荷台装置、並びに、貨物自動車
【課題】ボディと係合手段との固定強度が長期にわたって低下しない構成の荷台装置、並びに、当該荷台装置を備えた貨物自動車の提供を目的とする。
【解決手段】荷台装置は、ボディ11の裏面側に係合手段28が装着された構成とされている。係合手段28は、長尺状の連結部材33にスライダ部材30を取り付けたものである。連結部材28は、連結部材33をボディ11の裏面側に取り付けられた横材18aの凹部24に嵌め込むと共に、ボディ11および連結部材33を貫通するようにボルト39を挿通することによりボディ11と一体化されている。
【解決手段】荷台装置は、ボディ11の裏面側に係合手段28が装着された構成とされている。係合手段28は、長尺状の連結部材33にスライダ部材30を取り付けたものである。連結部材28は、連結部材33をボディ11の裏面側に取り付けられた横材18aの凹部24に嵌め込むと共に、ボディ11および連結部材33を貫通するようにボルト39を挿通することによりボディ11と一体化されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷台装置、並びに、当該荷台装置を備えた貨物自動車に関するものであり、特に自動車等の車体に取り付けられ、荷台部分を地上に降ろして貨物を積み降ろし可能な荷台装置や、これを備えた貨物自動車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、下記特許文献1に開示されているような貨物自動車(ボディ積み降ろし車両)が提供されている。この種の貨物自動車の多くは、車体に荷台装置が取り付けられており、この荷台装置を作動させることにより貨物を車体に対して積み降ろしする構成とされている。
【0003】
従来技術の荷台装置の多くは、自動車の車体フレームに対して傾斜可能なように取り付けられたリフトフレームと称する部材や、貨物を搭載するためのボディと称される部材とを有し、ボディの裏面側に取り付けられたスライダと称される部材を介してボディとリフトフレームとが係合し、互いに相対移動可能な構成とされている。かかる構成の荷台装置では、リフトフレームを車体フレームに対して傾斜させ、この状態でボディをリフトフレームに沿って下降させることによりボディを地上に降ろして貨物の積み降ろしを実施できる。そのため、下記特許文献1に開示されているような構成の貨物自動車は、例えば自動車のような容易に持ち上げることができないような貨物を運ぶために多用されている。
【特許文献1】特開2000−108768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したように、特許文献1に開示されているような荷台装置や貨物自動車では、リフトフレームを車体に対して傾斜させた後、ボディをリフトフレームに対して相対移動させて地上に降ろす構成とされている。そのため、ボディとスライダとがしっかり固定されていないと、リフトフレームを車体に対して傾斜させる際に、ボディがリフトフレームに沿って位置ズレを起こしてしまったり、ボディに搭載されている貨物に予期せぬ衝撃がかかる可能性がある。
【0005】
そこで、かかる知見に基づき、本発明者らは、図19に示すようにボディ100の底面にブラケット101を設け、このブラケット101とスライダ102(係合手段)とを嵌合させると共に、ボディ100の底面に沿う方向に固定軸103を挿通して固定し、スライダ102をリフトフレーム105に係合させた構造の荷台装置を試作して実験を行った。その結果、リフトフレーム105を傾斜させてもスライダ102とボディ100との位置ズレが起こらず、ボディ100に搭載されている貨物の積み降ろし時に余計な衝撃が作用するといったような種々の問題点を解決できることを見いだした。
【0006】
その反面、本発明者らがボディ100に自動車などの重量物を搭載した状態でさらに実験を続けたところ、ボディ100側のブラケット101と、スライダ102を構成する連結材106とを横切るように取り付けられた固定軸103を剪断するような大きな負荷が作用する可能性があることが判明した。通常の使用形態では、図19のような構成を採用しても固定軸103が剪断されるといったような不具合は発生しないものと想定される。しかし、固定軸103に剪断力が作用することによる経年劣化等の可能性を考慮すると、固定軸103に高強度のものを採用したり、軸部材を複数設ける等の方策をとらねばならなくなり、荷台装置や貨物自動車の構造が複雑になったり、製造コストが上昇してしまうといった問題があることが判明した。
【0007】
かかる知見に基づき、本発明は、ボディと係合手段とを固定する固定軸に剪断力が作用しにくい構成の荷台装置、並びに、当該荷台装置を備えた貨物自動車の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、上記した課題を解決すべく提供される請求項1に記載の発明は、長尺状のリフトフレームと、当該リフトフレームの上方側に配され、貨物を搭載可能なボディと、前記リフトフレームを車体に対して傾斜させることが可能なリフト手段と、前記ボディとリフトフレームとを係合させる係合手段と、当該係合手段をボディに固定する固定手段とを有し、前記係合手段が、前記ボディをリフトフレームの長手方向への相対移動を許し、ボディがリフトフレームから離反する方向への移動を阻止するように係合させるものであり、前記固定手段が、ボディおよび係合手段にわたって挿通される固定軸を有し、当該固定軸が、前記ボディの離反方向に沿う方向に挿通されていることを特徴とする荷台装置である。
【0009】
本発明の荷台装置では、固定軸がボディの離反方向に沿う方向に挿通されている。そのため、リフトフレームを傾斜させることにより固定軸に対してボディがリフトフレームから離反する方向に外力が作用しても、この外力は固定軸の軸方向に作用するだけである。よって、本発明の荷台装置は、リフトフレームを傾斜させても固定軸に対して剪断力が殆ど作用しない。従って、本発明によれば、ボディと係合手段との固定強度を長期にわたって維持可能な荷台装置を提供できる。
【0010】
ここで、上記請求項1に記載の荷台装置において、リフトフレームを傾斜させていくと、ボディに傾斜に伴って下方側になる所定の位置を支点として回転しようとする力(回転モーメント)が作用することとなる。また、ボディには重量の大きな貨物が搭載される可能性があるため、貨物を搭載した状態でリフトフレームを傾斜させるとボディに対して作用する回転力がますます大きくなるものと想定される。そのため、ボディと係合手段との固定位置がリフトフレームを傾斜させた際に上方側となる位置に偏在している場合は、図19に示すようにボディ100に沿って固定軸103を挿通した構成とするのではなく、上記請求項1に記載の荷台装置のような構成とすることが望ましい。
【0011】
そこで、かかる知見に基づいて提供される請求項2に記載の発明は、リフトフレームが所定位置を支点として、前端側が後端側よりも上方となるように傾斜可能なものであり、固定軸が、リフトフレームを傾斜させた際に前記支点よりもボディの前端側となる位置に装着されていることを特徴とする請求項1に記載の荷台装置である。
【0012】
かかる構成とした場合についても、ボディと係合手段との固定強度を長期にわたって維持可能な荷台装置を提供できる。
【0013】
また、同様の知見に基づいて提供される請求項3に記載の発明は、リフトフレームが所定位置を支点として、前端側が後端側よりも上方となるように傾斜可能なものであり、前記支点を通り地表面に対して垂直な仮想線を想定した場合に、ボディあるいは当該ボディに貨物を搭載した状態における重心が、前記仮想線を越えて傾斜姿勢にあるボディの後端側に偏在した傾斜姿勢とすることが可能であり、前記ボディを傾斜姿勢とした際に前記仮想線よりもボディの上端側となる位置に固定軸が装着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の荷台装置である。
【0014】
本発明の荷台装置において、ボディの傾斜の支点となる位置を通る仮想線を想定した場合に、ボディの重心やボディに貨物を搭載した状態における重心が仮想線よりもボディの下端側に存在する姿勢になると固定軸に対して大きな外力が作用する可能性がある。しかし、本発明の荷台装置では、固定軸がリフトフレームの離反方向に沿う方向に挿通されているため、固定軸に作用する外力が大きなものであっても固定軸が剪断されるといった不具合の発生が起こらない。
【0015】
上記した本発明の荷台装置は、リフトフレームに、当該リフトフレームの長手方向に延びる溝が設けられており、係合手段が、回転自在に支持された駆動輪を有し、当該駆動輪を溝内に収容することによりボディとリフトフレームとを係合可能であることを特徴とするものであってもよい。
【0016】
また、上記した本発明の荷台装置は、ボディと係合手段とが嵌合しており、リフトフレームの長手方向への相対移動が阻止された構成とすることも可能である。
【0017】
請求項4に記載の発明は、車体に請求項1〜3のいずれかに記載の荷台装置を装着したことを特徴とする貨物自動車である。
【0018】
本発明の貨物自動車は、上記した本発明の荷台装置を備えた構成であるため、リフトフレームやボディを傾斜させてもボディと係合手段とを固定する固定軸に剪断力が作用せず、固定軸の破損や損傷が起こりにくい。そのため、本発明の貨物自動車は、リフトフレームとボディとの固定構造の破損や損傷に伴う不具合が発生しにくい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ボディと係合手段との固定強度が長期にわたって低下しない構成の荷台装置、並びに、当該荷台装置を備えた貨物自動車を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
続いて、本発明の一実施形態にかかる荷台装置、並びに、貨物自動車について図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態の荷台装置および貨物自動車は、後述するボディと係合手段との固定構造に特徴を有するが、当該固定構造の説明に先立ち荷台装置および貨物自動車の全体構造について説明する。
【0021】
