説明

荷物配送システムおよびナビゲーション装置

【課題】経路や日時、また搭乗者の人数が固定的でない場合にも柔軟に対応できる荷物配送システムおよびナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置は、現在位置取得部と、地図データの記憶部と、通信部と、目的地、車種情報、車への搭乗人員の入力部と、受信した配送元と配送先を経由地として、現在位置から目的地への経路を探索する経路探索部とを備え、集配センターのサーバは、車種と搭乗人員から空きスペースを特定する車両サイズ管理データと、配送する荷物毎の配送元、配送先、荷物の大きさを特定する荷物管理データと、通信部と、車種情報と搭乗人員に基づき車両サイズ管理データから空きスペースを特定し、現在位置と目的地に基づき配送元と配送先を特定し、特定した配送元と配送先と空きスペースに基づいて荷物管理データから配送依頼する荷物を特定する配送依頼決定部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある地点からある地点まで、車の空きスペースに荷物を搭載して配送を行うための荷物配送システムおよびナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷物の配送は、各地の集配所に集められた後、配送先の最寄の集配所まで、鉄道や集配業者のトラック等の定期便に搭載されて運ばれる。そのため、配達までの所要時間が定期便の時間間隔に応じて定まり、定期便が出発するまで待ち時間が発生し、迅速な配送が実現されていない。
【0003】
その課題を解決するために、通勤や通学、その他日常的に固定的な経路で移動している人を搬送人として組織化し、事前にこの移動情報を収集することにより、即時に適切な移動者に搬送委託することができる物流システムが提案されている。この物流システムにより、荷物を集約して配送する定期便の時間に制約されない搬送が可能となり、搬送所要時間を短縮でき、低コストの物流が行える(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002―063395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の構成においては、通勤や通学、その他日常的に固定的な経路で移動している人を搬送人の対象としてそのデータを事前に登録しているために、日によって経路や時間が固定的でない搬送人には対応できない。また、経路が固定的な場合のみならず、例えば、車で移動する場合には、日によって搭乗者の人数が変わると、運べる荷物の大きさや数が事前に登録されたものと変わるため、対応できなかった。
【0006】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、車の空きスペースを自動で計算して、出発地と目的地に適合する荷物を集配センターのサーバで検索することにより、経路や日時、また搭乗者の人数が固定的でない場合にも柔軟に対応できる荷物配送システムおよびナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の局面は、集配センターのサーバと通信可能なナビゲーション装置を搭載する車の空きスペースを利用して荷物の配送をおこなう荷物配送システムに向けられている。ナビゲーション装置は、現在位置を取得する現在位置取得部と、地図データを記憶する記憶部と、集配センターのサーバと通信するための第1の通信部と、目的地、車種情報、車への搭乗人員を入力する入力部と、第1の通信部で集配センターのサーバから受信した配送元および配送先の位置情報に基づいて、配送元および配送先を経由地として、現在位置から目的地への経路を地図データから探索する経路探索部とを備え、集配センターのサーバは、車種と搭乗人員に基づいて車の空きスペースを特定可能な車両サイズ管理データを記憶する車両サイズ管理データ記憶部と、配送する荷物毎の配送元、配送先、荷物の大きさを特定可能な荷物管理データを記憶する荷物管理データ記憶部と、ナビゲーション装置と通信するための第2の通信部と、第2の通信部でナビゲーション装置から受信した車種情報と搭乗人員に基づいて車両サイズ管理データを参照して車の空きスペースを特定し、第2の通信部でナビゲーション装置から受信した現在位置と目的地に基づいて配送元および配送先を特定し、特定した配送元と配送先と車の空きスペースに基づいて荷物管理データを参照して配送を依頼する荷物を特定する配送依頼決定部とを備える。
【0008】
