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苦味抑制製剤
説明

苦味抑制製剤

【課題】薬物の苦味を抑制した粉・粒体製剤および錠剤の提供。
【解決手段】苦味抑制基剤が溶解および/または懸濁し、かつ水溶解度(20℃)が1g/mL以下である薬物を溶解または懸濁した液によって賦形剤および/または崩壊剤を造粒した粉・粒体製剤、または当該粉・粒体製剤を打錠した錠剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、苦味抑制製剤に関するもので、具体的には、薬物が溶解または懸濁した高粘性の液で造粒した苦味を抑制する製剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
苦味を抑制する製剤としては、種々のものが開発されている。具体的には、疎水性高分子であるエチルセルロースと水溶性高分子であるヒドロキシプロピルセルロースを溶解したエタノール溶液に苦味物質を添加し、当該溶液を賦形剤と混合した製剤がある(特許文献1)。また、疎水性高分子を用いない場合でも、カルバペネム系抗生剤と乳糖を混合した粉末に、胃溶性コーティング基剤のエタノール溶液を噴霧して製造した顆粒剤に、さらに乳糖、ポリビニルピロリドン等を混合し、ヒドロキシプロピルセルロースの水溶液を噴霧し、苦味を抑制した細粒剤がある(特許文献2)。
【特許文献1】特開2002−363066号公報
【特許文献2】特開2004−35518号公報
【0003】
しかしながら、疎水性高分子を基剤として用いた特許文献1のような苦味抑制製剤の場合、苦味も抑制するが、薬物の溶出速度を抑制する可能性が高い。溶出速度を抑制する場合、溶出挙動も変動し、薬物動態も変動する恐れがある。また、特許文献1、2のいずれの場合も、苦味を抑制する基剤を溶解するのに、エタノール等の有機溶媒が使用されている。しかしながら、この場合、機械に有機溶媒の回収機器を付設する必要があり、また環境にも悪影響を与える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで、発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、高粘度の液中に、水溶解度が1g/mL以下の薬物を溶解または懸濁させ、その得られた液を賦形剤および/または崩壊剤に加え造粒し、製造した粉・粒体製剤(例えば、散剤、細粒剤、顆粒剤、シロップ剤)であるならば、苦味を抑制し、本発明を完成することができた。
【0005】
すなわち、本発明は、
(1)下記の工程を含むことを特徴とする苦味を抑制した粉・粒体製剤の製造方法:
i)粘度(20℃)が50〜14000mPa・sであり、水に溶解する苦味抑制基剤を含む水溶液に、水溶解度(20℃)が0.1g/mL以下である薬物を溶解または懸濁させる工程、
ii)前記i)工程で得られた水溶液または懸濁液を賦形剤および/または崩壊剤に加え、造粒する工程、
(2)当該水溶液の粘度(20℃)が500〜14000mPa・sである上記(1)記載の粉・粒体製剤の製造方法、
(3)当該水溶液中にヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する上記(1)または(2)記載の粉・粒体製剤の製造方法、
(4)水溶解度(20℃)が0.033g/mL以下の薬物である上記(1)記載の粉・粒体製剤の製造方法、
(5)賦形剤が水不溶性賦形剤である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の粉・粒体製剤の製造方法、
(6)造粒する工程が、湿式造粒法であることを特徴とする上記(1)から(5)のいずれかに記載の粉・粒体製剤の製造方法、
(7)湿式造粒法が流動層造粒法、攪拌造粒法、押出造粒法、転動造粒法のいずれかである上記(6)記載の粉・粒体製剤の製造方法、
(8)湿式造粒法が攪拌造粒法である上記(7)記載の粉・粒体製剤の製造方法、
(9)上記(1)から(8)のいずれかに記載の製造方法によって得られる粉・粒体製剤、
(10)顆粒剤である上記(9)記載の粉・粒体製剤、
(11)上記(9)記載の粉・粒体製剤を打錠することを特徴とする、錠剤の製造方法、
(12)上記(9)記載の粉・粒体製剤に、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤および/または結合剤を混合し、打錠することを特徴とする、錠剤の製造方法、
(13)上記(11)または(12)記載の製造方法によって得られる錠剤、
(14)口腔内崩壊錠剤である、上記(13)記載の錠剤、
に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の苦味抑制製剤は、高粘性の添加物液中に苦味成分である溶解度が1g/mL以下の薬物を溶解または懸濁させ、その得られた液を賦形剤および/または崩壊剤に加え、造粒することにより、薬物の苦味抑制を達成するものである。本発明の苦味抑制製剤は、溶出を抑制することなく、苦味を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
薬物を溶解または懸濁する液としては、20℃における液の粘度として50〜14000mPa・s、好ましくは250〜14000mPa・s、より好ましくは500〜14000mPa・sであるように調整すればよい。この粘度よりも低ければ、苦味抑制効果が十分に発揮できない恐れがあり、この粘度よりも高ければ、造粒機において添加物の配合液を分散することができない可能性がある。この添加物は、水に溶解および/または懸濁していることが必要である。
【0008】
