説明

苗箱敷設装置

【課題】箱並べ機の左右のバランス支持機構を自動化する。
【解決手段】箱並べ機Aの左右をそれぞれ支持する支持部材のスタンド52と、箱ホッパーHが横方向に移動開始して位置検出用のドッグにリミットスイッチがけられるとリミットスイッチがOFFになるまでスタンド52を下げ、移動完了して位置検出用のドッグにリミットスイッチ77がけられるとリミットスイッチ75がONになるまでスタンド52を上げる電動シリンダ55とを箱並べ機Aの左右にそれぞれ備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
田植え機用の苗を育成するのに、多数の苗箱に播種してこれらをハウス内の整地した床土の上に整然と並べ、温度や潅水を集中的に管理することが行われている。
このとき苗箱を並べるのに使用するのが箱並べ機である。箱並べ機にもいろいろあるが、代表的なものはハウスの横幅(間口)とほぼ同じ長さを有し、その中央に備える車輪をハウスの中央に縦方向(奥行き方向)に長く敷いた2本のレールに沿って移動する構造になっている。この箱並べ機の上に苗箱を積んだ箱ホッパーを横方向に移動可能に搭載し、箱ホッパーを箱並べ機の長さ方向すなわちハウスの横幅に沿って移動しながら、苗箱を床土の上に順次降ろして並べる。ハウスの横幅いっぱいに苗箱を横一列並べ終えたら、箱並べ機を前進し、次の一列に苗箱を並べていく。この作業を繰り返して多数の苗箱を縦と横に揃えてハウスの敷地全面に整然と並べる。
本発明は、このような箱並べ機の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
箱並べ機を使って苗箱を並べる際、重要なのは、箱並べ機の左右のバランス確保である。箱並べ機は横に長いため、ハウス内の中央に敷設した幅の狭いレールだけでは、バランスの確保が極めて難しい。箱ホッパーが横に移動すると、それに伴い重心が機体中央から外れて簡単にバランスを崩してしまう。箱並べ機が大型化し横方向の長さが長大化すると、箱ホッパーの移動距離が延びるため、バランスを失い易い傾向はさらに強まる。
バランス確保の簡単な解決法は、箱並べ機の左右の端に車輪を設け、これをハウスの左右の壁際に沿って敷いた補助レールに沿って移動させる方法である。この方法によれば、箱ホッパーがどこに位置してもバランスが保てる。
しかしこれには問題がある。補助レールの敷設工事だけ経費が余分に嵩むことと、この余分なレールのために苗箱を置くスペースが犠牲となることである。
【0003】
この問題の解消を意図した発明は、既に提案されている。
ある例では、苗並べ機の端に昇降自在のスタンド板を設け、苗箱を並べている最中は地面に降ろして機体を支持し、移動するときは上にはね上げる構造になっている(特許文献1)。
この例では、スタンド板の上げ下げに油圧を利用するが、油圧の操作は手動で行う。すなわち、箱並べ機が前進するとスタンド板を上げる操作をし、箱並べ機が停止して箱ホッパーが横移動するとスタンド板を下げる操作をする。苗箱の数が数百を越える大型のハウスでは、この操作を頻繁に繰り返さなければならない。このため手間がかかり能率も悪いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許2732234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来は、箱並べ機のバランスを適正に維持するための能率のよい機構は存在しなかった。
本発明が解決しようとする課題は、どのようにしたら箱並べ機のバランス支持を自動化できるか、ということにある。
この課題の解決は、ハウスが大型化し、並べる苗箱の数が増大するに従い、益々強く求められている。本発明はそうした要請に応え、懸案の課題を解決するものである。
【0006】
