説明

荷重支持アセンブリの継目構成

【課題】改善された荷重支持アセンブリの継目構成を提供する。
【解決手段】荷重支持アセンブリは、複数の引張部材を含む。荷重支持アセンブリの継目は、引張部材の千鳥状パターンの不連続点30を有する。応力緩和機能は、不連続点の付近で、少なくとも最も外側の引張部材22A,22Lに関連付けられている。一例は、応力緩和機能として、補助引張部材32を含む。別の例は、引張部材の少なくとも幾つかの端部間に、選択した隙間を含む。一例は、応力緩和機能として、異なるサイズの引張部材を含む。別の例は、選択した引張部材間に異なる横方向の間隔を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、例えば、エレベータシステムまたは乗客用コンベアシステムで用いることができる荷重支持アセンブリに関する。より詳細には、本発明は、そのような荷重支持アセンブリの継目の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な荷重支持アセンブリが知られており、多様な目的で用いられている。例えば、エレベータシステムにおいては、荷重アセンブリの1つの種類は、スチールロープを備える。ごく最近では、複数の引張部材を概ね囲むポリマジャケットを有するコーティングベルトが、導入された。一部の例においては、引張部材はスチールコードを備える。他の例においては、引張部材はポリマ材を備える。
【0003】
ほとんどのエレベータシステムにおいて連続した引張部材が用いられているが、線形のアセンブリの端部を結合してループを形成することは有益であると思われる。エレベータシステムで用いられる種類の閉ループの荷重支持アセンブリを提供することは、このような荷重支持アセンブリの特性をテストするのに大きな利点を提供すると思われる。
【0004】
アセンブリが損傷する前に耐え得る曲げサイクル数などの、荷重支持アセンブリの曲げ疲労特性は、エレベータシステムの通常の稼働中では測定が難しい。多くのテスト状況には、無数の曲げサイクルが必要である。一般的には、往復運動曲げ疲労試験機を用いて、一連の曲げを通してこのような荷重支持アセンブリをサイクルさせて、アセンブリの最大曲げ寿命をすばやく決定する。十分にアセンブリを往復運動させずに往復運動機械を設計することには困難が伴う。既知の機械は、このような荷重支持アセンブリの有効な長さに亘って一貫した疲労条件を与えるために、速度および能力が制限されがちである。
【0005】
連続ループが提供できれば、テストを簡単にすることができる。例えば、安定した非往復運動テスト装置を使用して、よりすばやく曲げサイクルを蓄積してもよく、安定した動的牽引状態を生成してもよい。
【0006】
引張部材を有する荷重支持アセンブリの別の用途は、乗客用コンベアの手すりである。荷重支持アセンブリは通常、線形のアセンブリとして作られ、2つの端部を結合してループを形成するので、通常、少なくとも1つの継目が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような荷重支持アセンブリに継目を提供する様々な技術が知られている。技術の一例は、引張部材の端部を重ね合わせて、ジャケット部材で一緒に固定する重ね合わせた継目である。このような重ね継ぎに伴う困難は、継目部分でアセンブリの堅さが大幅に増加することである。堅さが増すと、さらなる曲げ疲労が導入され、可撓性および長い耐用年数が望まれる所では不利となる。さらに、このような重ね継ぎの強度は、一部の状況の必要性に応じるには十分ではない。
【0008】
提案された別の配置は、引張部材が、結合した指の形に見えるように引張部材を切断することである。個々の引張部材の端部は、通常、継目を横断して整列している。このような配置は、重なり合った継目に見られる堅さが加わるという欠点がない一方、継目を含まない箇所の引張部材の強度の大体50%程度に強度が減少するという欠点がある。従って、このような継目は、多くの用途には役に立たない。
【0009】
複数の引張部材を有する荷重支持アセンブリの端部を結合する改善された配置を必要とする。本発明は、継目の強度を増し、かつ、このような荷重支持アセンブリに望まれる可撓性を維持する様々な構成を提供することによって、この必要性に取り組む。
【課題を解決するための手段】
【0010】
例示の荷重支持アセンブリは、複数の引張部材を含む。各引張部材は、不連続点を有する。引張部材の隣り合う部材の不連続点が異なる長手方向位置にあるように、不連続点は、長手方向に(すなわち、引張部材の長さに対して)、千鳥状になっている。応力緩和機能は、最も外側の引張部材の各々の少なくとも不連続点の近くに含まれる。
【0011】
1つの例は、応力緩和機能として補助引張部材を含む。一例においては、補助引張部材を、引張部材を概ね囲むジャケットの外部に固定する。