本発明の第2の局面は、車の空きスペースを利用して荷物の配送をおこなう荷物配送システムにおいて集配センターのサーバと通信可能なナビゲーション装置に向けられており、現在位置を取得する現在位置取得部と、地図データを記憶する記憶部と、集配センターと通信するための第1の通信部と、目的地、車種情報、前記車への搭乗人員を入力する入力部と、第1の通信部で集配センターのサーバから受信した配送元および配送先の位置情報に基づいて、配送元および配送先を経由地として、現在位置から目的地への経路を地図データから探索する経路探索部とを備える。
【0009】
本発明の第3の局面は、車の空きスペースを利用して荷物の配送をおこなう荷物配送システムにおいて車のナビゲーション装置と通信可能な集配センターのサーバであって、車種と搭乗人員に基づいて車の空きスペースを特定可能な車両サイズ管理データを記憶する車両サイズ管理データ記憶部と、配送する荷物毎の配送元、配送先、荷物の大きさを特定可能な荷物管理データを記憶する荷物管理データ記憶部と、ナビゲーション装置と通信するための第2の通信部と、第2の通信部でナビゲーション装置から受信した車種情報と搭乗人員に基づいて車両サイズ管理データを参照して車の空きスペースを特定し、第2の通信部で前記ナビゲーション装置から受信した現在位置と目的地に基づいて配送元および配送先を特定し、特定した配送元と配送先と車の空きスペースに基づいて荷物管理データを参照して配送を依頼する荷物を特定する配送依頼決定部とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の荷物配送システムおよびナビゲーション装置によれば、経路や日時、また搭乗者の人数が固定的でない場合にも柔軟に対応でき、車の空きスペースをより有効利用できる荷物配送が可能になる。そのため、配送用のトラックによる配送の総量を削減させ、道路を走行する車のトータル台数を減らすことができるので、道路渋滞の緩和、CO排出量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態における荷物配送システムの構成を示すブロック図
【図2】荷物管理データ記憶部206に記憶される荷物管理データの一例を示す図
【図3】信頼データ記憶部204に記憶される信頼データの一例を示す図
【図4】車両サイズ管理データ記憶部205に記憶される車両サイズ管理データの一例を示す図
【図5A】ナビゲーション装置100および集配センターのサーバ200の処理の流れを示すフローチャート
【図5B】ナビゲーション装置100および集配センターのサーバ200の処理の流れを示すフローチャート
【図5C】ナビゲーション装置100および集配センターのサーバ200の処理の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態における荷物配送システムの構成について図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する本発明の実施の形態は、本発明の好ましい一具体例を示すものである。本実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素は、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0013】
図1は本発明の実施の形態における荷物配送システムの構成を示すブロック図である。荷物配送システム1は、荷物配送を行う車に搭載されるナビゲーション装置100、荷物配送システム1の全体を管理する集配センターのサーバ200、荷物の集配所となる集配所のサーバ300、400から構成される。集配所は地域毎に存在するため、荷物配送システム全体では多数存在することになるが、ここでは説明のために最低限必要な配送元としての集配所Aのサーバ300と、配送先としての集配所Bのサーバ400のみを図示している。
【0014】
ナビゲーション装置100は、通信部101、入力部102、現在位置取得部103、経路探索部104、表示部105、記憶部106によって構成される。
【0015】
通信部101は、携帯電話、無線LANなどによりインターネットを介して集配センターのサーバ200と通信可能に構成されており、ナビゲーション装置100のID(以下、ナビIDと呼ぶ)、車種情報、搭乗人員、現在位置、目的地などの情報を送信すること、および、集配センターのサーバ200からの種々の情報を受信する。
【0016】
