説明

荷電粒子選別装置及び荷電粒子照射装置

【課題】ガスクラスターをイオン化価数ごと選別する荷電粒子選別装置を提供する。
【解決手段】イオン化したガスクラスターを選別するための荷電粒子選別装置において、前記ガスクラスターの進行方向に配列された電界を印加するための3つ以上の電界印加部と、前記ガスクラスターを選別するためのスリットと、を有し、前記電界印加部は2枚の電極から構成されており、前記電極に交流電圧を印加することにより、イオン化したガスクラスターを偏向させるものであって、隣接する前記電界印加部においては、異なる位相の交流電圧が印加されており、前記スリットは、前記電界印加部により偏向した前記ガスクラスターを通過する開口部を有するものであって、前記交流電圧は、前記ガスクラスターを構成する原子数が同じガスクラスターにおいて、所定の価数の前記ガスクラスターのみが、前記スリットの開口部を通過する周波数であることを特徴とする荷電粒子選別装置を提供することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷電粒子選別装置及び荷電粒子照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数個の原子等が凝集してできるガスクラスターは特異な物理化学的挙動を示し、広い分野における利用が検討されている。即ち、ガスクラスターからなるクラスターイオンビームは、従来困難であった固体表面から数ナノメートルの深さの領域で、イオン注入、表面加工、薄膜形成を行うプロセスに適している。
【0003】
ガスクラスター発生装置においては、加圧ガスの供給を受けて原子の数が数100〜数1000となるクラスターを発生させることが可能である。ガスクラスター発生装置では、発生するクラスターにおける原子の数は確率的に存在し、ガスクラスターの質量には幅を有しており、実用的には、ガスクラスターの質量に基づいて選別する必要がある。
【0004】
このため、発生したクラスターをイオン化し、質量に基づいて選別する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−71642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、イオン化したクラスターは質量について選別するのみならず、イオン化されている価数に応じて選別することが望まれている。これは、イオン化されているガスクラスターの価数により用途等が大きく異なるためであり、所望の価数のガスクラスターのみを選別して使用することにより、より高効率で、より精細な加工等を行うことが可能となる。即ち、実験等の結果に基づくならば、表面の限られた領域より深い部分に、イオンの痕跡が確認され、検討の結果、これは多価イオンの混在に起因するものであることが確認された。従って、固体表面から数ナノメートルの深さの領域で、イオン注入、表面加工、薄膜形成を行うプロセスを安定的に行うためには、多価イオンのガスクラスターを除去することが必要となる。一方、用途においては、多価イオンのガスクラスターを用いる方がスループット等の点から好ましい場合がある。更に、ガスクラスターを生成する際に生じる高速中性ビームも除去することができればより好ましい。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、イオン化したクラスターを価数に応じて選別することが可能な荷電粒子選別装置及び荷電粒子照射装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、イオン化したガスクラスターを選別するための荷電粒子選別装置において、前記ガスクラスターの進行方向に配列された電界を印加するための3つ以上の電界印加部と、前記ガスクラスターを選別するためのスリットと、を有し、前記電界印加部は2枚の電極から構成されており、前記電極に交流電圧を印加することにより、イオン化したガスクラスターを偏向させるものであって、隣接する前記電界印加部においては、異なる位相の交流電圧が印加されており、前記スリットは、前記電界印加部により偏向した前記ガスクラスターを通過する開口部を有するものであって、前記交流電圧は、前記ガスクラスターを構成する原子数が同じガスクラスターにおいて、所定の価数の前記ガスクラスターのみが、前記スリットの開口部を通過する周波数であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、イオン化したガスクラスターを選別するための荷電粒子選別装置において、前記ガスクラスターの進行方向に配列された電界を印加するための電界印加部と、前記ガスクラスターを選別するためのスリットと、を有し、前記電界印加部は2枚の電極から構成されており、前記電界印加部は交流電界印加部と、直流電界印加部を有しており、前記電極に前記直流電界印加部において発生させた直流電圧に前記交流電界印加部において発生させた交流電圧を重畳させた電圧を印加することにより、イオン化したガスクラスターを偏向させるものであって、隣接する前記電界印加部においては、異なる位相の交流電圧が印加されており、前記スリットは、前記電界印加部により偏向した前記ガスクラスターを通過する開口部を有するものであって、前記交流電圧は、前記ガスクラスターを構成する原子数が同じガスクラスターにおいて、所定の価数の前記ガスクラスターのみが、前記スリットの開口部を通過する周波数であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記交流電圧は、前記ガスクラスターを構成する原