茶漉し及びそれを用いた急須
【課題】茶漉しのリングの直径と急須開口部の直径とがほぼ同じサイズである必要がなく、茶漉しの袋状部が急須内部で上下左右に大きく揺れることができ、かつ、使用後の茶葉等を短時間で廃棄することができる茶漉しと、それを用いた急須を提供する。
【解決手段】帯状のリング2と、柔軟性を有する材料により袋状に形成された透水性膜4とからなり、急須上部の開口部に嵌るように形成された茶漉し1である。帯状のリング2の一部に切り欠き部3、又は切断用切込みが形成される。袋状の透水性膜4の開口部5の縁6が、帯状のリング2に接合されてなる茶漉し1である。
【解決手段】帯状のリング2と、柔軟性を有する材料により袋状に形成された透水性膜4とからなり、急須上部の開口部に嵌るように形成された茶漉し1である。帯状のリング2の一部に切り欠き部3、又は切断用切込みが形成される。袋状の透水性膜4の開口部5の縁6が、帯状のリング2に接合されてなる茶漉し1である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑茶、紅茶、烏龍茶等を抽出するための茶漉し及びそれを用いた急須に関する。
【背景技術】
【0002】
茶漉しによる茶の抽出は、茶漉しを急須の上部の開口部(以下、「急須開口部」と称する)に装着し、茶葉等を茶漉しに入れ、熱湯などの液体を急須開口部に注ぎいれることにより行われるのが一般的である。その後、使用した茶葉等に応じた時間、通常は数十秒から数分程度、放置され、さらに場合により、急須全体を揺らすことが行われる。この際、茶漉し中において、茶葉等は熱湯などの液体と十分に接触し、茶成分が抽出される。そして、このようにして抽出された茶は、良好な色、香り、味を備えている。
【0003】
従来から、金属やプラスチック等の柔軟性を有しない鋼材を袋状に形成して作製された茶漉しが広く知られている。このような茶漉しは、使い捨て用に製造されていないから、使用後に茶葉等を廃棄する際、先ず使用した茶漉しから茶葉等を取り去り、次に茶漉しの網状内壁面にへばり付いた茶葉等を水などで洗い落とす必要がある。なお、茶漉しの網状内壁面に絡まり付いた茶葉等を取り去ることに、時間が一番要求されることになる。従って、茶漉しを再度使用できる状態にするまでに時間がかかるという問題がある。これに対して、通水性のある外枠フレームの支持具を急須に装着し、着脱可能な濾過材を外枠フレームの支持具の上に敷くことで、茶殻の処理を容易にすることが提案されている(特許文献1)。
【0004】
また、急須開口部に装着された茶漉しの袋状部が鋼材から構成される場合、茶漉しの袋状部は柔軟性を有しないために、一定の領域に固定され、上下左右に動くことがない。この現象は、特許文献1に開示の上記外枠フレームの支持具にも当てはまる。その結果、一定の領域に固定された茶漉しの袋状部に入れられた茶葉等は、一定の領域内に限ってのみ動くことしかできない。このような構造において、茶葉等が急須に注がれた熱湯などの液体全体と接触するまでには時間がかかり、茶成分を十分抽出できないという問題がある。
【0005】
さらに、茶漉しの帯状のリングが柔軟性を有しない鋼材から形成された場合、帯状のリングの直径を、帯状のリングの購入時の直径よりも大きく、又は小さくするのが難しく、さらに帯状のリングの購入時の形状を変形させるのも難しい。このように変形することが難しい帯状のリングを有する茶漉しは、帯状のリングの直径とほぼ同じサイズの直径を有する急須開口部にのみ設置することしかできない。特に、帯状のリングの直径が、急須開口部の直径よりもサイズが大きい場合、茶漉しを急須開口部に密着させるように嵌めることが難しくなり、急須開口部と急須開口部を塞ぐ蓋との間に隙間が形成されてしまう恐れがある。このため、茶葉等を熱湯などの液体中に浸す場合、水蒸気が上記隙間から漏れ出し、茶葉等を十分に蒸らすことができないという問題がある。このようにして抽出された茶は、良好な色、香り、味を備えることが極めて困難である。さらに、上記隙間が形成された場合、急須全体を揺らすことをすれば、急須内部に注がれた熱湯などの液体が急須外部へ放出されるという問題が生じる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−284193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、茶漉しのリングの直径と急須開口部の直径とがほぼ同じサイズである必要がなく、茶漉しの袋状部が急須内部で上下左右に大きく揺れることができ、かつ、使用後の茶葉等を短時間で廃棄することができる茶漉しと、それを用いた急須を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、帯状のリングと柔軟性を有する材料から袋状に形成された透水性膜とからなる茶漉しであって、帯状のリングの一部に切り欠き部、又は切断用切込みを形成することによって、上記課題を解決することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明によれば、以下に示す茶漉しと、それを用いた急須が提供される。
【0010】
[1] 一部切り欠きの帯状のリングと、柔軟性を有する材料により袋状に形成された透水性膜とからなり、急須上部の開口部に嵌るように形成された茶漉しであって、前記袋状の透水性膜の開口部の縁が、前記帯状のリングに接合されてなる茶漉し。
【0011】
[2] 帯状のリングと、柔軟性を有する材料により袋状に形成された透水性膜とからなり、急須上部の開口部に嵌るように形成された茶漉しであって、前記帯状のリングの一部に切断用切込みが形成され、前記袋状の透水性膜の開口部の縁が、前記帯状のリングに接合されてなる茶漉し。
【0012】
[3] 帯状のリングが、多角形状の多角形リングとして形成されている[1]又は[2]に記載の茶漉し。
【0013】
[4] 前記袋状の透水性膜が、不織布、樹脂、及び紙のいずれかの材料から構成されている[1]〜[3]のいずれかに記載の茶漉し。
【0014】
[5] 前記帯状のリングが、紙、樹脂のいずれかの材料から構成されている[1]〜[4]のいずれかに記載の茶漉し。
【0015】
[6] 前記帯状のリングの一部に形成された切り欠き部の円周方向の長さが、0.1mm以上、10mm以下である[1]、[3]〜[5]のいずれかに記載の茶漉し。
【0016】
[7] 前記帯状のリングの一部に形成された切断用切込みの数が、1以上、8以下である[2]〜[5]のいずれかに記載の茶漉し。
【0017】
[8] 前記帯状のリングの一部に、取り出し用摘まみ部が備えられる[1]〜[7]のいずれかに記載の茶漉し。
【0018】
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の茶漉しの前記袋状の透水性膜の内部に、茶葉が封入されてなるティーパック。
【0019】
[10] 外部より茶葉及び液体を供給するための上部に設けられた開口部と、供給された液体を貯留する湯溜りと、外部に液体を注ぐための注ぎ口と、前記開口部に嵌る[1]〜[8]のいずれかに記載の茶漉しと、を備えた急須。
【発明の効果】
【0020】
本発明の茶漉しによれば、帯状のリングを、その一部に切り欠き部を有するように構成した。従って、切り欠き部が形成された帯状のリング(以下、場合により「一部切り欠きの帯状のリング」と称する)を有する本発明の茶漉しは、茶漉しの装着先である急須上部の開口部(以下、「急須開口部」と称する)の直径、又は形状と少し異なる場合でも、直径又は形状を柔軟に変形させることで用いることができる。その際、帯状のリングの直径を購入時のサイズよりも大きく、又は小さくすることで、帯状のリングの直径を急須開口部の直径に一致させることが可能となる。さらに、帯状のリングの購入時の形状を変形させることで、帯状のリングの形状を急須開口部の形状に一致させることが可能となる。
