説明

若白髪に関与する染色体6及び9の遺伝子

【課題】白髪、若白髪の処置、予防又は診断剤組成物の提供。
【解決手段】HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507遺伝子から選択されるヒト染色体6の遺伝子の全て又は一部に配列が対応する、又はFREQ, NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL, CELL, FS, ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4及びQ96MA6遺伝子から選択されるヒト染色体3の遺伝子の全て又は一部に配列が対応する、少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなる少なくとも一のポリヌクレオチド断片の使用、上記領域の一つに備わった機能を改変することが可能な薬剤の使用、上記領域の一つの発現産物の使用及び上記発現産物の機能を改変することが可能な薬剤の使用。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
益々多くの人々が加齢の影響を抑え又は逆転させることに大きな関心を抱いてきている。かかる状況下で、見栄えの悪いと考えられる白髪を、着色トリートメントシャンプーを用いて消失させることが今は広く行われている。しかし、そのような方法は現象の影響を効果的に排除することができるものの、原因に対する効果は全くない。このため、その解決策は一時的なもので、頻繁に繰り返さなければならない。
【0002】
かかる状況下で、本発明者等は、全く新しいアングル、すなわち遺伝学から白髪又はしらがの出現を探求することを選択した。
その遺伝学的な観点からの白髪の探求は色素脱失の深いメカニズムに灯りをともす。これは、白髪に関与する遺伝子を同定することを意味する。この同定はヘアケアの分野で、化粧品、治療又は診断の双方に対しての広い応用範囲への扉を開く。
遺伝子連鎖分析による白髪の原因となるゲノム領域を調べることは全く新規である;過去の研究では白髪の生化学を解読する試みをしている。
【0003】
本発明者等は若白髪(PC)又は人生の早い時期での白髪の出現は遺伝的なものであるとの長い間信じられてきた仮説に賛同することとした。人々によっては毛髪の早期の白髪化の家系的性質が明らかに観察される。
逆遺伝学的方法を実施する際の第二の障害は表現型の正確な定義に関する。研究下の表現型の完全な定義があることは極めて重要である。この種の遺伝子同定の成功の絶好の機会を確保するために、表現型の起因に対する厳格なプロトコルを使用して家族を選択して、本発明で使用される試料の選択と組成化を行った。25歳前で幾分か白髪があり、30歳で頭髪の半分がグレイの個体だけが「若白髪」の表現型に起因していた。
【0004】
更に、第一に、若白髪は一遺伝子的由来ではなくむしろ多重遺伝子由来であり、第二に、環境因子が表現型に影響を持つ可能性が非常に高い。実際、若白髪への素因 を生じる一群の原因が表現型に起因する単一の変異よりはむしろ明らかにされなければならない。この点で、逆遺伝子学は通常遺伝学者によって用いられる選択技術ではない。よって、発明者によるこの方法の使用は新規である。
【0005】
これらの研究の結果、発明者等は、白髪に関連している可能性が最も高い遺伝子を含む染色体及び/又はゲノム領域を定めることができた。本出願において、白髪に統計的に関与している遺伝子を含むと発明者等が特定した染色体領域又は小領域のことを、「本発明の染色体領域」、又は「本発明のゲノム領域」又は「本発明の染色体ゾーン」又は「本発明のゲノムゾーン」と差別しないで称する。上記領域内で本発明において同定された遺伝子は「本発明の遺伝子」と称する。
【0006】
第一の側面では、本発明は、同定された染色体領域の遺伝子に関し、第二の側面では、本発明は、化粧品、治療及び診断の分野における、転写又は翻訳産物のような誘導された生成物の使用に関する。
治療及び化粧品の分野では、本発明は、本発明の染色体領域に含まれている遺伝子から取り出されるポリヌクレオチドの使用、その遺伝子に備わる機能を改変可能な薬剤の使用、上記発現産物の使用及び上記発現産物の機能を改変可能な薬剤の使用に逐一関する。先の生成物の少なくとも二種の併用又は組み合わせ使用が、特に治療分野において賢明である。
本発明はまた本発明の染色体領域に含まれる遺伝子の対立遺伝子変動に基づく若白髪を診断するための方法に関する。診断に関しては、本発明の染色体ゾーンの異なった遺伝子から取り出した情報を組み合わせることが特に適切でありうる。
【0007】
用語説明
本発明において使用される用語は次の意味を持つ。
「ポリヌクレオチド断片」という用語は少なくとも2つのヌクレオチドの線形鎖状体形成から生じる任意の分子を意味し、該分子はモノ鎖状体(monocatenary)、ジ鎖状体(bicatenary)又はトリ鎖状体(tricatenary)でありうる。よって、それは二本鎖DNA分子、一本鎖DNA分子、RNA分子、一本鎖DNA-RNA二重鎖又は任意の他の組み合わせでありうる。ポリヌクレオチド断片は天然の単離体、組換え体又は合成分子でありうる。ポリヌクレオチド断片は相補鎖を含む場合、相補性は必ずしも完全ではないが、異なった鎖間の親和性は、二本鎖間にワトソン-クリック型の安定結合を樹立するのに十分である。
【0008】
塩基対形成は好ましくはワトソン-クリック型のものであるが、フーグスティーン又は逆フーグスティーン型対形成のような他の型もまた可能である。
分子の配列Sは、Sの塩基の鎖状体形成が次の方法:
1− 同一性による、又は
2− チミンの一部又は全てをウラシルに変える他は、同一性による、又は
3− 相補性による、又は
4− チミンの一部又は全てをウラシルに変える他は、相補性による
方法の一つを用いて与えられたDNA分子のものから推定できるならば、与えられたDNA分子の配列に「対応する」と考えられる。
【0009】
更に、二つの配列は、先の方法(相補性又は同一性で、T/U交換を伴うか伴わない方法)の一つで10中1未満、好ましくは100中1未満の誤差を全体で導入しているならば「対応している」と考えられる。その結果、2分子がまた必ず類似の長さを持ち、長さの変動最大値は許容誤差幅に従って10%であり、好ましくは長さの差は1%未満である。
この定義は、2分子が、特にその骨格に関して同じ性質を持っているとは仮定していない。それはその配列の対応にのみ関係している。
例を挙げると、2つの同一のDNA配列は互いに「対応する」。同様に、その2つの配列が実質的に同一ならば、つまり90%を越えて同一ならば、それらは対応する。任意のDNA分子の翻訳から得られるRNA配列はそのDNA分子の配列に「対応する」。同様に、例えばDNA-RNAハイブリッドのような合成配列はDNA配列に対応しうる。同じことが、DNA配列とその配列を標的として持つアンチセンスRNA配列の間でも言える。
【0010】
同じ方針で、DNA分子の配列Sは、その配列Sが方法1又は3だけを用いて与えられたDNA分子のものから推定できるならば、与えられたDNA分子の配列に「対応する」。同じ自由裁量が、これらのプロセス中に誤差を導入する可能性に関して許容される。つまり2つのDNA配列は、全体としてそれらが10中1未満、好ましくは100中1未満の誤差を相補性又は同一性プロセス中に導入するならば、「対応している」状態のままである。
DNA断片の「発現産物」という用語は、該断片が保有する遺伝子情報を翻訳するあらゆる分子を包含する。全成熟段階でのDNA断片の転写に対応するRNAはよって発現産物であり、これはRNAの翻訳から生じる成熟の全段階のポリペプチドの場合も同じである。アドレスシグナルの切断のようなポリペプチド内に切断が生じる場合、生じるポリペプチドの全てがまた最初のDNA断片の発現産物であると考えられる。
【0011】
本発明の意味において、DNA断片の一次的な「機能」は好ましくは転写されついでタンパク質に翻訳されることである。DNAの二次的な機能は上記DNAの翻訳から生じるタンパク質の機能に同化され得る。DNA断片の機能はまた本発明において他の意味も持つ。特に、DNA断片は遺伝子の調節領域に属し得、よってその機能はエンハンサー又はインヒビターの結合部位であるか、又はRNAポリメラーゼの結合部位であるか、又はRNAポリメラーゼを位置させるための認識部位であるか又は一般に調節配列と同化し得る任意の他の機能である。
他の機能がDNA断片について考えうる。特に、遺伝子中のその単純な存在は組換えを容易にし得る。同様に、本発明に係る一機能は短鎖重合体の機能であり縮重の重要性でありうる。上記DNA機能に起因する他の特定の機能は生物学者にはよく知られている。
【0012】
「遺伝子マーカー」は検出可能なDNA配列である。ヒト遺伝学では、マーカーは異なった個体において異なった形態を取り得る特定のDNA配列である。このマーカー多形性により系統学の分岐に沿ったその伝達に追随することが可能になる。
一般的なマーカーの2つの主な分類が特定できる。すなわちマイクロサテライトマーカーとSNP(一塩基多型)である。
マイクロサテライトは比較的簡単なモチーフ、通常はジ、トリ又はテトラヌクレオチドによって構成された反復DNA配列である。反復数は個体に応じて与えられたモチーフによって変化し、数ユニット(ジヌクレオチドに対して最小12)から百を超えるまで変わり得る。その配列は殆ど無作為な形でゲノム全体に分散しているが、個体毎に同一の位置に分散している。それらは非常に豊富であり(10000ヌクレオチド毎に約一つ=10kb)、非常に多形性である。タンデム反復の長さ変動がマーカーを構成する。上記マイクロサテライト配列はよって遺伝子マーカーとして広く使用されている。
【0013】
通常、共存以外にマイクロサテライトマーカーと遺伝子間に明確なリンクはない。現在の知識によれば、ある種の疾患に関連する遺伝子内マーカーの幾つかの稀な場合は別にして、タンデム反復の長さは遺伝子の役割には関連していない。本発明において、マイクロサテライトマーカーは若白髪に関連する遺伝子を局在化させる道具である。マーカーにおけるよりも遺伝子における多形性が更に低いので、対立遺伝子は単一のマイクロサテライトマーカーの数個の対立遺伝子によって表される。
染色体における特定のDNA配列の局在化を定める種々の方法が存在する。測定の物理的単位は塩基対の数である。しかし、センチモルガンがしばしば使用され、組換えであり、よって物理的測定値よりむしろ遺伝的測定値である。同じ染色体の2つの特定の配列は、減数分裂の間に百回に一度再結合すれば一センチモルガン分離している。センチモルガンはおよそ10塩基対に等価である。
【0014】
染色体に沿って特定のDNA配列を局在化させるための他の方法は、位置が間善意決定され知られている染色体に沿って均等に間隔があいているマーカー間の位置を定めることからなる。広く使用されているマーカーは、非常に完全なマップが存在しているマイクロサテライトマーカーである。特に、GDB(ゲノムデータベース)はマイクロサテライトの一部を形成するDNAの特定の上限であるSTS(配列標識部位)をとりわけ記録するものとして世界中に知られているデータベースである。コードDxSxxxx (例えばD6S257)は上記マーカーを特定する作用をし、GDB内に受入番号として使用される。上記コードは、GDBのみがそのタイプのコードを使用するので普遍的で一義的な同定手段である。そのようなマイクロサテライトマーカーは約10kb毎に見出すことができるので、それをフレーム化するマイクロサテライトマーカーを示すことによって、約10kbに対して各配列の位置を定めることができる。
【0015】
SNP(一塩基多型)はDNA中の一塩基に影響を及ぼす多型である。これはヒトゲノムにおける多型の最も広範囲の型であり、また伝達の間の高安定性によって特徴付けられる。上記多型の大部分は機能的な意味を持たない。約1SNPは100塩基対毎にカウントされる。そのSNPを知ることにより、ヒトゲノムのマップを樹立することが可能になる。よって、SNPは真のゲノムマーカーになる。更に、それらは変異するのが遅く、反回性に再出現する機会は殆どない。
染色体領域の2マーカー間という用語はその2マーカー間の全配列で限界のものも含むものを意味し、よってマーカー配列が含まれる。
【0016】
逆遺伝学では、インデクスが、変異遺伝子又は与えられたアレルによって誘導されると思われる表現型の伝達を、同じ家族における既知のマーカーの伝達と比較することから取り出される遺伝子を局在化することができる。表現型とマーカーの同時分離に関するデータにより遺伝連鎖解析を実施することが可能になる。
表現型とマーカーの同時伝達は表現型の起因の遺伝子とマーカーは染色体上で互いに物理的に近いことを示唆している。連鎖は、それを持つ家族の遺伝子とマーカーの伝達モデルを分析することにより決定される。
【0017】
連鎖解析は遺伝子の欠陥又は改変形態を持つマーカーのある種の形態の同時伝達に依存する。しかし、それは先ず第一の工程中に表現型が遺伝子の欠陥又は改変型に関連するという意味で間接的な分析である。ある種の表現型をあてがう際の誤差は研究を損なう。第二に、その研究は統計学に基づいており、その統計学は集団のサンプルの分析に依存し、よってサンプリング法である。最後に、マーカーの特定のアレルを遺伝子のアレル(実際には表現型)に関連付けることができる場合、関連は家族間サンプルに対して演繹的にのみ有効であることに留意すべきである。
連鎖解析の結果はマーカーと疾患の遺伝子座の間の連鎖度合いに明確に依存している。5センチモルガン(5cM)は診断のための最小の連鎖であると考えられる。5cM連鎖とは、正しい結論に到達するのに95%の機会があり、マーカーと疾患の遺伝子座の間に生じる組換えに20中1だけの機会があることを意味する。
【0018】
本発明で使用される遺伝子という用語は、厳密にコードしている部分だけではなく非コード化部分、例えば関連したイントロン及び5’及び3’端の調節部分、UTR(未翻訳領域)、特にプロモーター又はプロモーター群、「エンハンサー」等々を意味する
【0019】
本発明者等は若白髪に関与する染色体6及び9に属する2種の区別される染色体領域を同定した。これらの2領域はそれぞれ本発明の染色体領域又はゾーンである。特に本発明者等は、本発明の遺伝子と称されるこれらの染色体領域に属するある種の遺伝子の意味を決定した。
【0020】
第一の側面では、本発明は、本発明者等が若白髪に関与しているとして同定したヒト染色体6上の遺伝子 HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1 (ノイラミニダーゼ前駆物質), NG22, BAT8 (アンキリン繰り返し-含有タンパク質), HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4 (グルタマートレセプター、代謝調節型4), RNF23, FLJ22638, NT_007592.459 及び NT_007592.457、及び上記遺伝子から取り出された産物、例えば転写又は発現産物の使用に関する。これらの遺伝子はマイクロサテライトマーカーD6S1629及びD6S257によって染色体6上に画成された本発明の第一の染色体ゾーンの一部を形成する。特にこのゾーンは「本発明の第一の染色体ゾーン」と称す。
【0021】
本発明の第1の染色体ゾーンにある上述した遺伝子のうち好ましい遺伝子は、遺伝子HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2 及びNT_007592.588である。特に好ましい遺伝子は、NT_007592.506, NT_007592.507 及びNT_007592.508遺伝子である。
【0022】
第二の側面では、本発明は、本発明者等が若白髪に関与しているとして同定したヒト染色体9上の遺伝子FREQ (フレクエニン(frequenin) ホモログ), NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5 (一般的な転写因子 IIIC, ポリペプチド5), CEL (カルボキシルエステルリパーゼ胆汁塩-刺激), CELL (カルボキシエステルリパーゼ様胆汁塩-刺激), FS (フォルスマンシンテターゼ), ABO 血液群 (トタンスフェラーゼ A, アルファ), BARHL1, DDX31, GTF3C4 及びQ96MA6、及び上記遺伝子から取り出された産物、例えば転写又は発現産物の使用に関する。これらの遺伝子はマイクロサテライトマーカーD9S290及びテロメア領域(長腕テロメア)によって染色体9上に画成された本発明の第二の染色体ゾーンに属する。特にこのゾーンは「本発明の第二の染色体ゾーン」と称す。
【0023】
本発明の第2の染色体ゾーンにある上述した遺伝子のうち好ましい遺伝子は、遺伝子BARHL1, DDX31, GTF3C4 及び Q96MA6である。特に好ましい遺伝子は、DDX31及びGTF3C4である。
【0024】
上述にて同定された2つの染色体ゾーンにおいて、本発明は、FREQ, NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL, CELL, FS, ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4 及び Q96MA6 遺伝子から選択される、ヒト染色体9上にある遺伝子の一つ、又は HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459 及び NT_007592.457遺伝子から選択される、ヒト染色体6上にある遺伝子の一つに、少なくとも部分的に対応する、18ヌクレオチド配列の最小長さを有するポリヌクレオチド断片を含む。また、これらのポリヌクレオチド断片は、白髪又は若白髪、及び可能であれば双方の現象に関与していることにより特徴付けられる。若白髪に関与している遺伝子は、おそらく年齢に関連した白髪にも関与している。
【0025】
本発明によって考えうるものに従えば、白髪又は若白髪に関与し、上述の要件を満たす配列を持つ断片は治療に使用することができる。
【0026】
特に第一の側面では、本発明は若白髪に関与していると本発明者等が同定したヒト染色体6上の遺伝子に関する。この側面によれば、本発明に包含される断片はHLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1 , NG22, BAT8 , HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4 , RNF23, FLJ22638, NT_007592.459 及び NT_007592.457遺伝子から選択されるヒト染色体6上の遺伝子の全て又は一部に対応する配列を有する。これらの遺伝子は マイクロサテライトマーカーD6S1629及びD6S257よって染色体6上に画成された本発明の第一の染色体ゾーンに含まれる。
【0027】
好ましくは、本発明の断片は、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2 及びNT_007592.588遺伝子から選択される遺伝子の全て又は一部に対応する配列を有する。特に好ましい遺伝子は、NT_007592.506, NT_007592.507 及びNT_007592.508遺伝子から選択される。
【0028】
本発明の第二の側面は、若白髪に関与していると本発明者等が同定したヒト染色体9上の遺伝子に関する。本発明のこの側面によれば、本発明に包含される断片は、FREQ , NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL , CELL , FS , ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4 及び Q96MA6遺伝子から選択されるヒト染色体9上の遺伝子の全て又は一部に対応する配列を有する。上記遺伝子は マイクロサテライトマーカーD9S290及びテロメア領域(長腕テロメア)によって染色体9上に画成された本発明の第二の染色体ゾーンに含まれる。
【0029】
好ましくは、本発明の断片は、BARHL1, DDX31, GTF3C4 及び Q96MA6遺伝子から選択される遺伝子の全て又は一部に対応する配列を有する。特に好ましい遺伝子は、遺伝子DDX31及びGTF3C4から選択される。
【0030】
本発明で言及するポリヌクレオチド断片は染色体の断片に対応する。この断片は18ヌクレオチドの最小長さと、本発明の問題の遺伝子又は染色体領域に隣接している幾つかの遺伝子の全長までとできる最大長さを有する。好ましくは、断片は18を超えるヌクレオチドを有する。特に好ましい長さは18から10000ヌクレオチドの範囲、より好ましくは30から8000ヌクレオチドの範囲にある。
本発明の好適な変形例では、その長さが30から5000ヌクレオチドの範囲、好ましくは50から3000ヌクレオチドの範囲、例えば100から2000ヌクレオチドの範囲、又は200から1000ヌクレオチドの範囲の断片が参照される。
【0031】
本発明はまた、ポリヌクレオチド断片又は断片の発現産物又は断片の機能を調節する薬剤、又は断片の発現産物の機能を調節する薬剤の、化粧品又は治療における使用であって、問題の断片が、本発明の染色体ゾーンの一方の、FREQ, NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL, CELL, FS, ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4 及び Q96MA6遺伝子から選択されるヒト染色体9の遺伝子の全て又は一部、又は HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459 及び NT_007592.457遺伝子から選択されるヒト染色体6上の遺伝子の全て又は一部に対応する。好適な場合には、断片はより詳細には上記遺伝子の一つのエキソンの一部に対応する。
【0032】
以下の記載において、「本発明の生成物」なる用語は、断片、断片の発現産物、断片の機能を調節する薬剤、及びポリヌクレオチド断片の発現産物の機能を調節する薬剤で、本発明者により同定された染色体6上の22遺伝子の一つ、又は染色体9上の12遺伝子の一つの全て又は一部に対応するものを表すのに使用される。
本発明者等が特定した遺伝子について、本発明は先ず化粧品分野での用途に関する。「化粧品」という用語は美的観点のみを改変し治療的性質を持たない用途を意味する。
【0033】
化粧品分野における本発明の用途の全てに関し、本発明の生成物は、単独で又は他の薬剤と組み合わせてさまざまな適切な形態に包装できる。特に、好適な形態は局所的用途の意図しており、クリーム、ローション、ゲル、エマルション、ポマード及びシャンプーの形態である。他の形態、特に経口投与の丸薬もまた本発明の用途に対して考えられる。
本発明における種々の化粧品の目的の中でも特に好適な領域は色素沈着の領域である。色素沈着は皮膚又は皮膚付属器のものであり得、色素沈着の色又は色素沈着の不存在に関しうる; 色素沈着の質と強さに影響を及ぼす問題もまた本発明によって影響を受ける。
特に、本発明は白髪の進行を防ぎ、及び/又は制限し、及び/又は抑止するために本発明の少なくとも一の生成物を使用することを目的とする。
本発明はまた頭及び/又は身体のグレイの毛髪の自然の色素沈着を促進するための本発明の少なくとも一の生成物の使用を包含する。
【0034】
本発明はまた本発明の少なくとも一の生成物を含有する組成物を処置すべき領域に適用することを特徴とする白髪の処置のための美容方法に関する。
本発明はまた、本発明の少なくとも一の生成物を含有する組成物を処置すべき領域に適用することを特徴とする頭及び/又は身体のグレイの髪又は白髪の自然の色素沈着を促進する美容処理方法に関する。
処置される領域の非限定的な例は頭皮、眉、口髭及び/又は顎鬚である。
【0035】
より詳細には、グレイ又は白髪の頭髪及び/又は体毛の自然な色素形成を処置する方法は本発明の少なくとも一の産物(生成物)を含有する組成物を適用することからなる。
白髪に抗し及び/又はグレイ又は白髪の頭髪及び/又は体毛の自然な色素形成を刺激する処置方法は、例えば組成物を夜に毛髪及び頭皮に適用し、組成物を一晩接触させたままにした後、場合によっては朝に洗髪するか上記組成物で毛髪を洗浄し、洗い流す前に数分間接触させたままにすることからなる。本発明の組成物は、洗い流すことができるヘアーローションの形態、又はシャンプーの形態とさえして適用される場合が特に好適であることが分かった。
【0036】
本発明者等によって特定された遺伝子に関し、次に本発明は色素形成の分野における治療的用途に関する。
皮膚のものであろうと皮膚付属器のものであろうと、色素形成系に影響を及ぼす疾患は、患者の健康に深刻な結果をもたらす場合がある。皮膚の色素沈着は光の攻撃に対する障壁として作用し、特に白皮症に罹っているヒトは、彼らに大きな危険となっている日光に対しての保護がなくなってしまっている。色素沈着に関与する他の疾患もまた本発明に包含される。
色素沈着の特徴を改変しうる治療的及び美容的用途の場合、我々は好ましくは皮膚の色素沈着を意味する。本発明によって認識される他の場合では、改変される色素沈着のタイプは皮膚付属器、特に爪又は体毛の色素沈着に関する。
【0037】
本発明の特に好適な場合では、特徴が改変されることになる色素沈着は一般に毛髪系、特に頭髪、口髭及び眉のものである。本発明は頭髪の色素形成が停止される現象、つまり白髪を、特にそれがヒトにおいて早発的に生じ、我々が若白髪と呼ぶ場合に、改変し得る。
あらゆる治療的用途に対して、医薬組成物中の活性な生成物は好ましくは製薬的に許容可能な賦形剤を伴っている。許容できると考えられる任意の投与経路が本発明の場合には使用することができ、特に皮内、静脈内、筋肉内、経口、経耳、経鼻又は眼内である。製剤は好ましくは選択された投与経路に適合化される。
【0038】
本発明の医薬の製造のために使用する際にはその製剤中に他の活性成分を含みうる。同様に、本発明において特定される医薬の投与を、他の医薬の投与と併用することができ、その場合、投与は同時、逐次的又は別個である。
治療用途の場合に使用される様々な生成物を組み合わせ、単一の医薬の組成の一部とすることができ、あるいは様々な医薬の製造に使用することができる。特に、それらが別個の医薬の組成の一部を構成する場合、それらは異なった頻度で投与されうる。
【0039】
本発明の用途に使用される生成物の好適な特徴及びバリエーションは美容術(化粧品学)での使用の場合と医薬の製造における同生成物の使用の場合とで同一でありうる。
双方の場合、本発明の生成物の使用には、その生成物を体液中、体組織中又は細胞中に導入することが必要である。細胞中への導入では、生成物が細胞の細胞質又は細胞の核中で活性であることが必要である。
【0040】
本発明の場合に考えられる化粧品又は治療薬における第一の用途は、FREQ, NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL, CELL, FS, ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4 及び Q96MA6遺伝子から選択される、ヒト染色体9上にある遺伝子の一つ、又はHLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459 及びNT_007592.457 遺伝子から選択される、ヒト染色体6上にある遺伝子の一つに、少なくとも部分的に対応する配列のポリヌクレオチド断片を使用することである。治療的用途では、ポリヌクレオチド断片は医薬の製造に使用される。
【0041】
前記本発明の第一の用途において、染色体9上にある好ましい遺伝子は、BARHL1, DDX31, GTF3C4 及び Q96MA6、特に遺伝子DDX31 及び GTF3C4である。染色体6上にある好ましい遺伝子は、 HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2 及び NT_007592.588、特にNT_007592.506, NT_007592.507 及びNT_007592.508.である。
【0042】
このポリヌクレオチド断片の化学的性質に関していうと、一本鎖又は二本鎖、環状又は直鎖状DNA分子、RNA分子、又は上述のポリヌクレオチド断片の定義から考えられる任意の他の分子でありうる。
その環境に関していうと、上記断片はプラスミド、ウイルスゲノム又はベクターの他のタイプであり又はその一部を形成しうる。他の場合には、それは細胞のゲノムの一部を形成しうるか、又はそのゲノム中にその断片を含むように遺伝子改変された細胞の一部を形成しうる。それはまた単離された分子でもありうる。
【0043】
上記断片を囲む領域に関していうと、それは好ましくは調節配列の制御下にある。その断片がベクターに挿入される場合、上記ベクターは好ましくは断片の転写及び場合によっては翻訳に必要な全ての配列を含む。上記断片はまた、標的細胞のゲノムDNA中への本発明の断片の挿入を場合によっては生じる、更なるポリヌクレオチド断片との相同組換えの工程を可能にするフランキング領域に囲まれている場合がある。
ここに記載のポリヌクレオチド断片はその天然形態であるか、又は合成的性質のものであり得、あるいはそれが特に、異なった由来の二本鎖から構成された「二重鎖」分子である場合、一部が一方で、一部が他方でありうる。本発明によって考えられる種々の場合で、ポリヌクレオチド断片は単離することができる;それは精製工程にかけられることもある。それはまた組換え断片、例えば他の生物中で合成されたものでありうる。好適な例では、それは、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)で増幅された後、精製されたDNA断片である。
【0044】
本発明によって考えられる他の構成では、第一の用途はプローブを伴うポリヌクレオチド断片を用いる。この特徴は、とりわけ、断片の局在化を、細胞外媒質から細胞まで、又は細胞質から核までフォローすることを可能にし、あるいはDNA又はRNA又はタンパク質との相互作用を測定することを可能にする。プローブはまた断片の分解をモニターすることを可能にしうる。プローブは好ましくは蛍光、放射性又は酵素性のものである。当業者であれば、どのタイプのプローブが、モニターされる特徴に最もよく適合するか分かっているであろう。
本発明のこの第一の用途の場合に用いられるポリヌクレオチド断片はハイブリダイゼーション試験、シークエンシング試験、ミクロシークエンシング試験又は誤対合検出試験において使用することができる。
【0045】
本発明の上記断片は少なくとも18の連続ヌクレオチドを含み、上記18のヌクレオチドはヒト染色体6上の本発明の22の遺伝子の全て、又はヒト染色9上の本発明の11の遺伝子の全て又は一部、好ましくはDDX31 又はGTF3C4 遺伝子の全て又は一部に対応する配列を構成している。特に、本発明の断片は上述した遺伝子の一つの18の連続塩基の18の相補的塩基のみを含みうる。
更なる特定の場合には、記載された断片は上述の遺伝子の一つのcDNA又はRNAでありうる。それは遺伝子の一つの一又は複数のエキソンに対応し、染色体6及び9上の同定された遺伝子の一つの調節配列に対応しうる。
上記第一の用途の場合、上述のポリヌクレオチド断片の数は限定されるものではなく、必ずしも単一の断片には制限されない。
【0046】
特に、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459 及び NT_007592.457 遺伝子から選択される、ヒト染色体6上にある遺伝子の全て又は一部に、少なくとも部分的に対応する配列の多数のポリヌクレオチド断片が使用され得る。好ましくは、異なった断片の配列は別個の遺伝子又は別個のエキソンに対応する。
また、FREQ, NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL, CELL, FS, ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4 及び Q96MA6遺伝子から選択される、ヒト染色体9上にある遺伝子の全て又は一部に、少なくとも部分的に対応する配列の多数のポリヌクレオチド断片が使用され得る。好ましくは、異なった断片の配列は別個の遺伝子又は別個のエキソンに対応する。