子数が同じガスクラスターにおいて、所定の価数の前記ガスクラスターのみが、前記スリットの開口部を通過する周波数であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記所定の価数は、1価であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、隣接する前記電界印加部における電極には、相互に位相が180°異なる電圧が印加されるものであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記電界印加部の数は、3又は4であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、ガスクラスターを生成するガスクラスター生成部と、前記ガスクラスターをイオン化するイオン化電極と、前記イオン化したガスクラスターを加速するための加速電極と、前記加速したイオン化したガスクラスターにおいて、所定の価数のイオン化したガスクラスターを選別するための前記記載の荷電粒子選別装置と、を有し、前記荷電粒子選別装置より射出されたイオン化したガスクラスターを部材に照射することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、イオン化したクラスターを価数に応じて選別することが可能な荷電粒子選別装置及び荷電粒子照射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明における荷電粒子照射装置の構成図
【図2】第1の実施の形態における荷電粒子選別装置の構成図
【図3】電界印加部が1つの場合のθとイオン化したクラスターの偏向角との相関図
【図4】電界印加部が2つの場合のθとイオン化したクラスターの偏向角との相関図
【図5】電界印加部が3つの場合のθとイオン化したクラスターの偏向角との相関図
【図6】第2の実施の形態における荷電粒子選別装置の構成図
【図7】第3の実施の形態における荷電粒子選別装置の構成図
【図8】電界印加部が4つの場合のθとイオン化したクラスターの偏向角との相関図
【図9】第4の実施の形態における荷電粒子選別装置の構成図
【図10】第5の実施の形態における荷電粒子選別装置の構成図
【図11】第6の実施の形態における荷電粒子選別装置の構成図
【図12】第7の実施の形態における荷電粒子選別装置の構成図
【図13】第8の実施の形態における荷電粒子選別装置の構成図
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。
【0018】
〔第1の実施の形態〕
(荷電粒子選別装置及び荷電粒子照射装置)
第1の実施の形態について説明する。本実施の形態は、発生したガスクラスターを選別する荷電粒子選別装置及び荷電粒子選別装置により選別された荷電粒子を基板等に照射する荷電粒子照射装置に関するものである。
【0019】
図1に基づき、本実施の形態における荷電粒子照射装置について説明する。
【0020】
本実施の形態における荷電粒子照射装置は、ガスクラスターを生成するノズル部11、イオン化電極12、加速電極13、クラスター選別部14を有している。尚、クラスター選別部14は本実施の形態の荷電粒子選別装置に相当する。
【0021】
ノズル部11では、圧縮されたガスによりガスクラスターが生成される。具体的には、高圧状態でノズル部11に供給されたガスが、ノズル部11より噴出することにより、ガスクラスターが生成される。この際に用いられるガスは、酸素及びアルゴン等のガスであり、常温で気体状態を示すものが好ましい。
【0022】
このように、アルゴン等を供給することにより、アルゴンのガスクラスターが生成されるが、生成されるガスクラスターの原子の数は一定ではなく、様々な原子の数のガスクラスターが生成される。
【0023】
イオン化電極12では、生成されたガスクラスターをイオン化する。これにより、生成されたガスクラスターがイオン化されるが、イオン化される価数は一定ではなく、1価、2価、3価等にイオン化されたガスクラスターが生成される。
【0024】
次に、加速電極13によりイオン化したガスクラスターが加速される。この際、ガスクラスターは、ガスクラスターを構成する原子の数の平方根、即ち、質量の平方根に反比例する速度で加速される。また、イオン化されている価数の平方根に比例する速度で加速される。
【0025】
次に、クラスター選別部14においてガスクラスターがイオン化されている価数に応じて選別される。本実施の形態では、1価のイオン化したガスクラスター15のみを選別することができる。
【0026】
クラスター選別部14について、図2に基づき説明する。図2は、本実施の形態におけるクラスター選別部14の構成図である。
【0027】
本実施の形態におけるクラスター選別部14は、3組の電界印加部21、22及び23、スリット24及び電源25を有している。
【0028】
電界印加部21は、電極21a及び21bにより構成されており、電極21aと電極21bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。電界印加部22は、電極22a及び22bにより構成されており、電極22aと電極22bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。電界印加部23は、電極23a及び23bにより構成されており、電極23aと電極23bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。
【0029】