本発明の目的は箱並べ機の左右のバランス支持機構を自動化することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、苗箱を積んだ箱ホッパーを横長の機体に沿ってハウスの横方向に間欠的に移動し、苗箱を一枚ずつ床土の上に降ろして横に並べ、横一列を並べ終えたら機体をハウス中央の縦方向のレールに沿って苗箱一枚の距離だけ前進し、次の横一列を並べるようにして成る箱並べ機と、ハウスの横方向に平行な回転軸の鎮圧ローラを苗箱の横一列の長さに亘り設けると共に鎮圧ローラの動力源を搭載して成る箱踏み機と、より構成し、箱並べ機の後方に箱踏み機を連結して、並べた苗箱を鎮圧ローラで踏み付けるとともに、箱並べ機の左右を支持する支持部材と、箱ホッパーが横方向に移動開始すると支持部材を下げ、移動完了すると支持部材を上げる昇降部材とを箱並べ機の左右にそれぞれ備える。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1において、支持部材は、前後がそり上がったソリ形であって、両側にガード板を備える。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1において、箱並べ機は、昇降部材の対地高さを調節する高さ調節機構を備える。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、従来では手動で頻繁に行う必要のあった支持部材の上げ下げが昇降部材により自動化され、苗箱の設置作業を省力化でき、一人作業が容易になる。
【0011】
請求項2の発明によれば、支持部材が接地してもガード板が圃場の土を遮るので、支持部材を上げて前進しても苗箱の中に圃場の土を落とさずに済む。
【0012】
請求項3の発明によれば、昇降部材のストロークが不足する場合にも昇降部材の対地高さを調節して圃場の左右方向の傾斜に対応でき、傾斜地でも水平を維持しながら苗箱を設置できる。また、圃場に合った対地高さに昇降部材を調節することで、より少ないストロークで昇降部材を動作させられ、箱ホッパーの移動開始に迅速に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】苗箱を敷設したハウスの斜視図
【図2】図1の正面図
【図3】苗箱敷設装置の平面図
【図4】図3の苗踏み機の正面図
【図5】図3の苗踏み機の平面図
【図6】前進時の脱線防止構造の平面図(右側のみ)
【図7】図6の要部拡大図
【図8】前進時の動作フロー
【図9】後進時の脱線防止構造の側面図a,平面図b,正面図c
【図10】後進時の動作フロー
【図11】後進時に左側へズレた場合の説明図
【図12】スタンドの側面図a,平面図b,正面図c
【図13】箱ホッパーの平面図
【図14】苗箱設置の動作フローその1
【図15】苗箱設置の動作フローその2
【図16】苗箱設置の動作フローその3
【図17】箱踏み機の連結構造の左側面図a,平面図b,右側面図c,分解平面図d
【図18】箱踏み機の遊び構造の平面図a,正面図b
【図19】箱並べ機の連結構造の正面図a,分解正面図b
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1,2において、1は光透過性のシートで覆ったハウスで、内部の中央にハウス1の奥行き方向(縦方向)に沿う縦レール2が2本平行に設けてある。3は苗箱で、図1,2は全部の敷設が終わった状態を示す。
【0015】
実施の形態の苗箱3はポット式で、薄い1枚のプラスチック板を成形して多数のポット(窪み)を縦横に連続して並べた構造になっている。ポットの底には孔が開いている。各ポットには培土を入れ種籾を蒔いておく。使用する苗箱3はポット式に限らない。平底に多数の孔を開けたマット苗用の苗箱3でも良い。
【0016】
図3は本発明装置の平面図を簡略化した概念図である。
Aは箱並べ機で、Bは箱踏み機を示す。両者は左右方向のX軸、前後方向のY軸および上下方向のZ軸を中心に揺動可能に連結している。
【0017】
4は箱並べ機Aの台車で、車輪5を有し、縦レール2に沿い、すなわちハウス1の奥行き方向(縦方向)に沿い、移動する。6は箱踏み機Bの連結器である。
【0018】
箱並べ機Aには後述の箱ホッパーが装備されていて、箱並べ機Aの上を縦レール2に直交する方向すなわちハウス1の間口方向(横方向)に移動しながら、苗箱3を1枚ずつ床土の上に降ろして隙間無く並べる。横一列並べ終わったら苗箱3一枚分だけハウス1の縦方向に前進し、次の横一列を並べ、これを繰り返す。
【0019】
箱踏み機Bの底面には図4,5に示す鎮圧ローラ8が設けられている。鎮圧ローラ8の長さは苗箱3の横一列の長さに等しい。図5の鎮圧ローラ8は機体の左右に3本ずつだが、本数は3本に限らない。これら鎮圧ローラ8が、床土の上に並んだ苗箱3の上を転がりながら、横一列同時に踏み付ける。このため箱踏み機Bが苗箱3の上を通過するだけで箱踏み作業ができる。