【0021】
なお、本発明の茶漉しによれば、帯状のリングを、その一部に切断用切込みが形成されるように構成することもできる。そうすると、この切断用切込みに沿って帯状のリングを切断し、上記切り欠き部を帯状のリングに形成することが可能となる。従って、帯状のリングの直径を購入時のサイズよりも大きく、又は小さくする必要がないと使用者が判断すれば、切断用切込みに沿って帯状のリングを切断して切り欠き部を形成することなく、そのまま使用することもできる。
【0022】
また、本発明の茶漉しによれば、透水性膜を、柔軟性を有する材料から袋状に形成されるように構成した。柔軟性を有する透水性膜は、帯状のリングに接合され、帯状のリングを介して急須開口部に嵌まる。このように形成された透水性膜は、急須内部において一定の領域に動きが制限されないので、急須内部において上下左右に大きく揺れることが可能となる。その結果、袋状に形成された透水性膜の内部に入れられた茶葉等は、透水性膜が上下左右に揺れ動けば、この透水性膜の揺れに連動して、急須内部を上下左右に揺れ動くこととなる。このことにより、茶葉等が急須開口部に注がれた熱湯などの液体全体と接触するまでに時間が掛からず、短時間で茶成分を十分抽出可能となる。
【0023】
さらに、柔軟性を有しない鋼材等を一切使用せず、使い捨て用に製造された茶漉しは、使用後の茶葉等を破棄する際、茶漉しから使用した茶葉等を取り去るのに必要な時間、および工程を省くことが可能となる。従って、使用した茶漉しをそもそも再度使用できる状態にする必要がなく、例えば、次のお茶等を入れるまでの時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0024】
加えて、上記のように構成したので、1つひとつの茶漉しが安価で作製でき、且つ一般家庭から出る可燃性ごみとして廃棄可能な材料から形成されるので、使用済みの茶漉しをそのままゴミ箱へ入れるだけで済む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態である茶漉しの構成を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態である茶漉しの一部である帯状のリングの構成を示す平面図である。
【図3】本発明の他の実施形態である茶漉しの一部である帯状のリングの構成を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施形態である茶漉しが装着された急須を示す説明図である。
【図5】本発明の他の実施形態である茶漉しの構成を示す説明図である。
【図6A】本発明の他の実施形態である茶漉しの一部である帯状のリングの構成を示す平面図である。
【図6B】図6Aに示すE−F線断面図である。
【図7A】本発明の他の実施形態である茶漉しの一部である多角形リングの構成を示す平面図である。
【図7B】本発明の他の実施形態である茶漉しの一部である多角形リングの構成を示す平面図である。
【図7C】本発明の他の実施形態である茶漉しの一部である多角形リングの構成を示す平面図である。
【図7D】本発明の他の実施形態である茶漉しの一部である多角形リングの構成を示す平面図である。
【図7E】本発明の他の実施形態である茶漉しの一部である多角形リングの構成を示す平面図である。
【図8A】本発明の他の実施形態である茶漉しの構成を示す説明図である。
【図8B】本発明の他の実施形態である茶漉しの構成を示す説明図である。
【図8C】図8Aに示すK−M線断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態である茶漉しが装着された急須を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に含まれることが理解されるべきである。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態である茶漉しの構成を示す説明図である。茶漉し1は、帯状のリング2と、透水性膜4とからなる。帯状のリング2は、その一部に切り欠き部3を有する。透水性膜4は、柔軟性を有する材料から袋状に形成されている。また、上記透水性膜4の開口部5を形成する縁6を、帯状のリング2に接合し、本発明の茶漉し1が作製される。このような構成により、茶漉し1の帯状のリング2の直径、又は形状が、急須開口部11の直径、又は形状と少し異なる場合でも、帯状のリング2を少し変形させるだけで茶漉し1を急須10に装着させることができる。
【0028】
図5及び図6Aは、それぞれ本発明の他の実施形態である茶漉し、帯状のリングの構成を示す説明図である。この実施形態では、購入時、上記切り欠き部3が帯状のリング2に完全に形成されているのではなく、帯状のリング2の一部に切断用切込み25が形成されている。購入後、この切断用切込み25に沿って帯状のリング2を切断することで、帯状のリング2の一部に、例えば図2に示す空隙20が形成されることになる。この空隙20とは、上記切り欠き部3に該当する。切断用切込み25を帯状のリング2の一部に形成することで、購入後の使用者側の判断により、切断用切込み25に沿って帯状のリング2を切断し、切り欠き部3を形成するか否か決定することが可能となる。
【0029】
図7A〜図9は、それぞれ本発明の他の実施形態である茶漉し及びそれに用いる帯状のリングの構成を示す説明図である。この実施形態では、帯状のリング2を、多角形状の多角形リング40として形成したものである。また、複数のV字用切り欠き部41が多角形リング40の長手方向に一定間隔で形成されている。
【0030】
上記透水性膜4は、不織布、樹脂、及び紙のいずれかの柔軟性を有する材料から構成できる。樹脂で透水性膜4を構成する場合、細い繊維にして網状に形成することが好ましい。
【0031】
上記帯状のリング2は、紙、樹脂のいずれか1つの柔軟性を有する材料から構成できる。
【0032】
上記帯状のリング2の一部に形成された切り欠き部3の円周方向の長さは、0.1mm以上、10mm以下であることが好ましい。
【0033】
また、上記帯状のリング2の一部に形成された切断用切込み25の数は、1以上、8以下であることが好ましい。
【0034】
図3は、本発明の他の実施形態である茶漉しの一部である帯状のリングの構成を示す平面図である。図3が示す上記帯状のリング2の一部に、取り出し用摘まみ部30を備えることができる。
【0035】
また、図1に示す茶漉し1の袋状の透水性膜4の内部に、茶葉を封入することにより、ティーパックを構成することができる。
【0036】
図4は、本発明の一実施形態である茶漉しが装着された急須を示す説明図である。急須10は、外部より茶葉等及び熱湯などの液体を供給するための上部に設けられた急須開口部11と、供給された液体を貯留する湯溜り12と、外部に液体を注ぐための注ぎ口13と、上記急須開口部11に嵌る茶漉し1とからなる。
【0037】
本発明において、急須とは、家庭用、業務用および茶会等で使用されるものに限らず、茶を抽出する機能を有する容器であれば良く、陶磁器製、ガラス製、木製、金属製、合成樹脂製等であり、急須開口部の輪郭の変形が無視できる程度に少なく、使用温度において内容物を保持することができる任意の材質のものが使用できる。
【0038】
本発明において、茶葉等とは、葉のみならず、植物の花、果実、根、茎、穀物、豆類等いわゆる広義の茶を抽出するための原料を全て含む。
