説明

荷重計測装置及びその荷重計測装置が備える治具

【課題】搬送ロールに掛かる荷重とチョックの歪の関係式を正確に導出し、その関係式を用いてチョックの歪から搬送ロールに掛かる荷重を算出する荷重計測装置及び治具を提供する。
【解決手段】熱間圧延ライン11に設けられた複数の搬送ロール12について、搬送ロール12に掛かる荷重とチョック13の歪との関係式を導出し、チョック13の歪を計測して関係式から搬送ロール12に掛かる荷重を算出する荷重計測装置10であって、複数の搬送ロール12のうちで関係式を導出しようとする被計測対象物12aに荷重を掛ける押圧機23と、被計測対象物12aを支持するチョック13に取付けられる歪センサ20、21と、被計測対象物12aに近接した搬送ロール12と被計測対象物12aに固定され、押圧機23から受ける反力を支持した状態で、押圧機23から与えられる荷重を被計測対象物12aに伝える第1、第2の治具25、26とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱間圧延ラインにおいて、搬送ロールに掛かる荷重をチョックの歪から求める荷重計測装置と、搬送ロールに掛かる荷重とチョックの歪の関係式を導出する際に用いられる治具に関する。
【背景技術】
【0002】
熱間圧延ラインには加熱炉で加熱された鋼板を圧延する圧延機が設けられ、圧延機の前後には複数の搬送ロールが配置されている。圧延機で圧延された鋼板は、しばしば進行方向前側が下反り状態(下方に曲がった状態)になっており、搬送ロール上を進行する際、この下反り状態となった部分が搬送ロールに衝突する。そして、搬送ロールが強度不足の場合、搬送ロールに鋼板が繰り返し衝突することによって搬送ロールが折損し熱間圧延ラインの運転停止を招く。
【0003】
そこで、操業中の搬送ロールの折損を回避するための方法が提案されており、その具体例が特許文献1に開示されている。
特許文献1では、折損がロールネック部に集中していることに着目し、ロールネック部近傍のロール面にグリスを介して超音波深傷子を設置して、ロールネック部のクラック進展状況を検査し、その検査結果に基づいてロールネック部の補修を行う旨が記載されている。折損しそうなロールネック部を事前に検知することによって搬送ロールの折損を防ぐことを目的としたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−162580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、各搬送ロールに超音波深傷子とグリス塗布ノズルを設ける必要があり、一般的に熱間圧延ラインには500本を超える搬送ロールが配置されていることに鑑みると、その設置費用及びメンテナンス費用は膨大なものになり、経済的でない。
ところで、搬送ロールの折損は搬送ロールの強度不足によって生じるものであり、搬送ロールに鋼板が衝突して与えられる荷重の大きさを正確に計測できれば、折損を回避可能な強度を備えた搬送ロールを選択することができる。
従って、個々の熱間圧延ラインにおいて搬送ロールに与えられる荷重を正確に計測することが重要である。
【0006】
搬送ロールに与えられる荷重を計測する方法としては、熱間圧延ラインに用いられる搬送ロール、軸受及びチョック(軸受ハウジング)を専用の設備に設置して搬送ロールに荷重を与え、その荷重を測定することが考えられる。
この方法は、熱間圧延ラインからロール及びチョックのみを取り出して荷重の測定を行うので作業時間の短縮化が図れ有効であるが、チョックを固定するフレーム等は荷重を測定する設備で再現されず、搬送ロールに与えられる荷重の正確な値を得られないという問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、搬送ロールに掛かる荷重とチョックの歪の関係式を正確に導出するために用いられる治具と、その関係式を用いてチョックの歪から搬送ロールに掛かる荷重を算出する荷重計測装置とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的に沿う第1の発明に係る荷重計測装置は、熱間圧延ラインに設けられた複数の搬送ロールそれぞれについて、該搬送ロールに掛かる荷重と該搬送ロールを回転自在に支持するチョックの歪との関係式を予め導出し、該チョックの歪を計測して該関係式から該搬送ロールに掛かる荷重を算出する荷重計測装置であって、前記複数の搬送ロールのうちで前記関係式を導出しようとする被計測対象物に荷重を掛ける押圧機と、前記被計測対象物を支持する前記チョックに取付けられる歪センサと、前記被計測対象物に近接した前記搬送ロールと前記被計測対象物に固定され、前記押圧機から受ける反力を支持した状態で、該押圧機から与えられる荷重を該被計測対象物に伝える第1、第2の治具とを有し、前記熱間圧延ラインに取付けた前記第1の治具を介して、前記押圧機から与えられる荷重を前記被計測対象物に掛け、該被計測対象物に掛かる荷重及び前記歪センサの計測値を得、前記第1の治具が前記押圧機から与えられる荷重とは異なる方向に作用する、前記押圧機から与えられる荷重を、前記熱間圧延ラインに取付けた前記第2の治具を介して前記被計測対象物に掛け、該被計測対象物に掛かる荷重及び前記歪センサの計測値を得て、前記関係式を求める。
