説明

荷を取り扱うことに使用するための装置及び方法

荷を取り扱うことに使用するための装置であって、負荷ロープ(1)とサービスケーブル(2)は、それらが送り出される時に、相互に巻き付けられ、該サービスケーブルと負荷ロープの周りに固定部材(17)を巻き付け、これらのいずれかが回収される時に、前記固定部材を前記サービスケーブルと負荷ロープから解くためのラッピング装置を有する。固定部材が前記サービスケーブルと負荷ロープのホイストロープの周りに巻き付けられ、前記負荷ロープに対してサービスケーブルを保持し、サービスケーブルが負荷ロープをずり下がる程度を減じる。前記固定部材は、ストリップ、テープ、又はリボンの形態で偏平になることができ、あるいはロープの形態で円形の断面を有することができる。好ましい態様では、前記固定部材は、弾性体であり、張力が加えられて前記ロープに用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷を上げ下げすること、あるいは牽引することが可能な荷を取り扱うこと、そしてまた前記荷に接続されたサービスケーブル及び/又はホースを取り扱うことに使用するための装置に関する。本発明は、特に、しかし排他的ではなく、物をつかみとる装置のような海中装置をとり扱うことに適用できる。
【0002】
水中装置にサービスを提供するためには、しばしば、各用途にあった特別のケーブル及び/又はホースの束を準備する必要がある。いくつかの用途のために、外装ホイストロープ内にサービスの束を組み込むことが知られている。このアプローチには多くの欠陥がある。その結果のロープは、コストがかかり、引上げ特性に劣り、そして取り扱うことのできるロープの直径の制限により、組み込むことのできるサービスが制限される。さらに、特に、この態様では前記ロープの長さを足すこと、あるいは異なるタイプの素材、例えばワイヤーロープとファイバーロープをつなげることが不可能である。
【0003】
高価な外装ホイストロープを用いる必要をなくすため、ロープの周りにサービスケーブルを巻き付けること、あるいは、その逆により、水中装置にサービスを提供することが知られている。しかしながら、水流及び/又は装置を操作する船の移動により、サービスケーブル及びロープは、ストレス下に置かれ、サービスケーブルとロープが互いから引き離され、サービスケーブルがロープをすべり落ち若しくはずり落ちる。
【0004】
本発明のある側面によれば、荷を取り扱うことに使用するための装置であって、負荷ロープと、該負荷ロープを送り出し回収するための機構と、サービスケーブル及び該サービスケーブルを保持するためのサービスケーブルホルダーと、前記サービスケーブルと前記負荷ロープが送り出される時に、これらの一方を他方の周りで回転させて2つを互いに巻き付け、これらが回収される時に、これらを互いから解く第1のラッピング装置と、固定部材を保持し送り出すための機構と、該固定部材を前記サービスケーブルと前記負荷ロープの周りに巻き付け、前記サービスケーブルと前記負荷ロープのいずれかが回収される時にこれらから前記固定部材を解くための第2のラッピング装置を含む、荷を取り扱うことに使用するための装置が提供される。
【0005】
前記固定部材は、負荷ロープに対してサービスケーブルを保持し、サービスケーブルが負荷ロープをずリ下がる程度を減じるべく、サービスケーブルとホイストロープの周りに巻き付けられる。
【0006】
固定部材は、ストリップ、テープ、又はリボンの形態で偏平であることができ、あるいは円形の断面を有するロープの形態をとることができる。好ましい態様では、前記固定部材は、弾性体であり、張力が加えられて前記ロープに用いられる。
【0007】
ここで、「サービスケーブル」の語は、電気ケーブル、光ファイバーケーブル、あるいは、空気圧若しくは水圧ホースのような、動力又はデータを運ぶために用いられる柔軟な細長い部材を示すのに用いられる。典型的には、前記第1のラッピング装置が、前記ロープの軸と同軸であるドラムの軸周りを回転するために設けられたサービスケーブルドラムを含む。前記ケーブルは、前記ドラムからローラー又はシーブにより案内されて良い。その軸周りを回転する代わりに、ケーブルドラムは、静止していて良く、サービスケーブルを送り出すべく、その周りを回転する巻き付け装置を有していて良い。好ましくは、前記サービスケーブルドラムは負荷ロープが通過する中央の穴を有する。
【0008】
前記サービスケーブルドラムが、構造部材に回転可能に取り付けられ良く、この場合、その軸は、ロープの軸と一致せず、そして、それは、前記ケーブルが送り出され、あるいは回収される時に、負荷ロープの軸周りを円軌道で動かされる。
【0009】