【0012】
別の例においては、応力緩和機能は、最も外側の引張部材の端部間に長手方向の隙間を備える。そのような例の1つは、少なくとも1つの中央に位置する引張部材の端部間に別の隙間を含む。1つの開示例においては、全ての引張部材の端部は隙間によって離れている。
【0013】
別の例においては、補助引張部材は、引張部材の不連続点の各々と関連付けられている。
一例においては、補助引張部材は、引張部材と異なる材料を備える。一例においては、引張部材はスチールコードを備え、補助引張部材は合成材料を備える。一例は、合成材料のロッドまたはコードを含む。
【0014】
別の例は、最も外側の引張部材とそれに隣り合う引張部材との間に異なる横方向の隙間を含む。
【0015】
別の例は、最も外側の引張部材に隣り合う引張部材が残りの引張部材よりも大きい物理的サイズを有する。
【0016】
本発明の様々な特徴および利点は、次の詳細な記述より当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ジャケットに概ね囲まれた複数の引張部材を有する荷重支持アセンブリの選択部分を示す図である。
【図2】継目の設計の一例を概略的に示す図である。
【図3】継目の設計の別の例を概略的に示す図である。
【図4】継目の設計の別の例を概略的に示す図である。
【図5】荷重支持アセンブリの構成の別の例を概略的に示す図である。
【図6】荷重支持アセンブリの構成の別の例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、荷重支持アセンブリ20の選択部分の概略図である。複数の引張部材22は、ポリマジャケット24によって概ね囲まれている。一例においては、引張部材22は、スチールコードを備える。別の例においては、引張部材22は、ポリマ材を備える。例示のジャケット24は、熱可塑性ポリウレタンのようなポリマ材を備える。
【0019】
このような荷重支持アセンブリの使用の一例は、エレベータシステム内のエレベータかごおよびカウンターウェイトを支えることである。このような荷重支持アセンブリの別の使用例は、エスカレータのような乗客用コンベアの手すりである。後者の場合、ほぼ一直線のアセンブリの2つの端部を結合してループを形成することが必要である。エレベータシステムの荷重支持アセンブリの場合では、例えば、テスト目的のために、ループを形成すると有利であると考えられる。
【0020】
本明細書において開示した継目の設計を使用することによって、以前の構成に優れた強度を与えるので、テスト条件を改善することができる。従って、曲げ疲労寿命サイクルを、開示した例の1つまたは複数の方針を適用して、より簡便な方法で、より正確にテストすることができる。
【0021】
図2は、図1に示す構成に概ね対応する構成を有する荷重支持アセンブリの2つの端部を結合する継目の設計の一例を示す。説明の目的のために、荷重支持アセンブリ20の様々な部分を、ジャケット24の材料が占める引張部材間の具体的な隙間を省いて、図2に概略的に示す。図から分かるように、各引張部材22の不連続点30は、隣り合う不連続点が異なる長手方向(すなわち、縦方向)位置にあるように、千鳥状になっている。この例の不連続点30は、互いに隣り合うが結合されていない引張部材の切断端部に該当する。この例においては、引張部材の端部同士は、溶接されず、融合または結合もされていない。継目は全て、ジャケット24材料を結合、融合、または接着することによって維持される。このような目的で、既知のジャケット材料同士を固定する様々な既知の技術が存在する。
【0022】
隣り合う継目を異なる長手方向位置に有することに加えて、図2の例は、少なくとも最も外側の引張部材22A,22Lに関連付けられた応力緩和機能を含む。この例においては、補助引張部材32が、最も外側の引張部材22A,22Lに隣接するジャケット24の外側に設けられている。この例においては、補助引張部材32は、引張部材22A〜22Lと同じ材料を備える。この例の補助引張部材32は、結合技術、接着技術、または融合技術を用いて、ジャケット24の外側面に固定されている。このことは、本明細書の利益を受ける当業者には明らかであろう。
【0023】
この例における補助引張部材32は、複数の引張部材22A〜22Lと平行に、それらと同一平面に配置される。補助引張部材32は、不連続点30付近における、引張部材全ての平均荷重を有効に低減する。補助引張部材32に隣り合う、最も外側の引張部材22Aまたは22Lに伝達される荷重は、一般的な引張部材が担持する継目から離れた位置における荷重より小さい。すなわち、少なくとも1つには、引張部材自体に大きい歪を与えることなく、外側から2番目の22Bまたは22Kが、対応する補助引張部材32に対して変位することができるからである。このような変位の結果、それぞれ、最も外側の引張部材22A,22Lと、外側から2番目の引張部材22B,22Kとの間のジャケット24のポリマ材により大きいせん断歪を生じる。結果として、より多くの荷重を、荷重支持アセンブリの最も外側の端部から離れた引張部材に伝達することができる。最終的な結果は、最も外側の引張部材22A,22Lに隣り合う引張部材22B,22Kにかかる荷重は、継目から離れた引張部材の平均荷重の2倍未満の増加である。