【0020】
箱並べ機Aおよび箱踏み機Bは一緒になって前進するが、その推進力は箱踏み機Bに搭載する駆動源による。そして好ましくは箱踏み機B側に搭載し、左右の鎮圧ローラ8を独立して駆動する。
【0021】
図面の例では、バッテリ駆動のモータ34R,34Lを左右に1台ずつ搭載して、それぞれを左右の鎮圧ローラ8に接続する。鎮圧ローラ8は重量があり設置面積も広いから、それ自身を直接駆動すれば、スリップしにくく確実に装置を推進できる。
【実施例1】
【0022】
鎮圧ローラ8は横に長いので、箱踏み機Bの右半分と左半分とで移動距離にズレが生じることがある。このズレが大きくなると機体が過剰にヨーイングし、縦レール2から脱線する。そこで図6,7に示すように、箱並べ機A,箱踏み機Bの両端に前進修正用のドッグ35,リミットスイッチ(LSW)36をそれぞれ設け、図8の動作フローによりズレを修正する。
【0023】
制御ボックス31の前進スイッチSW1を押し続けると(ステップS1)、前後進用のモータ34R,34Lが正転して左右の鎮圧ローラ8がともに前進する(ステップS2)。ここで箱踏み機Bの右側が左側より前進し過ぎてズレが生じると、リミットスイッチ36Rがドッグ35RにけられてONになり(ステップS3)、これを受けてモータ34Rが停止する(ステップS4)。この結果、左側の鎮圧ローラ8だけが前進し、ズレが修正される。
【0024】
ズレが修正されると、ドッグ35Rからリミットスイッチ36Rが離れてOFFになり(ステップS5)、これを受けてモータ34Rが正転して左右の鎮圧ローラ8がともに前進する(ステップS6)。以下、左右逆ズレの場合もステップS3〜6と同様である(ステップS7〜10)。こうしてズレを修正しつつ苗箱3の一枚分の前進が目視で確認されると(ステップS11)、前進スイッチSW1から手を離しモータ34R,34Lを停止する(ステップS12,S13)。
【0025】
このように、作動片のドッグ35R,35Lを箱並べ機Aの左右にそれぞれ設け、箱踏み機Bにはドッグ35R,35Lに対向するリミットスイッチ36R,36Lを左右に設けた。そしてリミットスイッチ36R,36Lは、ドッグ35R,35Lにけられるとモータ34R,34Lにより同じ側の鎮圧ローラ8を停止し、そのドッグ35R,35Lが離れるとモータ34R,34Lにより同じ側の鎮圧ローラ8を再び駆動する。
【0026】
これにより、前進時にズレが生じると、リミットスイッチ36R,36Lをけったドッグ35R,35Lと同じ側の鎮圧ローラ8が停止するので、逆側の鎮圧ローラ8が同じ側の鎮圧ローラ8に追い付いてズレが修正され、縦レール2からの脱線を防止できる。
【0027】
一方、後進の場合は僅かなズレでも脱線しやすい。そこで図9のような構成を採用する。つまり後輪5の軸受42は、車軸41に対しベアリング43により軸線方向へ摺動自在に支持されており、ロックピン44をロック孔45に挿通して車軸41に固定される。後輪5は、軸受42と車軸41が固定されても車軸41周りに回転可能である。そして後進の際にはロックピン44をロック孔45から外し、機体中心線(縦レール2間の中心)に沿った作動桿のドッグ47と、機体中心線の左右に設けたスイッチ手段のリミットスイッチ48R,48Lを使い、図10の動作フローによりズレを修正する。
【0028】
制御ボックス31の後進スイッチSW2を押すと(ステップS21)、前後進用のモータ34R,34Lが反転し左右の鎮圧ローラ8がともに後進する(ステップS22)。ここで箱踏み機Bの右側が左側より後進し過ぎてズレが生じると、図11のように、軸受42の左への僅かな摺動により、支点46を中心にしてドッグ47の先端が左へ大きく振れ、リミットスイッチ48LがけられてONになり(ステップS23)、これを受けてモータ34Rが停止する(ステップS24)。この結果、箱踏み機Bの左側だけが後進し、ズレが修正される。
【0029】
ここでドッグ47は、車軸41の突出部に連結された一端と、左右のリミットスイッチ48R,48Lの間に介在する他端とを備える。そして一端と他端との間に支点46を備え、この支点46は本体フレームの中心にある上下方向の軸回りに回動可能に支持され、一端から支点46までより支点46から他端までを長くし、軸受42の僅かな摺動を大きく拡大して検出する。一端から支点46までの距離より、支点46から他端までの距離を長くするほど高感度化される。