上記薬物を溶解または懸濁させる液として、水へ添加物を添加し、粘度を調整する必要がある。添加物(以下「苦味抑制基剤」という場合もある。)としては、水に溶解および/または懸濁し高粘性、特に20℃における液の粘度が50〜14000mPa・sの液となるような物質であり、製剤学的に使用できるものであればよい。具体的には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドンK25、ポリビニルピロリドンK30、ポリビニルピロリドンK90、ポリビニルアルコール(完全けん化物)、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カンテン、カンテン末、ゼラチン、精製ゼラチン、トラガント、キサンタンガム、アルファ化デンプン、部分アルファ化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、プルラン、デキストリン等がある。好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910混合物、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンK25、ポリビニルピロリドンK30、ポリビニルピロリドンK90等である。より好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはフマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物である。なお、添加物が「溶解および懸濁する」とは、添加物の一部が水に溶解し、他の一部が水に懸濁することをいう。例えば、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物の場合、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートは、水に懸濁し、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、水に溶解する。
【0009】
本発明において、より好ましい苦味抑制基剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、製剤学的に使用できるものであればよい。具体的には、日本薬局方収載のヒドロキシプロピルメチルセルロース2208、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2906、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910があるが、特に好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース2910である。ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910は、セルロースのメチル及びヒドロキシプロピルの混合エステルであり、乾燥時定量した場合、メトキシル基が28.0〜30.0%及びヒドロキシプロポキシル基が7.0〜12.0%含むものである。ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910として、より具体的には、TC−5E(信越化学工業株式会社製)、メトセルE(ダウケミカル日本)、マーポローズ(松本油脂製薬)がある。
【0010】
本発明において、より好ましい苦味抑制基剤であるフマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物としては、製剤学的に使用できるものであればよい。具体的には、医薬品添加物規格2003(薬事日報社)に記載のフマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910混合物、より具体的には、HA「三共」(三共株式会社製)を使用することができる。
【0011】
特に、本発明において最適な添加物であるヒドロキシプロピルメチルセルロースの場合、具体的には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910の1種であるTC−5E(信越化学工業株式会社製)を使用した場合、液中配合量(以下、「重量%」を「w/w%」として記載する場合がある。)として、6〜35w/w%、好ましくは6.5〜32.5w/w%、より好ましくは7〜30w/w%である。
【0012】
また、本発明において最適な添加物であるフマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物の場合、具体的にはHA「三共」(三共株式会社製)を使用した場合、液中配合量として、1〜20w/w%、好ましくは2.5〜15w/w%、より好ましくは5〜10w/w%である。
【0013】
本発明のヒドロキシプロピルメチルセルロースの製剤全量に対する重量としては、0.001〜50w/w%、好ましくは0.01〜30w/w%、より好ましくは0.1〜25w/w%である。この配合量よりも少なければ、十分に苦味抑制効果を発揮できない恐れがあり、多ければ製剤が崩壊遅延する可能性がある。
【0014】
本発明のフマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物の製剤全量に対する重量としては、0.001〜60w/w%、好ましくは0.01〜40w/w%、より好ましくは0.1〜30w/w%である。この配合量よりも少なければ、十分に苦味抑制効果を発揮できない恐れがあり、多ければ製剤が崩壊遅延する可能性がある。
【0015】
本発明で使用される薬物としては、薬物の水への溶解度が20℃で1g/mL以下、好ましくは20℃で0.1g/mL以下、より好ましくは20℃で0.033g/mL以下であり、これらの薬物が水中で溶解または懸濁していればよい。これよりも水溶解度が高ければ、苦味を抑制することは困難になる恐れがある。
【0016】
本発明に使用される薬物としては、例えば滋養強壮保健薬、解熱鎮痛消炎薬、向精神薬、抗不安薬、抗うつ薬、催眠鎮静薬、鎮痙薬、中枢神経作用薬、脳代謝改善剤、脳循環改善剤、抗てんかん剤、交感神経興奮剤、胃腸薬、制酸剤、抗潰瘍剤、鎮咳去痰剤、鎮吐剤、呼吸促進剤、気管支拡張剤、アレルギー用薬、歯科口腔用薬、抗ヒスタミン剤、強心剤、不整脈用剤、利尿薬、血圧降下剤、血管収縮薬、冠血管拡張薬、末梢血管拡張薬、高脂血症用剤、利胆剤、抗生物質、化学療法剤、糖尿病用剤、骨粗しょう症用剤、抗リウマチ薬、骨格筋弛緩薬、鎮痙剤、ホルモン剤、アルカロイド系麻薬、サルファ剤、痛風治療薬、血液凝固阻止剤、抗悪性腫瘍剤などから選ばれた1種または2種以上の成分が用いられる。
【0017】