図1において、1は本実施形態の貨物自動車であり、10は本実施形態の荷台装置である。貨物自動車1は、従来公知のトラック等の自動車を構成する車体フレーム2上に荷台装置10を取り付けた構成とされている。貨物自動車1は、荷台装置10を作動させることにより、荷台装置10を構成するボディ11に自動車等の重量物からなる貨物Fを容易に積み降ろし可能な構成とされている。
【0022】
さらに具体的に説明すると、荷台装置10は、ボディ11およびリフトフレーム12に加えて、後述するボディ駆動手段13やリフト手段15を備えた構成とされている。ボディ11は、自動車等の貨物Fを搭載するために設けられたものである。ボディ11は、図2に示すように平面視が略矩形の鋼板によって構成された載置部16を有する。載置部16は、自動車を搭載可能な程度の大きさを有する。
【0023】
載置部16の裏面側には、図3に示すように縦材17および横材18が複数、格子状に固定されており、これらにより載置部16が補強されている。縦材17および横材18は、それぞれアングル材により構成されている。縦材17は、載置部16の長辺に沿う姿勢とされ、固定されている。縦材17は、隣接する他の縦材17に対して載置部16の短辺方向に所定の間隔を開けて配されている。また、横材18は、載置部16の短辺に沿う姿勢とされ、固定されている。横材18は、隣接する他の横材18に対して載置部16の長辺方向に所定の間隔を開けて配されている。
【0024】
上記した横材18のうち、少なくとも貨物自動車1の車体上に載置部16を配置した際に先頭側(図3において左側)の端部近傍に取り付けられたもの(以下、必要に応じて横材18aと称す)は、図3(b)に示すように断面形状が略「コ」字形であり、水平面20と、これに対して垂直な垂直面21,22とを有する部材である。横材18aは、溶接等の手法により水平面20が載置部16の裏面に面接触するように固定されている。すなわち、横材18aは、ボディ11を通常の使用形態における姿勢、すなわち縦材17や横材18が下方(車体側)に向く姿勢とした場合に、水平面20に対向する開放部分が下方に向けて開放された凹部24を形成するように固定されている。また、図3や図8に示すように、横材18aの固定位置には、横材18aおよびボディ11を貫通する貫通孔11a,11aが設けられている。
【0025】
リフトフレーム12は、図1等に示すように、ボディ11を構成する載置部16の裏面側に配される部材である。リフトフレーム12は、図5に示すように断面形状が略「コ」字形の鋼材によって構成された長尺状のチャンネル材12aを2本並行に配し、チャンネル材12a,12aを横断するように横断材12bを取り付けて一体化した構成とされている。リフトフレーム12は、ボディ11を下方から支持する機能と、後述するボディ駆動手段13のスライダ部材30を構成する駆動輪41を案内する案内手段としての機能とを有する。
【0026】
リフトフレーム12を構成するチャンネル材12aは、図5に示すように垂直面23とこれに対して垂直な水平面25,26とを有する。チャンネル材12aは、垂直面23および水平面25,26によって3方が囲まれ、チャンネル材12aの長手方向に延びる溝29を有する。溝29は、後述するスライダ部材30の駆動輪41のガイドとして機能すると共に、係合手段28(駆動輪41)とチャンネル材12aとの係合部として機能する。
【0027】
チャンネル材12a,12aの間に形成される領域27の間隔L2は、上記した載置部16の幅L1よりも短い(L1>L2)。チャンネル材12a,12aは、互いに垂直面23,23が領域27側を向き、垂直面23,23に対向する開放部分が領域27の外側に向くように配置されている。
【0028】
リフトフレーム12の長手方向中央部近傍にはリフト手段15が取り付けられている。リフト手段15は、リフトリンク15aと油圧シリンダ15bとを備えており、図18(b)〜(e)に示すように貨物自動車1の車体フレーム2とリフトフレーム12との間に存在してリンク機構を形成している。リフトリンク15aは、車体フレーム2とリフトフレーム12とにピン連結されている。また、油圧シリンダ15bは、リフトリンク15aの中間部と車体フレーム2とにピン連結されている。リフト手段15は、油圧シリンダ15bの軸を伸縮させることにより、車体フレーム2の後端部(図18において右端)に設けたローラRを支点として貨物自動車1に対するリフトフレーム12の傾斜を変更することができる。
【0029】
ボディ駆動手段13は、ボディ11をリフトフレーム12を構成するチャンネル材12a,12aに沿って相対移動させるためのものである。ボディ駆動手段13は、図10に示すように係合手段28と、駆動部50と、従動部51とに大別される。
【0030】
係合手段28は、上記したボディ11の裏側に取り付けられ、ボディ11をリフトフレーム12を構成するチャンネル材12a,12aに係合させるためのものである。係合手段28は、連結部材33を中心として構成されており、連結部材33にスライダ部材30や動力伝達部材32を取り付けた構成とされている。
【0031】
連結部材33は、図6に示すように断面形状が略矩形の鋼材(角パイプ)からなるものであり、長手方向の所定位置にスライダ固定片35や伝達部材固定片36を固定した構成とされている。連結部材33には、スライダ部材30とボディ駆動手段13の動力伝達部材32とが装着されている。
【0032】
さらに具体的に説明すると、連結部材33は、上記したリフトフレーム12を構成するチャンネル材12a,12aの間隔L2よりも長く、載置部16の幅L1よりも短い程度の長さの鋼材である。連結部材33の長手方向両端部には、図6や図8等に示すようにボディ11と連結部材33との固定用のボルト39を挿通するための孔33a,33aが設けられている。また、連結部材33には、図6や図7に示すようにスライダ固定片35や伝達部材固定片36が取り付けられている。スライダ固定片35および伝達部材固定片36は、それぞれ連結部材33の長手方向に対して交差(本実施形態では略直交)し、連結部材33を跨ぐように取り付けられている。
【0033】
スライダ固定片35や伝達部材固定片36は、それぞれ後述するスライダ部材30や、動力伝達部材32を固定するためのものである。スライダ固定片35や伝達部材固定片36は、それぞれ2枚1組で使用される。すなわち、スライダ固定片35,35は、所定の間隔を開けて並行に配され、後述するスライダ部材30を連結部材33に対して固定するためのスライダ固定部37を構成する。スライダ固定片35には、後述するブシュ46を差し込むための貫通孔35aが設けられている。
【0034】
伝達部材固定片36,36についても、スライダ固定片35と同様に所定の間隔を開けて並行に固定され、後述する動力伝達部材32を連結部材33に対して固定するための伝達部材固定部38を構成している。
【0035】
スライダ固定部37は、連結部材33の長手方向両端部近傍に形成されている。伝達部材固定部38は、連結部材33の長手方向中間部に2箇所設けられている。スライダ固定部37および伝達部材固定部38は、それぞれ連結部材33の長手方向中央部を通過する平面を想定した際に、当該平面を介して略対称の位置関係にある。
【0036】
スライダ部材30は、図7に示すように、本体板40a,40b、駆動輪41a,41b、軸43a,43bおよび固定板45により主要部が構成されている。本体板40a,40bは、図7等に示すように所定の間隔を開けて平行に配置されている。本体板40a,40bには、軸43a,43bおよびブシュ46が略垂直に取り付けられている。
【0037】
駆動輪41,41は、上記したチャンネル材12a,12aの溝29の高さH(図5)と略同一の直径Dを有する車輪である。軸43a,43bは、本体板40a,40bに対して垂直に固定されており、駆動輪41,41の中心を貫通している。駆動輪41a,41bは、軸43a,43bに装着されたカラー47,47と、軸43a,43bの端部に固定された固定板45とで挟まれた状態とされており、軸43a,43bに対して回転自在に支持されている。
【0038】
スライダ部材30は、図7に示すように連結部材33に設けられたスライダ固定部37に取り付けられる。さらに具体的には、スライダ部材30は、図7(b)に示すように、スライダ固定部37を構成するスライダ固定片35,35の内側に本体板40,40を差し込み、スライダ固定片35,35の貫通孔35a,35aにブシュ46を差し込むことにより連結部材33と連結されている。スライダ部材30は、駆動輪41,41が連結部材33の中央側を向き、本体板40bが外側(連結部材33の端部側)を向く姿勢で取り付けられている。
【0039】
図12に示すように、動力伝達部材32は、ボディ側連結部32aを有し、その両脇にチェーン側連結部32bが設けられた構成とされている。図13に示すように、ボディ側連結部32aは、上記した連結部材33の中央付近に設けられた伝達部材固定部38を構成する伝達部材固定片36,36間に嵌め込まれ、連結部材33と連結される部分であり、伝達部材固定片36,36間に嵌る程度の幅を有する。ボディ側連結部32aには、幅方向に貫通した貫通孔32cが設けられている。
【0040】
チェーン側連結部32bは、幅がチェーン52を構成するリンクプレート53a,53aの幅と略同一とされており、その略中央部に幅方向に貫通した貫通孔53dを有する。動力伝達部材32は、チェーン52を構成するリンクプレート53a,53aの間にチェーン側連結部32bを挟み込み、リンクプレート53a,53aに設けられた貫通孔53eとチェーン側連結部32bに設けられた貫通孔53dとを横断するようにピン53fを挿通することによりチェーン52の両端部に連結されている。
【0041】
係合手段28は、上記したようにして連結部材33に対してスライダ部材30や動力伝達部材32を取り付けた構成とされている。係合手段28は、連結部材33とボディ11とをボルト39で固定することによりボディ11の裏側に固定されている。
【0042】
連結部材33とボディ11との固定構造についてさらに具体的に説明すると、連結部材33は、図8に示すようにスライダ固定片35や伝達部材固定片36が下方に向く姿勢とされ、この状態でボディ11の裏面側に固定されている横材18aの凹部24に嵌め込また状態となっている。ここで、上記したように凹部24を構成する横材18aは、ボディ11の短辺方向に延びるように取り付けられている。そのため、凹部24に連結部材33を嵌め込むと、横材18aの垂直面21,22により連結部材33がボディ11の長手方向、すなわち荷台装置10の組立状態においてリフトフレーム12の長手方向に相対移動できない状態とされている。