【0039】
透水性膜4として用いられる不織布としては、例えば、ナイロン又はポリエステル等の軟質材料を選択することができる。より具体的には、山中産業株式会社から市販されているティーロード(商品名)、又はソイロン(商品名)を使用することができる。さらに、透水性膜4に使用する材料は、無害無臭の材料であることが好ましい。このような材料を選択することで、抽出された茶の色、香り、味に悪影響を与えることがない。
【0040】
帯状のリング2に用いられる材料として、透水性膜4を構成する同一の材料を用いることもできる。
【0041】
透水性膜4は、熱湯などの液体と茶葉等とを分離する機能を有する。つまり、透水性膜4は、熱湯などの液体を通すが、茶葉等は通さない。熱湯などの液体を通す透水性の尺度として、「通気性」を用いる場合、透水性膜4の通気性は、100〜500cm3/cm2/sであることが好ましく、100〜300cm3/cm2/sであることがさらに好ましい。通気性が100cm3/cm2/sより小さいと、熱湯などの液体が透水性膜4から透過する速さが遅くなる恐れがある。また、通気性が500cm3/cm2/sより大きいと、袋状の透水性膜4の内部に収められた茶葉等自体が透水性膜4を透過し、透水性膜4の外部の熱湯などの液体に移動することが考えられ、濾過膜としての機能が果たせない。
【0042】
なお、透水性膜4の形状は、特に限定されないが、例えば、カーテン状、またはスカート状に構成することができる。より具体的には、透水性膜4の表面に細長い折り目を縦に、又は横に入れて、襞を形成させることができる。このような構成により、透水性膜4が急須10内部において十分なスペースを確保することができ、茶葉等が急須開口部11に注がれた熱湯等の液体全体と接触しやすくなり、茶葉等が茶漉し1内部で十分に拡散されることになる。
【0043】
次に、帯状のリング2の構成を図2に従って説明する。帯状のリング2の大きさは特に限定されず、急須の大きさによって変形するが、帯状のリング2の開口部5の直径は、3〜15cmであることが好ましく、5〜10cmであることがさらに好ましい。図2に示す帯状のリング2の幅Zは、1〜5mmであることが好ましく、2〜4mmであることがさらに好ましい。なお、帯状のリング2の幅Zは、円周方向に、第一の切断面21から第二の切断面22まで、必ずしも一定である必要はない。
【0044】
帯状のリング2の一箇所を切断することで切り欠き部3が形成される。ここで、「切り欠き部」とは、図2に示す空隙20を意味する。また、図2に示すように、空隙20を挟むようにして円周方向に対向する帯状のリング2の切断面の一方を「第一の切断面:21」、もう一方を「第二の切断面:22」と称する。なお、空隙20は、刃物等で切断することで形成される。空隙20は、人間の目では判断できないほど狭くても良い。つまり、第一の切断面と第二の切断面との間に空隙が形成されているか否か、人間の目から判断できない空隙であっても良い。図2に示すように、第一の切断面21と第二の切断面22との間に形成された空隙20の円周方向の長さXは、0.1〜10mmが好ましく、3〜7mmがさらに好ましい。空隙20の円周方向の長さXは、特に限定されないが、10mmよりも長いと、茶葉等を急須10に入れる際、茶葉の一部が袋状の透水性膜4の内部にではなく、湯溜り12に直接入ってしまう可能性がある。このように、帯状のリング2に切り欠き部3を形成し、かつ帯状のリング2の材料を柔軟性のあるものとすることにより、人の手によって簡単に円周方向に伸縮させることができる。
【0045】
なお、上記「切り欠き部」について、他の実施形態を図5〜図6Bに従って説明する。帯状のリング2の一部に切断用切込み25が形成される。この「切断用切込み」とは、図6Bに示す帯状のリング2のC地点からD地点まで貫通するように形成された細孔26のことである。このように帯状のリング2に細孔26、つまり切断用切込み25を入れることで、切断用切込み25が入った一定の領域の強度が弱まり、強い力を加えずとも、帯状のリング2の上記一定領域、例えば、図6Aに示すA地点からB地点まで帯状のリングを容易に切断することができる。このように帯状のリング2を切断することで、上記切り欠き部3を帯状のリング2の一部に形成することができ、帯状のリング2の直径、又は形状を柔軟に変形させることが可能となる。従って、購入後の使用者側の判断により、切断用切込み25に沿って帯状のリング2を切断し、切り欠き部3を形成するか否か決定することが可能となる。
【0046】
また、図6Aに示すように、帯状のリング2のA地点からB地点までに形成された切断用切込み25の数は、1以上、8以下が好ましく、1以上4以下がさらに好ましい。A地点からB地点までの切断用切込み25の数は、特に限定されないが、8以上であると、帯状のリング2の切断に時間を要する場合があり好ましくない。
【0047】
上記帯状のリング2の一部に形成された切断用切込み25の1つの細孔26の直径は、特に限定されない。また、上記切断用切込み25の1つの細孔26の形状についても特に限定されない。
【0048】
上記透水性膜4の開口部5を形成する縁6と帯状のリング2の縁7の接合方法について、従来公知の接合方法を選択することができる。なお、特に限定されないが、ヒートシールを接合に用いることもできる。また、その他の接合方法として、超音波シール機を用いた接合方法とすることも可能である。
【0049】
なお、図3に示すように、帯状のリング2の一部に取り出し用摘まみ部30を取り付けることもできる。この取り出し用摘まみ部30を上方に引き上げることで、帯状のリング2を急須開口部11から容易に取り外すことが可能となる。また、茶漉し1の着脱時、手で帯状のリング2に直接触れる必要がないため、手が汚れないという効果がある。
【0050】
上記取り出し用摘まみ部30を構成する材料としては、透水性膜4及び帯状のリング2を構成する材料と同一の材料から選択することができる。
【0051】
また、本発明においては、図1に示す茶漉し1の袋状の透水性膜4の内部に、茶葉等を封入することにより、ティーパックを構成することができる。このような構成により、販売者が自ら選択した茶葉等と一緒に茶漉し1を販売することが可能となる。上記透水性膜4の内部に販売時から茶葉等が封入されていることで、使用者は、上記急須10及び熱湯などの液体を用意するだけで済む。
【0052】
図1に示す一部切り欠きの帯状のリング2を供えた茶漉し1を、帯状のリング2の直径よりも小さい直径を有する急須開口部11に装着する場合、空隙20の円周方向の長さXを徐々に狭めるようにして、帯状のリング2の開口部5の直径を小さくする。つまり、空隙20を形成する帯状のリング2の第一の切断面21と第二の切断面22とを人間の手により強制的に接近させ、帯状のリング2の開口部5の直径を、急須開口部11の直径よりも小さいサイズにする。帯状のリング2の開口部5の直径が強制的に狭められた状態を維持したまま、帯状のリング2を急須開口部11に嵌める。その際、強制的に狭められた帯状のリング2の直径は、もとのサイズに戻ろうとするため、外側に広がろうとする力が働いている。その結果、帯状のリング2の直径を強制的に維持した状態で急須開口部11に嵌められた帯状のリング2は、手を放すと同時に元の購入時のサイズに戻ろうとして、急須開口部11に勢い良く嵌る。その際、急須開口部11の縁が障害になり、帯状のリング2が元の直径のサイズに完全に戻ることができない。そのため、帯状のリング2において、元のサイズに戻ろうとする力が継続的に維持される。つまり、外側に広がろうとする力のことである。帯状のリング2におけるこの外側に広がろうとする力が急須開口部11に伝わり、リングが簡単に外れることがない。