電圧の印加は電源25によってなされ、交流電圧が各々の電極に印加される。電極21a、22b及び23aは電気的に接続されており、また、電極21b、22a及び23bは電気的に接続されている。電極21a、22b及び23aに対し、電極21b、22a及び23bには、位相が180°反転したいわゆる逆位相の電圧が印加されている。印加される電圧の周波数及び電圧値は電源25により調整可能である。
【0030】
また、スリット24は、3組の電界印加部21、22及び23を通過した粒子のうち、直進方向に進む粒子が通過することが可能な開口部24aを有しており、3組の電界印加部21、22及び23において偏向された粒子は、破線の矢印で示すように、スリット24の開口部24aを通過することができないため遮ることができる。よって、クラスター選別部14では、実線の矢印で示されるような、直進方向に進むガスクラスターのみを選別し得ることができる。
【0031】
このようにして、本実施の形態では、電極21a、22b及び23aと、電極21b、22a及び23bと間に所定の周波数の電圧を印加することにより、所望の価数のガスクラスターを選別するものである。
【0032】
(ガスクラスターの偏向)
次に、イオン化されたガスクラスターの偏向について説明する。
【0033】
具体的には、
θ=ωl/v・・・・・・・(1)
とした場合、θとガスクラスターの偏向角について説明する。尚、ωは、電源25より印加される電圧の角周波数であり、印加される電圧の周波数fは、
f=ω/2π・・・・・・・・(2)
となる。
【0034】
また、lは偏向系の長さ、即ち、電極の長さであり、ガスクラスターの進行方向に沿った方向における各々の電極の長さの和である。また、vは、ガスクラスターの速度である。
【0035】
図3〜図5に、電界印加部が、1組の場合、2組の場合、3組の場合について、θとガスクラスターの偏向角との関係を示す。尚、lは0.1mであって、ガスクラスターのクラスターサイズが1000原子/クラスターであって、10kVでガスクラスターを加速した場合のものである。また、ガスクラスターを構成する原子はアルゴンである。
【0036】
図3に電界印加部が1組、即ち、1組の電極の場合におけるθとガスクラスターの偏向角との関係を示す。図に示されるように、1価、2価、3価のガスクラスターにより、各々の偏向角は異なる。しかしながら、電界印加部が1組の場合では、各々の価数におけるガスクラスターの偏向角が安定するθ幅が狭く、印加する周波数を変えても偏向角を利用して、1価、2価、3価のガスクラスターを完全に分離することは困難である。
【0037】
次に、図4に電界印加部が2組、即ち、2組の電極の場合におけるθとガスクラスターの偏向角との関係を示す。尚、2組の電界印加部には、電源等により相互に位相が180°異なる逆位相の電圧が印加されている。電界印加部が2組の場合では、各々の価数におけるガスクラスターの偏向角が安定するθ幅はあるものの、各々が重複しない領域であり、周波数を変えても偏向角を利用して、1価、2価、3価のガスクラスターを分離して実用的に用いることは困難である。
【0038】
なお、θが12〜13前後、即ち、約130〜140kHzの周波数においては、1価のガスクラスターの偏向角は略0であるが、2価、3価のガスクラスターは、偏向角が安定しておらず、1価との差の少ない領域がある。このように、電界印加部が2組の場合では、イオン化したクラスターの価数ごとの分解性能は、電界印加部が1組の場合よりも向上するものの、実用的に用いることは困難を伴う。
【0039】
次に、図5に電界印加部が3組、即ち、3組の電極の場合におけるθとガスクラスターの偏向角との関係を示す。この構成は、本実施の形態におけるガスクラスター選別部14における構成であり、相互に隣接する電界印加部には、電源等により相互に位相が180°ことなるいわゆる逆位相の電圧が印加されている。電界印加部が3組の場合では、各々の価数におけるガスクラスターの偏向角が安定するθ幅が広く、各々が重複している領域が存在する。
【0040】
例えば、θが16前後、即ち、約170kHzの周波数においては、1価のガスクラスターの偏向角は略0であるが、2価、3価のガスクラスターは偏向しているため、1価のガスクラスターは偏向角を利用して分離することが可能である。そして、2価、3価のガスクラスターの偏向角は比較的大きい。またθ幅も広く1価のガスクラスターをほぼ完全に分離することが可能である。このように、電界印加部が3組の場合では、イオン化したクラスターの価数ごとの分解性能は、電界印加部が1組の場合、2組の場合よりも格段に向上し、実用性が高まる。
【0041】
以上より、本実施の形態では、電源25により、θが16前後となるような周波数の電圧を印加することにより、1価のガスクラスターを直進させ、2価、3価のガスクラスターを偏向させることができる。これにより、スリット24において、直進方向の粒子のみを通過させ、偏向されている2価、3価のガスクラスターは、スリット24を遮蔽させることができる。よって、1価のガスクラスターのみを選別して得ることができる。
【0042】
尚、本実施の形態では、1価のガスクラスターを選別する場合について説明したが、電源25において、印加する電圧の周波数を変えることにより、用途に応じて2価のガスクラスター又は、3価のガスクラスターを選別することも可能である。
【0043】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態と同様に3組の電界印加部を有している。本実施の形態では、1価のイオン化したガスクラスターのみを選別することができる荷電粒子選別装置である。