また、シーブ及び/又はプーリーが、ケーブルが送り出され、あるいは回収される時に、該ケーブルを案内しても良い。このような態様においては、前記サービスケーブルドラムの軸は鉛直で、ロープの軸と平行であり、あるいは、水平で、ロープの軸と垂直である。
【0010】
付随的に、前記ケーブルドラムは、負荷ロープの軸と一致する軸を有し、典型的には、該ケーブルドラムは、負荷ロープが通過する中央の穴を有し、前記サービスケーブルは、負荷ロープの軸周りを円軌道で動くべく設けられたケーブルシーブを通る。
【0011】
付随的に、前記固定部材ドラムは、負荷ロープの軸と一致する軸を有し、典型的には、前記固定部材ドラムは、負荷ロープが通過する中央の穴を有し、前記固定部材は、負荷ロープの軸周りを円軌道で動くべく設けられたロープシーブを通る。
【0012】
付随的に、前記第1及び第2のラッピング装置は、負荷ロープの周りを回転するために配置された、アームをそれぞれ含む。付随的に、該アームは、スプーリングギアを支持する。
【0013】
好ましくは、前記固定部材は、前記サービスケーブルの径方向外側に、固定部材ドラム及びいずれか関連のあるシーブを出ていき、該固定部材をサービスケーブルと負荷ロープの周りに巻きつける。
【0014】
好ましくは、前記固定部材が、弾性を有する。典型的には、前記固定部材は、ナイロンの補強ストリップ若しくは被覆を有する、ネオプレンから作られる。前記固定部材は、それに織り込まれたナイロンの補強ストリップを有すること、あるいは、ナイロンで被覆することができる。前記固定部材は、偏平であって良く、そして、前記固定部材をロープに保持すべく、粘着材を含んでいて良い。
【0015】
典型的には、前記負荷ロープを送り出し回収するための機構は、ロープウインチを含み、そこから、負荷ロープは、ロープシーブを通り、その後、荷に向って実質的に真っ直ぐな軸に沿って延びる。
【0016】
付随的に、ロープウインチ、ケーブルドラム、固定部材ドラム、及びいずれかの巻きつけ装置のそれぞれが、それぞれの駆動モーターを有する。代わりに、ロープウインチ、ケーブルドラム、固定部材ドラム、及びいずれかの巻きつけ装置のそれぞれが、適当な機械的連係により、単一の源により駆動される。
【0017】
典型的には、前記サービスケーブル及び/又は固定部材は、前記ロープの軸近傍に送り出される。
【0018】
典型的には、前記サービスケーブルは、電気ケーブル、光ファイバーケーブル、空気圧ケーブル、又は水圧ホースを含む。
【0019】
好ましくは、負荷ロープは、荷を上げ下げするために用いられるホイストロープである。典型的には、負荷ロープは、荷を送り出し、牽引し、回収するために用いられる牽引ロープである。
【0020】
付随的に、一以上のサービスケーブルが提供され、典型的には、各々がそれぞれのドラムから延びる。
【0021】
付随的に、前記ケーブルドラムと前記固定部材ドラムは、両方とも前記負荷ロープと同軸であり、一方が他方の上に配置され、前記負荷ロープは、その中央を通って延びる。代わりに、前記ケーブルドラムと前記固定部材の一方が前記負荷ロープと同軸であり、他方は、巻き付け機構で前記ロープ周りを円軌道で動くように配置される。あるいは、前記ケーブルドラムと前記固定部材ドラムのいずれもが、負荷ロープと同軸でなく、両方が、巻き付け機構で、前記ロープ周りを円軌道で動かされる。これらの場合のいずれにおいても、前記ケーブル及び固定部材ドラムの軸はホイストロープの軸に対して水平又は鉛直である。
【0022】
好ましくは、前記装置は、前記負荷ロープを案内するためのガイド手段も含む。
【0023】
典型的には、ガイド手段は、少なくとも1つのローラー又はシーブを含む。好ましくは、1以上のローラーが提供される。付随的に、4つのローラーが前記ロープの周辺に提供され、前記負荷ロープを囲むローラーケージを形成して良い。
【0024】
本発明の第2の側面によると、荷を取り扱うことに使用するための方法であって、
負荷ロープを送り出し、
サービスケーブルを送り出し、
それらが送り出される時に、前記ロープ及びサービスケーブルの一方を他方の周りに巻き付け、
それらが送り出される時に、前記サービスケーブル及び負荷ロープの周りに固定部材を巻き付け、
続けて、前記負荷ロープが回収される時に、該負荷ロープから前記固定部材及びサービスケーブルを解くことを含む、荷を取り扱うことに使用するための方法が提供される。
【0025】
好ましくは、前記固定部材が、前記サービスケーブルと反対方向に前記負荷ロープの周りに、典型的には、サービスケーブルの上に巻き付けられる。
【0026】
サービスケーブル及び固定部材を反対方向に巻き付けることで、前記サービスケーブルを前記負荷ロープにより強く固定することができる。
【0027】