【0053】
なお、図5及び図6Aに示す帯状のリング2の一部に切断用切込み25を備えた茶漉し1を用いる場合には、帯状のリング2を装着する急須開口部11の直径が帯状のリング2の開口部の直径よりも大きいか、小さいかを判断した上で、それぞれの直径がほぼ同一ではない場合、切断用切込み部25を予め切断した上で、切り欠き部を形成する。その後の急須10への装着方法については、上述同様である。
【0054】
次に、図7A〜図9に基づいて、本発明の茶漉しに用いる帯状のリングの他の実施形態である多角形リングの構成を説明する。図7E及び図9に示すように、帯状のリングを、多角形リング40として形成することができる。より具体的に説明すると、先ず、図7Aに示す細長い帯状部材42を用意する。次に、この細長い帯状部材42の長手方向の中心線43に沿って、図7Bに示すように、帯状部材42を二つに折り曲げる。長手方向の中心線43に沿って二つに折り曲げられた帯状部材42の、中心線43から見ていずれか一方の長辺側の縁に、図7Bに示すように、複数のV字部用切り欠き部41を一定間隔で形成する。複数のV字部用切り欠き部41を帯状部材42に形成することで、帯状部材42が図7Eのように円形状に変形し易くなる。
【0055】
図7Bに示す複数のV字部用切り欠き部41が一定間隔で形成された帯状部材42を、長手方向の中心部で二つに折り畳むことで、図7Cに示すように、使用前の多角形リング40として形成できる。なお、上記二つに折り畳む工程を削減するために、図7Bに示す上記帯状部材42を2つ用意し、この2つの別々の帯状部材42を並べることで、図7Dに示すように、使用前の多角形リング40とすることもできる。2つの別々の帯状部材42から使用前の多角形リング40を作製する際、図8A〜図8Cに示すように、透水性膜4を介して2つの別々の帯状部材42が連結可能となる。2つの別々の帯状部材42から使用前の多角形リング40を作製する際、2つの別々の帯状部材42は、同一の長さを有していることが好ましい。なお、図7Eに示すように、使用前の多角形リング40を円形状に変形することで、多角形リング40は、多角形状を形成することになる。
【0056】
なお、図7B、図8A〜図8Cに示すように、帯状部材42の長手方向の中心線から見て、複数のV字部用切り欠き部41が形成されていない他方の長辺側の縁45に、図1及び図4に示す袋状に形成された透水性膜4の開口部5が接合される。上記透水性膜4の開口部5を帯状部材42の縁45に接合する方法については、上述しているように、従来公知の接合方法を選択することができる。なお、特に限定されないが、ヒートシールを接合に用いることもできる。また、その他の接合方法として、超音波シール機を用いた接合方法とすることも可能である。なお、袋状に形成された透水性膜4を帯状部材42に接合する順序は、複数のV字部用切り欠き部41を帯状部材42に形成する前であっても、後であっても良い。さらに、袋状に形成された透水性膜4を帯状部材42に接合する順序は、複数のV字部用切り欠き部41が形成された帯状部材42を折り畳む前であっても、後であっても良い。
【0057】
なお、帯状部材42に形成されるV字部用切り欠き部41の数は、特に限定されないが、8〜16であることが好ましく、10〜12であることがさらに好ましい。なお、V字部用切り欠き部41の数が、8より少ないと、多角形リング40の形状を、円形状に近づけることが難しくなる。また、V字部用切り欠き部41の数が、16より多いと、多角形リング40の強度が弱まる恐れがあり、好ましくない。さらに、複数のV字部用切り欠き部41を帯状部材42にほぼ一定間隔で形成することが好ましく、複数のV字部用切り欠き部41間の間隔が全て同一であることがさらに好ましい。複数のV字部用切り欠き部41間の間隔をほぼ同一とすることで、図7Eに示すように、正多角形を形成することが可能となり、多角形リング40を図9に示す急須開口部11に嵌めやすくなる。
【0058】
図7A〜図9に示す複数のV字部用切り欠き部41が形成された多角形リング40は、製造当初から円形状に作製する必要はない。多角形リング40を初めから円形状に作製する工程は、当然に、V字部用切り欠き部41が複数形成された細長い帯状部材42を二つに折り曲げる工程よりも遥かに高度な技術が要求されるので、作製に掛かる費用もかさむことになる。従って、図7A〜図9に示す本発明の他の実施形態は、製造費用が安価になるという利点を有している。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の茶漉しは、上部開口部の大きさが異なるいろいろな種類の急須に用いることができ、また、茶葉等を収容する部分が柔軟性のある透水性膜から構成されているので、茶漉しを装着した(嵌めた)急須を適度に揺らすことで、茶葉と熱湯が十分に接触して茶成分の抽出が促進され、さらには取替え自在で使い捨て可能であるという作用効果を発揮できるため、産業上の利用価値が多大である。
【符号の説明】
【0060】
1:茶漉し、2:帯状のリング、3:切り欠き部、4:透水性膜、5:開口部、6,7:縁(帯状のリングの縁、透水性膜の縁)、10:急須、11:急須開口部、12:湯溜り、13:注ぎ口、14:蓋、20:空隙、21:第一の切断面、22:第二の切断面、25:切断用切込み、26:細孔、30:取り出し用摘み部、40:多角形リング、41:V字部用切り欠き部、42:帯状部材、43:中心線、45:多角形リングの縁、A:A地点、B:B地点、C:C地点、D:D地点、X:円周方向の長さ、Z:帯状のリングの幅
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑茶、紅茶、烏龍茶等を抽出するための茶漉し及びそれを用いた急須に関する。
【背景技術】
【0002】
茶漉しによる茶の抽出は、茶漉しを急須の上部の開口部(以下、「急須開口部」と称する)に装着し、茶葉等を茶漉しに入れ、熱湯などの液体を急須開口部に注ぎいれることにより行われるのが一般的である。その後、使用した茶葉等に応じた時間、通常は数十秒から数分程度、放置され、さらに場合により、急須全体を揺らすことが行われる。この際、茶漉し中において、茶葉等は熱湯などの液体と十分に接触し、茶成分が抽出される。そして、このようにして抽出された茶は、良好な色、香り、味を備えている。
【0003】
従来から、金属やプラスチック等の柔軟性を有しない鋼材を袋状に形成して作製された茶漉しが広く知られている。このような茶漉しは、使い捨て用に製造されていないから、使用後に茶葉等を廃棄する際、先ず使用した茶漉しから茶葉等を取り去り、次に茶漉しの網状内壁面にへばり付いた茶葉等を水などで洗い落とす必要がある。なお、茶漉しの網状内壁面に絡まり付いた茶葉等を取り去ることに、時間が一番要求されることになる。従って、茶漉しを再度使用できる状態にするまでに時間がかかるという問題がある。これに対して、通水性のある外枠フレームの支持具を急須に装着し、着脱可能な濾過材を外枠フレームの支持具の上に敷くことで、茶殻の処理を容易にすることが提案されている(特許文献1)。
【0004】
また、急須開口部に装着された茶漉しの袋状部が鋼材から構成される場合、茶漉しの袋状部は柔軟性を有しないために、一定の領域に固定され、上下左右に動くことがない。この現象は、特許文献1に開示の上記外枠フレームの支持具にも当てはまる。その結果、一定の領域に固定された茶漉しの袋状部に入れられた茶葉等は、一定の領域内に限ってのみ動くことしかできない。このような構造において、茶葉等が急須に注がれた熱湯などの液体全体と接触するまでには時間がかかり、茶成分を十分抽出できないという問題がある。