【0030】
図10の説明に戻り、ズレが修正されると、リミットスイッチ48Lからドッグ47が離れてOFFになり(ステップS25)、これを受けてモータ34Rが反転して左右の鎮圧ローラ8がともに後進する(ステップS26)。以下、左右逆ズレの場合もステップS23〜26と同様である(ステップS27〜30)。こうしてズレを修正しつつ後進し、停止スイッチSW3がONされるとモータ34R,34Lが停止する(ステップS31,S32)。
【0031】
以上、後進時にズレが生じると、リミットスイッチ48R,48Lをけったドッグ47と逆側の鎮圧ローラ8が停止するので、同じ側の鎮圧ローラ8が逆側の鎮圧ローラ8に追い付いてズレが修正され、縦レール2からの脱線を防止できる。
【0032】
また、車軸41に対して軸受42を固定する着脱可能なロックピン44を備えた。よって、前進時にはロックピン44を取付けて軸受42を車軸41に固定し、後進時にロックピン44を取外すことで軸受42を摺動自在とし、前後進時の脱線防止策の使い分けができる。
【0033】
なお、本発明は、遅い側の鎮圧ローラ8に対して速い側の鎮圧ローラ8を停止する場合に限らず、左右のズレを減じるように遅い側の鎮圧ローラ8に対して速い側の鎮圧ローラ8を相対的に減速するなど、左右の鎮圧ローラ8の速さをそれぞれ調整しても良い。
【実施例2】
【0034】
箱ホッパーHの移動を支えるために、箱並べ機A両端の側板51に図12の電動シリンダ55付きスタンド52をそれぞれ設け、電動シリンダ55を駆動してスタンド52の上げ下げを自動制御する。図13の箱ホッパーHによる苗箱3の設置作業は、図14〜16の動作フローによる。
【0035】
制御ボックス72の横移動スイッチSW1を押すと(ステップS41)、横移動用のモータ74が回転して箱ホッパーHが右へ移動する(ステップS42)。このとき、位置検出用のドッグ76がリミットスイッチ77をけると電動シリンダ55が駆動され、スタンド上下用のリミットスイッチ75がOFFになるまで(ステップS43)左右のスタンド52が自動的に下がる。
【0036】
以下、箱ホッパーHの移動・昇降および苗箱3の繰出しが順次行われて横一列分の苗箱3の設置作業が完了すると(ステップS44〜59)、リミットスイッチ75がONになるまで電動シリンダ55が左右のスタンド52を自動的に上げ(ステップS61)、ドッグ76がリミットスイッチ77をけるとモータ74が停止する(ステップS62)。
【0037】
このように、箱並べ機Aの左右をそれぞれ支持する支持部材のスタンド52と、箱ホッパーHが横方向に移動開始して位置検出用のドッグ76にリミットスイッチ77がけられるとリミットスイッチ75がOFFになるまでスタンド52を下げ、移動完了して位置検出用のドッグ76にリミットスイッチ77がけられるとリミットスイッチ75がONになるまでスタンド52を上げる電動シリンダ55とを箱並べ機Aの左右にそれぞれ備えたので、従来では手動で頻繁に行う必要のあったスタンド52の上げ下げが電動シリンダ55により自動化され、苗箱3の設置作業を省力化でき、一人作業が容易になる。
【0038】
なお、図12に示したように、スタンド52は、前後が反り上がったソリ形であって、両側にガード板53をそれぞれ備える。よって、スタンド52を接地してもガード板53が圃場の土を遮るので土を被らなくなり、スタンド52を上げて前進しても苗箱3の中に圃場の土を落とさずに済む。
【0039】
また、図12に示す複数の高さ調節孔58のように、電動シリンダ55の対地高さを調節する高さ調節機構を箱並べ機Aに備える。これにより、電動シリンダ55のストロークが不足する場合にも電動シリンダ55の対地高さを調節して圃場の左右方向の傾斜に対応でき、傾斜地でも水平を維持しながら苗箱3を設置できる。また、圃場に合った対地高さに電動シリンダ55を調節することで、より少ないストロークでスタンド52を動作させられ、箱ホッパーHの移動開始に迅速に対応できる。
【実施例3】
【0040】
圃場によって異なるハウス1の横幅に対応できるように、箱並べ機A,箱踏み機Bの左右方向の長さを調節自在とし、一つの装置で兼用可能とする。
【0041】
つまり、図17に示すように、左右の箱踏み機Bを外側および内側に分割し、外側の箱踏み機B1は固定長とし、本体寄り内側の箱踏み機B2としては様々な長さのものを用意しておく。そして、圃場ごとに適切な長さの箱踏み機B2を選んで連結部材91により箱踏み機B1と連結し、ハウス1の横幅に合わせる。