【0047】
本発明のこの第一の用途は好ましくは化粧品の分野である。
上記用途により色素形成分野での治療的作用を奏する医薬の製造がまた可能になる。
特定の場合では、記載した第一の用途は、記載されたヌクレオチド断片によって誘導されるか否かを問わず、遺伝子改変を含む。
色素形成の原因となっている遺伝子が、突然変異した場合のように欠陥を持つ場合、本発明の上記第一の用途は、欠陥のある内因性(endogenic)遺伝子の新しい野生型コピーを表すポリヌクレオチド断片を導入することによってその遺伝子の機能を回復させることができる。
遺伝子活性化が色素脱失の原因である場合、本発明の上記第一の用途は、遺伝子の翻訳を阻止するアンチセンスRNAを導入することによって遺伝子の機能を破壊しうる。
【0048】
治療及び化粧品の分野の本発明によって考えられる第二の用途では、本発明において特定された遺伝子の一つ少なくとも部分的に対応するDNA断片の機能を調節する薬剤が使用される。治療的用途では、ここに記載の薬剤は医薬の製造に関連する。好ましくは、DNA断片は少なくとも18のヌクレオチドを有する。
本発明の上記薬剤は、その配列の一部が本発明者等が特定した遺伝子の一つに対応する外因性DNA断片の機能を調節し得、又は本発明によって特定された遺伝子の一つに含まれる内因性配列の機能を調節し得る。好ましくは、本発明に係るこの第二用途において作用する薬剤は記載の外因性DNA断片の機能を調節するばかりでなく、対応する内因性DNA断片のものもまた調節する。
【0049】
その機能が調節されるDNA断片は、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459 及びNT_007592.457 遺伝子から選択される、染色体6上にある遺伝子の一つに部分的に対応しうる。あるいは、その機能が調節されるDNA断片は、FREQ, NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL, CELL, FS, ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4及び Q96MA6遺伝子から選択される、染色体9上にある遺伝子の一つに部分的に対応しうる。それは、特に、述べた染色体領域の一つに対応するただ一つの短い配列を有するプラスミドでありうる。好ましくは、配列の対応性が少なくとも18の連続ヌクレオチドに対して確立される。
【0050】
本発明の第二の使用において、染色体9上の好ましい遺伝子は、BARHL1, DDX31, GTF3C4及び Q96MA6、特にDDX31 及びGTF3C4遺伝子ある。染色体6上の好ましい遺伝子は、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2及びNT_007592.588、特にNT_007592.506, NT_007592.507 及びNT_007592.508遺伝子である。
【0051】
「DNA断片の機能」の意味に関する定義セクションにおける上記の説明は本発明の第二の用途に対応する用途の全てを考慮する際に適用可能である。
DNA断片の複数の機能が分かった場合、上記断片の調節は非常に異なった側面を包含する。上記断片の機能が転写される特定の場合には、上記機能の調節は転写される上記断片の能力を促進又は阻害することからなる。それはまた転写開始及び終結部位を修飾し又は転写開始の度合いを変更することからなりうる。他の場合には、機能の調節は、例えばイントロンとエキソンの間の分布の原因のDNA認識配列を変更することによって、RNAスプライシングを改変することからなりうる。
DNA断片が調節配列の一部である場合、その機能の調節はエンハンサー又はインヒビターの結合を阻害することからなりうる。これに対して、それは結合を促進し又は他の転写因子の結合を促進することからなりうる。これはまたRNAポリメラーゼによって用いられる配列の場合である。
【0052】
本発明に係る上記用途の場合、本発明に係る他の全ての用途の場合と同様に、生成物の数、この場合は本発明で同定された遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応するDNA断片の機能を調節する薬剤の数は制限されるものではなく、一を越えてもよい。
しかしながら、この第二用途の場合、使用される種々の薬剤は、本発明の同じ染色体領域に配列が属するか、又はそれに少なくとも部分的に対応するDNA断片の機能を全て調節するという点で共通点がある。本発明の第一の側面では、前記遺伝子はヒト染色体6上にある本発明の22の遺伝子の一つである。本発明の第二の側面では、問題の遺伝子はヒト染色体9上にある本発明の12の遺伝子の一つ、好ましくはDDX31 又はGTF3C4である。
本発明の薬剤の例は、本発明の遺伝子の一つの定まった小領域に結合して三重螺旋体を形成可能な一本鎖DNA分子である。上記条件下で、本発明の薬剤はそれらがハイブリダイズする小領域の機能を破壊する。
【0053】
本発明の他の好適な薬剤は本発明の遺伝子の一つの定まった小領域と相互作用可能なポリペプチドである。好ましくは、本発明の薬剤はヒト染色体6上にある、本発明の22の遺伝子の一つの調節領域に結合するエンハンサー又はインヒビターである。
また、本発明の薬剤は、ヒト染色体9上にある、好ましくはDDX31 又はGTF3C4等の、本発明の12の遺伝子の一つの調節領域に結合するエンハンサー又はインヒビターである。
【0054】
本発明の薬剤の第一の範疇は、DNAに沿って正確な領域と相互作用してそのコンフォメーションを変化させることができる分子に関する。更なる範疇は、インヒビター又はエンハンサーと相互作用してその機能を改変する分子に関し、インヒビター又はエンハンサーは本発明において同定された遺伝子の一つに属するDNA断片の発現を改変する初期機能を有している。
本発明の上記第二用途に従って使用される薬剤は、上述の遺伝子の一つの18の連続塩基に対応するDNA断片の機能を特に調節することができる。
【0055】
本発明の第二の用途は好ましくは化粧品分野である。上記用途はまた色素形成分野での治療作用のための医薬の製造を可能にし得る。
特定の場合、この第二用途は記載されたDNA断片の機能を調節する薬剤によって誘導されるか否かを問わず、遺伝子改変を含む。
遺伝子活性化が色素脱失の原因である場合、本発明の上記第二用途は、例えばそのプロモーター領域に結合することによって上記遺伝子の翻訳を阻止する薬剤を導入することによって上記遺伝子の機能を破壊することができる。
遺伝子の不活性化が色素脱失の原因である場合、本発明の上記第二用途は、例えばそのプロモーター領域に結合することによって、又はその遺伝子の不活性化を停止するインヒビターに結合することによって、遺伝子転写を活性化する薬剤を導入することによって上記遺伝子の機能を回復することができる。
【0056】
治療薬及び化粧品の分野で本発明によって考えられる第三の用途は、本発明の遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応するDNA断片の発現産物の機能を調節する薬剤の使用である。治療的用途では、上記薬剤は医薬の製造に関与する。好ましくは、DNA断片は少なくとも18のヌクレオチドを有する。
特に、本発明のかかる薬剤は、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459 及びNT_007592.457遺伝子から選択される、染色体6上にある遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応するDNA断片から転写物の機能を調節する。他の場合では、本発明の薬剤は述べられた転写物の一つの翻訳から誘導されるポリペプチドの機能を調節する。あるいは、その発現産物の機能が調節されるDNA断片は、FREQ, NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL, CELL, FS, ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4及びQ96MA6遺伝子から選択される、染色体9の遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応しうる。
【0057】
前記本発明の第三の用途において、染色体9上にある好ましい遺伝子は、BARHL1, DDX31, GTF3C4 及びQ96MA6、特にDDX31 及びGTF3C4遺伝子である。染色体6上にある好ましい遺伝子は、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2 及び NT_007592.588、特にNT_007592.506, NT_007592.507 及びNT_007592.508遺伝子である。
【0058】
本発明の上記薬剤は、その配列の一部が本発明者等によって特定された遺伝子の一つに対応する外因性DNA断片の発現産物の機能を調節することができるか、又は本発明の遺伝子に含まれる内因性配列の発現産物の機能を調節することができる。好ましくは、本発明のこの第三の用途に作用する薬剤は上述の外因性DNA断片の発現産物を調節するばかりでなく、対応する内因性DNA断片のものも調節する。
ポリペプチドの機能は様々な形で調節され得る。特に、その活性、収量、特異性、抗体に対する結合活性が増加又は減少され得、その基質が酵素に対して改変され得、その転換度が変更され得る。
【0059】
本発明の好適な薬剤は、染色体6上にあり、本発明者により同定された遺伝子の一つ、又は染色体9上にあり、本発明者により同定された遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応するDNA断片からの少なくとも一つの転写物とハイブリダイズするアンチセンスRNAと呼ばれるRNA分子である。同じ役割を果たす他の薬剤は一本鎖DNA分子又はハイブリッドDNA-RNA分子でありうる。本発明の上記薬剤の役割は好ましくは上記転写物の翻訳を促進し、防止し、遅延させ、加速し、又はそれにエラーを導入することである。
【0060】
本発明の他の好適な薬剤はポリペプチドクラスに属する。特に、本発明は上記転写物に結合し、もってその翻訳を調節しうるタンパク質に関する。ポリペプチドクラスのそのような薬剤は天然又は合成由来(化学的な又は生物工学的な合成)でありうる。特に、それは抗体でありうる。上述したように、上記調節は、上記転写物の翻訳を促進し、防止し、遅延させ、加速し、又はそれにエラーを導入することになりうる。特に、ポリペプチドと上記転写物の間の相互作用は正常なリボソーム結合への障害となりうる。
【0061】
本発明で定義される薬剤は、ヒト染色体6上の本発明の22の遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応するDNA断片によってコードされるタンパク質の機能を調節しうる。上記薬剤はタンパク質性であってもそうでなくてもよい。本発明の薬剤は初期段階で介入し、タンパク質の正しい折り畳みを妨げうる。本発明の薬剤はまた折り畳み後に三次元構造を改変することによって上記タンパク質の機能を調節しうる。さらに該薬剤は、タンパク質インヒビター、特に競合的インヒビターとすることができる。
【0062】
本発明のさらなる側面において、本出願で記載される薬剤は、ヒト染色体9の本発明の12の遺伝子の一つ、好ましくはDDX31又はGTF3C4に少なくとも部分的に対応するDNA断片によりコードされるタンパク質の機能を調節し得る。
【0063】
本発明において好適な薬剤は上に挙げたものに限定されるものではない。
上記第三の用途の場合、上述の発現産物の機能を調節する薬剤の数は制限されず、必ずしも単一の薬剤に限定されるものではない。
しかしながら、上記第三の用途の場合、そこで用いられる様々な薬剤は、それら全てが、本発明の遺伝子に配列が少なくとも部分的に属する又は対応するDNA断片の発現産物の機能を調節することに共通点を有しうる。本発明の第一の側面によれば、前記遺伝子はヒト染色体6上の本発明の22の遺伝子から選択される。本発明の第二の側面によれば、問題の遺伝子は 染色体9上の本発明の12の遺伝子、好ましくはDDX31又はGTF3C4から選択される。
【0064】
本発明の第三の用途は好ましくは化粧品の分野である。この用途はまた色素形成分野での治療使用のための医薬の製造を可能にし得る。
特定の場合、記載された第三の用途はここに記載されたDNA断片の発現産物の機能を調節する薬剤によって誘導されるか否かを問わず、遺伝子改変を含む。
遺伝子活性化が色素脱失の原因である場合、本発明の上記第三用途は、RNA-タンパク質通過を防ぐことによって上記遺伝子の翻訳を阻止する薬剤を導入することによって上記遺伝子の機能を破壊することができる。更に好適な状況は上記遺伝子の翻訳から生じするタンパク質へ結合可能な抗体を薬剤として選択することからなる。
【0065】
治療分野及び化粧品分野において本発明によって考えられる第四の用途は本発明において同定された遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応するDNA断片の発現産物の使用である。治療的用途では、上述の薬剤は医薬の製造に使用される。好ましくはDNA断片は少なくとも18のヌクレオチドを有する。
特に、上記発現産物は、転写物の如何なる成熟段階でも、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459 及び NT_007592.457遺伝子から選択される、染色体6上の遺伝子の一つ、又はFREQ, NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL, CELL, FS, ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4 及び Q96MA6遺伝子から選択される染色体9上の遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応するDNA断片から誘導されたRNA転写物である。スプライシングの場合、転写物はよってそれが誘導されるDNA断片より小さい。好適には発現産物がRNA分子である場合、少なくとも18のヌクレオチドを含む。
【0066】
上記本発明の第四の用途において、染色体9上の好ましい遺伝子は、BARHL1, DDX31, GTF3C4 及びQ96MA6、特にDDX31 及び GTF3C4遺伝子である。染色体6上の好ましい遺伝子は、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2 及び NT_007592.588、特にNT_007592.506, NT_007592.507 及びNT_007592.508 遺伝子である。
【0067】
更に好適な場合には、本発明の発現産物は上述の転写物の一つの翻訳から誘導される。上記の発現産物はよってそれが誘導される転写物がスプライシング工程を受ける場合、6未満のアミノ酸を含みうる。好ましくは、ペプチド発現産物は少なくとも6のアミノ酸を含む。
本発明の発現産物はゲノムDNAの転写又は翻訳の工程から必ずしも得られるものではない。特に、本発明に従って使用される発現産物は本発明の遺伝子の一つの一部にその配列の少なくとも一部が対応する外因性DNAからの発現産物でありうる。
本発明はまた本発明の遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応する外因性又は内因性DNA断片の発現産物に類似の完全な合成の薬剤の使用も考慮している。
【0068】
本発明で使用される好適な発現産物は、染色体6上の本発明者により同定された遺伝子の一つ、又は染色体9上の本発明者により同定された遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応するDNA断片からの少なくとも一つの転写物とハイブリダイズするアンチセンスRNAと呼ばれるRNA分子である。特に、標的として特異的RNAを有するアンチセンスRNAを形成するには、リーダーストランドのものではなく、他のストランドによって担持されたその相補配列のものである、標的と同じDNA配列の転写からのRNAを使用することができる。これは細胞によって通常合成される標的断片に相補的であるRNA断片を産生する。本発明の上記発現産物の予想される役割は、好ましくは細胞によって通常合成される転写物の翻訳を促進し、防止し、遅延させ、加速し、又はそれにエラーを導入することである。
【0069】
本発明の他の好適な薬剤はポリペプチドクラスに属する。特に、本発明は、それらが活性である細胞の機能に変化を導入することができるタンパク質に関する。
本発明のこの用途の場合、その配列が本発明の遺伝子の一つに属するか又は少なくとも一部が対応するDNA断片の発現産物の数は制限されず、一を越えうる。
【0070】
しかしながら、この第四用途の場合、使用される種々の薬剤は全てが、本発明の同じ遺伝子に配列が属するか、又はそれに少なくとも部分的に対応するDNA断片の発現産物である点で共通点がある。本発明の第一の側面では、前記遺伝子はヒト染色体6上の本発明の22の遺伝子から選択される。本発明の第二の側面によれば、問題の遺伝子は 染色体9上の本発明の12の遺伝子、好ましくはDDX31又はGTF3C4から選択される。
【0071】
本発明のこの第四用途は好ましくは化粧品分野におけるものである。この用途により、色素形成分野において治療作用を持つ医薬の製造が可能になる。
特定の考えられる場合では、記載された第四用途は、それが記載されたDNA断片の発現産物によって誘導されようとされまいと、遺伝子改変を含む。
【0072】
遺伝子活性化が色素脱失の原因である場合、本発明の上記第四用途は、細胞によって合成された転写物にそれ自身が結合することによって上記遺伝子の翻訳を阻止するアンチセンスRNAを導入することによって上記遺伝子の機能を破壊することができる。
遺伝子の不活性化が色素脱失の原因である場合、本発明の上記第四用途は、遺伝子によってコードされるタンパク質の合成を可能にするRNA、又は遺伝子によってコードされるタンパク質を細胞又は分子中に導入することによって上記遺伝子の機能を回復することができる。
本発明における上述の4種の用途では、化粧品用途は好ましくは色素形成分野におけるものである。
【0073】
上述の4種の用途では、本発明の生成物は化粧品又は製薬組成物中に導入できる。上記組成物は、製薬的に又は化粧品的に許容可能な媒体中に、体積当り0.001重量%から10重量%の範囲で本発明の一定量の生成物を含有する。
組成物は皮膚(体の任意の皮膚領域)及び/又は頭皮又は毛髪に適用されるか又は経口的に投与され得る。
経口投与では、組成物は、風味がついていてもよい、水溶液又は水性アルコール溶液のような食品品質液の溶液中に本発明の生成物を含みうる。それらはまた固形摂取可能な賦形剤中に導入することができ、例えば顆粒、丸薬、錠剤又は糖衣錠の形態でありうる。それらはまた摂取可能なカプセルについで包装されうる食品品質液の溶液に取り上げることもできる。
【0074】
投与様式に応じて、組成物は任意の正常な生薬形態、特に化粧品学の形態で提示することができる。
本発明の好適な組成物は頭皮及び/又は皮膚への局所適用に適合した化粧品組成物である。
局所適用に対して、使用することができる組成物は、特に、水溶液、水性アルコール又は油性溶液又はローション又はセラム(漿液)タイプのディスパージョンの形態、あるいは水相中に油相を分散させるか(O/W)又は逆(W/O)によって得られた液体又は半液体の濃度のミルクタイプのエマルションとして、又はソフトなクリーム状の濃度のエマルション又は懸濁液又は水性又は無水ゲル、又はマイクロカプセル又はミクロ粒子、又は小胞イオン性及び/又は非イオン性分散液の形態でありうる。それらは、軟膏、チンキ剤、クリーム、ポマード、パウダー、パッチ、含浸パッド、溶液、エマルション又は小胞分散液、ローション、ゲル、スプレー、懸濁液、シャンプー、エアゾール又はフォームの形態であり得る。それらは無水又は水性でありうる。それらはまた石鹸又はクレンジングバーを構成する固形調製物からなりうる。
【0075】
これら組成物は常法を用いて調製される。
特に、組成物はヘアケア組成物、特にシャンプー、セット用ローション、トリートメントローション、スタイリングクリーム又はゲル、カラーリングシャンプーの形態であってもよい着色用組成物(特に酸化染料)、毛髪再構成用ローション又はマスクでありうる。
本発明が化粧品への応用のための用途にある場合、組成物は好ましくはクリーム、毛髪用ローション、シャンプー又はコンディショナーである。
組成物の様々な構成成分の量は当該分野で常套的に使用されているものである。
【0076】
組成物がエマルションである場合、油性相の割合は全組成物重量に対して5重量%から80重量%、好ましくは5重量%から50重量%とできる。エマルションの形態の組成物に使用される油、ロウ、乳化剤及び共乳化剤は化粧品の分野で常套的に使用されているものから選択される。乳化剤及び共乳化剤は全組成物重量に対して0.3重量%から30重量%、好ましくは0.5重量%から20重量%の割合で組成物中に存在する。エマルションはまた脂質小胞体を含みうる。
組成物が油性溶液又はゲルである場合、油性相は全組成物量に対して90重量%以上を占めうる。
変形例では、組成物は、本発明の生成物が、例えばミクロスフィア、ナノスフィア、オレオゾーム(oleosomes)又はナノカプセルのような封入体に封入されているようなものであり、封入体は本発明の生成物の化学的性質に応じて選択される。
【0077】
一例では、ミクロスフィアは欧州特許出願公開第0375520号に記載された方法を使用して調製することができる。
ナノスフィアは水性懸濁液の形態であり得、仏国特許出願公開第0015686号及び仏国特許出願公開第0101438号に記載された方法を使用して調製することができる。
オレオゾームは水相に分散したラメラ液晶エンベロープを有する油球によって形成された水中油エマルションからなる(欧州特許出願公開第0641557号及び欧州特許出願公開第0705593号を参照のこと)。
【0078】
本発明の生成物はシリコーン界面活性剤から得られたラメラエンベロープからなるナノカプセルに封入することができ(欧州特許出願公開第0780115号参照);ナノカプセルは水性分散性(hydrodispersible)スルホン酸ポリエステルから調製することができる(仏国特許出願公開第0113337号参照)。
本発明の生成物はそのサイズに拘わらず油性カチオン球の表面に複合化(complexed)されてもよい(欧州特許出願公開第1010413号、同第1010414号、同第1010415号、同第1010416号、同第1013338号、同第1016453号、同第1018363号、同第1020219号、同第1025898号、同第1020101号、同第1120102号、同第1129684号、同第1160005号及び同第1172077号参照)。
【0079】
最後に、本発明の生成物はラメラエンベロープを有し(欧州特許出願公開第0447318号及び同第0557489号参照)表面にカチオン性界面活性剤を含む(カチオン性界面活性剤については上に引用した文献を参照)ナノカプセル又はナノ粒子の表面に複合化され得る。
特に、本発明の生成物が10μm以下の直径を持つエンベロープを有する組成物が好適である。
既知のようにして、組成物はまた化粧品分野の通常のアジュバント、例えば親水性又は親油性ゲル化剤、親水性又は親油性添加剤、保存料、抗酸化剤、溶媒、香料、遮蔽剤、臭気吸収剤及び着色物質を含みうる。様々なアジュバントの量は化粧品の分野で常套的に使用される量、例えば全組成物重量の0.01%から10%である。その性質に応じて、上記アジュバントは油相中、水相中、及び/又は脂質小球中に導入され得る。
【0080】
挙げることができる油又はロウは鉱物性油(ワセリン油)、植物性油(シアーバターの液状留分、ヒマワリ種油)、動物性油(ペルヒドロスクアレン)、合成油(パーセリン油)、シリコーン油又はロウ(シクロメチコーン)及びフッ化油(パーフルオロポリエーテル)、ミツロウ、カルナウバロウ又はパラフィンである。脂肪アルコール及び脂肪酸(ステアリン酸)を上記油に加えることができる。
挙げることができる好適な乳化剤はステアリン酸グリセロール、ポリソルベート60及びガッテフォセ社からテフォース(Tefose(登録商標))63の商品名で販売されているPEG-6/PEG-32/ステアリン酸グリコール混合物である。
挙げることができる使用可能な好適な溶媒は低級アルコール、特にエタノール及びイソプロパノール及びプロピレングリコールである。
【0081】
挙げることができる使用可能な親水性ゲル化剤はカルボキシビニルポリマー(カルボマー)、アクリルコポリマー、例えばアクリレート/アルキルアクリレートコポリマー、ポリアクリルアミド、多糖類、例えばヒドロキシプロピルセルロース、天然ガム及びクレーであり、親油性ゲル化剤としては、変性クレー、例えばベントナイト、脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸アルミニウム及び疎水性シリカ、エチルセルロース及びポリエチレンである。
【0082】
本組成物は本発明の生成物に付随させて他の活性剤を有しうる。例として挙げることができるそのような活性剤は次の通りである:
・皮膚の細胞の分化及び/又は増殖及び/又は色素沈着を調節する薬剤、例えばレチノールとそのエステル、ビタミンDとその誘導体、エストロゲン、例えばエストラジオール、AMPcモジュレーター、例えばPOMC誘導体、アデノシン又はフォルスコリン(forskoline)とその誘導体、プロスタグラジンとその誘導体、トリヨードトリオニン(triiodotrionine)とその誘導体;
・植物抽出物、例えばIridicaeae又は大豆で、イソフラボン類を含んでいても含んでいなくてもよいもの;
・微生物抽出物;
・フリーラジカルスカベンジャー、例えばα-トコフェロール又はそのエステル、スーパーオキシドジスムターゼ又はその模倣体、ある種の金属キレート剤又はアスコルビン酸とそのエステル;
・抗脂漏剤、例えばある種の硫黄含有アミノ酸、13-シス-レチノイン酸、酢酸シプロテロン;
・頭皮の落屑状態に抗する他の薬剤、例えばジンクピリチオン、二硫化セレン、クリムバゾール(climbazole)、ウンデシレン酸、ケトコナゾール、ピロクトンオラミン(オクトピロックス)又はシクロピロクトン(シクロピロックス):
特に、それらは再生を刺激し及び/又は抜け毛を抑制することができる活性剤でありうる;その特定の非限定的な例は次の通りである:
・ニコチン酸エステル、特にニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸ベンジル及びニコチン酸C1-C6アルキル、例えばニコチン酸メチル又はヘキシル;
・ピリミジン誘導体、例えば米国特許第4139619号及び同第4596812号に記載された2,4-ジアミノ-6-ピペリジノピリミジン3-オキシド又は「ミノキシジル」;
・毛髪再生を促進するリポキシゲナーゼ阻害剤又はシクロオキシダーゼインデューサー、例えば本出願人の欧州特許出願公開第0648488号に記載のもの;
・抗菌剤、例えばマクロライド類、ピラノシド類及びテトラサイクリン類、特にエリスロマイシン;
・カルシウムアンタゴニスト剤、シンナリジン、ニモジピン(nimodipine)及びニフェジピン;
・ホルモン類、例えばエストリオール又はその類似体、又は甲状腺ホルモンとその塩;
・抗アンドロゲン剤、例えばオクセンドロン(oxendolone)、スピロノラクトン又はフルタミド;
・5-α-レダクターゼのステロイド系又は非ステロイド系インヒビター、例えば本出願人の欧州特許出願公開第0964852号及び同第1068858号に記載のもの、又はフィナステライド(finasteride);
・ATP依存性カリウムチャンネルのアゴニスト、例えばクロマカリム(cromakalim)又はニコランジル(nicorandil)。
【0083】
他の実施可能なものでは、本発明は個体における若白髪に対する素因を診断する方法に関する。
若白髪は本発明者等によってとりわけ人生の早期、好ましくは約18歳に最初の白髪が現れることによって特徴づけられるとして定義された表現型である。この表現型は次の世代に伝えられるので、親又は親戚が影響を受けている個体にとって徴候が現れる前に彼らが影響を受けるか否かを決定することは重要であることが分かるであろう。本発明の診断方法は18歳以下の個体に完全に適している。
本発明の方法のおかげで、環境因子が「若白髪」におけるように「白髪」の表現型において所定の役割をおそらくは担っているので、我々はそのような表現型を生じる危険性、つまり若白髪の素因を決定することができる。
【0084】
若白髪に対する素因を決定するための本発明の方法は、次の工程において使用される一又は複数のマーカーを選択する第一工程を含む。「マーカー」という用語はその様々なアレル変異が情報を運ぶDNA配列を意味する。そのようなマーカーはその変異が表現型の源である遺伝子の短い配列でありうる。それはまた若白髪に関与する遺伝子に非常に近い染色体上に物理的に位置するマーカーであり得る。好ましくは、マーカーはSNP(一塩基多型)である。
【0085】
本発明の方法の第一の側面によれば、選択されたマーカー又はマーカー群は、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459 及び NT_007592.457遺伝子を含むヒト染色体6上の領域に属する。好ましくは、選択マーカーは上記遺伝子の一つの配列に属する。好ましい遺伝子は、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2 及びNT_007592.588遺伝子、特にNT_007592.506, NT_007592.507及び NT_007592.508遺伝子である。
【0086】
本発明の方法の第二の側面によれば、選択されたマーカー群はFREQ, NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL, CELL, FS, ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4 及びQ96MA6遺伝子を含むヒト染色体9上の領域に属する。好ましくは、選択マーカー群は上記遺伝子の一つの配列に属する。好ましい遺伝子は、BARHL1, DDX31, GTF3C4 及びQ96MA6 遺伝子、特にDDX31及びGTF3C4 遺伝子である。
【0087】
本発明の方法の実施における次の工程は、選択されたマーカー又はマーカー群に対して、診断検査を受ける個体からの遺伝子材料試料中に存在するアレルを決定することにある。二種の染色体が有する二種の異なったアレルを特定することができる。
【0088】
遺伝子材料を含む試料とは血液であり得、一滴でも本発明の方法を実施するのには十分である。その他の体液も本発明において使用することができる。個体由来の数個の細胞を使用することもまた可能である。当業者であれば、関与する個体の不快感を最小にしながらどの試料がこの試験において使用できるかを如何にすれば決定できるかは分かるであろう。この診断検査は場合によっては他の遺伝子検査と組み合わせることもできる。
分子生物学者によく知られた常套的な方法を用いて、選択されたマーカー又はマーカー群に対するアレルを決定することができる;特にハイブリダイゼーション試験はこの種の工程に特に適している。
【0089】
様々なマーカーが本発明の実施において潜在的に好まれる。特に、バイアレル(bi-allelic)マーカーは一つのアレル型が若白髪の素因として翻訳されるのに対して、他のアレル型が上記素因の欠如を反映しているならば、特に好適であろう。他のより常套的なマーカーは多型であり、少なくとも二種、一般には2より多いのアレル型に見出すことができる。
