落とし物回収装置
【課題】拾得者が、投函時において拾得者自身に関する情報を落とし物に対し付与できるようにする。
【解決手段】落とし物回収装置1は、落とし物を投入するための投入口2aを有し、落とし物を受け入れて収納する回収ボックス2と、この回収ボックス2に収納される落とし物に貼付するための落とし物用無線タグラベルTを発行するタグラベル作成機3とから構成されている。落とし物用無線タグラベルTには、落とし物の拾得者を特定可能な拾得者関連情報が記憶された落とし物用無線タグ回路素子Totが設けられている。タグラベル作成機3は筐体4を有し、この筐体4の前面には、落とし物を拾った拾得者の情報及び落とし物自体の情報を入力操作するためのタッチパネル6が設けられている。
【解決手段】落とし物回収装置1は、落とし物を投入するための投入口2aを有し、落とし物を受け入れて収納する回収ボックス2と、この回収ボックス2に収納される落とし物に貼付するための落とし物用無線タグラベルTを発行するタグラベル作成機3とから構成されている。落とし物用無線タグラベルTには、落とし物の拾得者を特定可能な拾得者関連情報が記憶された落とし物用無線タグ回路素子Totが設けられている。タグラベル作成機3は筐体4を有し、この筐体4の前面には、落とし物を拾った拾得者の情報及び落とし物自体の情報を入力操作するためのタッチパネル6が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、落とし物の拾得者が投入した落とし物を回収するための、落とし物回収装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。例えばラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において既に実用化が進められつつある。
【0003】
このようなRFIDシステムを、落とし物の拾得、回収に適用したものとして、例えば特許文献1記載のものがある。この従来技術においては、予め、物品に対して識別コードを備えたICカードを取り付けておく。この物品を拾得した拾得者がポストに物品を投函すると、その物品が回収・返送業者の私書箱によってポストから回収される。その後、回収・返送業者がICカードの識別コードを検索することで、落とし主(持ち主)の氏名・住所を取得し、落とし主に対しその物品を返送するようになっている。
【特許文献1】特開2002−366644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術においては、落とし物が拾得者によって投函され、回収されることで、確実に持ち主に返却されるようになっている。しかしながら、拾得者は、自分が誰であるかという情報を、拾得した落とし物に対して付与することができなかった。このため、回収後に落とし主が拾得者に対してお礼をしたいと思っても不可能であった。また、拾得者の立場からは、せっかく拾得して投函したとしても、上記のようにその行為に対する報償が何もなく、また、落とし主が見つからなかった場合の所有権についても取得できなかった。
【0005】
本発明の目的は、拾得者が、投函時において拾得者自身に関する情報を落とし物に対し付与することができる、落とし物回収装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1の発明は、落とし物の拾得者が投入した前記落とし物を回収するための落とし物回収装置であって、前記拾得者を特定可能な拾得者関連情報を入力する入力手段と、前記入力手段で入力された前記拾得者関連情報を記憶したIC回路部と情報の送受信を行うタグアンテナとを備えた無線タグ回路素子が設けられたタグ媒体を用いて、落とし物用無線タグの発行処理を行う発行処理手段と、前記発行処理手段が発行した前記落とし物用無線タグが貼付された前記落とし物を受け入れて収納する収納箱と、を有することを特徴とする。
【0007】
本願第1発明においては、落とし物を拾得した拾得者がその落とし物を収納箱に投入することにより、落とし物が収納箱内に収納される。収納された落とし物は、その後回収者によって回収され、落とし主への返還手続きがとられることとなる。
【0008】
このとき、本願第1発明の落とし物回収装置においては、落とし物用無線タグを発行処理する発行処理手段が設けられている。拾得者を特定可能な拾得者関連情報が入力手段で入力されると、発行処理手段は、その拾得者関連情報をIC回路部に記憶させた無線タグ回路素子を設けたタグ媒体を用いて、落とし物用無線タグを発行する。これにより、拾得者は、その発行された落とし物用無線タグを落とし物に貼りつけた上で、収納箱に投入することができる。落とし物用無線タグには、上記のようにして拾得者関連情報が記憶されているので、回収者が、拾得者が誰であるかという情報を容易に取得することができる。
【0009】
第2発明は、上記第1発明において、拾得者が操作するための第1操作手段を有し、前記入力手段は、前記第1操作手段での前記拾得者の操作に応じた前記拾得者関連情報を入力することを特徴とする。
【0010】
第1操作手段の操作に基づき入力手段が拾得者関連情報を入力することにより、拾得者の意志を反映した確実な拾得者関連情報をIC回路部に書き込み、落とし物用無線タグを発行することができる。このとき、拾得者は警察署まで出向かずに容易に拾得者関連情報を記録できるので、拾得者にとっての時間や労力の負担が少なくなる。この結果、落とし物の回収率を向上できる効果もある。また、拾得者関連情報として、拾得者の氏名等の個人情報ではなく、免許証、クレジットカードやその他の識別コードのみを操作入力し、これをIC回路部に記録する場合には、個人情報の漏洩の危険性を回避できる効果もある。
【0011】
第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記拾得者の所持する拾得者用無線タグと無線通信により情報送受信を行うための第1装置アンテナ手段と、前記第1装置アンテナ手段を介した無線通信により、前記拾得者用無線タグから、前記拾得者に係わる情報を取得する第1情報取得手段とを有し、前記入力手段は、前記第1情報取得手段での情報取得結果に応じた前記拾得者関連情報を入力することを特徴とする。
【0012】
本願第3発明においては、拾得者用無線タグからの無線通信を介した読み取りによって入力手段が拾得者関連情報を入力する。これにより、拾得者が操作して入力する等を行わなくても、拾得者関連情報をIC回路部に書き込み、落とし物用無線タグを発行することができる。上記同様、拾得者が警察署まで出向く必要がなくなり、また操作入力がない分、さらに容易に拾得者関連情報を記録でき、拾得者にとっての時間や労力の負担がさらに少なくなる。この結果、落とし物の回収率を確実に向上することができる。また、第1情報取得手段で、免許証、クレジットカードやその他の識別コードを取得し、拾得者関連情報として、(それらに基づき取得した拾得者の氏名等の個人情報ではなく)それらをIC回路部に記録する場合には、個人情報の漏洩の危険性を回避できる効果もある。
【0013】
第4発明は、上記第1乃至第3発明のいずれかにおいて、前記発行処理手段は、前記タグ媒体を搬送する搬送手段と、前記タグ媒体に備えられた前記無線タグ回路素子に対し、情報送受信可能な第2装置アンテナ手段と、前記入力手段で入力した前記拾得者関連情報を、前記第2装置アンテナ手段を介し、前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に書き込む情報書き込み手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
搬送手段で搬送されるタグ媒体に設けられた無線タグ回路素子に対し、情報書き込み手段で拾得者関連情報を書き込み記憶させることで、拾得者が誰であるかを記録した無線タグを確実に発行することができる。
【0015】
第5発明は、上記第4発明において、前記発行処理手段は、前記タグ媒体又はこれに貼り合わされる被印字媒体に対し、前記拾得者関連情報に対応する印字を行う印字手段と、前記印字手段の印字が終了後に前記タグ媒体を所定の長さに切断する切断手段とを備え、前記落とし物用無線タグとして、前記落とし物に貼りつけ可能な無線タグラベルを生成することを特徴とする。
【0016】
これにより、印字によって拾得者関連情報の少なくとも一部を明確にした無線タグを、タグ媒体を所定長さに切断した無線タグラベルの態様で発行することができる。粘着剤を備えたラベル形式とすることで、落とし物に対し容易に貼りつけることができる。
【0017】
第6発明は、上記第4又は第5発明において、前記落とし物の落とし主に対し前記拾得者関連情報の報知・不報知を選択入力可能な第2操作手段を有し、前記情報書き込み手段は、前記第1操作手段又は前記第2操作手段の選択入力結果に応じ、対応する前記拾得者関連情報の報知・不報知情報を、前記第2装置アンテナ手段を介し、前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に書き込むことを特徴とする。
【0018】
これにより、落とし主からのお礼が不要な場合等、拾得者が自らを特定できる情報を(回収者には知らせてよいが)落とし主には知られたくない場合に、その旨を第1操作手段又は第2操作手段から選択して入力することができる。この結果、拾得者の個人情報の保護を図ることができ、さらに利便性を向上することができる。
【0019】
第7発明は、上記第4乃至第6発明のいずれかにおいて、前記情報書き込み手段は、前記落とし物の種類や名称、落とし物を拾得した場所、及び拾得日時のうち少なくとも1つを含む落とし物関連情報を、前記第2装置アンテナ手段を介し前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に書き込むことを特徴とする。
【0020】
これにより、回収者が落とし物を回収した後、IC回路部に書き込まれた落とし物関連情報等を読み出すことで、落とし主をより特定しやすくすることができる。また、落とし物の分類分けや整理、収納等における作業効率を向上することができる。また、第1操作手段が備えられている場合には、それらのうちパターン化しやすい情報(落とし物の種類)は、第1操作手段によりリストから選択して操作入力できるようにすれば、拾得者の負担を低減することもできる。
【0021】
第8発明は、上記第4乃至第7発明のいずれかにおいて、前記収納箱に収納された前記落とし物に添付された前記落とし物用無線タグの前記無線タグ回路素子に対し、情報送受信可能な第3装置アンテナ手段と、前記第3装置アンテナ手段を介した無線通信により、前記情報書き込み手段で前記無線タグ回路素子に書き込まれた前記拾得者関連情報を取得する第2情報取得手段とを有することを特徴とする。
【0022】
これにより、無線タグが貼りつけられた落とし物が確かに収納箱に投入されたことを、検知することができる。また、拾得者関連情報の取得時に、無線タグ回路素子に対して投入時間や回収装置の識別情報等の投入関連情報を無線タグ回路素子に書き込むようにした場合(リード/ライト機能)、無線タグを発行した装置とは別の回収装置に落とし物が投入されるのを防止できる効果もある。
【0023】
第9発明は、上記第8発明において、前記第3装置アンテナ手段を介し前記第2情報取得手段で前記拾得者関連情報が取得されたら、対応する報知信号を出力する第1信号出力手段を有することを特徴とする。
【0024】
これにより、落とし物の収納箱への投入後、短時間で迅速に回収することができる。また、落とし物が回収される前であっても、落とし主が警察等に問い合わせに来た場合、拾得者により収納箱へ投入された可能性があるかどうかを迅速に調べることができる。
【0025】
第10発明は、上記第8又は第9発明において、前記第3装置アンテナ手段を介し前記第2情報取得手段で前記拾得者関連情報が取得されたら、その取得した前記拾得者関連情報をデータベースに登録するための信号を出力する第2信号出力手段を有することを特徴とする。
【0026】
これにより、落とし主は、データベースを検索するだけで、自らの落とし物が拾得され回収されているかどうかを確実に調べることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、拾得者が、投函時において拾得者自身に関する情報を落とし物に対し付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0029】
図1は、本実施形態の落とし物回収装置の外観を表す斜視図である。落とし物回収装置1は、落とし物を回収するための装置であり、例えば街中の複数箇所に設置されている。
【0030】
図1において、落とし物回収装置1は、落とし物を投入するための投入口2aを備え落とし物(後述の図14も参照)を受け入れて収納する回収ボックス(収納箱)2と、この回収ボックス2に収納される落とし物に貼付するための落とし物用無線タグ(この例では、後述のように粘着剤により貼り付け可能な落とし物用無線タグラベル)Tを発行するタグラベル作成機3とから構成されている。
【0031】
タグラベル作成機3は筐体4を有し、この筐体4の前面(上記投入口2aと同じ側の面)には、各種の指示や情報を表示したり、各種の情報を入力操作するためのタッチパネル6と、発行された落とし物用無線タグラベルTを排出するための排出口7とが設けられている。
【0032】
このような落とし物回収装置1においては、落とし物を拾得した拾得者が、タグラベル作成機3により発行された落とし物用無線タグラベルTを落とし物に貼り付けた上で、当該落とし物を回収ボックス2の投入口2aから投入する。その後、回収ボックス2内に収納された落とし物が回収業者によって回収されることとなる。落とし物用無線タグラベルTには、落とし物の拾得者を特定可能な拾得者関連情報(詳細は後述)が記憶される落とし物用無線タグ回路素子Tot(後述の図2参照)が設けられている。
【0033】
図2は、上記タグラベル作成機3の詳細構造を表す概念的構成図である。図2において、タグラベル作成機3には、凹所としてのカートリッジホルダ部(図示せず)が設けられ、このホルダ部にカートリッジ100が着脱可能に取り付けられている。
【0034】
また、タグラベル作成機3は、基材テープ101(タグ媒体)に所定の印字(印刷)を行う印字手段としての印字ヘッド(この例ではサーマルヘッド)10と、基材テープ101をカートリッジ100から繰り出すためのテープ送りローラ駆動軸12(搬送手段)と、基材テープ101に備えられる落とし物用無線タグ回路素子Tot(詳細は後述)との間で、UHF帯、マイクロ波帯等適宜の周波数帯域の電波を用いて無線通信により信号の送受を行うラベル用アンテナ14(第2装置アンテナ手段)と、上記基材テープ101を所定のタイミングで所定の長さに切断しカード状の落とし物用無線タグラベルTを生成するカッタ15(切断手段)と、落とし物用無線タグ回路素子Totをラベル用アンテナ14に対向する所定のアクセスエリアAtに設定保持するとともに、切断後の落とし物用無線タグラベルTを案内するための一対の搬送ガイド13と、その案内された落とし物用無線タグラベルTを上記排出口7へと搬送し送出する送出ローラ17と、排出口7において落とし物用無線タグラベルTの有無を検出する排出センサ18とを有している。筐体4には、排出口7から排出された落とし物用無線タグラベルTを受ける受け皿8が取り付けられている。
【0035】