入力部102は、タッチパネル、キーボード等で構成され、ナビゲーション装置100が取り付けられている車の車種の情報(以下、車種情報と呼ぶ)、今回の移動で車に搭乗する人員の数(以下、搭乗人員と呼ぶ)、今回の移動の目的地、集配センターのサーバ200からの配送の問い合わせに対する承諾もしくは否認などを、ユーザが入力できるようになっている。
【0017】
現在位置取得部103は、GPS(Global Positioning System)、角速度センサなどからの検出信号に基づいて、車両の現在位置を取得する。
【0018】
経路探索部104は、現在位置取得部103が取得した現在位置と、入力部102によりユーザが入力した目的地と、記憶部106に記憶されている地図データに基づいて経路の探索を行なう。通信部101が集配センターのサーバ200から受信した集配所A(配送元)および集配所B(配送先)の位置情報を使用して、集配所A(配送元)および集配所B(配送先)を経由地として経路の探索を行なうことも可能である。探索した経路は記憶部106に記憶され、地図データおよび現在位置取得部103が取得した現在位置などの情報と共に、適宜読みだされて表示部105に表示される。
【0019】
表示部105は、液晶ディスプレイなどにより構成されており、経路探索部104が探索した経路や、通信部101が受信した情報や、集配所A(配送元)および集配所B(配送先)の位置情報などを画面上に表示する。
【0020】
記憶部106は、ハードディスク、ROM、RAMなどにより構成され、経路探索や表示部105に表示するために必要な地図データ、ナビID、車種情報などの情報を記憶している。ナビIDはナビゲーション装置100に対して、機器固有に割り付けされるユニークなIDである。
【0021】
次に、集配センターのサーバ200について説明する。集配センターのサーバ200は、通信部201、評価入力部202、配送依頼決定部203、信頼データを記憶する信頼データ記憶部204、車両サイズ管理データを記憶する車両サイズ管理データ記憶部205、荷物管理データを記憶する荷物管理データ記憶部206によって構成される。
【0022】
通信部201はインターネットに接続され、ナビゲーション装置100からの情報を受信、および、配送依頼決定部203から受信した情報を送信する。また、集配所A(配送元)のサーバ300や、集配所B(配送先)のサーバ400とも情報の送受信を行う。
【0023】
配送依頼決定部203は、通信部201から入手したナビゲーション装置100からの情報を元にして、信頼データ記憶部204、車両サイズ管理データ記憶部205、荷物管理データ記憶部206内のデータを検索・参照する。
【0024】
評価入力部202は、配送完了後の今回の配送についての評価点からナビIDに対応する信頼データを算出して、信頼データ記憶部204に蓄積する。評価点は荷物を受け取る集配所B(配送先)の管理者により入力され、通信部201を介して評価入力部202に入力される。
【0025】
ここで、荷物管理データ、信頼データ、車両サイズ管理データの具体的な例について説明する。まず初めに、荷物管理データについて図2を用いて説明する。
【0026】
荷物管理データは、図2に示すように、荷物ID、配送元、配送先、荷物の大きさ、配送期限、報酬の情報から構成される。例えば、荷物IDが“1”の荷物は、“横浜”から“川崎”に配送され、その大きさは“100(W)×100(H)×100(D)cm“で、配送期限は”9月2日10:00“に設定されている。また、配送者がこの荷物の配送を完了したときに集配センターから受け取る報酬の金額は、”360円“に設定されている。
【0027】
荷物IDは荷物ごとに付与される管理番号である。配送元、配送先、荷物の大きさ、配送期限は、荷物の配送を受け付けた時に付与される、報酬については、例えば、配送料金の3割などと事前に設定しておくことができる。
【0028】
次に、信頼データについて、図3を用いて説明する。信頼データは、ナビID、過去の評価点によって構成され、ナビIDごとに過去の評価点(信頼データ)が蓄積されている。図3に示すように、ナビIDの列には、過去に配送したことのある配送者の車両に取り付けられたナビゲーション装置100のナビIDを記録する。評価点としては、例えば、荷物が設定された配送期限内に配送を完了できたかや、荷物を傷付けずに無事に配送できたかなどの配送先の集配所Bの管理者の評価に基づいて、予め決められた重みづけにより計算される。たとえば、図3においてナビIDが“100”の配送者について、過去の評価点は“70”点となっている。この過去の評価点(信頼データ)は、たとえば、過去の配送ごとの評価点を単純に平均することで計算することができる。
【0029】