本発明の第一工程のために選択することができるマーカーには、特によく知られているSNPsが含まれる。マーカーを選択する場合、マーカー多型の情報的価値に基礎を置くことは非常に重要である。特に有利な一状況はそのある種のアレル変異体は若白髪の素因に翻訳される一方、他の変異体の全てが上記素因の欠如を反映するマーカーを選択することからなる。多くの状況では、マーカーは上記条件を完全には満たさない;つまり、ある種のアレルが白髪の素因のある個体に優先的に存在しているが排他的に存在してはいない。これらの状況下で、できるかぎり信頼性のある診断検査法を確立するために数種のマーカーを選択することは賢明であろう。
【0090】
選択されたマーカーがSNPsである場合、様々なアレル変異体が塩基の修飾に対応する。マーカーを選択する場合に研究するのに特に有利な状況は、ある種のアレル(塩基の修飾)が若白髪の素因に特徴的である状況に対応する。
本発明の方法の第一の側面によれば、第一工程に対して選択されるマーカー又はマーカー群は次のSNPマーカー:2734988, 2734967, 1419664, 2517502, rs733539, rs494620, 154973, 206779, 60071, rs763028から選択することができよう。
本発明の方法の第二の側面によれば、第一工程に対して選択されるマーカー又はマーカー群は次のSNPマーカー:418620, rs302919, 913705, 932886, 429269 及びrs2526008sから選択することができよう。
【0091】
本発明の方法は記載した二工程に限るものではなく、記載した二工程の前又は後に他の工程を含んでいてもよい。
特に、本発明の方法は、選択されたマーカー又はマーカー群のアレル型を他の個体のマーカー又はマーカー群のアレル型と比較する追加の工程を含みうる。この追加の比較工程は診断を確立するために必要であろう。この場合、顕著に若白髪になった個体のマーカー又はマーカー群の型と、更には場合によっては明らかに上記素因がない個体のマーカー又はマーカー群の型と比較することは有用であろう。
若白髪がおそらくは多重遺伝子疾患であれば、素因の原因は多岐にわたり、それらの全てを余すところなく検討することは困難であろう。これに対して、何人かが早期に白髪になった一家族内では、罹患の原因が独特である可能性が高い。このため、本発明の方法において任意の第三工程として述べた比較工程では、特に情報に富む比較は、表現型が知られている家族内の人物に対する同じマーカーのアレルで検査を受けている個体に対するマーカーのアレルの比較である。数個のマーカーが選択された場合には、この操作は好ましくは全てのマーカーに対して繰り返されるべきである。
【0092】
本発明はまた特定の効果を有する分子のスクリーニング方法にも関する。特に、本発明はポリヌクレオチド断片の機能を調節可能な分子を同定するための方法に関する。
本発明の第一の側面によれば、その機能が調節されることになるポリヌクレオチド断片は、その配列がヒト染色体6上の本発明の22の遺伝子から選択される遺伝子の全て又は一部に対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含む。好ましい遺伝子は、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2 及びNT_007592.588遺伝子、特にNT_007592.506, NT_007592.507 及びNT_007592.508遺伝子である。
本発明の第二の側面によれば、その機能が調節されることになるポリヌクレオチド断片は、その配列が染色体9上の本発明の12の遺伝子から選択される遺伝子の全て又は一部に対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含む。好ましい遺伝子は、 BARHL1, DDX31, GTF3C4 及びQ96MA6遺伝子、好ましくは DDX31及びGTF3C4遺伝子である。
【0093】
上記断片の一方又は他方の機能を調節することができる分子を同定するための方法は、試験される分子をポリヌクレオチド断片の存在下に置く工程を含む。該方法中の他の工程は上記断片の機能に関連したパラメータの変動を検出すること、例えばリガンド検出法によって証明されるポリヌクレオチド断片への上記分子の任意の結合を検出することである。
「本発明の第二用途」は本発明の遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応するDNA断片の機能を調節する薬剤の使用である。本スクリーニング法はそのような薬剤を同定することを可能にする。
【0094】
ポリヌクレオチド断片が果たしうる様々な機能は既に本願において説明した。特に、これらの機能は、例えばそれがDNAであろうとRNAであろうと、ポリヌクレオチド断片の性質に依存する。機能の調節は、転写される又は翻訳される能力の減少に、又は他の因子と相互作用する能力の変化に対応しうる。上記断片の性質に応じて、当業者であればその変動のモニターが簡単なパラメータを決定することができよう。
本発明の同定方法は上述の工程に限定されるものではない;他の先の工程又は後の工程を適用することができる。
【0095】
本発明はまた上述の方法によって同定される分子を包含する。特に、本発明は本発明のポリヌクレオチド断片の機能に対するインヒビターを包含する。
本発明はまた本発明のポリヌクレオチド断片の発現産物の機能を調節可能な分子をスクリーニングする方法にも関する。
本発明の第一の側面によれば、その機能が調節されることになる発現産物は、ヒト染色体6上の本発明の22の遺伝子から選択される遺伝子の全て又は一部に属する、及び/又は対応するDNA断片のものである。好ましい遺伝子は、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2 及びNT_007592.588遺伝子、特にNT_007592.506, NT_007592.507 及びNT_007592.508遺伝子である。
本発明の第二の側面によれば、その機能が調節されることになる発現産物は、染色体9上の本発明の12の遺伝子から選択される遺伝子の全て又は一部に属する、及び/又は対応するDNA断片のものである。好ましい遺伝子は BARHL1, DDX31, GTF3C4 及びQ96MA6遺伝子、特にDDX31及びGTF3C4遺伝子である。
好ましくは、DNA断片は少なくとも18のヌクレオチドを含む。
【0096】
記載されたDNA断片の発現産物の機能を調節することができる分子を同定する方法は、試験分子を発現産物の存在下に置く工程を含む。本方法の更なる工程は、上記発現産物の機能に関連したパラメータの変動を検出すること、例えばリガンド検出法によって証明される発現産物への上記分子の任意の結合を検出することである。
本願において上述したように、「DNA断片の発現産物」という用語は、任意の成熟段階において断片の転写から誘導されるRNA分子と、任意の成熟段階における翻訳からのポリペプチドの双方を意味する。RNA分子の場合、異なった成熟段階は例えばキャップ、ポリアデニル化テールがあるかないかによって表される。「ポリペプチドの様々な成熟段階」という用語には、とりわけ、折りたたみの前後、様々なアドレシングシグナルの開裂の前後、グリコシル化を伴うか伴わないポリペプチド及びジスルフィド架橋を伴うか伴わないポリペプチドを含む。
DNA断片の発現産物によって達成される機能は非常に多く、問題の発現産物の性質に依存する。例は本願に既に記載した。
【0097】
「本発明の第三の用途」はDNA断片の発現産物の機能を調節する薬剤の使用である。スクリーニング方法によりそのような薬剤を同定することが可能になる。「DNA断片の発現産物の機能を調節する」という用語によって理解されるものに関しては、本発明の第三の用途を記載するために既に例を挙げた。
上記発現産物の性質に応じて、当業者であれば、変動のモニターが容易なパラメーターを決定することができよう。
本発明の同定方法は上述の工程に限定されるものではない;他の先の工程又は後の工程を適用することができる。
【0098】
本発明はまた上述の方法によって同定される分子を包含する。特に、本発明は本発明のポリヌクレオチド断片の発現産物の機能に対するインヒビターを包含する。
本発明はまた、本発明の染色体において皮膚、毛髪及び皮膚付属器の色素沈着に関与する遺伝子の変異に光を与えることを可能にする。よって、本発明によって考えられる一つの特定の用途は、より正確には色素沈着に関与する遺伝子、より特定的には皮膚又は皮膚付属器の色素沈着の進行性又は突然の中断に関与する遺伝子において変異を局在化させる目的で対象の遺伝子を含む領域の各々に、上述したSNPマーカーを使用することからなる。
【0099】
前記使用において、本発明の第一の側面は、対象の遺伝子を決定するために使用されるマーカーが、SNPマーカー:2734988, 2734967, 1419664, 2517502, rs733539, rs494620, 154973, 206779, 60071, rs763028から選択される。
本発明の第二の側面において、対象の遺伝子を決定するために使用されるマーカーが、SNPマーカー: 418620, rs302919, 913705, 932886, 429269 及びrs2526008から選択される。
【0100】
本発明は色素沈着又は色素脱失現象に関与するヒト染色体6及び9上の遺伝子の発明者等による同定にある。この遺伝子の基礎により、上述の治療及び化粧品における用途並びに上述の診断方法を考えることができた。
しかし、上述したように、発明者等は多くの遺伝子が色素沈着現象及びその色素沈着の調節と休止に関連したものに関連していることを疑った。特に染色体9上の本発明の遺伝子は白髪の主たる原因であり、一方、染色体6上の本発明の遺伝子は白髪の開始に早発化に関与していると考えられている。このために、本発明の重要な部分は、最も相補的な情報を引き出すために、本発明の遺伝子から得られた結果を組合せることからなる。
【0101】
特に、化粧品及び治療分野における第一の組合せ用途は好適には、そのそれぞれの配列がヒト染色体6上の本発明の22の遺伝子から選択されるのものに、又はヒト染色体9上の本発明の12の遺伝子から選択される遺伝子のものに少なくとも一つのものに対応する少なくとも二つのポリヌクレオチド断片を用いる。
染色体6上の好ましい遺伝子は、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2 及びNT_007592.588遺伝子、特にNT_007592.506, NT_007592.507 及びNT_007592.508遺伝子である。
染色体9上の好ましい遺伝子は、BARHL1, DDX31, GTF3C4 及びQ96MA6遺伝子、特にDDX31 及びGTF3C4遺伝子である。
【0102】
好ましくは、用いられる異なったポリヌクレオチド断片のうち、少なくとも二つは二つの別の遺伝子に対応する配列を有する。本発明の同じ遺伝子では、用いられる様々な断片は異なった化学的性質を持つことも考えられ、例えば第一の断片がDNAで第二の断片がRNAである。また、異なった断片は、同じ遺伝子であるが、「対応する配列」の定義によって許容される小さな変異を持つもの、つまり10中せいぜい一つのヌクレオチドが異なるもの、好ましくは100中1のものに対応する配列を有することも考えられる。
本発明の断片は少なくとも18の連続ヌクレオチドを含み、上記18ヌクレオチドは本発明の遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応しなければならない配列を形成する。
【0103】
好適な用途、断片の化学的性質、その環境の全ては本発明の第一用途を記載したセクションに既に詳細に説明した。
少なくとも二つのポリヌクレオチド断片が使用される場合、該二つの断片は好ましくは別の分子に担持される。また上記二つの断片は例えば同じベクターの一部を形成することも考えられる。好適な場合では、異なった断片は同じ化学的性質であり、例えば全ての断片がDNAである。
治療的用途の場合、ポリヌクレオチド断片は医薬の製造に使用される。
【0104】
化粧品及び治療分野における本発明によって考慮される第二の組合せ用途は、ヒト染色体6及び9上の本発明の34の遺伝子の一つの全て又は一部に属する及び/又は対応する断片から選択されるDNA断片の機能をそれぞれが調節する少なくとも二つの薬剤の組合せの使用である。
染色体6上の好ましい遺伝子は、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2 及びNT_007592.588遺伝子、特にNT_007592.506, NT_007592.507 及びNT_007592.508遺伝子である。
染色体9上の好ましい遺伝子は、BARHL1, DDX31, GTF3C4 及びQ96MA6遺伝子、特にDDX31 及びGTF3C4遺伝子である。
【0105】
好ましくは、用いられる異なった薬剤の中から、少なくとも二つが、二つの別の遺伝子に対応するDNA断片の機能を調節する。本発明の同じ遺伝子に対しては、用いられる異なった薬剤は同じDNA断片の異なった機能を調節することもまた考えられる。
その機能が本発明に従って調節されるDNAの断片は好ましくは少なくとも18の連続ヌクレオチドを含み、上記18のヌクレオチドが本発明で同定された遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応しなければならない配列を形成する。
上記薬剤の好適な用途の全てを本発明の第二用途を記載するセクションにおいて既に詳細に説明した。
治療的用途に対しては、薬剤は医薬の製造に使用される。
【0106】
化粧品及び治療分野における本発明によって考慮される第三の組合せ用途は、ヒト染色体6及び9上の本発明の34の遺伝子の一つの全て又は一部に属する及び/又は対応する断片から選択されるDNA断片の発現産物の機能をそれぞれが調節する少なくとも二つの薬剤の組合せの使用である。
染色体6上の好ましい遺伝子は、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2 及びNT_007592.588遺伝子、特にNT_007592.506, NT_007592.507 及びNT_007592.508遺伝子である。
染色体9上の好ましい遺伝子は、BARHL1, DDX31, GTF3C4 及びQ96MA6遺伝子、特にDDX31 及びGTF3C4遺伝子である。
【0107】
好ましくは、用いられる異なった薬剤の中から、少なくとも二つが、二つの別の遺伝子に対応するDNA断片の発現産物の機能を調節する。本発明の同じ遺伝子に対しては、用いられる異なった薬剤がDNA断片の同じ発現産物、例えば異なった成熟段階のRNA又は異なったスプライシングのRNA、の異なった機能を調節しうることもまた考えられる。同じ可能性はRNA翻訳から誘導されたポリペプチドに当てはまる。
その発現産物の機能が本発明に従って調節されるDNAの断片は好ましくは少なくとも18の連続ヌクレオチドを含み、上記18のヌクレオチドが本発明の遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応しなければならない配列を形成する。
上記薬剤の好適な用途の全てを本発明の第一用途を記載するセクションにおいて既に詳細に説明した。
治療的用途に対しては、薬剤は医薬の製造に使用される。
【0108】
化粧品及び治療分野における本発明によって考慮される第四の組合せ用途は、ヒト染色体6及び9上の本発明の34の遺伝子の一つの全て又は一部に属する及び/又は対応する断片から選択されるDNA断片の少なくとも二つの発現産物の組合せの使用である。
染色体6上の好ましい遺伝子は、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2 及びNT_007592.588遺伝子、特にNT_007592.506, NT_007592.507 及びNT_007592.508遺伝子である。
染色体9上の好ましい遺伝子は、BARHL1, DDX31, GTF3C4 及びQ96MA6遺伝子、特にDDX31 及びGTF3C4遺伝子である。
【0109】
好ましくは、用いられる異なった発現産物の中から、少なくとも二つが、二つの別の遺伝子に対応するDNA断片から誘導される。本発明の同じ遺伝子に対しては、用いられる異なった発現産物が同じDNA断片から、例えば異なった成熟段階のRNA又は異なったスプライシングのRNAから誘導しうることもまた考えられる。同様の可能性がRNA翻訳物から誘導されるポリペプチドにも適用される。
その発現産物の機能が本発明に従って調節されるDNAの断片は好ましくは少なくとも18の連続ヌクレオチドを含み、上記18のヌクレオチドが本発明の遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応しなければならない配列を形成する。
上記薬剤の好適な用途の全てを本発明の第四用途を記載するセクションにおいて既に詳細に説明した。
治療的用途に対しては、ポリヌクレオチド断片は医薬の製造に使用される。
【0110】
本発明における上述された4種の組み合わせ用途に対して、化粧品用途は好ましくは色素沈着の分野に適用される。
本発明によって考えられる多くの組合せのうち、非常に有利な組み合わせは、第一の組合せ用途において、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459 及びNT_007592.457遺伝子から選択される、ヒト染色体6上の遺伝子の全て又は一部に対応する少なくとも一のポリヌクレオチド断片を含む。
【0111】
使用される薬剤の第二の組合せ用途のために、少なくとも一の該薬剤は、好ましくはHLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459 及びNT_007592.457遺伝子から選択される、ヒト染色体6上の遺伝子に対応する又は属するDNA断片の機能を調節する。
【0112】
使用される薬剤の第三の組合せ用途のために、少なくとも一の該薬剤は、好ましくはHLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459 及びNT_007592.457遺伝子から選択される、ヒト染色体6上の遺伝子に対応する又は属するDNA断片の発現産物の機能を調節する。
【0113】
使用される発現産物の第四の組合せ用途のために、少なくとも一の該発現産物は、好ましくはHLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459 及びNT_007592.457遺伝子から選択される、ヒト染色体6上の遺伝子に対応する又は属するDNA断片から誘導される。
【0114】
化粧品又は治療における上述した全ての組合せ用途において、多数の断片又は発現産物、又は断片の機能を調節する多数の薬剤、又は次の発現産物の機能を調節する多数の薬剤が使用され、ここで問題の断片は本発明の遺伝子の一つの全て又は一部に対応する。好ましくは、問題の少なくとも一の断片は、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459 及びNT_007592.457遺伝子から選択される、ヒト染色体6上の遺伝子に対応する。
【0115】
好ましくは、組合せ用途における少なくとも一の問題の断片は、FREQ, NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL, CELL, FS, ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4及びQ96MA6遺伝子から選択される、ヒト染色体9上の遺伝子に対応する。
【0116】
上述した4種の組み合わせ用途に対して、本発明の組合せは上述した化粧品又は製薬組成物中に導入することができる。
2つの染色体領域における前記遺伝子の組合せから有益性を得るために、本発明は併用方法にも関する。前記方法は若白髪に対するあらゆる傾向を測定するために使用される。
若白髪の傾向を測定するための本発明の併用方法は、次の工程で使用される少なくとも二つのマーカーを選択する第一工程を含む。選択されたマーカーは、本発明の34の遺伝子を含むヒト染色体6及び9の領域に属するマーカーから選択される。好ましくは、選択されたマーカーは、染色体6及び9において記載された遺伝子の一つの配列に属する。
【0117】
染色体6上の好ましい遺伝子は、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2 及びNT_007592.588遺伝子、特にNT_007592.506, NT_007592.507及びNT_007592.508遺伝子である。
染色体9上の好ましい遺伝子は、BARHL1, DDX31, GTF3C4及びQ96MA6遺伝子、特にDDX31 及びGTF3C4遺伝子である。
好ましくは、選択されるマーカーの中でも、少なくとも二つは本発明の同じ遺伝子に属さない。本発明の特定の場合において、最小数二つのマーカーは、次に列挙されるSNPマーカー:2734988, 2734967, 1419664, 2517502, rs733539, rs494620, 154973, 206779, 60071, rs763028, 418620, rs302919, 913705, 932886, 429269及びrs2526008から選択される。
【0118】
本発明の方法を実施する際の次の工程は、選択されたマーカーに対して、診断検査を受けている個体からの遺伝子材料試料中に存在するアレルを決定することからなる。染色体の二つの種類によって担持される二つの異なったアレルを同定することができる。
上記方法を実施するための条件は診断方法に関するパートにおいて既に説明した。
【0119】
本発明の併用方法は二つのマーカーの使用に限定されるものではなく、また記載した二つの工程に限定されるものでもない;それらは既に記載した二つの工程に先行する又は後に続く他の工程を含んでもよい。
特に、本発明の併用方法は、選択されたマーカーのアレル型を他の個体の同じマーカーのアレル型と比較する追加工程を含んでいてもよい。この追加比較工程は診断を確立するために必要であろう。この場合、若白髪に明らかになっている個体のマーカーの型と、また場合によってはそのような素因が明白にない個体のマーカーの型とも比較するのは有用であろう。
本出願において既に述べた診断方法の場合について、特に有利な状況は、選択されたマーカーのアレルを、診断される個体と同じ家族の他の個体の同じマーカーと比較することからなる。
【0120】
更に、同出願人が同日に出願した他の特許出願では、本発明者等は類似の方法を使用して、 色素沈着又は色素脱失現象にまた関与するヒト染色体3、5及び11上の他の遺伝子を明らかにした(本出願の実施例1及び3を参照)。それらの領域はマイクロサテライトマーカーD3S1277及びD3S1285により染色体3上に、マイクロサテライトマーカーD5S2115及びD5S422により染色体5上に、またマイクロサテライトマーカーD11S898及びD11S925により染色体11上に画成される。特に本発明者等は、ある患者において若白髪に統計上関与している領域にある遺伝子、すなわち染色体3上の遺伝子KIAA1042, CCK, CACNA1D, ARHGEF3 及びAL133097、染色体5上の遺伝子KLHL3, HNRPA0, CDC25C, EGR1, C5orf6, C5orf7, LOC51308, ETF1, HSPA9B, PCDHA1からPCDHA13, CSF1R, RPL7, PDGFRB, TCOF1, AL133039, CD74, RPS14, NDST1, G3BP, GLRA1, C5orf3, MFAP3, GALNT10 及びFLJ117151、及び染色体11上の遺伝子GUCY1A2, CUL5, ACAT1, NPAT, ATM, AF035326, AF035327, AF035328, BC029536, FLJ20535, DRD2, ENS303941, IGSF4, LOC51092, BC010946, TAGLN, PCSK7 及びENS300650を同定している。この遺伝子の基礎により発明者等は上述したものと類似の治療及び化粧品用途、並びに上述のものと類似の診断方法を考えることができた。
【0121】
本発明において、染色体6及び9上の白髪に関与している配列を考慮に入れることによって産出された産物、及び染色体3、5及び11上の白髪に関与している配列を考慮に入れることにより産出された産物を組合せることで、これらの結果を有効に使用することが有利である。
本発明において特に好ましい組合せは、染色体9上の対象となる配列を考慮に入れることによって産出される産物と、染色体6、11、5及び3上の対象となる配列を考慮に入れることにより産出された産物との組合せである。
【0122】
特に、化粧品及び治療分野における第一用途では、少なくとも二つのポリヌクレオチド断片が使用され、第一の配列は染色体9上のDDX31又はGTF3C4のものに少なくとも部分的に対応し、少なくとも一の他の配列は、次の遺伝子:染色体3上のKIAA1042, CCK, CACNA1D, ARHGEF3及びAL133097、染色体5上のKLHL3, HNRPA0, CDC25C, EGR1, C5orf6, C5orf7, LOC51308, ETF1, HSPA9B, PCDHA1からPCDHA13, CSF1R, RPL7, PDGFRB, TCOF1, AL133039, CD74, RPS14, NDST1, G3BP, GLRA1, C5orf3, MFAP3, GALNT10 及びFLJ117151、及び染色体11上のGUCY1A2, CUL5, ACAT1, NPAT, ATM, AF035326, AF035327, AF035328, BC029536, FLJ20535, DRD2, ENS303941, IGSF4, LOC51092, BC010946, TAGLN, PCSK7及びENS300650の一つに少なくとも部分的に対応する。
【0123】
特に、化粧品及び治療分野において本発明で考慮される第二用途は、それぞれDNA断片の機能を調節する少なくとも二つの薬剤の組合せの使用にあり、第一の断片は、染色体9上のDDX31又はGTF3C4の全て又は一部に属する及び/又は対応し、少なくとも一の他の断片は、次の遺伝子:染色体3上のKIAA1042, CCK, CACNA1D, ARHGEF3及びAL133097、染色体5上のKLHL3, HNRPA0, CDC25C, EGR1, C5orf6, C5orf7, LOC51308, ETF1, HSPA9B, PCDHA1からPCDHA13, CSF1R, RPL7, PDGFRB, TCOF1, AL133039, CD74, RPS14, NDST1, G3BP, GLRA1, C5orf3, MFAP3, GALNT10 及びFLJ117151、及び染色体11上のGUCY1A2, CUL5, ACAT1, NPAT, ATM, AF035326, AF035327, AF035328, BC029536, FLJ20535, DRD2, ENS303941, IGSF4, LOC51092, BC010946, TAGLN, PCSK7及びENS300650の全て又は一部に属する及び/又は対応する。
【0124】
特に、化粧品及び治療分野において本発明で考慮される第三用途は、それぞれDNA断片の発現産物の機能を調節する少なくとも二つの薬剤の組合せの使用にあり、第一の断片は、染色体9上のDDX31又はGTF3C4の全て又は一部に属する及び/又は対応し、少なくとも一の他の断片は、次の遺伝子:染色体3上のKIAA1042, CCK, CACNA1D, ARHGEF3及びAL133097、染色体5上のKLHL3, HNRPA0, CDC25C, EGR1, C5orf6, C5orf7, LOC51308, ETF1, HSPA9B, PCDHA1からPCDHA13, CSF1R, RPL7, PDGFRB, TCOF1, AL133039, CD74, RPS14, NDST1, G3BP, GLRA1, C5orf3, MFAP3, GALNT10 及びFLJ117151、及び染色体11上のGUCY1A2, CUL5, ACAT1, NPAT, ATM, AF035326, AF035327, AF035328, BC029536, FLJ20535, DRD2, ENS303941, IGSF4, LOC51092, BC010946, TAGLN, PCSK7及びENS300650の全て又は一部に属する及び/又は対応する。
【0125】
特に、化粧品及び治療分野において本発明で考慮される第四用途は、DNA断片の少なくとも二つの発現産物の組合せの使用にあり、第一の断片は、染色体9上のDDX31又はGTF3C4の全て又は一部に属する及び/又は対応し、少なくとも一の他の断片は、次の遺伝子:染色体3上のKIAA1042, CCK, CACNA1D, ARHGEF3及びAL133097、染色体5上のKLHL3, HNRPA0, CDC25C, EGR1, C5orf6, C5orf7, LOC51308, ETF1, HSPA9B, PCDHA1からPCDHA13, CSF1R, RPL7, PDGFRB, TCOF1, AL133039, CD74, RPS14, NDST1, G3BP, GLRA1, C5orf3, MFAP3, GALNT10 及びFLJ117151、及び染色体11上のGUCY1A2, CUL5, ACAT1, NPAT, ATM, AF035326, AF035327, AF035328, BC029536, FLJ20535, DRD2, ENS303941, IGSF4, LOC51092, BC010946, TAGLN, PCSK7及びENS300650の全て又は一部に属する及び/又は対応する。
【0126】
最後に、本発明は、ヒト染色体6及び9上の本発明の34の遺伝子の一つの全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含むものから選択される少なくとも二つのポリヌクレオチド断片の組合せを含むキットに関する。
染色体6上の好ましい遺伝子は、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2 及びNT_007592.588遺伝子、特にNT_007592.506, NT_007592.507 及びNT_007592.508遺伝子である。
染色体9上の好ましい遺伝子は、BARHL1, DDX31, GTF3C4 及びQ96MA6遺伝子、特にDDX31 及びGTF3C4である。
断片長さは、好ましくは15〜5000ヌクレオチドの範囲、より好ましくは30〜5000の範囲、さらに好ましくは40〜3000ヌクレオチドの範囲である。
【実施例】
【0127】
実施例1
研究のまとめ
若白髪 (PC)の遺伝子又は遺伝子群を局在化するために分離解析(segregation analysis) (遺伝連鎖)プログラムを、この形質が世代を超えて伝達されている家族で実施した。 サンプルと表現型の確認の統計的力に基づいての一連の事前の選別の終わりに、12組の家族を残して連鎖研究に参加させ、有益な個体(形質を持つ者と持たない者)のそれぞれからの末梢血試料からDNAを準備した。研究は二つの主要なアプローチ法を用いて実施され、解析は候補領域を標的とし、22の常染色体及びX染色体についての全ゲノム研究を行った。
PC形質を伝達するパラメータを固定するか又は固定しないで実施した一連の解析から、2つの潜在的な遺伝子座が、染色体6及び9上に認められた。主たる組織適合性複合体(MHC, HLA)の遺伝子領域においてマーカーD6S1629及びD6S1280の間の染色体6p21-p12上の遺伝子座は、素因遺伝子を含む確かな証拠を示しており、また他の遺伝子座(染色体9q32-q32)はPCへの連鎖を示唆するサインを示した。
3つの他の遺伝子座(染色体11q14-q22, 5q31-q32, 3p14.1-p12.3) はPCへの連鎖を示唆するサインを示した。
この研究、特にパラメトリック/ノンパラメトリック解析で得られたスコア間の不一致は、若白髪が主な効果を持つ少数の遺伝子によって引き起こされているのではなく、むしろ数個の素因遺伝子の作用を含む多因子性システムによって支配されていることを示唆する。
【0128】

