NH−、−NR7−及び−S−で中断され、かつ非置換の若しくはOH、フェノキシ及び/若しくはC7〜C18アルキルフェノキシで置換されたC3〜C50アルキルであり;
13及びR13'は、独立してH;C1〜C18アルキル;又はフェニルであり;
14は、独立してC1〜C18アルキル;C3〜C12アルコキシアルキル;フェニル;又はフェニル−C1〜C4アルキルであり;
15、R15'及びR15"は、独立してH又はCH3であり;
16は、独立してH;−CH2−COO−R4;C1〜C4アルキル;又はCNであり;
17は、独立してH;−COOR4;C1〜C17アルキル;又はフェニルであり;
22'は、R11の意味のうちの1つを有し;又はNH2、NHR7、NH−CO−R5;−S−R3、−N(R7)(R8)若しくはOR3であり;
Xは、独立して−NH−;−NR7−;−O−;−NH−(CH2p−NH−;又は−O−(CH2q−NH−であり;
かつ指標は、以下のとおりである:
mは、0〜19の数であり;
nは、1〜8の数であり;
pは、0〜4の数であり;かつ
qは、2〜4の数である)
で示される化合物。
【請求項2】
1が、
式:
【化4】


であり、
2が、独立してE1に定義したとおりであり、又は
式:
【化5】


に相当し、
25及びR27は、独立してR22に定義したとおりであり;
23、R24及びR26は、独立してR22'に定義したとおりである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
1が、H、C1〜C24アルキル、C2〜C18アルケニル、C5〜C12シクロアルキル、C7〜C15フェニルアルキル、フェニル、若しくはフェニル環上がC1〜C8アルキルで置換された前記フェニル若しくは前記フェニルアルキル;又はOR3であり;
2が、H、C1〜C18アルキル;C2〜C6アルケニル;フェニル;C1〜C8アルキル若しくはC1〜C8アルコキシで置換されたフェニル;NH−CO−R5;ハロゲン;C1〜C18ハロアルキル;C1〜C18アルコキシ;又はOR3であり;
3が、独立してH、C1〜C18アルキル;C5〜C12シクロアルキル;C3〜C18アルケニル;フェニル;フェニル、OH、C1〜C18アルコキシ、C5〜C12シクロアルコキシ、C3〜C18アルケニルオキシ、ハロゲン、−COOH、−COOR4、−O−CO−R5、−O−CO−O−R6、−CO−NH2、−CO−NHR7、−CO−N(R7)(R8)、CN、NH2、NHR7、−N(R7)(R8)、−NH−CO−R5、フェノキシ、C1〜C18アルキル置換フェノキシ及び/若しくはフェニル−C1〜C4アルコキシで置換されたC1〜C18アルキル;OH、C1〜C4アルキル、C2〜C6アルケニル及び/若しくは−O−CO−R5で置換されたC5〜C12シクロアルキル;又は−SO2−R10;又は1つ以上の酸素原子で中断され、かつ非置換の若しくはOH、フェノキシ及び/若しくはC7〜C18アルキルフェノキシで置換されたC3〜C50アルキル;又は−CO−CH=CH2若しくは−CO−C(CH3)=CH2であり;
4が、独立してC1〜C18アルキル;C3〜C18アルケニル;C7〜C11フェニルアルキル;C5〜C12シクロアルキル;又は1つ以上の−O−、−NH−、−NR7−及び−S−で中断され、かつ非置換の若しくはOH、フェノキシ及び/若しくはC7〜C18アルキルフェノキシで置換されたC3〜C50アルキル;又はC2〜C12ヒドロキシアルキルであり;
5が、独立してH;C1〜C18アルキル;C2〜C18アルケニル;C5〜C12シクロアルキル;フェニル;又はC7〜C11フェニルアルキルであり;
6が、独立してC1〜C18アルキル;C3〜C18アルケニル;フェニル;C7〜C11フェニルアルキル;又はC5〜C12シクロアルキルであり;
7とR8が、独立してC1〜C12アルキル;C3〜C12アルコキシアルキル;C4〜C16ジアルキルアミノアルキル;若しくはシクロヘキシルであるか;又は一緒になってC3〜C9−アルキレン若しくは−オキサアルキレンを形成し;
10が、独立してC1〜C12アルキル;フェニル;ナフチル又はC7〜C14アルキルフェニルであり;
11及びR22が、独立してH、C7〜C11フェニルアルキル又はC1〜C8アルキルであり;
22'が、独立してH;C1〜C8アルキル;C3〜C6アルケニル;C7〜C11フェニルアルキル;C5〜C12シクロアルキル;フェニル;ナフチル;ビフェニリル;C7〜C14アルキルフェニル;NHR7;−N(R7)(R8);ハロゲン;C1〜C18ハロアルキル;又はOR3である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
1が、H、C1〜C24アルキル、C2〜C18アルケニル、C5〜C12シクロアルキル、C7〜C15フェニルアルキル、フェニル、若しくはフェニル環上がC1〜C8アルキルで置換された前記フェニル若しくは前記フェニルアルキル;又はOR3であり;
2が、H、C1〜C8アルキル;フェニル;メチル若しくはメトキシで置換されたフェニル;NH−CO−R5;トリフルオロメチル;C1〜C18アルコキシ;又はOR3であり;
3が、独立してH、C1〜C18アルキル;シクロヘキシル;C3〜C18アルケニル;フェニル、OH、C1〜C18アルコキシ、シクロヘキシルオキシ、ハロゲン、−COOH、−COOR4、−O−CO−R5、−CO−NHR7、−CO−N(R7)(R8)、CN、NHR7、−N(R7)(R8)、−NH−CO−R5及び/若しくはフェニル−C1〜C4アルコキシで置換されたC1〜C18アルキル;又はOH、C1〜C4アルキル、C2〜C6アルケニル及び/若しくは−O−CO−R5で置換されたシクロヘキシルであり;
4が、独立してC1〜C18アルキル;C7〜C11フェニルアルキル;C5〜C12シクロアルキル;又はC2〜C12ヒドロキシアルキルであり;
5が、独立してH;C1〜C18アルキル;C2〜C8アルケニル;シクロヘキシル;フェニル;又はC7〜C11フェニルアルキルであり;
7とR8が、独立してC3〜C12アルキル若しくはシクロヘキシルであり;又は一緒になってC3〜C9オキサアルキレンを形成し;
11及びR22が、独立してH、C7〜C11フェニルアルキル又はC1〜C8アルキルであり;
22'が、独立してH;C1〜C8アルキル;C3〜C6アルケニル;C7〜C11フェニルアルキル;C5〜C12シクロアルキル;トリフルオロメチル;フェニル;ナフチル;ビフェニリル;C7〜C14アルキルフェニル;NHR7;−N(R7)(R8);又はOR3である、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
1'が、
式:
【化6】