【0008】
第1の発明に係る荷重計測装置において、前記第1の治具は、前記被計測対象物に載置され、前記押圧機から下向きに押圧されて下向きの荷重を該被計測対象物に伝える第1の荷重受具、及び前記被計測対象物に近接した前記搬送ロールに固定されて、前記押圧機から受ける上向きの反力を支持する第1の反力受具を備え、前記第2の治具は、左右から前記被計測対象物と前記押圧機によって挟まれ、該押圧機から横向きに押圧されて与えられる荷重を該被計測対象物に伝える第2の荷重受具、及び前記第2の荷重受具が押圧される向きと反対方向に作用する反力を与えられて、前記被計測対象物に近接した前記搬送ロールに密着した状態で固定され、前記第2の荷重受具を押圧する前記押圧機の反力を支持する第2の反力受具を備えるのが好ましい。
【0009】
第1の発明に係る荷重計測装置において、前記押圧機は、油圧ジャッキであり、前記被計測対象物に掛かる荷重は該油圧ジャッキの作動圧によって検出されるのが好ましい。
【0010】
前記目的に沿う第2の発明に係る治具は、熱間圧延ラインに設けられた複数の搬送ロールそれぞれについて、押圧機によって該搬送ロールに荷重を掛け、該搬送ロールに掛かる荷重と該搬送ロールを回転自在に支持するチョックの歪との関係式を導出する際に、前記熱間圧延ラインに取付けられる治具であって、前記複数の搬送ロールのうちで前記関係式を導出しようとする被計測対象物に当接し、前記押圧機から与えられる荷重を該被計測対象物に伝える荷重受具と、前記被計測対象物に近接した前記搬送ロールに固定されて、前記荷重受具を押圧する該押圧機の反力を支持する反力受具とを有し、前記荷重受具と前記反力受具によって前記押圧機を挟んだ状態で保持する。
【0011】
第2の発明に係る治具において、前記反力受具が固定される、前記被計測対象物に近接した前記搬送ロールは、該被計測対象物の両隣に配置され、前記荷重受具は、前記被計測対象物に載置された状態で前記押圧機から下方に押圧され、前記反力受具は、該被計測対象物の両隣に配置された前記搬送ロールに固定されて、前記押圧機から上向きの反力を受けるのが好ましい。
【0012】
第2の発明に係る治具において、前記反力受具は、切欠き部A、Bが形成された押圧機支持材と、切欠き部Cが形成された第1のクランプ部材と、切欠き部Dが形成された第2のクランプ部材とを有し、
前記被計測対象物の両隣に配置された前記搬送ロールに上方から前記切欠き部A、Bをそれぞれ当接させた前記押圧機支持材に、前記切欠き部Aが当接している前記搬送ロールに下方から前記切欠き部Cを当接させた前記第1のクランプ部材と、前記切欠き部Bが当接している前記搬送ロールに下方から前記切欠き部Dを当接させた前記第2のクランプ部材とを固定して、前記反力受具を前記搬送ロールに固定するのが好ましい。
【0013】
第2の発明に係る治具において、前記反力受具が固定される、前記被計測対象物に近接した前記搬送ロールは、該被計測対象物の隣に配置され、前記荷重受具は、前記被計測対象物と前記押圧機によって左右から挟まれて該押圧機から横向きに押圧され、前記反力受具は、前記荷重受具が押圧される向きと反対方向に作用する反力を与えられて、前記被計測対象物の隣に配置された前記搬送ロールに密着した状態で固定される押圧機押え機構を備えるのが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明に係る荷重計測装置は、熱間圧延ラインに取付けた第1の治具を介して、押圧機から与えられる荷重を被計測対象物に掛け、被計測対象物に掛かる荷重及び歪センサの計測値を得、第1の治具が押圧機から与えられる荷重とは異なる方向に作用する、押圧機から与えられる荷重を、熱間圧延ラインに取付けた第2の治具を介して被計測対象物に掛け、被計測対象物に掛かる荷重及び歪センサの計測値を得て、関係式を求める。従って、実際の操業環境下で関係式を求めることができ、この関係式を用いることで、チョックの歪の計測値から搬送ロールに掛かる荷重の正確な値を算出することが可能である。
【0015】