【0044】
本実施の形態におけるクラスター選別部について、図6に基づき説明する。
【0045】
本実施の形態におけるクラスター選別部は、3組の電界印加部31、32及び33、スリット34及び電源35を有している。
【0046】
電界印加部31は、電極31a及び31bにより構成されており、電極31aと電極31bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。電界印加部32は、電極32a及び32bにより構成されており、電極32aと電極32bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。電界印加部33は、電極33a及び33bにより構成されており、電極33aと電極33bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。
【0047】
電圧の印加は電源35によってなされ、交流電圧が各々の電極に印加される。電極31a、32b及び33aは電気的に接続されており、また、電極31b、32a及び33bは電気的に接続されている。電極31a、32b及び33aに対し、電極31b、32a及び33bには、位相が180°反転したいわゆる逆位相の電圧が印加されている。印加される電圧の周波数及び電圧値は電源35により調整可能である。
【0048】
また、スリット34は、3組の電界印加部31、32及び33を通過した粒子のうち、所定の偏向角で偏向された粒子が通過することが可能な開口部34aを有しており、3組の電界印加部31、32及び33において所定の偏向角で偏向されていない粒子は、スリット34の開口部34aを通過することができないため遮られる。よって、クラスター選別部では、所定の偏向角で偏向されたガスクラスターのみを選別することができる。
【0049】
即ち、本実施の形態では、図5に示すように、電源35により、θが8前後となるような周波数の電圧を印加することにより、1価のガスクラスターを大きな角度で偏向させ、2価、3価のガスクラスターをできるだけ偏向させないようにすることができる。これにより、スリット34を所定の大きさの角度で偏向した粒子のみを通過させることが可能な位置に配置し、実線の矢印で示される偏向角の大きな1価のガスクラスターは、スリット34を通過させ、破線の矢印で示す偏向角の小さな2価、3価のガスクラスターは、スリット34を通過させることなく遮蔽させることができる。これにより、1価のガスクラスターのみを選別することができる。また、本実施の形態では、直進する粒子はすべてスリット34を通過することができないため、イオン化されていない中性粒子についてもスリット34によって遮ることができる。これにより中性粒子の混入を防ぐことができ、中性粒子が含まれないイオン化された1価のガスクラスターのみを得ることができる。
【0050】
尚、本実施の形態では、1価のガスクラスターを選別する場合について説明したが、電源35において、印加する電圧の周波数を変えることにより、用途に応じて2価のガスクラスター又は、3価のガスクラスターを選別することも可能である。
【0051】
また、本実施の形態における上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様であり、本実施の形態の荷電粒子選別装置を用いることにより、第1の実施の形態に示される荷電粒子照射装置と同様の荷電粒子照射装置を得ることができる。
【0052】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、4組の電界印加部を有している。本実施の形態では、1価のイオン化したガスクラスターのみを選別することができる荷電粒子選別装置である。
【0053】
本実施の形態におけるクラスター選別部について、図7に基づき説明する。本実施の形態におけるクラスター選別部は、4組の電界印加部41、42、43及び44、スリット45及び電源46を有している。
【0054】
電界印加部41は、電極41a及び41bにより構成されており、電極41aと電極41bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。電界印加部42は、電極42a及び42bにより構成されており、電極42aと電極42bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。電界印加部43は、電極43a及び43bにより構成されており、電極43aと電極43bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。電界印加部44は、電極44a及び44bにより構成されており、電極44aと電極44bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。
【0055】
電圧の印加は電源46によってなされ、交流電圧が各々の電極に印加される。電極41a、42b、43a及び44bは電気的に接続されており、また、電極41b、42a、43b及び44aは電気的に接続されている。電極41a、42b、43a及び44bに対し、電極41b、42a、43b及び44aには、位相が180°反転したいわゆる逆位相の電圧が印加されている。印加される電圧の周波数及び電圧値は電源46により調整可能である。
【0056】