また、タグラベル作成機3は、上記ラベル用アンテナ14を介し落とし物用無線タグ回路素子Totへアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための高周波回路21と、落とし物用無線タグ回路素子Totから読み出された信号を処理するための信号処理回路22と、テープ送りローラ駆動軸12を駆動するカートリッジ用モータ23と、このカートリッジ用モータ23の駆動を制御するカートリッジ駆動回路24と、上記印字ヘッド10への通電を制御する印刷駆動回路25と、上記カッタ15を駆動して切断動作を行わせるソレノイド26と、このソレノイド26を制御するソレノイド駆動回路27と、上記送出ローラ17を駆動する送出ローラ用モータ28と、この送出ローラ用モータ28を制御する送出ローラ駆動回路29と、上記タッチパネル6、高周波回路21、信号処理回路22、カートリッジ駆動回路24、印刷駆動回路25、ソレノイド駆動回路27、送出ローラ駆動回路29等を介し、タグラベル作成機3全体の動作を制御する制御回路30とを有している。
【0036】
制御回路30は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。
【0037】
また、カートリッジ100の内部には、この例では帯状の上記基材テープ101が巻回された基材ロール102と、この基材ロール102から繰り出された基材テープ101をガイドするガイドローラ103と、上記基材テープ101を押圧しカートリッジ100の外部へテープ送りをするテープ送りローラ104とが配置されている。
【0038】
基材ロール102は、感熱テープの長手方向に複数の上記落とし物用無線タグ回路素子Totが所定の等間隔で順次配設された上記基材テープ101を巻回している。基材テープ101は、この例では、基材層101aと、粘着剤層101b(図示省略)と、剥離材層101cとを含んでいる(詳細は後述)。テープ送りローラ104は、カートリッジ100外に設けた例えばパルスモータである上記カートリッジ用モータ23の駆動力が上記テープ送りローラ駆動軸12に伝達されることによって回転駆動される。
【0039】
上記構成において、カートリッジ100が上記タグラベル作成機3のカートリッジホルダ部に装着されロールホルダ(図示せず)が離反位置から当接位置に移動されると、基材テープ101が印字ヘッド10とプラテンローラ105との間に狭持されるとともに、基材テープ101がテープ送りローラ104とサブローラ106との間に狭持される。そして、カートリッジ用モータ23の駆動力によってテープ送りローラ104が回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸12と上記サブローラ106及びプラテンローラ105はギヤ(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸12の駆動に伴いテープ送りローラ104、サブローラ106、及びプラテンローラ105が回転し、基材ロール102から基材テープ101が繰り出され、上述のようにテープ送りローラ104へ供給される。一方、上記印刷駆動回路25により印字ヘッド10の複数の発熱素子が通電される。この結果、基材テープ101の表面に印字R(後述の図9参照)が印刷される。そして、印刷が終了した基材テープ101が上記テープ送りローラ104及びサブローラ106によりカートリッジ100外へと搬出される。
【0040】
ラベル用アンテナ14は、この例ではダイポールアンテナで構成されており、対向する上記搬送ガイド13全体を収容するアクセスエリアAtの範囲に対し、無線通信可能となっている。
【0041】
図3は、上記高周波回路21の詳細機能及びその周辺の構成を表す機能ブロック図である。図3において、高周波回路21は、ラベル用アンテナ14を介し上記落とし物用無線タグ回路素子Totに対して信号を送信する送信部32と、ラベル用アンテナ14により受信された落とし物用無線タグ回路素子Totからの応答波を入力する受信部33と、送受分離器34とから構成される。
【0042】
送信部32は、落とし物用無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報にアクセスするための質問波を生成するブロックである。すなわち、送信部32は、質問波の搬送波の基準信号を発生する水晶振動子35と、この水晶振動子35により発生した基準信号を元に、所定周波数の搬送波を制御回路30の制御により発生させるPLL(Phase Locked Loop)36、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)37と、上記制御回路30から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では信号処理回路22からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路38(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路38により変調された変調波を増幅(この例では制御回路30からの「TX_PWR」信号によって増幅率が決定される増幅)する増幅率可変送信アンプ39とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯(又はマイクロ波帯、あるいは短波帯でもよい)の周波数を用いており、上記可変送信アンプ39の出力は、送受分離器34を介しラベル用アンテナ14に伝達されて落とし物用無線タグ回路素子TotのIC回路部151に供給される。なお、質問波は上記のように変調した信号(変調波)に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
【0043】
受信部33は、ラベル用アンテナ14で受信された落とし物用無線タグ回路素子Totからの応答波と上記発生させられた搬送波とを乗算して復調するI相受信乗算回路40と、そのI相受信乗算回路40の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのI相バンドパスフィルタ41と、このI相バンドパスフィルタ41の出力を増幅するI相受信アンプ43と、このI相受信アンプ43の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するI相リミッタ42と、ラベル用アンテナ14で受信された落とし物用無線タグ回路素子Totからの応答波と上記発生された後に移相器49により位相を90°遅らせた搬送波とを乗算するQ相受信乗算回路44と、そのQ相受信乗算回路44の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのQ相バンドパスフィルタ45と、このQ相バンドパスフィルタ45の出力を増幅するQ相受信アンプ47と、このQ相受信アンプ47の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するQ相リミッタ46とを備えている。そして、上記I相リミッタ42から出力される信号「RXS−I」及びQ相リミッタ46から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路22に入力されて処理される。
【0044】
また、I相受信アンプ43及びQ相受信アンプ47の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路48にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路22に入力されるようになっている。このようにして、高周波回路21では、I−Q直交復調によって落とし物用無線タグ回路素子Totからの応答波の復調が行われる。
【0045】
図4は、上記落とし物用無線タグ回路素子Totの機能的構成の一例を表すブロック図である。図4において、落とし物用無線タグ回路素子Totは、上述したようにタグラベル作成機3のラベル用アンテナ14と無線通信若しくは電磁誘導により非接触で信号の送受信を行うタグアンテナ152と、このタグアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
【0046】
IC回路部151は、タグアンテナ152により受信された質問波(質問信号)を整流する整流部153と、この整流部153により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部154と、上記タグアンテナ152により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部157と、上記タグアンテナ152に接続された変復調部158と、上記メモリ部157、クロック抽出部156及び変復調部158等を介して落とし物用無線タグ回路素子Totの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
【0047】
変復調部158は、タグアンテナ152により受信された上記ラベル用アンテナ14からの通信信号の復調を行い、また、上記制御部155からの返信信号を変調し、タグアンテナ152より応答波(タグIDを含む信号)として送信する。
【0048】
クロック抽出部156は、受信した信号からクロック成分を抽出して制御部155にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の周波数に対応したクロックを制御部155に供給する。
【0049】
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を変復調部158によりタグアンテナ152から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0050】
本実施形態では、拾得者が誰であるかを記録として残すために、拾得者がタッチパネルを操作して、例えば拾得者の氏名、電話番号、住所等、拾得者を特定可能な拾得者関連情報の入力操作を行う。図5〜図8は、タグラベル作成機3の上記タッチパネル6の画面における拾得者関連情報の入力操作の流れの一例を表す図である。
【0051】
図5(a)は、タッチパネル6の初期画面(待機画面)60を表している。この初期画面60における「拾得物情報入力」ボタン60aがタッチされると、図5(b)に示すように、タッチパネル6の画面が落とし物の拾得者に関する情報(氏名、電話番号、住所)の入力操作画面61に切り換わる。この拾得者情報入力操作画面61において、文字キー(英字及び数字を含む)61aをタッチし、必要に応じて「変換」ボタン61bをタッチして文字変換を行うことにより、拾得者の氏名欄61c、電話番号欄61d、住所欄61eを順次手入力で記載することができる。なお、文字、英字及び数字の切り替えは、「あ/ア/A変換」ボタン61fのタッチにより行うことができる。上記文字キー61やボタン61b,61f等が、各請求項記載の第1操作手段として機能する。
【0052】
拾得者情報入力操作画面61において、「戻る」ボタン61gがタッチされると、図5(a)に示す初期画面60に戻り、「進む」ボタン61hがタッチされると、図6に示すように、落とし物に関する落とし物関連情報(落とし物の種類または名称、落とし物を拾った場所、落とし物を拾った日時)の入力操作画面62に切り換わる。この落とし物情報入力操作画面62において、「拾った物」欄62aの右端部の逆三角部分62bがタッチされると、図7(a)に示すように、物品種類リスト62cが表示される。この物品種類リスト62cから拾った物に該当する物品を選択して当該部品にタッチすることで、図6に示す「拾った物」欄62aに落とし物に該当する物品の種類が入力されることになる。このように物品種類リスト62cから選択して操作入力するようにすることで、拾得者の負担を軽減することができる。
【0053】
また、「拾った場所」欄62dがタッチされると、図7(b)に示すように、現在地を含む地図63aを含む地図画面63が表示される。この地図画面63の地図63a上において、実際に落とし物を拾った場所(図7(b)に示す例では駅前)63bをタッチすることで、落とし物を拾った場所の情報が入力されることとなる。なお、地図の縮尺の変更は、画面左端部の「縮尺」ボタン63cの矢印範囲内のタッチにより行うことができる。
【0054】
図7(b)に示す地図画面63において、「戻る」ボタン63dがタッチされると、図6に示す落とし物情報入力操作画面62に戻る。この落とし物情報入力操作画面62において、「拾った時間」欄62eの右端部の逆三角部分62fがタッチされると、図示は省略するが、時間帯リストが表示される。この時間帯リストから落とし物を拾った時刻を選択して当該時刻をタッチすることで、図6に示す「拾った時間」欄62eに落とし物を拾った時刻が入力されることになる。
【0055】
図6に示す落とし物情報入力操作画面62において、「戻る」ボタン62gがタッチされると、図5(b)に示す拾得者情報入力操作画面61に戻り、「進む」ボタン62hがタッチされると、図8に示すように、タグラベル発行画面64が表示される。このタグラベル発行画面64においては、拾得者の情報を拾得物の落とし主に連絡するか否かを選択入力することができる。通常は、「あなたの情報を落とし主に連絡することを承諾します」欄64aにチェックがされており(=初期設定状態)、拾得者の情報を拾得物の落とし主に連絡することを希望しない場合には、当該欄64aにタッチしてチェックを外すようにする(第2操作手段としての機能)。
【0056】
「タグラベル発行」ボタン64bがタッチされると、上記タグラベル作成機3により落とし物用無線タグラベルTの発行が開始される。「発行せず終了」ボタン64cがタッチされると、落とし物用無線タグラベルTが発行されることなく、図5(a)に示す初期画面60に戻る。「戻る」ボタン64dがタッチされると、図6に示す落とし物情報入力操作画面62に戻る。
【0057】
なお、図6〜図8に示す入力操作画面62,63,64が表示されてから所定時間が経過しても、何もタッチされないときは、例えば自動的に図5(a)に示す初期画面60に戻るようにしても良い。
【0058】
図9は、上記タグラベル作成機3によって発行された落とし物用無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図9(a)は上面図、図9(b)は下面図である。
【0059】
落とし物用無線タグラベルTは、前述したように基材テープ101より作成され、基材層101aと、粘着剤層101b(図示省略)と、剥離材層101cとを含んでいる。そして、基材層101aには、当該無線タグラベルTの発行日時R1及び発行場所R2を含む印字Rが形成されている。落とし物用無線タグラベルTには、情報を記憶するIC回路部151及び情報を送受信するタグアンテナ151を含む上記落とし物用無線タグ回路素子Totが設けられている。さらに、落とし物用無線タグラベルTの基材層101aには、特に図示はしないが、取得者を特定可能な拾得者関連情報(拾得者の氏名、電話番号、住所等)の情報が印字される。なお、印字は、基材層101aの表面ではなく、基材層101aの裏面側に鏡像印字するようにしてもよい。そして、落とし物用無線タグラベルTの下面には、落とし物に貼り付けるための上記粘着剤層101bを覆う剥離材層101cが設けられており、貼り付け時には剥離材層101cを引き剥がすことで粘着剤層101bを露出させ、落とし物に対して貼り付ける。
【0060】
図10は、上述した落とし物用無線タグラベルTの発行を行う際に、上記制御回路30によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0061】
