説明

落ち葉除け部材

【課題】軒樋に容易に設置可能であり、軒樋への落ち葉やごみの流入を防ぐ落ち葉除け部材を提供する。
【解決手段】樹脂シートにより構成される落ち葉除け部材2であって、幅方向に伸張させた場合に開口を形成する複数の切込み4を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軒樋に用いられる落ち葉除け部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年省資源で大量の雨水を排水可能なシステムへの要望が高まっている。特に雨樋においては径の細い竪樋を用い、いわゆるサイホンの原理を利用して排水を行なうサイホン式高排水システムが提案されている。この高排水システムにおいては、落ち葉をはじめとするごみの竪樋への流入により管詰まりが生じる危険性が高いため落ち葉除け部材は必須である。
【0003】
従来の落ち葉除け部材には、軒樋の開口部を落ち葉除けネットで覆い軒樋に落ち葉が侵入するのを防止するものが存在する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−87519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし上述の落ち葉除けネットは、定尺で製造されていることから施工時に落ち葉除けネットを丸めて軒樋内に設置したり、落ち葉除けネットの端部を切断して軒樋の幅に合わせて軒樋上に設置する必要があり、施工に時間と手間がかかり高コストになっていた。
【0006】
本発明の目的は、軒樋に容易に設置可能であり、軒樋への落ち葉やごみの流入を防ぐ落ち葉除け部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の落ち葉除け部材は、樹脂シートにより構成される落ち葉除け部材であって、幅方向に伸張させた場合に開口を形成する複数の切込みを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の落ち葉除け部材は、前記切込みが、長手方向に互い違いに形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の落ち葉除け部材は、前記樹脂シートが、ポリエチレンテレフタレートの超延伸シートであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、軒樋に容易に設置可能であり、軒樋への落ち葉やごみの流入を防ぐ落ち葉除け部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態に係る落ち葉除け部材を示す図である。
【図2】実施の形態に係る落ち葉除け部材を幅方向に伸張させた状態を示す図である。
【図3】実施の形態に係る落ち葉除け部材を軒樋に取付けた状態を側面から視た一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る落ち葉除け部材について説明する。図1は実施の形態に係る落ち葉除け部材2を示す図である。落ち葉除け部材2は、一方向に長い形状の樹脂シート3により構成され、樹脂シート3に互い違いに配列された切込み4を複数有している。ここで、落ち葉除け部材2を構成する樹脂シート3は、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate:PET)の超延伸シートにより形成されている。
【0013】
図2は実施の形態に係る落ち葉除け部材2を幅方向に伸張させた状態を示す図である。図2に示すように、落ち葉除け部材2を幅方向に伸張すると、切込み4が幅方向に開き、樹脂シート3に複数の開口部6が形成される。
【0014】
図3は実施の形態に係る落ち葉除け部材2を軒樋8に取付けた状態を側面から視た一部断面図である。軒樋8は、底壁10と、底壁10の前端に立設された前側壁12と、底壁10の後端に立設された後側壁14とを有し、上方に拡開した略U字状の断面形状を有している。
【0015】
また、軒樋8は、前側壁12の上端部及び後側壁14の上端部を吊具16に係止することにより、吊具16を介して屋根の軒先に取付けられる。また、吊具16は、落ち葉除け部材2を係止する係止部22を上部に備えており、落ち葉除け部材2は、開口部6を係止部22に係止することにより軒樋8に取付けられる。
【0016】
この実施の形態に係る落ち葉除け部材2によれば、落ち葉除け部材2の開口部6を吊具16の係止部22に係止することにより、容易に軒樋8に取付けることができ、取付け後には軒樋8の開口部が落ち葉除け部材2によって覆われるため、落ち葉除け部材2によって軒樋8への落ち葉やごみの侵入を防止することができる。従って、落ち葉やごみが軒樋8と接続された軒樋集水器30を介して竪樋へ流れ込むのを防止することができ、特に径の細い竪樋を用いて排水するサイホンの原理を利用したサイホン式高排水システムにおいて有効に高排水性を維持することができる。また、落ち葉除け部材2は、軒樋8の施工時に軒樋8に取付けることができ、更には軒樋8の施工後に軒樋8に取付けることもできる。
【0017】
また、落ち葉除け部材2は、落ち葉除け部材2の幅よりも軒樋8の幅の方が広い場合においても、幅方向に落ち葉除け部材2を伸張させることにより、容易に軒樋8の幅に落ち葉除け部材2の幅を合わせることができる。
【0018】
また、落ち葉除け部材2を形成する樹脂シート3は、軽量な部材であるため、施工時における作業員の負担を少なくすることができる。
【0019】
また、落ち葉除け部材2を形成する樹脂シート3は加工が容易なため、例えば、軒樋8の幅よりも落ち葉除け部材の幅2の方が広い場合、落ち葉除け部材2を刃物で長手方向に切断することにより、容易に軒樋8の幅に落ち葉除け部材2の幅を合わせることができる。
【0020】
なお、上述の実施の形態において、落ち葉除け部材2を結束バンドにより軒樋8または吊具16に固定するようにしてもよい。これにより、落ち葉除け部材2を係止する部材がない場合においても軒樋8に落ち葉除け部材2を取付けることができる。
【0021】
また、上述の実施の形態において、樹脂シート3はポリエチレンテレフタレートの超延伸シートに限られず、他の材質の樹脂シートであってもよい。
【符号の説明】
【0022】
2…落ち葉除け部材、4…切込み、6…開口部、8…軒樋、16…吊具、22…係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂シートにより構成される落ち葉除け部材であって、
幅方向に伸張させた場合に開口を形成する複数の切込みを有することを特徴とする落ち葉除け部材。
【請求項2】
前記切込みは、長手方向に互い違いに形成されていることを特徴とする請求項1記載の落ち葉除け部材。
【請求項3】
前記樹脂シートは、ポリエチレンテレフタレートの超延伸シートであることを特徴とする請求項1または2記載の落ち葉除け部材。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−76228(P2013−76228A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215382(P2011−215382)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)