説明

荷電粒子ビーム描画装置の自動調整方法及び荷電粒子ビーム描画装置

【課題】荷電粒子ビーム描画装置の自動調整方法及び荷電粒子ビーム描画装置に関し、寸法の制限された図形8の電流密度均一性を最良化し、線幅線形性を向上させることができる手段を提供することを目的としている。
【解決手段】第1の成形開口板3の前段に、第1の成形開口板を照射する荷電粒子ビームの同開口板の開口位置に対する位置を調節するためのビームアライメント手段29を備え、第2の成形開口板7の開口を通過する荷電粒子ビームの、同開口板の高さ位置における電流密度分布を測定する手段と、該測定手段により得られた電流密度分布からその直線成分を抽出する手段とを備え、該測定手段及び抽出手段により得られた傾斜成分が除去されるように、前記ビームアライメント手段29により第1の成形開口板3の照射位置を調節するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は荷電粒子ビーム描画装置の自動調整方法及び荷電粒子ビーム描画装置に関し、更に詳しくは電流密度均一性を向上させた荷電粒子ビーム描画装置の自動調整方法及び荷電粒子ビーム描画装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図7は従来の可変成形電子ビーム描画装置の構成例を示す図である(例えば非特許文献1参照)。この図を用いて、可変成形電子ビーム描画装置の原理を以下に説明する。
【0003】
図7に示すように電子ビーム1が第1のレンズ2(照射レンズ)を介して第1の成形開口板3に照射される。光源4としては、一般には電子銃の直後に形成されるクロスオーバを考えればよい。第1の光源の像5は第1の成形開口板3の下に結ばれる。次いで、第1の成形開口板3の開口の像3’が第2のレンズ(成形レンズ)6により第2の成形開口板7上に投影され、第1の成形開口板3の開口の像3’と第2の成形開口板7の開口との重なりで決定される図形8が、縮小レンズ9と対物レンズ10を介して、レジスト(感光材料)を塗布した材料11に投影される。その結果、レジストが感光する。即ち、投影図形12が材料11に転写される。
【0004】
図8は第1の成形開口板と第2の成形開口板とで構成される図形の説明図である。第2の成形開口板7の開口上に第1の成形開口板3の開口の像3’が重なり、図形8が形成される。
【0005】
投影図形12の形状と寸法及び位置を制御することで、材料11に所望のパターンを描画することができる。投影図形12の形状と寸法及び位置は、演算・制御装置13により、記憶装置14に格納されたパターン情報に基づき制御される。
【0006】
投影図形の12の形状と寸法を制御するには、成形偏向器15を用いる。即ち、成形偏向器15により電子ビーム1を偏向し、第1の成形開口板3の開口の像3’を第2の成形開口板7の開口に対して移動させ、図形8の形状と寸法を変える。成形偏向器15は、演算・制御装置13により成形偏向器駆動アンプ16を介して制御される。
【0007】
投影図形12の位置を制御するには、対物偏向器17と材料ステージ18を併用する。対物偏向器17の偏向可能領域(偏向フィールド)には制限があるため、先ず材料ステージ18によりステップの大きな位置決めを行ない、そのうえで対物偏向器17よりステップの小さな位置決めを行なう。対物偏向器17及び材料ステージ18は、演算・制御装置13により、それぞれ対物偏向器駆動アンプ19及びステージ駆動装置28を介して制御される。
【0008】
投影図形12が常時材料11に投影されていては一筆書きの図形しか描画できないため、一般の図形の描画には、電子ビーム1の手段制御(ブランキング)が必要となる。図7の光学系では、ブランカー21及び22によりこの遮断制御を行なっている。ブランカー21及び22は、演算・制御装置13によりブランカー駆動アンプ23を介して制御される。
【0009】
より詳細には、先ずブランカー21及び22を働かせ、電子ビーム1を遮断してから成形偏向器15と対物偏向器17を働かせ、投影図形12の形状と寸法及び位置を決定した後に、ブランカー21及び22による電子ビーム1の遮断を解除し、投影図形12を材料11上に投影する。所定の時間だけ露光を行なうと、再び電子ビーム1を遮断する。この所定の時間分の露光は、通常、ショットと呼ばれる。
【0010】
ブランキングにより電子ビーム1が遮断されるのは、第1の光源の像5と共に、第2の光源の像24が光軸に対して垂直方向に移動した結果、図9に示すように電子ビーム1(第2の光源の像24)がブランキング開口板25により受け止められることによる。ここで、第2の光源の像24は第2のレンズ6によりブランキング開口板25の高さ位置に形成される、第1の光源の像5の像である。
【0011】
ブランカー21及び22が図7に示すように2段構成となっているのは、図10に示すように、ブランキング時の電子ビーム1の偏向支点26の高さ位置を第1の成形開口板3の高さ位置に一致させることで、ブランキングの際に第1の成形開口板3の照射領域が移動しないようにするためである。偏向支点26の高さ位置の調節は、ブランカーを2段構成とし、ブランカー21及び22の連動比を選ぶことで可能である(特許文献1参照)。