図10において、落とし物回収装置1に電源が投入されると、このフローが開始される(「START」位置)。まずステップS5において、図5(a)に示すタッチパネル6の初期画面(待機画面)60における「拾得物情報入力」ボタン60aがタッチされることで、落とし物用無線タグラベルTの発行処理開始の入力操作があったかどうかを判定する。
【0062】
落とし物用無線タグラベルTの発行処理開始の入力操作があったと判定されたときは、ステップS10へ移り、上記の拾得者関連情報(拾得者の氏名、電話番号、住所の情報)及び落とし物関連情報(落とし物の種類または名称、落とし物を拾得した場所、落とし物を拾得した日時の情報)の入力操作があったかどうかを判定する。具体的には、図5(b)に示す拾得者情報入力操作画面61において前述のようにして拾得者関連情報が入力され、図6に示す落とし物情報入力操作画面62において前述のようにして落とし物関連情報が入力されたかどうかを判定する。
【0063】
拾得者関連情報及び落とし物関連情報の入力操作があったと判定されたときは、ステップS15へ移り、図8に示すタグラベル発行画面64における「タグラベル発行」ボタン64bがタッチされることで、落とし物用無線タグラベルTの発行が指示されたかどうかを判定する。
【0064】
落とし物用無線タグラベルTの発行が指示されたと判定されたときは、ステップS20へ移り、拾得者関連情報及び落とし物関連情報を制御回路30の記憶媒体(RAM等;図示省略)に記憶する。
【0065】
次にステップS25へ移り、カートリッジ駆動回路24を制御してカートリッジ用モータ23を介しローラ駆動軸12を駆動することにより基材テープ101を搬送しつつ、印刷駆動回路25を制御して印字ヘッド10により基材テープ101に拾得者関連情報等を印字する。
【0066】
次にステップS30へ移り、ラベル用アンテナ14を介してアクセスエリアAt内に保持された落とし物用無線タグ回路素子Totに対しタグID、拾得者関連情報及び落とし物関連情報を含む書き込み信号を信号処理回路22及び高周波回路21を介して送信し、落とし物用無線タグ回路素子TotのIC回路部151に書き込ませる。
【0067】
続いて、次のステップS35において、カートリッジ駆動回路24を制御してカートリッジ用モータ23を介しローラ駆動軸12を駆動停止させることで基材テープ101の搬送を停止し、その状態でソレノイド駆動回路27を制御してソレノイド26を介しカッタ15を駆動し、基材テープ101を切断することにより、上記の落とし物用無線タグラベルT(図9参照)を形成する。
【0068】
そして、次のステップS40において、送出ローラ駆動回路29を制御して送出ローラ用モータ28を介し送出ローラ17を駆動することで、排出口7から落とし物用無線タグラベルTを外部へ排出し、本フローを終了する。
【0069】
以上において、ステップS10は、拾得者を特定可能な拾得者関連情報を入力する入力手段として機能する。ステップS30は、入力手段で入力した拾得者関連情報を、ラベル用アンテナ14を介し、落とし物用無線タグ回路素子TotのIC回路部151に書き込む情報書き込み手段として機能する。また、これと、上記ラベル用アンテナ14、テープ送りローラ駆動軸12、印字ヘッド10、及びカッタ15が、各請求項記載の発行処理手段として機能する。
【0070】
上記のようにタグラベル作成機3により落とし物用無線タグラベルTが作成された後、落とし物を拾得した拾得者は、その落とし物用無線タグラベルTを落とし物に貼り付ける。そして、拾得者は、落とし物用無線タグラベルTが貼付された落とし物を回収ボックス2の投入口2aから投入する。その後、回収ボックス2内に収納された落とし物は、回収業者によって回収される。そして、その回収された落とし物は警察(あるいは適宜の配送業者等でもよい)に送られ、落とし主への返還手続きがとられる。
【0071】
以上のように構成した本実施形態においては、タッチパネル6により拾得者の意志を反映した拾得者関連情報が入力されると、タグラベル作成機3は、その拾得者関連情報を落とし物用無線タグ回路素子TotのIC回路部151に書き込み記憶させるとともに、落とし物用無線タグ回路素子Totを設けた基材テープ101に拾得者関連情報を印字し、落とし物用無線タグラベルTを発行する。従って、その落とし物用無線タグラベルTが貼付された状態で回収ボックス2内に収納された落とし物が回収業者によって回収されたときに、回収業者は、落とし物用無線タグ回路素子Totに記憶された拾得者関連情報から、落とし物の拾得者が誰であるかという情報を容易に取得することができる。
【0072】
このとき、拾得者はわざわざ警察署まで出向かずに容易に拾得者関連情報を記録できるので、拾得者にとっての時間や労力の負担が少なくなる。この結果、落とし物の回収率を向上することができる。
【0073】
また、拾得者関連情報だけでなく、落とし物の種類や名称、落とし物の拾得場所、拾得日時等の落とし物関連情報を落とし物用無線タグ回路素子TotのIC回路部151に書き込み記憶させるので、回収業者が落とし物を回収した後、落とし物用無線タグ回路素子Totに書き込まれた落とし物関連情報を読み出すことで、落とし主をより特定しやすくすることができる。また、落とし物の分類分けや整理、収納等における作業効率を向上することができる。
【0074】
また、タッチパネル6により落とし物の落とし主に対する拾得者関連情報の報知・不報知を選択入力可能であるので、例えば落とし主からのお礼が不要な場合や、拾得者が自らを特定できる情報を回収者には知らせてよいが、落とし主には知られたくない場合に、その旨を選択して入力することができる。この結果、拾得者の個人情報の保護を図ることができ、利便性を向上することができる。
【0075】
なお、本発明は、上記一実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0076】
(1)拾得者用無線タグを用いて拾得者関連情報を入力する場合
上記実施形態では、タッチパネル6により拾得者関連情報を手操作入力したが、本発明はこれに限られず、拾得者の所持する拾得者用無線タグを用いて拾得者関連情報を入力してもよい。
【0077】
図11は、本変形例の落とし物回収装置の外観を表す斜視図であり、上記図1に対応する図である。なお、上記実施形態における落とし物回収装置1の構成と同等の部分については同じ符号を付して適宜説明を省略する。
【0078】
図11において、タグラベル作成機3の筐体4の前面には、カード用アンテナ5(第1装置アンテナ手段。なお上記ラベル用アンテナ14と共通に構成してもよい)がタッチパネル6に隣接して設けられている。カード用アンテナ5は、落とし物の拾得者が所有するIDカードや携帯添付タグ(以下、拾得者用無線タグカードという)に備えられた拾得者用無線タグ回路素子Tocに対し非接触での無線通信が可能である。カード用アンテナ5は、拾得者用無線タグ回路素子Tocとの間でUHF帯、マイクロ波帯あるいは短波帯等適宜の周波数帯域の電波を用いて無線通信により信号の送受を行う。
【0079】
図12は、タグラベル作成機3の詳細構造を表す概念的構成図であり、上記図2に対応する図である。図12において、タグラベル作成機3は、図2に示す上記構成に加え、上記カード用アンテナ5と、上記高周波回路21を上記ラベル用アンテナ14またはカード用アンテナ5のいずれか一方に接続するよう配線を切り換えるアンテナ切り換えスイッチ20と、上記制御回路30と接続された入出力インターフェース31とを備えている。
【0080】
カード用アンテナ5は、この例では平面アンテナで構成されており、タグラベル作成機3の筐体4の前方側に向けた所定の空間のアクセスエリアAcの範囲に対して無線通信できるようになっている。
【0081】
入出力インターフェース31は、外部(例えば回収業者や警察署)のサーバ200に設けられた個人情報データベース210と何らかの通信回線を介して情報信号を授受可能に接続されている。個人情報データベース210は、例えばハードディスク装置などの大容量記憶装置で構成されている。個人情報データベース210には、拾得者用無線タグカードC(拾得者用無線タグ)の所持者の個人情報(名前、住所、電話番号等)が対応するタグIDと関連付けて記憶されている。
【0082】
図13は、本変形例において落とし物用無線タグラベルTの発行を行う際に、制御回路30によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、上記図10に対応する図である。
【0083】
図13において、落とし物回収装置1に電源が投入されると、このフローが開始される(「START」位置)。まずステップS105において、タッチパネル6に制御信号を出力してスキャン用の待機状態を表すスキャン待機画面(特に図示しないが、例えば「アンテナにカードを近づけて下さい」の文字表示等)を表示させる。次にステップS110へ移り、切り換えスイッチ20に制御信号を出力して高周波回路21をカード用アンテナ5に接続するよう切り換える。
【0084】
次にステップS115へ移り、カード用アンテナ5を介してタグラベル作成機3の外部の上記アクセスエリアAc内に拾得者用無線タグカードCの拾得者用無線タグ回路素子Tocが検出されたか否かを判定する。拾得者用無線タグ回路素子Tocの検出方法についてはここで特に詳しく説明しないが、公知の手法により拾得者用無線タグ回路素子Tocに対して応答を要求する応答要求信号(質問信号)をカード用アンテナ5から送信し続け、それに対して拾得者用無線タグ回路素子Tocが発信する応答信号をカード用アンテナ5で受信したときに、拾得者用無線タグ回路素子Tocが検出されたと判定する。
【0085】
次にステップS120へ移り、上記ステップS115で受信した応答信号より、拾得者用無線タグ回路素子Tocから拾得者に係る情報(カードID番号、携帯番号等)を取得する。
【0086】
次にステップS125へ移り、上記ステップS120で取得した拾得者に係る情報をキーに、入出力インターフェース31を介して外部のサーバ200にアクセスし、拾得者に係る情報に関連付けられた拾得者関連情報(拾得者の氏名、電話番号、住所の情報)をサーバ200の個人情報データベース210から入出力インターフェース31を介して取得する。そしてステップS130へ移り、その拾得者関連情報を制御回路30の記憶媒体(RAM等)に記憶する。
【0087】
次にステップS135へ移り、切り換えスイッチ20に制御信号を出力して高周波回路21をラベル用アンテナ14に接続するよう切り換える。そしてステップS140へ移り、タッチパネル6に制御信号を出力して上記の落とし物情報入力操作画面62(図6参照)を表示させる。
【0088】
次にステップS145へ移り、図6に示す落とし物情報入力操作画面62において上記の落とし物関連情報の入力操作があったかどうかを判定する。落とし物関連情報の入力操作があったと判定されたときは、ステップS150へ移り、図8に示すタグラベル発行画面64における「タグラベル発行」ボタン64bがタッチされることで、落とし物用無線タグラベルTの発行が指示されたかどうかを判定する。
【0089】
落とし物用無線タグラベルTの発行が指示されたと判定されたときは、ステップS155へ移り、落とし物関連情報を制御回路30の記憶媒体に記憶する。以降の手順については、図10と同様であり、説明を省略する。
【0090】
以上において、ステップS115及びステップS120が、カード用アンテナ5を介した無線通信により、拾得者用無線タグカードCから、拾得者に係わる情報を取得する第1情報取得手段として機能する。ステップS125が、拾得者を特定可能な拾得者関連情報を入力する入力手段として機能する。
【0091】
以上のような落とし物回収装置1において、落とし物を拾得した拾得者は、自身が所有する拾得者用無線タグカードCをタグラベル作成機3のカード用アンテナ5に接触または近接させる。すると、拾得者用無線タグカードCの拾得者用無線タグ回路素子Tocに記憶された拾得者に係わる情報が読み取られ、その情報を基にして個人情報データベース210から拾得者関連情報が取得される。そして、その拾得者関連情報と落とし物関連情報とが書き込まれた落とし物用無線タグ回路素子Totを有する落とし物用無線タグラベルTが発行される。
【0092】
以上のように構成した本変形例においては、拾得者用無線タグカードCをカード用アンテナ5にスキャンさせて拾得者関連情報を取得するようにしたので、落とし物の拾得者がタッチパネル6を手入力しなくても、拾得者関連情報を落とし物用無線タグ回路素子Totに書き込み、落とし物用無線タグラベルTを発行することができる。従って、拾得者関連情報の操作入力がない分、さらに容易に拾得者関連情報を落とし物用無線タグ回路素子Totに記録でき、拾得者にとっての時間や労力の負担がさらに少なくなる。この結果、落とし物の回収率を確実に向上することができる。
【0093】
なお、本変形例では、拾得者用無線タグカードCをカード用アンテナ5にスキャンさせ、その時に取得された拾得者に係る情報を基にして個人情報データベース210から拾得者関連情報を入力するようにしたが、拾得者用無線タグカードCをカード用アンテナ5にスキャンさせて拾得者関連情報を直接入力するようにしても良い。また、これらを含む本変形例において、タッチパネル6の前述のタグラベル発行画面64において、「あなたの情報を落とし主に連絡することを承諾します」欄64aのチェックの有無により、拾得者の情報を拾得物の落とし主に連絡するか否かを選択入力できるようにしてもよい。
【0094】
(2)落とし物が回収ボックス内に投入されたか否かを検知する場合
上記実施形態及び(1)の変形例では、落とし物が回収ボックス2内に投入されたか否かを検知していないが、本発明はこれに限られず、落とし物が回収ボックス2内に投入されたか否かを(例えば周期的に)検知するようにしてもよい。
【0095】
図14は、本変形例の落とし物回収装置1の詳細構造を表す概念的構成図であり、上記図12に対応する図である。なお、上記実施形態及び上記(1)の変形例における落とし物回収装置の構成と同等の部分については同じ符号を付して適宜説明を省略する。
【0096】
図14において、落とし物回収装置1の回収ボックス2の内壁面には、回収ボックス2内に投入された落とし物Bに添付された落とし物用無線タグラベルTの落とし物用無線タグ回路素子Totに対し情報送受信可能な収納検知用アンテナ9(第3装置アンテナ手段。なお、ラベル用アンテナ14やカード用アンテナ5と共通に構成してもよい)が取り付けられている。収納検知用アンテナ9は、この例ではラベル用アンテナ14と同様にダイポールアンテナで構成され、タグラベル作成機3の上記切り換えスイッチ20と接続されている。切り換えスイッチ20は、上記高周波回路21を上記ラベル用アンテナ14、カード用アンテナ5及び収納検知用アンテナ9のいずれか一つに接続するよう配線を切り換えるスイッチである。切り換えスイッチ20は、上記高周波回路21を周期的(例えば1時間毎)に収納検知用アンテナ9に接続するように配線を切り換える。
【0097】
また、タグラベル作成機3の上記入出力インターフェース31は、外部(例えば回収業者や警察署)のサーバ200に設けられた上記個人情報データベース210及び落とし物情報データベース220と何らかの通信回線を介して情報信号を授受可能に接続されている。落とし物情報データベース220には、上記の落とし物関連情報が落とし物の拾得者の拾得者関連情報と共に記憶される。なお、落とし物情報データベース220も、個人情報データベース210と同様に大容量記憶装置で構成されている。
【0098】