【0043】
図8や図9に示すように、連結部材33は、長手方向両端部に設けられた孔33a,33aと、ボディ11および横材18aに設けられた貫通孔11a,11aとが連通するように位置合わせされている。貫通孔11a,11aおよび孔33a,33aには、ボディ11の天面側からボルト39が差し込まれ、ボルト39の軸39a(固定軸)がボディ11の載置部16および連結部材33を略垂直に縦断した状態とされている。軸39aにはスリーブ39bおよびナット39cが装着されており、これによりボディ11と連結部材33とが一体化された状態となっている。
【0044】
また、連結部材33に装着されたスライダ部材30の駆動輪41は、図7や図9(b)に示すようにチャンネル材12a,12aの溝29に嵌め込まれて係合している。そのため、係合手段28やこれと一体化されたボディ11は、図9(b)に矢印Aで示すようにチャンネル材12a,12aの長手方向に自由に移動できるが、リフトフレーム12から離反する方向(図9(b)の矢印B方向)への移動は阻止された状態になる。
【0045】
係合手段28は、動力伝達部材32に繋がれたチェーン52を介してリフトフレーム12に装着された駆動部50の動力を受けて動作する構成とされている。荷台装置10は、チェーン52を作動させることにより、係合手段28およびこれに取り付けられたボディ11をリフトフレーム12の長手方向に往復動させることができる構成とされている。さらに具体的には、荷台装置10は、油圧モータ55の出力軸57を正方向に回転させてチェーン52を駆動させると、係合手段28やボディ11を図10に矢印Aで示すようにリフトフレーム12の先端側(貨物自動車1の運転席側)に移動させることができ、出力軸57を逆転させることにより図10に矢印Bで示すように係合手段28やボディ11をリフトフレーム12の基端部側に移動させることができる。
【0046】
さらに具体的に説明すると、駆動部50および従動部51は、並行に配された2本のチャンネル材12a,12aを橋渡すように取り付けられている。駆動部50は、リフトフレーム12の先端側(図10において左側)に配されている。駆動部50は、図10や図11に示すように、油圧モータ55と駆動側スプロケット56とを備えており、油圧モータ55において発生した動力を駆動側スプロケット56に装着されたチェーン52に伝達させ、チェーン52を駆動させるものである。
【0047】
さらに具体的に説明すると、油圧モータ55は、出力軸57がリフトフレーム12のチャンネル材12a,12aに対して略直交し、チャンネル材12a,12a間の領域27を横断するように取り付けられている。出力軸57の中間部分には、2つの駆動側スプロケット56,56が所定の間隔を開けて取り付けられている。駆動側スプロケット56,56には、それぞれチェーン52,52が取り付けられている。
【0048】
従動部51は、図10に示すようにリフトフレーム12の基端側(図10において右側)に配されている。従動部51は、図10や図14に示すように、スプロケット保持部60と、テンション調整部61とに大別される。スプロケット保持部60は、図15に示すようにフレーム62と4枚のスプロケット保持片63とによって主要部が構成されている。フレーム62は、長さが上記したチャンネル材12a,12a間の領域27の幅よりもやや短い程度の金属板によって構成されている。フレーム62の長手方向中間部には、2つの貫通孔65,65が設けられている。フレーム62の片面側の貫通孔65,65に相当する位置には、溶接等の手法によりナット66,66が固定されており、フレーム62の反対側の面の貫通孔65,65に相当する位置には、プレート67,67が固定されている。プレート67には貫通孔68が設けられており、貫通孔65,68が連通している。
【0049】
スプロケット保持片63は、それぞれ図15(a)〜(c)に示すようにフレーム62の片面側に、フレーム62に対して略垂直となるように固定されている。スプロケット保持片63は、2枚で1組のスプロケット保持手段69を構成するものである。スプロケット保持手段69は、フレーム62の長手方向両端部に設けられている。スプロケット保持手段69には、図15(c)に示すようにスプロケット保持片63,63を横断するように軸72が装着されており、軸72には従動側スプロケット70が回転自在に支持されている。
【0050】
図17に示すように、従動側スプロケット70と、上記した駆動側スプロケット56との間にはチェーン52が架け回されている。チェーン52は、図12に示すように従来公知のローラチェーンと同様にローラを装着したブシュで固定されたローラリンクと、ピンで固定されたピンリンクとを交互に繋いだ構成を有する。チェーン52は、動力伝達部材32に両端部が接続されており、これにより環状とされている。ここで、上記したように、動力伝達部材32は、連結部材33に設けられた伝達部材固定部38にピンを用いて連結されている。そのため、駆動側スプロケット56を回転させてチェーン52を作動させると、連結部材33やこれに接続されたボディ11を駆動させることができる。
【0051】
図10や図14、図16に示すように、テンション調整部61は、フレーム71により主要部が構成されている。フレーム71は、リフトフレーム12の基端部(図10において右側の端部)近傍において、チャンネル材12a,12aを横断するように固定されている。フレーム71の長手方向の略中央付近には、プレート76が取り付けられている。テンション調整部61には、図14(b)に示すように、2つの貫通孔73,73がフレーム71を貫通するように設けられている。貫通孔73,73は、プレート76に対して下方に隣接する位置であって、上記したスプロケット保持部60に設けられた貫通孔65,68に対応する位置に設けられている。貫通孔73,73は、それぞれチャンネル材12a,12aに対して交差する方向に所定の間隔L3を開けて設けられている。この間隔L3は、上記した駆動側スプロケット56,56の間隔や、従動側スプロケット70,70の間隔よりも狭い。
【0052】
図14や図16に示すように、従動部51は、上記したスプロケット保持部60とテンション調整部61とをボルト75,75で連結した構成とされている。さらに具体的には、従動部51は、スプロケット保持部60に設けられた貫通孔65,68と、テンション調整部61に設けられた貫通孔73とにわたってボルト75を挿通し、これをスプロケット保持部60に固定されているナット66に締結することによりスプロケット保持部60とテンション調整部61とを一体化した構成とされている。従動部51は、ボルト75,75の締結度合いを調整することにより、図10や図14、図16に矢印で示すようにスプロケット保持部60とテンション調整部61との相対位置をリフトフレーム12を構成するチャンネル材12a,12aの長手方向に調整することができる。
【0053】
ボルト75,75は、図17に示すように頭部75Yが貫通孔73,73の上方に取り付けられているプレート76の側面に当接している。そのため、ボルト75,75は、常時はプレート76によって回転が阻止されており、本体部61に対してしっかりと装着されている。すなわち、プレート76は、ボルト75,75の回り止めとして機能する。
【0054】
ここで、上記したように、テンション調整部61は、リフトフレーム12に対して固定されている。そのため、ボルト75,75の締結度合いを調整すれば、駆動部50に設けられた駆動側スプロケット56,56と、スプロケット保持部60に保持されている従動側スプロケット70,70との間隔を調整し、これらに懸架されたチェーン52,52の張力を調整することができる。
【0055】
続いて、ボディ11に自動車等の貨物Fを積み降ろしする際の貨物自動車1および荷台装置10の動作について、図面を参照しながら詳細に説明する。通常、貨物自動車1は、図1に示すようにボディ11が水平な姿勢とされた状態で走行する。貨物自動車1に対して貨物Fを積み降ろしする際は、車体フレーム2に対して取り付けられた荷台装置10を図18(a)〜(e)のように順次作動させてボディ11を地上に降ろし、ボディ11に対して貨物Fを積み降ろすことができる。
【0056】
さらに詳細に説明すると、ボディ11を地上に降ろす場合は、運転席等に設けられた図示しない降ろしスイッチをオン状態とすることにより荷台装置10が作動し始める。降ろしスイッチがオン状態とされると、荷台装置10の駆動部50に設けられた油圧モータ55の出力軸57が逆転し始める。これにより、駆動側スプロケット56および従動側スプロケット70に懸架されたチェーン52が駆動し、チェーン52に動力伝達部材32を介して接続されているスライダ部材30がリフトフレーム12の基端部側に移動し始める。スライダ部材30が移動し始めると、荷台装置10のボディ11は、図18(a)に示すように水平姿勢を維持したまま貨物自動車1に対して後方に移動する。
【0057】
図18(a)に示すようにボディ11の半分程度が貨物自動車1の車体フレーム2の後端部R(図18において右端)よりも後方にはみ出した状態になると、ボディ11自身の重心やボディ11に貨物Fを搭載した状態における重心(以下、これらを総称して単に重心Gと称す)がリフト手段15のリフトリンク15aのピン接続位置を越え、後端部Rを通り地表面に対して鉛直な仮想線X上あるいはこの近傍に到来する。ボディ11が図18(a)のような状態になると、リフト手段15の油圧シリンダ15bの軸が延ばされる。これにより、図18(b)に示すようにリフトフレーム12が後端部Rを支点として傾斜し始める。
【0058】
リフトフレーム12が所定の角度になると、油圧モータ55の出力軸57が逆転し、駆動側スプロケット56および従動側スプロケット70に懸架されたチェーン52が駆動する。これに伴い、チェーン52に動力伝達部材32を介して接続されているスライダ部材30およびこれに連結部材33を介して接続されているボディ11がリフトフレーム12の基端部側に移動し、やがて図18(c)に示すようにボディ11の端部Sが地表面に突き当たった状態になる。その後、さらに油圧モータ55を逆転させると、ボディ11がリフトフレーム12を構成するチャンネル材12a,12aに沿って貨物自動車1の後側に向けて摺動する。