滋養強壮保健薬には、例えばビタミンA、ビタミンD、ビタミンE(酢酸d−α−トコフェロールなど)、ビタミンB1(ジベンゾイルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩など)、ビタミンB2(酪酸リボフラビンなど)、ビタミンB6(塩酸ピリドキシンなど)、ビタミンC(アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウムなど)、ビタミンB12(酢酸ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミンなど)のビタミン、カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラル、タンパク、アミノ酸、オリゴ糖、生薬などが含まれる。解熱鎮痛消炎薬としては、例えばアスピリン、アセトアミノフェン、エテンザミド、イブプロフェン、塩酸ジフェンヒドラミン、dl-マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジヒドロコデイン、ノスカピン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、カフェイン、無水カフェイン、セラペプターゼ、塩化リゾチーム、トルフェナム酸、メフェナム酸、ジクロフェナクナトリウム、フルフェナム酸、サリチルアミド、アミノピリン、ケトプロフェン、インドメタシン、ブコローム、ペンタゾシンなどが挙げられる。
【0018】
向精神薬としては、例えばクロルプロマジン、レセルピンなどが挙げられる。抗不安薬としては、例えばアルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、ジアゼパムなどが例示される。抗うつ薬としては、例えばイミプラミン、塩酸マプロチリン、アンフェタミンなどが例示される。催眠鎮静薬としては、例えばエスタゾラム、ニトラゼパム、ジアゼパム、ペルラピン、フェノバルビタールナトリウムなどが例示される。鎮痙薬には、例えば臭化水素酸スコポラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸パパベリンなどが含まれる。中枢神経作用薬としては、例えばシチコリンなどが例示される。脳代謝改善剤としては、例えば塩酸メクロフェニキセートなどが挙げられる。脳循環改善剤としては、例えばビンポセチンなどが挙げられる。抗てんかん剤としては、例えばフェニトイン、カルバマゼピンなどが挙げられる。交感神経興奮剤としては、例えば塩酸イソプロテレノールなどが挙げられる。胃腸薬には、例えばジアスターゼ、含糖ペプシン、ロートエキス、セルラーゼAP3、リパーゼAP、ケイヒ油などの健胃消化剤、塩化ベルベリン、耐性乳酸菌、ビフィズス菌などの整腸剤などが含まれる。
【0019】
制酸剤としては、例えば炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、沈降炭酸カルシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。抗潰瘍剤としては、例えばランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾール、ファモチジン、シメチジン、塩酸ラニチジンなどが挙げられる。鎮咳去痰剤としては、例えば塩酸クロペラスチン、臭化水素酸デキストロメルトファン、テオフィリン、グァヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、リン酸コデインなどが挙げられる。鎮吐剤としては、例えば塩酸ジフェニドール、メトクロプラミドなどが挙げられる。呼吸促進剤としては、例えば酒石酸レバロルファンなどが挙げられる。気管支拡張剤としては、例えばテオフィリン、硫酸サルブタモールなどが挙げられる。アレルギー用薬としては、アンレキサノクス、セラトロダストなどが挙げられる。歯科口腔用薬としては、例えばオキシテトラサイクリン、トリアムシノロンアセトニド、塩酸クロルヘキシジン、リドカインなどが例示される。
【0020】
抗ヒスタミン剤としては、例えば塩酸ジフェンヒドラミン、プロメタジン、塩酸イソチペンジル、dl-マレイン酸クロルフェニラミンなどが挙げられる。強心剤としては、例えばカフェイン、ジゴキシンなどが挙げられる。不整脈用剤としては、例えば塩酸プロカインアミド、塩酸プロプラノロール、ピンドロールなどが含まれる。利尿薬としては、例えばイソソルピド、フロセミド、ヒドロクロロチアジドなどが挙げられる。血圧降下剤としては、例えば塩酸デラプリル、カプトプリル、塩酸ヒドララジン、塩酸ラベタロール、塩酸マニジピン、カンデサルタンシレキセチル、メチルドパ、ペリンドプリルエルブミンなどが挙げられる。血管収縮剤としては、例えば塩酸フェニレフリンなどが挙げられる。
【0021】
冠血管拡張剤としては、例えば塩酸カルボクロメン、モルシドミン、塩酸ペラパミルなどが挙げられる。末梢血管拡張薬としては、例えばシンナリジンなどが挙げられる。高脂血症用剤としては、例えばセリバスタチンナトリウム、シンバスタチン、プラバスタチンナトリウム、アトルバスタチンカルシウム水和物などが挙げられる。利胆剤としては、例えばデヒドロコール酸、トレピプトンなどが挙げられる。抗生物質には、例えばセファレキシン、セファクロル、アモキシシリン、塩酸ピプメシリナム、塩酸セフォチアムヘキセチル、セファドロキシル、セフィキシム、セフジトレンピボキシル、セフテラムピボキシル、セフポドキシミプロキセチルなどのセフェム系、アンピシリン、シクラシン、ナリジクス酸、エノキサシンなどの合成抗菌剤、カルモナムナトリウムなどのモノバクタム系、ペネム系及びカルバペネム系抗生物質などが挙げられる。
【0022】
化学療法剤としては、例えばスルファメチゾールなどが挙げられる。糖尿病用剤としては、例えばトルブタミド、ボグリボース、塩酸ピオグリタゾン、グリベンクラミド、トログリダゾンなどが挙げられる。骨粗しょう症用剤としては、例えばイプリフラボンなどが挙げられる。骨格筋弛緩薬としては、メトカルバモールなどが挙げられる。鎮けい剤としては、塩酸メクリジン、ジメンヒドリナートなどが挙げられる。抗リウマチ薬としては、メソトレキセート、ブシラミンなどが挙げられる。ホルモン剤としては、例えばリオチロニンナトリウム、リン酸デキメタゾンナトリウム、プレドニゾロン、オキセンドロン、酢酸リュープロレリンなどが挙げられる。アルカロイド系麻薬として、アヘン、塩酸モルヒネ、トコン、塩酸オキシコドン、塩酸アヘンアルカロイド、塩酸コカインなどが挙げられる。サルファ剤としては、例えばスルフィソミジン、スルファメチゾールなどが挙げられる。痛風治療薬としては、例えばアロプリノール、コルヒチンなどが挙げられる。血液凝
固阻止剤としては、例えばジクマロールが挙げられる。抗悪性腫瘍剤としては、例えば5−フルオロウラシル、ウラシル、マイトマイシンなどが挙げられる。