第1の発明に係る荷重計測装置において、第1の治具が、被計測対象物に載置され、押圧機から下向きに押圧されて下向きの荷重を被計測対象物に伝える第1の荷重受具、及び被計測対象物に近接した搬送ロールに固定されて、押圧機から受ける上向きの反力を支持する第1の反力受具を備え、第2の治具が、左右から被計測対象物と押圧機によって挟まれ、押圧機から横向きに押圧されて与えられる荷重を被計測対象物に伝える第2の荷重受具、及び第2の荷重受具が押圧される向きと反対方向に作用する反力を与えられて、被計測対象物に近接した搬送ロールに密着した状態で固定され、第2の荷重受具を押圧する押圧機の反力を支持する第2の反力受具を備える場合、関係式を導出する際に、被計測対象物に対して安定的に荷重を掛けることができ、更に、第1、第2の治具は共に、押圧機が被計測対象物に荷重を掛ける際に生じる反力を確実に支持することが可能である。
【0016】
第1の発明に係る荷重計測装置において、押圧機が、油圧ジャッキであり、被計測対象物に掛かる荷重が油圧ジャッキの作動圧によって検出される場合、ロードセル等の荷重検出機を用いることなく被計測対象物に掛かる荷重を計測でき、荷重計測装置の設計の簡略化を測ることが可能である。
【0017】
第2の発明に係る治具は、被計測対象物に当接し、押圧機から与えられる荷重を被計測対象物に伝える荷重受具と、被計測対象物に近接した搬送ロールに固定されて、荷重受具を押圧する押圧機の反力を支持する反力受具とを有し、荷重受具と反力受具によって押圧機を挟んだ状態で保持するので、押圧機は被計測対象物に対して安定的に荷重を掛けることができる。
【0018】
第2の発明に係る治具において、荷重受具が、被計測対象物に載置された状態で押圧機から下方に押圧され、反力受具が、被計測対象物の両隣に配置された搬送ロールに固定されて、押圧機から上向きの反力を受ける場合、押圧機を確実に保持することができる。
【0019】
第2の発明に係る治具において、被計測対象物の両隣に配置された搬送ロールに上方から切欠き部A、Bをそれぞれ当接させた押圧機支持材に、切欠き部Aが当接している搬送ロールに下方から切欠き部Cを当接させた第1のクランプ部材と、切欠き部Bが当接している搬送ロールに下方から切欠き部Dを当接させた第2のクランプ部材とを固定して、反力受具を搬送ロールに固定する場合、反力受具を確実に搬送ロールに固定することができ、押圧機から受ける反力を安定的に支持することが可能である。
【0020】
第2の発明に係る治具において、荷重受具が、被計測対象物と押圧機によって左右から挟まれて押圧機から横向きに押圧され、反力受具が、荷重受具が押圧される向きと反対方向に作用する反力を与えられて、被計測対象物の隣に配置された搬送ロールに密着した状態で固定される押圧機押え機構を備える場合、押圧機の反力を確実に支持した状態で被計測対象物に荷重を掛ける環境を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態に係る荷重計測装置が用いられる熱間圧延ラインの説明図である。
【図2】(A)は搬送テーブルの説明図、(B)は搬送ロールの力学モデルの説明図である。
【図3】歪センサの取付けを示す説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る荷重計測装置のブロック図である。
【図5】第1の治具の正面図である。
【図6】(A)、(B)は、それぞれ第1の治具の側面図及び側断面図である。
【図7】(A)、(B)は、それぞれ第2の治具の正面図及び平面図である。
【図8】第2の反力受部の説明図である。
【図9】第1の実施例及び第1の比較例について荷重と歪の関係を示すグラフである。
【図10】第2の実施例及び第2の比較例について荷重と歪の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る、図4に示す荷重計測装置10は、熱間圧延ライン11に設けられた複数の搬送ロール12それぞれについて、搬送ロール12に掛かる荷重と搬送ロール12を回転自在に支持するチョック13の歪との関係式を予め導出し、チョック13の歪を計測して関係式から搬送ロール12に掛かる荷重を算出する装置である。以下、詳細に説明する。
【0023】
熱間圧延ライン11には、図1に示すように、所定寸法に切断された鋼板を加熱する加熱炉14と、加熱炉14から抽出された鋼板を圧延する複数の圧延機15が設けられている。鋼板は、複数の圧延機15を通過し所定厚みに圧延された後に、巻取機16に巻き取られる。
熱間圧延ライン11には、鋼板の進行方向に沿って複数の搬送テーブル17が配置されており、鋼板はこの複数の搬送テーブル17上を移動する。
【0024】
搬送テーブル17は、図1、図2(A)に示すように、複数の搬送ロール12と、ベースフレーム18に固定され、搬送ロール12を軸受(図示せず)を介して回転自在に支持するチョック13とを備えている。
圧延機15による圧延は、粗圧延と仕上圧延とに分けられ、鋼板には粗圧延を経て仕上圧延がなされる。本実施の形態では、荷重計測装置10が、粗圧延を行う領域に配置された搬送テーブル17について、搬送ロール12に掛かる荷重を計測するものであるが、仕上圧延を行う領域に配置された搬送テーブル17の搬送ロール12に対しても荷重計測装置10を用いることができる。
【0025】