【0012】
ショット1つ当たりの露光時間(ショット時間)は、必要露光量[μC/cm2](所望の線幅を得るのに必要な露光量)を、投影図形12の電流密度[A/cm2]で除すことで決定される。即ち、ショット時間は投影図形12の電流密度に反比例する。同電流密度は材料11に流入するビーム電流を投影図形12の面積で除すことで決定される。
【0013】
これらの計算は、演算・制御装置13により行われる。材料11に流入するビーム電流は、ステージ18を移動させ、電流検出部27に電子ビーム1を流入させることで検出できる。検出されたビーム電流は、信号処理装置28により数値化され、演算・制御装置13に入力される。
【0014】
上記のショット時間と電流密度の関係より、投影図形12の電流密度が高くなると、ショット時間が短くなる。即ち、描画スループットが向上する。半導体デバイスの微細化と共に、材料11上に描画されるパターン数は年々増大しているから、電流密度向上による描画スループットの向上は、可変成形電子ビーム描画装置の今後の重要課題である。
【0015】
投影図形12の電流密度を高くするには、縮小レンズ9又は対物レンズ10の倍率を下げ、投影図形12の投影倍率を小さくすればよい。又は、第1のレンズ2の強度を強くし、電子ビーム1による第1の成形開口板3の照射領域を小さく絞るとよい。
【0016】
但し、前者の手法による場合、投影図形12の寸法が小さくなるのに伴い、所望のパターンを描画するのに必要なショット数が増え、描画時間が増加する。即ち、描画スループットが低下する。投影図形12の投影倍率を下げつつ同図形の寸法を確保するには、第1の成形開口板3及び第2の成形開口板7の開口を大きく、即ち図形8の寸法を大きくする必要がある。一方、後者の手法による場合、第1のレンズ2が単レンズであれば、その強度が変わると共に光源の像5の高さ位置が変わる。第1のレンズ2の強度に関わらず光源の像5の高さ位置を維持するには、第1のレンズ2はズームレンズとするのがよい(特許文献1参照)。
【0017】
投影図形12の電流密度は、単に高いだけでなく、経時的に安定であることも求められる。これは、レジストパターンの線幅が露光量に依存することによる。露光量とレジストパターンの線幅との関係を図11に示す。横軸xは材料11上における位置、縦軸は露光量[μC/cm2]である。露光量は電流密度とショット時間の積であるから、図11の露光量分布の形はそのまま、投影図形12の電流密度分布の形と見てよい。
【0018】
図11において、露光の分布を示す曲線と、レジスト解像閾値[μC/cm2]を示す直線との交点(2点)が、レジストパターンのエッジに相当し、一方の交点からもう一方の交点までの距離がレジストパターンの線幅CDxに相当する。従って、レジストパターンの線幅を決定するのは、投影図形12のエッジにおける露光量である。図11から分かるように、露光量が増える(露光量分布曲線が実線から破線にシフトする)と、レジストパターンの線幅はCDxからCDx’に変化する。
【0019】
投影図形12の電流密度が経時的に変動すれば、図11に示したように、露光量が変動し、その結果、線幅が変動する。即ち、線幅均一性が低下する。実際、投影図形12の電流密度はわずかながらも経時的に変動するから、このような線幅の変動を防ぐためには、電流密度の変動を補償するための何らかの手段が必要となる。この目的のため、パターン描画時、適宜描画を中断して電流密度を測定し、その都度適切なショット時間を決定することが一般に行われている。
【0020】
投影図形12の露光量は、成形偏向器15により投影図形12の寸法を変えること、即ち図形8の寸法を変えることによっても変化しうる。そのような露光量変化は、図形8の電流密度が均一でない場合、即ち第1の成形開口板3の開口の像3’の電流密度が均一でない場合に生じる。つまり、レジストパターンのエッジにおける露光量(図11参照)には、第1の成形開口板3の開口の像3’の電流密度が反映されるから、同電流密度が均一でなければ、同露光量は図形8の寸法と共に、即ち第1の成形開口板3の開口の像3’の移動と共に変化する。
【0021】
このような露光量変化が生じると、線幅線形性(線幅の設計値又は指令値に対するレジストパターンの線幅の線形性)が低下する。従って、第1の成形開口板3の開口の像3’の電流密度はできるだけ均一にする必要がある。即ち、第1の成形開口板3の開口内における電流密度をできるだけ均一にすることが要求される。
【0022】
そのためには、第1の成形開口板3を照射する電子ビーム1の電流密度が均一であることが望ましい。しかしながら、同電流密度は実際には均一ではなく、通常、電子ビーム1の中心軸において最大で、中心軸からの距離と共に減衰する。従って、上記要求を満たすための現実的な解は、同電流密度の均一性の高い局所的領域を第1の成形開口板3の開口に合わせることとなる。