であり、
2'が、独立してE1'に定義したとおりであり、又は
式:
【化7】


に相当し、
1が、H、C1〜C12アルキル又はOR3であり;
2が、H、C1〜C8アルキル;又はOR3であり;
3が、独立してH、C1〜C18アルキル;又はOH、C1〜C18アルコキシ、COOR4及び/若しくは−O−CO−R5で置換されたC1〜C12アルキルであり;
4が、独立してC1〜C18アルキルであり;
5が、独立してH;C1〜C18アルキル;又はC7〜C11フェニルアルキルであり;
11が、Hであり;かつ
22'が、H、メチル又はOR3である、請求項2記載の化合物。
【請求項6】
光誘起分解に対して安定化された組成物であって、
(a)光誘起分解に付される有機材料、及び
(b)請求項1記載の式(I)で示される化合物を含む組成物。
【請求項7】
更に添加剤を含む、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
更に添加剤フェノール系及び/若しくはアミン系酸化防止剤、立体障害アミン安定剤、請求項1記載の式(I)で示されるものとは異なるUV吸収剤、ホスファイト、ホスホナイト、ベンゾフラノン、ステアリン金属酸、金属酸化物、顔料、染料、有機リン化合物、ヒドロキシルアミン並びに/又は難燃剤を含む、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
更にオキサニリド、ヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾアート、α−シアノアクリラート、ベンゾトリアゾール及び請求項1記載の式(I)で示されるものとは異なるs−トリアジンからなる群より選択される添加剤立体障害アミン安定剤及び/又はUV吸収剤を含む、請求項7記載の組成物。
【請求項10】
有機材料が記録材料である、請求項6記載の組成物。
【請求項11】
有機材料が、天然、半合成又は合成ポリマーである、請求項6記載の組成物。
【請求項12】
有機材料が塗料組成物である、請求項6記載の組成物。
【請求項13】
塗料組成物が自動車用塗料組成物である、請求項12記載の組成物。
【請求項14】
自動車用塗料が、以下の層
d)金属基材に付着する、陰極に堆積させた塗料;
e)陰極に堆積させた塗料に付着する、請求項1記載の式(I)で示される化合物を含有する少なくとも1つの次の塗料層;及び
f)式(I)とは異なる一種以上のUV吸収剤、及び場合により更に光安定剤を含有する透明頂部塗料を含む、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
塗料組成物が、380nmを超える波長の電磁放射に感応する基材上に塗布される、請求項12記載の組成物。
【請求項16】
式(I)で示される化合物が、有機材料の重量に基づき0.1〜30重量%の量で存在する、請求項6記載の組成物。
【請求項17】
有機材料をUV及び/又は可視光の有害な影響に対して安定化させる方法であって、請求項1記載の式(I)で示される化合物を、安定剤として前記材料に混合し及び/又は塗布することを含む方法。
【請求項18】
有機材料が塗料である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
塗料が自動車用塗料である、請求項18記載の方法。
【請求項20】
有機材料が自動車用塗料であり、
g)金属基材に付着する、陰極に堆積させた塗料を塗布し;
h)陰極に堆積させた塗料に付着する少なくとも1つの塗料に、請求項1記載の式(I)で示される化合物を組み込み;そして
j)陰極に堆積させた塗料に付着する塗料上に、透明頂部塗料を塗布し、該透明頂部塗料は、式(I)で示されるものとは異なる一種以上のUV吸収剤、及び場合により更に光安定剤を含有する、ことを含む、請求項17記載の方法。

【公表番号】特表2008−545771(P2008−545771A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515185(P2008−515185)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【国際出願番号】PCT/EP2006/062750
【国際公開番号】WO2006/131466
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】