【0059】
図18(d)に示すようにボディ11の先端部分がリフトフレーム12の基端部近傍の所定位置に到来すると油圧モータ55の回転が停止し、ボディ11の摺動が停止する。ボディ11の摺動が停止すると、リフト手段15の油圧シリンダ15bの軸がさらに延長され、リフトフレーム12がさらに傾斜した状態とされる。これにより、図18(e)に示すようにボディ11が完全に地表面に降ろされた状態になる。
【0060】
貨物自動車1は、上記したような手順によりボディ11を地表面に降ろし、ボディ11に対して自動車等の貨物Fを地表面から持ち上げることなく積み降ろし可能な状態になる。また、貨物自動車1は、図示しない「積み込み」スイッチをオン状態とすることにより、上記した手順を逆に実施し、ボディ11に搭載された貨物Fを貨物自動車1の車体に積み込むことができる。
【0061】
上記したように、荷台装置10は、ボディ11を貨物自動車1の車体に対して積み降ろしする際にボディ11やリフトフレーム12が貨物自動車1に対して傾斜する構成とされている。ここで、上記したようにボディ11は、鋼板を用いて作製されており、重量が大きい。また、ボディ11やこれに搭載されている貨物Fの重心Gは、ボディ11と連結部材33とを連結しているボルト39から離れた位置にある。さらに具体的には、前記した重心Gは、ボルト39の装着位置からボディ11の全長の約半分程度の長さだけボディ11の後方にずれた位置にある。そのため、荷台装置10においてリフトフレーム12,12を傾斜させる過程において、図18(b)のようにボディ11が着地しておらず、重心Gが支点Rを通る仮想線Xの近傍あるいは仮想線Xを越えて傾斜姿勢にあるボディ11の下端側(図18(b)において右端側)に偏在している場合は、ボディ11と連結部材33とを連結しているボルト39に、ボディ11が連結部材33から離れる方向(図18(b)に矢印Bで示す方向)に大きな力(回転モーメント)が作用するものと想定される。そのため、例えば図19に示すようにボルト39をボディ11に沿って横材18aや連結部材33を横断するように装着すると、ボルト39の軸39aに剪断力が作用してしまい、ボルト39に高強度のものを採用したり、ボルト39を多数取り付けねばならない。
【0062】
かかる知見に基づき、本実施形態の荷台装置10では、図9(b)等に示すようにボルト39の軸39aをボディ11および連結部材33に対して略直交する方向に挿通して固定した構成とされている。そのため、荷台装置10は、ボディ11やリフトフレーム12を傾斜させてもボディ11とリフトフレーム12とを繋ぐボルト39には剪断力が作用しない。従って、本実施形態の荷台装置10は、ボディ11と係合手段28との固定に使用されるボルト39の破断やこれに伴う種々の問題の発生を最小限に抑制することができる。
【0063】
本実施形態の荷台装置10は、図18(b)のようにボディ11やリフトフレーム12が傾斜した状態において、車体フレーム2の後端部Rを通る仮想線Xよりも上方側の位置にボルト39が装着されている。そのため、重心Gが車体フレーム2の後端部Rを通る仮想線Xの近傍あるいは仮想線Xよりもボディ11の下端側に存在する姿勢になると、ボルト39に対して大きな回転モーメントが作用することとなる。本実施形態では、図9(b)に示すようにボルト39の軸39aが前記した回転モーメントの方向(ボディ11の離反方向)に対して沿う方向に軸39aが挿通されているため、ボルト39に作用する回転モーメントが大きなものであってもボルト39には剪断力が殆ど作用しない。従って、本実施形態の荷台装置10は、ボルト39に特別に高強度なものを採用したり、ボルト39を多数取り付けるなどしなくてもよい。
【0064】
上記実施形態では、スライダ部材30の駆動輪41をリフトフレーム12の溝29に側方から嵌め込むことによりボディ11と係合させる構成としているため、ボディ11をリフトフレーム12に対してスムーズに摺動させることができる。なお、上記実施形態では、駆動輪41をリフトフレーム12の溝29に嵌め込んでボディ11と係合させる構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、駆動輪41の代わりに軸等を取り付けるなどして係合部を設けておき、当該係合部をボディ11に係合させる構成としてもよい。
【0065】
上記実施形態では、断面形状が「コ」字上の横材18によってボディ11の裏側に凹部24を形成し、ここに連結部材33を嵌め込む構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばボディ11自体に凹部24を設けた構成としたり、断面形状「L」型のアングル材を2本組み合わせて凹部24を形成した構成としてもよい。
【0066】
上記実施形態では、係合手段28が長尺状の連結部材33に対してスライダ部材30を二つ取り付けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スライダ部材30,30が連結部材33を介さずにそれぞれ独立的に取り付けられた構成であってもよい。
【0067】
上記実施形態では、連結部材33の長手方向両端部近傍において連結部材33およびボディ11を縦断するようにボルト39の軸39aを挿通して固定した構成を例示したが、連結部材33の中間部分において上記したのと同様にしてボルト39を装着した構成としてもよい。かかる構成とした場合、連結部材33の両端部にボルト39を装着する場合に比べて組み立て作業が多少困難になるが、上記実施形態と同様にボディ11と係合手段28とをしっかりと固定することができる。
【0068】
また、上記したように、本実施形態では、ボディ11の表面側から貫通孔11aおよび連結部材33の孔33aに対してボルト39を差し込み、これにナット39cを装着することによってボディ11と連結部材33とを連結することができる。そのため、本実施形態の構成を採用すれば図19に示すようにボディ11の裏面側においてボディ11に沿ってボルト39を差し込んでボディ11と連結部材33とを連結する構成とする場合に比べて、ボディ11と連結部材33との固定作業が容易に実施できる。
【0069】
貨物自動車1は、図18に示すようにボディ11を傾斜させた後、ボディ11の略全体を接地させて自動車等の貨物を積み降ろし可能な構成であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばボディ11の一部(後端部)のみを接地させた状態で貨物を積み降ろし可能な構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態にかかる貨物自動車および荷台装置を示す正面図である。
【図2】ボディを示す斜視図である。
【図3】(a)はボディの裏面の構造を示す平面図であり、(b)は(a)のA方向矢視図である。
【図4】貨物自動車の車体フレームとリフトフレームとの位置関係を示す平面図である。
【図5】リフトフレームを示す斜視図である。
【図6】連結部材を示す斜視図である。
【図7】(a)は係合手段を示す正面図であり、(b)は係合手段を構成するスライダ部材近傍の構造を示す側面図である。
【図8】ボディと連結部材との固定構造を示す分解斜視図である。
【図9】(a)は係合手段を示す平面図であり、(b)は係合手段とボディとの固定構造を示す正面図である。
【図10】(a)はリフトフレームを示す正面図であり、(b)は(a)の側面図である。
【図11】(a)は図10のP部の拡大図であり、(b)は(a)の側面図である。
【図12】(a)はチェーンと動力伝達部材とを連結した状態を示す斜視図であり、(b)は(a)の分解斜視図である。
【図13】連結部材と動力伝達部材との固定構造を示す斜視図である。
【図14】(a)は図10のQ部の拡大図であり、(b)は(a)の側面図である。
【図15】(a)はスプロケット保持部を示す平面図であり、(b)は(a)のA方向矢視図、(c)はスプロケット保持部に従動側スプロケットを装着した状態を示す斜視図、(d)は(b)のB方向矢視図である。
【図16】ボディ駆動手段の従動部近傍の構成を示す斜視図である。
【図17】駆動側スプロケット、従動側スプロケットおよびチェーンの位置関係を示す模式図である。
【図18】(a)〜(e)はそれぞれ図1に示す貨物自動車において貨物の積み降ろしを実施する際の動作を示す模式図である。
【図19】本発明者らが試作した荷台装置の要部を拡大した正面図である。
【符号の説明】
【0071】
1 貨物自動車
10 荷台装置
11 ボディ
12 リフトフレーム
15 リフト手段
28 係合手段
29 溝
39 ボルト
39a 軸(固定軸)
41 駆動輪
G 重心
R 後端部(支点)
X 仮想線
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷台装置、並びに、当該荷台装置を備えた貨物自動車に関するものであり、特に自動車等の車体に取り付けられ、荷台部分を地上に降ろして貨物を積み降ろし可能な荷台装置や、これを備えた貨物自動車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、下記特許文献1に開示されているような貨物自動車(ボディ積み降ろし車両)が提供されている。この種の貨物自動車の多くは、車体に荷台装置が取り付けられており、この荷台装置を作動させることにより貨物を車体に対して積み降ろしする構成とされている。
【0003】
従来技術の荷台装置の多くは、自動車の車体フレームに対して傾斜可能なように取り付けられたリフトフレームと称する部材や、貨物を搭載するためのボディと称される部材とを有し、ボディの裏面側に取り付けられたスライダと称される部材を介してボディとリフトフレームとが係合し、互いに相対移動可能な構成とされている。かかる構成の荷台装置では、リフトフレームを車体フレームに対して傾斜させ、この状態でボディをリフトフレームに沿って下降させることによりボディを地上に降ろして貨物の積み降ろしを実施できる。そのため、下記特許文献1に開示されているような構成の貨物自動車は、例えば自動車のような容易に持ち上げることができないような貨物を運ぶために多用されている。