図15は、タグラベル作成機3の上記制御回路30の機能を表すブロック図である。図15において、制御回路30は、落とし物用無線タグラベルTを発行する処理を行うタグラベル発行処理部30Aと、回収業者や警察署に対して落とし物関連情報及び落とし物の拾得者の拾得者関連情報を通知する処理を行う情報通知処理部30Bとを有している。タグラベル発行処理部30Aは、上述した図13に示す処理手順を実行する。
【0099】
図16は、情報通知処理部30Bによって実行される制御手順を表すフローチャートである。図16において、落とし物回収装置1に電源が投入されると、このフローが図13に示すフローと共に開始される(「START」位置)。
【0100】
まずステップS205において、回収ボックス2内の落とし物Bに添付された落とし物用無線タグラベルTの落とし物用無線タグ回路素子Totに書き込まれた情報を読み取るタイミングかどうかを判断する。つまり、前回の情報読み取りタイミングから所定の周期時間が経過したかどうかを判断する。落とし物用無線タグ回路素子Totに書き込まれた情報を読み取るタイミングであると判断されたときは、ステップS210へ移り、切り換えスイッチ20に制御信号を出力して高周波回路21を収納検知用アンテナ9に接続するよう切り換える。
【0101】
次にステップS215へ移り、収納検知用アンテナ9を介して落とし物用無線タグラベルTの落とし物用無線タグ回路素子Totが検出されたか否かを判定する。落とし物用無線タグ回路素子Totの検出方法については、上述した拾得者用無線タグ回路素子Tocの検出方法と同様である。つまり、落とし物用無線タグ回路素子Totに対して応答を要求する応答要求信号(質問信号)を収納検知用アンテナ9から送信し続け、それに対して落とし物用無線タグ回路素子Totが発信する応答信号を収納検知用アンテナ9で受信したときに、落とし物用無線タグ回路素子Totが検出されたと判定する。なお、上記応答要求信号の送信を所定回数繰り返しても(または所定時間試みても)応答信号が収納検知用アンテナ9で受信できなかった場合は、落とし物が無いと判断し、このフローを終了する。
【0102】
次にステップS220へ移り、上記ステップS215で受信した応答信号より、落とし物用無線タグ回路素子Totから拾得者関連情報及び落とし物関連情報を取得する。
【0103】
次にステップS225へ移り、落とし物用無線タグ回路素子Totから拾得者関連情報等を取得した旨を入出力インターフェース31を介して外部のサーバ200に報知する。そしてステップS230へ移り、落とし物用無線タグ回路素子Totから取得した落とし物関連情報及び拾得者関連情報を、入出力インターフェース31を介してサーバ200に設けられた落とし物情報データベース220に登録し、本フローを終了する。
【0104】
以上において、ステップS215及びステップS220が、収納検知用アンテナ9を介した無線通信により、無線タグ回路素子Totに書き込まれた拾得者関連情報を取得する第2情報取得手段として機能する。ステップS225は、収納検知用アンテナ9を介し拾得者関連情報が取得されたら、対応する報知信号を出力する第1信号出力手段として機能する。ステップS230は、収納検知用アンテナ9を介し拾得者関連情報が取得されたら、その取得した拾得者関連情報をデータベース220に登録するための信号を出力する第2信号出力手段として機能する。
【0105】
以上のように構成した本変形例においては、回収ボックス2内の落とし物Bに貼付された落とし物用無線タグラベルTの落とし物用無線タグ回路素子Totに書き込まれた拾得者関連情報等を取得するようにしたので、落とし物用無線タグラベルTが貼り付けられた落とし物Bが確かに回収ボックス2内に投入されたことを検知できる。
【0106】
また、拾得者関連情報が取得されると、その旨を回収業者や警察のサーバ200に報知するので、落とし物Bが回収ボックス2内に投入された後、落とし物Bを短時間で迅速に回収することができる。また、落とし物Bが回収される前であっても、落とし主が警察等に問い合わせに来た場合、拾得者により回収ボックス2内へ投入された可能性があるかどうかを迅速に調べることができる。
【0107】
さらに、落とし物関連情報が取得されると、その落とし物関連情報をサーバ200の落とし物情報データベース220に登録するので、落とし物Bの落とし主は、落とし物情報データベース220を検索するだけで、自らの落とし物Bが拾得され回収されているかどうかを確実に調べることができる。
【0108】
なお、上記において、拾得者関連情報等の取得時に、落とし物用無線タグラベルTの落とし物用無線タグ回路素子Totに対して投入時間や落とし物回収装置1の識別情報等の投入関連情報を書き込むようにすることもでき(ライタとしての機能)、この場合には、落とし物用無線タグラベルTを発行した装置とは別の落とし物回収装置1に落とし物Bが投入されるのを防止できる効果もある。
【0109】
(3)その他
上記実施形態では、拾得者関連情報をタッチパネル6により直接手入力するようにしたが、本発明はこれに限られず、拾得者の電話番号や免許証番号のみをタッチパネル6で操作入力し、その情報に基づいて個人情報データベース210(図12参照)より拾得者関連情報を取得しても良い。
【0110】
また、拾得者関連情報の入力方法を選択できるようにしても良い。図17は、タッチパネル6における拾得者関連情報の入力選択画面65の一例を表したものである。なお、図17は、例えば図5(a)に示す初期画面60と図5(b)に示す拾得者情報入力操作画面61との間に表示される画面である。
【0111】
図17に示す拾得者関連情報の入力選択画面65において、「手入力」ボタン65aがタッチされると、図5(b)に示す拾得者情報入力操作画面61に切り換わる。「自動車免許証」ボタン65b、「学生証」ボタン65c、及び「保険証」ボタン65dのいずれかがタッチされると、対応する証番号入力操作画面(図示省略)に切り換わる。そして、その証番号入力操作画面において証番号が入力操作されると、その証番号に対応する個人情報が個人情報データベース210より取得されることとなる。また、「携帯電話タグ」ボタン65e及び「○×カード」ボタン65fのいずれかがタッチされると、図6に示すような落とし物情報入力操作画面62に切り換わる。この場合には、携帯電話タグや○×カード(個人情報を取得するための身分証明用の適宜のカード)を収納検知用アンテナ9にかざすことにより、拾得者関連情報が直接あるいは個人情報データベース210より取得される。その後、図6に示す落とし物情報入力操作画面62において落とし物に関する情報を操作入力すれば良い。
【0112】
また、以上においては、落とし物の拾得者の氏名、住所及び電話番号等を拾得者関連情報として落とし物用無線タグ回路素子Totに書き込むものとしたが、拾得者関連情報として、拾得者の氏名等の個人情報ではなく、免許証、クレジットカードやその他の個人識別コードのみを落とし物用無線タグ回路素子Totに書き込んでも良い。この場合には、個人情報の漏洩の危険性を回避することができる。
【0113】
また、落とし物回収装置1から落とし物を回収した回収業者は、落とし物用無線タグラベルTの落とし物用無線タグ回路素子Totに拾得者関連情報として書き込まれた個人識別コードを使って、個人情報データベース210より拾得者の名前や住所等の情報を検索、取得しても良い。この場合には、拾得者の名前や住所等の情報の取得の簡略化を図ることができる。
【0114】
また、以上においては、基材テープ101に印字を行う方式(貼り合わせを行わないタイプ)であったが、これに限られず、落とし物用無線タグ回路素子Totを備えた基材テープ101とは別のカバーフィルム(被印字媒体)に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式に本発明を適用してもよい。さらに、拾得者関連情報等の印刷は必ずしも行われなくともよく、拾得者関連情報等の書き込みのみを行うものに対し本発明を適用することもできる。
【0115】
また、回収ボックス2の回収口2aにシャッター及びタグ読み取り装置のアンテナを設け、落とし物用無線タグラベルTのタグIDが読み取れた場合のみシャッターが開いて、回収ボックス2の回収口2aから落とし物を投入可能としても良い。この場合には、回収口2aからの小動物や虫、ごみの進入を防ぐことができる。
【0116】
また、回収ボックス2の内部の回収口2a近傍に、落とし物収納部と落とし物排出口との分岐部と、タグ読み取り装置のアンテナとを設け、落とし物用無線タグラベルTのタグIDが読み取れた場合は、落とし物収納部への通路を開くことで落とし物を回収可能とし、落とし物用無線タグラベルTのタグIDが読み取れなかった場合は、落とし物排出口への通路を開くことで落とし物を排出させても良い。この場合にも、回収口2aからの小動物や虫、ごみの進入を防ぐことができる。
【0117】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0118】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の一実施形態の落とし物回収装置の外観を表す斜視図である。
【図2】タグラベル作成機の詳細構造を表す概念的構成図である。
【図3】高周波回路の詳細機能及びその周辺の構成を表す機能ブロック図である。
【図4】無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図5】タッチパネルの画面における拾得者関連情報の入力操作の流れの一例を表す図である。
【図6】タッチパネルの画面における拾得者関連情報の入力操作の流れの一例を表す図である。
【図7】タッチパネルの画面における拾得者関連情報の入力操作の流れの一例を表す図である。
【図8】タッチパネルの画面における拾得者関連情報の入力操作の流れの一例を表す図である。
【図9】タグラベル作成機によって発行された落とし物用無線タグラベルの一例を表す図である。
【図10】落とし物用無線タグラベルの発行を行う際に、制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図11】本発明の変形例の落とし物回収装置の外観を表す斜視図である。
【図12】タグラベル作成機の詳細構造を表す概念的構成図である。
【図13】落とし物用無線タグラベルの発行を行う際に、タグラベル作成機の制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図14】本発明の他の変形例の落とし物回収装置におけるタグラベル作成機の詳細構造を表す概念的構成図である。
【図15】タグラベル作成機の制御回路の機能を表すブロック図である。
【図16】情報通知処理部によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図17】タッチパネルにおける拾得者関連情報の入力選択画面の一例を表した図である。
【符号の説明】
【0120】
1 落とし物回収装置
2 回収ボックス(回収箱)
3 タグラベル作成機
5 カード用アンテナ(第1装置アンテナ手段)
6 タッチパネル
9 収納検知用アンテナ(第3装置アンテナ手段)
10 印字ヘッド(印字手段)
12 テープ送りローラ駆動軸(搬送手段)
15 カッタ(切断手段)
14 ラベル用アンテナ(第2装置アンテナ手段)
20 切り換えスイッチ
21 高周波回路
22 信号処理回路
30 制御回路
101 基材テープ(タグ媒体)
151 IC回路部
220 データベース
T 落とし物用無線タグラベル(落とし物用無線タグ)
Tot 落とし物用無線タグ回路素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、落とし物の拾得者が投入した落とし物を回収するための、落とし物回収装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。例えばラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において既に実用化が進められつつある。
【0003】
このようなRFIDシステムを、落とし物の拾得、回収に適用したものとして、例えば特許文献1記載のものがある。この従来技術においては、予め、物品に対して識別コードを備えたICカードを取り付けておく。この物品を拾得した拾得者がポストに物品を投函すると、その物品が回収・返送業者の私書箱によってポストから回収される。その後、回収・返送業者がICカードの識別コードを検索することで、落とし主(持ち主)の氏名・住所を取得し、落とし主に対しその物品を返送するようになっている。
【特許文献1】特開2002−366644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術においては、落とし物が拾得者によって投函され、回収されることで、確実に持ち主に返却されるようになっている。しかしながら、拾得者は、自分が誰であるかという情報を、拾得した落とし物に対して付与することができなかった。このため、回収後に落とし主が拾得者に対してお礼をしたいと思っても不可能であった。また、拾得者の立場からは、せっかく拾得して投函したとしても、上記のようにその行為に対する報償が何もなく、また、落とし主が見つからなかった場合の所有権についても取得できなかった。
【0005】
本発明の目的は、拾得者が、投函時において拾得者自身に関する情報を落とし物に対し付与することができる、落とし物回収装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1の発明は、落とし物の拾得者が投入した前記落とし物を回収するための落とし物回収装置であって、前記拾得者を特定可能な拾得者関連情報を入力する入力手段と、前記入力手段で入力された前記拾得者関連情報を記憶したIC回路部と情報の送受信を行うタグアンテナとを備えた無線タグ回路素子が設けられたタグ媒体を用いて、落とし物用無線タグの発行処理を行う発行処理手段と、前記発行処理手段が発行した前記落とし物用無線タグが貼付された前記落とし物を受け入れて収納する収納箱と、を有することを特徴とする。
【0007】
本願第1発明においては、落とし物を拾得した拾得者がその落とし物を収納箱に投入することにより、落とし物が収納箱内に収納される。収納された落とし物は、その後回収者によって回収され、落とし主への返還手続きがとられることとなる。
【0008】
このとき、本願第1発明の落とし物回収装置においては、落とし物用無線タグを発行処理する発行処理手段が設けられている。拾得者を特定可能な拾得者関連情報が入力手段で入力されると、発行処理手段は、その拾得者関連情報をIC回路部に記憶させた無線タグ回路素子を設けたタグ媒体を用いて、落とし物用無線タグを発行する。これにより、拾得者は、その発行された落とし物用無線タグを落とし物に貼りつけた上で、収納箱に投入することができる。落とし物用無線タグには、上記のようにして拾得者関連情報が記憶されているので、回収者が、拾得者が誰であるかという情報を容易に取得することができる。
【0009】
第2発明は、上記第1発明において、拾得者が操作するための第1操作手段を有し、前記入力手段は、前記第1操作手段での前記拾得者の操作に応じた前記拾得者関連情報を入力することを特徴とする。
【0010】
第1操作手段の操作に基づき入力手段が拾得者関連情報を入力することにより、拾得者の意志を反映した確実な拾得者関連情報をIC回路部に書き込み、落とし物用無線タグを発行することができる。このとき、拾得者は警察署まで出向かずに容易に拾得者関連情報を記録できるので、拾得者にとっての時間や労力の負担が少なくなる。この結果、落とし物の回収率を向上できる効果もある。また、拾得者関連情報として、拾得者の氏名等の個人情報ではなく、免許証、クレジットカードやその他の識別コードのみを操作入力し、これをIC回路部に記録する場合には、個人情報の漏洩の危険性を回避できる効果もある。