付随的に、前記固定部材が、前記ロープ及びサービスケーブルの周りに、該ロープに沿ってとびとびにのみ巻き付けられるが、多くの態様では、前記固定部材が、前記ロープが送り出される時にロープに沿って間断なく巻き付けられる。そのようなとびとびの巻き付け材は、様々な長さのロープ、テープ、又はリボンを包含することができ、前記ロープ及びケーブルの周りに固定部材を間断なく巻き付ける必要をなくすために、付随的に、弾性材料から形成され、そして、付随的に、粘着成分を有する。いくつかの態様では、前記テープは、固定部材の上に間断なく用いられ、前記ロープの所定部分、例えば、最も深い深度になるであろうロープの末端では、固定部材が何層かあるようにする。典型的には、前記テープは、とびとびに、例えば、100〜300メートル毎に用いられる。
【0028】
荷を取り扱うことに使用するための装置及び方法の例が、以下に図面を参照して説明される。
【0029】
図1を参照すると、ホイストロープス1はホイストロープインチ13からホイストロープシーブ4を越えて延び、上げ下げするための荷(不図示)を支持する。ホイストロープ1は、可撓性の鋼線のロープ若しくは合成繊維のロープ、例えば、「ケブラー(Kevlar)」といった、いずれか適当な種類のホイストロープであって良い。サービスケーブル2は、ロープ1の周りに回転可能に取り付けられたサービスケーブルドラム3に保持される。ケーブル2の一端はドラム3から延び、ロープ1の周りに巻き付けられる。ネオプレンのような弾性材料の、偏平なストリップ17の形態をとる固定部材が、これもまたロープ1の周りでの円軌道での動作のために回転可能に取り付けられたロープドラム30に保持される。ストリップ17の一端はロープドラム30から延び、絡み合ったロープとサービスケーブル2の周りに、好ましくは、異なるピッチ又は異なる方向で巻き付けられる。ドラム3、30は、好ましくは、互いに独立して回転出来ることだが、これらは、一緒に回転出来ることがあり得る。追加のサービスケーブルが、ホイストロープ1の周りに回転可能に取り付けられた追加の別ドラムからホイストロープ1の周りに巻き付けられることができる。固定部材ドラム30は、ストリップ17でサービスケーブル2のみ若しくはその外側を覆うべく(すなわち、サービスケーブルドラムの外側に延びるアームに)取り付けらるべきである。
【0030】
ストリップ17は、好ましくは、弾性体であるが、これは必須ではない。ストリップ17のような固定部材のある好ましい種類では、粘着性若しくは接着性もある。
【0031】
図2は、前記装置の静止状態でのケーブルドラム3の連結のより詳細な図を示す。サービスケーブルドラム3は、アーム18の一端に取り付けられたハブモーター11に着脱可能に取り付けられ、アームは、固定フレーム20に回転可能に取り付けられ、モーター10により駆動する。フレーム20はロープシーブ4に取り付けられる。
【0032】
図3もまた、ストリップドラム30も示す、図1のより詳細なバージョンである。ストリップドラム30はL字アーム6の一端に取り付けられる。アーム6は、前記装置の軸からケーブルドラム3の外側の地点に向って径方向に延びる水平リム6aと、末端にストリップドラム30が配置された鉛直リム6bを有し、ケーブルドラム3の径方向外側かつ下側でストリップドラム30を吊着する。これは、固定部材17が常にサービスケーブル2の上に巻き付けられ、ケーブル2がもつれないことを確実にする。
【0033】
使用の際、前記ウインチ13は、ホイストロープ1を下げるべく回転する。同時にモーター10が駆動し、ホイストロープ1の周りでアーム18を回転させ、そして、アーム6も回転する(典型的には、似たような独自のモーター装置によって、あるいは、モーター10から動力を供給されて良い)。アーム6は典型的にはアーム18と反対方向に回転し、ホイストロープ1の周りでケーブルドラム3とストリップドラム30を回転させ、ホイストロープ1の周りに、サービスケーブル2の巻き付けとは反対方向で、ストリップ17を巻き付ける。このようにして、サービスケーブル2は、荷に取り付けられたホイストロープ1の周りに絡み付けられ、そして、ストリップ17は絡み合わされたホイストロープ1とケーブル2の周りに巻き付けられる。したがって、ホイストロープ1は、サービスケーブル2に重さをかけずに、引上げられる目的物の重さを引き受けることができ、ストリップ17は、サービスケーブル2をホイストロープ1に縛り付け、それがホイストロープ1をずり下がるのを防ぐ。
【0034】
最も好ましい態様では、ストリップは、弾性成分を有し、張力が加えられてロープに用いられ、一度用いられると、ストリップがケーブルをロープに密着させる。例えばラッピング機構のセルフテンション装置によりストリップに付加される張力は、通常、メインホイストロープの張力に打ち勝つには十分でないので、ロープ、ケーブル及び固定部材の部品に影響しない。