【0023】
このような手法として、第1の成形開口板3よりも前段に備えられた偏向器により電子ビーム1を偏向することで同成形開口板を走査し、第1の成形開口板3の開口を通過する電子ビーム1の電流が最大になる条件を見い出す技術が知られている(例えば特許文献2参照)。簡単のため、第1の成形開口板3上における電子ビーム1の電流密度分布を軸対称とすれば、電子ビーム1の中心軸が同開口の中心に一致する時、同開口を通過する電子ビーム1の電流が最大となり、同時に同開口内の電流密度均一性が最良となることが容易に分かる。
【0024】
図12は第1の成形開口板3上における電子ビーム1の電流密度分布を示す図である。横軸は第1の成形開口板3上における位置、縦軸は電流密度である。電子ビーム1の中心軸が開口の中心に一致する時、同開口を通過する電子ビーム1の電流が最大となることが分かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】特開2007−67192号公報(段落0030〜0036、図1)
【特許文献2】特開2006−93462号公報(段落0009〜0015、図2〜図4)
【非特許文献】
【0026】
【非特許文献1】K.Komagata,Y.Nakagawa,and N.Gotoh,Proc.SPIE.Vol.3096,pp.125-136(1997)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
しかしながら、このような技術により第1の成形開口板3の開口内の電流密度均一性が最良化されるとしても、投影図形12の電流密度を高くするために、前述のように投影図形12の投影倍率を小さくし、そのうえで投影図形12の寸法を確保するために第1の成形開口板3及び第2の成形開口板7の開口の寸法を大きくすると、第1の成形開口板3の開口内の電流密度均一性は低下し、その結果、線幅線形性が低下する。これは、第1の成形開口板3上の電流密度が、中心軸からの距離と共に減衰することによる。
【0028】
或いは、同じく前述のように第1の成形開口板3の照射領域を小さく絞る場合も、電流密度均一性が低下し、線幅線形性が低下する。言い換えると、この問題は、第1の成形開口板3の照射領域に対する第1の成形開口板3及び第2の成形開口板7の開口の相対的寸法が大きくなると、この問題も顕著になる。
【0029】
また、このように投影図形12の電流密度を高くすると、クーロン効果(電子同士の反発によりビームぼけが大きくなる現象)が強くなり、解像度が低下するという問題も生じる。
【0030】
これらの問題を少しでも抑制するには、投影図形12の寸法を必要以上に大きくしないこと、即ちその最大寸法に制限をかけることが有効である。このような対策は、実際の可変成形電子ビーム描画装置の運用において、既に一般に実施されている。但し、投影図形12の寸法を小さくすると描画スループットが低下するから、投影図形12の最大寸法は必要な線幅線形性及び解像度に応じて決められる。
【0031】
実際の装置運用において、投影図形12の最大寸法を制限するには、図形8(図8)の最大寸法を制限するとよい。しかしながら、図形8の最大寸法を小さくすると、仮に特許文献2に記載の技術により第1の成形開口板3の開口内の電流密度均一性が最良化されたとしても、図形8の電流密度均一性は最良とはならない。即ち、線幅線形性が最良とはならない。このことは、同技術により電子ビーム1の中心軸は第1の成形開口板3の中心は通る(図12参照)が、図形8(最大寸法)の中心は通らないことから分かる(図13)。
【0032】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、寸法の制限された図形8の電流密度均一性を最良化し、線幅線形性を向上させることができる手段を提供することを目的としている。また、電流密度むらを定量化し、それを管理する手段を提供することも目的としている。線幅線形性を管理するには、電流密度が均一性がある条件下において最良となっていることだけでなく、それが所定の基準を満たしていることを確認する手段が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0033】
上記の問題を解決するために、本発明は以下のような構成をとっている。
【0034】
(1)請求項1記載の発明は、荷電粒子ビーム源と、第1のレンズと、第1の成形開口板と、第2のレンズ及び第2の成形開口板とを備えており、かつ前記第1の成形開口板と第2の成形開口板との間に成形偏向器を備え、前記第1の成形開口板の開口の像を、前記第2のレンズにより前記第2の成形開口板に投影し、同開口板の開口に重ねることで、寸法・形状が可変の図形を形成し、同図形を被描画面に縮小投影する荷電粒子ビーム描画装置であって、前記第1の成形開口板の前段に、第1の成形開口板を照射する荷電粒子ビームの同開口板の開口位置に対する位置を調節するためのビームアライメント手段を備えた荷電粒子ビーム描画装置の自動調整方法において、前記第2の成形開口板の開口を通過する荷電粒子ビームの、同開口板の高さ位置における電流密度分布を測定するステップと、該測定ステップにより得られた電流密度分布からその傾斜成分を抽出するステップとを備え、該測定ステップ及び抽出ステップにより得られた傾斜成分が除去されるように、前記ビームアライメント手段により第1の成形開口板の照射位置を調節するようにしたことを特徴とする。