【0024】
一例においては、このような千鳥状の継目パターンと、補助引張部材とを組み合わせた結果、引張部材が不連続でない荷重支持アセンブリの極限引張荷重の50%より大きい荷重を支持することができる設計となる。一部の例においては、荷重支持アセンブリの両側に補助引張部材32を使うことによって、不連続な引張部材を持たないアセンブリの極限引張荷重の75%までを支える。
【0025】
最も外側の引張部材の不連続点が、それに隣り合う引張部材の破損を引き起こし、ひいてはアセンブリの連続的な機能が破綻することが、応力緩和機能を追加することによって回避される。
【0026】
例えば、別の引張部材の不連続点に隣り合う引張部材の荷重は、通常増加し、不連続点から離れた不連続な引張部材が担持する荷重のほとんど全てを担持する。これは、ポリマジャケットは、通常、引張部材(すなわちスチールコード)より数桁少ない係数を有するからである。荷重は、1つの引張部材から次の引張部材にジャケット材のポリマのせん断力によって伝達される。引張部材の不連続点の近くのポリマに大きいせん断歪がある一方、隣り合った、完全なままの引張部材の反対側のポリマには、大きなせん断力は発生しない。完全なままの引張部材は、該完全なままの引張部材の反対側における不連続点近くのポリマに発生するせん断歪みを制限する。従って、図1に概略的に示された構成を有する荷重支持アセンブリの側端における引張部材が、破損または切断すると、その部材に隣り合う引張部材は、完全なままの配置の別の引張部材の荷重の約2倍の荷重を受けることになり、その引張部材は、最終的に破損する。側端から内部に向かって連続して引張部材が破損すると、過荷重が、隣り合う引張部材に移る。状況によっては、引張部材間のこのような荷重の移動は、中断された不連続な引張部材を持たないアセンブリの極限引張荷重の約50%で、荷重支持アセンブリ全体の破損を引き起こす。
【0027】
図2に示す補助引張部材32のような応力緩和機能を追加することで、最も外側の引張部材22A,22Lの不連続点30から生じる隣り合う引張部材の荷重の増加を低減する。
【0028】
図2の例においては、継目は、荷重支持アセンブリの長手方向の、最も離れた2つの不連続点30の位置に対応する距離に亘って延びる長さJを有する。その図から分かるように、例示の補助引張部材32の長さは、引張部材22A〜22Lの全長より大幅に短い。この例において、補助引張部材32の長さは、継目の長さJより長い。
【0029】
図2の例は、12個の引張部材を有し、荷重支持アセンブリの幅は、約30ミリメートルである。このような荷重支持アセンブリの不連続点30の長手方向の間隔の例は、図2の下方の端部に沿った目盛によって知ることができる。この例においては、隣り合う不連続点間の長手方向の間隔は、通常100ミリメートル未満である。継目の全長Jは、大体400mmである。
【0030】
図2の例においては、引張部材22F,22Gは、それぞれ引張部材22E,22Hの応力が大きくなるのを避けるために、同じ長手方向位置では、切断されない。従って、引張部材22Eの不連続点と引張部材22Fの不連続点との間隔は、隣り合う他の不連続点間の間隔より大きい。
【0031】
引張部材22の不連続点30間の長さ方向における間隔は、特定の状況の必要性に応じて変更することができる。一例においては、引張部材の切断部(すなわち、向かい合う端部)間で、結合されたポリマインタフェースが、継目部分から離れた任意の単一の引張部材が担持する荷重よりも幾分大きいせん断力を確実に支持することができるように、間隔を選択する。一例においては、ポリマジャケットから引き出されるのを防ぐために、引張部材の1つを囲むのに必要な材料の長さに基づいて、間隔を選択する。一例においては、長手方向の間隔は、引出を防ぐ最小の長さを超える。
【0032】
別の配置例を図3に示す。この例は、隣り合う引張部材の不連続点30が、異なる長手方向位置にある千鳥状の継目の配置を含む。この例の応力緩和機能は、最も外側の引張部材22Aの端部間、22Lの端部間に、それぞれ隙間40を備える。別の隙間42が、少なくとも1つの中央に位置する引張部材の端部間に存在する。この例においては、引張部材22F,22Gは両方とも、それぞれの端部間に隙間42を有する。引張部材22F,22Gの端部は、同じ長手方向位置で一直線に並んでいるが、隙間42が存在するので、千鳥状の継目設計を有する利点を妨げることはない。図3の例においては、引張部材22F,22Gの端部は同じ長さ方向位置を有することが受容される。