若白髪(PC) 又は人生の早い時期における白髪の出現の遺伝的性質は、ある人々の場合に起こる毛髪の早期の白髪化という家系的性質のためとの長年抱き続けられてきている仮説である。
遺伝的観点から白髪を探求するために、DNA分離研究を、白髪が人生の非常に早い時期に現れた家族に対して実施した。この遺伝子追跡が最も高い確率で成功するようにするために、研究のためのサンプルの構成は表現型の属性決定及び家族の選択のために厳格なプロトコールを用いて決定した。PC表現型は、白髪を有する25歳未満の個体で30歳で頭髪の半分がグレイである個体のみの属性であった。その家族を分離解析でのその統計的成績に基づいて研究のために残した。
研究のこの部分は次の4つの主要な期間を用いて記述される:
A-期間1: 研究の有望性の決定。最も有益な家族の最初の選択は連鎖解析シミュレーションによって実施した。
B-期間2: 予め選択された家族の表現型を医学的に確認し血液試料を収集する。この検証キャンペーンにより、研究のための候補家族の新規リストを作成した。新しい連鎖シミュレーションによって訂正されたサンプルの有望性を推定することができた。
C-期間3: PCに対しての候補染色体領域を用いた遺伝的解析。PC遺伝子を含みうる染色体領域に対するDNA解析の第一相。
D-期間4: ヒトゲノム全体に対するPCについての全遺伝子解析。PC形質に連鎖する領域を検出するための22の常染色体及びX染色体からのDNAについての家族分離解。
各期間に対して得られた結果は、まとめの表にまとめの形で又は詳細な表により詳細に、表及び図の形で示す。
【0129】
結果
A-期間1:バインディング解析シミュレーションを用いた家族の選択
遺伝子局在化のための有益性基準を使用して若白髪の家族を選択する試みの最後に、29の家族が遺伝連鎖解析シミュレーションを受けた。個体全員の利用性に基づいて、このプロジェクトは、19家系(つまり255の個体)が残ったので、非常に成功の可能性が高いように思われた。この結論は、表現型が確認され、被験者の大半が研究に参加することに同意した場合にのみ妥当であった。この選択では、個々がZ=4.00のロッドスコア(つまり、Z=3.00であるロッドスコアに対する有意性の下限より大)を達成するかこれを越えうる7組の非常に有益な家族が存在した。成功の確率を最大にするためには、PC診断を厳格に行うことが非常に重要であった。
この研究の結果により、臨床評価の強い性質のため、次に遺伝研究のために収集された家族を決定することが可能になった。
【0130】
1.PC表現型の属性化の基準
65組から29組の家族が、シミュレーション解析のための構造的基準(個体の全数、罹患し、利用可能な個体数)を用いて残った。
シミュレーションプロセスにおいて:
a)ソフトウェアは、シミュレートされた遺伝子型をあてがうことによって一連のファイルコード反復を発生させた。各家族に対して得られたファイルは各個体において数種のアレル組み合わせ(遺伝子型)を探索した;
b)ついでソフトウェアは各反復を解析して、各家族における遺伝連鎖解析のための可能なロッドスコア (Z)を推定した。最小、平均及び最大ロッドスコアの形の結果から、この種の研究における各家族の有望性を評価することが可能になった。
【0131】
明らかに、これらの推定は、各個体が正しい表現型をもって属性化されているとみた場合にのみ有効である。不確定な場合には、表現型を未知として示さなければならず;その場合は、それを考慮に入れることができず、よってサンプルにはできなかった。ロッドスコアは、不確定な表現型のために個体が排除される都度、減少した(変動割合で)。
遺伝連鎖解析のためにコード化されたファイル(プレプリンク(preplink)ファイル)をまた作成した家系編集ソフトウェアを使用して系統樹を描き直した。各個体に対して生まれ、性別、表現型及びSLINKシミュレーションソフトウェアによって補填された遺伝子型を示すコードに加えて、利用能コード(cd) (表1)を属性化した。それはまた0から3のコードを使用して研究における各個体の有益な情報に重きを置いた。
各個体の表現型をGenormaxレポートの記述的な表及び家系の情報を使用して属性化した。しかし、ある個体では、表2に示した基準を用いて表現型を変更した。(数だけで特定された)最初の家系中に存在する個体は表現型が未知であり、利用不能(cd=3)と考えられた。
【0132】
a.利用能コード
シミュレーションの間、考慮された個体は次のものだけであった(表1):
・遺伝研究のためのDNAを準備するために血液と取ることがGenormax研究に従って可能であった(年齢、フランス/海外/外国の住所、承諾、先験的(a priori));
・若白髪の表現型が明らかに形成されていた(表2)。
【表1】