【0023】
これらの医薬は単独または他の医薬との合剤として使用することができる。また、これらの医薬は、患者の疾患、年齢等に応じて適宜、定められた公知の適量が投与される。
【0024】
本発明のヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはフマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物の液中の薬物配合量としては、0.001〜40w/w%、好ましくは1〜30w/w%、より好ましくは2〜20w/w%である。この配合量よりも多ければ、薬物の苦味を抑制することができない可能性がある
【0025】
ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはフマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物と薬物の配合比としては1000:1〜0.5:1、好ましくは100:1〜0.75:1、より好ましくは10:1〜1:1である。ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはフマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物と薬物の配合比が1000:1よりもヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはフマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物の割合が多ければ、薬物の溶解が遅延する恐れがある。一方、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはフマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物と薬物の配合比0.5:1よりも薬物の割合が多ければ、薬物の苦味を抑制することができない恐れがある。
【0026】
薬物溶解または懸濁液の調製方法としては、特に限定されない。例えば、所定量のヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはフマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物を水に溶解および/または懸濁した液に、所定量の薬物を溶解または懸濁させる方法や所定量の薬物を水に溶解または懸濁し、当該液中にヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはフマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロースの混合物を溶解および/または懸濁する方法もある。
【0027】
本発明において、使用される賦形剤としては、製剤学的に使用できるものであればよい。具体的には、水溶性賦形剤、水不溶性賦形剤をいずれも使用することができる。より具体的な賦形剤として,ぶどう糖、果糖、乳糖、蔗糖、D−マンニトール、エリスリトール、マルチトール、トレハロース、ソルビトール、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、コムギデンプン、コメデンプン、結晶セルロース、無水ケイ酸、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム,炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、含水二酸化ケイ素等がある。好ましくは、結晶セルロース、炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム等の水不溶性賦形剤である。
【0028】
本発明の賦形剤の配合量としては、製剤全量に対し、0〜99.9w/w%、好ましくは5〜90w/w%、より好ましくは30〜70w/w%である。この配合量よりも少なければ、粉・粒体製剤を形成できない可能性がある。
【0029】
本発明において、崩壊剤を使用してもよい。特に攪拌造粒の場合、崩壊剤を要する。使用される崩壊剤としては、製剤学的に使用できるものであればよい。具体的には、崩壊剤としては、具体的には低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、トウモロコシデンプン、アルファー化デンプン,カンテン末等である。好ましくは、クロスポビドンである。
【0030】
本発明の崩壊剤の配合量としては、製剤全量に対し、0〜99.9w/w%、好ましくは5〜90w/w%、より好ましくは10〜70w/w%である。この配合量よりも少なければ、崩壊性が低下する可能性がある。
【0031】
本発明において、結合剤を使用してもよい。使用される結合剤としては、製剤学的に使用できるものであればよい。具体的にはヒドロキシプロピルメチルセルロース、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルセルロース等である。好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはフマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物である。
【0032】
本発明の結合剤の配合量としては、製剤全量に対し、0〜20w/w%である。この配合量よりも多ければ、崩壊遅延の可能性がある。
【0033】
本発明において、苦味を軽減するために、矯味剤を使用してもよい。具体的には、ハッカ油、クエン酸のようなものである。
【0034】
本発明において、最適な苦味抑制基剤の一つであるヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび薬物の液中配合量としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910の1種であるTC−5E(信越化学工業株式会社製)を使用した場合、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが6〜35w/w%、薬物が0.001〜40w/w%、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースが6.5〜32.5w/w%、薬物が1〜30w/w%、より好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースが7〜30w/w%、薬物が2〜20w/w%である。