次に、車両サイズ管理データについて、図4を用いて説明する。車両サイズ管理データには、搭乗人員毎の空きスペースの情報が、車種ごとに格納されている。ここで、車種とは年式、タイプなどにより車室内容積が異なるため、車名だけではなくそれらにより細分化されたものである。図4において、例えば、車種が“A”で、今回の配送時の移動における搭乗人員が2名の場合は、200×100×50の空きスペースが残されていることが分かる。
【0030】
次に、集配所A(配送元)のサーバ300および集配所B(配送元)のサーバ400について説明する。
【0031】
集配所A(配送元)のサーバ300は、通信部301によって構成される。通信部301は、集配センターのサーバ200から、荷物IDおよびナビIDを受信する。また、集配センターのサーバ200に対して発送が完了したことを送信する。
【0032】
集配所B(配送元)のサーバ400は、通信部401によって構成される。通信部401は、集配センターのサーバ200から、荷物IDおよびナビIDを受信する。また、集配センターのサーバ200に対して配達が完了したことや、評価点のデータを送信する。
【0033】
以上のように構成された荷物配送システム1におけるナビゲーション装置100および集配センターのサーバ200の処理の流れを図5A〜図5Cのフローチャートを用いて説明する。
【0034】
まず、ナビゲーション装置100側の処理として、ステップS501においてユーザである配送者の指示により入力部102から車種情報の入力を受け付ける。例えば、予め全ての車種情報を記憶部106に記憶しておくことにより、メーカ、車名、タイプなどをプルダウンメニューでユーザが容易に選択できるようにすることができる。車種情報については集配センターのサーバで常に全ての車の最新の車種情報が車両サイズ管理データ記憶部205に記憶されており、通信部101を介してダウンロードすることにより更新することもできる。ユーザによる車種情報の入力は、ナビゲーション装置100を車に取り付けた後の初回起動時のみ行ない、入力された情報は記憶部106に記憶される。
【0035】
次に、ステップS502において、現在位置取得部103が現在位置の取得を行なう。取得した現在位置は記憶部106に記憶される。そして、ステップS503において入力部102から目的地の入力を受け付ける。入力された目的地は記憶部106に記憶される。
【0036】
次に、ステップS504において入力部102からユーザの指示により、今回の移動における搭乗人員の入力を受け付ける。例えば、ユーザにより「2人」などの入力を手入力により行なう。また、手入力以外にも、シート下に取り付けされた荷重センサなどにより搭乗人員を検知して、自動で入力されるようにしてもよい。入力された搭乗人員は記憶部106に記憶される。
【0037】
次に、ステップS505において、通信部101は、ナビID、ステップS501で取得した車種情報、ステップS502で取得した現在位置、ステップS503で取得した目的地、ステップS504で取得した搭乗人員のデータを記憶部106から読み出して、集配センターのサーバ200へ送信する。
【0038】
次に、集配センターのサーバ200側の処理として、まず、ステップS600において通信部201がナビゲーション装置100からナビID、車種情報、現在位置、目的地、搭乗人員のデータを受信する。
【0039】
次に、配送依頼決定部203は、まず車種情報、搭乗人員のデータに基づき、車両サイズ管理データ記憶部205の車両サイズ管理データ(例えば図4)を参照して、空きスペースを取得する(ステップS601)。そして、配送依頼決定部203は、現在位置に最も近い集配所を配送元とし、目的地に最も近い集配所を配送先として、取得した空きスペースとに基づいて荷物管理データ記憶部206の荷物管理データ(例えば図2)から適合する配送候補の荷物があるかを検索する(ステップS602)。
【0040】
次に、ステップS603において配送候補の荷物があったか否かを判定する。配送候補の荷物があった場合(ステップS603でYes)、集配センターのサーバ200は通信部201からその荷物に対応する荷物ID、集配所A(配送元)および集配所B(配送先)の位置のデータをナビIDに対応するナビゲーション装置100に送信する(ステップS604)。配送候補の荷物がなかった場合(ステップS603でNo)、処理をステップS617に移す。
【0041】
次に、ナビゲーション装置100側の処理として、ステップS506において、通信部101は荷物ID、集配所A(配送元)および集配所B(配送先)の位置のデータを受信し、記憶部106に記憶する。
【0042】