【表2】

【0133】
b.年齢に応じた表現型の割り当て
誤差の危険性を回避するために、30歳以下の個体において年齢の関数として表現型を割り当てるために次の基準を定義した。しかし、最終の臨床試験の間は、表現型の定義は更に定量的であることが望ましかった。
c.他のパラメータ
Can65家族(試験100, 200, 300, 500反復)において最大ロッドスコアの変動を調べた後、反復の数(アレルの組み合わせの生成)を最終的に200に固定した。
形質の頻度を1%に固定した。遺伝子型に対する可能なアレルの数をそれぞれに等価な頻度で6に固定した。
【0134】
2.結果
a- スコアに応じた家族の分類
表3は達成された最大ロッドスコア(Zmax)の関数としてGENORMAX家族の有望性の指標を与える(グループA-E)。図5は各家族に対してシミュレートしたロッドスコアを示す。
【表3】

最大ロッドスコアは、DNAマーカーがある家族において100%有望であった場合にのみ達成されるであろう。通常、使用されるマーカー(検査される染色体領域中で最も有望なマーカー)のタイプを用いても、ロッドスコアはその最大値には達しないであろう。
遺伝子連鎖解析で、有意であるためには、ロッドスコアは3の値に達するか又はそれを越えなければならない (結果は1000/1)。
【0135】
b- 連鎖解析結果に対する誤った診断の影響
正しくない診断に起因する影響を、1、2又は3の個体の表現型を変えることにより家族Can 46についてシミュレーションすることにより、(遺伝子座に対する連鎖の場合)解析の結果について試験した (表4)。
【表4】

【0136】
3.検討、結論及び決定
このシミュレーション研究は、29組の前もって選択された家族を最大の潜在的なロッドスコアに従って5グループにすることを可能にした。Z=3.00のロッドスコアが達成されるやいなや連鎖が有意になったところ、発明者等は、最大のシミュレーションロッドスコアが非常に希にしか到達されなかったことから、この基準を用いて2グループを区別することが好ましいと考えた。よって、グループB (3 ≦Zmax < 4)の家族に対する実際のロッドスコアの確率はかなり低かった。
グループAの家族は若白髪のための遺伝子/遺伝子群の局在化のための遺伝連鎖解析に対して有望であった。このため、表現型に関しては不確定性が無かった。疑わしい場合には、その個体又は家族さえも研究から除外されることが推奨された。
【0137】
しかしながら、これらの家族の幾組かにおいては、罹患した/罹患していない個体(しばしば子供全員が罹患)の多くの割合が形質の100%遺伝性の強い防御を構成していなければならない。明らかに、ある家族の場合では、最初の世代の父系及び母系枝分かれによってPC遺伝子が同時に伝達されていることを排除できない。この場合、小さい子供は全て罹患していた(Can28, 43, 53…)。これらの少ない家族を確実に考慮することができるようにするには、この仮説を実証することが非常に望ましかった。
グループBの家族は、個体的には多くの場合に有意なロッドスコアには達しえなくともサンプルを拡張することが可能であるので、それ自体が非常に興味深い。しかし、グループとしては、特に形質が遺伝的に不均一(僅かに)でもあったことが分かった場合、それらはロッドスコアを統合しうる。
グループCの家族はまた遺伝連鎖結果の反復の研究に用いることができた。
グループD及びE(Zmax < 2)の家族は遺伝連鎖解析のためにはあまり有益ではなかった。
【0138】
強い臨床的特徴付けを条件として、グループA, B及びCの家族は遺伝連鎖解析に適していると思われ、彼らを含めなければならなかった (cd=2の個体)。特徴付けが不十分なサンプルで実施された遺伝連鎖解析は失敗することになるか、又は「ソフトな」結果(不正確な遺伝子座)をつくった。そのような解析において、あるパラメータが完全に制御下にはなく(特に遺伝子型の情報性)、なお可能である遺伝的不均一性が作業をより困難にする(家族のセットに対する解析力を減じるので)ものであるので、開始直後から全ての可能な利点を保つことは重要であると思われる。よって、この最初の工程において、発明者等は適切な利用能コード(cd=2) を有する各個体の表現型を、含める前に注意深く検証する(表現型の確認、又はサンプル/家族からの排除)ことを強く推奨した。
【0139】
B- 期間2:サンプルの入手、表現型の確認及び研究の有望性の新たな推定
期間1からの結果を基にして、遺伝連鎖解析のためにその家系がサンプリングされる基礎を形成するために残した19組の家族(グループA, B及びC)に接触して、PC診断結果を確認し、一群の罹患個体及び非罹患個体を獲得した。
この医学的表現型検証キャンペーンによって多数のPC診断者を確認することが可能になったが、予定した全員ではなかった。少しの重要な個体(PCあり)のプロジェクトへの参加の拒否、何人かの死去及び表現型の一部の再調整は、ある数の家族を残すことができず、幾組かの他の家族の潜在的な情報を減じたことを意味した。
【0140】
1- 表現型確認後の研究の有望性の再推定
表現型検証後の研究の有望性を再推定するために、本発明者等はなお有望であろう8組の家族に対して連鎖解析シミュレーションを行った。表5は、遺伝的不均一性の3つの状況においてこの8組の家族群で得られた結果を示す (0%、すなわち、全家族が同じ遺伝子座に連鎖、50%又は半分のみの家族が同じ遺伝子座に連鎖、70%又はおよそ三分の一のみの家族が連鎖)。
【表5】

【0141】
2- 結論
連鎖解析のためのサンプルを最適化する努力を継続して、4組の追加の家族を同定し(表6;2家族−can65B及びcan46B−は家族can65及びcan46の傍系枝であった)、表現型を再び検証した。
新しいシミュレーション(表7)によると、12組の残された家族(厳密には明確にされた表現型)が同じ遺伝子座に連鎖していた場合に、最大連鎖ロッドスコアは僅かに高かった (Z=8.91)。しかし、新しい家族を加えることによるロッドスコアの期待された増加は表現型の訂正とハードニングによって減少した。
【表6】

【0142】
【表7】

【0143】
サンプル力はまたそれぞれロッドスコアZ=1.0, Z=2.0, Z=3.0に達したか、これを越え、有意な連鎖を見いだす成功率に対する近似をもたらす反復数の観点からも観察することができる(表8)。
【表8】

【0144】
C- 期間3:候補領域を用いたPCの遺伝連鎖解析
1- 仮説
領域6p21は、形質が関連している自己免疫疾患(ビエルマー(Biermer)病、グレーブス病、甲状腺炎、無筋力症)を介して若白髪に関連しているので、「候補領域」(CR)と命名した。
領域3p14.1-p12.3は、形質が関連している(クライン)ワールデンブルグ症候群(IIA型)疾患の若白髪に関連しているので、「候補領域」(CR)と命名した。
【0145】
2- 最終の家族構成
方法を最適にする目的で、12家族から92の罹患個体及び非罹患個体のサンプルを残した(図1参照)。この選択は、各個体の潜在的な情報性の関数として行い、新しい連鎖シミュレーションによって確認された。数名の個体の付加により潜在的なロッドスコアが僅かに増加し(完全な均一性を使用して8.91から9.04)、よってサンプルの力が増加した(表10)。
【0146】
【表9】

【表10】

【0147】
3- 使用したマイクロサテライトマーカー
染色体6上の候補領域にわたるマーカーの分布を図2Aに示す。
染色体3上の候補領域にわたるマーカーの分布を図2Bに示す。
【0148】
4- 連鎖解析
幾つかのタイプの連鎖解析を実施して、染色体領域とPCの間の存在する連鎖を観察する確率を増加させた。
この解析に対しては、次の二つのアプローチがとられた:
・2点(一時点で取られた形質とマーカー間の反復解析);
・複数点(それぞれの距離の関数として配されたマーカー地図を使用しての各染色体の解析)。
【0149】
1/ 定義済みのパラメータ、パラメトリック(PL):伝達モード(優性遺伝子), 形質頻度(1%), テストマーカーのアレルの等頻度(equifrequency) 及び浸透度(90%変異体ヘテロ接合体−100%変異体ヘテロ接合体)での解析。2-点及び複数点法
2/ 形質伝達モードの独立解析、ノンパラメトリック(NPL): ランダム伝達と比較した(同祖遺伝子を用いての各家族における)各対の罹患個体のための共有されたアレルの割合の偏差解析。複数点解析において、全ての罹患対(全対, スコアZ-all=p-値のlog10, 及びp-値)を考慮した。2-点法において、同胞対を研究した(罹患同胞対, p-値)。
【0150】
5- 結果
結果を表11に示す。
【表11】