【0035】
本発明において、最適な苦味抑制基剤の一つであるフマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物および薬物の液中配合量としては、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910混合物であるHA「三共」(三共株式会社製)を使用した場合、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910混合物が1〜20w/w%、薬物が0.001〜40w/w%、好ましくは上記混合物が2.5〜15w/w%、薬物が1〜30w/w%、より好ましくは上記混合物が5〜10w/w%、薬物が2〜20w/w%である。
【0036】
本発明の粉・粒体製剤とは、具体的には、日本薬局方第14改正に記載の製剤総則中における散剤、顆粒剤、シロップ剤である。特に、本発明の製造方法は、顆粒剤、特に苦味を抑制した顆粒剤の製造に最適な製造方法である。
【0037】
本発明における粉・粒体製剤の製造法としては、製剤学的に使用できるものであればよいが、湿式造粒法、好ましくは流動層造粒法、攪拌造粒法または押し出し造粒法、転動造粒法、より好ましくは攪拌造粒法である。流動層造粒法とは、層内で流動化された粉体に結合剤を噴霧して造粒物を得る方法である。攪拌造粒法とは、槽内に装入された対象物質に結合液を添加し、種々の形状をした攪拌羽根を回転させることによりせん断・転動・圧密作用などを与えて目的とする造粒物を得る方法である。押し出し造粒法とは、練合された湿潤塊を適当な大きさのスクリーンから強制的に押し出すことによって造粒物を得る方法である。また、転動造粒法とは、回転するローターの遠心力によって外壁部に寄せられた原料粉体はスリットから吹き上げられる空気によって転動し、このとき結合剤を噴霧して造粒物を得る方法である。なお、噴霧乾燥法では、製造時間が上記製造法よりも長くなり、薬物の苦味抑制も困難である。
【0038】
流動層造粒法で本発明の製剤を製造する場合、あらかじめ薬物を溶解または懸濁した苦味抑制基剤の溶解および/または懸濁液を調製し、流動層内で賦形剤および/または崩壊剤を流動させながら、前述した液を噴霧し、造粒するものである。
【0039】
攪拌造粒法で本発明の製剤を製造する場合、あらかじめ薬物を溶解または懸濁した苦味抑制基剤の溶解および/または懸濁液を調製し、攪拌造粒機の槽内で賦形剤および/または崩壊剤を攪拌させながら、前述した液を添加し、造粒するものである。
【0040】
押し出し造粒法で本発明の製剤を製造する場合、あらかじめ薬物を溶解または懸濁した苦味抑制基剤の溶解および/または懸濁液を調製し、当該液を賦形剤および/または崩壊剤に混合、練合し、この練合物を押し出し造粒機にて造粒するものである。
【0041】
転動造粒法で本発明の製剤を製造する場合、あらかじめ薬物を溶解または懸濁した苦味抑制基剤の溶解および/または懸濁液を調製し、遠心転動造粒装置の槽内で賦形剤および/または崩壊剤を転動させながら、前述した液を添加し、造粒するものである。
【0042】
本発明の粉・粒体製剤とともに、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤を混合、打錠し、錠剤を成形することもできる。賦形剤、崩壊剤、結合剤としては、上述の物を使用することができる。また、滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、炭酸マグネシウム等がある。
【0043】
また、本発明の粉・粒体製剤とともに、賦形剤、崩壊剤、結合剤を混合し、打錠機の臼、杵に少量の滑沢剤を付着させ、当該混合物を打錠する外部滑沢打錠法によっても、錠剤を製造することができる。当該打錠法は、少量の滑沢剤で打錠することができ、滑沢剤で変質しやすい薬物にとって、有用な打錠法である。
【0044】
通常の錠剤以外に、口腔内で瞬時に崩壊する口腔内崩壊錠剤に本発明粉・粒体製剤を配合し、錠剤は口腔内で瞬時に崩壊するものの、苦味を抑制できるという新しいタイプの錠剤を製造することができる。口腔内崩壊錠剤の場合、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤は上述した一般的な添加剤を用いることができる。また、服用感を良好にするために、例えばハッカ油、クエン酸のような矯味剤を錠剤中に添加することも可能である。
【実施例】
【0045】
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
苦味抑制基剤の選択
(実験方法)
苦味マスキングに使用する苦味抑制基剤をスクリーニングするために、キャスティング被膜による苦味抑制効果を確認した。表1に示す液の調製後、以下の通りキャスティング被膜を調製した。金型ジョッキに苦味抑制基剤と精製水を入れ、溶解および/または懸濁させ、所定量の苦味抑制液を秤量する。この液中に薬物を添加し、均一に懸濁させ、秤量皿に分散液を薄く延ばす。通気乾燥機で風乾させてキャスティングフィルムを調製する。なお、通気乾燥機での乾燥条件は、送風温度が60℃で、乾燥時間が1時間である。苦味の評価は、上記作製したキャスティング被膜を健康成人5名の口腔内に含み、舌の上で約5秒間の官能試験を行った。
なお、薬物と苦味抑制基剤の配合比は、重量比(固形分)で1:1および1:3とした。薬物としては、イソプロピルアンチピリン(金剛化学社製)を用いた。また、苦味抑制基剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース(HPCSL、日本曹達株式会社製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5E、信越化学株式会社製)、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910混合物(HA三共、三共株式会社製)、ポリビニルピロリドンK25(ポビドン、ビーエーエスエフジャパン社製)を用いた。表1に使用した苦味抑制基剤を、表2に苦味抑制製剤の組成を示した。なお、キャスティング被膜作製前の表2記載の20℃における苦味抑制基剤液の粘度は、いずれも50〜14000mPa・sである。