搬送テーブル17は、熱やデスケーリング水、鋼板からの衝撃力などに晒される過酷な環境下で使用される。搬送テーブル17が故障すると、熱間圧延ライン11の運転は停止されるので、生産に与える影響は大きい。
そのため、搬送テーブル17は、耐熱性、耐水性を備えた設計がなされている。
【0026】
過去の実績から、鋼板からの衝撃力による搬送テーブル17の故障は、搬送ロール12の折損が大半を占めることが分かっているため、搬送ロール12の折損を防ぐことによって生産性を向上させることが可能となる。
そして、搬送ロール12の折損は、図2(A)に示すロールネック部19で多発することが分かっている。ロールネック部19は、段付き構造であり、鋼板が衝突することによってロールネック部19に応力が集中し折損に至ると考えられる。
【0027】
荷重計測装置10は、搬送ロール12に与えられる荷重と搬送ロール12を回転自在に支持するチョック13の歪との関係式を予め求め、この関係式を用いて、鋼板が搬送ロール12に衝突する際に搬送ロール12に作用する荷重を計測する。
鋼板の衝突によって搬送ロールに掛かる荷重は、熱間圧延ラインに選択すべき搬送ロールの仕様を決定する重要な指針であるので、搬送ロールに掛かる荷重の正確な値を検知することは、搬送テーブルの故障を減少させる熱間圧延ラインを設計する上で有効である。
【0028】
鋼板から搬送ロール12に与えられる荷重は、搬送テーブル17上を移動する鋼板の速度によって異なることが確認されている。
また、鋼板の移動速度が同じであっても、例えばベースフレーム18の仕様が異なることによって、鋼板から搬送ロール12に与えられる荷重が変わるものと考えられる。
従って、熱間圧延ライン11の環境が異なる度に、搬送ロール12に与えられる荷重を計測するのが好ましい。
【0029】
搬送ロール12に鋼板が衝突する際の力学モデルは、図2(B)に示す、鋼板からの衝撃力が搬送ロール12の中心に作用する両端支持梁のモデルとして扱うことができる。従って、搬送ロール12に与えられる荷重の算出には、両端支持梁のモデルを用いることにする。
なお、両端支持梁のモデルを採用することは、熱間圧延ライン11の操業状況の観察によって妥当であることを確認している。
【0030】
搬送ロール12に掛かる荷重の計測は、搬送ロール12に掛かる荷重とチョック13の歪との関係式(以下、単に「関係式」ともいう)を導出する準備工程と、この関係式を用いて、チョック13の歪を基に搬送ロール12が鋼板から与えられる荷重を算出する実測工程とに分けられる。
準備工程では、搬送ロール12及びチョック13を熱間圧延ライン11に取付けた状態で搬送ロール12に荷重を掛け、その際の搬送ロール12の荷重とチョック13の歪から関係式を求める。関係式は、ベースフレーム18をはじめとする熱間圧延ライン11に設けられた部材を考慮した環境下で求められる。従って、実測工程においては、関係式を用いて搬送ロール12に与えられる荷重の正確な値を算出することができる。
【0031】
荷重計測装置10は、準備工程及び実測工程で、チョック13に取付けられる、図3に示す歪センサ20、21を備えている。
歪センサ20はチョック13の水平方向の歪を計測し、歪センサ21はチョック13の垂直(鉛直)方向の歪を計測するセンサである。本実施の形態では、歪センサ20、21がそれぞれ2つずつチョック13に取付けられているが、歪センサ20、21の数は必要に応じて変えることができる。
【0032】
荷重計測装置10は、関係式を導出する図4に示す演算器22を有し、歪センサ20、21は、図4に示すように、演算器22に信号接続されている。演算器22には、歪センサ20、21に加え、搬送ロール12に対して荷重を掛ける油圧ジャッキ(押圧機の一例)23が信号接続されている。搬送ロール12に掛かる荷重は、油圧ジャッキ23の作動圧の大きさによって検出され、演算器22は、この検出された荷重を受信することができる。
演算器22は、準備工程において、各歪センサ20、21の計測値と油圧ジャッキ23が搬送ロール12に掛けている荷重を得て、搬送ロール12に掛かる荷重とチョック13の歪との関係式を求める。
【0033】
本実施の形態では、搬送ロール12のうち、関係式を導出しようとする被計測対象物12a(図6、図7参照)に対し、垂直(鉛直)方向の荷重と水平方向の荷重が異なるタイミングで掛けられ、各タイミングにおいてチョック13の歪と荷重の関係が検出される。
演算器22は、被計測対象物12aに垂直方向の荷重を掛けた際のチョック13の歪と荷重との関係、及び被計測対象物12aに水平方向の荷重を掛けた際のチョック13の歪と荷重との関係を基にして、実測工程で使用する関係式を求める。このように異なる方向に荷重を掛けて検出した結果を基に関係式を導出するのは、搬送ロール12に対して鋼板が衝突する方向が一定でないためである。
【0034】