【0005】
さらに、茶漉しの帯状のリングが柔軟性を有しない鋼材から形成された場合、帯状のリングの直径を、帯状のリングの購入時の直径よりも大きく、又は小さくするのが難しく、さらに帯状のリングの購入時の形状を変形させるのも難しい。このように変形することが難しい帯状のリングを有する茶漉しは、帯状のリングの直径とほぼ同じサイズの直径を有する急須開口部にのみ設置することしかできない。特に、帯状のリングの直径が、急須開口部の直径よりもサイズが大きい場合、茶漉しを急須開口部に密着させるように嵌めることが難しくなり、急須開口部と急須開口部を塞ぐ蓋との間に隙間が形成されてしまう恐れがある。このため、茶葉等を熱湯などの液体中に浸す場合、水蒸気が上記隙間から漏れ出し、茶葉等を十分に蒸らすことができないという問題がある。このようにして抽出された茶は、良好な色、香り、味を備えることが極めて困難である。さらに、上記隙間が形成された場合、急須全体を揺らすことをすれば、急須内部に注がれた熱湯などの液体が急須外部へ放出されるという問題が生じる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−284193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、茶漉しのリングの直径と急須開口部の直径とがほぼ同じサイズである必要がなく、茶漉しの袋状部が急須内部で上下左右に大きく揺れることができ、かつ、使用後の茶葉等を短時間で廃棄することができる茶漉しと、それを用いた急須を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、帯状のリングと柔軟性を有する材料から袋状に形成された透水性膜とからなる茶漉しであって、帯状のリングの一部に切り欠き部、又は切断用切込みを形成することによって、上記課題を解決することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明によれば、以下に示す茶漉しと、それを用いた急須が提供される。
【0010】
[1] 一部切り欠きの帯状のリングと、柔軟性を有する材料により袋状に形成された透水性膜とからなり、急須上部の開口部に嵌るように形成された茶漉しであって、前記袋状の透水性膜の開口部の縁が、前記帯状のリングに接合されてなる茶漉し。
【0011】
[2] 帯状のリングと、柔軟性を有する材料により袋状に形成された透水性膜とからなり、急須上部の開口部に嵌るように形成された茶漉しであって、前記帯状のリングの一部に切断用切込みが形成され、前記袋状の透水性膜の開口部の縁が、前記帯状のリングに接合されてなる茶漉し。
【0012】
[3] 帯状のリングが、多角形状の多角形リングとして形成されている[1]又は[2]に記載の茶漉し。
【0013】
[4] 前記袋状の透水性膜が、不織布、樹脂、及び紙のいずれかの材料から構成されている[1]〜[3]のいずれかに記載の茶漉し。
【0014】
[5] 前記帯状のリングが、紙、樹脂のいずれかの材料から構成されている[1]〜[4]のいずれかに記載の茶漉し。
【0015】
[6] 前記帯状のリングの一部に形成された切り欠き部の円周方向の長さが、0.1mm以上、10mm以下である[1]、[3]〜[5]のいずれかに記載の茶漉し。
【0016】
[7] 前記帯状のリングの一部に形成された切断用切込みの数が、1以上、8以下である[2]〜[5]のいずれかに記載の茶漉し。
【0017】
[8] 前記帯状のリングの一部に、取り出し用摘まみ部が備えられる[1]〜[7]のいずれかに記載の茶漉し。
【0018】
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の茶漉しの前記袋状の透水性膜の内部に、茶葉が封入されてなるティーパック。
【0019】
[10] 外部より茶葉及び液体を供給するための上部に設けられた開口部と、供給された液体を貯留する湯溜りと、外部に液体を注ぐための注ぎ口と、前記開口部に嵌る[1]〜[8]のいずれかに記載の茶漉しと、を備えた急須。
【発明の効果】
【0020】
本発明の茶漉しによれば、帯状のリングを、その一部に切り欠き部を有するように構成した。従って、切り欠き部が形成された帯状のリング(以下、場合により「一部切り欠きの帯状のリング」と称する)を有する本発明の茶漉しは、茶漉しの装着先である急須上部の開口部(以下、「急須開口部」と称する)の直径、又は形状と少し異なる場合でも、直径又は形状を柔軟に変形させることで用いることができる。その際、帯状のリングの直径を購入時のサイズよりも大きく、又は小さくすることで、帯状のリングの直径を急須開口部の直径に一致させることが可能となる。さらに、帯状のリングの購入時の形状を変形させることで、帯状のリングの形状を急須開口部の形状に一致させることが可能となる。
【0021】
なお、本発明の茶漉しによれば、帯状のリングを、その一部に切断用切込みが形成されるように構成することもできる。そうすると、この切断用切込みに沿って帯状のリングを切断し、上記切り欠き部を帯状のリングに形成することが可能となる。従って、帯状のリングの直径を購入時のサイズよりも大きく、又は小さくする必要がないと使用者が判断すれば、切断用切込みに沿って帯状のリングを切断して切り欠き部を形成することなく、そのまま使用することもできる。
【0022】
また、本発明の茶漉しによれば、透水性膜を、柔軟性を有する材料から袋状に形成されるように構成した。柔軟性を有する透水性膜は、帯状のリングに接合され、帯状のリングを介して急須開口部に嵌まる。このように形成された透水性膜は、急須内部において一定の領域に動きが制限されないので、急須内部において上下左右に大きく揺れることが可能となる。その結果、袋状に形成された透水性膜の内部に入れられた茶葉等は、透水性膜が上下左右に揺れ動けば、この透水性膜の揺れに連動して、急須内部を上下左右に揺れ動くこととなる。このことにより、茶葉等が急須開口部に注がれた熱湯などの液体全体と接触するまでに時間が掛からず、短時間で茶成分を十分抽出可能となる。
【0023】
さらに、柔軟性を有しない鋼材等を一切使用せず、使い捨て用に製造された茶漉しは、使用後の茶葉等を破棄する際、茶漉しから使用した茶葉等を取り去るのに必要な時間、および工程を省くことが可能となる。従って、使用した茶漉しをそもそも再度使用できる状態にする必要がなく、例えば、次のお茶等を入れるまでの時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0024】
加えて、上記のように構成したので、1つひとつの茶漉しが安価で作製でき、且つ一般家庭から出る可燃性ごみとして廃棄可能な材料から形成されるので、使用済みの茶漉しをそのままゴミ箱へ入れるだけで済む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態である茶漉しの構成を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態である茶漉しの一部である帯状のリングの構成を示す平面図である。
【図3】本発明の他の実施形態である茶漉しの一部である帯状のリングの構成を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施形態である茶漉しが装着された急須を示す説明図である。
【図5】本発明の他の実施形態である茶漉しの構成を示す説明図である。
【図6A】本発明の他の実施形態である茶漉しの一部である帯状のリングの構成を示す平面図である。
【図6B】図6Aに示すE−F線断面図である。