【0151】
6- 検討と結論
この研究は、HLA遺伝子の領域における、染色体6p21-p12上の若白髪の素因に対する優勢な遺伝子座を明らかにする(ほぼD6S1017;最大NPLスコア=3.52、p=0.000514、Hロッド:=2.01)。連鎖領域(99%の信頼度合いを有する、NPL>2.50)は選択されたマーカーのマップ上で位置41と位置67の間に位置する。ノンパラメトリック解析により位置47cMと58cMとの間(D6S1019とD6S1280との間)に、一連の有意な値が提供された。示唆されてはいるが、ロッドスコアは染色体6上の重要な遺伝子の局在化も支持している。
この結果は若白髪に関して染色体領域6p21に関係する連関仮定を確実に立証している。
一つの家族(CAN35)は比較的高い連鎖を示したことに留意されたい。
【0152】
HLA領域における染色体6p21上の連鎖結果は、文献がこの情報であるノンパラメトリック解析のいくつかの例を供給することを記憶しているならば、非常に奨励される。それにより、多型性に関連した戦略を使用した、若白髪に対して感受性のある遺伝子を同定するために有望な出発点が提供される。
この研究は染色体 3p14-p12上の若白髪に対する素因を強く示唆している遺伝子座をまた明らかにする(マーカーD3S2409及びD3S1766に対して; 位置12での複数点NPL=2.58 及び位置 24でのHLod:=1.55)。
この結果は若白髪に関して染色体領域3p14-p12に関係する連関仮定を確実に立証している。
一つの家族(CAN35)はこの染色体領域に対して比較的高い連鎖を示したことに留意されたい。
【0153】
D- 期間4:ゲノムでのPCの全遺伝連鎖解析
全ゲノム解析により、全ての染色体に訪れて (全プローブ)、関与する領域とおそらくは若白髪を支配しているであろう主要な遺伝子座を見いだすことができた。この主要解析により、PCの遺伝的不均一性度を推定することも可能になった。
1- 家族の内容
これらは候補領域相(期間3)において研究したものと同じ家族であったが、その内容に関してある種の調整をした(表12を参照)。幾人かの情報性が少ないメンバーを、最近になって採用した、又は後で診断がなされた他のメンバーと置き換えた。
【0154】
【表12】

サンプル中の変化の恩恵を確認するために、新しい連鎖解析シミュレーションを、異なった遺伝的不均一状況に対して実施した(表13及び図11A、11B、11C及び11D中の表)。ロッドスコアは好ましい変化を示した。可能な平均ロッドスコアを考えると、20%(つまり、遺伝子座に連鎖していない家族の1/5)に達する不均一性の有意な結果(Z≧3.0)を得ることができた。実際、これらの結果は非常に控えめであり、遙かに不均一なサンプルで有意性に達することができた(つまり、0.7の平均ヘテロ接合体を示すマイクロサテライトマーカーを使用して50−70%)。
【0155】
【表13】

サンプルの力は、それぞれロッドスコアZ=1.0, Z=2.0, Z=3.0を達成するかこれを越える繰り返し(遺伝子型)の数の観点から観察することもできる。同じ遺伝子座に連鎖した家族の4/5での有意な連鎖を見いだす確率(表14及び図12)は50%であった。この結果は、控えめである平均ロッドスコアに基づいている。
【表14】

よって、解析は、サンプルの不均一性が20%を越えない(つまり、家族の1/5だけが単一の主要遺伝子座に連鎖していない)場合に有意な連鎖を示しうるが、家族の半分がこの遺伝子座に連鎖していない場合に連鎖を同定するとがなお可能である。
【0156】
2- DNAマーカー
選択された12家族に属する96の個体からのDNAは、9.2cM(密度)の平均マーカー間間隔を用いて22の常染色体及びX染色体(表15)に対して分布させられた400の多形性マーカーに対して遺伝子型を決めた。これらはGenethonコレクション(Evry, France)からのジヌクレオチド(CA)n タイプタンデムリピートから構成されるDNAマイクロサテライトである。
【表15】

観察された平均ヘテロ接合度は0.70であり、マーカー間間隔の平均サイズは9.2cMであった。
【0157】
3- 連鎖解析
この全体アプローチ法に対して、本発明者等はゲノムの領域とPCの間に連鎖を見いだすその性能を最適化するために幾つかのタイプの分析を実施した。より強力であったパラメトリック解析は、形質の伝達モードを考慮に入れており、一遺伝子性形質の場合には最も適している。ノンパラメトリック解析は、たとえ仮定された伝達モードが誤りであっても連鎖を同定することができ、また多重遺伝子形質の場合により強固である。
これらの解析のそれぞれに対して、本発明者等は上述の方法、2-点方法 (形質と各マーカー間の反復解析) 及び複数点方法(マーカー地図を用いた各染色体についての全体解析)を使用した。
【0158】
a- 定義済みのパラメータでの解析、パラメトリック(PL)
・伝達モード(優性),
・形質頻度(1%),
・全マーカーのアレルのアレル等頻度,
・定義済み浸透度(90%変異体ヘテロ接合体−100%変異体ホモ接合体),
・2-点及び複数点法,
・次のように表される連鎖確率スコア:
・ロッドスコアZ (均一なサンプル);
・ロッドスコアZH (不均一なサンプル)及び不均一度α(この遺伝子座に連鎖していない家族の割合)。
【0159】
b- 形質の伝達モードの独立解析、ノンパラメトリック(NPL)
これは、アレル (同祖遺伝子)のランダムな伝達と比較した場合の罹患個体対によって共有されるアレルの割合の偏差解析である。本発明者等は複数点解析のために全ての罹患個体対を、2-点解析のために同胞対を考慮した。
連鎖確率スコアは次のように表した:
・全ての罹患個体対に対しての複数点方法のためのNPL又は Z-all (p値のlog10);
・罹患同胞対に対しての2-点法のための「p」値。
【0160】
4- 結果
a- 詳細な結果
特に染色体6において、全ゲノムコレクション(GC)に属する20のマーカーをまず解析し、ついで、20の全ゲノムマーカに対して候補領域(CR)解析に使用される13マーカーを加えて、解析を繰り返した。
図3は染色体6、9、3、5及び11についてのノンパラメトリック連鎖解析で得られたNPLスコアを示している。
表16は以下に検討する解析 (PL, NPL)の各タイプに対して保持された最善の結果を報告している。
【表16】

【0161】
i) PLの終わり:
a- ロッドスコア(2P) ZH=2.007が染色体5の長腕 (上方テロメアから164.2 cMの位置)上、つまり5q31-q32 バンド上の3/4の位置に得られた。
b- 中間のロッドスコア(1.5<ZH<2.0)
- 染色体 11q14-q22, 位置106 (MP-ZH=1.53)
c- 興味あるロッドスコア(1.0<ZH<1.5)
- 染色体 5q31-q32, 位置 168 (MP-ZH=1.11)
- 染色体 6p21-p12, 位置 61 (MP-ZH=1.43)
- 染色体 6q13-q14, 位置 90 (2P-ZH=1.46)
【0162】
ii) NPLの終わりに
我々は、アレル共有偏差研究、同祖遺伝子(IBD)に対して、全ての罹患対(複数点Z-all研究スコア)に対して、並びに罹患同胞対に対するp値(罹患同胞対, 2-点研究スコア, p-値)に対してlog10 スコアを区別した。
最良のスコアは有意性限界と比較したランクとして示される:
- Z-all>3, 2.5<Z-all<3, 2.0<Z-all<2.5
- p<10-5 及び 10-5<p<10-4
a- Z-all>3.0 スコア
染色体6p21-p12上で、全ゲノムマーカーを用いて得たスコアは位置71においてZ-all=3.52であった(マーカーD6S1610及びD6S257間)。しかし、遺伝子座の精度は、観察された平均間隔 (26.11 cM)よりも更に大きい全ゲノムコレクションのこれら2マーカー間の大きな距離によっておそらくは影響を受けている。
この間隔の大きさの故に、相補解析をGC及びCR解析中に使用される33組のマーカーにおいて実施した。この解析により57cM位置においてより高いスコア(Z-all=3.59)が生じた(表16を参照)。
第二の最良のスコアが染色体9q31-q32, 位置151 (Z-all=3.37)で達成された。
b- 2.5<Z-all<3.0 スコア
- 染色体3p14-p13, 位置 72 (Z-all=2.62)
- 染色体11q21-q22, 位置106 (Z-all=2.61)
c- 2.0<Z-all<2.5スコア
- 染色体 9q31-q32, 位置131 (Z-all=2.13)
- 染色体 3q21, 位置101 (Z-all=2.15)
及び p-値<10-5 及び10-4
d- p<1x10-4
- 染色体6q31.3-q33, 位置154 (p=0.000012)
【0163】
iii) PL 及びNPLによって同時に特定された遺伝子座:
【表17】

【0164】
5- 検討及び結論
形質が一遺伝子的であるか又は多因子的(Lander及びKruglyak, 1995)であると考えられるかどうかに応じて有意か又は有意性の境界にあった二つのスコアが染色体6p21-p12 (NPL MP Z-all=3.59) 及び9q31-q32 (NPL MP Z-all=3.37)に対して観察された。
これら2つの遺伝子座に対して、最も強固なものはMP-PLロッドスコアによって補強6p21-p12のものであり、それは平均であるが、ZH=1.42で最大化されている。
更なる遺伝子座がまたかなり興味深く思われ、位置 106 (Z-all 2.61, PL 1.52)で最大になったPL及びNPLスコアとして染色体 11q14-q22上に位置していた。NPLスコアは一遺伝子の場合、又は多重遺伝子の場合に示唆性範囲にあった(示唆性:一遺伝子2<Z-all<3; 多重遺伝子2.2<Z-all<3.6)。
最後に、最良のPLロッドスコア(2P) (ZH=2.00)の遺伝子座5q31-q32はまた示唆性値内に位置していた (一遺伝子)。
p値列はまた示唆性範囲内にあった同胞罹患解析に対して付加されなければならなかった (染色体s 6q31.3-q33)。これらの遺伝子座もまた考慮する。
【0165】
D- 検討と一般的な結論
様々な解析期間の後、数種の染色体領域が同定され又は示唆された。
領域6p21-p12(図4Aを参照)には、PC形質に対する遺伝子連鎖のための最良のコンセンサスが記録された。パラメトリック及びノンパラメトリック解析との間の不一致により、白髪の病態生理学における遺伝子又は遺伝子群の役割の重要性に関し、ある程度の不確定性が生じた。
第二の遺伝子座は、ほとんどが有意である(Z-all=3.37)であるNPLスコアを伴う、染色体9q31-q32上にある。
【0166】
a- 染色体6p21-p21
連鎖分析により表される領域の限界は、位置41(上限、Z-all=2.02)と位置95(下限、Z-all=2.09)、すなわち54cMに位置している。65cMと80cM限界(それぞれD6S1610とD6S257との間;20マーカー解析)、又は50cMと73cM(それぞれD6S1629とD6S1280との間;33マーカー解析)を考慮することにより、15cM長さまでこの領域を低減することができる。
同定された領域は主たる組織適合性複合体(MHC、HLA)の遺伝子を含む。しかしながら、HLAとは無関係な遺伝子がPC形質に対する感受性又は支配に関連していることを排除することはできない。
【0167】
b- 染色体9q34
本発明者はD9S290マーカー上にZ-allスコア2.5を有する位置から出発するこの領域の近接限界置き;末端限界を染色体9上の長腕のテロメアに(D9S158マーカーに向かって)置いた。この領域は10cM長さを超えて伸長する(図4B)。
【0168】
c- 染色体11q14-q22
本発明者等は位置 100及び115の間(D11S898とD11S925の間)の領域を特定した (図4C)。
d- 染色体5q31-q32
この領域はD5S422マーカーから 再結合フラクション(シータ) 0.14 (約14 cM)に位置したこれらの解析に対して同じPL及び2点の結果を有していた。マップ(位置149)の頂上に向けてのD5S422からのこの距離に自身を配することによって、我々は染色体5に対して最良のNPL複数点スコアを有する遺伝子座の近傍に到達する(マーカーD5S436に向かってZ-all=1.70)。 ある種のコンセンサスがまたこの遺伝子座に対して明らかになった(図4D)。
e- 染色体3p14.1-p12.3
これは位置60と87の間(D3s1277とD3s1285の間)のおよそ30cMの領域である (図4E)。
【0169】
実施例2:SNP(一塩基多型)を使用する興味ある領域の解析
実施例1に提供した研究に続いて、発明者等は、若白髪に関与する遺伝子に光を与えるために、SNPに基づいた技術を使用して、染色体6及び9上の領域の解析を続けた。
SNP (一塩基多型) はヒトゲノムを通じて特に広範で非常に安定である多型の形態を表す。SNPの数は1000ヌクレオチド当たり約0.8SNP(コード化及び非コード化配列併せて)であると推定され、これにより、SNPを使用してヒトゲノムの真の地図を樹立することが可能になる。SNPは、特にそれらがコード化領域、調節領域、又はゲノムの他の非コード化領域にあるかどうか、多型性がコード化アミノ酸を修飾するかどうか等々に応じて、しばしば異なったカテゴリーに分類される。
【0170】
「ヒトゲノムプロジェクト」によって、SNPはよりよく知られかつ記録され、ゲノム(GDB)中にその位置として含んでいる。
異なった方法を開発して、しばしば点変異体を検出するために使用される方法(RFLP-PCR, 特異的アレルオリゴマーでのハイブリダーゼーション、ミニ-シークエンシング、直接シークエンシング等々)に基づいて、異なった個体間のこれらの多形性を明らかにした。
本出願において、本発明者等は候補SNPの異なったアレルを検出するためにMALDI-TOF法(マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析法) を使用した。当業者はこの方法の更なる詳細を有しており、それらは多くの (Stoerker J等, Nat Biotechnol 2000, Nov;18(11): 1213-6及びTang K等, Proc Natl Acad Sci USA 1999 Aug, 96, 10016-20)に記載されている。
【0171】
第一段階において、発明者等はSNPを使用して解析される染色体6及び9の領域を非常に正確に定義した。第二工程において、上記領域に属する1500のSNPをある基準(候補SNP インシリコ)に基づいて予め選択し、次の実験的確証工程に従って697を残した。次の工程において、発明者等は若白髪の異なった個体及び「コントロール」個体からDNAを集めて異なったグループにした後、697から選択された450のSNPを使用してこれらの異なるグループの遺伝子型を決めた。この遺伝子型決定の終わりには、この結果により、次の個体の遺伝子型のための76SNPを定めることができる。
種々の工程が次のセクションにおいてより詳細に記載されており、図13に図示されている。
【0172】
1- SNPによる解析される領域の定義
第一段階において、本発明者等は、12組の選択された家族に対してマイクロサテライトマーカーでの解析から得られた結果(実施例1参照)から染色体6及び9上に対象領域をより正確に定義した(表6参照)。
領域Aと記された染色体6の領域は、その染色体位置と次の工程のためにこの領域を定める最適な精度と安全性の3つの他のタイプの座標によって定義された。同じことが、領域Bと記された染色体9上の領域について言える。
領域A:染色体位置:6p22-6p12.3
HLA-F遺伝子とマイクロサテライトマーカーD6S1651との間
SNP rs2075682 とSNP rs1973934との間
位置39'625'529bp* と50'602'544bp*との間
領域B:染色体位置:9q34.13-9q34.3 (qter)
D9S290マーカーと9q テロメアとの間
SNP rs2096071とSNP rs1378955との間
位置123'405'258bp* と133'021'490bp*との間
*配列の位置(塩基対bpに関し)は、2001年12月に公開されたヒトゲノムベータベースのバージョンの関数として表す(すなわちNCBI Build 28)。
【0173】
2- SNP候補(インシリコ)及び確証(実験的)の調査
上述の領域A及びBから出発して、第二工程は、これらの領域に属するSNPのコレクションを決定し2つの領域に対するマーカー地図を得ることから構成されていた。これらのマーカーはまたそれらが21Mbp(2つの領域の全長)を均一にかつ等距離に覆うように形成された。異なったSNP間の距離は平均30kbに固定された。この操作はこれらの基準を満たす1500のSNPを選択することによって実施した(インシリコSNP候補)。
第一工程の間に予め選択された1500のうち、1379のSNPは使用可能であることがわかった。「使用可能」なる用語は、通常の方法で、定められた試薬を使用して増幅可能であることを意味する。選択された1379のSNPを、92のコントロール個体(Centre d’Etude du Polymorphisme Humainからの個体−ヒト多形性研究センター)に対して解析し、各SNPに対して少なくとも2のアレルの存在を確証した(多形性確証)。
この実験選択の終わりに、少なくとも10%の最も珍しいアレルに対するアレル頻度を有するSNPのみを保持した。この方法を使用し、領域A上の465及び領域B上の232である697SNPを確証した。
【0174】
3- DNAプール化
遺伝子型同定能力を増大させるために、プール化方策を異なったDNAについて実施した。この方法の力は様々な刊行物(特にWerner等, Hum Mutat 2002 Jul; 20(1):57-64, Bansal等, Proc Natl Acad Sci USA 2002, Dec 24;99(26): 16871-4)に記録されている。
プール化を実施するために「若白髪」形質(PC)の様々な個体及びコントロール個体からDNAを構築した。プール化は、個体が結果に優勢な影響を持たないことを保証するために、DNA試料の各々が等モルの形で表されるようにして実施された。このために、各DNA試料の正確な濃度を、個体からの様々な試料での「ピコグリーン」法を使用して測定した。
グループは、次のように各個体に帰す「白髪強度の表現型スコア」を考慮して構成した。
【0175】
最初に、2のスコア値があてがわれた一次基準と1のスコア値があてがわれた二次基準の二種の基準を定義した。
一次基準は2つあった(それぞれに対してスコア値=2), つまり:(i) 18歳以下で最初に白髪; (ii) 30歳でかなりの白髪混じりである。
3つの二次基準があった(それぞれに対してスコア値=1), つまり:(i) 25歳以下で最初に白髪;(ii) 30歳で黒い白髪混じり; (iii) 若白髪の家族概念。
各々の診断基準を用いて各個体のスコアを加えることは、若白髪に対する強度スコアを各個体にあてがうことができることを意味する。
表現型スコアに応じて幾つかの異なったグループを定義することもまたできる。罹患個体のなかで、72の個体が4又は5のスコアを有しており、132の個体が2以上の表現型スコアを有していた。
【0176】
グループAI: このグループは4又は5の表現型スコアを持つ72のPC個体からのDNAによって構成された。
グループAII: このグループは2、3、4又は5の表現型スコアを持つ132のPC個体からのDNAによって構成された。
グループBI及びBII: これらのグループはPC個体のものに近い地理的起源のコントロール個体からのDNAによって構成した。これらのコントロール個体に対しては、選択基準は、(i) 40歳以上の年齢; (ii) コントロール個体に白髪の徴候なし; (iii) 白髪の家族概念なしであった。グループAI又はAIIからの個体との対形成の基準は、18歳の同一の地理的起源、同性及び同一の毛髪色であった。
このようにして、PC表現型による罹患対非罹患対に加えて、グループAIからの各PC個体は近い又は同一の地理的起源のグループBI中のコントロール個体によって表された。これは、グループAIIの各個体に対して同じであった。
異なったグループの構成は図14に模式的に示している。
罹患及びコントロール被験者の臨床的診断のためのこれらの厳格な方法の使用により、表現型データの質の信頼性が保証された。
更に、本発明者等によって決められた規則を使用した対形成の厳格さは、プールにグループ化されるか個々に比較されるかかかわらず、これら個体からのゲノムデータを比較する統計的解析の妥当性の保証であった。
【0177】
4- グループ化したDNAの遺伝子型決定のための検証SNPの選択
工程2において確証された697SNPのうち、450を新規の選択工程において選択した。この新規の選択はSNPの間隔に基づいており、平均30〜50kbとして固定した。
450SNPは以下のように定義した:
領域A:283SNP
領域B:167SNP
【0178】
次の工程に使用される種々のSNPを次の表に示した。またこれらの表には、リストを完全にするために、次の工程に加えられる9の付加的なSNPが含まれている。これらの付加的な9のSNPは、領域AのSNPs n°s 19, 38, 103, 105及び287、また領域BのSNPs 86, 97, 131及び137である。
領域Aの288のSNPと領域Bの171のSNPは、領域AとBの長さ(テロメアqに向かってテロメア)が増えるように番号が付されており、それらは均一にかつ等距離に覆っている。
【0179】
領域A:
【表18】