【特許文献1】特開2000−108768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したように、特許文献1に開示されているような荷台装置や貨物自動車では、リフトフレームを車体に対して傾斜させた後、ボディをリフトフレームに対して相対移動させて地上に降ろす構成とされている。そのため、ボディとスライダとがしっかり固定されていないと、リフトフレームを車体に対して傾斜させる際に、ボディがリフトフレームに沿って位置ズレを起こしてしまったり、ボディに搭載されている貨物に予期せぬ衝撃がかかる可能性がある。
【0005】
そこで、かかる知見に基づき、本発明者らは、図19に示すようにボディ100の底面にブラケット101を設け、このブラケット101とスライダ102(係合手段)とを嵌合させると共に、ボディ100の底面に沿う方向に固定軸103を挿通して固定し、スライダ102をリフトフレーム105に係合させた構造の荷台装置を試作して実験を行った。その結果、リフトフレーム105を傾斜させてもスライダ102とボディ100との位置ズレが起こらず、ボディ100に搭載されている貨物の積み降ろし時に余計な衝撃が作用するといったような種々の問題点を解決できることを見いだした。
【0006】
その反面、本発明者らがボディ100に自動車などの重量物を搭載した状態でさらに実験を続けたところ、ボディ100側のブラケット101と、スライダ102を構成する連結材106とを横切るように取り付けられた固定軸103を剪断するような大きな負荷が作用する可能性があることが判明した。通常の使用形態では、図19のような構成を採用しても固定軸103が剪断されるといったような不具合は発生しないものと想定される。しかし、固定軸103に剪断力が作用することによる経年劣化等の可能性を考慮すると、固定軸103に高強度のものを採用したり、軸部材を複数設ける等の方策をとらねばならなくなり、荷台装置や貨物自動車の構造が複雑になったり、製造コストが上昇してしまうといった問題があることが判明した。
【0007】
かかる知見に基づき、本発明は、ボディと係合手段とを固定する固定軸に剪断力が作用しにくい構成の荷台装置、並びに、当該荷台装置を備えた貨物自動車の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、上記した課題を解決すべく提供される請求項1に記載の発明は、長尺状のリフトフレームと、当該リフトフレームの上方側に配され、貨物を搭載可能なボディと、前記リフトフレームを車体に対して傾斜させることが可能なリフト手段と、前記ボディとリフトフレームとを係合させる係合手段と、当該係合手段をボディに固定する固定手段とを有し、前記係合手段が、前記ボディをリフトフレームの長手方向への相対移動を許し、ボディがリフトフレームから離反する方向への移動を阻止するように係合させるものであり、前記固定手段が、ボディおよび係合手段にわたって挿通される固定軸を有し、当該固定軸が、前記ボディの離反方向に沿う方向に挿通されていることを特徴とする荷台装置である。
【0009】
本発明の荷台装置では、固定軸がボディの離反方向に沿う方向に挿通されている。そのため、リフトフレームを傾斜させることにより固定軸に対してボディがリフトフレームから離反する方向に外力が作用しても、この外力は固定軸の軸方向に作用するだけである。よって、本発明の荷台装置は、リフトフレームを傾斜させても固定軸に対して剪断力が殆ど作用しない。従って、本発明によれば、ボディと係合手段との固定強度を長期にわたって維持可能な荷台装置を提供できる。
【0010】
ここで、上記請求項1に記載の荷台装置において、リフトフレームを傾斜させていくと、ボディに傾斜に伴って下方側になる所定の位置を支点として回転しようとする力(回転モーメント)が作用することとなる。また、ボディには重量の大きな貨物が搭載される可能性があるため、貨物を搭載した状態でリフトフレームを傾斜させるとボディに対して作用する回転力がますます大きくなるものと想定される。そのため、ボディと係合手段との固定位置がリフトフレームを傾斜させた際に上方側となる位置に偏在している場合は、図19に示すようにボディ100に沿って固定軸103を挿通した構成とするのではなく、上記請求項1に記載の荷台装置のような構成とすることが望ましい。
【0011】
そこで、かかる知見に基づいて提供される請求項2に記載の発明は、リフトフレームが所定位置を支点として、前端側が後端側よりも上方となるように傾斜可能なものであり、固定軸が、リフトフレームを傾斜させた際に前記支点よりもボディの前端側となる位置に装着されていることを特徴とする請求項1に記載の荷台装置である。
【0012】
かかる構成とした場合についても、ボディと係合手段との固定強度を長期にわたって維持可能な荷台装置を提供できる。
【0013】
また、同様の知見に基づいて提供される請求項3に記載の発明は、リフトフレームが所定位置を支点として、前端側が後端側よりも上方となるように傾斜可能なものであり、前記支点を通り地表面に対して垂直な仮想線を想定した場合に、ボディあるいは当該ボディに貨物を搭載した状態における重心が、前記仮想線を越えて傾斜姿勢にあるボディの後端側に偏在した傾斜姿勢とすることが可能であり、前記ボディを傾斜姿勢とした際に前記仮想線よりもボディの上端側となる位置に固定軸が装着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の荷台装置である。
【0014】
本発明の荷台装置において、ボディの傾斜の支点となる位置を通る仮想線を想定した場合に、ボディの重心やボディに貨物を搭載した状態における重心が仮想線よりもボディの下端側に存在する姿勢になると固定軸に対して大きな外力が作用する可能性がある。しかし、本発明の荷台装置では、固定軸がリフトフレームの離反方向に沿う方向に挿通されているため、固定軸に作用する外力が大きなものであっても固定軸が剪断されるといった不具合の発生が起こらない。
【0015】
上記した本発明の荷台装置は、リフトフレームに、当該リフトフレームの長手方向に延びる溝が設けられており、係合手段が、回転自在に支持された駆動輪を有し、当該駆動輪を溝内に収容することによりボディとリフトフレームとを係合可能であることを特徴とするものであってもよい。
【0016】
また、上記した本発明の荷台装置は、ボディと係合手段とが嵌合しており、リフトフレームの長手方向への相対移動が阻止された構成とすることも可能である。
【0017】
請求項4に記載の発明は、車体に請求項1〜3のいずれかに記載の荷台装置を装着したことを特徴とする貨物自動車である。
【0018】
本発明の貨物自動車は、上記した本発明の荷台装置を備えた構成であるため、リフトフレームやボディを傾斜させてもボディと係合手段とを固定する固定軸に剪断力が作用せず、固定軸の破損や損傷が起こりにくい。そのため、本発明の貨物自動車は、リフトフレームとボディとの固定構造の破損や損傷に伴う不具合が発生しにくい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ボディと係合手段との固定強度が長期にわたって低下しない構成の荷台装置、並びに、当該荷台装置を備えた貨物自動車を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
続いて、本発明の一実施形態にかかる荷台装置、並びに、貨物自動車について図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態の荷台装置および貨物自動車は、後述するボディと係合手段との固定構造に特徴を有するが、当該固定構造の説明に先立ち荷台装置および貨物自動車の全体構造について説明する。
【0021】
図1において、1は本実施形態の貨物自動車であり、10は本実施形態の荷台装置である。貨物自動車1は、従来公知のトラック等の自動車を構成する車体フレーム2上に荷台装置10を取り付けた構成とされている。貨物自動車1は、荷台装置10を作動させることにより、荷台装置10を構成するボディ11に自動車等の重量物からなる貨物Fを容易に積み降ろし可能な構成とされている。
【0022】
さらに具体的に説明すると、荷台装置10は、ボディ11およびリフトフレーム12に加えて、後述するボディ駆動手段13やリフト手段15を備えた構成とされている。ボディ11は、自動車等の貨物Fを搭載するために設けられたものである。ボディ11は、図2に示すように平面視が略矩形の鋼板によって構成された載置部16を有する。載置部16は、自動車を搭載可能な程度の大きさを有する。
【0023】
載置部16の裏面側には、図3に示すように縦材17および横材18が複数、格子状に固定されており、これらにより載置部16が補強されている。縦材17および横材18は、それぞれアングル材により構成されている。縦材17は、載置部16の長辺に沿う姿勢とされ、固定されている。縦材17は、隣接する他の縦材17に対して載置部16の短辺方向に所定の間隔を開けて配されている。また、横材18は、載置部16の短辺に沿う姿勢とされ、固定されている。横材18は、隣接する他の横材18に対して載置部16の長辺方向に所定の間隔を開けて配されている。
【0024】
上記した横材18のうち、少なくとも貨物自動車1の車体上に載置部16を配置した際に先頭側(図3において左側)の端部近傍に取り付けられたもの(以下、必要に応じて横材18aと称す)は、図3(b)に示すように断面形状が略「コ」字形であり、水平面20と、これに対して垂直な垂直面21,22とを有する部材である。横材18aは、溶接等の手法により水平面20が載置部16の裏面に面接触するように固定されている。すなわち、横材18aは、ボディ11を通常の使用形態における姿勢、すなわち縦材17や横材18が下方(車体側)に向く姿勢とした場合に、水平面20に対向する開放部分が下方に向けて開放された凹部24を形成するように固定されている。また、図3や図8に示すように、横材18aの固定位置には、横材18aおよびボディ11を貫通する貫通孔11a,11aが設けられている。
【0025】
リフトフレーム12は、図1等に示すように、ボディ11を構成する載置部16の裏面側に配される部材である。リフトフレーム12は、図5に示すように断面形状が略「コ」字形の鋼材によって構成された長尺状のチャンネル材12aを2本並行に配し、チャンネル材12a,12aを横断するように横断材12bを取り付けて一体化した構成とされている。リフトフレーム12は、ボディ11を下方から支持する機能と、後述するボディ駆動手段13のスライダ部材30を構成する駆動輪41を案内する案内手段としての機能とを有する。
