説明

荷電粒子分析器および荷電粒子を分離する方法

飛行時間質量分光分析に有用な方法および分析器が提供される。荷電粒子を分離する方法が、2つの対向するミラーを備える分析器を提供するステップを含み、各ミラーが、軸zに沿って細長い内側および外側電場定義電極システムを備え、外側システムが内側システムを取り囲み、それらの間に分析器体積を画定し、ミラーが、z軸に沿って対向する電場を備える電場を分析器体積内部に生成し、電場のz軸に沿った強度が平面z=0で最小であり、方法がさらに、分析器を通して荷電粒子のビームを飛行させ、荷電粒子のビームが、分析器体積内部でz軸の周りを周回し、一方のミラーから他方のミラーに少なくとも1回反射し、それによりミラー内部に最大変向点を定義するステップを含み、最大変向点での電場のz軸に沿った強度がXであり、電場のz軸に沿った絶対強度が、平面z=0と各ミラーでの最大変向点の間でz軸に沿った方向の2/3以下にわたって|X|/2未満であり、方法がさらに、荷電粒子の飛行時間に従って荷電粒子を分離するステップと、複数のm/zを有する荷電粒子の少なくともいくつかを分析器から出射する、または複数のm/zを有する荷電粒子の少なくともいくつかを検出するステップとを含み、出射または検出するステップが、粒子がz軸の周りで同じ回数の周回を経た後に行われる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子を分離する方法であって、
2つの対向するミラーを備える分析器を提供するステップを含み、各ミラーが、軸zに沿って細長い内側および外側電場定義電極システムを備え、前記外側システムが前記内側システムを取り囲み、それらの間に分析器体積を画定し、それにより、前記電極システムが電気的にバイアスされたときに、前記ミラーが、z軸に沿って対向する電場を備える電場を分析器体積内部に生成し、電場のz軸に沿った強度が平面z=0で最小であり、方法がさらに、
分析器を通して荷電粒子のビームを飛行させ、荷電粒子のビームが、分析器体積内部でz軸の周りを周回し、一方のミラーから他方のミラーに少なくとも1回反射し、それによりミラー内部に最大変向点を定義するステップを含み、最大変向点での電場のz軸に沿った強度がXであり、電場のz軸に沿った絶対強度が、平面z=0と各ミラーでの最大変向点の間でz軸に沿った方向の2/3以下にわたって|X|/2未満であり、方法がさらに、
荷電粒子の飛行時間に従って前記荷電粒子を分離するステップと、
複数のm/zを有する荷電粒子の少なくともいくつかを前記分析器から出射する、または複数のm/zを有する荷電粒子の少なくともいくつかを検出するステップとを含み、前記出射または検出するステップが、前記粒子が前記z軸の周りで同じ回数の周回を経た後に行われる方法。
【請求項2】
電場のz軸に沿った絶対強度が、平面z=0と各ミラーでの最大変向点との間でz軸に沿った距離の(i)2/3〜1/3、(ii)0.6〜0.4、(iii)0.55〜0.45、(iv)0.52〜0.42、および(v)約0.5の範囲の1つまたは複数にわたって|X|/2未満である請求項1に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項3】
電場のz軸に沿った絶対強度が、平面z=0と各ミラーでの最大変向点との間でz軸に沿った距離の1/3以下にわたって|X|/3未満である請求項2に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項4】
前記ビームは、一方のミラーから他方のミラーに反射するときに、z軸の方向で実質的に単調和運動の少なくとも1回の振動を受ける請求項1、2、または3に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項5】
z軸の方向での実質的に単調和運動の振動が振動周波数であり、z軸の周りでの周回運動が周回周波数であり、周回周波数対振動周波数の比が0.71〜5.0である請求項4に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項6】
各反射ごとに、荷電粒子のビームが、π/21/2ラジアンよりも大きく回転する請求項1〜5のいずれか一項に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項7】
電場が、前記ミラーでの最大変向点間でz軸に沿った長さの少なくとも半分に沿って実質的に線形である請求項1〜6のいずれか一項に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項8】
荷電粒子が、z軸の方向での振動の全時間の半分未満、z軸に沿って実質的に一定の速度で飛行する請求項1〜7のいずれか一項に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項9】
前記ビームが前記分析器を通って飛行するときに、前記ビームの円弧発散を制約するステップを含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
荷電粒子の前記ビームが前記分析器を通って飛行するときに、前記荷電粒子の前記ビームを少なくとも1つの円弧集束レンズに通す請求項9に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項11】
前記ビームが主飛行経路上で分析器を通って飛行し、方法が、外部入射軌道、内部入射軌道、内部出射軌道、および外部出射軌道の少なくとも1つに沿ってさらに荷電粒子の前記ビームを向けるステップをさらに含み、方法が、あらゆる軌道間、または1つまたは複数の軌道と主飛行経路の間での移行時または移行前に、ビーム方向および/またはビーム内の粒子の運動エネルギーを変えるステップをさらに含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項12】
前記ビームが、z=0平面またはその近くで主飛行経路を進行し始める請求項11に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項13】
前記ビームが前記主飛行経路を進行し始める点で、入射時に少なくとも半径方向rで前記ビームを偏向するステップを含む請求項11または12に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項14】
分析器体積の外部に位置されたパルスイオン源から前記分析器体積に前記ビームを入射するステップを含む請求項1〜13のいずれか一項に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項15】
入射偏向器を通して前記分析器体積内に前記ビームを入射するステップであって、前記入射偏向器の出口アパーチャが前記主飛行経路の進行開始点に位置するステップを含む請求項1〜14のいずれか一項に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項16】