【0035】
ホイストロープ1とサービスケーブル2を回収するためには、手順が、単に逆向きにされる。モーターの方向が逆向きにされ、アーム6,18を反対方向に回転させ、サービスケーブル2と固定部材17をそれらの各ドラムに巻き戻す。もし、テープが用いられたなら、これは、絡み合わされたロープ/ケーブルから(手若しくは自動的に)解かれ、若しくは切断される。
【0036】
図4は、固定部材ドラム30が水平リム6aの上に配置された場合の、別の態様を示す。固定部材17は、典型的にはシーブ又はローラーであるガイド9,11により案内され、リム6a,6bを越えて延びる。ガイド9はアーム6の頂点にあり、ガイド11は、鉛直リム6bの末端にある。図3の態様と同様の方法で、固定部材17は、ガイド9から、サービスケーブル2の外側を、ロープ1に向って延びる。
【0037】
図5は、別の態様の概略図を示す。この変形では、サービスケーブル2と固定部材17のそれぞれは、ロープ1の軸と平行な軸を有し相互に積重なった各貯蔵ドラム16,15で提供される。サービスケーブル2と固定部材17のそれぞれは、同時での回転のために共通の支持フレームに適当に取り付けられた各シーブ5,14を有する。代わりに、シーブ5,14は互いに独立して回転できるように、フレームが別で良い。前記装置は、より多くのサービスケーブルを取り扱うべく、さらなるドラム及びシーブを追加することにより、さらに改変されて良い。
【0038】
図6は、前記ケーブルドラム16、前記部材ドラム15、関連部品を、より詳細に示す。ロープシーブ4は、A字フレーム(不図示)のようないずれか適当な支持構造に固定された固定フレーム20にジャーナル軸受けされる。前記部材ドラム15とケーブルドラム16は、フレーム20の下部で、一方を他方の上にして回転可能に取り付けられる。
【0039】
サービスケーブル2の内側末端は、必要であれば、いずれか簡便な手段(不図示)により、いずれか適当なサービスに接続でき、さもなければ、ケーブルドラム16に接続される。
【0040】
部材ドラム15は、モーター6による回転で駆動される。付随的に、シャフト(不図示)が、部材ドラム15の中央を貫通し、部材ドラム15の穴の内側の歯車係合機構で係合して、部材ドラム15を回転させる。ケーブルドラム16は、別のモーター(不図示)による回転で駆動できる。代わりに、ケーブルドラム16はモーター6からの回転で駆動できる。これは、内側シャフトから行われ、部材ドラム15を駆動する前記シャフトの内側で、同様の歯車係合機構により前記ケーブルドラムの穴の内側に接続する。好ましくは、歯車機構は、外側シャフトと反対方向に内側シャフトを回転すべく提供される。
【0041】
前記部材シーブ14は、取り付けフレーム9にジャーナル軸受けされ、フレーム9は、モーター7により、固定フレーム20の周りで回転可能である。同様に、サービスケーブルシーブ5は、取り付けフレーム50にジャーナル軸受けされ、取り付けフレーム50は、固定フレーム20の周りを回転可能である。また、サービスケーブルシーブ5は、同一のモーター7からの回転で、内側シャフト及び歯車により、あるいは別のモーター(不図示)から駆動できる。
【0042】
モーター6,7は、ホイストロープ1の軸の速度に関連した速度で駆動される。この速度の相関は固定されて良い。しかしながら、好ましくは、この相関は、ホイストロープ1での部材17の撚りの巻き(ピッチ)長さと、固定部材17の張力とにより制御可能である。ホイストロープ1でのケーブル2のピッチ及び撚りも、これらが同じモーター6,7かあるいは不図示の異なるものにより制御されるかに関わらず、同様の方法で制御できる。
【0043】
図8は、図5の態様のより詳細な図を示す。サービスケーブル2はロープドラム16から、ガイド32,34を越えて延び、リップ36で引きずらずに、サービスケーブル2をサービスケーブルドラム16の下側リップ36の周囲に渡す。図6に示すように、ガイド32,34は、ケーブルドラム16の周りでの回転のために適応されたアーム(不図示)に取り付けられる。
【0044】
同様に、固定部材17は、ガイド9,11の上を第2のL字アーム6(アームの鉛直部のみが示されている)を越えて延びる。この態様では、固定部材は、弾性のロープの形態をとる。典型的には、ガイド9,11は、ローラー又はシーブである。好ましくは、前記アームは、互いに独立して回転できる。
【0045】
これらの各ガイドを通った後、サービスケーブル2と固定部材17は、ホイストロープ1に向って延び、他の態様と同様に、ロープ1の周りに巻き付けられる。
【0046】
図7は、図4と同様の態様を示すが、ホイストロープ1の周りに位置するロープドラム15を有し、その軸は、ホイストロープの軸と一直線に並ぶ。サービスケーブル2は回転可能なアーム(不図示)を越え、典型的には図8の態様で上に示し記載したようにローラー又はシーブであるガイド32,34を越えて延びる。