【0011】
第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記拾得者の所持する拾得者用無線タグと無線通信により情報送受信を行うための第1装置アンテナ手段と、前記第1装置アンテナ手段を介した無線通信により、前記拾得者用無線タグから、前記拾得者に係わる情報を取得する第1情報取得手段とを有し、前記入力手段は、前記第1情報取得手段での情報取得結果に応じた前記拾得者関連情報を入力することを特徴とする。
【0012】
本願第3発明においては、拾得者用無線タグからの無線通信を介した読み取りによって入力手段が拾得者関連情報を入力する。これにより、拾得者が操作して入力する等を行わなくても、拾得者関連情報をIC回路部に書き込み、落とし物用無線タグを発行することができる。上記同様、拾得者が警察署まで出向く必要がなくなり、また操作入力がない分、さらに容易に拾得者関連情報を記録でき、拾得者にとっての時間や労力の負担がさらに少なくなる。この結果、落とし物の回収率を確実に向上することができる。また、第1情報取得手段で、免許証、クレジットカードやその他の識別コードを取得し、拾得者関連情報として、(それらに基づき取得した拾得者の氏名等の個人情報ではなく)それらをIC回路部に記録する場合には、個人情報の漏洩の危険性を回避できる効果もある。
【0013】
第4発明は、上記第1乃至第3発明のいずれかにおいて、前記発行処理手段は、前記タグ媒体を搬送する搬送手段と、前記タグ媒体に備えられた前記無線タグ回路素子に対し、情報送受信可能な第2装置アンテナ手段と、前記入力手段で入力した前記拾得者関連情報を、前記第2装置アンテナ手段を介し、前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に書き込む情報書き込み手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
搬送手段で搬送されるタグ媒体に設けられた無線タグ回路素子に対し、情報書き込み手段で拾得者関連情報を書き込み記憶させることで、拾得者が誰であるかを記録した無線タグを確実に発行することができる。
【0015】
第5発明は、上記第4発明において、前記発行処理手段は、前記タグ媒体又はこれに貼り合わされる被印字媒体に対し、前記拾得者関連情報に対応する印字を行う印字手段と、前記印字手段の印字が終了後に前記タグ媒体を所定の長さに切断する切断手段とを備え、前記落とし物用無線タグとして、前記落とし物に貼りつけ可能な無線タグラベルを生成することを特徴とする。
【0016】
これにより、印字によって拾得者関連情報の少なくとも一部を明確にした無線タグを、タグ媒体を所定長さに切断した無線タグラベルの態様で発行することができる。粘着剤を備えたラベル形式とすることで、落とし物に対し容易に貼りつけることができる。
【0017】
第6発明は、上記第4又は第5発明において、前記落とし物の落とし主に対し前記拾得者関連情報の報知・不報知を選択入力可能な第2操作手段を有し、前記情報書き込み手段は、前記第1操作手段又は前記第2操作手段の選択入力結果に応じ、対応する前記拾得者関連情報の報知・不報知情報を、前記第2装置アンテナ手段を介し、前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に書き込むことを特徴とする。
【0018】
これにより、落とし主からのお礼が不要な場合等、拾得者が自らを特定できる情報を(回収者には知らせてよいが)落とし主には知られたくない場合に、その旨を第1操作手段又は第2操作手段から選択して入力することができる。この結果、拾得者の個人情報の保護を図ることができ、さらに利便性を向上することができる。
【0019】
第7発明は、上記第4乃至第6発明のいずれかにおいて、前記情報書き込み手段は、前記落とし物の種類や名称、落とし物を拾得した場所、及び拾得日時のうち少なくとも1つを含む落とし物関連情報を、前記第2装置アンテナ手段を介し前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に書き込むことを特徴とする。
【0020】
これにより、回収者が落とし物を回収した後、IC回路部に書き込まれた落とし物関連情報等を読み出すことで、落とし主をより特定しやすくすることができる。また、落とし物の分類分けや整理、収納等における作業効率を向上することができる。また、第1操作手段が備えられている場合には、それらのうちパターン化しやすい情報(落とし物の種類)は、第1操作手段によりリストから選択して操作入力できるようにすれば、拾得者の負担を低減することもできる。
【0021】
第8発明は、上記第4乃至第7発明のいずれかにおいて、前記収納箱に収納された前記落とし物に添付された前記落とし物用無線タグの前記無線タグ回路素子に対し、情報送受信可能な第3装置アンテナ手段と、前記第3装置アンテナ手段を介した無線通信により、前記情報書き込み手段で前記無線タグ回路素子に書き込まれた前記拾得者関連情報を取得する第2情報取得手段とを有することを特徴とする。
【0022】
これにより、無線タグが貼りつけられた落とし物が確かに収納箱に投入されたことを、検知することができる。また、拾得者関連情報の取得時に、無線タグ回路素子に対して投入時間や回収装置の識別情報等の投入関連情報を無線タグ回路素子に書き込むようにした場合(リード/ライト機能)、無線タグを発行した装置とは別の回収装置に落とし物が投入されるのを防止できる効果もある。
【0023】
第9発明は、上記第8発明において、前記第3装置アンテナ手段を介し前記第2情報取得手段で前記拾得者関連情報が取得されたら、対応する報知信号を出力する第1信号出力手段を有することを特徴とする。
【0024】
これにより、落とし物の収納箱への投入後、短時間で迅速に回収することができる。また、落とし物が回収される前であっても、落とし主が警察等に問い合わせに来た場合、拾得者により収納箱へ投入された可能性があるかどうかを迅速に調べることができる。
【0025】
第10発明は、上記第8又は第9発明において、前記第3装置アンテナ手段を介し前記第2情報取得手段で前記拾得者関連情報が取得されたら、その取得した前記拾得者関連情報をデータベースに登録するための信号を出力する第2信号出力手段を有することを特徴とする。
【0026】
これにより、落とし主は、データベースを検索するだけで、自らの落とし物が拾得され回収されているかどうかを確実に調べることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、拾得者が、投函時において拾得者自身に関する情報を落とし物に対し付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0029】
図1は、本実施形態の落とし物回収装置の外観を表す斜視図である。落とし物回収装置1は、落とし物を回収するための装置であり、例えば街中の複数箇所に設置されている。
【0030】
図1において、落とし物回収装置1は、落とし物を投入するための投入口2aを備え落とし物(後述の図14も参照)を受け入れて収納する回収ボックス(収納箱)2と、この回収ボックス2に収納される落とし物に貼付するための落とし物用無線タグ(この例では、後述のように粘着剤により貼り付け可能な落とし物用無線タグラベル)Tを発行するタグラベル作成機3とから構成されている。
【0031】
タグラベル作成機3は筐体4を有し、この筐体4の前面(上記投入口2aと同じ側の面)には、各種の指示や情報を表示したり、各種の情報を入力操作するためのタッチパネル6と、発行された落とし物用無線タグラベルTを排出するための排出口7とが設けられている。
【0032】
このような落とし物回収装置1においては、落とし物を拾得した拾得者が、タグラベル作成機3により発行された落とし物用無線タグラベルTを落とし物に貼り付けた上で、当該落とし物を回収ボックス2の投入口2aから投入する。その後、回収ボックス2内に収納された落とし物が回収業者によって回収されることとなる。落とし物用無線タグラベルTには、落とし物の拾得者を特定可能な拾得者関連情報(詳細は後述)が記憶される落とし物用無線タグ回路素子Tot(後述の図2参照)が設けられている。
【0033】
図2は、上記タグラベル作成機3の詳細構造を表す概念的構成図である。図2において、タグラベル作成機3には、凹所としてのカートリッジホルダ部(図示せず)が設けられ、このホルダ部にカートリッジ100が着脱可能に取り付けられている。
【0034】
また、タグラベル作成機3は、基材テープ101(タグ媒体)に所定の印字(印刷)を行う印字手段としての印字ヘッド(この例ではサーマルヘッド)10と、基材テープ101をカートリッジ100から繰り出すためのテープ送りローラ駆動軸12(搬送手段)と、基材テープ101に備えられる落とし物用無線タグ回路素子Tot(詳細は後述)との間で、UHF帯、マイクロ波帯等適宜の周波数帯域の電波を用いて無線通信により信号の送受を行うラベル用アンテナ14(第2装置アンテナ手段)と、上記基材テープ101を所定のタイミングで所定の長さに切断しカード状の落とし物用無線タグラベルTを生成するカッタ15(切断手段)と、落とし物用無線タグ回路素子Totをラベル用アンテナ14に対向する所定のアクセスエリアAtに設定保持するとともに、切断後の落とし物用無線タグラベルTを案内するための一対の搬送ガイド13と、その案内された落とし物用無線タグラベルTを上記排出口7へと搬送し送出する送出ローラ17と、排出口7において落とし物用無線タグラベルTの有無を検出する排出センサ18とを有している。筐体4には、排出口7から排出された落とし物用無線タグラベルTを受ける受け皿8が取り付けられている。
【0035】
また、タグラベル作成機3は、上記ラベル用アンテナ14を介し落とし物用無線タグ回路素子Totへアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための高周波回路21と、落とし物用無線タグ回路素子Totから読み出された信号を処理するための信号処理回路22と、テープ送りローラ駆動軸12を駆動するカートリッジ用モータ23と、このカートリッジ用モータ23の駆動を制御するカートリッジ駆動回路24と、上記印字ヘッド10への通電を制御する印刷駆動回路25と、上記カッタ15を駆動して切断動作を行わせるソレノイド26と、このソレノイド26を制御するソレノイド駆動回路27と、上記送出ローラ17を駆動する送出ローラ用モータ28と、この送出ローラ用モータ28を制御する送出ローラ駆動回路29と、上記タッチパネル6、高周波回路21、信号処理回路22、カートリッジ駆動回路24、印刷駆動回路25、ソレノイド駆動回路27、送出ローラ駆動回路29等を介し、タグラベル作成機3全体の動作を制御する制御回路30とを有している。
【0036】
制御回路30は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。
【0037】
また、カートリッジ100の内部には、この例では帯状の上記基材テープ101が巻回された基材ロール102と、この基材ロール102から繰り出された基材テープ101をガイドするガイドローラ103と、上記基材テープ101を押圧しカートリッジ100の外部へテープ送りをするテープ送りローラ104とが配置されている。
【0038】
基材ロール102は、感熱テープの長手方向に複数の上記落とし物用無線タグ回路素子Totが所定の等間隔で順次配設された上記基材テープ101を巻回している。基材テープ101は、この例では、基材層101aと、粘着剤層101b(図示省略)と、剥離材層101cとを含んでいる(詳細は後述)。テープ送りローラ104は、カートリッジ100外に設けた例えばパルスモータである上記カートリッジ用モータ23の駆動力が上記テープ送りローラ駆動軸12に伝達されることによって回転駆動される。
【0039】
上記構成において、カートリッジ100が上記タグラベル作成機3のカートリッジホルダ部に装着されロールホルダ(図示せず)が離反位置から当接位置に移動されると、基材テープ101が印字ヘッド10とプラテンローラ105との間に狭持されるとともに、基材テープ101がテープ送りローラ104とサブローラ106との間に狭持される。そして、カートリッジ用モータ23の駆動力によってテープ送りローラ104が回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸12と上記サブローラ106及びプラテンローラ105はギヤ(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸12の駆動に伴いテープ送りローラ104、サブローラ106、及びプラテンローラ105が回転し、基材ロール102から基材テープ101が繰り出され、上述のようにテープ送りローラ104へ供給される。一方、上記印刷駆動回路25により印字ヘッド10の複数の発熱素子が通電される。この結果、基材テープ101の表面に印字R(後述の図9参照)が印刷される。そして、印刷が終了した基材テープ101が上記テープ送りローラ104及びサブローラ106によりカートリッジ100外へと搬出される。
【0040】
ラベル用アンテナ14は、この例ではダイポールアンテナで構成されており、対向する上記搬送ガイド13全体を収容するアクセスエリアAtの範囲に対し、無線通信可能となっている。
【0041】
図3は、上記高周波回路21の詳細機能及びその周辺の構成を表す機能ブロック図である。図3において、高周波回路21は、ラベル用アンテナ14を介し上記落とし物用無線タグ回路素子Totに対して信号を送信する送信部32と、ラベル用アンテナ14により受信された落とし物用無線タグ回路素子Totからの応答波を入力する受信部33と、送受分離器34とから構成される。
【0042】
送信部32は、落とし物用無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報にアクセスするための質問波を生成するブロックである。すなわち、送信部32は、質問波の搬送波の基準信号を発生する水晶振動子35と、この水晶振動子35により発生した基準信号を元に、所定周波数の搬送波を制御回路30の制御により発生させるPLL(Phase Locked Loop)36、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)37と、上記制御回路30から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では信号処理回路22からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路38(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路38により変調された変調波を増幅(この例では制御回路30からの「TX_PWR」信号によって増幅率が決定される増幅)する増幅率可変送信アンプ39とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯(又はマイクロ波帯、あるいは短波帯でもよい)の周波数を用いており、上記可変送信アンプ39の出力は、送受分離器34を介しラベル用アンテナ14に伝達されて落とし物用無線タグ回路素子TotのIC回路部151に供給される。なお、質問波は上記のように変調した信号(変調波)に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