前記入射偏向器の入口アパーチャが前記分析器体積の外部に位置する請求項15に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項17】
前記入射偏向器が電気セクタまたはミラーである請求項15または16に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項18】
z=0平面またはその近くで、前記荷電粒子の少なくともいくつかを主飛行経路から出射するステップを含む請求項1〜17のいずれか一項に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項19】
前記荷電粒子の少なくともいくつかが前記主飛行経路から出る点で、出射時に少なくとも半径方向rで前記荷電粒子の少なくともいくつかを偏向するステップを含む請求項1〜18のいずれか一項に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項20】
前記分析器体積から出射偏向器を通して前記荷電粒子の少なくともいくつかを出射するステップであって、前記出射偏向器の入口アパーチャが前記主飛行経路上に位置するステップを含む請求項1〜19のいずれか一項に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項21】
前記出射偏向器の出口アパーチャが前記分析器体積の外部にある請求項20に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項22】
前記出射偏向器が電気セクタまたはミラーである請求項20または21に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項23】
前記主飛行経路から荷電粒子処理デバイスに前記荷電粒子の少なくともいくつかを出射するステップを含み、前記荷電粒子処理デバイスが、荷電粒子検出器、後段加速デバイス、イオン貯蔵デバイス、衝突または反応セル、フラグメンテーションデバイス、質量分析デバイスの1つまたは複数を備える請求項1〜22のいずれか一項に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項24】
前記ビームが前記主飛行経路を進行し始める、および/または前記荷電粒子の少なくともいくつかが前記主飛行経路から出る場所の近傍で、一方または両方のミラーの外側電場定義電極システムの狭窄部分を通して、前記分析器体積に前記ビームを入射する、および/または前記荷電粒子の少なくともいくつかを前記分析器体積から出射するステップを含む請求項1〜23のいずれか一項に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項25】
荷電粒子検出器を前記分析器体積の外部に位置させるステップと、前記検出器によって検出するために、前記荷電粒子の少なくともいくつかを前記分析器体積から出射するステップとを含む請求項1〜24のいずれか一項に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項26】
荷電粒子検出器の検出面と前記ビームの時間的焦点面とを実質的に同じ位置にするステップを含む請求項1〜25のいずれか一項に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項27】
前記荷電粒子を検出する前に前記荷電粒子の少なくともいくつかを後段加速するステップを含み、前記後段加速が、前記分析器体積の外部に位置された後段加速器によって行われる請求項1〜26のいずれか一項に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項28】
選択された粒子とは異なるすべての他の粒子を前記分析器から出射することによって、1つまたは複数のm/zの選択された粒子を前記分析器体積内部で隔離するステップを含む請求項1〜27のいずれか一項に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項29】
イオンが、前記主飛行経路からずれるように偏向され、それにより前記分析器体積内部の検出面に衝突する請求項1〜28のいずれか一項に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項30】
前記ビームが前記分析器を通って進むときに前記イオンビームの位置を最適化するためのプロセスの一部として、および/または自動利得制御のプロセスの一部として、および/または検出器の利得を調節するためのプロセスの一部として、前記検出面に衝突するイオンを検出するステップを含む請求項29に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項31】
前記z軸の周りで前記粒子が同じ回数の周回を経た後に、前記荷電粒子の少なくともいくつかの前記分析器を通る飛行時間を測定するステップと、測定された飛行時間から質量スペクトルを構成するステップとをさらに含む請求項1〜30のいずれか一項に記載の荷電粒子を分離する方法。
【請求項32】
2つの対向するミラーを備える荷電粒子分析器であって、各ミラーが、軸zに沿って細長い内側および外側電場定義電極システムを備え、外側システムが内側システムを取り囲み、それらの間に分析器体積を画定し、使用時、分析器を通して荷電粒子のビームを飛行させ、荷電粒子のビームが、分析器体積内部でz軸の周りを周回するとともに一方のミラーから他方のミラーに少なくとも1回反射し、それによりミラー内部に最大変向点を定義し、電極システムが電気的にバイアスをかけられるとき、ミラーが、z軸に沿った対向する電場を備える電場を分析器体積内部に生成し、電場のz軸に沿った強度が平面z=0で最小であり、最大変向点での電場のz軸に沿った強度がXであり、電場のz軸に沿った絶対強度が、平面z=0と各ミラーでの最大変向点の間でz軸に沿った距離の2/3以下にわたって|x|/2未満であり、荷電粒子分析器がさらに、
出射器、または検出器の少なくとも一部を備え、出射器、または検出器の少なくとも一部が、前記分析器体積内部に位置されて、それぞれビームからの少なくとも前記いくつかの荷電粒子を前記分析器体積から出射し、または前記分析器体積内部で検出し、前記少なくともいくつかの粒子が複数のm/zを有し、前記出射または検出が、少なくともいくつかの粒子が軸zの周りで同じ回数の周回を経た後に行われる荷電粒子分析器。
【請求項33】
一方または両方のミラーの内側電場定義電極システムを少なくとも部分的に取り囲む、分析器体積内部に位置された少なくとも1つのベルト電極アセンブリを備える請求項32に記載の荷電粒子分析器。
【請求項34】