【0035】
(2)請求項2記載の発明は、前記電流密度分布からその曲線成分を抽出するステップと、該抽出ステップにより得られる曲線成分の大きさを所定値と比較するステップと、該曲線成分の大きさが前記所定値を超えたときに警報を出すステップとからなることを特徴とする。
【0036】
(3)請求項3記載の発明は、荷電粒子ビーム源と、第1のレンズと、第1の成形開口板と、第2のレンズ及び第2の成形開口板を備えており、かつ前記第1の成形開口板と第2の成形開口板との間に成形偏向器を備え、前記第1の成形開口板の開口の像を、前記第2のレンズにより前記第2の成形開口板に投影し、同開口板の開口に重ねることで、寸法・形状が可変の図形を形成し、同図形を被描画面に縮小投影する荷電粒子ビーム描画装置であって、前記第1の成形開口板の前段に、第1の成形開口板を照射する荷電粒子ビームの同開口板の開口位置に対する位置を調節するためのビームアライメント手段を備えた荷電粒子ビーム描画装置において、前記第2の成形開口板の開口を通過する荷電粒子ビームの、同開口板の高さ位置における電流密度分布を測定する手段と、該測定手段により得られた電流密度分布からその傾斜成分を抽出する抽出手段とを備え、該測定手段及び抽出手段により得られた傾斜成分が除去されるように、前記ビームアライメント手段により第1の成形開口板の照射位置を調節するように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0037】
本発明は以下のような効果を奏する。
【0038】
(1)請求項1記載の発明によれば、第2の成形開口板の開口を通過する荷電粒子ビームの、同開口板の高さ位置における電流密度均一性が向上し、その結果、被描画材料に投影される図形の電流密度均一性が向上し、線幅線形性が向上する。
【0039】
(2)請求項2記載の発明によれば、電流密度分布から抽出した曲線成分が所定値を超えたら警報を出すので、異常が発生したことを認識することができる。
【0040】
(3)請求項3記載の発明によれば、第2の成形開口板の開口を通過する荷電粒子ビームの、同開口板の高さ位置における電流密度均一性が向上し、その結果、被描画材料に投影される図形の電流密度均一性が向上し、線幅線形性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】ビーム電流の流入状態を示す図である。
【図4】ビーム電流の流入状態を示す図である。
【図5】電流密度分布の近似関数Jxa及びその直線成分Lxを示す図である。
【図6】Δsxkの算出の説明図である。
【図7】従来の構成例を示す図である。
【図8】第1の成形開口板の開口の像と第2の成形開口板の開口とで構成される図形の説明図である。
【図9】ブランキングの説明図である。
【図10】ブランキング時の電子ビームの偏向支点の高さ位置を第1の成形開口板の高さ位置に一致させた状態を示す図である。
【図11】露光量とレジストパターンの線幅との関係を示す図である。
【図12】第1の成形開口板3上における電子ビーム1の電流密度分布を示す図である。
【図13】第2の成形開口板7上における電子ビーム1の電流密度分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。
[実施例1]
図1は本発明の一実施例を示す構成図である。図7にて使用した記号と同一記号の付されたものは、同一構成要素を示す。実施例1は、図7に示す構成に、アライナー(光軸合わせ用の偏向器又はビーム位置調整手段)29及び30、アライナー駆動アンプ31及びモニター32を追加したものである。
【0043】
アライナー29及び30は、それぞれX方向用偏向器とY方向用偏向器からなる。これらにより、第1の成形開口板3の開口に対する電子ビーム1の位置が調節される。X方向用偏向器とY方向用偏向器の向きは、それぞれ第1の成形開口板3における電子ビーム1の偏向方向が、同開口板のX及びY方向に一致するように決定されている。
【0044】
但し、第1の成形開口板3及び第2の成形開口板7の開口の形状は矩形とし、それらの開口の辺は、各開口板上のX或いはY軸に平行とする。また、第2の成形開口板7のX及びY軸は、それぞれ第1の成形開口板3上のX及びY軸の第2の成形開口板7への写像に平行とする。
【0045】