図8に、電界印加部が、4組の場合について、θとガスクラスターの偏向角との関係を示す。尚、lは0.1mであって、ガスクラスターのクラスターサイズが1000原子/クラスターであって、10kVでガスクラスターを加速した場合のものである。また、ガスクラスターを構成する原子はアルゴンである。この構成は、本実施の形態におけるガスクラスター選別部における構成であり、相互に隣接する電界印加部には、電源等により逆位相の電圧が印加されている。
【0057】
電界印加部が4組の場合では、θが18.5前後、即ち、約200kHzの周波数においては、1価のガスクラスターの偏向角は略0であり、2価、3価のガスクラスターは偏向しているため、1価のガスクラスターは偏向角を利用して分離することが可能である。このように、電界印加部が4組の場合では、イオン化したクラスターの価数ごとの分解性能は、電界印加部が3組の場合よりも向上する。
【0058】
本実施の形態は、上記結果に基づくものであり、電源45により、θが18.5前後となるような周波数の電圧を印加することにより、1価のガスクラスターを直進させ、2価、3価のガスクラスターを偏向させたものである。
【0059】
スリット45は、4組の電界印加部41、42、43及び44を通過した粒子のうち、直進方向に進む粒子が通過することが可能な開口部45aを有しており、4組の電界印加部41、42、43及び44において偏向された粒子は、スリット45の開口部45aを通過することができないため遮られる。これにより、スリット45において、実線の矢印で示すような直進方向の粒子のみを通過させ、破線の矢印で示すような偏向されている2価、3価のガスクラスターは、遮蔽させることができる。よって、1価のガスクラスターのみを選別して得ることができる。
【0060】
尚、本実施の形態では、1価のガスクラスターを選別する場合について説明したが、電源46において、印加する電圧の周波数を変えることにより、用途に応じて2価のガスクラスター又は、3価のガスクラスターを選別することも可能である。
【0061】
また、本実施の形態における上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様であり、本実施の形態の荷電粒子選別装置を用いることにより、第1の実施の形態に示される荷電粒子照射装置と同様の荷電粒子照射装置を得ることができる。
【0062】
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第3の実施の形態と同様に4組の電界印加部を有している。本実施の形態では、1価のイオン化したガスクラスターのみを選別することができる荷電粒子選別装置である。
【0063】
本実施の形態におけるクラスター選別部について、図9に基づき説明する。本実施の形態におけるクラスター選別部は、4組の電界印加部51、52、53及び54、スリット55及び電源56を有している。
【0064】
電界印加部51は、電極51a及び51bにより構成されており、電極51aと電極51bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。電界印加部52は、電極52a及び52bにより構成されており、電極52aと電極52bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。電界印加部53は、電極53a及び53bにより構成されており、電極53aと電極53bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。電界印加部54は、電極54a及び54bにより構成されており、電極54aと電極54bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。
【0065】
電圧の印加は電源56によってなされ、交流電圧が各々の電極に印加される。電極51a、52b、53a及び54bは電気的に接続されており、また、電極51b、52a、53b及び54aは電気的に接続されている。電極51a、52b、53a及び54bに対し、電極51b、52a、53b及び54aには、位相が180°反転したいわゆる逆位相の電圧が印加されている。印加される電圧の周波数及び電圧値は電源56により調整可能である。
【0066】
また、スリット55は、4組の電界印加部51、52、53及び54を通過した粒子のうち、所定の偏向角で偏向された粒子が通過することが可能な開口部55aを有しており、4組の電界印加部51、52、53及び54において所定の偏向角で偏向されていない粒子は、スリット55の開口部55aを通過することができず遮られる。よって、クラスター選別部では、所定の偏向角で偏向されたガスクラスターのみを選別することができる。
【0067】
即ち、本実施の形態では、図8に示すように、電源56により、θが11.5前後となるような周波数の電圧を印加することにより、1価のガスクラスターを大きな角度で偏向させ、2価、3価のガスクラスターをできるだけ偏向させないようにした構成のものである。これにより、スリット55は所定の大きさの角度で偏向した粒子のみを通過させることが可能な位置に配置し、実線の矢印で示される偏向角の大きな1価のガスクラスターは、スリット55を通過させ、破線の矢印で示す偏向角の小さな2価、3価のガスクラスターは、スリット55を通過させることなく遮蔽させることができる。これにより、1価のガスクラスターのみを選別して得ることができる。また、本実施の形態では、直進する粒子はすべてスリット55を通過することができないため、イオン化されていない中性粒子についてもスリット55によって遮ることができる。これにより中性粒子の混入を防ぐことができ、中性粒子の含まれないイオン化された1価のガスクラスターのみを得ることができる。
【0068】