前記ビームが分析器を通って飛行するときに、前記ビームの円弧発散を制約するための少なくとも1つの円弧集束レンズを備える請求項32または33のいずれか一項に記載の荷電粒子分析器。
【請求項35】
実質的に同じz座標でz軸の周りに位置された複数の円弧集束レンズを備える請求項34に記載の荷電粒子分析器。
【請求項36】
一方または両方のミラーの前記外側電場定義電極システムが、前記ビームが前記主飛行経路を進行し始める、および/または前記荷電粒子の少なくともいくつかが前記主飛行経路から出る場所の近傍で、狭窄部分を有する請求項32〜35のいずれか一項に記載の荷電粒子分析器。
【請求項37】
前記狭窄部分が、z=0平面またはその近くに位置される請求項36に記載の荷電粒子分析器。
【請求項38】
前記狭窄部分が少なくとも1つのアパーチャを有し、前記アパーチャを通して、前記ビームが前記分析器体積内に入射され、および/または前記荷電粒子の少なくともいくつかが前記分析器体積の外に出射される請求項36または37に記載の荷電粒子分析器。
【請求項39】
パルスイオン源を備える入射器を備え、前記パルスイオン源が、前記分析器体積の外部に位置される請求項32〜38のいずれか一項に記載の荷電粒子分析器。
【請求項40】
前記パルスイオン源が、湾曲リニアイオントラップ(Cトラップ)である請求項39に記載の荷電粒子分析器。
【請求項41】
前記偏向器の前記出口アパーチャが前記主飛行経路の進行開始点にある入射偏向器を備える請求項32〜40のいずれか一項に記載の荷電粒子分析器。
【請求項42】
前記偏向器が電気セクタまたはミラーである請求項41に記載の荷電粒子分析器。
【請求項43】
前記入射偏向器が、請求項36〜38のいずれか一項に記載の狭窄部分のアパーチャを通して位置される請求項41または42に記載の荷電粒子分析器。
【請求項44】
前記出射器が出射偏向器を備え、前記偏向器の入口アパーチャが前記主飛行経路上に位置された請求項32〜43のいずれか一項に記載の荷電粒子分析器。
【請求項45】
前記出射偏向器が電気セクタまたはミラーである請求項44に記載の荷電粒子分析器。
【請求項46】
前記出射偏向器が、請求項36〜38のいずれか一項に記載の狭窄部分のアパーチャを通して位置される請求項44または45に記載の荷電粒子分析器。
【請求項47】
前記出射器および前記分析器が存在し、さらに、出射された粒子の少なくともいくつかを検出するための前記分析器体積の外部に位置された検出器を備える請求項32〜46のいずれか一項に記載の荷電粒子分析器。
【請求項48】
前記検出器が、請求項36〜38のいずれか一項に記載の狭窄部分に隣接して位置される請求項47に記載の荷電粒子分析器。
【請求項49】
前記検出器が、検出すべき少なくともいくつかの粒子の時間的焦点面と同じ位置にされた検出面を有する請求項32〜48のいずれか一項に記載の荷電粒子分析器。
【請求項50】
前記分析器体積の外部に、かつ前記検出器の上流に位置された後段加速器を備える請求項48または49に記載の荷電粒子分析器。
【請求項51】
さらに、使用時、イオンが前記分析器体積内部に位置された検出器に衝突するようにイオンを前記主飛行経路から偏向するように構成される偏向器を備える請求項32〜50のいずれか一項に記載の電荷粒子分析器。
【請求項52】
請求項32〜51のいずれか一項に記載の電荷粒子分析器を備える質量分光計。
【請求項53】
前記電荷分析器が、前駆体またはフラグメントイオンの高い質量分解能の飛行時間分析を行うように構成される、タンデム式質量分光分析に適するように構成された請求項52に記載の質量分光計。

【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図9d】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図10d】
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【図10e】
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【図10f】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図11e】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【図13a】
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【図13b】
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【図13c】
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【図13d】
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【図14a】
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【図14b】
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【図14c】
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【図15】
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【図16a】
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【図16b】
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【図16c】
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【図16d】
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【図17a】
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【図17b】
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【図17c】
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【図17d】
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【図17e】
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【図18a】
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【図18b】
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【図18c】
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【図18d】
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【図19a】
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【図19b】
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【図19c】
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【図19d】
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【図20a】
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【図20b】
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【図20c】
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【図20d】
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【図20e】
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【図21a】
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【図21b】
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【図21c】
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【図21d】
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【図22】
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【図23a】
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【図23b】
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【図23c】
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【図24a】
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【図24b】
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【図24c】
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【図25】
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【図26a】
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【図26b】
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【図26c】
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【図26d】
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【図26e】
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【図26f】
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【図26g】
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【図26h】
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【図26i】
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【図27】
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【図28a】
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【図28b】
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【図29a】
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【図29b】
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【図29c】
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【図29d】
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【図29e】
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【図29f】
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【図30】
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【図31a】
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【図31b】
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【図31c】
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【公表番号】特表2012−528432(P2012−528432A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512378(P2012−512378)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際出願番号】PCT/EP2010/057340
【国際公開番号】WO2010/136533
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(508306565)サーモ フィッシャー サイエンティフィック (ブレーメン) ゲーエムベーハー (20)
【Fターム(参考)】