アライナー29及び30は、アライナー駆動アンプ31を介して、演算・制御装置13により制御される。その際、アライナー29及び30への入力は、所定の連動比に基づいて決定される。同連動比をアライナー29及び30による偏向角の比1:rで表し、アライナー29及び30の偏向感度(単位偏向信号当たりのビーム偏向角)をそれぞれDu及びDl、アライナー29及び30のX方向用偏向器に入力される偏向信号をsxu及びsxl、Y方向用偏向器に入力される偏向信号をsyu及びsylとすれば、sxuとsxlの間には、sxl/sxu=r・Du/Dl、syuとsylとの間には、syl/syu=r・Du/Dlの関係が成り立つ。
【0046】
同連動比は、アライナー29及び30による電子ビーム1の偏向支点の高さ位置がブランキング開口板25の高さ位置に一致するように選ばれている(例えばr=−1)。従って、同アライナーの動作をさせても、電子ビーム1がブランキング開口板25により遮られることがない。
【0047】
図2は本発明の動作の一例を示すフローチャートである。この動作は、演算・制御装置13により全て自動で行われる。以下に各処理について説明する。
【0048】
新規な電子銃に交換した後、電子ビームによる描画を行なう前に、先ず、操作装置(図示せず)により演算制御装置13に本発明の自動調整システムを起動させる指示を送る。すると、図2に示すように、演算制御装置内13では、処理S1が実行され、特願2009−103550号(以下先行文献と呼ぶ)に示された手法により、成形偏向器15を働かせ、図形8(図8及び図13)の寸法を変化させながら、即ち投影図形12の寸法を広げながら電流検出部7でビーム電流I(xi,yn)及び
I(xm,yj)(1≦i≦m、1≦j≦n)を測定する。ここで、図形8と図形12は光学的に共役の関係にあるから、xi及びyjは図形8の寸法としても、また投影図形12の寸法としても、以降の処理に支障はない。但し、x0=y0=0とし、xm及びynは、図形8又は投影図形12のX及びY方向の最大寸法とする。
【0049】
図3に、電流検出部27でビーム電流I(xi,yn)を測定する際に図形8の寸法をX方向に短冊状に変化させる、即ち投影図形12の寸法をX方向に広げる様子を示す。図3から分かるように、ビーム電流I(xi,yn)は、短辺xi、長辺ynの矩形領域に流入するビーム電流である。
【0050】
図3において、xは第2の成形開口板7上或いは材料11上におけるX座標を表す。x=x0=0及びx=xiの直線は、それぞれ第2の成形開口板7の高さ位置における第1の成形開口板3の開口のエッジの像或いは材料11へのその投影像、及び第2の成形開口板7の開口のエッジ或いは材料11への投影像に対応する。
【0051】
両直線のうち、成形偏向器15により図形8の寸法を変えた時、即ち投影図形12の寸法を変えた時に移動するのは前者(x=0)である。しかしながら、前者における電流密度は図形8或いは投影図形12の寸法に依存しないことから、前者をX座標の基準とみなせば、以降の説明が簡単になる。そこで、以降では、前者はX座標の基準であり、後者(x=xi)が図形8或いは投影図形12の寸法と共に移動すると考える。
【0052】
ビーム電流I(xi,yn)及びI(xm,yj)の測定は、従来通り定期的に電流検出部27により電流密度を測定する際に、それと併せて実施すればよい。そのようにすれば、電流検出部27を材料ステージ18により移動させるための時間を新たに設ける必要がない。また、I(xi,yn)及びI(xm,yj)の測定時の、成形偏向器15による電子ビーム1の偏向支点の高さ位置は、成形偏向器15を2段構成にするなどして、ブランキング開口板25の高さ位置に選んでおくとよい。そのようにすれば、成形偏向器15を働かせた時に電子ビーム1がブランキング開口板25にけられることがないため、I(xi,yn)及びI(xm,yj)が正確に測定できる。ここまでの説明が処理S1のビーム電流測定工程である。
【0053】
次に、信号処理装置20内の処理S2の電流密度値算出工程では、同じく先行文献で示されている手法で、I(xi,yn)からI(xi-1,yn)を差し引くことで、分割領域に分け、短辺xi−xi-1、長辺ynの矩形領域(図4におけるハッチング部分)に流入する分割領域毎にビーム電流を求め、これを面積(xi−xi-1)・ynで除し、短辺xi−xi-1、長辺ynの矩形領域における電流密度をJx(xi)として、
x(xi)=[I(xi,yn)−I(xi-1,yn)]/{(xi−xi-1)・yn}を求める。これを異なるxi毎に求める。同様の処理を、投影図形12の寸法をy方向に変化させて、Jy(yj)を求める。
【0054】
続いて、演算・制御装置13内の処理S3の電流密度分布関数作成工程において、Jx(xi)及びJy(yj)を近似曲線にて平滑化することで、測定誤差(例えば、投影図形12の寸法に関する指令値の分解能に起因する誤差)が低減される。このようにして、電流密度分布の近似関数Jxa(x)及びJya(y)が求められる。Jxa(x)およびJya(y)は、例えば、それぞれx及びyの2次関数とすればよい。
【0055】
次いで、処理S4の直線・曲線成分値算出工程の直線成分値算出工程において、Lx=Jxa(xm)−Jxa(0)(図5参照)、及びLy=Jya(yn)−Jya(0)を求める。更に、Cx及びCyも求める。Cx及びCyは、後述するように、それぞれJxa(x)及びJya(y)の曲線成分である。
【0056】
続いて、処理S5の直線成分判定工程において、|Lxk|≦ε且つ|Lyk|≦εかを判定する。|Lxk|≦ε且つ|Lyk|≦εと判定されなければ、次に処理S6に進み、処理S6のビーム位置調整工程が実行される。ここで、Lxk及びLykは、それぞれk(≧1)回目に決定されるLx及びLyとし、ε(>0)は、|Lxk|及び|Lyk|に対する許容値とする。そして、|Lxk|≦ε且つ|Lyk|≦εと判定されると、処理7に進む。
【0057】
処理S6のビーム位置調整行程において、sxk及びsykを、それぞれsxk+1=sxk+Δsxk及びsyk+1=syk+Δsykに改める。その後、kの値を1つ増加させ(S21)、再び処理S1〜S5を実行する。但し、処理S5の直線成分判定工程において、|Lxk|≦εかつ|Lyk|>ε、或いは|Lxk|>ε且つ|Lyk|≦εと判定された場合は、計算の簡略化のため、それぞれΔsxk=0或いはΔsyk=0としてよい。
【0058】
ここで、sxk及びsykは、それぞれLxk及びLykが決定された時点のsx及びsyとし、sx及びsyは、X方向用偏向器及びY方向用偏向器に入力される偏向信号とする。アライナー29のX方向用偏向器及びY方向用偏向器への入力をそれぞれsxu=sx及びsyu=syとすれば、アライナー30のX方向用偏向器及びY方向用偏向器への入力は、前述の関係から、それぞれsxl=(r・Du/Dl)・sx及びsyl=(r・Du/Dl)・syとなる。
【0059】
Δsxk及びΔsykは、(1)式及び(2)式から求める(図6参照)。(1)及び(2)式において、Lxk(sxk)及びLyk(syk)は、それぞれ偏向信号がsxk及びsykの時に得られるLxk及びLykを示す。
【0060】
【数1】

【0061】
但し、Lx0、Ly0、sx0及びsy0は、それぞれ過去において得られたLx、Ly、sx及びsyとする。或いは、新たに適当にsx及びsyを設定し、これらをそれぞれsx0及びsy0と見なし、処理S1〜S4を実行して直線成分Lx及びLyを求め、これらをそれぞれLx0及びLy0とみなす。
【0062】
以上の処理を、処理S5の直線成分判定工程において、|Lxk|≦ε且つ|Lyk|≦εと判定されるまで繰り返せば、電流密度分布の直線成分(傾斜成分)が除去される。すなわち、0≦x≦xm及び0≦y≦ynの範囲内における電流密度の最大値と最小値の差が最小となる。このような自動調整により、装置管理者は、可変成形電子ビーム描画装置に関する特別な知識を持たなくても、良い線幅線形性を維持することができる。
【0063】
上記電流密度分布から直線成分が除去された後は、曲線成分Cx及びCyが残る。同成分は、電子銃の状態に依存する成分、例えばエミッタの消耗に伴って電子の放射強度分布が変化したことにより生じる成分である。従って、同成分は電子銃の設定を変更するか、或いは電子銃を交換するかしないと減少しない。
【0064】
そこで、処理S5の直線成分判定工程において、|Lxk|≦ε且つ|Lyk|≦εと判定された後、処理S7に進む。処理S7は曲線成分判定工程にて、|Cxk|≦ηかつ|Cyk|≦ηかを判定する。ここで、Cxk及びCykはそれぞれk回目に決定される曲線成分Cx及びCy、η(>0)は|Cxk|及び|Cyk|に対する許容値とする。Cx及びCyはそれぞれJxa及びJyaの、0≦x≦xm及び0≦y≦ynの範囲内における最大値と最小値の差とし、前述のように処理S4の直線・曲線成分値算出工程の直線成分値算出工程にて、直線成分値Lxk及びLykと共に求める。
【0065】
処理S7の曲線成分判定工程において、|Cxk|≦ηかつ|Cyk|≦ηと判定されれば、電流密度むらが許容値以内に収まっていることになる。その場合、処理S8に進む。処理S8の調整時期判定工程において、現在日時が調整時期かどうかを、演算・制御装置13に備えられた時計から日付と時刻を参照して判定する。現在日時が調整時期と判定されれば、kの値を1つ増加させ(S21)、再び処理S1〜S5を実行する。再び処理S1に戻り、処理S1(ビーム電流測定工程)、処理S2(電流密度値作成工程)、処理S3(電流密度分布関数作成工程)、処理S4(直線・曲線成分値算出工程)、処理S5(直線成分判定工程)を順に実行する。
【0066】
また、現在の日時が設定した調整時期(日時)に到達していないと判定された場合、現在の日時が設定された日時と一致するまで時間管理される。その後、現在の日時が設定された日時と一致したとき、kの値を一つ増加させ(S21)、再び処理S1に戻り、処理S1(ビーム電流測定工程)、処理S2(電流密度値作成工程)、処理S3(電流密度分布関数作成工程)、処理S4(直線・曲線成分値算出工程)、処理S5(直線線分判定工程)を順に実行する。調整の周期としては、例えば1週間から数週間である。