【表1】


【表2】


(実験結果)
結果を表3およぶ表4に示す。その結果、すべての基剤についてマスキング効果が認められた。中でも、HPMCとHA三共が最も効果が高かった。

【表3】


【表4】

【0046】
液粘度の選択
(実験方法)
キャスティング被膜の調製は、上述の(1)の実験方法の通りである。処方の液としては、表5の液を調製した。なお、薬物と苦味抑制基剤の配合比は、重量比(固形分)で1:3とした。粘度は、精製水にヒドロキシプロピルメチルセルロース[HPMC]を溶解した液の粘度を測定した。粘度の測定法としては、日本薬局方第14改正の「粘度測定法 第2法 回転粘度計法」に基づきおこなった。粘度計は、デジタル粘度計(ブルックフィールド社製、型式DV-II+、スピンドルLV2)を使用し、20℃で測定をおこなった。なお、薬物としては、イソプロピルアンチピリン(金剛化学社製)を用いた。また、苦味抑制基剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース[HPMC]としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910[HPMC](TC−5E、信越化学株式会社製)を用いた。

【表5】


(実験結果)
液粘度および官能試験の結果を表6に示す。その結果、比較例1であれば、粘度が高く(14000mPa・sよりも高い)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが溶解せず、薬物も溶解または懸濁できなかった。一方、比較例2であれば、液粘度が15mPa・sとなり、苦味を抑制することができなかった。粘度が500〜14000mPa・sであるならば、マスキング効果が非常に高くなった。

【表6】

【0047】
3.薬物の水溶解度による苦味の差異
(実験方法)
キャスティング被膜の調製は、上述の1のとおりである。処方の液としては、表7の液を調製した。なお、薬物としては、無水カフェイン、アセトアミノフェン、塩酸リルマザホンおよびニコチン酸アミドを用いた。また、苦味抑制基剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910[HPMC](TC−5E、信越化学株式会社製)を用いた。なお、薬物と苦味抑制基剤の配合比は、重量比(固形分)で1:3とした。
なお、上記薬物の水溶解度は、第14改正日本薬局方通則の表現によれば、イソプロピルアンチピリンは、「溶けにくい」(0.001g/mL以上0.01g/mL未満)、無水カフェインは、「やや溶けにくい」(0.01g/mL以上0.033g/mL未満)、アセトアミノフェンは、「やや溶けにくい」(0.01g/mL以上0.033g/mL未満)、塩酸リルマザホンは、「やや溶けやすい」(0.033g/mL以上0.1g/mL未満)、ニコチン酸アミドは、「溶けやすい」(0.1g/mL以上1.0g/mL未満)である。また、表7記載の20℃におけるHPMC溶液の粘度は、50〜14000mPa・sである。

【表7】


(実験結果)
官能試験の結果を表8に示す。その結果、薬物の水溶解度がかわっても、マスキング効果はかわらず、いずれの薬物でもマスキング効果は高かった。


【表8】

【0048】
4.薬物添加法による苦味の差異の比較
(実験方法)
表9に製剤処方を示す。ハイスピードミキサー(FS2型ハイスピードミキサー)に無水リン酸水素カルシウムおよびカルメロースカルシウムを添加し、別途20w/w%のヒドロキシプロピルメチルセルロース[HPMC]の水溶液に薬物を所定量懸濁させた液を加え、攪拌造粒した。造粒物は流動層造粒機で乾燥させた。なお、薬物と苦味抑制基剤の配合比は、重量比(固形分)で1:3とした。一方、比較処方として、薬物、崩壊剤および賦形剤を混合し、そこに20w/w%のヒドロキシプロピルメチルセルロース[HPMC]を加え、攪拌造粒した。なお、薬物としては、イソプロピルアンチピリン(金剛化学社製)を、苦味抑制基剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース[HPMC]としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5E、信越化学株式会社製)を、賦形剤としては、無水リン酸水素カルシウム(協和化学社製)を用いた。また、崩壊剤としては、カルメロースカルシウム(五徳薬品社製)を用いた。なお、表9記載の20℃におけるHPMC溶液の粘度は、50〜14000mPa・sである。

造粒条件
・造粒機:FS2型ハイスピードミキサー
・製造スケール:約150g
・ミキサー回転数:300rpm
・チョッパー回転数:2500rpm
乾燥条件
・乾燥機:FL−MINI型流動層造粒機
・送風温度:75℃
・乾燥終了:排気温度45℃
調粒条件
・調粒機:P−3型パワーミル
・回転数:3000rpm
・スクリーン:0.5mmヘリンボーン



【表9】


(実験結果)
官能試験の結果を表10に示す。その結果、HPMC溶液中に薬物を懸濁し、その液を崩壊剤、賦形剤に噴霧し、攪拌造粒した実施例17の場合、苦味を抑制することができ、マスキング効果は高かった。一方、薬物をHPMC液中に懸濁しなかった場合、苦味を抑制することができなかった。

【表10】

【0049】
5.顆粒の製造法の比較
(1)微粒子コーティング法
(実験方法)
流動層造粒機(複合型流動層造粒コーティング装置、不二パウダル社製)中に薬物をいれ、流動させながら5w/w%のヒドロキシプロピルメチルセルロース[HPMC]水溶液を噴霧した。薬物と苦味抑制基剤の配合比は、重量比(固形分)で1:3とした。なお、薬物としては、イソプロピルアンチピリン(金剛化学社製)を用いた。また、苦味抑制基剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース[HPMC]としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5E、信越化学株式会社製)を用いた。

(実験結果)
官能試験の結果、薬物の苦味を抑制することができなかった。
【0050】
(2)流動層造粒法
(実験方法)
表11に製剤処方を示す。流動層造粒機(WSG2型流動層造粒機、大川原社製)中に下記賦形剤をいれた。別途、10w/w%のヒドロキシプロピルメチルセルロース[HPMC]の水溶液に薬物を所定量懸濁させた。なお、薬物と苦味抑制基剤の配合比は、重量比(固形分)で1:3とした。薬物を懸濁させたヒドロキシプロピルメチルセルロース液を流動層造粒機中で流動させている賦形剤に下記の条件で噴霧した。なお、薬物としては、イソプロピルアンチピリン(金剛化学社製)を、苦味抑制基剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース[HPMC]としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5E、信越化学株式会社製)を、賦形剤としては、無水リン酸水素カルシウム(協和化学工業社製)、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ社製)、沈降炭酸カルシウム(白石カルシウム社製)を用いた。また、表11記載の20℃におけるHPMC溶液の粘度は、50〜14000mPa・sである。