【0033】
この例の隙間40,42は、引張部材材料を含まない。隙間は、例えば、ジャケットの外側面を保つために、ジャケットのポリマ材で埋めることができる。この例の隙間40,42は、強化用の添加物すなわち他の材料を含まない。
【0034】
隙間40,42によって、最も外側の引張部材22A,22Lに隣り合う引張部材の完全なままの部分への応力集中を避けて、上述の望ましくない荷重の伝達の影響が生じないようにする。
【0035】
一例においては、隙間40,42を利用することによって、引張部材に不連続点を持たない荷重支持アセンブリの極限引張荷重の75%を超える継目の強度を提供することができる。
【0036】
図2,3の千鳥状パターンは非常に似ているが、他の千鳥状パターンも可能であることに留意されたい、また、本明細書から利益を得る当業者は、自分たちに特定の必要性に応じる適切な千鳥状パターンを選択することができるであろう。
【0037】
図4は、別の継目配置を概略的に示している。この例においては、隙間30’が、全ての引張部材22の向かい合う端部間に設けられている。一例においては、隙間30’の長手方向の寸法は、各引張部材の直径の大体7倍から8倍である。一例においては、このような配置によって、継目領域の最大応力を最小化する。図4の例においては、不連続点30’のどれも、長手方向すなわち縦方向の位置が同じでない千鳥状継目パターンが使用されている。
【0038】
図4の例の応力緩和機能は、引張部材22の各々に関連付けられた補助引張部材50を含む。この例においては、補助引張部材50は、引張部材22と平行に、かつ概ね同一平面上に配置されている。
【0039】
一例においては、補助引張部材50は、引張部材52より大幅に短いが、引張部材22の端部間の不連続点に関連する各隙間30’の距離よりは長い。
【0040】
一例においては、補助引張部材50は、引張部材22を作るのに使用される材料とは異なる材料を備える。一例においては、引張部材22はスチールコードを備え、補助引張部材は合成材料を備える。合成材料の例には、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリアミド(ナイロン)、ポリイミド、PBI、PBO、ポリフェニルサルファイド、および延伸ポリオレフィンが含まれる。このような材料は、既知であり、KEVLAR,VECTRANおよびSPECTRA等の様々な商標名で販売されている。
【0041】
補助引張部材50は、様々な形態を取ることができる。一例においては、補助引張部材50は、ロッドまたはコードを備える。別の例は、合成材料の織物すなわちシートを含む。別の例は、フィルムを含む。本明細書の利益を受ける当業者は、自分たちの特定の必要性に応じる所望の荷重分担率を達成するために適切な材料および構成を選択することができる。
【0042】
一例においては、補助引張部材50は、引張部材22と所望のように並べて、型で支持される。それらは、図4に概略的に示すように引張部材が一直線に並ぶのを容易にするために、ジャケット材の少なくとも一部から少なくとも部分的に取り外される。継目周辺は、次に、継目周辺を覆って追加のジャケット材を成形して、引張部材22を概ね囲み、ジャケット材内に補助引張部材50を少なくとも部分的に支持する。一例においては、補助引張部材50は、成形処理の結果としてポリマジャケット材に完全に覆われる。このような例においては、成形処理を用いて、既知の方法でポリマジャケット材を結合する。
【0043】
図5は、異なる応力緩和機能を有する別の配置例を示す。この例においては、応力緩和機能は、引張部材間に異なる横方向の隙間を備える。この例においては、最も外側の引張部材22A,22Gは、外側から2番目の引張部材22B,22Fとの間に、それぞれ、距離Oの間隔を置いている。別の引張部材は、距離Iの間隔を置いている。図5から分かるように、距離Oは、距離Iより大きい。最も外側の引張部材22A,22Gと、それらに隣り合う引張部材との間に追加のジャケット材を含むことによって、最も外側の引張部材22A,22Gの不連続点の周辺での、それに隣り合う引張部材22B,22Fの応力を低減する。
【0044】
別の配置例を図6に示す。この例は、図5の例で用いられたのと類似の横方向の間隔を含む。図6の例の別の特徴は、引張部材の選択されたいくつかが異なる寸法を有することである。この例においては、最も外側の引張部材22A,22Gと最も内側の引張部材は、最も外側の引張部材に隣り合う引張部材より小さい外形寸法を有する。引張部材22B,22Fは、第1外径d1を有する。他方の引張部材は、外径d1より小さい外径d2を有する。引張部材22B,22F(すなわち、最も外側の引張部材に隣り合う引張部材)のサイズを大きくすることによって、最も外側の引張部材22A,22Gの不連続点に関連する荷重を吸収する追加の強度が提供される。