次に、ステップS507では、経路探索部104が集配所A、集配所Bを経由地とした経路探索を行い、集配所Bへの到着予定時刻(配送予定時刻)を算出する。ここで、経路探索部104は現在位置→集配所A→集配所B→目的地の経路を記憶部106の地図データに基づいて探索する。探索された経路、到着予定時刻(配送予定時刻)は記憶部106に記憶する。そして、ステップS508では、通信部101が集配センターのサーバ200へ、ナビID、荷物ID、配送予定時刻を送信する。
【0043】
次に、集配センターのサーバ200側の処理として、通信部201がナビゲーション装置100からナビID、荷物ID、配送予定時刻を受信する(ステップS605)。そして、配送依頼決定部203は、ナビゲーション装置100から受信した配送予定時刻が、荷物管理データ記憶部206の荷物IDに対応する配送期限内かどうか比較する(ステップS606)。配送期限内であった場合(ステップS606でYes)、配送依頼決定部203は信頼データ記憶部204の信頼データ(例えば図3)を参照して、ナビIDに該当する過去の評価点(信頼データ)を取得する(ステップS607)。そして、配送依頼決定部203は取得した信頼データに基づいて、配送を依頼するか否かを決定する(ステップS608)。決定方法としては、たとえば、予め信頼データの閾値を設定しておき、取得した信頼データがその閾値以上か否かで判断することができる。また、信頼データの閾値は配送の混雑状況などに応じて変更することもできる。さらに自動で判断する以外に集配センターのサーバ200の管理者が依頼するか否かを判断するようにしてもよい。
【0044】
ステップS608において、配送依頼決定部203が配送を依頼すると決定すると(Yes)、通信部201は、荷物ID、報酬の金額のデータをナビIDに対応するナビゲーション装置100に送信する(ステップS609)。ここで、配送依頼決定部203は荷物管理データ記憶部206の荷物管理データ(例えば図2)を参照して、荷物IDに対応する報酬の金額を特定する。ステップS608で、配送を依頼しないと決定した場合は(No)、ステップS617に処理を移す。
【0045】
次に、ナビゲーション装置100側の処理として、ステップS509では、通信部101は荷物ID、報酬の金額を受信して、記憶部106に記憶する。そして、表示部105の画面上に集配所A(配送元)および集配所B(配送先)の位置と共に、報酬の金額等の情報を表示する(ステップS510)。
【0046】
次に、ステップS511においてナビゲーション装置100のユーザである配送者が表示部105の画面に表示された情報を見て、その荷物を配送する意思があるか否かを判断し、入力部102は配送する意思がある場合「承諾」、配送する意思がない場合「否認」の入力を受け付ける。
【0047】
次に、ステップS512において、ステップS511で入力部102が受け付けた入力が「承諾」かどうかを判断する。「承諾」であった場合(ステップS512でYes)、通信部101は集配センターのサーバ200へ「承諾」を送信する(ステップS513)。また、ステップS511で入力部102が受け付けた入力が「否認」であった場合(ステップS512でNo)、通信部101は集配センターのサーバ200へ「否認」を送信し(ステップS518)、ステップS520へ処理を移す。
【0048】
次に、集配センターのサーバ200側の処理として、ユーザである配送者が配送を承諾したとき、通信部201がナビゲーション装置100から「承諾」を受信する(ステップS610)。
【0049】
次に、通信部201は集配所A(配送元)のサーバ300へ、ナビID、荷物IDを送信する(ステップS611)。そして、通信部201は集配所B(配送先)のサーバ400へ、同様にナビID、荷物IDを送信する(ステップS612)。
【0050】
次に、ナビゲーション装置100側の処理として、ステップS513で「承諾」を集配センターのサーバ200に送信した後、地図データとステップS508で経路探索部104が探索した経路を記憶部106から読み出して、表示部105に経路案内のための画面を表示させ、ユーザである配送者を集配所A(配送元)へ案内する(ステップS514)。配送者は集配所Aに到着すると、荷物IDに該当する荷物を受け取り車に搭載する。
【0051】
ここで、ユーザである配送者が集配所Aに到着して荷物IDの荷物を受け取ると、集配所Aのサーバ300は通信部301から集配センターのサーバ200に荷物ID、発送時刻を含む「発送完了」のデータを送信し、集配センターのサーバ200の通信部201はそのデータを受信する(ステップS613)。
【0052】