尚、本実施の形態では、1価のガスクラスターを選別する場合について説明したが、電源56において、印加する電圧の周波数を変えることにより、用途に応じて2価のガスクラスター又は、3価のガスクラスターを選別することも可能である。
【0069】
また、本実施の形態における上記以外の内容については、第1又は第3の実施の形態と同様であり、本実施の形態の荷電粒子選別装置を用いることにより、第1の実施の形態に示される荷電粒子照射装置と同様の荷電粒子照射装置を得ることができる。
【0070】
上述したように、電界印加部を3つ以上設けることにより、イオン化したガスクラスターを価数ごとに効率よく選別することができる。また、電界印加部の数を増やすことにより、イオン化したガスクラスターについて価数ごとの分解性能を向上させることができる。
【0071】
〔第5の実施の形態〕
次に、第5の実施の形態について説明する。本実施の形態は、電源にさらに直流のバイアス電源を加えた構成の荷電粒子選別装置である。本実施の形態におけるクラスター選別部について、図10に基づき説明する。
【0072】
本実施の形態におけるクラスター選別部は、1組の電界印加部61、スリット65、交流電源66及び直流電源67を有している。
【0073】
電界印加部61は、電極61a及び61bにより構成されており、電極61aと電極61bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。
【0074】
電圧の印加は交流電源66及び直流電源67によってなされ、直流電源67によりバイアスのかかった交流電圧が各々の電極に印加される。電極61aに対し、電極61bには、位相が180°反転したいわゆる逆位相の電圧が印加されている。印加される電圧の周波数及び電圧値は交流電源66及び直流電源67により調整可能である。
【0075】
また、スリット65は、1組の電界印加部61を通過した粒子のうち、所定の偏向角で偏向された粒子が通過することが可能な開口部65aを有しており、1組の電界印加部61において所定の偏向角で偏向されていない粒子は、スリット65の開口部65aを通過することができないため遮られる。よって、クラスター選別部では、所定の偏向角で偏向されたガスクラスターのみを選別することができる。
【0076】
即ち、本実施の形態では、図3に示すように、交流電源66により、θが6.3前後、即ち、約70kHzとなる周波数の電圧を印加し、直流電源67に所定のバイアス電圧を印加することにより、1価のガスクラスターを所望の角度で偏向させ、イオン化されていない中性粒子をスリット65によって遮ることができる。これにより中性粒子の混入を防ぐことができ、中性粒子が含まれないイオン化された1価のガスクラスターのみを得ることができる。
【0077】
尚、本実施の形態では、1価のガスクラスターを選別する場合について説明したが、交流電源66及び直流電源67において、印加する電圧の周波数を変えることにより、用途に応じて2価のガスクラスター又は、3価のガスクラスターを選別することも可能である。
【0078】
また、本実施の形態における上記以外の内容については、第1の実施の形態等と同様であり、本実施の形態の荷電粒子選別装置を用いることにより、第1の実施の形態に示される荷電粒子照射装置と同様の荷電粒子照射装置を得ることができる。
【0079】
〔第6の実施の形態〕
次に、第6の実施の形態について説明する。本実施の形態は、電源にさらに直流のバイアス電源を加えた構成の荷電粒子選別装置である。本実施の形態におけるクラスター選別部について、図11に基づき説明する。
【0080】
本実施の形態におけるクラスター選別部は、2組の電界印加部71及び73、スリット75、交流電源76及び直流電源77を有している。
【0081】
電界印加部71は、電極71a及び71bにより構成されており、電極71aと電極71bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。電界印加部72は、電極72a及び72bにより構成されており、電極72aと電極72bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。
【0082】
電圧の印加は交流電源76及び直流電源77によってなされ、直流電源77によりバイアスのかかった交流電圧が各々の電極に印加される。電極71a及び72bは電気的に接続されており、また、電極71b及び72aは電気的に接続されている。電極71a及び72bに対し、電極71b及び72aには、位相が180°反転したいわゆる逆位相の電圧が印加されている。印加される電圧の周波数及び電圧値は交流電源76及び直流電源77により調整可能である。
【0083】
また、スリット75は、2組の電界印加部71及び72を通過した粒子のうち、所定の偏向角で偏向された粒子が通過することが可能な開口部75aを有しており、2組の電界印加部71及び72において所定の偏向角で偏向されていない粒子は、スリット75の開口部75aを通過することができないため遮られる。よって、クラスター選別部では、所定の偏向角で偏向されたガスクラスターのみを選別することができる。
【0084】
即ち、本実施の形態では、図4に示すように、交流電源76により、θが12〜13前後、即ち、約130〜140kHzとなる周波数の電圧を印加し、直流電源87に所定のバイアス電圧を印加することにより、1価のガスクラスターを所望の角度で偏向させ、イオン化されていない中性粒子をスリット75によって遮ることができる。これにより中性粒子の混入を防ぐことができ、中性粒子が含まれないイオン化された1価のガスクラスターのみを得ることができる。