【図7A】本発明の他の実施形態である茶漉しの一部である多角形リングの構成を示す平面図である。
【図7B】本発明の他の実施形態である茶漉しの一部である多角形リングの構成を示す平面図である。
【図7C】本発明の他の実施形態である茶漉しの一部である多角形リングの構成を示す平面図である。
【図7D】本発明の他の実施形態である茶漉しの一部である多角形リングの構成を示す平面図である。
【図7E】本発明の他の実施形態である茶漉しの一部である多角形リングの構成を示す平面図である。
【図8A】本発明の他の実施形態である茶漉しの構成を示す説明図である。
【図8B】本発明の他の実施形態である茶漉しの構成を示す説明図である。
【図8C】図8Aに示すK−M線断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態である茶漉しが装着された急須を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に含まれることが理解されるべきである。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態である茶漉しの構成を示す説明図である。茶漉し1は、帯状のリング2と、透水性膜4とからなる。帯状のリング2は、その一部に切り欠き部3を有する。透水性膜4は、柔軟性を有する材料から袋状に形成されている。また、上記透水性膜4の開口部5を形成する縁6を、帯状のリング2に接合し、本発明の茶漉し1が作製される。このような構成により、茶漉し1の帯状のリング2の直径、又は形状が、急須開口部11の直径、又は形状と少し異なる場合でも、帯状のリング2を少し変形させるだけで茶漉し1を急須10に装着させることができる。
【0028】
図5及び図6Aは、それぞれ本発明の他の実施形態である茶漉し、帯状のリングの構成を示す説明図である。この実施形態では、購入時、上記切り欠き部3が帯状のリング2に完全に形成されているのではなく、帯状のリング2の一部に切断用切込み25が形成されている。購入後、この切断用切込み25に沿って帯状のリング2を切断することで、帯状のリング2の一部に、例えば図2に示す空隙20が形成されることになる。この空隙20とは、上記切り欠き部3に該当する。切断用切込み25を帯状のリング2の一部に形成することで、購入後の使用者側の判断により、切断用切込み25に沿って帯状のリング2を切断し、切り欠き部3を形成するか否か決定することが可能となる。
【0029】
図7A〜図9は、それぞれ本発明の他の実施形態である茶漉し及びそれに用いる帯状のリングの構成を示す説明図である。この実施形態では、帯状のリング2を、多角形状の多角形リング40として形成したものである。また、複数のV字用切り欠き部41が多角形リング40の長手方向に一定間隔で形成されている。
【0030】
上記透水性膜4は、不織布、樹脂、及び紙のいずれかの柔軟性を有する材料から構成できる。樹脂で透水性膜4を構成する場合、細い繊維にして網状に形成することが好ましい。
【0031】
上記帯状のリング2は、紙、樹脂のいずれか1つの柔軟性を有する材料から構成できる。
【0032】
上記帯状のリング2の一部に形成された切り欠き部3の円周方向の長さは、0.1mm以上、10mm以下であることが好ましい。
【0033】
また、上記帯状のリング2の一部に形成された切断用切込み25の数は、1以上、8以下であることが好ましい。
【0034】
図3は、本発明の他の実施形態である茶漉しの一部である帯状のリングの構成を示す平面図である。図3が示す上記帯状のリング2の一部に、取り出し用摘まみ部30を備えることができる。
【0035】
また、図1に示す茶漉し1の袋状の透水性膜4の内部に、茶葉を封入することにより、ティーパックを構成することができる。
【0036】
図4は、本発明の一実施形態である茶漉しが装着された急須を示す説明図である。急須10は、外部より茶葉等及び熱湯などの液体を供給するための上部に設けられた急須開口部11と、供給された液体を貯留する湯溜り12と、外部に液体を注ぐための注ぎ口13と、上記急須開口部11に嵌る茶漉し1とからなる。
【0037】
本発明において、急須とは、家庭用、業務用および茶会等で使用されるものに限らず、茶を抽出する機能を有する容器であれば良く、陶磁器製、ガラス製、木製、金属製、合成樹脂製等であり、急須開口部の輪郭の変形が無視できる程度に少なく、使用温度において内容物を保持することができる任意の材質のものが使用できる。
【0038】
本発明において、茶葉等とは、葉のみならず、植物の花、果実、根、茎、穀物、豆類等いわゆる広義の茶を抽出するための原料を全て含む。
【0039】
透水性膜4として用いられる不織布としては、例えば、ナイロン又はポリエステル等の軟質材料を選択することができる。より具体的には、山中産業株式会社から市販されているティーロード(商品名)、又はソイロン(商品名)を使用することができる。さらに、透水性膜4に使用する材料は、無害無臭の材料であることが好ましい。このような材料を選択することで、抽出された茶の色、香り、味に悪影響を与えることがない。
【0040】
帯状のリング2に用いられる材料として、透水性膜4を構成する同一の材料を用いることもできる。
【0041】
透水性膜4は、熱湯などの液体と茶葉等とを分離する機能を有する。つまり、透水性膜4は、熱湯などの液体を通すが、茶葉等は通さない。熱湯などの液体を通す透水性の尺度として、「通気性」を用いる場合、透水性膜4の通気性は、100〜500cm3/cm2/sであることが好ましく、100〜300cm3/cm2/sであることがさらに好ましい。通気性が100cm3/cm2/sより小さいと、熱湯などの液体が透水性膜4から透過する速さが遅くなる恐れがある。また、通気性が500cm3/cm2/sより大きいと、袋状の透水性膜4の内部に収められた茶葉等自体が透水性膜4を透過し、透水性膜4の外部の熱湯などの液体に移動することが考えられ、濾過膜としての機能が果たせない。
【0042】
なお、透水性膜4の形状は、特に限定されないが、例えば、カーテン状、またはスカート状に構成することができる。より具体的には、透水性膜4の表面に細長い折り目を縦に、又は横に入れて、襞を形成させることができる。このような構成により、透水性膜4が急須10内部において十分なスペースを確保することができ、茶葉等が急須開口部11に注がれた熱湯等の液体全体と接触しやすくなり、茶葉等が茶漉し1内部で十分に拡散されることになる。
【0043】
次に、帯状のリング2の構成を図2に従って説明する。帯状のリング2の大きさは特に限定されず、急須の大きさによって変形するが、帯状のリング2の開口部5の直径は、3〜15cmであることが好ましく、5〜10cmであることがさらに好ましい。図2に示す帯状のリング2の幅Zは、1〜5mmであることが好ましく、2〜4mmであることがさらに好ましい。なお、帯状のリング2の幅Zは、円周方向に、第一の切断面21から第二の切断面22まで、必ずしも一定である必要はない。
【0044】
帯状のリング2の一箇所を切断することで切り欠き部3が形成される。ここで、「切り欠き部」とは、図2に示す空隙20を意味する。また、図2に示すように、空隙20を挟むようにして円周方向に対向する帯状のリング2の切断面の一方を「第一の切断面:21」、もう一方を「第二の切断面:22」と称する。なお、空隙20は、刃物等で切断することで形成される。空隙20は、人間の目では判断できないほど狭くても良い。つまり、第一の切断面と第二の切断面との間に空隙が形成されているか否か、人間の目から判断できない空隙であっても良い。図2に示すように、第一の切断面21と第二の切断面22との間に形成された空隙20の円周方向の長さXは、0.1〜10mmが好ましく、3〜7mmがさらに好ましい。空隙20の円周方向の長さXは、特に限定されないが、10mmよりも長いと、茶葉等を急須10に入れる際、茶葉の一部が袋状の透水性膜4の内部にではなく、湯溜り12に直接入ってしまう可能性がある。このように、帯状のリング2に切り欠き部3を形成し、かつ帯状のリング2の材料を柔軟性のあるものとすることにより、人の手によって簡単に円周方向に伸縮させることができる。