造粒条件
・造粒機:WSG2型流動層造粒機
・製造スケール:2kg
・スプレーノズル口径:1.2mm
・スプレー圧:0.2MPa
・スプレー液流速:10〜20g/分
・送風温度:80℃
・品温:50℃

【表11】


(実験結果)
実験結果を表12に示す。その結果、いずれの賦形剤を用いても苦味を抑制することができた。

【表12】

【0051】
(3)攪拌造粒法
(実験方法)
表13に製剤処方を示す。ハイスピードミキサー(FS2型ハイスピードミキサー)に表7記載の賦形剤および崩壊剤をいれ、別途20w/w%のヒドロキシプロピルメチルセルロース[HPMC]の水溶液に薬物を所定量懸濁させた液を加え、攪拌造粒した。なお、薬物と苦味抑制基剤の配合比は、重量比(固形分)で1:3とした。造粒物は流動層造粒機で乾燥させた。薬物としては、イソプロピルアンチピリン(金剛化学社製)を、苦味抑制基剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース[HPMC]としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5E、信越化学株式会社製)を、賦形剤としては、無水リン酸水素カルシウム(協和化学社製)を用いた。また、崩壊剤としては、カルメロースカルシウム(五徳薬品社製)、クロスポビドン(アイエスピー・ジャパン社製)、カルメロースナトリウム(五徳薬品社製)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業社製)、トウモロコシデンプン(日本食品化工社製)およびカルメロース(五徳薬品社製)を用いた。なお、表13記載の20℃におけるHPMC溶液の粘度は、50〜14000mPa・sである。

攪拌造粒条件
・造粒機:FS2型ハイスピードミキサー
・製造スケール:約150g
・ミキサー回転数:300rpm
・チョッパー回転数:2500rpm
乾燥条件
・乾燥機:FL−MINI型流動層造粒機
・送風温度:75℃
・乾燥終了:排気温度45℃
調粒条件
・調粒機:P−3型パワーミル
・回転数:3000rpm
・スクリーン:0.5mmヘリンボーン


【表13】


(実験結果)
官能試験の結果を表14に示す。その結果、いずれの賦形剤、崩壊剤を用いても苦味を抑制することができた。特に崩壊剤として、クロスポビドンを用いた場合、特に苦味が抑制された。

【表14】

【0052】
(4)転動造粒法
(実験方法)
表15に製剤処方を示す。転動造粒機(SFC−3型多機能造粒機 不二パウダル社製)中に下記賦形剤をいれた。別途、10w/w%のヒドロキシプロピルメチルセルロース[HPMC]の水溶液に薬物を所定量懸濁させた液を加え、転動造粒した。なお、薬物と苦味抑制基剤の配合比は、重量比(固形分)で1:3とした。薬物としては、イソプロピルアンチピリン(金剛化学社製)を、苦味抑制基剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース[HPMC]としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5E、信越化学株式会社製)を、賦形剤としては、無水リン酸水素カルシウム(協和化学工業社製)、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ社製)を用いた。また、表15記載の20℃におけるHPMC溶液の粘度は、50〜14000mPa・sである。

【表15】


(実験結果)
実験結果を表16に示す。その結果、転動造粒機を用いても苦味を抑制することができた。

【表16】

【0053】
(5)押し出し造粒法
(実験方法)
表17に製剤処方を示す。ハイスピードミキサー(FS2型ハイスピードミキサー)に賦形剤および崩壊剤をいれ、別途20w/w%のヒドロキシプロピルメチルセルロース[HPMC]の水溶液に薬物を所定量懸濁させた液を加え、攪拌造粒した。なお、薬物と苦味抑制基剤の配合比は、重量比(固形分)で1:3とした。上記造粒物を押し出し造粒機(DGL1型ドームグラン 不二パウダル社製)により押し出し造粒し、流動層造粒機で乾燥させた。薬物としては、イソプロピルアンチピリン(金剛化学社製)を、苦味抑制基剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5E、信越化学株式会社製)を、賦形剤としては、無水リン酸水素カルシウム(協和化学社製)を、崩壊剤としては、カルメロースカルシウム(五徳薬品社製)を用いた。なお、表17記載の20℃におけるHPMC溶液の粘度は、50〜14000mPa・sである。

攪拌造粒条件
・造粒機:FS2型ハイスピードミキサー
・製造スケール:約150g
・ミキサー回転数:300rpm
・チョッパー回転数:2500rpm
押し出し造粒条件
・造粒機:DGL1型ドームグラン
・製造スケール:約150g
乾燥条件
・乾燥機:FL−MINI型流動層造粒機
・送風温度:75℃
乾燥終了:排気温度45℃

【表17】


(実験結果)
実験結果を表18に示す。その結果、押し出し造粒機を用いても苦味を抑制することができた。

【表18】

【0054】
(6)湿式粉砕した後、流動層造粒法による製剤の調製
(実験方法)
表17に製剤処方を示す。ハイスピードミキサー(FS2型ハイスピードミキサー)に賦形剤および崩壊剤をいれ、別途20w/w%のヒドロキシプロピルメチルセルロース[HPMC]の水溶液に薬物を所定量懸濁させた液を加え、攪拌造粒した。なお、薬物と苦味抑制基剤の配合比は、重量比(固形分)で1:3とした。上記造粒物を粉砕機(QC−197S型コーミル パウレック社製)により粉砕し、流動層造粒機で乾燥させた。なお、薬物としては、イソプロピルアンチピリン(金剛化学社製)を、苦味抑制基剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース[HPMC]としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5E、信越化学株式会社製)を、賦形剤としては、無水リン酸水素カルシウム(協和化学社製)を、崩壊剤としては、カルメロースカルシウム(五徳薬品社製)を用いた。なお、表19記載の20℃におけるHPMC溶液の粘度は、50〜14000mPa・sである。