【0085】
尚、本実施の形態では、1価のガスクラスターを選別する場合について説明したが、交流電源76及び直流電源77において、印加する電圧の周波数を変えることにより、用途に応じて2価のガスクラスター又は、3価のガスクラスターを選別することも可能である。
【0086】
また、本実施の形態における上記以外の内容については、第1の実施の形態等と同様であり、本実施の形態の荷電粒子選別装置を用いることにより、第1の実施の形態に示される荷電粒子照射装置と同様の荷電粒子照射装置を得ることができる。
【0087】
〔第7の実施の形態〕
次に、第7の実施の形態について説明する。本実施の形態は、電源にさらに直流のバイアス電源を加えた構成の荷電粒子選別装置である。本実施の形態におけるクラスター選別部について、図12に基づき説明する。
【0088】
本実施の形態におけるクラスター選別部は、3組の電界印加部81、82及び83、スリット85、交流電源86及び直流電源87を有している。
【0089】
電界印加部81は、電極81a及び81bにより構成されており、電極81aと電極81bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。電界印加部82は、電極82a及び82bにより構成されており、電極82aと電極82bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。電界印加部83は、電極83a及び83bにより構成されており、電極83aと電極83bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。
【0090】
電圧の印加は交流電源86及び直流電源87によってなされ、直流電源87によりバイアスのかかった交流電圧が各々の電極に印加される。電極81a、82b及び83aは電気的に接続されており、また、電極81b、82a及び83bは電気的に接続されている。電極81a、82b及び83aに対し、電極81b、82a及び83bには、位相が180°反転したいわゆる逆位相の電圧が印加されている。印加される電圧の周波数及び電圧値は交流電源86及び直流電源87により調整可能である。
【0091】
また、スリット85は、3組の電界印加部81、82及び83を通過した粒子のうち、所定の偏向角で偏向された粒子が通過することが可能な開口部85aを有しており、3組の電界印加部81、82及び83において所定の偏向角で偏向されていない粒子は、スリット85の開口部85aを通過することができないため遮られる。よって、クラスター選別部では、所定の偏向角で偏向されたガスクラスターのみを選別することができる。
【0092】
即ち、本実施の形態では、図5に示すように、交流電源86により、θが16前後、即ち、約170kHzとなる周波数の電圧を印加し、直流電源87に所定のバイアス電圧を印加することにより、1価のガスクラスターを所望の角度で偏向させ、イオン化されていない中性粒子をスリット85によって遮ることができる。これにより中性粒子の混入を防ぐことができ、中性粒子が含まれないイオン化された1価のガスクラスターのみを得ることができる。
【0093】
尚、本実施の形態では、1価のガスクラスターを選別する場合について説明したが、交流電源86及び直流電源87において、印加する電圧の周波数を変えることにより、用途に応じて2価のガスクラスター又は、3価のガスクラスターを選別することも可能である。
【0094】
また、本実施の形態における上記以外の内容については、第1の実施の形態等と同様であり、本実施の形態の荷電粒子選別装置を用いることにより、第1の実施の形態に示される荷電粒子照射装置と同様の荷電粒子照射装置を得ることができる。
【0095】
〔第8の実施の形態〕
次に、第8の実施の形態について説明する。本実施の形態は、電源にさらに直流のバイアス電源を加えた構成の荷電粒子選別装置である。本実施の形態におけるクラスター選別部について、図13に基づき説明する。
【0096】
本実施の形態におけるクラスター選別部は、4組の電界印加部91、92、93及び94、スリット95、交流電源96及び直流電源97を有している。
【0097】
電界印加部91は、電極91a及び91bにより構成されており、電極91aと電極91bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。電界印加部92は、電極92a及び92bにより構成されており、電極92aと電極92bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。電界印加部93は、電極93a及び93bにより構成されており、電極93aと電極93bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。電界印加部94は、電極94a及び94bにより構成されており、電極94aと電極94bとの間に電圧を印加することにより電界を発生させる。
【0098】
電圧の印加は交流電源96及び直流電源97によってなされ、直流電源97によりバイアスのかかった交流電圧が各々の電極に印加される。電極91a、92b、93a及び94bは電気的に接続されており、また、電極91b、92a、93b及び94aは電気的に接続されている。電極91a、92b、93a及び94bに対し、電極91b、92a、93b及び94aには、位相が180°反転したいわゆる逆位相の電圧が印加されている。印加される電圧の周波数及び電圧値は交流電源96及び直流電源97により調整可能である。
【0099】