【0067】
一方、処理S7の曲線成分判定工程にて、|Cxk|≦ηかつ|Cyk|≦ηと判定されなければ、処理S9に進む。処理S9の表示工程では、電子銃の設定変更や交換が必要である旨を伝えるメッセージをモニター32に出力する。又は警報を出力するものであってもよい。これにより、装置使用者又は管理者は、電子銃についての特別な知識を持たなくても、電子銃を設定し直したり、エミッタを交換したりする必要性を知ることができる。或いは電子銃を自動で調整する機能が装置に備わっていれば、処理S7の曲線成分判定工程にて、|Cxk|≦ηかつ|Cyk|≦ηと判定された場合に、その機能により電子銃を自動調整することもできる。
【0068】
本自動調整システムを一旦起動させると、電子銃の設定変更や交換時期を知らせる表示が表示されるまでの期間、アライナー29,30の調整が自動的に実行されるものである。
[実施例2]
実施例2では図1の構成がそのまま用いられる。但し、アライナー29及び30のX方向用偏向器及びY方向用偏向器の向きが実施例1のそれと異なり、第1の成形開口板3における電子ビーム1の偏向方向が、同開口板のX及びY方向に一致しない。
【0069】
実施例2の動作は基本的に実施例1と同じであるが、処理S6のビーム位置調整工程(図2参照)におけるΔsxk及びΔsykの求め方が異なる。実施例2においては、偏向信号の変化量Δsxk及びΔsykによる、Lxk及びLykの変化量ΔLxk及びΔLykは、
【0070】
【数2】

【0071】
で表され、(3)式より
【0072】
【数3】

【0073】
が得られる。但し、
【0074】
【数4】

【0075】
である。
【0076】
k回目に決定されたLxk及びLykにより打ち消すものと考え、ΔLxk及びΔLyk
−Lxk及び−Lykに置き換え、更に∂Lxk/∂syk、∂Lxk/∂syk、∂Lyk/∂sxk、∂Lyk/∂sykを、∂Lxk-1/∂sxk-1、∂Lxk-1/∂syk-1、∂Lyk-1/sxk-1
∂Lyk-1/∂syk-1に置き換えると、(4)式は
【0077】
【数5】

【0078】
となる。
【0079】
(5)式により決定されるΔsxk及びΔsykを、実施例1の処理S6におけるΔsxk及びΔsykの代わりに用いれば、実施例1と同様に|Lxk|≦ε且つ|Lyk|≦εとすることができる。または、|Lxk|≦ε且つ|Lyk|≦εとなるまでに繰り返す処理の回数を減らすことができる。
【0080】
但し、∂Lxk-1/∂sxk-1、∂Lxk-1/∂sxk-1、∂Lyk-1/∂sxk-1、∂Lyk-1/∂syk-1を決定する際は、偏微分の原理に基づき、X及びY方向の偏向信号は別々に変化させる。即ちX方向の偏向信号をΔsxk-1だけ変化させ、∂Lxk-1/∂sxk-1と∂Lyk-1/∂sxk-1と決定する処理と、Y方向の偏向信号をΔsyk-1だけ変化させ、∂Lxk-1/∂yk-1と∂Lyk-1/∂syk-1と決定する処理とを別々に実行する。
[実施例3]
実施例1,2と基本的な動作は同じで、処理S4の直線・曲線成分値算出工程において、前記実施例1と異なる手法で処理S3の電流密度分布関数作成工程で作成された電流密度分布関数から直線成分値と曲線成分値を求めることもできる。即ち、Jxa(x)及び
ya(y)の変数x及びyをそれぞれx’+(xm/2)及びy’+(yn/2)に変換し、
xa(x’)=Jxa(x’+(xm/2))=a0+a1x’+a2x’2+…
及び
ya(y’)=Jya(y’+(yn/2))=b0+b1y’+b2y’2+…
を求める。そして、Kxa(x’)及びKya(y’)の、x’及びy’の1次項の係数即ちa1及びb1を直線成分値Lx及びLyとする。更に、Kxa(x’)及びKya(y’)の、x’及びy’の2次項の係数即ちa2及びb2を曲線成分値Cx及びCyとする。或いは、上記Kxa(x’)及び
ya(y’)を求める代わりに、処理S3の時点でx=xm/2及びy=yn/2の位置をそれぞれx及びyの原点に改め、近似関数Jxa(x)及びJya(y)を定義してもよい。
[実施例4]
上述の実施例では、粒子線として電子ビームを用いた場合を例にとったが、本発明はこれに限るものではなく、電子ビームの代わりにイオンビームを用いることができる。例えばアルゴンを用いたイオンビーム等を用いることができる。
【0081】
なお、前記実施例は、工程を用いて使用したが、前記各工程を手段又は装置に置き換えてもよい。
【0082】
本発明では、可変成形電子ビーム描画装置に代表される荷電粒子ビーム描画装置に対して、以下に示すような調整が自動で行われるようにした。
・第2の成形開口板の開口を通過する荷電粒子ビームの、同開口板の高さ位置における電流密度分布(図形8の電流密度分布)を求める。そして、その直線成分(傾斜成分)が除去されるように、第1の成形開口板の開口に対する荷電粒子ビームの位置を調節する。
【0083】
その結果、