攪拌造粒条件
・造粒機:FS2型ハイスピードミキサー
・製造スケール:約150g
・ミキサー回転数:300rpm
・チョッパー回転数:2500rpm
粉砕条件
・粉砕機:QC−197S型コーミル
乾燥条件
・乾燥機:FL−MINI型流動層造粒機
・送風温度:75℃
乾燥終了:排気温度45℃

【表19】


(実験結果)
実験結果を表20に示す。その結果、粉砕機を用いても造粒物の粒度を細かくしても苦味を抑制することができた。

【表20】

【0055】
6.口腔内崩壊錠剤の製造
(実験方法)
表21、22に製剤処方を示す。実施例17、21〜25の顆粒とともに、無水リン酸水素カルシウム、結晶セルロース、アセスルファムカリウム、カルメロースおよびステアリン酸マグネシウムを袋混合し、篩過した後、単式打錠機(富士薬品機械株式会社)で打錠した。打錠条件等は、以下のとおりである。

打錠条件
錠剤機:単式打錠機(富士薬品機械株式会社)
杵形状:φ6.5mm2段R
打錠圧:4.5〜5.5kN

【表21】


【表22】


(実験結果)
官能試験の結果を表23に示す。その結果、いずれの賦形剤、崩壊剤を用いても苦味を抑制することができた。特に攪拌造粒の場合と同様、崩壊剤として、クロスポビドンを用いた場合、特に苦味が抑制された。


【表23】

【0056】
7.ハッカ油を含有した口腔内崩壊錠剤の製造
(実験方法)
苦味抑制効果をさらに向上させるために実施例30の製錠末にハッカ油(塩野香料社製)を添加して苦味抑制効果を確認した。ハッカ油は、含水二酸化ケイ素(デグサ社製)に吸着させ、製錠末に添加した。

【表24】


(実験結果)
ハッカ油などの香料を添加するとさらに苦味抑制効果を向上させることができた。

【表25】

【0057】
8.主薬量を増量した口腔内崩壊錠剤の製造
(実験方法)
表26に示すように、主薬量を2倍にした場合の物性評価を行った。実施例17の主薬顆粒を2倍量とし、他の添加剤については実施例36の錠剤とほぼ同様とした。

【表26】


(実験結果)
主薬顆粒部分が2倍量になっても、苦味を抑制することができ、崩壊時間・硬度も良好であった。

【表27】

【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、水に溶解または懸濁する基剤のみで苦味を抑制することができ、しかも溶媒としては、水のみしか用いないので、実用性が高い。また、本発明製剤は、口腔内崩壊錠剤にも配合することができ、瞬時に口腔内で崩壊しながら、苦味を抑制することができる錠剤を製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の工程を含むことを特徴とする苦味を抑制した粉・粒体製剤の製造方法:
i)粘度(20℃)が50〜14000mPa・sであり、水に溶解する苦味抑制基剤を含む水溶液に、水溶解度(20℃)が0.1g/mL以下である薬物を溶解または懸濁させる工程、
ii)前記i)工程で得られた水溶液または懸濁液を賦形剤および/または崩壊剤に加え、造粒する工程。
【請求項2】
当該水溶液の粘度(20℃)が500〜14000mPa・sである請求項1記載の粉・粒体製剤の製造方法。
【請求項3】
当該水溶液中にヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する請求項1または2記載の粉・粒体製剤の製造方法。
【請求項4】
水溶解度(20℃)が0.033g/mL以下の薬物である請求項1記載の粉・粒体製剤の製造方法。
【請求項5】
賦形剤が水不溶性賦形剤である請求項1〜4のいずれかに記載の粉・粒体製剤の製造方法。
【請求項6】
造粒する工程が、湿式造粒法であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の粉・粒体製剤の製造方法。
【請求項7】
湿式造粒法が流動層造粒法、攪拌造粒法、押出造粒法、転動造粒法のいずれかである請求項6記載の粉・粒体製剤の製造方法。
【請求項8】
湿式造粒法が攪拌造粒法である請求項7記載の粉・粒体製剤の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法によって得られる粉・粒体製剤。
【請求項10】
顆粒剤である請求項9記載の粉・粒体製剤。
【請求項11】
請求項9記載の粉・粒体製剤を打錠することを特徴とする、錠剤の製造方法。
【請求項12】
請求項9記載の粉・粒体製剤に、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤および/または結合剤を混合し、打錠することを特徴とする、錠剤の製造方法。
【請求項13】
請求項11または12記載の製造方法によって得られる錠剤。
【請求項14】
口腔内崩壊錠剤である、請求項13記載の錠剤。

【公開番号】特開2013−47252(P2013−47252A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−233557(P2012−233557)
【出願日】平成24年10月23日(2012.10.23)
【分割の表示】特願2007−529582(P2007−529582)の分割
【原出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【出願人】(000001926)塩野義製薬株式会社 (229)
【Fターム(参考)】