【0045】
なお、上記「切り欠き部」について、他の実施形態を図5〜図6Bに従って説明する。帯状のリング2の一部に切断用切込み25が形成される。この「切断用切込み」とは、図6Bに示す帯状のリング2のC地点からD地点まで貫通するように形成された細孔26のことである。このように帯状のリング2に細孔26、つまり切断用切込み25を入れることで、切断用切込み25が入った一定の領域の強度が弱まり、強い力を加えずとも、帯状のリング2の上記一定領域、例えば、図6Aに示すA地点からB地点まで帯状のリングを容易に切断することができる。このように帯状のリング2を切断することで、上記切り欠き部3を帯状のリング2の一部に形成することができ、帯状のリング2の直径、又は形状を柔軟に変形させることが可能となる。従って、購入後の使用者側の判断により、切断用切込み25に沿って帯状のリング2を切断し、切り欠き部3を形成するか否か決定することが可能となる。
【0046】
また、図6Aに示すように、帯状のリング2のA地点からB地点までに形成された切断用切込み25の数は、1以上、8以下が好ましく、1以上4以下がさらに好ましい。A地点からB地点までの切断用切込み25の数は、特に限定されないが、8以上であると、帯状のリング2の切断に時間を要する場合があり好ましくない。
【0047】
上記帯状のリング2の一部に形成された切断用切込み25の1つの細孔26の直径は、特に限定されない。また、上記切断用切込み25の1つの細孔26の形状についても特に限定されない。
【0048】
上記透水性膜4の開口部5を形成する縁6と帯状のリング2の縁7の接合方法について、従来公知の接合方法を選択することができる。なお、特に限定されないが、ヒートシールを接合に用いることもできる。また、その他の接合方法として、超音波シール機を用いた接合方法とすることも可能である。
【0049】
なお、図3に示すように、帯状のリング2の一部に取り出し用摘まみ部30を取り付けることもできる。この取り出し用摘まみ部30を上方に引き上げることで、帯状のリング2を急須開口部11から容易に取り外すことが可能となる。また、茶漉し1の着脱時、手で帯状のリング2に直接触れる必要がないため、手が汚れないという効果がある。
【0050】
上記取り出し用摘まみ部30を構成する材料としては、透水性膜4及び帯状のリング2を構成する材料と同一の材料から選択することができる。
【0051】
また、本発明においては、図1に示す茶漉し1の袋状の透水性膜4の内部に、茶葉等を封入することにより、ティーパックを構成することができる。このような構成により、販売者が自ら選択した茶葉等と一緒に茶漉し1を販売することが可能となる。上記透水性膜4の内部に販売時から茶葉等が封入されていることで、使用者は、上記急須10及び熱湯などの液体を用意するだけで済む。
【0052】
図1に示す一部切り欠きの帯状のリング2を供えた茶漉し1を、帯状のリング2の直径よりも小さい直径を有する急須開口部11に装着する場合、空隙20の円周方向の長さXを徐々に狭めるようにして、帯状のリング2の開口部5の直径を小さくする。つまり、空隙20を形成する帯状のリング2の第一の切断面21と第二の切断面22とを人間の手により強制的に接近させ、帯状のリング2の開口部5の直径を、急須開口部11の直径よりも小さいサイズにする。帯状のリング2の開口部5の直径が強制的に狭められた状態を維持したまま、帯状のリング2を急須開口部11に嵌める。その際、強制的に狭められた帯状のリング2の直径は、もとのサイズに戻ろうとするため、外側に広がろうとする力が働いている。その結果、帯状のリング2の直径を強制的に維持した状態で急須開口部11に嵌められた帯状のリング2は、手を放すと同時に元の購入時のサイズに戻ろうとして、急須開口部11に勢い良く嵌る。その際、急須開口部11の縁が障害になり、帯状のリング2が元の直径のサイズに完全に戻ることができない。そのため、帯状のリング2において、元のサイズに戻ろうとする力が継続的に維持される。つまり、外側に広がろうとする力のことである。帯状のリング2におけるこの外側に広がろうとする力が急須開口部11に伝わり、リングが簡単に外れることがない。
【0053】
なお、図5及び図6Aに示す帯状のリング2の一部に切断用切込み25を備えた茶漉し1を用いる場合には、帯状のリング2を装着する急須開口部11の直径が帯状のリング2の開口部の直径よりも大きいか、小さいかを判断した上で、それぞれの直径がほぼ同一ではない場合、切断用切込み部25を予め切断した上で、切り欠き部を形成する。その後の急須10への装着方法については、上述同様である。
【0054】
次に、図7A〜図9に基づいて、本発明の茶漉しに用いる帯状のリングの他の実施形態である多角形リングの構成を説明する。図7E及び図9に示すように、帯状のリングを、多角形リング40として形成することができる。より具体的に説明すると、先ず、図7Aに示す細長い帯状部材42を用意する。次に、この細長い帯状部材42の長手方向の中心線43に沿って、図7Bに示すように、帯状部材42を二つに折り曲げる。長手方向の中心線43に沿って二つに折り曲げられた帯状部材42の、中心線43から見ていずれか一方の長辺側の縁に、図7Bに示すように、複数のV字部用切り欠き部41を一定間隔で形成する。複数のV字部用切り欠き部41を帯状部材42に形成することで、帯状部材42が図7Eのように円形状に変形し易くなる。
【0055】
図7Bに示す複数のV字部用切り欠き部41が一定間隔で形成された帯状部材42を、長手方向の中心部で二つに折り畳むことで、図7Cに示すように、使用前の多角形リング40として形成できる。なお、上記二つに折り畳む工程を削減するために、図7Bに示す上記帯状部材42を2つ用意し、この2つの別々の帯状部材42を並べることで、図7Dに示すように、使用前の多角形リング40とすることもできる。2つの別々の帯状部材42から使用前の多角形リング40を作製する際、図8A〜図8Cに示すように、透水性膜4を介して2つの別々の帯状部材42が連結可能となる。2つの別々の帯状部材42から使用前の多角形リング40を作製する際、2つの別々の帯状部材42は、同一の長さを有していることが好ましい。なお、図7Eに示すように、使用前の多角形リング40を円形状に変形することで、多角形リング40は、多角形状を形成することになる。
【0056】
なお、図7B、図8A〜図8Cに示すように、帯状部材42の長手方向の中心線から見て、複数のV字部用切り欠き部41が形成されていない他方の長辺側の縁45に、図1及び図4に示す袋状に形成された透水性膜4の開口部5が接合される。上記透水性膜4の開口部5を帯状部材42の縁45に接合する方法については、上述しているように、従来公知の接合方法を選択することができる。なお、特に限定されないが、ヒートシールを接合に用いることもできる。また、その他の接合方法として、超音波シール機を用いた接合方法とすることも可能である。なお、袋状に形成された透水性膜4を帯状部材42に接合する順序は、複数のV字部用切り欠き部41を帯状部材42に形成する前であっても、後であっても良い。さらに、袋状に形成された透水性膜4を帯状部材42に接合する順序は、複数のV字部用切り欠き部41が形成された帯状部材42を折り畳む前であっても、後であっても良い。