【0026】
リフトフレーム12を構成するチャンネル材12aは、図5に示すように垂直面23とこれに対して垂直な水平面25,26とを有する。チャンネル材12aは、垂直面23および水平面25,26によって3方が囲まれ、チャンネル材12aの長手方向に延びる溝29を有する。溝29は、後述するスライダ部材30の駆動輪41のガイドとして機能すると共に、係合手段28(駆動輪41)とチャンネル材12aとの係合部として機能する。
【0027】
チャンネル材12a,12aの間に形成される領域27の間隔L2は、上記した載置部16の幅L1よりも短い(L1>L2)。チャンネル材12a,12aは、互いに垂直面23,23が領域27側を向き、垂直面23,23に対向する開放部分が領域27の外側に向くように配置されている。
【0028】
リフトフレーム12の長手方向中央部近傍にはリフト手段15が取り付けられている。リフト手段15は、リフトリンク15aと油圧シリンダ15bとを備えており、図18(b)〜(e)に示すように貨物自動車1の車体フレーム2とリフトフレーム12との間に存在してリンク機構を形成している。リフトリンク15aは、車体フレーム2とリフトフレーム12とにピン連結されている。また、油圧シリンダ15bは、リフトリンク15aの中間部と車体フレーム2とにピン連結されている。リフト手段15は、油圧シリンダ15bの軸を伸縮させることにより、車体フレーム2の後端部(図18において右端)に設けたローラRを支点として貨物自動車1に対するリフトフレーム12の傾斜を変更することができる。
【0029】
ボディ駆動手段13は、ボディ11をリフトフレーム12を構成するチャンネル材12a,12aに沿って相対移動させるためのものである。ボディ駆動手段13は、図10に示すように係合手段28と、駆動部50と、従動部51とに大別される。
【0030】
係合手段28は、上記したボディ11の裏側に取り付けられ、ボディ11をリフトフレーム12を構成するチャンネル材12a,12aに係合させるためのものである。係合手段28は、連結部材33を中心として構成されており、連結部材33にスライダ部材30や動力伝達部材32を取り付けた構成とされている。
【0031】
連結部材33は、図6に示すように断面形状が略矩形の鋼材(角パイプ)からなるものであり、長手方向の所定位置にスライダ固定片35や伝達部材固定片36を固定した構成とされている。連結部材33には、スライダ部材30とボディ駆動手段13の動力伝達部材32とが装着されている。
【0032】
さらに具体的に説明すると、連結部材33は、上記したリフトフレーム12を構成するチャンネル材12a,12aの間隔L2よりも長く、載置部16の幅L1よりも短い程度の長さの鋼材である。連結部材33の長手方向両端部には、図6や図8等に示すようにボディ11と連結部材33との固定用のボルト39を挿通するための孔33a,33aが設けられている。また、連結部材33には、図6や図7に示すようにスライダ固定片35や伝達部材固定片36が取り付けられている。スライダ固定片35および伝達部材固定片36は、それぞれ連結部材33の長手方向に対して交差(本実施形態では略直交)し、連結部材33を跨ぐように取り付けられている。
【0033】
スライダ固定片35や伝達部材固定片36は、それぞれ後述するスライダ部材30や、動力伝達部材32を固定するためのものである。スライダ固定片35や伝達部材固定片36は、それぞれ2枚1組で使用される。すなわち、スライダ固定片35,35は、所定の間隔を開けて並行に配され、後述するスライダ部材30を連結部材33に対して固定するためのスライダ固定部37を構成する。スライダ固定片35には、後述するブシュ46を差し込むための貫通孔35aが設けられている。
【0034】
伝達部材固定片36,36についても、スライダ固定片35と同様に所定の間隔を開けて並行に固定され、後述する動力伝達部材32を連結部材33に対して固定するための伝達部材固定部38を構成している。
【0035】
スライダ固定部37は、連結部材33の長手方向両端部近傍に形成されている。伝達部材固定部38は、連結部材33の長手方向中間部に2箇所設けられている。スライダ固定部37および伝達部材固定部38は、それぞれ連結部材33の長手方向中央部を通過する平面を想定した際に、当該平面を介して略対称の位置関係にある。
【0036】
スライダ部材30は、図7に示すように、本体板40a,40b、駆動輪41a,41b、軸43a,43bおよび固定板45により主要部が構成されている。本体板40a,40bは、図7等に示すように所定の間隔を開けて平行に配置されている。本体板40a,40bには、軸43a,43bおよびブシュ46が略垂直に取り付けられている。
【0037】
駆動輪41,41は、上記したチャンネル材12a,12aの溝29の高さH(図5)と略同一の直径Dを有する車輪である。軸43a,43bは、本体板40a,40bに対して垂直に固定されており、駆動輪41,41の中心を貫通している。駆動輪41a,41bは、軸43a,43bに装着されたカラー47,47と、軸43a,43bの端部に固定された固定板45とで挟まれた状態とされており、軸43a,43bに対して回転自在に支持されている。
【0038】
スライダ部材30は、図7に示すように連結部材33に設けられたスライダ固定部37に取り付けられる。さらに具体的には、スライダ部材30は、図7(b)に示すように、スライダ固定部37を構成するスライダ固定片35,35の内側に本体板40,40を差し込み、スライダ固定片35,35の貫通孔35a,35aにブシュ46を差し込むことにより連結部材33と連結されている。スライダ部材30は、駆動輪41,41が連結部材33の中央側を向き、本体板40bが外側(連結部材33の端部側)を向く姿勢で取り付けられている。
【0039】
図12に示すように、動力伝達部材32は、ボディ側連結部32aを有し、その両脇にチェーン側連結部32bが設けられた構成とされている。図13に示すように、ボディ側連結部32aは、上記した連結部材33の中央付近に設けられた伝達部材固定部38を構成する伝達部材固定片36,36間に嵌め込まれ、連結部材33と連結される部分であり、伝達部材固定片36,36間に嵌る程度の幅を有する。ボディ側連結部32aには、幅方向に貫通した貫通孔32cが設けられている。
【0040】
チェーン側連結部32bは、幅がチェーン52を構成するリンクプレート53a,53aの幅と略同一とされており、その略中央部に幅方向に貫通した貫通孔53dを有する。動力伝達部材32は、チェーン52を構成するリンクプレート53a,53aの間にチェーン側連結部32bを挟み込み、リンクプレート53a,53aに設けられた貫通孔53eとチェーン側連結部32bに設けられた貫通孔53dとを横断するようにピン53fを挿通することによりチェーン52の両端部に連結されている。
【0041】
係合手段28は、上記したようにして連結部材33に対してスライダ部材30や動力伝達部材32を取り付けた構成とされている。係合手段28は、連結部材33とボディ11とをボルト39で固定することによりボディ11の裏側に固定されている。
【0042】
連結部材33とボディ11との固定構造についてさらに具体的に説明すると、連結部材33は、図8に示すようにスライダ固定片35や伝達部材固定片36が下方に向く姿勢とされ、この状態でボディ11の裏面側に固定されている横材18aの凹部24に嵌め込また状態となっている。ここで、上記したように凹部24を構成する横材18aは、ボディ11の短辺方向に延びるように取り付けられている。そのため、凹部24に連結部材33を嵌め込むと、横材18aの垂直面21,22により連結部材33がボディ11の長手方向、すなわち荷台装置10の組立状態においてリフトフレーム12の長手方向に相対移動できない状態とされている。
【0043】
図8や図9に示すように、連結部材33は、長手方向両端部に設けられた孔33a,33aと、ボディ11および横材18aに設けられた貫通孔11a,11aとが連通するように位置合わせされている。貫通孔11a,11aおよび孔33a,33aには、ボディ11の天面側からボルト39が差し込まれ、ボルト39の軸39a(固定軸)がボディ11の載置部16および連結部材33を略垂直に縦断した状態とされている。軸39aにはスリーブ39bおよびナット39cが装着されており、これによりボディ11と連結部材33とが一体化された状態となっている。
【0044】
また、連結部材33に装着されたスライダ部材30の駆動輪41は、図7や図9(b)に示すようにチャンネル材12a,12aの溝29に嵌め込まれて係合している。そのため、係合手段28やこれと一体化されたボディ11は、図9(b)に矢印Aで示すようにチャンネル材12a,12aの長手方向に自由に移動できるが、リフトフレーム12から離反する方向(図9(b)の矢印B方向)への移動は阻止された状態になる。
【0045】
係合手段28は、動力伝達部材32に繋がれたチェーン52を介してリフトフレーム12に装着された駆動部50の動力を受けて動作する構成とされている。荷台装置10は、チェーン52を作動させることにより、係合手段28およびこれに取り付けられたボディ11をリフトフレーム12の長手方向に往復動させることができる構成とされている。さらに具体的には、荷台装置10は、油圧モータ55の出力軸57を正方向に回転させてチェーン52を駆動させると、係合手段28やボディ11を図10に矢印Aで示すようにリフトフレーム12の先端側(貨物自動車1の運転席側)に移動させることができ、出力軸57を逆転させることにより図10に矢印Bで示すように係合手段28やボディ11をリフトフレーム12の基端部側に移動させることができる。
【0046】
さらに具体的に説明すると、駆動部50および従動部51は、並行に配された2本のチャンネル材12a,12aを橋渡すように取り付けられている。駆動部50は、リフトフレーム12の先端側(図10において左側)に配されている。駆動部50は、図10や図11に示すように、油圧モータ55と駆動側スプロケット56とを備えており、油圧モータ55において発生した動力を駆動側スプロケット56に装着されたチェーン52に伝達させ、チェーン52を駆動させるものである。
【0047】