【0043】
受信部33は、ラベル用アンテナ14で受信された落とし物用無線タグ回路素子Totからの応答波と上記発生させられた搬送波とを乗算して復調するI相受信乗算回路40と、そのI相受信乗算回路40の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのI相バンドパスフィルタ41と、このI相バンドパスフィルタ41の出力を増幅するI相受信アンプ43と、このI相受信アンプ43の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するI相リミッタ42と、ラベル用アンテナ14で受信された落とし物用無線タグ回路素子Totからの応答波と上記発生された後に移相器49により位相を90°遅らせた搬送波とを乗算するQ相受信乗算回路44と、そのQ相受信乗算回路44の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのQ相バンドパスフィルタ45と、このQ相バンドパスフィルタ45の出力を増幅するQ相受信アンプ47と、このQ相受信アンプ47の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するQ相リミッタ46とを備えている。そして、上記I相リミッタ42から出力される信号「RXS−I」及びQ相リミッタ46から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路22に入力されて処理される。
【0044】
また、I相受信アンプ43及びQ相受信アンプ47の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路48にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路22に入力されるようになっている。このようにして、高周波回路21では、I−Q直交復調によって落とし物用無線タグ回路素子Totからの応答波の復調が行われる。
【0045】
図4は、上記落とし物用無線タグ回路素子Totの機能的構成の一例を表すブロック図である。図4において、落とし物用無線タグ回路素子Totは、上述したようにタグラベル作成機3のラベル用アンテナ14と無線通信若しくは電磁誘導により非接触で信号の送受信を行うタグアンテナ152と、このタグアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
【0046】
IC回路部151は、タグアンテナ152により受信された質問波(質問信号)を整流する整流部153と、この整流部153により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部154と、上記タグアンテナ152により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部157と、上記タグアンテナ152に接続された変復調部158と、上記メモリ部157、クロック抽出部156及び変復調部158等を介して落とし物用無線タグ回路素子Totの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
【0047】
変復調部158は、タグアンテナ152により受信された上記ラベル用アンテナ14からの通信信号の復調を行い、また、上記制御部155からの返信信号を変調し、タグアンテナ152より応答波(タグIDを含む信号)として送信する。
【0048】
クロック抽出部156は、受信した信号からクロック成分を抽出して制御部155にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の周波数に対応したクロックを制御部155に供給する。
【0049】
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を変復調部158によりタグアンテナ152から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0050】
本実施形態では、拾得者が誰であるかを記録として残すために、拾得者がタッチパネルを操作して、例えば拾得者の氏名、電話番号、住所等、拾得者を特定可能な拾得者関連情報の入力操作を行う。図5〜図8は、タグラベル作成機3の上記タッチパネル6の画面における拾得者関連情報の入力操作の流れの一例を表す図である。
【0051】
図5(a)は、タッチパネル6の初期画面(待機画面)60を表している。この初期画面60における「拾得物情報入力」ボタン60aがタッチされると、図5(b)に示すように、タッチパネル6の画面が落とし物の拾得者に関する情報(氏名、電話番号、住所)の入力操作画面61に切り換わる。この拾得者情報入力操作画面61において、文字キー(英字及び数字を含む)61aをタッチし、必要に応じて「変換」ボタン61bをタッチして文字変換を行うことにより、拾得者の氏名欄61c、電話番号欄61d、住所欄61eを順次手入力で記載することができる。なお、文字、英字及び数字の切り替えは、「あ/ア/A変換」ボタン61fのタッチにより行うことができる。上記文字キー61やボタン61b,61f等が、各請求項記載の第1操作手段として機能する。
【0052】
拾得者情報入力操作画面61において、「戻る」ボタン61gがタッチされると、図5(a)に示す初期画面60に戻り、「進む」ボタン61hがタッチされると、図6に示すように、落とし物に関する落とし物関連情報(落とし物の種類または名称、落とし物を拾った場所、落とし物を拾った日時)の入力操作画面62に切り換わる。この落とし物情報入力操作画面62において、「拾った物」欄62aの右端部の逆三角部分62bがタッチされると、図7(a)に示すように、物品種類リスト62cが表示される。この物品種類リスト62cから拾った物に該当する物品を選択して当該部品にタッチすることで、図6に示す「拾った物」欄62aに落とし物に該当する物品の種類が入力されることになる。このように物品種類リスト62cから選択して操作入力するようにすることで、拾得者の負担を軽減することができる。
【0053】
また、「拾った場所」欄62dがタッチされると、図7(b)に示すように、現在地を含む地図63aを含む地図画面63が表示される。この地図画面63の地図63a上において、実際に落とし物を拾った場所(図7(b)に示す例では駅前)63bをタッチすることで、落とし物を拾った場所の情報が入力されることとなる。なお、地図の縮尺の変更は、画面左端部の「縮尺」ボタン63cの矢印範囲内のタッチにより行うことができる。
【0054】
図7(b)に示す地図画面63において、「戻る」ボタン63dがタッチされると、図6に示す落とし物情報入力操作画面62に戻る。この落とし物情報入力操作画面62において、「拾った時間」欄62eの右端部の逆三角部分62fがタッチされると、図示は省略するが、時間帯リストが表示される。この時間帯リストから落とし物を拾った時刻を選択して当該時刻をタッチすることで、図6に示す「拾った時間」欄62eに落とし物を拾った時刻が入力されることになる。
【0055】
図6に示す落とし物情報入力操作画面62において、「戻る」ボタン62gがタッチされると、図5(b)に示す拾得者情報入力操作画面61に戻り、「進む」ボタン62hがタッチされると、図8に示すように、タグラベル発行画面64が表示される。このタグラベル発行画面64においては、拾得者の情報を拾得物の落とし主に連絡するか否かを選択入力することができる。通常は、「あなたの情報を落とし主に連絡することを承諾します」欄64aにチェックがされており(=初期設定状態)、拾得者の情報を拾得物の落とし主に連絡することを希望しない場合には、当該欄64aにタッチしてチェックを外すようにする(第2操作手段としての機能)。
【0056】
「タグラベル発行」ボタン64bがタッチされると、上記タグラベル作成機3により落とし物用無線タグラベルTの発行が開始される。「発行せず終了」ボタン64cがタッチされると、落とし物用無線タグラベルTが発行されることなく、図5(a)に示す初期画面60に戻る。「戻る」ボタン64dがタッチされると、図6に示す落とし物情報入力操作画面62に戻る。
【0057】
なお、図6〜図8に示す入力操作画面62,63,64が表示されてから所定時間が経過しても、何もタッチされないときは、例えば自動的に図5(a)に示す初期画面60に戻るようにしても良い。
【0058】
図9は、上記タグラベル作成機3によって発行された落とし物用無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図9(a)は上面図、図9(b)は下面図である。
【0059】
落とし物用無線タグラベルTは、前述したように基材テープ101より作成され、基材層101aと、粘着剤層101b(図示省略)と、剥離材層101cとを含んでいる。そして、基材層101aには、当該無線タグラベルTの発行日時R1及び発行場所R2を含む印字Rが形成されている。落とし物用無線タグラベルTには、情報を記憶するIC回路部151及び情報を送受信するタグアンテナ151を含む上記落とし物用無線タグ回路素子Totが設けられている。さらに、落とし物用無線タグラベルTの基材層101aには、特に図示はしないが、取得者を特定可能な拾得者関連情報(拾得者の氏名、電話番号、住所等)の情報が印字される。なお、印字は、基材層101aの表面ではなく、基材層101aの裏面側に鏡像印字するようにしてもよい。そして、落とし物用無線タグラベルTの下面には、落とし物に貼り付けるための上記粘着剤層101bを覆う剥離材層101cが設けられており、貼り付け時には剥離材層101cを引き剥がすことで粘着剤層101bを露出させ、落とし物に対して貼り付ける。
【0060】
図10は、上述した落とし物用無線タグラベルTの発行を行う際に、上記制御回路30によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0061】
図10において、落とし物回収装置1に電源が投入されると、このフローが開始される(「START」位置)。まずステップS5において、図5(a)に示すタッチパネル6の初期画面(待機画面)60における「拾得物情報入力」ボタン60aがタッチされることで、落とし物用無線タグラベルTの発行処理開始の入力操作があったかどうかを判定する。
【0062】
落とし物用無線タグラベルTの発行処理開始の入力操作があったと判定されたときは、ステップS10へ移り、上記の拾得者関連情報(拾得者の氏名、電話番号、住所の情報)及び落とし物関連情報(落とし物の種類または名称、落とし物を拾得した場所、落とし物を拾得した日時の情報)の入力操作があったかどうかを判定する。具体的には、図5(b)に示す拾得者情報入力操作画面61において前述のようにして拾得者関連情報が入力され、図6に示す落とし物情報入力操作画面62において前述のようにして落とし物関連情報が入力されたかどうかを判定する。
【0063】
拾得者関連情報及び落とし物関連情報の入力操作があったと判定されたときは、ステップS15へ移り、図8に示すタグラベル発行画面64における「タグラベル発行」ボタン64bがタッチされることで、落とし物用無線タグラベルTの発行が指示されたかどうかを判定する。
【0064】
落とし物用無線タグラベルTの発行が指示されたと判定されたときは、ステップS20へ移り、拾得者関連情報及び落とし物関連情報を制御回路30の記憶媒体(RAM等;図示省略)に記憶する。
【0065】
次にステップS25へ移り、カートリッジ駆動回路24を制御してカートリッジ用モータ23を介しローラ駆動軸12を駆動することにより基材テープ101を搬送しつつ、印刷駆動回路25を制御して印字ヘッド10により基材テープ101に拾得者関連情報等を印字する。
【0066】
次にステップS30へ移り、ラベル用アンテナ14を介してアクセスエリアAt内に保持された落とし物用無線タグ回路素子Totに対しタグID、拾得者関連情報及び落とし物関連情報を含む書き込み信号を信号処理回路22及び高周波回路21を介して送信し、落とし物用無線タグ回路素子TotのIC回路部151に書き込ませる。
【0067】
続いて、次のステップS35において、カートリッジ駆動回路24を制御してカートリッジ用モータ23を介しローラ駆動軸12を駆動停止させることで基材テープ101の搬送を停止し、その状態でソレノイド駆動回路27を制御してソレノイド26を介しカッタ15を駆動し、基材テープ101を切断することにより、上記の落とし物用無線タグラベルT(図9参照)を形成する。
【0068】
そして、次のステップS40において、送出ローラ駆動回路29を制御して送出ローラ用モータ28を介し送出ローラ17を駆動することで、排出口7から落とし物用無線タグラベルTを外部へ排出し、本フローを終了する。
【0069】
以上において、ステップS10は、拾得者を特定可能な拾得者関連情報を入力する入力手段として機能する。ステップS30は、入力手段で入力した拾得者関連情報を、ラベル用アンテナ14を介し、落とし物用無線タグ回路素子TotのIC回路部151に書き込む情報書き込み手段として機能する。また、これと、上記ラベル用アンテナ14、テープ送りローラ駆動軸12、印字ヘッド10、及びカッタ15が、各請求項記載の発行処理手段として機能する。
【0070】
上記のようにタグラベル作成機3により落とし物用無線タグラベルTが作成された後、落とし物を拾得した拾得者は、その落とし物用無線タグラベルTを落とし物に貼り付ける。そして、拾得者は、落とし物用無線タグラベルTが貼付された落とし物を回収ボックス2の投入口2aから投入する。その後、回収ボックス2内に収納された落とし物は、回収業者によって回収される。そして、その回収された落とし物は警察(あるいは適宜の配送業者等でもよい)に送られ、落とし主への返還手続きがとられる。
【0071】
以上のように構成した本実施形態においては、タッチパネル6により拾得者の意志を反映した拾得者関連情報が入力されると、タグラベル作成機3は、その拾得者関連情報を落とし物用無線タグ回路素子TotのIC回路部151に書き込み記憶させるとともに、落とし物用無線タグ回路素子Totを設けた基材テープ101に拾得者関連情報を印字し、落とし物用無線タグラベルTを発行する。従って、その落とし物用無線タグラベルTが貼付された状態で回収ボックス2内に収納された落とし物が回収業者によって回収されたときに、回収業者は、落とし物用無線タグ回路素子Totに記憶された拾得者関連情報から、落とし物の拾得者が誰であるかという情報を容易に取得することができる。
【0072】
このとき、拾得者はわざわざ警察署まで出向かずに容易に拾得者関連情報を記録できるので、拾得者にとっての時間や労力の負担が少なくなる。この結果、落とし物の回収率を向上することができる。
【0073】
また、拾得者関連情報だけでなく、落とし物の種類や名称、落とし物の拾得場所、拾得日時等の落とし物関連情報を落とし物用無線タグ回路素子TotのIC回路部151に書き込み記憶させるので、回収業者が落とし物を回収した後、落とし物用無線タグ回路素子Totに書き込まれた落とし物関連情報を読み出すことで、落とし主をより特定しやすくすることができる。また、落とし物の分類分けや整理、収納等における作業効率を向上することができる。
【0074】