実測工程では、複数の搬送ロール12のうちで鋼板から受ける荷重の大きさを計測しようとする搬送ロール12が定められ、その搬送ロール12を支持するチョック13に、歪センサ20、21が取付けられる。そして、熱間圧延ライン11に鋼板を通板させ、準備工程で求めた関係式を用いて、各歪センサ20、21で計測される歪を基に搬送ロール12に掛かる荷重を計測する。なお、実測工程では油圧ジャッキ23は使用されない。
【0035】
関係式を求める具体的な手順を以下に説明する。
準備工程で油圧ジャッキ23が被計測対象物12aに掛ける荷重をF、そのときのチョックの歪をεとし、F及びεの実測値から以下の式1〜式4を得る。
=KhHεhH ・・・(式1)
=KvHεvH ・・・(式2)
=KhVεhV ・・・(式3)
=KvVεvV ・・・(式4)
Kは係数であり、添え字は、が水平方向の歪、が垂直方向の歪を示し、が水平方向の荷重によるものであること、が垂直方向の荷重によるものであることを示している。例えば、εhHは水平方向の荷重を掛けた際の水平方向の歪を示している。
【0036】
準備工程の実測から得られる歪には、水平方向の歪εと垂直方向の歪εがあり、この2つの歪成分は、被計測対象物12aに対して水平方向に荷重を掛けた場合及び被計測対象物12aに対して垂直方向に荷重を掛けた場合のいずれにも含まれると考え、以下の式5、式6を得る。
ε=εhH+εhV ・・・(式5)
ε=εvH+εvV ・・・(式6)
【0037】
実測工程で、搬送ロール12が鋼板から与えられる荷重をP、その荷重Pの水平方向成分をP、垂直方向成分をPとすると、P及びPは、それぞれ以下の式7及び式8で表される。
【0038】
【数1】

【0039】
そして、式7のP及び式8のPを以下の式9に代入して得られる式が関係式となる。
【0040】
【数2】

【0041】
準備工程では、油圧ジャッキ23が搬送ロール12に対して安定的に荷重を掛けられるように油圧ジャッキ23を支持する必要がある。本実施の形態においては、油圧ジャッキ23を支持するため、治具(即ち、第1の治具25及び第2の治具26、図5、図7参照)を用いている。
以下、この治具について詳細に説明する。なお、関係式を導出しようとする搬送ロール12を被計測対象物12aとし、他の搬送ロール12と区別して説明する。
【0042】
図5〜図7に示すように、荷重計測装置10は、被計測対象物12aに垂直方向の荷重を掛ける際に用いる第1の治具25と、被計測対象物12aに水平方向の荷重を掛ける際に用いる第2の治具26を備えている。
第1、第2の治具25、26は共に熱間圧延ライン11に設けられた搬送ロール12に取付けられ、油圧ジャッキ23を支持する。
第1の治具25は、図5、図6(A)、(B)に示すように、被計測対象物12aに当接する第1の荷重受具(荷重受具の一例)27と、被計測対象物12aに近接した搬送ロール12に固定される第1の反力受具(反力受具の一例)28を有している。
【0043】
被計測対象物12a及び他の搬送ロール12は、それぞれ鋼板が接触する円柱形ロール部29を有している。
第1の荷重受具27は、被計測対象物12aの円柱形ロール部29の外周面に密着可能な形状に形成された曲面30を備え、この曲面30を被計測対象物12aの円柱形ロール部29に当接して被計測対象物12aの円柱形ロール部29の長手方向中央に載置される。
第1の荷重受具27は、被計測対象物12aに載置された状態で、曲面30の上方に配置される2つのジャッキ保持部31を備え、各ジャッキ保持部31に油圧ジャッキ23が装着される。
第1の荷重受具27が被計測対象物12aに載置された状態で、2つのジャッキ保持部31は、平面視して、被計測対象物12aの軸心に沿って配置され、2つの油圧ジャッキ23が円柱形ロール部29の長手方向中央に安定的な荷重を掛けられるようにしている。
なお、ジャッキ保持部31は、油圧ジャッキ23に油を供給する給油管32を配設可能な構造を備えている。
【0044】
第1の反力受具28は、油圧ジャッキ23の反力が作用する押圧機支持材33と、それぞれ複数のジョイント34を用いて押圧機支持材33に固定される板状の第1、第2のクランプ部材35、36を備えている。
押圧機支持材33は、切欠き部37(切欠き部A)、切欠き部38(切欠き部B)が形成され、複数のアイボルト39が取付けられたU字状プレート40を有している。第1のクランプ部材35には切欠き部37に対応する切欠き部41(切欠き部C)が形成され、第2のクランプ部材36には切欠き部38に対応する切欠き部42(切欠き部D)が形成されている。切欠き部37、38、41、42は全て半円状である。
【0045】
切欠き部37、41によって円形の貫通孔を形成した状態で当接された第1のクランプ部材35とU字状プレート40に、複数のジョイント34を接合させ、この複数のジョイント34を第1のクランプ部材35とU字状プレート40に固定することによって、第1のクランプ部材35とU字状プレート40を結合することできる。ジョイント34はねじ材43を用いて第1のクランプ部材35とU字状プレート40に固定される。