・被描画材料に投影される図形(投影図形12)の電流密度均一性を向上させることができるようになった。これにより、レジストパターンの線幅線形性が向上する。
・装置使用者又は管理者は、荷電粒子ビーム描画装置に関する特別な知識を持たなくても、線幅線形性を向上させ、これを維持することができる。
【0084】
更に、
・前記電流密度分布の直線成分を求める際に、曲線成分も求めるようにした。曲線成分の大きさが許容範囲を超える場合、荷電粒子ビーム源を調整し直したり、交換したりする必要があることを伝えるメッセージを出力するようにした。
【0085】
これにより、上記自動調整後も残存する電流密度むらが定量化される。装置使用者又は管理者は、荷電粒子ビーム源に関する特別な知識を持たなくても、線幅線形性管理の一環として、荷電粒子ビーム源の調整や交換の必要性を知ることができる。
【符号の説明】
【0086】
1 電子ビーム
2 第1のレンズ
3 第1の成形開口板
4 第1の光源の光源
5 像
6 第2のレンズ
7 第2の成形開口板
9 縮小レンズ
10 対物レンズ
11 材料
12 投影図形
13 演算・制御装置
14 記憶装置
15 成形偏向器
16 成形偏向器駆動アンプ
17 対物偏向器
18 材料ステージ
19 対物偏向器駆動アンプ
20 ステージ駆動装置
21 ブランカー
22 ブランカー
23 ブランカー駆動アンプ
24 第2の光源の像
25 ブランキング開口板
26 偏向支点
27 電流検出部
28 信号処理装置
29 アライナー
30 アライナー
31 アライナー駆動アンプ
32 モニター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子ビーム源と、第1のレンズと、第1の成形開口板と、第2のレンズ及び第2の成形開口板とを備えており、かつ前記第1の成形開口板と第2の成形開口板との間に成形偏向器を備え、前記第1の成形開口板の開口の像を、前記第2のレンズにより前記第2の成形開口板に投影し、同開口板の開口に重ねることで、寸法・形状が可変の図形を形成し、同図形を被描画面に縮小投影する荷電粒子ビーム描画装置であって、
前記第1の成形開口板の前段に、第1の成形開口板を照射する荷電粒子ビームの同開口板の開口位置に対する位置を調節するためのビームアライメント手段を備えた荷電粒子ビーム描画装置の自動調整方法において、
前記第2の成形開口板の開口を通過する荷電粒子ビームの、同開口板の高さ位置における電流密度分布を測定するステップと、該測定ステップにより得られた電流密度分布からその傾斜成分を抽出するステップとを備え、該測定ステップ及び抽出ステップにより得られた傾斜成分が除去されるように、前記ビームアライメント手段により第1の成形開口板の照射位置を調節するようにしたことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置の自動調整方法。
【請求項2】
前記電流密度分布からその曲線成分を抽出するステップと、該抽出ステップにより得られる曲線成分の大きさを所定値と比較するステップと、該曲線成分の大きさが前記所定値を超えたときに警報を出すステップとからなることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム描画装置の自動調整方法。
【請求項3】
荷電粒子ビーム源と、第1のレンズと、第1の成形開口板と、第2のレンズ及び第2の成形開口板を備えており、かつ前記第1の成形開口板と第2の成形開口板との間に成形偏向器を備え、前記第1の成形開口板の開口の像を、前記第2のレンズにより前記第2の成形開口板に投影し、同開口板の開口に重ねることで、寸法・形状が可変の図形を形成し、同図形を被描画面に縮小投影する荷電粒子ビーム描画装置であって、
前記第1の成形開口板の前段に、第1の成形開口板を照射する荷電粒子ビームの同開口板の開口位置に対する位置を調節するためのビームアライメント手段を備えた荷電粒子ビーム描画装置において、
前記第2の成形開口板の開口を通過する荷電粒子ビームの、同開口板の高さ位置における電流密度分布を測定する手段と、該測定手段により得られた電流密度分布からその傾斜成分を抽出する抽出手段とを備え、該測定手段及び抽出手段により得られた傾斜成分が除去されるように、前記ビームアライメント手段により第1の成形開口板の照射位置を調節するように構成したことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置の自動調整システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−94614(P2012−94614A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239357(P2010−239357)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000004271)日本電子株式会社 (811)
【Fターム(参考)】