また、タッチパネル6により落とし物の落とし主に対する拾得者関連情報の報知・不報知を選択入力可能であるので、例えば落とし主からのお礼が不要な場合や、拾得者が自らを特定できる情報を回収者には知らせてよいが、落とし主には知られたくない場合に、その旨を選択して入力することができる。この結果、拾得者の個人情報の保護を図ることができ、利便性を向上することができる。
【0075】
なお、本発明は、上記一実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0076】
(1)拾得者用無線タグを用いて拾得者関連情報を入力する場合
上記実施形態では、タッチパネル6により拾得者関連情報を手操作入力したが、本発明はこれに限られず、拾得者の所持する拾得者用無線タグを用いて拾得者関連情報を入力してもよい。
【0077】
図11は、本変形例の落とし物回収装置の外観を表す斜視図であり、上記図1に対応する図である。なお、上記実施形態における落とし物回収装置1の構成と同等の部分については同じ符号を付して適宜説明を省略する。
【0078】
図11において、タグラベル作成機3の筐体4の前面には、カード用アンテナ5(第1装置アンテナ手段。なお上記ラベル用アンテナ14と共通に構成してもよい)がタッチパネル6に隣接して設けられている。カード用アンテナ5は、落とし物の拾得者が所有するIDカードや携帯添付タグ(以下、拾得者用無線タグカードという)に備えられた拾得者用無線タグ回路素子Tocに対し非接触での無線通信が可能である。カード用アンテナ5は、拾得者用無線タグ回路素子Tocとの間でUHF帯、マイクロ波帯あるいは短波帯等適宜の周波数帯域の電波を用いて無線通信により信号の送受を行う。
【0079】
図12は、タグラベル作成機3の詳細構造を表す概念的構成図であり、上記図2に対応する図である。図12において、タグラベル作成機3は、図2に示す上記構成に加え、上記カード用アンテナ5と、上記高周波回路21を上記ラベル用アンテナ14またはカード用アンテナ5のいずれか一方に接続するよう配線を切り換えるアンテナ切り換えスイッチ20と、上記制御回路30と接続された入出力インターフェース31とを備えている。
【0080】
カード用アンテナ5は、この例では平面アンテナで構成されており、タグラベル作成機3の筐体4の前方側に向けた所定の空間のアクセスエリアAcの範囲に対して無線通信できるようになっている。
【0081】
入出力インターフェース31は、外部(例えば回収業者や警察署)のサーバ200に設けられた個人情報データベース210と何らかの通信回線を介して情報信号を授受可能に接続されている。個人情報データベース210は、例えばハードディスク装置などの大容量記憶装置で構成されている。個人情報データベース210には、拾得者用無線タグカードC(拾得者用無線タグ)の所持者の個人情報(名前、住所、電話番号等)が対応するタグIDと関連付けて記憶されている。
【0082】
図13は、本変形例において落とし物用無線タグラベルTの発行を行う際に、制御回路30によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、上記図10に対応する図である。
【0083】
図13において、落とし物回収装置1に電源が投入されると、このフローが開始される(「START」位置)。まずステップS105において、タッチパネル6に制御信号を出力してスキャン用の待機状態を表すスキャン待機画面(特に図示しないが、例えば「アンテナにカードを近づけて下さい」の文字表示等)を表示させる。次にステップS110へ移り、切り換えスイッチ20に制御信号を出力して高周波回路21をカード用アンテナ5に接続するよう切り換える。
【0084】
次にステップS115へ移り、カード用アンテナ5を介してタグラベル作成機3の外部の上記アクセスエリアAc内に拾得者用無線タグカードCの拾得者用無線タグ回路素子Tocが検出されたか否かを判定する。拾得者用無線タグ回路素子Tocの検出方法についてはここで特に詳しく説明しないが、公知の手法により拾得者用無線タグ回路素子Tocに対して応答を要求する応答要求信号(質問信号)をカード用アンテナ5から送信し続け、それに対して拾得者用無線タグ回路素子Tocが発信する応答信号をカード用アンテナ5で受信したときに、拾得者用無線タグ回路素子Tocが検出されたと判定する。
【0085】
次にステップS120へ移り、上記ステップS115で受信した応答信号より、拾得者用無線タグ回路素子Tocから拾得者に係る情報(カードID番号、携帯番号等)を取得する。
【0086】
次にステップS125へ移り、上記ステップS120で取得した拾得者に係る情報をキーに、入出力インターフェース31を介して外部のサーバ200にアクセスし、拾得者に係る情報に関連付けられた拾得者関連情報(拾得者の氏名、電話番号、住所の情報)をサーバ200の個人情報データベース210から入出力インターフェース31を介して取得する。そしてステップS130へ移り、その拾得者関連情報を制御回路30の記憶媒体(RAM等)に記憶する。
【0087】
次にステップS135へ移り、切り換えスイッチ20に制御信号を出力して高周波回路21をラベル用アンテナ14に接続するよう切り換える。そしてステップS140へ移り、タッチパネル6に制御信号を出力して上記の落とし物情報入力操作画面62(図6参照)を表示させる。
【0088】
次にステップS145へ移り、図6に示す落とし物情報入力操作画面62において上記の落とし物関連情報の入力操作があったかどうかを判定する。落とし物関連情報の入力操作があったと判定されたときは、ステップS150へ移り、図8に示すタグラベル発行画面64における「タグラベル発行」ボタン64bがタッチされることで、落とし物用無線タグラベルTの発行が指示されたかどうかを判定する。
【0089】
落とし物用無線タグラベルTの発行が指示されたと判定されたときは、ステップS155へ移り、落とし物関連情報を制御回路30の記憶媒体に記憶する。以降の手順については、図10と同様であり、説明を省略する。
【0090】
以上において、ステップS115及びステップS120が、カード用アンテナ5を介した無線通信により、拾得者用無線タグカードCから、拾得者に係わる情報を取得する第1情報取得手段として機能する。ステップS125が、拾得者を特定可能な拾得者関連情報を入力する入力手段として機能する。
【0091】
以上のような落とし物回収装置1において、落とし物を拾得した拾得者は、自身が所有する拾得者用無線タグカードCをタグラベル作成機3のカード用アンテナ5に接触または近接させる。すると、拾得者用無線タグカードCの拾得者用無線タグ回路素子Tocに記憶された拾得者に係わる情報が読み取られ、その情報を基にして個人情報データベース210から拾得者関連情報が取得される。そして、その拾得者関連情報と落とし物関連情報とが書き込まれた落とし物用無線タグ回路素子Totを有する落とし物用無線タグラベルTが発行される。
【0092】
以上のように構成した本変形例においては、拾得者用無線タグカードCをカード用アンテナ5にスキャンさせて拾得者関連情報を取得するようにしたので、落とし物の拾得者がタッチパネル6を手入力しなくても、拾得者関連情報を落とし物用無線タグ回路素子Totに書き込み、落とし物用無線タグラベルTを発行することができる。従って、拾得者関連情報の操作入力がない分、さらに容易に拾得者関連情報を落とし物用無線タグ回路素子Totに記録でき、拾得者にとっての時間や労力の負担がさらに少なくなる。この結果、落とし物の回収率を確実に向上することができる。
【0093】
なお、本変形例では、拾得者用無線タグカードCをカード用アンテナ5にスキャンさせ、その時に取得された拾得者に係る情報を基にして個人情報データベース210から拾得者関連情報を入力するようにしたが、拾得者用無線タグカードCをカード用アンテナ5にスキャンさせて拾得者関連情報を直接入力するようにしても良い。また、これらを含む本変形例において、タッチパネル6の前述のタグラベル発行画面64において、「あなたの情報を落とし主に連絡することを承諾します」欄64aのチェックの有無により、拾得者の情報を拾得物の落とし主に連絡するか否かを選択入力できるようにしてもよい。
【0094】
(2)落とし物が回収ボックス内に投入されたか否かを検知する場合
上記実施形態及び(1)の変形例では、落とし物が回収ボックス2内に投入されたか否かを検知していないが、本発明はこれに限られず、落とし物が回収ボックス2内に投入されたか否かを(例えば周期的に)検知するようにしてもよい。
【0095】
図14は、本変形例の落とし物回収装置1の詳細構造を表す概念的構成図であり、上記図12に対応する図である。なお、上記実施形態及び上記(1)の変形例における落とし物回収装置の構成と同等の部分については同じ符号を付して適宜説明を省略する。
【0096】
図14において、落とし物回収装置1の回収ボックス2の内壁面には、回収ボックス2内に投入された落とし物Bに添付された落とし物用無線タグラベルTの落とし物用無線タグ回路素子Totに対し情報送受信可能な収納検知用アンテナ9(第3装置アンテナ手段。なお、ラベル用アンテナ14やカード用アンテナ5と共通に構成してもよい)が取り付けられている。収納検知用アンテナ9は、この例ではラベル用アンテナ14と同様にダイポールアンテナで構成され、タグラベル作成機3の上記切り換えスイッチ20と接続されている。切り換えスイッチ20は、上記高周波回路21を上記ラベル用アンテナ14、カード用アンテナ5及び収納検知用アンテナ9のいずれか一つに接続するよう配線を切り換えるスイッチである。切り換えスイッチ20は、上記高周波回路21を周期的(例えば1時間毎)に収納検知用アンテナ9に接続するように配線を切り換える。
【0097】
また、タグラベル作成機3の上記入出力インターフェース31は、外部(例えば回収業者や警察署)のサーバ200に設けられた上記個人情報データベース210及び落とし物情報データベース220と何らかの通信回線を介して情報信号を授受可能に接続されている。落とし物情報データベース220には、上記の落とし物関連情報が落とし物の拾得者の拾得者関連情報と共に記憶される。なお、落とし物情報データベース220も、個人情報データベース210と同様に大容量記憶装置で構成されている。
【0098】
図15は、タグラベル作成機3の上記制御回路30の機能を表すブロック図である。図15において、制御回路30は、落とし物用無線タグラベルTを発行する処理を行うタグラベル発行処理部30Aと、回収業者や警察署に対して落とし物関連情報及び落とし物の拾得者の拾得者関連情報を通知する処理を行う情報通知処理部30Bとを有している。タグラベル発行処理部30Aは、上述した図13に示す処理手順を実行する。
【0099】
図16は、情報通知処理部30Bによって実行される制御手順を表すフローチャートである。図16において、落とし物回収装置1に電源が投入されると、このフローが図13に示すフローと共に開始される(「START」位置)。
【0100】
まずステップS205において、回収ボックス2内の落とし物Bに添付された落とし物用無線タグラベルTの落とし物用無線タグ回路素子Totに書き込まれた情報を読み取るタイミングかどうかを判断する。つまり、前回の情報読み取りタイミングから所定の周期時間が経過したかどうかを判断する。落とし物用無線タグ回路素子Totに書き込まれた情報を読み取るタイミングであると判断されたときは、ステップS210へ移り、切り換えスイッチ20に制御信号を出力して高周波回路21を収納検知用アンテナ9に接続するよう切り換える。
【0101】
次にステップS215へ移り、収納検知用アンテナ9を介して落とし物用無線タグラベルTの落とし物用無線タグ回路素子Totが検出されたか否かを判定する。落とし物用無線タグ回路素子Totの検出方法については、上述した拾得者用無線タグ回路素子Tocの検出方法と同様である。つまり、落とし物用無線タグ回路素子Totに対して応答を要求する応答要求信号(質問信号)を収納検知用アンテナ9から送信し続け、それに対して落とし物用無線タグ回路素子Totが発信する応答信号を収納検知用アンテナ9で受信したときに、落とし物用無線タグ回路素子Totが検出されたと判定する。なお、上記応答要求信号の送信を所定回数繰り返しても(または所定時間試みても)応答信号が収納検知用アンテナ9で受信できなかった場合は、落とし物が無いと判断し、このフローを終了する。
【0102】
次にステップS220へ移り、上記ステップS215で受信した応答信号より、落とし物用無線タグ回路素子Totから拾得者関連情報及び落とし物関連情報を取得する。
【0103】
次にステップS225へ移り、落とし物用無線タグ回路素子Totから拾得者関連情報等を取得した旨を入出力インターフェース31を介して外部のサーバ200に報知する。そしてステップS230へ移り、落とし物用無線タグ回路素子Totから取得した落とし物関連情報及び拾得者関連情報を、入出力インターフェース31を介してサーバ200に設けられた落とし物情報データベース220に登録し、本フローを終了する。
【0104】
以上において、ステップS215及びステップS220が、収納検知用アンテナ9を介した無線通信により、無線タグ回路素子Totに書き込まれた拾得者関連情報を取得する第2情報取得手段として機能する。ステップS225は、収納検知用アンテナ9を介し拾得者関連情報が取得されたら、対応する報知信号を出力する第1信号出力手段として機能する。ステップS230は、収納検知用アンテナ9を介し拾得者関連情報が取得されたら、その取得した拾得者関連情報をデータベース220に登録するための信号を出力する第2信号出力手段として機能する。
【0105】
以上のように構成した本変形例においては、回収ボックス2内の落とし物Bに貼付された落とし物用無線タグラベルTの落とし物用無線タグ回路素子Totに書き込まれた拾得者関連情報等を取得するようにしたので、落とし物用無線タグラベルTが貼り付けられた落とし物Bが確かに回収ボックス2内に投入されたことを検知できる。
【0106】
また、拾得者関連情報が取得されると、その旨を回収業者や警察のサーバ200に報知するので、落とし物Bが回収ボックス2内に投入された後、落とし物Bを短時間で迅速に回収することができる。また、落とし物Bが回収される前であっても、落とし主が警察等に問い合わせに来た場合、拾得者により回収ボックス2内へ投入された可能性があるかどうかを迅速に調べることができる。
【0107】
さらに、落とし物関連情報が取得されると、その落とし物関連情報をサーバ200の落とし物情報データベース220に登録するので、落とし物Bの落とし主は、落とし物情報データベース220を検索するだけで、自らの落とし物Bが拾得され回収されているかどうかを確実に調べることができる。
【0108】
なお、上記において、拾得者関連情報等の取得時に、落とし物用無線タグラベルTの落とし物用無線タグ回路素子Totに対して投入時間や落とし物回収装置1の識別情報等の投入関連情報を書き込むようにすることもでき(ライタとしての機能)、この場合には、落とし物用無線タグラベルTを発行した装置とは別の落とし物回収装置1に落とし物Bが投入されるのを防止できる効果もある。
【0109】
(3)その他
上記実施形態では、拾得者関連情報をタッチパネル6により直接手入力するようにしたが、本発明はこれに限られず、拾得者の電話番号や免許証番号のみをタッチパネル6で操作入力し、その情報に基づいて個人情報データベース210(図12参照)より拾得者関連情報を取得しても良い。
【0110】
また、拾得者関連情報の入力方法を選択できるようにしても良い。図17は、タッチパネル6における拾得者関連情報の入力選択画面65の一例を表したものである。なお、図17は、例えば図5(a)に示す初期画面60と図5(b)に示す拾得者情報入力操作画面61との間に表示される画面である。