【0180】
領域B:
【表19】

【0181】
5- プールしたDNAの遺伝子型決定
工程4の間に残った459のSNPに対して、次の工程は、表現型の深刻度及び早期性に依存してプールしたDNAの4つのグループに対して、その対立形質、つまり、アレルの各々の頻度を決定することであった(工程3の4つのグループの定義及び図14を参照のこと)。
二つのアレルのアレル頻度を、4グループのSNPの各々に対して決定した。グループAI及びBI又はAII及びBII間のアレル頻度の差異の統計的有意さを、有意さを表す「p」値によって推定した。p値が低くなればなるほど、距離がいっそう統計的に有意になった。
実験は3回繰り返し(3 PCR)、3回のPCRの各々をMALDI-TOFを使用して5回試験し、信頼性のある平均値を得た。
【0182】
図15及び図16は、各SNP(領域Aに沿って1〜288、また領域Bに沿って1〜171の番号が付されている)に対する領域A及びBそれぞれにおいて得られた結果を例証している。座標には1/pが示されているが、500より大きい値(すなわちp<0.002)は500までを最大とした。
表17に得られた結果をまとめた:
【表20】

これらの結果には、全てが0.05未満の有意なpを有するクラスター、すなわち少なくとも3つの連続SNP(「陽性SNP」と称される)が(すなわちヒトゲノム上において互いに物理的に近接して)存在していることが示されている。これらのクラスターのいくつかは図15及び16に示されている。
【0183】
表18に領域A及びBにおけるSNP分布の種々の特徴をまとめた:
【表21】

単離されたクラスター又は二重スポット中に分布している陽性SNPにより同定された領域A及びBの異なる遺伝子は、予測遺伝子を含む候補遺伝子の第一シリーズを構成する。リストは次の通りである:
【0184】
領域A:
RNF9, TRIM15, TRIM26, RNF23, FLJ22638, DDR1, HLA-B, HLA-DMB, HLA-DMA, COL11A2, SACM2L, RPS18, B3GALT4, HKE2 , RAB2L, TAPBF, ZNF297, DAXX, MAPK14, DOM3Z, MICA, LOC51323, TNFRSF21, MICA, HSPA1B, TNXB, CYP21A2, NOTCH4, PBX2, HLA-DRA, PHF1, ITPR3, MGC14833, BAK1, IHPK3, GRM4, TCP11, TEAD3
領域B:
DDX31, GTF3C4, C9ORF9, TSC1, ABL1, LOC57109, FREQ, ADAMTS13, LAMC3, SURF5, SURF6, FCN2, FCN1, OLFM1, VAV2, ABO, CELL, SARDH.
【0185】
より詳細な分析を実施し、ENSEMBL(ENSEMBL, v.8.30a.1 17, 2002年9月)を使用して、陽性SNPにより重複した遺伝子の新規のリストを作製した。このリストには陽性SNPにより重複した遺伝子(コード化された未翻訳の領域UTR、及びイントロン)が含まれ、調節領域に位置する陽性SNPに近接した遺伝子を除く。
【0186】
コード化
染色体6 : TRIM40, C6ORF29, NOTCH4
UTR :
染色体6 : Q9UBA7
イントロン :
染色体6 : BRD2, GRM4, TEAD3, MAPK14
染色体9: Q96RU3, ABL1, LAMC3, Q96MA6, Q9NXK9, Q9GZR2, VAV2, COL5A1, KCNT1, Q8WX41
【0187】
ENSEMBLを使用した予測遺伝子のための新規の解析により、次の結果が付与された:
染色体6 : ENST00000259854, ENST00000259855, ENST00000259941, ENST00000259940, ENST00000259930, ENST00000274855, ENST00000259847, ENST00000293587, ENST00000299124, ENST00000259945, ENST00000259862, ENST00000259876, ENST00000259875, ENST00000259895, ENST00000293682, ENST00000229412, ENST00000229725, ENST00000229729, ENST00000229825, ENST00000244501, ENST00000293728, ENST00000244371, ENST00000293739, ENST00000230240, ENST00000211372, ENST00000244475, ENST00000266008, ENST00000230251, ENST00000244369, ENST00000299851, ENST00000230255, ENST00000229795, ENST00000229794, ENST00000296861, ENST00000274795, ENST00000293645, ENST00000293707, ENST00000229780, ENST00000299791, ENST00000293720, ENST00000244411, ENST00000266007, ENST00000229422.
【0188】
染色体9 : ENST00000298489, ENST00000266097, ENST00000263612, ENST00000245590, ENST00000298545, ENST00000298546, ENST00000298552, ENST00000298554, ENST00000298555, ENST00000277434, ENST00000277433, ENST00000298632, ENST00000291687, ENST00000298656, ENST00000298658, ENST00000298660, ENST00000277355, ENST00000298678, ENST00000298676, ENST00000298656, ENST00000298658, ENST00000298660, ENST00000277355, ENST00000298678, ENST00000298676, ENST00000298682, ENST00000298683, ENST00000291744, ENST00000291741, ENST00000223427, ENST00000198253, ENST00000277527, ENST00000263604, ENST00000266109, ENST00000298467, ENST00000266100, ENST00000277422, ENST00000263609.
【0189】
以下の表には、NCBI Build 28(Dec 2001)から出発したクラスター、二重スポット(DS)及び個々の陽性SNPにおける、領域A及びBでの予測遺伝子を記録する。「CDS」とはコード化配列を示し、「tx」とは転写物を示す。
【表22】







【0190】
6- 個々のDNAを遺伝子型決定するためのSNPの選択
プールされたDNAの遺伝子型を決定するために使用される459のSNPのうち、76を個々のDNAの遺伝子型を決定界面活性剤ために残した。残ったSNPは、プールされたものの遺伝子型を決定する場合、統計的有意の距離、すなわちAI-BI、AII-BII又はAI-BIIに対してはp<0.05を有する。それらの分布性は以下の通りであった:
領域A:43SNP 領域B:33SNP
A-B比較及び選択されたSNPのリストを、図17(領域A)及び18(領域B)に付与する。
【0191】
表19に得られた結果をまとめた:
【表23】

【0192】
個々に遺伝子型を決定するための76のSNPの選択を、クラスター、対(2つの連続した陽性SNP)を形成するもの、及び二重スポット(ネガティブSNPから分離された2つの陽性SNP)を形成するもの中のSNP上に集中させた。図19及び20は選択された76のSNP分布を例証する。
プール(及び個々ではないもの)におけるアレル頻度の推定値が擬陽性となり、プールが200未満のDNAサンプルを含有している場合、この傾向が高い。この理由のため、単離された陽性SNPを取り除き、それは対照体(BI及びBII)とは不一致であった。
76のSNPを、全て入手可能なDNA(表現型を有する187個体とPC表現型を有さない186の対照個体)上で個々に解析した。
この個々の遺伝子型を決定することにより、異なるグループで観察されるアレル頻度及び遺伝子型決定頻度を正確に算出することができる。またこれらのデータにより、クラスター中で組織化された陽性SNPで観察されるハプロタイプ分布を比較することができる。「ハプロタイプ」なる用語は、共に伝わる傾向にあるアレルの組合せを意味する。
これらのデータを総合解析することにより、PC形質との関連性を示すSNP又はSNP群、すなわち集団において、この形質を伴い最も頻繁に伝わるアレル又は一組のアレルを決定することができた。
【0193】
7- 連鎖不均衡の研究
連鎖不均衡(LD)を、解析される染色体上においてハプロタイプ相のデータの不在下で、GenePopプログラムを使用して解析した。
連鎖不均衡とは、個体頻度の積だけ予測頻度より高い頻度で、2つの遺伝子(アレル)が一緒に分離する状態のことである。これは、2つの遺伝子が統計的に考慮されるよりも高い頻度で一緒に分離するために、該遺伝子は独立しておらず、よって同じ染色体上に互いに近接して位置するアレル間に非依存欠乏があることを意味する。
この連鎖不平衡により、アレルの同時分離が単一の無作為事象によって支配される同時分離から逸れている幾つかのマーカーによってマークされるDNAのブロックを形成することができる。この状況はこのブロックでの再結合の不在又は不足によってつくられる。連鎖不平衡を持つ領域のサイズは染色体領域と共に変わり;10kbから200kbにわたって延びるように思われる。結果を図21及び22に示す。
【0194】
8- アレル/各SNPの遺伝子型決定頻度の比較
このアレル/遺伝子型決定頻度の比較を、若白髪のグループ(1ないし5及びp)と対照体のグループにおいて、各SNPに対して行った。得られた結果を次の表、及び図23(領域A)及び24(領域B)に示す。
「con-con」列は、異なるグループの対照個体の間の比較を示す。「aff」列は、全ての罹患又は対照グループに対する、各グループの罹患個体との比較を示す。
【表24】