さらに具体的に説明すると、油圧モータ55は、出力軸57がリフトフレーム12のチャンネル材12a,12aに対して略直交し、チャンネル材12a,12a間の領域27を横断するように取り付けられている。出力軸57の中間部分には、2つの駆動側スプロケット56,56が所定の間隔を開けて取り付けられている。駆動側スプロケット56,56には、それぞれチェーン52,52が取り付けられている。
【0048】
従動部51は、図10に示すようにリフトフレーム12の基端側(図10において右側)に配されている。従動部51は、図10や図14に示すように、スプロケット保持部60と、テンション調整部61とに大別される。スプロケット保持部60は、図15に示すようにフレーム62と4枚のスプロケット保持片63とによって主要部が構成されている。フレーム62は、長さが上記したチャンネル材12a,12a間の領域27の幅よりもやや短い程度の金属板によって構成されている。フレーム62の長手方向中間部には、2つの貫通孔65,65が設けられている。フレーム62の片面側の貫通孔65,65に相当する位置には、溶接等の手法によりナット66,66が固定されており、フレーム62の反対側の面の貫通孔65,65に相当する位置には、プレート67,67が固定されている。プレート67には貫通孔68が設けられており、貫通孔65,68が連通している。
【0049】
スプロケット保持片63は、それぞれ図15(a)〜(c)に示すようにフレーム62の片面側に、フレーム62に対して略垂直となるように固定されている。スプロケット保持片63は、2枚で1組のスプロケット保持手段69を構成するものである。スプロケット保持手段69は、フレーム62の長手方向両端部に設けられている。スプロケット保持手段69には、図15(c)に示すようにスプロケット保持片63,63を横断するように軸72が装着されており、軸72には従動側スプロケット70が回転自在に支持されている。
【0050】
図17に示すように、従動側スプロケット70と、上記した駆動側スプロケット56との間にはチェーン52が架け回されている。チェーン52は、図12に示すように従来公知のローラチェーンと同様にローラを装着したブシュで固定されたローラリンクと、ピンで固定されたピンリンクとを交互に繋いだ構成を有する。チェーン52は、動力伝達部材32に両端部が接続されており、これにより環状とされている。ここで、上記したように、動力伝達部材32は、連結部材33に設けられた伝達部材固定部38にピンを用いて連結されている。そのため、駆動側スプロケット56を回転させてチェーン52を作動させると、連結部材33やこれに接続されたボディ11を駆動させることができる。
【0051】
図10や図14、図16に示すように、テンション調整部61は、フレーム71により主要部が構成されている。フレーム71は、リフトフレーム12の基端部(図10において右側の端部)近傍において、チャンネル材12a,12aを横断するように固定されている。フレーム71の長手方向の略中央付近には、プレート76が取り付けられている。テンション調整部61には、図14(b)に示すように、2つの貫通孔73,73がフレーム71を貫通するように設けられている。貫通孔73,73は、プレート76に対して下方に隣接する位置であって、上記したスプロケット保持部60に設けられた貫通孔65,68に対応する位置に設けられている。貫通孔73,73は、それぞれチャンネル材12a,12aに対して交差する方向に所定の間隔L3を開けて設けられている。この間隔L3は、上記した駆動側スプロケット56,56の間隔や、従動側スプロケット70,70の間隔よりも狭い。
【0052】
図14や図16に示すように、従動部51は、上記したスプロケット保持部60とテンション調整部61とをボルト75,75で連結した構成とされている。さらに具体的には、従動部51は、スプロケット保持部60に設けられた貫通孔65,68と、テンション調整部61に設けられた貫通孔73とにわたってボルト75を挿通し、これをスプロケット保持部60に固定されているナット66に締結することによりスプロケット保持部60とテンション調整部61とを一体化した構成とされている。従動部51は、ボルト75,75の締結度合いを調整することにより、図10や図14、図16に矢印で示すようにスプロケット保持部60とテンション調整部61との相対位置をリフトフレーム12を構成するチャンネル材12a,12aの長手方向に調整することができる。
【0053】
ボルト75,75は、図17に示すように頭部75Yが貫通孔73,73の上方に取り付けられているプレート76の側面に当接している。そのため、ボルト75,75は、常時はプレート76によって回転が阻止されており、本体部61に対してしっかりと装着されている。すなわち、プレート76は、ボルト75,75の回り止めとして機能する。
【0054】
ここで、上記したように、テンション調整部61は、リフトフレーム12に対して固定されている。そのため、ボルト75,75の締結度合いを調整すれば、駆動部50に設けられた駆動側スプロケット56,56と、スプロケット保持部60に保持されている従動側スプロケット70,70との間隔を調整し、これらに懸架されたチェーン52,52の張力を調整することができる。
【0055】
続いて、ボディ11に自動車等の貨物Fを積み降ろしする際の貨物自動車1および荷台装置10の動作について、図面を参照しながら詳細に説明する。通常、貨物自動車1は、図1に示すようにボディ11が水平な姿勢とされた状態で走行する。貨物自動車1に対して貨物Fを積み降ろしする際は、車体フレーム2に対して取り付けられた荷台装置10を図18(a)〜(e)のように順次作動させてボディ11を地上に降ろし、ボディ11に対して貨物Fを積み降ろすことができる。
【0056】
さらに詳細に説明すると、ボディ11を地上に降ろす場合は、運転席等に設けられた図示しない降ろしスイッチをオン状態とすることにより荷台装置10が作動し始める。降ろしスイッチがオン状態とされると、荷台装置10の駆動部50に設けられた油圧モータ55の出力軸57が逆転し始める。これにより、駆動側スプロケット56および従動側スプロケット70に懸架されたチェーン52が駆動し、チェーン52に動力伝達部材32を介して接続されているスライダ部材30がリフトフレーム12の基端部側に移動し始める。スライダ部材30が移動し始めると、荷台装置10のボディ11は、図18(a)に示すように水平姿勢を維持したまま貨物自動車1に対して後方に移動する。
【0057】
図18(a)に示すようにボディ11の半分程度が貨物自動車1の車体フレーム2の後端部R(図18において右端)よりも後方にはみ出した状態になると、ボディ11自身の重心やボディ11に貨物Fを搭載した状態における重心(以下、これらを総称して単に重心Gと称す)がリフト手段15のリフトリンク15aのピン接続位置を越え、後端部Rを通り地表面に対して鉛直な仮想線X上あるいはこの近傍に到来する。ボディ11が図18(a)のような状態になると、リフト手段15の油圧シリンダ15bの軸が延ばされる。これにより、図18(b)に示すようにリフトフレーム12が後端部Rを支点として傾斜し始める。
【0058】
リフトフレーム12が所定の角度になると、油圧モータ55の出力軸57が逆転し、駆動側スプロケット56および従動側スプロケット70に懸架されたチェーン52が駆動する。これに伴い、チェーン52に動力伝達部材32を介して接続されているスライダ部材30およびこれに連結部材33を介して接続されているボディ11がリフトフレーム12の基端部側に移動し、やがて図18(c)に示すようにボディ11の端部Sが地表面に突き当たった状態になる。その後、さらに油圧モータ55を逆転させると、ボディ11がリフトフレーム12を構成するチャンネル材12a,12aに沿って貨物自動車1の後側に向けて摺動する。
【0059】
図18(d)に示すようにボディ11の先端部分がリフトフレーム12の基端部近傍の所定位置に到来すると油圧モータ55の回転が停止し、ボディ11の摺動が停止する。ボディ11の摺動が停止すると、リフト手段15の油圧シリンダ15bの軸がさらに延長され、リフトフレーム12がさらに傾斜した状態とされる。これにより、図18(e)に示すようにボディ11が完全に地表面に降ろされた状態になる。
【0060】
貨物自動車1は、上記したような手順によりボディ11を地表面に降ろし、ボディ11に対して自動車等の貨物Fを地表面から持ち上げることなく積み降ろし可能な状態になる。また、貨物自動車1は、図示しない「積み込み」スイッチをオン状態とすることにより、上記した手順を逆に実施し、ボディ11に搭載された貨物Fを貨物自動車1の車体に積み込むことができる。
【0061】
上記したように、荷台装置10は、ボディ11を貨物自動車1の車体に対して積み降ろしする際にボディ11やリフトフレーム12が貨物自動車1に対して傾斜する構成とされている。ここで、上記したようにボディ11は、鋼板を用いて作製されており、重量が大きい。また、ボディ11やこれに搭載されている貨物Fの重心Gは、ボディ11と連結部材33とを連結しているボルト39から離れた位置にある。さらに具体的には、前記した重心Gは、ボルト39の装着位置からボディ11の全長の約半分程度の長さだけボディ11の後方にずれた位置にある。そのため、荷台装置10においてリフトフレーム12,12を傾斜させる過程において、図18(b)のようにボディ11が着地しておらず、重心Gが支点Rを通る仮想線Xの近傍あるいは仮想線Xを越えて傾斜姿勢にあるボディ11の下端側(図18(b)において右端側)に偏在している場合は、ボディ11と連結部材33とを連結しているボルト39に、ボディ11が連結部材33から離れる方向(図18(b)に矢印Bで示す方向)に大きな力(回転モーメント)が作用するものと想定される。そのため、例えば図19に示すようにボルト39をボディ11に沿って横材18aや連結部材33を横断するように装着すると、ボルト39の軸39aに剪断力が作用してしまい、ボルト39に高強度のものを採用したり、ボルト39を多数取り付けねばならない。
【0062】
かかる知見に基づき、本実施形態の荷台装置10では、図9(b)等に示すようにボルト39の軸39aをボディ11および連結部材33に対して略直交する方向に挿通して固定した構成とされている。そのため、荷台装置10は、ボディ11やリフトフレーム12を傾斜させてもボディ11とリフトフレーム12とを繋ぐボルト39には剪断力が作用しない。従って、本実施形態の荷台装置10は、ボディ11と係合手段28との固定に使用されるボルト39の破断やこれに伴う種々の問題の発生を最小限に抑制することができる。