次に、ナビゲーション装置100は探索した経路に従い、ユーザである配送者を集配所B(配送先)へ案内する(ステップS515)。配送者は集配所Bに到着すると、集配所Aで搭載した荷物IDの荷物を降ろして、集配所Bに渡す。
【0053】
ここで、ユーザである配送者が集配所Bに到着して荷物IDの荷物を渡すと、集配所Bの管理者は、受け取った荷物について荷物ID等に間違いがないかを確認し、荷物が配送期限内に配送を完了できたかや、荷物を傷付けずに無事に配送できたかなどの評価を行う。集配所Bのサーバ400はその評価点と、荷物IDの荷物が到着した日時(荷受日時)とを通信部401から集配センターのサーバ200に送信する。そして、集配センターのサーバ200の通信部201はそのデータを受信する(ステップS614)。
【0054】
集配センターのサーバ200は集配所Bのサーバ400から、荷物IDの荷物について無事に配送を完了したことを確認すると、ステップS609でナビIDのナビゲーション装置100に送信した報酬の金額を、ナビIDのユーザである配送者の口座に振り込む手続きをする。報酬を支払う手続きをした旨の連絡が、通信部201からナビゲーション装置100に送信され(ステップS615)、ユーザである配送者は、受信した情報を表示部105の画面の表示から確認することができる(ステップS516)。ここで、報酬に関しては、口座への振り込み以外にも、商品交換や自身が配送を依頼する時の支払いに利用できるポイント制にすることもできる。
【0055】
集配センターのサーバ200は、最後に、評価入力部202により、ステップS614で通信部201が集配所Bのサーバ400から受信した評価点と、ナビIDに対応する信頼データに基づいて新たな信頼データを計算し、信頼データ記憶部204に記憶させ(ステップS616)、処理を終了する。
【0056】
また、ナビゲーション装置100は、集配センターのサーバ200から報酬が支払われた旨を受信(ステップS516)した後、探索した経路に従い、ユーザである配送者を集配所Bから目的地へ案内して(ステップS517)、処理を終了する。
【0057】
ここで、ステップS603において配送候補の荷物がなかったとき(No)、ステップS606で配送予定時刻が配送期限内でなかったとき、およびステップS608において配送条件に一致せず配送依頼決定部203が配送を依頼しないと決定したとき(No)には、集配センターのサーバ200は通信部201から「荷物なし」という情報をナビゲーション装置100に送信して(ステップS617)、処理を終了する。
【0058】
ナビゲーション装置100は通信部101で「荷物なし」という情報を受信すると(ステップS519)、今回の移動においては配送する荷物がないため、経路探索部104は集配所A、集配所Bを経由しない経路(現在位置→目的地)を探索し、探索した経路に基づいてユーザを目的地に案内し(ステップS520)、処理を終了する。
【0059】
また、ステップS518において、ナビゲーション装置100が「否認」を送信したとき、ナビゲーション装置100は処理をステップS520に移して集配所A、集配所Bを経由しない経路に基づいてユーザを目的地に案内する。一方、集配センターのサーバ200は通信部201から「否認」を受信して(ステップS618)、処理を終了する。
【0060】
以上のように本実施の形態によれば、車の空きスペースを自動で計算して、出発地と目的地に適合する荷物を集配センターのサーバで検索することにより、経路や日時、また搭乗者の人数が固定的でない場合にも柔軟に対応できる荷物配送システムおよびナビゲーション装置を提供することができる。
【0061】
車の空きスペースをより有効利用できるため、配送用のトラックによる配送の総量を削減させ、道路を走行する車のトータル台数を減らすことができるので、道路渋滞の緩和、CO排出量を削減することができる。
【0062】
なお、上記実施の形態では、車の空きスペースを集配センターのサーバ200側で取得するようにしたが、車両サイズ管理データを記憶部106に記憶しておくことにより、ナビゲーション装置100側で取得して、集配センターのサーバ200に送信するようにしても良い。
【0063】
さらに、現在位置から集配所A(配送元)および集配所B(配送先)を経由地として目的地に至る経路の探索をナビゲーション装置100でおこなったが、集配センターのサーバ200側に地図データおよび経路探索部を備えることにより、集配センターのサーバ200側で経路探索して、ナビゲーション装置100に送信しても良い。その場合、ステップS506〜S508の配送予定時刻に関する処理を集配センターのサーバ200側でできるため、双方の通信を削減できる。