【0111】
図17に示す拾得者関連情報の入力選択画面65において、「手入力」ボタン65aがタッチされると、図5(b)に示す拾得者情報入力操作画面61に切り換わる。「自動車免許証」ボタン65b、「学生証」ボタン65c、及び「保険証」ボタン65dのいずれかがタッチされると、対応する証番号入力操作画面(図示省略)に切り換わる。そして、その証番号入力操作画面において証番号が入力操作されると、その証番号に対応する個人情報が個人情報データベース210より取得されることとなる。また、「携帯電話タグ」ボタン65e及び「○×カード」ボタン65fのいずれかがタッチされると、図6に示すような落とし物情報入力操作画面62に切り換わる。この場合には、携帯電話タグや○×カード(個人情報を取得するための身分証明用の適宜のカード)を収納検知用アンテナ9にかざすことにより、拾得者関連情報が直接あるいは個人情報データベース210より取得される。その後、図6に示す落とし物情報入力操作画面62において落とし物に関する情報を操作入力すれば良い。
【0112】
また、以上においては、落とし物の拾得者の氏名、住所及び電話番号等を拾得者関連情報として落とし物用無線タグ回路素子Totに書き込むものとしたが、拾得者関連情報として、拾得者の氏名等の個人情報ではなく、免許証、クレジットカードやその他の個人識別コードのみを落とし物用無線タグ回路素子Totに書き込んでも良い。この場合には、個人情報の漏洩の危険性を回避することができる。
【0113】
また、落とし物回収装置1から落とし物を回収した回収業者は、落とし物用無線タグラベルTの落とし物用無線タグ回路素子Totに拾得者関連情報として書き込まれた個人識別コードを使って、個人情報データベース210より拾得者の名前や住所等の情報を検索、取得しても良い。この場合には、拾得者の名前や住所等の情報の取得の簡略化を図ることができる。
【0114】
また、以上においては、基材テープ101に印字を行う方式(貼り合わせを行わないタイプ)であったが、これに限られず、落とし物用無線タグ回路素子Totを備えた基材テープ101とは別のカバーフィルム(被印字媒体)に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式に本発明を適用してもよい。さらに、拾得者関連情報等の印刷は必ずしも行われなくともよく、拾得者関連情報等の書き込みのみを行うものに対し本発明を適用することもできる。
【0115】
また、回収ボックス2の回収口2aにシャッター及びタグ読み取り装置のアンテナを設け、落とし物用無線タグラベルTのタグIDが読み取れた場合のみシャッターが開いて、回収ボックス2の回収口2aから落とし物を投入可能としても良い。この場合には、回収口2aからの小動物や虫、ごみの進入を防ぐことができる。
【0116】
また、回収ボックス2の内部の回収口2a近傍に、落とし物収納部と落とし物排出口との分岐部と、タグ読み取り装置のアンテナとを設け、落とし物用無線タグラベルTのタグIDが読み取れた場合は、落とし物収納部への通路を開くことで落とし物を回収可能とし、落とし物用無線タグラベルTのタグIDが読み取れなかった場合は、落とし物排出口への通路を開くことで落とし物を排出させても良い。この場合にも、回収口2aからの小動物や虫、ごみの進入を防ぐことができる。
【0117】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0118】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の一実施形態の落とし物回収装置の外観を表す斜視図である。
【図2】タグラベル作成機の詳細構造を表す概念的構成図である。
【図3】高周波回路の詳細機能及びその周辺の構成を表す機能ブロック図である。
【図4】無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図5】タッチパネルの画面における拾得者関連情報の入力操作の流れの一例を表す図である。
【図6】タッチパネルの画面における拾得者関連情報の入力操作の流れの一例を表す図である。
【図7】タッチパネルの画面における拾得者関連情報の入力操作の流れの一例を表す図である。
【図8】タッチパネルの画面における拾得者関連情報の入力操作の流れの一例を表す図である。
【図9】タグラベル作成機によって発行された落とし物用無線タグラベルの一例を表す図である。
【図10】落とし物用無線タグラベルの発行を行う際に、制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図11】本発明の変形例の落とし物回収装置の外観を表す斜視図である。
【図12】タグラベル作成機の詳細構造を表す概念的構成図である。
【図13】落とし物用無線タグラベルの発行を行う際に、タグラベル作成機の制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図14】本発明の他の変形例の落とし物回収装置におけるタグラベル作成機の詳細構造を表す概念的構成図である。
【図15】タグラベル作成機の制御回路の機能を表すブロック図である。
【図16】情報通知処理部によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図17】タッチパネルにおける拾得者関連情報の入力選択画面の一例を表した図である。
【符号の説明】
【0120】
1 落とし物回収装置
2 回収ボックス(回収箱)
3 タグラベル作成機
5 カード用アンテナ(第1装置アンテナ手段)
6 タッチパネル
9 収納検知用アンテナ(第3装置アンテナ手段)
10 印字ヘッド(印字手段)
12 テープ送りローラ駆動軸(搬送手段)
15 カッタ(切断手段)
14 ラベル用アンテナ(第2装置アンテナ手段)
20 切り換えスイッチ
21 高周波回路
22 信号処理回路
30 制御回路
101 基材テープ(タグ媒体)
151 IC回路部
220 データベース
T 落とし物用無線タグラベル(落とし物用無線タグ)
Tot 落とし物用無線タグ回路素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
落とし物の拾得者が投入した前記落とし物を回収するための落とし物回収装置であって、
前記拾得者を特定可能な拾得者関連情報を入力する入力手段と、
前記入力手段で入力された前記拾得者関連情報を記憶したIC回路部と情報の送受信を行うタグアンテナとを備えた無線タグ回路素子が設けられたタグ媒体を用いて、落とし物用無線タグの発行処理を行う発行処理手段と、
前記発行処理手段が発行した前記落とし物用無線タグが貼付された前記落とし物を受け入れて収納する収納箱と、
を有することを特徴とする落とし物回収装置。
【請求項2】
拾得者が操作するための第1操作手段を有し、
前記入力手段は、
前記第1操作手段での前記拾得者の操作に応じた前記拾得者関連情報を入力する
ことを特徴とする請求項1記載の落とし物回収装置。
【請求項3】
前記拾得者の所持する拾得者用無線タグと無線通信により情報送受信を行うための第1装置アンテナ手段と、
前記第1装置アンテナ手段を介した無線通信により、前記拾得者用無線タグから、前記拾得者に係わる情報を取得する第1情報取得手段とを有し、
前記入力手段は、
前記第1情報取得手段での情報取得結果に応じた前記拾得者関連情報を入力する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の落とし物回収装置。
【請求項4】
前記発行処理手段は、
前記タグ媒体を搬送する搬送手段と、
前記タグ媒体に備えられた前記無線タグ回路素子に対し、情報送受信可能な第2装置アンテナ手段と、
前記入力手段で入力した前記拾得者関連情報を、前記第2装置アンテナ手段を介し、前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に書き込む情報書き込み手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の落とし物回収装置。
【請求項5】
前記発行処理手段は、
前記タグ媒体又はこれに貼り合わされる被印字媒体に対し、前記拾得者関連情報に対応する印字を行う印字手段と、
前記印字手段の印字が終了後に前記タグ媒体を所定の長さに切断する切断手段とを備え、
前記落とし物用無線タグとして、前記落とし物に貼りつけ可能な無線タグラベルを生成する
ことを特徴とする請求項4記載の落とし物回収装置。
【請求項6】
前記落とし物の落とし主に対し前記拾得者関連情報の報知・不報知を選択入力可能な第2操作手段を有し、
前記情報書き込み手段は、
前記第1操作手段又は前記第2操作手段の選択入力結果に応じ、対応する前記拾得者関連情報の報知・不報知情報を、前記第2装置アンテナ手段を介し、前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に書き込む
ことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の落とし物回収装置。
【請求項7】
前記情報書き込み手段は、
前記落とし物の種類や名称、落とし物を拾得した場所、及び拾得日時のうち少なくとも1つを含む落とし物関連情報を、前記第2装置アンテナ手段を介し前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に書き込む
ことを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項記載の落とし物回収装置。
【請求項8】
前記収納箱に収納された前記落とし物に添付された前記落とし物用無線タグの前記無線タグ回路素子に対し、情報送受信可能な第3装置アンテナ手段と、
前記第3装置アンテナ手段を介した無線通信により、前記情報書き込み手段で前記無線タグ回路素子に書き込まれた前記拾得者関連情報を取得する第2情報取得手段と
を有することを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか1項記載の落とし物回収装置。
【請求項9】
前記第3装置アンテナ手段を介し前記第2情報取得手段で前記拾得者関連情報が取得されたら、対応する報知信号を出力する第1信号出力手段を有する
ことを特徴とする請求項8記載の落とし物回収装置。
【請求項10】
前記第3装置アンテナ手段を介し前記第2情報取得手段で前記拾得者関連情報が取得されたら、その取得した前記拾得者関連情報をデータベースに登録するための信号を出力する第2信号出力手段を有する
ことを特徴とする請求項8又は請求項9記載の落とし物回収装置。
【請求項1】
落とし物の拾得者が投入した前記落とし物を回収するための落とし物回収装置であって、
前記拾得者を特定可能な拾得者関連情報を入力する入力手段と、
前記入力手段で入力された前記拾得者関連情報を記憶したIC回路部と情報の送受信を行うタグアンテナとを備えた無線タグ回路素子が設けられたタグ媒体を用いて、落とし物用無線タグの発行処理を行う発行処理手段と、
前記発行処理手段が発行した前記落とし物用無線タグが貼付された前記落とし物を受け入れて収納する収納箱と、
を有することを特徴とする落とし物回収装置。
【請求項2】
拾得者が操作するための第1操作手段を有し、
前記入力手段は、
前記第1操作手段での前記拾得者の操作に応じた前記拾得者関連情報を入力する
ことを特徴とする請求項1記載の落とし物回収装置。
【請求項3】
前記拾得者の所持する拾得者用無線タグと無線通信により情報送受信を行うための第1装置アンテナ手段と、
前記第1装置アンテナ手段を介した無線通信により、前記拾得者用無線タグから、前記拾得者に係わる情報を取得する第1情報取得手段とを有し、
前記入力手段は、
前記第1情報取得手段での情報取得結果に応じた前記拾得者関連情報を入力する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の落とし物回収装置。
【請求項4】
前記発行処理手段は、
前記タグ媒体を搬送する搬送手段と、
前記タグ媒体に備えられた前記無線タグ回路素子に対し、情報送受信可能な第2装置アンテナ手段と、
前記入力手段で入力した前記拾得者関連情報を、前記第2装置アンテナ手段を介し、前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に書き込む情報書き込み手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の落とし物回収装置。
【請求項5】
前記発行処理手段は、
前記タグ媒体又はこれに貼り合わされる被印字媒体に対し、前記拾得者関連情報に対応する印字を行う印字手段と、
前記印字手段の印字が終了後に前記タグ媒体を所定の長さに切断する切断手段とを備え、
前記落とし物用無線タグとして、前記落とし物に貼りつけ可能な無線タグラベルを生成する
ことを特徴とする請求項4記載の落とし物回収装置。
【請求項6】
前記落とし物の落とし主に対し前記拾得者関連情報の報知・不報知を選択入力可能な第2操作手段を有し、
前記情報書き込み手段は、
前記第1操作手段又は前記第2操作手段の選択入力結果に応じ、対応する前記拾得者関連情報の報知・不報知情報を、前記第2装置アンテナ手段を介し、前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に書き込む
ことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の落とし物回収装置。
【請求項7】
前記情報書き込み手段は、
前記落とし物の種類や名称、落とし物を拾得した場所、及び拾得日時のうち少なくとも1つを含む落とし物関連情報を、前記第2装置アンテナ手段を介し前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に書き込む
ことを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項記載の落とし物回収装置。
【請求項8】
前記収納箱に収納された前記落とし物に添付された前記落とし物用無線タグの前記無線タグ回路素子に対し、情報送受信可能な第3装置アンテナ手段と、
前記第3装置アンテナ手段を介した無線通信により、前記情報書き込み手段で前記無線タグ回路素子に書き込まれた前記拾得者関連情報を取得する第2情報取得手段と
を有することを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか1項記載の落とし物回収装置。
【請求項9】
前記第3装置アンテナ手段を介し前記第2情報取得手段で前記拾得者関連情報が取得されたら、対応する報知信号を出力する第1信号出力手段を有する
ことを特徴とする請求項8記載の落とし物回収装置。
【請求項10】
前記第3装置アンテナ手段を介し前記第2情報取得手段で前記拾得者関連情報が取得されたら、その取得した前記拾得者関連情報をデータベースに登録するための信号を出力する第2信号出力手段を有する
ことを特徴とする請求項8又は請求項9記載の落とし物回収装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−79592(P2010−79592A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−247068(P2008−247068)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]