【0057】
なお、帯状部材42に形成されるV字部用切り欠き部41の数は、特に限定されないが、8〜16であることが好ましく、10〜12であることがさらに好ましい。なお、V字部用切り欠き部41の数が、8より少ないと、多角形リング40の形状を、円形状に近づけることが難しくなる。また、V字部用切り欠き部41の数が、16より多いと、多角形リング40の強度が弱まる恐れがあり、好ましくない。さらに、複数のV字部用切り欠き部41を帯状部材42にほぼ一定間隔で形成することが好ましく、複数のV字部用切り欠き部41間の間隔が全て同一であることがさらに好ましい。複数のV字部用切り欠き部41間の間隔をほぼ同一とすることで、図7Eに示すように、正多角形を形成することが可能となり、多角形リング40を図9に示す急須開口部11に嵌めやすくなる。
【0058】
図7A〜図9に示す複数のV字部用切り欠き部41が形成された多角形リング40は、製造当初から円形状に作製する必要はない。多角形リング40を初めから円形状に作製する工程は、当然に、V字部用切り欠き部41が複数形成された細長い帯状部材42を二つに折り曲げる工程よりも遥かに高度な技術が要求されるので、作製に掛かる費用もかさむことになる。従って、図7A〜図9に示す本発明の他の実施形態は、製造費用が安価になるという利点を有している。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の茶漉しは、上部開口部の大きさが異なるいろいろな種類の急須に用いることができ、また、茶葉等を収容する部分が柔軟性のある透水性膜から構成されているので、茶漉しを装着した(嵌めた)急須を適度に揺らすことで、茶葉と熱湯が十分に接触して茶成分の抽出が促進され、さらには取替え自在で使い捨て可能であるという作用効果を発揮できるため、産業上の利用価値が多大である。
【符号の説明】
【0060】
1:茶漉し、2:帯状のリング、3:切り欠き部、4:透水性膜、5:開口部、6,7:縁(帯状のリングの縁、透水性膜の縁)、10:急須、11:急須開口部、12:湯溜り、13:注ぎ口、14:蓋、20:空隙、21:第一の切断面、22:第二の切断面、25:切断用切込み、26:細孔、30:取り出し用摘み部、40:多角形リング、41:V字部用切り欠き部、42:帯状部材、43:中心線、45:多角形リングの縁、A:A地点、B:B地点、C:C地点、D:D地点、X:円周方向の長さ、Z:帯状のリングの幅
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部切り欠きの帯状のリングと、柔軟性を有する材料により袋状に形成された透水性膜とからなり、急須上部の開口部に嵌るように形成された茶漉しであって、
前記袋状の透水性膜の開口部の縁が、前記帯状のリングに接合されてなる茶漉し。
【請求項2】
帯状のリングと、柔軟性を有する材料により袋状に形成された透水性膜とからなり、急須上部の開口部に嵌るように形成された茶漉しであって、
前記帯状のリングの一部に切断用切込みが形成され、
前記袋状の透水性膜の開口部の縁が、前記帯状のリングに接合されてなる茶漉し。
【請求項3】
前記帯状のリングが、多角形状の多角形リングとして形成されている請求項1又は2に記載の茶漉し。
【請求項4】
前記袋状の透水性膜が、不織布、樹脂、及び紙のいずれかの材料から柔軟性を有するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の茶漉し。
【請求項5】
前記帯状のリングが、紙、樹脂のいずれか1つの材料から構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の茶漉し。
【請求項6】
前記帯状のリングの一部に形成された切り欠き部の円周方向の長さが、0.1mm以上、10mm以下である請求項1、3〜5のいずれか1項に記載の茶漉し。
【請求項7】
前記帯状のリングの一部に形成された切断用切込みの数が、1以上、8以下である請求項2〜5のいずれか1項に記載の茶漉し。
【請求項8】
前記帯状のリングの一部に、取り出し用摘まみ部が備えられる請求項1〜7のいずれか1項に記載の茶漉し。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の茶漉しの前記袋状の透水性膜内部に、茶葉が封入されてなるティーパック。
【請求項10】
外部より茶葉及び液体を供給するための上部に設けられた開口部と、
供給された液体を貯留する湯溜りと、
外部に液体を注ぐための注ぎ口と、
前記開口部に嵌る請求項1〜8のいずれか1項に記載の茶漉しと、を備えた急須。
【請求項1】
一部切り欠きの帯状のリングと、柔軟性を有する材料により袋状に形成された透水性膜とからなり、急須上部の開口部に嵌るように形成された茶漉しであって、
前記袋状の透水性膜の開口部の縁が、前記帯状のリングに接合されてなる茶漉し。
【請求項2】
帯状のリングと、柔軟性を有する材料により袋状に形成された透水性膜とからなり、急須上部の開口部に嵌るように形成された茶漉しであって、
前記帯状のリングの一部に切断用切込みが形成され、
前記袋状の透水性膜の開口部の縁が、前記帯状のリングに接合されてなる茶漉し。
【請求項3】
前記帯状のリングが、多角形状の多角形リングとして形成されている請求項1又は2に記載の茶漉し。
【請求項4】
前記袋状の透水性膜が、不織布、樹脂、及び紙のいずれかの材料から柔軟性を有するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の茶漉し。
【請求項5】
前記帯状のリングが、紙、樹脂のいずれか1つの材料から構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の茶漉し。
【請求項6】
前記帯状のリングの一部に形成された切り欠き部の円周方向の長さが、0.1mm以上、10mm以下である請求項1、3〜5のいずれか1項に記載の茶漉し。
【請求項7】
前記帯状のリングの一部に形成された切断用切込みの数が、1以上、8以下である請求項2〜5のいずれか1項に記載の茶漉し。
【請求項8】
前記帯状のリングの一部に、取り出し用摘まみ部が備えられる請求項1〜7のいずれか1項に記載の茶漉し。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の茶漉しの前記袋状の透水性膜内部に、茶葉が封入されてなるティーパック。
【請求項10】
外部より茶葉及び液体を供給するための上部に設けられた開口部と、
供給された液体を貯留する湯溜りと、
外部に液体を注ぐための注ぎ口と、
前記開口部に嵌る請求項1〜8のいずれか1項に記載の茶漉しと、を備えた急須。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【公開番号】特開2013−99488(P2013−99488A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256263(P2011−256263)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(305043755)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(305043755)
【Fターム(参考)】
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