【0064】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の荷物配送システムおよびナビゲーション装置によれば、経路や日時、また搭乗者の人数が固定的でない場合にも、車の空きスペースを考慮して荷物の輸送ができるという効果を有し、宅配便などの荷物配送システムに有用である。
【符号の説明】
【0066】
1 荷物配送システム
100 ナビゲーション装置
101、201、301、401 通信部
102 入力部
103 現在位置取得部
104 経路探索部
105 表示部
106 記憶部
200 集配センターのサーバ
202 評価入力部
203 配送依頼決定部
204 信頼データ記憶部
205 車両サイズ管理データ記憶部
206 荷物管理データ記憶部
300 集配所A(配送元)のサーバ
400 集配所B(配送先)のサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集配センターのサーバと通信可能なナビゲーション装置を搭載する車の空きスペースを利用して荷物の配送をおこなう荷物配送システムであって、
前記ナビゲーション装置は、
現在位置を取得する現在位置取得部と、
地図データを記憶する記憶部と、
前記集配センターのサーバと通信するための第1の通信部と、
目的地、車種情報、前記車への搭乗人員を入力する入力部と、
前記第1の通信部で集配センターのサーバから受信した配送元および配送先の位置情報に基づいて、前記配送元および前記配送先を経由地として、前記現在位置から前記目的地への経路を前記地図データから探索する経路探索部とを備え、
前記集配センターのサーバは、
車種と搭乗人員に基づいて車の空きスペースを特定可能な車両サイズ管理データを記憶する車両サイズ管理データ記憶部と、
配送する荷物毎の配送元、配送先、荷物の大きさを特定可能な荷物管理データを記憶する荷物管理データ記憶部と、
前記ナビゲーション装置と通信するための第2の通信部と、
前記第2の通信部で前記ナビゲーション装置から受信した前記車種情報と前記搭乗人員に基づいて前記車両サイズ管理データを参照して車の空きスペースを特定し、前記第2の通信部で前記ナビゲーション装置から受信した前記現在位置と前記目的地に基づいて配送元および配送先を特定し、前記特定した配送元と配送先と車の空きスペースに基づいて前記荷物管理データを参照して配送を依頼する荷物を特定する配送依頼決定部とを備える、荷物配送システム。
【請求項2】
車の空きスペースを利用して荷物の配送をおこなう荷物配送システムにおいて集配センターのサーバと通信可能なナビゲーション装置であって、
現在位置を取得する現在位置取得部と、
地図データを記憶する記憶部と、
前記集配センターと通信するための第1の通信部と、
目的地、車種情報、前記車への搭乗人員を入力する入力部と、
前記第1の通信部で集配センターのサーバから受信した配送元および配送先の位置情報に基づいて、前記配送元および前記配送先を経由地として、前記現在位置から前記目的地への経路を前記地図データから探索する経路探索部とを備える、ナビゲーション装置。
【請求項3】
車の空きスペースを利用して荷物の配送をおこなう荷物配送システムにおいて前記車のナビゲーション装置と通信可能な集配センターのサーバであって、
車種と搭乗人員に基づいて車の空きスペースを特定可能な車両サイズ管理データを記憶する車両サイズ管理データ記憶部と、
配送する荷物毎の配送元、配送先、荷物の大きさを特定可能な荷物管理データを記憶する荷物管理データ記憶部と、
前記ナビゲーション装置と通信するための第2の通信部と、
前記第2の通信部で前記ナビゲーション装置から受信した前記車種情報と前記搭乗人員に基づいて前記車両サイズ管理データを参照して車の空きスペースを特定し、前記第2の通信部で前記ナビゲーション装置から受信した前記現在位置と前記目的地に基づいて配送元および配送先を特定し、前記特定した配送元と配送先と車の空きスペースに基づいて前記荷物管理データを参照して配送を依頼する荷物を特定する配送依頼決定部とを備える、サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【公開番号】特開2013−75742(P2013−75742A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216343(P2011−216343)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】