また、第2のクランプ部材36とU字状プレート40も、第1のクランプ部材35とU字状プレート40と同様に、切欠き部38、42によって円形の貫通孔を形成した状態で複数のジョイント34によって結合可能である。
本実施の形態では、ねじ材43はリーマボルトとナットから構成されている。
【0046】
第1の反力受具28を被計測対象物12aに近接した搬送ロール12に固定する手順は、以下の通りである。本実施の形態では、第1の反力受具28が被計測対象物12aの両隣の搬送ロール12に固定されているが、搬送ロール12の配置ピッチを基準として、第1の反力受具を、被計測対象物12aから2ピッチあるいは3ピッチ離れた位置にある搬送ロールに固定されるように設計してもよい。
(1)被計測対象物12aの両隣の搬送ロール12に切欠き部37、38をそれぞれ上方から当接させた状態でU字状プレート40を保持する
(2)切欠き部37が当接している搬送ロール12に下方から切欠き部41を当接させた状態で第1のクランプ部材35を保持する
(3)複数のジョイント34をU字状プレート40及び第1のクランプ部材35に接合させた状態で固定して、U字状プレート40と第1のクランプ部材35を結合する
(4)切欠き部38が当接している搬送ロール12に下方から切欠き部42を当接させた状態で第2のクランプ部材36を保持する
(5)複数のジョイント34をU字状プレート40及び第2のクランプ部材36に接合させた状態で固定して、U字状プレート40と第2のクランプ部材36を結合する
【0047】
また、第1の反力受具28には、U字状プレート40に固定されたジャッキ受部44が設けられている。ジャッキ受部44は、第1の反力受具28を被計測対象物12aの両隣の搬送ロール12に固定した状態で、被計測対象物12aに載置された第1の荷重受具27の上方に位置し、第1の荷重受具27を下方に押圧する油圧ジャッキ23から上向きの反力を受ける。
第1の荷重受具27に下向きの力を作用させ、第1の反力受具28に上向きの力を作用させる油圧ジャッキ23は、第1の荷重受具27と第1の反力受具28に挟まれた状態で保持される。
【0048】
第2の治具26は、図7(A)、(B)に示すように、被計測対象物12aに当接する第2の荷重受具(荷重受具の一例)45と、被計測対象物12aに近接した搬送ロール12に固定される第2の反力受具(反力受具の一例)46を有している。第2の荷重受具45と第2の反力受具46によって油圧ジャッキ23を挟んだ状態で保持している。本実施の形態では、第2の反力受具46は、被計測対象物12aの隣に配置された搬送ロール12に固定されるが、搬送ロール12の配置ピッチを基準として、第2の反力受具を、被計測対象物12aから2ピッチあるいは3ピッチ離れた位置にある搬送ロールに固定されるように設計するおこともできる。
また、第2の荷重受具45は、第1の荷重受具27と同じ形状を有しているので、1つの荷重受け具を第1の荷重受具と第2の荷重受具に兼用してもよい。
第2の荷重受具45は、被計測対象物12aの円柱形ロール部29の長手方向中央に位置し、2つの油圧ジャッキ23からその円柱形ロール部29に向かって横向き(水平方向)に押圧され被計測対象物12aに固定される。そして、第2の荷重受具45は、被計測対象物12aと油圧ジャッキ23によって左右から挟まれた状態となって、油圧ジャッキ23から与えられる荷重を被計測対象物12aに伝える。
【0049】
第2の反力受具46は、被計測対象物12aと被計測対象物12aの隣に配置された搬送ロール12に掛け渡される2本の横架ロッド47と横架ロッド47にねじ部材48によって固定される板状のジャッキ支持材49を備えている。
ジャッキ支持材49は、垂直方向に配置されて横架ロッド47に固定される。
ジャッキ支持材49には、図8に示すように、2つの貫通孔50が形成され、各貫通孔50は、ジャッキ支持材49を横架ロッド47に固定した際に、第2の荷重受具45を押圧する油圧ジャッキ23と同じ高さに配置される。各油圧ジャッキ23は、各貫通孔50を挿通した状態なってジャッキ支持材49によって支持される。
なお、ジャッキ支持材49には、被計測対象物12aの隣に配置された搬送ロール12の下方に一端部が配置され、他端部が被計測対象物12aの下方に配置された2本の補助ロッド51がねじ部材48によって固定されている。
【0050】
また、第2の反力受具46には、図7(A)、(B)、図8に示すように、板状のジャッキ押え52が設けられている。
ジャッキ押え52は、被計測対象物12aの隣の搬送ロール12とジャッキ支持材49の間に設けられ、垂直方向に配置される。ジャッキ押え52は上部が左右に突出しており、被計測対象物12aと被計測対象物12aの隣の搬送ロール12に掛渡され間隔を有して配置された2本の横架ロッド47に、この突出した部分を載せることによって、横架ロッド47に支持された状態となる。