【0063】
本実施形態の荷台装置10は、図18(b)のようにボディ11やリフトフレーム12が傾斜した状態において、車体フレーム2の後端部Rを通る仮想線Xよりも上方側の位置にボルト39が装着されている。そのため、重心Gが車体フレーム2の後端部Rを通る仮想線Xの近傍あるいは仮想線Xよりもボディ11の下端側に存在する姿勢になると、ボルト39に対して大きな回転モーメントが作用することとなる。本実施形態では、図9(b)に示すようにボルト39の軸39aが前記した回転モーメントの方向(ボディ11の離反方向)に対して沿う方向に軸39aが挿通されているため、ボルト39に作用する回転モーメントが大きなものであってもボルト39には剪断力が殆ど作用しない。従って、本実施形態の荷台装置10は、ボルト39に特別に高強度なものを採用したり、ボルト39を多数取り付けるなどしなくてもよい。
【0064】
上記実施形態では、スライダ部材30の駆動輪41をリフトフレーム12の溝29に側方から嵌め込むことによりボディ11と係合させる構成としているため、ボディ11をリフトフレーム12に対してスムーズに摺動させることができる。なお、上記実施形態では、駆動輪41をリフトフレーム12の溝29に嵌め込んでボディ11と係合させる構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、駆動輪41の代わりに軸等を取り付けるなどして係合部を設けておき、当該係合部をボディ11に係合させる構成としてもよい。
【0065】
上記実施形態では、断面形状が「コ」字上の横材18によってボディ11の裏側に凹部24を形成し、ここに連結部材33を嵌め込む構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばボディ11自体に凹部24を設けた構成としたり、断面形状「L」型のアングル材を2本組み合わせて凹部24を形成した構成としてもよい。
【0066】
上記実施形態では、係合手段28が長尺状の連結部材33に対してスライダ部材30を二つ取り付けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スライダ部材30,30が連結部材33を介さずにそれぞれ独立的に取り付けられた構成であってもよい。
【0067】
上記実施形態では、連結部材33の長手方向両端部近傍において連結部材33およびボディ11を縦断するようにボルト39の軸39aを挿通して固定した構成を例示したが、連結部材33の中間部分において上記したのと同様にしてボルト39を装着した構成としてもよい。かかる構成とした場合、連結部材33の両端部にボルト39を装着する場合に比べて組み立て作業が多少困難になるが、上記実施形態と同様にボディ11と係合手段28とをしっかりと固定することができる。
【0068】
また、上記したように、本実施形態では、ボディ11の表面側から貫通孔11aおよび連結部材33の孔33aに対してボルト39を差し込み、これにナット39cを装着することによってボディ11と連結部材33とを連結することができる。そのため、本実施形態の構成を採用すれば図19に示すようにボディ11の裏面側においてボディ11に沿ってボルト39を差し込んでボディ11と連結部材33とを連結する構成とする場合に比べて、ボディ11と連結部材33との固定作業が容易に実施できる。
【0069】
貨物自動車1は、図18に示すようにボディ11を傾斜させた後、ボディ11の略全体を接地させて自動車等の貨物を積み降ろし可能な構成であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばボディ11の一部(後端部)のみを接地させた状態で貨物を積み降ろし可能な構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態にかかる貨物自動車および荷台装置を示す正面図である。
【図2】ボディを示す斜視図である。
【図3】(a)はボディの裏面の構造を示す平面図であり、(b)は(a)のA方向矢視図である。
【図4】貨物自動車の車体フレームとリフトフレームとの位置関係を示す平面図である。
【図5】リフトフレームを示す斜視図である。
【図6】連結部材を示す斜視図である。
【図7】(a)は係合手段を示す正面図であり、(b)は係合手段を構成するスライダ部材近傍の構造を示す側面図である。
【図8】ボディと連結部材との固定構造を示す分解斜視図である。
【図9】(a)は係合手段を示す平面図であり、(b)は係合手段とボディとの固定構造を示す正面図である。
【図10】(a)はリフトフレームを示す正面図であり、(b)は(a)の側面図である。
【図11】(a)は図10のP部の拡大図であり、(b)は(a)の側面図である。
【図12】(a)はチェーンと動力伝達部材とを連結した状態を示す斜視図であり、(b)は(a)の分解斜視図である。
【図13】連結部材と動力伝達部材との固定構造を示す斜視図である。
【図14】(a)は図10のQ部の拡大図であり、(b)は(a)の側面図である。
【図15】(a)はスプロケット保持部を示す平面図であり、(b)は(a)のA方向矢視図、(c)はスプロケット保持部に従動側スプロケットを装着した状態を示す斜視図、(d)は(b)のB方向矢視図である。
【図16】ボディ駆動手段の従動部近傍の構成を示す斜視図である。
【図17】駆動側スプロケット、従動側スプロケットおよびチェーンの位置関係を示す模式図である。
【図18】(a)〜(e)はそれぞれ図1に示す貨物自動車において貨物の積み降ろしを実施する際の動作を示す模式図である。
【図19】本発明者らが試作した荷台装置の要部を拡大した正面図である。
【符号の説明】
【0071】
1 貨物自動車
10 荷台装置
11 ボディ
12 リフトフレーム
15 リフト手段
28 係合手段
29 溝
39 ボルト
39a 軸(固定軸)
41 駆動輪
G 重心
R 後端部(支点)
X 仮想線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状のリフトフレームと、
当該リフトフレームの上方側に配され、貨物を搭載可能なボディと、
前記リフトフレームを車体に対して傾斜させることが可能なリフト手段と、
前記ボディとリフトフレームとを係合させる係合手段と、
当該係合手段をボディに固定する固定手段とを有し、
前記係合手段は、前記ボディをリフトフレームの長手方向への相対移動を許し、ボディがリフトフレームから離反する方向への移動を阻止するように係合させるものであり、
前記固定手段は、ボディおよび係合手段にわたって挿通される固定軸を有し、
当該固定軸は、前記ボディの離反方向に沿う方向に挿通されていることを特徴とする荷台装置。
【請求項2】
リフトフレームが所定位置を支点として、前端側が後端側よりも上方となるように傾斜可能なものであり、
固定軸が、リフトフレームを傾斜させた際に前記支点よりもボディの前端側となる位置に装着されていることを特徴とする請求項1に記載の荷台装置。
【請求項3】
リフトフレームが所定位置を支点として、前端側が後端側よりも上方となるように傾斜可能なものであり、
前記支点を通り地表面に対して垂直な仮想線を想定した場合に、ボディあるいは当該ボディに貨物を搭載した状態における重心が、前記仮想線を越えて傾斜姿勢にあるボディの後端側に偏在した傾斜姿勢とすることが可能であり、
前記ボディを傾斜姿勢とした際に前記仮想線よりもボディの上端側となる位置に固定軸が装着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の荷台装置。
【請求項4】
車体に請求項1〜3のいずれかに記載の荷台装置を装着したことを特徴とする貨物自動車。
【請求項1】
長尺状のリフトフレームと、
当該リフトフレームの上方側に配され、貨物を搭載可能なボディと、
前記リフトフレームを車体に対して傾斜させることが可能なリフト手段と、
前記ボディとリフトフレームとを係合させる係合手段と、
当該係合手段をボディに固定する固定手段とを有し、
前記係合手段は、前記ボディをリフトフレームの長手方向への相対移動を許し、ボディがリフトフレームから離反する方向への移動を阻止するように係合させるものであり、
前記固定手段は、ボディおよび係合手段にわたって挿通される固定軸を有し、
当該固定軸は、前記ボディの離反方向に沿う方向に挿通されていることを特徴とする荷台装置。
【請求項2】
リフトフレームが所定位置を支点として、前端側が後端側よりも上方となるように傾斜可能なものであり、
固定軸が、リフトフレームを傾斜させた際に前記支点よりもボディの前端側となる位置に装着されていることを特徴とする請求項1に記載の荷台装置。
【請求項3】
リフトフレームが所定位置を支点として、前端側が後端側よりも上方となるように傾斜可能なものであり、
前記支点を通り地表面に対して垂直な仮想線を想定した場合に、ボディあるいは当該ボディに貨物を搭載した状態における重心が、前記仮想線を越えて傾斜姿勢にあるボディの後端側に偏在した傾斜姿勢とすることが可能であり、
前記ボディを傾斜姿勢とした際に前記仮想線よりもボディの上端側となる位置に固定軸が装着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の荷台装置。
【請求項4】
車体に請求項1〜3のいずれかに記載の荷台装置を装着したことを特徴とする貨物自動車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2007−153229(P2007−153229A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−353810(P2005−353810)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000163095)極東開発工業株式会社 (215)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000163095)極東開発工業株式会社 (215)
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