【0047】
図9は、海洋での牽引、例えば、ソナーセンサー又は地震観測センサーのようなセンサーアレーを送り出し、牽引し、回収する用途での使用のために改変された図1の例を示し、前記センサーは、水中又は水面を牽引される。サービスケーブルドラム3は、(不図示の)曳航船の主構造にヒンジで取り付けられ、水圧又は他の機構により、好ましい曳航角度に傾斜させることができる。
【0048】
他の改変が本発明の範囲内でなされて良い。例えば、ホイストロープ1とサービスケーブル2の位置は、逆にされて良く、これにより、ホイストロープ1はドラムにあり、ケーブル2はウインチから供給され、ホイストロープ1をサービスケーブル2の周りに巻き付ける。ホイストロープ1に張力が付加されると、ホイストロープ1は真っ直ぐ伸び、サービスケーブル2はいずれの場合でもホイストロープ1の周りに巻き付くようになる。
【0049】
さらなるサービスケーブルドラムが設けられることができ、図1の態様では、さらに、サービスケーブルドラムがホイストロープ1の周りに回転可能に取り付けられて提供でき、図5の態様では、さらなるアームがホイストロープ1の軸の径方向外側に延び、それぞれは、各ケーブルシーブを有する。
【0050】
さらなるローラー及び/又はガイドシーブが用いられ、ケーブルを、簡便にロープと相対的に位置させることができ、例えば、一方の軸を他方からそらし、あるいは、アームのへりの周りにケーブルを通し、ロープとケーブルを一列にする。
【0051】
好ましくは、固定部材17は、ホイストロープ1の周りに、外側又はそれのみのサービスケーブル2に対して反対方向で巻き付けられるが、これは必須でなく、前記固定部材は前記ロープ及びケーブルに異なるピッチで巻き付けられる。テープは絡み合ったケーブル/ロープの周りに、とびとびに若しくは長く間断ない長さで巻き付けられる。ケーブル/ロープを解くのに、テープはそこから解かれ、あるいは切られて良い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の例の動作原理を示す概略斜視図である。
【図2】図1の装置の一部の詳細を示す側面図である。
【図3】図1の一態様の断面図である。
【図4】図1の別の態様の断面図である。
【図5】本発明の第2の例の概略斜視図である。
【図6】図5の一部のより詳細な側面図である。
【図7】図5の一態様の断面図である。
【図8】図5の別の態様の断面図である。
【図9】引上げよりも牽引用に適応した、図1の概略斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷を取り扱うことに使用するための装置であって、負荷ロープと、該負荷ロープを送り出し回収するための機構と、サービスケーブル及び該サービスケーブルを保持するためのサービスケーブルホルダーと、前記サービスケーブルと前記負荷ロープが送り出される時に、これらの一方を他方の周りで回転させて2つを互いに巻き付け、これらが回収される時に、これらを互いから解く第1のラッピング装置と、固定部材を保持し送り出すための機構と、該固定部材を前記サービスケーブルと前記負荷ロープの周りに巻き付け、前記サービスケーブルと前記負荷ロープのいずれかが回収される時にこれらから前記固定部材を解くための第2のラッピング装置を含む、荷を取り扱うことに使用するための装置。
【請求項2】
前記固定部材が、偏平なストリップ、テープ、又はリボンの形態であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記固定部材が、弾性体であることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記固定部材が、前記ロープに用いられる時に、張力が加えられることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のラッピング装置が、サービスケーブルドラムを、前記ロープの軸周りを円軌道で回転させることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記サービスケーブルが、前記ロープの軸と同軸である軸を有するドラムに収納され、かつ、前記サービスケーブルのラッピング装置が、前記ドラムの周りで回転し、サービスケーブルを送り出すことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記固定部材が、固定部材ドラムに収納され、かつ、前記第2のラッピング装置が、前記固定部材ドラムを、前記ロープの軸周りを円軌道で回転させるものであることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記固定部材が、前記負荷ロープの軸と一致する軸を有するドラムに収納され、該固定部材ドラムは負荷ロープが通過する中央の穴を有し、かつ、前記固定部材が、負荷ロープの軸周りを円軌道で動くために設けられたシーブを通ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記第2の巻き付け装置が、前記サービスケーブルの径方向外側に前記固定部材を送り出し前記サービスケーブルと負荷ロープの周りに固定部材を巻き付けるべく配置されることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記固定部材は、該固定部材の最大伸長を制限すべく、弾性のストリップを、非弾性の補強部材とともに含むことを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記固定部材が、該固定部材を前記ロープとサービスケーブルに保持すべく粘着材を含むことを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項12】
前記ラッピング装置が、前記サービスケーブル及び/又は前記固定部材を、前記ロープの軸近傍に送り出すべく配置されていることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項13】
各サービスケーブルを収容し、それらを前記ロープに巻き付けるべく、1以上のサービスケーブルラッピング装置を有する、前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項14】
前記サービスケーブル、固定部材、及び/又はロープを案内するガイド手段を有し、該ガイド手段が少なくとも1つのローラー又はシーブを含む、前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項15】
前記ガイド手段が、前記固定部材、前記ガイド手段、及び/又は前記ロープの周囲に設けたローラーケージを含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
荷を取り扱うことに使用するための方法であって、
負荷ロープを送り出し、
サービスケーブルを送り出し、
それらが送り出される時に、前記ロープ及びサービスケーブルの一方を他方の周りに巻き付け、
それらが送り出される時に、前記ロープ及びサービスケーブルの周りに固定部材を巻き付け、
続けて、前記負荷ロープが回収される時に、該負荷ロープから前記固定部材及びサービスケーブルを解くことを含む、荷を取り扱うことに使用するための方法。
【請求項17】
前記固定部材が、前記サービスケーブルと反対方向に前記負荷ロープの周りに巻き付けられることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記固定部材が、前記ロープ及びサービスケーブルの周りに、該ロープに沿ってとびとびにのみ巻き付けられることを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記固定部材が、前記ロープが送り出される時にロープの周りに間断なく巻き付けられることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記固定部材は、ロープの周りに巻き付けられる時に、張力が加えられることを特徴とする請求項16〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
テープが、前記固定部材の上にとびとびに用いられることを特徴とする請求項16〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記固定部材が用いられる前に、少なくとも2つのサービスケーブルが、前記ロープと絡み合わせられることを特徴とする請求項16〜21のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−502930(P2006−502930A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−544428(P2004−544428)
【出願日】平成15年10月7日(2003.10.7)
【国際出願番号】PCT/GB2003/004317
【国際公開番号】WO2004/035454
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(501372307)ディープ テク リミテッド (1)