また、スリット95は、4組の電界印加部91、92、93及び94を通過した粒子のうち、所定の偏向角で偏向された粒子が通過することが可能な開口部85aを有しており、4組の電界印加部91、92、93及び94において所定の偏向角で偏向されていない粒子は、スリット95の開口部95aを通過することができないため遮られる。よって、クラスター選別部では、所定の偏向角で偏向されたガスクラスターのみを選別することができる。
【0100】
即ち、本実施の形態では、図8に示すように、交流電源96により、θが18.5前後、即ち、約200kHzとなる周波数の電圧を印加し、直流電源97に所定のバイアス電圧を印加することにより、1価のガスクラスターを所望の角度で偏向させ、イオン化されていない中性粒子をスリット95によって遮ることができる。これにより中性粒子の混入を防ぐことができ、中性粒子が含まれないイオン化された1価のガスクラスターのみを得ることができる。
【0101】
尚、本実施の形態では、1価のガスクラスターを選別する場合について説明したが、交流電源96及び直流電源97において、印加する電圧の周波数を変えることにより、用途に応じて2価のガスクラスター又は、3価のガスクラスターを選別することも可能である。
【0102】
また、本実施の形態における上記以外の内容については、第1の実施の形態等と同様であり、本実施の形態の荷電粒子選別装置を用いることにより、第1の実施の形態に示される荷電粒子照射装置と同様の荷電粒子照射装置を得ることができる。
【0103】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0104】
11 ノズル部
12 イオン化電極
13 加速電極
14 クラスター選別部
21 電界印加部
21a 電極
21b 電極
22 電界印加部
22a 電極
22b 電極
23 電界印加部
23a 電極
23b 電極
24 スリット
25 電源


【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン化したガスクラスターを選別するための荷電粒子選別装置において、
前記ガスクラスターの進行方向に配列された電界を印加するための3つ以上の電界印加部と、
前記ガスクラスターを選別するためのスリットと、を有し、
前記電界印加部は2枚の電極から構成されており、前記電極に交流電圧を印加することにより、イオン化したガスクラスターを偏向させるものであって、
隣接する前記電界印加部においては、異なる位相の交流電圧が印加されており、
前記スリットは、前記電界印加部により偏向した前記ガスクラスターを通過する開口部を有するものであって、
前記交流電圧は、前記ガスクラスターを構成する原子数が同じガスクラスターにおいて、所定の価数の前記ガスクラスターのみが、前記スリットの開口部を通過する周波数であることを特徴とする荷電粒子選別装置。
【請求項2】
イオン化したガスクラスターを選別するための荷電粒子選別装置において、
前記ガスクラスターの進行方向に配列された電界を印加するための電界印加部と、
前記ガスクラスターを選別するためのスリットと、を有し、
前記電界印加部は2枚の電極から構成されており、前記電界印加部は交流電界印加部と、直流電界印加部を有しており、前記電極に前記直流電界印加部において発生させた直流電圧に前記交流電界印加部において発生させた交流電圧を重畳させた電圧を印加することにより、イオン化したガスクラスターを偏向させるものであって、
隣接する前記電界印加部においては、異なる位相の交流電圧が印加されており、
前記スリットは、前記電界印加部により偏向した前記ガスクラスターを通過する開口部を有するものであって、
前記交流電圧は、前記ガスクラスターを構成する原子数が同じガスクラスターにおいて、所定の価数の前記ガスクラスターのみが、前記スリットの開口部を通過する周波数であることを特徴とする荷電粒子選別装置。
【請求項3】
前記所定の価数は、1価であることを特徴とする請求項1または2に記載の荷電粒子選別装置。
【請求項4】
隣接する前記電界印加部における電極には、相互に位相が180°異なる電圧が印加されるものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の荷電粒子選別装置。
【請求項5】
前記電界印加部の数は、3又は4であることを特徴とする請求項1から4に記載の荷電粒子選別装置。
【請求項6】
ガスクラスターを生成するガスクラスター生成部と、
前記ガスクラスターをイオン化するイオン化電極と、
前記イオン化したガスクラスターを加速するための加速電極と、
前記加速したイオン化したガスクラスターにおいて、所定の価数のイオン化したガスクラスターを選別するための請求項1から5のいずれかに記載の荷電粒子選別装置と、を有し、
前記荷電粒子選別装置より射出されたイオン化したガスクラスターを部材に照射することを特徴とする荷電粒子照射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−171316(P2011−171316A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130488(P2011−130488)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【分割の表示】特願2009−146765(P2009−146765)の分割
【原出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【出願人】(592216384)兵庫県 (258)
【Fターム(参考)】