【0042】
これにより、鎮圧ローラ8の長さを変更するに当り主要な部材である本体と箱踏み機B1とを共用化でき、製造コストを抑制できる。なお、図17(a),(c)に示すように、最前列の鎮圧ローラ8の回転軸は他よりやや高く配置し、苗箱3への乗り上げを容易にしてある。
【0043】
また、図17において、箱踏み機B1の鎮圧ローラ8はモータ駆動とし、箱踏み機B2の鎮圧ローラ8は非駆動の遊転式とする。これにより、箱踏み機B1,B2の鎮圧ローラ8どうしを連結する必要がなくなり、箱踏み機B1,B2の連結が極めて容易になり、構造・取付作業が簡単になる。
【0044】
さらに、図18に示すように、上部が開口したU溝94を機体左右の前部・後部にそれぞれ形成し、左右のU溝94に遊嵌するロッド95と、左右の箱踏み機B2が回動する進行方向の回動軸93とを備えた連結部材92を備える。こうして、回動軸93周りの回動によりローリングの影響を、U溝94でのロッド95の上下動によりピッチングの影響をそれぞれ軽減し、横長形状のため無理がかかりやすい装置に遊びを持たせ、圃場の凹凸や傾斜、箱踏みの影響を抑制する。また、2つのU溝を前部および後部の一定間隔で形成したので、簡単な構成でヨーイングに対する強度が増す。
【0045】
箱並べ機Aは、図19のように、箱踏み機Bと同様に箱並べ機A1,A2により長さを調節自在とし、両者はL溝96,ピン97,位置決めゲージボルト98,ピン99により連結される。
【符号の説明】
【0046】
A,A1,A2 箱並べ機、B,B1,B2 箱踏み機、H 箱ホッパー、1 ハウス、2 縦レール、3 苗箱、4 台車、5 車輪、6 連結器、8 鎮圧ローラ、31 制御ボックス、32 バッテリ、33 ウエイト、34R,34L 前後進用モータ、35R,35L 前進修正用ドッグ、36R,36L 前進修正用リミットスイッチ、41 車軸、42 軸受、43 ベアリング、44 ロックピン、45 ロック孔、46 支点、47 後進修正用ドッグ、48R,48L 後進修正用リミットスイッチ、51 側板、52 スタンド、53 ガード板、54 ガイド棒、55 電動シリンダ、56 ガイド支え板、57 ガイド受け、58 高さ調節孔、59R,59L エンドドッグ、60 ノックピン、61 側板固定ボルト、71 設置器、72 制御ボックス、73 バッテリ、74 横移動用モータ、75 スタンド上下用リミットスイッチ、76 位置検出用ドッグ、77 位置検出用リミットスイッチ、78R,78L 横移動用リミットスイッチ、79 横移動用ドッグ、80 昇降モータ、81 設置用センサ、82 設置用リミットスイッチ、83 繰出し用モータ、84 繰出し用リミットスイッチ、85R,85L エンドリミットスイッチ、91 連結部材、92 連結金具、93 回動軸、94 U溝、95 ロッド、96 L溝、97 ピン、98 位置決めゲージボルト、99 ピン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
苗箱を積んだ箱ホッパーを横長の機体に沿ってハウスの横方向に間欠的に移動し、苗箱を一枚ずつ床土の上に降ろして横に並べ、横一列を並べ終えたら機体をハウス中央の縦方向のレールに沿って苗箱一枚の距離だけ前進し、次の横一列を並べるようにして成る箱並べ機と、
ハウスの横方向に平行な回転軸の鎮圧ローラを苗箱の横一列の長さに亘り設けると共に鎮圧ローラの動力源を搭載して成る箱踏み機と、より構成し、
箱並べ機の後方に箱踏み機を連結して、並べた苗箱を鎮圧ローラで踏み付けるとともに、箱並べ機の左右を支持する支持部材と、箱ホッパーが横方向に移動開始すると支持部材を下げ、移動完了すると支持部材を上げる昇降部材とを箱並べ機の左右にそれぞれ備えることを特徴とする苗箱敷設装置。
【請求項2】
支持部材は、前後がそり上がったソリ形であって、両側にガード板を備えることを特徴とする請求項1記載の苗箱敷設装置。
【請求項3】
箱並べ機は、昇降部材の対地高さを調節する高さ調節機構を備えることを特徴とする請求項1記載の苗箱敷設装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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