ジャッキ押え52は、横架ロッド47に支持された状態で、第2の荷重受具45が油圧ジャッキ23によって押圧される向きと反対方向に作用する反力を与えられて、被計測対象物12aの隣の搬送ロール12に密着した状態で固定され、この反力を支持する。本実施の形態では、押圧機押え機構がジャッキ押え52によって構成されている。
【0051】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、油圧ジャッキの作動圧から被計測対象物に掛かる荷重を検出する代わりに、被計測対象物と油圧ジャッキの間にロードセルを設けて被計測対象物に掛かる荷重を検出してもよい。
また、押圧機には空圧ジャッキや水圧ジャッキを採用することもできる。
そして、準備工程において、第1の治具を介して被計測対象物に与えられる荷重と第2の治具を介して被計測対象物に与えられる荷重はそれぞれ上下方向及び横方向に限定されず、それぞれの荷重が作用する方向が異なっていればよい。
【実施例】
【0052】
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
被計測対象物12aに荷重を掛け、その際の被計測対象物12aを支持するチョック13の歪と被計測対象物12aに掛かっていた荷重の関係を調べる実験を行った。
図9は、被計測対象物12aに対し下向きの荷重を掛けた際の実験結果を示し、図10は、被計測対象物12aに対して水平方向の荷重を掛けた際の実験結果を示している。
【0053】
図9のグラフ上に記されている三角の印は、熱間圧延ライン11において、第1の治具25を用いて油圧ジャッキ23を支持し被計測対象物12aに荷重を掛けた第1の実施例の結果を示している。そして、図9のグラフ上で記されている四角の印は、熱間圧延ライン11から被計測対象物12aと被計測対象物12aを支持するチョック13を取外し、これを専用の設備に取付け、被計測対象物12aに荷重を掛けた第1の比較例の結果を示している。
図9のグラフより、第1の比較例は、第1の実施例に比べ、チョック13の歪に対して算出される荷重が小さい値となり、これは、実際に被計測対象物12aに対して掛かっている荷重より小さいものであることが確認された。
【0054】
また、図10のグラフ上に記されている三角の印は、熱間圧延ライン11において、第2の治具26を用いて油圧ジャッキ23を支持し被計測対象物12aに荷重を掛けた第2の実施例の結果を示している。そして、図10のグラフ上で記されている四角の印は、第1の比較例と同一の環境下で、被計測対象物12aに水平方向の荷重を掛けた第2の比較例の結果を示している。
図10のグラフより、第2の比較例は、第2の実施例に比べ、チョック13の歪に対して算出される荷重が小さい値となり、これも、実際に被計測対象物12aに対して掛かっている荷重より小さいものであることが確認された。
【0055】
この実験結果より、専用の設備を用いて求めたチョック13の歪と被計測対象物12aに掛かる荷重の関係を採用すると、熱間圧延ライン11で鋼板の衝突によって搬送ロール12に掛かる荷重として実際より小さい値が計測されることが分かった。
従って、この計測された値を基にして搬送ロール12に必要な強度を見積もると、強度が不十分となり、結果として、搬送ロール12の折損が多発することになる。
これに対し、第1、第2の実施例から得られたチョック13の歪と被計測対象物12aに掛かる荷重の関係から求めた関係式を採用した場合、専用の設備を用いて求めた関係式を用いる場合に比べて、搬送ロール12の折損の発生率が低下することが、熱間圧延ライン11の操業実績により確認された。
【符号の説明】
【0056】
10:荷重計測装置、11:熱間圧延ライン、12:搬送ロール、12a:被計測対象物、13:チョック、14:加熱炉、15:圧延機、16:巻取機、17:搬送テーブル、18:ベースフレーム、19:ロールネック部、20、21:歪センサ、22:演算器、23:油圧ジャッキ、25:第1の治具、26:第2の治具、27:第1の荷重受具、28:第1の反力受具、29:円柱形ロール部、30:曲面、31:ジャッキ保持部、32:給油管、33:押圧機支持材、34:ジョイント、35:第1のクランプ部材、36:第2のクランプ部材、37、38:切欠き部、39:アイボルト、40:U字状プレート、41、42:切欠き部、43:ねじ材、44:ジャッキ受部、45:第2の荷重受具、46:第2の反力受具、47:横架ロッド、48:ねじ部材、49:ジャッキ支持材、50:貫通孔、51:補助ロッド、52:ジャッキ押え

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱間圧延ラインに設けられた複数の搬送ロールそれぞれについて、該搬送ロールに掛かる荷重と該搬送ロールを回転自在に支持するチョックの歪との関係式を予め導出し、該チョックの歪を計測して該関係式から該搬送ロールに掛かる荷重を算出する荷重計測装置であって、