【0045】
図6に示した異なる間隔とせずに、異なる引張部材寸法を使用することも可能である。言い換えれば、図6の例は、図5の特徴と、異なるサイズの引張部材を備える特徴と、を組み合わせたものである。
【0046】
本明細書の利益を受ける当業者は、開示の応力緩和機能の様々な組み合わせが可能であることを認識するであろう。本明細書を考慮すると、自分たちの特定の状況の必要性に応じた適切な1つまたは複数の機能を選択することができるだろう。
【0047】
本明細書は、制限的なものではなく例示的なものである。開示の例への変更および修正は本発明の本質から必ずしも逸脱しないことは、当業者には明らかであろう。本発明に付与される法律的保護の範囲は、請求項を検討することによってのみ決定することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不連続点をそれぞれ有する複数の引張部材と、
前記複数の引張部材のうち最も外側に位置する引張部材の少なくとも不連続点の近傍に設けられた応力緩和機能と、
を備え、
前記不連続点は、隣接する引張部材の不連続点が異なる長手方向位置に位置するように、長手方向において千鳥状をなしていることを特徴とする荷重支持アセンブリ。
【請求項2】
前記応力緩和機能は、前記最も外側の引張部材の端部間の隙間と、前記引張部材の中央に位置する少なくとも1つの引張部材の端部間の隙間と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
各不連続点で、前記引張部材の各々の端部の間に隙間を含むことを特徴とする請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記引張部材は、直径を有し、前記隙間は、前記直径の少なくとも7倍の長さを有することを特徴とする請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記応力緩和機能は、前記最も外側の引張部材と該引張部材に隣接する引張部材との間に第1の横方向の間隔を備え、他の隣接する複数の引張部材間に第2の横方向の間隔を備えることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記引張部材は、直径をそれぞれ有し、前記応力緩和機能は、前記最も外側の引張部材において第1の直径を有し、前記最も外側の引張部材に隣接する引張部材において第1の直径より大きい第2の直径を有することを特徴とする請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記引張部材は、直径をそれぞれ有し、前記応力緩和機能は、前記最も外側の引張部材において第1の直径を有し、前記最も外側の引張部材に隣接する引張部材において第1の直径より大きい第2の直径を有することを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記最も外側の引張部材に隣接する引張部材の間に複数の引張部材が位置し、該引張部材は第1の直径を有することを特徴とする請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記複数の引張部材を実質的に囲むポリマジャケットを備え、かつ2つの隣接する不連続点の間に長手方向の間隔を有し、該長手方向の間隔は、1つの引張部材とポリマジャケットとの間の長手方向の分離を防止するように、1つの引張部材を実質的に囲むポリマジャケットの長さより大きいことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記複数の引張部材を実質的に囲むポリマジャケットを備え、2つの隣接する不連続点の間の長手方向の間隔によって、前記不連続点から離れた前記アセンブリの部分における、1つの引張部材が担持する荷重より大きい前記不連続点付近のせん断荷重を支えるのに十分な強度を有する長手方向のポリマジャケットの量がもたらされることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−132036(P2011−132036A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13680(P2011−13680)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【分割の表示】特願2007−543007(P2007−543007)の分割
【原出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(591020353)オーチス エレベータ カンパニー (402)
【氏名又は名称原語表記】OTIS ELEVATOR COMPANY
【Fターム(参考)】