【0195】
9- 結論
この結果から引き出すことのできる主な結論は以下の通りである:
まず、プール解析と個々の遺伝子型解析で見出された観察との間にはかなりの類似性がある。
多くの「クラスター」が確認された。
染色体9では、若白髪形質に強く関連した連鎖不均衡における間隔が明らかになった(SNP 418620 からSNP 2526008, 位置126'544'533 nt から位置126'745'296 nt, 201 kbの大きさが付与)。このクラスターには、遺伝子DDX31, GTF3C4及びQ96MA6が含まれる。
陽性ハプロタイプ又は陽性SNPのクラスターに関連した間隔において同定された遺伝子又は予測遺伝子は以下の通りである:
【0196】
領域A
ハプロタイプ 5-6
HLAG : 開始 (染色体上の位置): 39730109 終了 (染色体上の位置): 39733287
NT_007592.445: 開始 (染色体上の位置): 39750711 終了 (染色体上の位置): 39778231
NT_007592.446 :開始 (染色体上の位置): 39787841 終了 (染色体上の位置): 39809968
ハプロタイプ42-43
NT_007592.506: 開始 (染色体上の位置): 40890755 終了 (染色体上の位置): 40945799
NT_007592.507): 開始 (染色体上の位置): 40954831 終了 (染色体上の位置): 40968983
NT_007592.508: 開始 (染色体上の位置): 40977433 終了 (染色体上の位置): 41013059
ハプロタイプ66-67
HSPA1B : 開始 (染色体上の位置): 41726349 終了 (染色体上の位置.): 41728808
G8 :開始 (染色体上の位置): 41733475 終了 (染色体上の位置): 41738312
NEUI ノイラミニダーゼ前駆物質 : 開始 (染色体上の位置): 41757894 終了 (染色体上の位置): 41761597
NG22 : 開始 (染色体上の位置): 41761889 終了 (染色体上の位置): 41777684
BAT8 アンキリン繰り返し-含有タンパク質; マウス・オルソルグ: Bat8 : 開始 (染色体上の位置): 41778446 終了 (染色体上の位置): 41791599
ハプロタイプ95-96
HLA-DMB : 開始 (染色体上の位置): 27217082 終了 (染色体上の位置): 27223420
HLA-DMA: 開始 (染色体上の位置): 27231061 終了 (染色体上の位置): 27235519
BRD2 : 開始 (染色体上の位置): 27251103 終了 (染色体上の位置): 27263747
ハプロタイプ 89 (87)
HLA-DQA1 : 開始 (染色体上の位置): 42482839 終了 (染色体上の位置): 42489050
HLA-DQA2 : 開始 (染色体上の位置.): 42582711 終了 (染色体上の位置): 42587664
NT_007592.588: 開始 (染色体上の位置): 42498795 終了 (染色体上の位置): 42505711
ハプロタイプ126
GRM4 グルタマートレセプター, 代謝調節型4 : 開始 (染色体上の位置): 43862780 終了 (染色体上の位置): 43974595
ハプロタイプ21(18-21)
RNF23 : 開始 (染色体上の位置): 40229287 終了 (染色体上の位置): 40243110
仮想ProFLJ22638 :開始 (染色体上の位置): 40245566 終了 (染色体上の位置): 40247261
又は(NT_007592.459) : 開始 (染色体上の位置): 40245578 終了 (染色体上の位置): 40369534
NT_007592.457): 開始 (染色体上の位置): 40160064 終了 (染色体上の位置): 40218336
【0197】
領域B
ハプロタイプ 27
FREQ: 産物上のPubMed: フレクエニンホモログ/ マウス・オルソルグ: Freq
開始 (染色体上の位置): 124490317 終了 (染色体上の位置): 124554366
NT_030046.18 :開始 (染色体上の位置): 124458070 終了 (染色体上の位置): 124489558
NT_030046.17: 開始 (染色体上の位置): 124371672 終了 (染色体上の位置): 124452860
ハプロタイプ 97-100
GTF3C5:産物上の PubMed: 一般的な転写因子 IIIC, ポリペプチド5
開始 (染色体上の位置): 127480920 終了 (染色体上の位置): 127508694
CEL : 産物上のPubMed: カルボキシルエステルリパーゼ (胆汁塩-刺激) 開始 (染色体上の位置): 127512178 終了 (染色体上の位置): 127522054
CELL: 産物上のPubMed:カルボキシエステルリパーゼ様 (胆汁塩-刺激) 開始 (染色体上の位置): 127532733 終了 (染色体上の位置): 127537549
FS: 産物上のPubMed: フォルスマンシンテターゼ開始 (染色体上の位置): 127603661 終了 (染色体上の位置): 127614093
ABO血液群 (トタンスフェラーゼ A, アルファ): 開始 (染色体上の位置): 127907180 終了 (染色体上の位置): 127924298
ハプロタイプ86-92
BARHL1
DDX31
GTF3C4
Q96MA6 (アデニル酸シクラーゼ)
【0198】
新規のSNP、一塩基多型を有する、ハプロタイプ86-92に対応する領域の新規の解析
染色体9上におけるこの領域を、より高密度(この領域120kb上において、2〜3kb当たり1SNP)に領域を覆うことのできる新規のSNPのコレクションを用いる新規の解析にかけた。
個体の遺伝子型決定を、4つのうち2つの高度に陽性遺伝子:DDX31及びGTF3C4が存在することが示された、これらのSNPを用いて実施した。
【0199】
実施例3:SNP、一塩基多型を有する、染色体3、5及び11上の興味のある領域の解析
同じプールのアレロ型決定実験を、実施例1に記載したようにして、染色体3、5及び11上の興味ある領域で行い、遺伝子領域又はその近傍でSNPを選択した。
この解析により、この領域における次の遺伝子が示された:
座標はBuild30(2002年、7月)の関数として付与した。
染色体3(領域C)
Cl (41527287-41677819):
-仮想タンパク質KlAA1042
-CCK: ガストリン/コレシストキニンb型レセプター(cck-bレセプター)
C2: (52846896-52913941):
-CACNA1D: 電位依存性1型カルシウムチャンネルα-1dサブユニット
C3: (55638663-56042041) :
-ARHGEF3 rhoグアニンヌクレオチド交換因子3; rhogefタンパク質; 59.8 kdaタンパク質; 血小板及び白血病及びニューロン組織に見出される交換因子xpln。
-仮想タンパク質AL133097
【0200】
染色体5(領域D)
DI (136479801-137007868):
-KLHL3 : kelch-様タンパク質3
-HNRP A0 : 異種核リボ核タンパクa0 (hnmp a0).
D2(137542040-137771805)
-CDC25C: マップ/微小管親和性調節キナーゼ3(ec 2.7.1.27)
-EGRI : 早期成長応答プロテイン1(egr-l) (krox-24プロテイン)
-C5orf6 : 予測
-C5orf7 : 予測
-LOC51308 : 予測
-ETF1 : 真核生物ペプチド鎖終結因子サブユニット1(erfl)
-HSP A9B : ストレス- 70プロテイン, ミトコンドリア前駆体
D3(139931847-140118601)
-PCDHA1からPCDHA13 :プロトカドヘリン.α1前駆体からプロトカドヘリンα1前駆体
D4(149518721-149586774)
-CSFIR : マクロファージコロニー刺激因子Iレセプター前駆体
-RPL7: 60sリボソームタンパク17
-PDGFRB : β血小板由来成長因子レセプター前駆体(ec 2.7.1.112)
D5(149793126-149995886)
- TCOF1 : Treacle タンパク質(Treacher Collins Syndrome Protein)。
-AL133039 : 予測
-CD74 : hla クラスii組織適合性抗原, γ鎖
-RPS14 : 40s リボソームタンパクs14
-NDST1 : ヘパラン硫酸N-デアセチラーゼ/N-スルホトランスフェラーゼ (Ec 2.8.2.8)
D6(151235618-151373121)
-G3BP : ras-gtpase-活性化タンパク結合タンパク2
-GLRAI : グリシンレセプターα-1鎖前駆体
D7(153463449-153854650)
-C5orf3: 予測
-MFAP3 : ミクロフィブリル関連糖タンパク3前駆体
-GALNTI0 : 推定udp-galnac:ポリペプチドn-アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ
-FLJ11715 : 予測
【0201】
染色体11(領域E):
EI (108893187-108944206)
-GUCYIA2 : 可溶型グアニル酸シクラーゼ, α-2鎖 (ec 4.6.1.2)
E2(110056711-110546142)
-CUL5: バソプレッシン活性化カルシウム動員レセプター(vacm-l) (クリンホモログ5)
-ACATI : アセチル-coaアセチルトランスフェラーゼ, ミトコンドリア前駆体(ec 2.3.1.9)
- NPAT :核タンパク質, 血管拡張性失調症遺伝子座; e 14遺伝子;
-ATM : セリン-プロテインキナーゼatm (ec 2.7.1.37)(変異した毛細血管拡張性運動失調)
-AF035326 : 予測
-AF035327 : 予測
-AF035328 : 予測
-BC029536 :予測
E3(115527211-115745012)
-FLJ20535
-DRD2 : d(2) ドーパミンレセプター
-ENS303941 : 予測
E4 (117397672-117752160):
IGSF4 : 免疫グロブリンスーパーファミリー、メンバー4;ネクチン様タンパク質2
E5 (118532530-118685957)
既知の遺伝子なし
E6 (119417270-119469358)
-LOC51092: 予測
-BC010946 : 予測
-TAGLN: transgelin (平滑筋タンパク質22-α) (sm22-α) (ws3-10) (22 kdaアクチン結合タンパク質)。
-PCSK7 : プロタンパク質コンバーターゼサブチリシン/kexin7型前駆体(ec 3.4.21.-)
-ENS300650 :予測
【0202】
実施例4
組成物の実施例
-毛髪用ローション
マーカーD6S1629及びD6S257間に含まれる染色体ゾーンに属す 0.5 g
る本発明の遺伝子の一つからのDNA断片
プロピレングリコール 20 g
95°エタノール 30 g
水 100 gにする量
このローションを、少なくとも10日、好ましくは1から2ヶ月間、処置すべき領域、好ましくは頭皮全体に毎日適用した。
白髪又はグレイの髪の出現の減少とグレイの髪の再色素形成が観察された。
【0203】
- トリートメントシャンプー
D9S290マーカー及び長腕テロメア間に含まれる染色体ゾーンに 1.5 g
属する本発明の遺伝子の一つからのDNA断片
ポリグリセリル-3-ヒドロキシルアリールエーテル 26 g
ハーキュレスからクリューセル(Klucell)Gとして市販のヒドロキシ 2 g
プロピルセルロース
保存料 適量
95°エタノール 50 g
水 100 gにする量
このシャンプーは各洗浄時に使用し、約一分間毛髪上に残した。2ヶ月のオーダーの長い期間使用した結果、グレイの髪に次第に再色素形成が見られた。
このシャンプーは毛髪の白髪化を予防的に遅らせるために使用できる。
【0204】
- トリートメントゲル
マーカーD6S1629及びD6S257間に含まれる染色体ゾーンに属す 0.75 g
る本発明の遺伝子の一つからのDNA断片
ユーカリ精油 1 g
エコノゾール 0.2 g
ラウリル-ポリグリセリル6-セテアリールグリコエーテル 1.9 g
保存料 適量
BFグッドリッチ社市販のカルボポール934P 0.3 g
中和剤 pH 7にする量
水 100 gにする量
このゲルを毎日2回(朝と晩)処置領域に塗布し、仕上げのマッサージを行った。3ヶ月の適用後、処置された領域に髪の再色素形成が観測された。
【0205】
参考文献
・E Lander及びL Kruglyak: Genetic dissociation of complex traits: guidelines for interpreting and reporting linkage results. Nat. Genet. 11 (3): 241-247, 1995。
【図面の簡単な説明】
【0206】
【図1】領域候補連鎖について解析した家族の構成
【図2A】染色体6上のPCの候補領域:染色体局在化とマーカー分布
【図2B】染色体3上のPCの候補領域:染色体局在化とマーカー分布
【図3A】染色体6、9についてのPC家族の全ゲノム複数点ノンパラメトリック連鎖解析で得られたNPLスコアのグラフ。横軸=遺伝子地図上の位置(0= pter)。縦軸=NPLスコア。
【図3B】染色体3、5についてのPC家族の全ゲノム複数点ノンパラメトリック連鎖解析で得られたNPLスコアのグラフ。横軸=遺伝子地図上の位置(0= pter)。縦軸=NPLスコア。
【図3C】染色体11についてのPC家族の全ゲノム複数点ノンパラメトリック連鎖解析で得られたNPLスコアのグラフ。横軸=遺伝子地図上の位置(0= pter)。縦軸=NPLスコア。
【図4A】全ゲノム研究による染色体6及び9上に同定されたPC遺伝子座の図。マーカー間の距離はcMで示す。図4A:染色体6、遺伝子座6p21-p12
【図4B】全ゲノム研究による染色体6及び9上に同定されたPC遺伝子座の図。マーカー間の距離はcMで示す。図4B:染色体9、遺伝子座9q34
【図4C】全ゲノム研究による染色体6及び9上に同定されたPC遺伝子座の図。マーカー間の距離はcMで示す。図4C:染色体11、遺伝子座11q14-q22
【図4D】全ゲノム研究による染色体6及び9上に同定されたPC遺伝子座の図。マーカー間の距離はcMで示す。図4D:染色体5、遺伝子座5q31-q32
【図4E】全ゲノム研究による染色体6及び9上に同定されたPC遺伝子座の図。マーカー間の距離はcMで示す。図4E:染色体3、遺伝子座3p14.1-p12.3
【図5】29の選択された家族に対するシミュレートされたロッドスコア。列は平均ロッドスコア、標準偏差、最小ロッドスコア、最大ロッドスコア及び家族がスコアに応じて分類されるグループ(A-E)を示す。
【図6】PCの遺伝的不均一性の度合いの関数としての家族の潜在的なロッドスコア。
【図7】PCの遺伝的不均一性の度合いの関数としての家族の潜在的なロッドスコア:新しい家族を含めた後の新しいシミュレーション。
【図8A】候補となる染色体領域を調査するための最終家族の新しいシミュレーション。遺伝的不均一性の度合いの関数としての潜在的なロッドスコア。結果は家族毎に表す。
【図8B】候補となる染色体領域を調査するための最終家族の新しいシミュレーション。遺伝的不均一性の度合いの関数としての潜在的なロッドスコア。結果は家族毎に表す。
【図9】不均一性の各度合いに対して1、2又は3のロッドスコアを達成するか又はそれを越える確率(%)。結果は家族毎に表す。
【図10】候補領域解析と全ゲノム解析との家族構成比較。
【図11A】PCの不均一性の度合いの関数としての潜在的なロッドスコア。結果は家族毎に表す。
【図11B】PCの不均一性の度合いの関数としての潜在的なロッドスコア。結果は家族毎に表す。
【図11C】PCの不均一性の度合いの関数としての潜在的なロッドスコア。結果は家族毎に表す。
【図11D】PCの不均一性の度合いの関数としての潜在的なロッドスコア。結果は家族毎に表す。
【図12】不均一性の各度合いに対して1、2又は3のロッドスコアを達成するか又はそれを越える確率(%)。結果は家族毎に表す。
【図13】SNPに基づく技術を使用した、領域A及びBの解析における異なる工程での要約ダイアグラム。
【図14】4組のプールの比較。プールAI及びAIIは 若白髪の個体から構成される。二組のコントロールプールBI及びBIIは若白髪の個体の起源及び年齢が「交差した」個体から構成される。
【図15】領域Aに対してプール上で試験された288のSNPの有意さを示すグラフ。SNPは、領域Aに沿って1〜288まで番号が付された横座標に沿っており(テロメアPからテロメアq)、各SNPは平均30kb領域でその隣接部から離間している。1/p値は縦座標上にあり、pは統計的有為差である。しかしながら、500より多い1/p(すなわちp<0.02)でも500までを最大とする。
【図16】領域Bに対してプール上で試験された171のSNPの有意さを示すグラフ。SNPは、領域Bに沿って1〜171まで番号が付された横座標に沿っており(テロメアPからテロメアq)、各SNPは平均30kb領域でその隣接部から離間している。1/p値は縦座標上にあり、pは統計的有機さである。しかしながら、500より多い1/p(すなわちp<0.02)でも500までを最大とする。
【図17】個体の遺伝子型決定のために残った43のSNPを示す表。第1列にはそれらの番号(先の工程において、テロメアpからテロメアqまでの領域Aに沿って割り当てられた1〜288の番号)を示す。第2列にはSNPの名称を示す。次の列には、p値に関連した種々のA-Bの比較(AI-BI;AII-BII;AI-BII)の値を示す。注釈「M」は0.05未満の「p」値を示す。最後の遺伝子の列は、前記SNPにより重複していてもよい遺伝子を示す。
【図18】個体の遺伝子型決定のために残った33のSNPを示す表。列には、図17と同様の情報が含まれる。
【図19】個体の遺伝子型決定のために残った43のSNPを示す表。第1列には染色体上の位置を示し、第2列にはそれらの識別子を示し、次の列にはそれらの番号(先の工程において、テロメアpからテロメアqまでの領域Aに沿って割り当てられた1〜288の番号)を付与する。次の列には、SNPがクラスター又は二重スポットに存在するか否かを示している。
【図20】個体の遺伝子型決定のために残った33のSNPを示す表。列には、図19と同様の情報が含まれる。
【図21】領域Aにおける連鎖不均衡の結果を示すダイアグラム。対に取り込まれたSNP間の関連性の有意さがカラーコードにより示されている。
【図22】領域Bにおける連鎖不均衡の結果を示すダイアグラム。対に取り込まれたSNP間の関連性の有意さがカラーコードにより示されている。
【図23】SNP/表現型の関連性に光をあてる、「若白髪」と対照グループにおける領域Aの各SNPに対するアレル/遺伝子型頻度を比較するグラフ。関連した遺伝子はSNPと共に横座標に示される。
【図24】SNP/表現型の関連性に光をあてる、「若白髪」と対照グループにおける領域Bの各SNPに対するアレル/遺伝子型頻度を比較するグラフ。関連した遺伝子はSNPと共に横座標に示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
色素沈着分野での美容目的のための、FREQ, NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL, CELL, FS, ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4及びQ96MA6遺伝子から選択されるヒト染色体9の遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなる少なくとも一のポリヌクレオチド断片であって、30から5000ヌクレオチドの長さ範囲にある断片の使用。
【請求項2】
色素沈着分野での治療用の医薬の製造における、FREQ, NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL, CELL, FS, ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4及びQ96MA6遺伝子から選択されるヒト染色体9の遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなる少なくとも一のポリヌクレオチド断片であって、30から5000ヌクレオチドの長さ範囲にある断片の使用。
【請求項3】
上記断片の長さが50から3000ヌクレオチドの範囲にある請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
上記色素沈着が皮膚付属器のものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項5】
上記皮膚付属器が毛髪であることを特徴とする、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
白髪の予防又は処置に関するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の使用。
【請求項7】
上記白髪が若白髪であることを特徴とする請求項6に記載の使用。
【請求項8】
上記断片に蛍光、放射性又は酵素プローブが結合していることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリヌクレオチド断片の使用。
【請求項9】
配列がBARHL1, DDX31, GTF3C4及びQ96MA6遺伝子から選択されるヒト染色体9上の遺伝子の全て又は一部に対応することを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
配列がDDX31,又はGTF3C4遺伝子の全て又は一部に対応することを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
個体の若白髪に対する素因を診断する方法において、
i)FREQ, NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL, CELL, FS, ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4及びQ96MA6遺伝子から選択されるヒト染色体9の遺伝子に属するマーカーを選択し、
ii)上記個体からの遺伝的材料の試料中に存在する選択されたマーカーのアレルを決定する、工程を含んでなる方法。
【請求項12】
iii)マーカーのアレルを他の個体のアレルと比較して診断を行う、さらなる付加的な工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
他の個体が、診断される個体と同じ家族の構成員であることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
マーカーがBARHL1, DDX31, GTF3C4 及びQ96MA6遺伝子から選択されることを特徴とする、請求項11ないし13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
マーカーがDDX31,及びGTF3C4遺伝子から選択されることを特徴とする、請求項11ないし14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
皮膚又は皮膚付属器の色素沈着に関与する遺伝子を決定するための、SNP 418620, rs302919, 913705, 931886, 429269及び2526008から選択される、少なくとも一のマーカーの使用。
【請求項17】
色素沈着の分野での美容目的のための、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459及びNT_007592.457遺伝子から選択されるヒト染色体6の遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなる少なくとも一のポリヌクレオチド断片であって、長さが30から5000ヌクレオチドの範囲にある断片の使用。
【請求項18】
色素沈着の分野での治療用医薬の製造における、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459及びNT_007592.457遺伝子から選択されるヒト染色体6の遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなる少なくとも一のポリヌクレオチド断片であって、長さが30から5000ヌクレオチドの範囲にある断片の使用。
【請求項19】
上記断片の長さが50から3000ヌクレオチドの範囲にあることを特徴とする請求項17又は18に記載の使用。
【請求項20】
上記色素沈着が皮膚付属器のものであることを特徴とする請求項17又は18に記載の使用。
【請求項21】
上記皮膚付属器が毛髪であることを特徴とする、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
白髪の予防又は処置に関するものであることを特徴とする請求項17又は18に記載の使用。
【請求項23】
上記白髪が若白髪であることを特徴とする請求項22に記載の使用。
【請求項24】
上記断片に蛍光、放射性又は酵素プローブが結合していることを特徴とする請求項17又は18に記載のポリヌクレオチド断片の使用。
【請求項25】
配列が、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2及び NT_007592.588遺伝子から選択されるヒト染色体6上の遺伝子の全て又は一部に対応することを特徴とする、請求項17ないし24のいずれか1項に記載の使用。
【請求項26】
配列がNT_007592.506, NT_007592.507 及びNT_007592.508遺伝子から選択される染色体6上の遺伝子の全て又は一部に対応することを特徴とする、請求項17ないし25のいずれか1項に記載の使用。
【請求項27】
個体の若白髪に対する素因を診断する方法において、
i)HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459 and NT_007592.457遺伝子から選択されるヒト染色体6の遺伝子に属するマーカーを選択し、
ii)上記個体からの遺伝的材料の試料中に存在する選択されたマーカーのアレルを決定する、工程を含んでなる方法。
【請求項28】
iii)マーカーのアレルを他の個体のアレルと比較して診断を行う、さらなる付加的な工程を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
他の個体が、診断される個体と同じ家族の構成員であることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
マーカーがHLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2及びNT_007592.588遺伝子から選択されることを特徴とする、請求項27ないし29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
マーカーがNT_007592.506, NT_007592.507 及びNT_007592.508遺伝子から選択されることを特徴とする、請求項11ないし14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
皮膚又は皮膚付属器の色素沈着に関与する遺伝子を決定するための、SNP 2734988, 2734967, 1419664, 2517502, rs733539, rs494620, 154973, 206779, 60071, rs763028から選択される、少なくとも一のマーカーの使用。
【請求項33】
・FREQ, NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL, CELL, FS, ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4 及びQ96MA6 遺伝子から選択されるヒト染色体9上の遺伝子の全て又は一部に対応する配列;及び
・HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459 及び NT_007592.457 遺伝子から選択されるヒト染色体6上の遺伝子の全て又は一部に対応する配列;
から配列が選択される少なくとも18の連続ヌクレオチドをそれぞれが含んでなる少なくとも二のポリヌクレオチド断片の組合せの、色素沈着分野での美容目的のための使用であって、上記断片の長さが30から5000ヌクレオチドの範囲にある断片の使用。
【請求項34】
・FREQ, NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL, CELL, FS, ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4 及びQ96MA6 遺伝子から選択されるヒト染色体9上の遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなる断片;及び
・HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459 及び NT_007592.457 遺伝子から選択されるヒト染色体6上の遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなる断片:
から選択される少なくとも二のポリヌクレオチド断片の組合せの、色素沈着分野での治療用の医薬の製造における使用であって、上記断片の長さが30から5000ヌクレオチドの範囲にある断片の使用。
【請求項35】
少なくとも一の断片がBARHL1, DDX31, GTF3C4及びQ96MA6遺伝子から選択されるヒト染色体9上の遺伝子の全て又は一部に対応することを特徴とする、請求項33又は34に記載の使用。
【請求項36】
少なくとも一の断片がDDX31遺伝子又はGTF3C4遺伝子の全て又は一部に対応することを特徴とする、請求項33又は34に記載の使用。
【請求項37】
少なくとも一の断片がHLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2,及びNT_007592.588遺伝子から選択される染色体6上の遺伝子の全て又は一部に対応することを特徴とする、請求項33又は34に記載の使用。
【請求項38】
少なくとも一の断片がNT_007592.506, NT_007592.507 及び NT_007592.508遺伝子から選択される染色体6の遺伝子の全て又は一部に対応することを特徴とする、請求項33又は34に記載の使用。
【請求項39】
個体の若白髪に対する素因を診断する方法において、
i)・FREQ, NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL, CELL, FS, ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4 and Q96MA6遺伝子から選択されるヒト染色体9の遺伝子に属するマーカー;
・HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459 and NT_007592.457遺伝子から選択されるヒト染色体6の遺伝子に属するマーカー;
から選択される少なくとも二のマーカーの組合せを選択し、
ii)上記個体からの遺伝的材料の試料中に存在する選択されたマーカーのアレルを決定する、工程を含んでなる方法。
【請求項40】
iii)マーカーのアレルを他の個体のアレルと比較して診断を行う、さらなる付加的な工程を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
他の個体が、診断される個体と同じ家族の構成員であることを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項42】
少なくとも一のマーカーがBARHL1, DDX31, GTF3C4 及びQ96MA6遺伝子から選択されることを特徴とする、請求項39ないし41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
少なくとも一のマーカーがDDX31,及びGTF3C4遺伝子から選択されることを特徴とする、請求項39ないし41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
少なくとも一のマーカーがHLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2 及びNT_007592.588遺伝子から選択されることを特徴とする、請求項39ないし41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
少なくとも一のマーカーがNT_007592.506, NT_007592.507 及びNT_007592.508遺伝子から選択されることを特徴とする、請求項39ないし41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
FREQ, NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL, CELL, FS, ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4 及びQ96MA6遺伝子から選択されるヒト染色体9からの遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなるもの、HLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459 及びNT_007592.457遺伝子から選択されるヒト染色体6からの遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなるものから選択される少なくとも二のポリヌクレオチド断片の組合せを含んでなるキットであって、上記断片の長さが30から5000ヌクレオチドの範囲にあるキット。
【請求項47】
・ヒト染色体9上にあるDDX31又はGTF3C4遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなる少なくとも一の断片;及び
・KIAA1042, CCK, CACNA1D, ARHGEF3, AL133097, KLHL3, HNRPA0, CDC25C, EGR1, C5orf6, C5orf7, LOC51308, ETF1, HSPA9B, PCDHA1 to PCDHA13, CSF1R, RPL7, PDGFRB, TCOF1, AL133039, CD74, RPS14, NDST1, G3BP, GLRA1, C5orf3, MFAP3, GALNT10, FLJ117151, GUCY1A2, CUL5, ACAT1, NPAT, ATM, AF035326, AF035327, AF035328, BC029536, FLJ20535, DRD2, ENS303941, IGSF4, LOC51092, BC010946, TAGLN, PCSK7及びENS300650 遺伝子から選択されるヒト染色体3、5及び11からの遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなる少なくとも一の断片:
を含むポリヌクレオチド断片の組合せの、色素沈着分野での美容目的のための使用であって、上記断片の長さが30から5000ヌクレオチドの範囲にある使用。
【請求項48】
・ヒト染色体9上にあるDDX31又はGTF3C4遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなる一の断片;及び
・KIAA1042, CCK, CACNA1D, ARHGEF3, AL133097, KLHL3, HNRPA0, CDC25C, EGR1, C5orf6, C5orf7, LOC51308, ETF1, HSPA9B, PCDHA1 to PCDHA13, CSF1R, RPL7, PDGFRB, TCOF1, AL133039, CD74, RPS14, NDST1, G3BP, GLRA1, C5orf3, MFAP3, GALNT10, FLJ117151, GUCY1A2, CUL5, ACAT1, NPAT, ATM, AF035326, AF035327, AF035328, BC029536, FLJ20535, DRD2, ENS303941, IGSF4, LOC51092, BC010946, TAGLN, PCSK7及びENS300650 遺伝子から選択されるヒト染色体3、5及び11からの遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなるさらなる断片:
を含む、少なくとも二のポリヌクレオチド断片の組合せの、色素沈着分野での治療用の医薬の製造における使用であって、上記断片の長さが30から5000ヌクレオチドの範囲にある使用。
【請求項49】
個体の若白髪に対する素因を診断する方法において、
i)・ヒト染色体9上にあるDDX31及びGTF3C4遺伝子に属する少なくとも一のマーカー;及び
・KIAA1042, CCK, CACNA1D, ARHGEF3, AL133097, KLHL3, HNRPA0, CDC25C, EGR1, C5orf6, C5orf7, LOC51308, ETF1, HSPA9B, PCDHA1 to PCDHA13, CSF1R, RPL7, PDGFRB, TCOF1, AL133039, CD74, RPS14, NDST1, G3BP, GLRA1, C5orf3, MFAP3, GALNT10, FLJ117151, GUCY1A2, CUL5, ACAT1, NPAT, ATM, AF035326, AF035327, AF035328, BC029536, FLJ20535, DRD2, ENS303941, IGSF4, LOC51092, BC010946, TAGLN, PCSK7 及びENS300650遺伝子から選択されるヒト染色体3、5及び11からの遺伝子に属する少なくとも一のさらなるマーカー;
からを含む二又はそれ以上のマーカーの組合せを選択し、
ii)上記個体からの遺伝的材料の試料中に存在する選択されたマーカーのアレルを決定する、工程を含んでなる方法。
【請求項50】
iii)マーカーのアレルを他の個体のアレルと比較して診断を行う、さらなる付加的な工程を含む、請求項49に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−93908(P2011−93908A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254417(P2010−254417)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【分割の表示】特願2005−505078(P2005−505078)の分割
【原出願日】平成15年7月9日(2003.7.9)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】