前記複数の搬送ロールのうちで前記関係式を導出しようとする被計測対象物に荷重を掛ける押圧機と、
前記被計測対象物を支持する前記チョックに取付けられる歪センサと、
前記被計測対象物に近接した前記搬送ロールと前記被計測対象物に固定され、前記押圧機から受ける反力を支持した状態で、該押圧機から与えられる荷重を該被計測対象物に伝える第1、第2の治具とを有し、
前記熱間圧延ラインに取付けた前記第1の治具を介して、前記押圧機から与えられる荷重を前記被計測対象物に掛け、該被計測対象物に掛かる荷重及び前記歪センサの計測値を得、前記第1の治具が前記押圧機から与えられる荷重とは異なる方向に作用する、前記押圧機から与えられる荷重を、前記熱間圧延ラインに取付けた前記第2の治具を介して前記被計測対象物に掛け、該被計測対象物に掛かる荷重及び前記歪センサの計測値を得て、前記関係式を求めることを特徴とする荷重計測装置。
【請求項2】
請求項1記載の荷重計測装置において、前記第1の治具は、前記被計測対象物に載置され、前記押圧機から下向きに押圧されて下向きの荷重を該被計測対象物に伝える第1の荷重受具、及び前記被計測対象物に近接した前記搬送ロールに固定されて、前記押圧機から受ける上向きの反力を支持する第1の反力受具を備え、前記第2の治具は、左右から前記被計測対象物と前記押圧機によって挟まれ、該押圧機から横向きに押圧されて与えられる荷重を該被計測対象物に伝える第2の荷重受具、及び前記第2の荷重受具が押圧される向きと反対方向に作用する反力を与えられて、前記被計測対象物に近接した前記搬送ロールに密着した状態で固定され、前記第2の荷重受具を押圧する前記押圧機の反力を支持する第2の反力受具を備えることを特徴とする荷重計測装置。
【請求項3】
請求項2記載の荷重計測装置において、前記押圧機は、油圧ジャッキであり、前記被計測対象物に掛かる荷重は該油圧ジャッキの作動圧によって検出されることを特徴とする荷重計測装置。
【請求項4】
熱間圧延ラインに設けられた複数の搬送ロールそれぞれについて、押圧機によって該搬送ロールに荷重を掛け、該搬送ロールに掛かる荷重と該搬送ロールを回転自在に支持するチョックの歪との関係式を導出する際に、前記熱間圧延ラインに取付けられる治具であって、
前記複数の搬送ロールのうちで前記関係式を導出しようとする被計測対象物に当接し、前記押圧機から与えられる荷重を該被計測対象物に伝える荷重受具と、前記被計測対象物に近接した前記搬送ロールに固定されて、前記荷重受具を押圧する該押圧機の反力を支持する反力受具とを有し、前記荷重受具と前記反力受具によって前記押圧機を挟んだ状態で保持することを特徴とする治具。
【請求項5】
請求項4記載の治具において、前記反力受具が固定される、前記被計測対象物に近接した前記搬送ロールは、該被計測対象物の両隣に配置され、前記荷重受具は、前記被計測対象物に載置された状態で前記押圧機から下方に押圧され、前記反力受具は、該被計測対象物の両隣に配置された前記搬送ロールに固定されて、前記押圧機から上向きの反力を受けることを特徴とする治具。
【請求項6】
請求項5記載の治具において、前記反力受具は、切欠き部A、Bが形成された押圧機支持材と、切欠き部Cが形成された第1のクランプ部材と、切欠き部Dが形成された第2のクランプ部材とを有し、
前記被計測対象物の両隣に配置された前記搬送ロールに上方から前記切欠き部A、Bをそれぞれ当接させた前記押圧機支持材に、前記切欠き部Aが当接している前記搬送ロールに下方から前記切欠き部Cを当接させた前記第1のクランプ部材と、前記切欠き部Bが当接している前記搬送ロールに下方から前記切欠き部Dを当接させた前記第2のクランプ部材とを固定して、前記反力受具を前記搬送ロールに固定することを特徴とする治具。
【請求項7】
請求項4記載の治具において、前記反力受具が固定される、前記被計測対象物に近接した前記搬送ロールは、該被計測対象物の隣に配置され、前記荷重受具は、前記被計測対象物と前記押圧機によって左右から挟まれて該押圧機から横向きに押圧され、前記反力受具は、前記荷重受具が押圧される向きと反対方向に作用する反力を与えられて、前記被計測対象物の隣に配置された前記搬送ロールに密着した状態で固定される押圧機押え機構を備えることを特徴とする治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−107131(P2013−107131A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256558(P2011−256558)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000006655)新日鐵住金株式会社 (6,474)