説明

落書き除去剤と除去方法

【課題】建築物等に形成された落書きを、下層の基材や塗膜に損傷を与えることなく、作業者に安全で、かつ容易に除去することができる落書き除去剤および除去方法を提供する。
【解決手段】沸点が100℃以上の1価又は/および2価アルコール系溶剤、水、さらに二酸化珪素、オルガノクレー、ポリアマイド中和塩およびポリウレア系からなる群より選ばれる少なくとも一種の粘性調整剤を含有し、粘度が50〜1500mPa・sに調整された落書き除去剤と、その除去剤をスプレーで噴霧塗布し、落書き又は/および不要塗膜を除去する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物等に形成された落書きを、下層の基材や塗膜に損傷を与えることなく、作業者に安全で、かつ容易に除去することができる落書き除去剤および除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、落書きを除去するために、サンドペーパーで研磨する方法やトルエン等の有機溶剤を噴霧する方法が取られてきた。しかし、サンドペーパーで研磨する方法は、多大な手間を要するばかりでなく、下層の基材や塗膜を削り取り、損傷させる問題があった。トルエン等の有機溶剤を噴霧する方法は、トルエン等の有機溶剤が消防法の危険物に該当し、管理に規制が多いこと、人体に有害で作業の安全性に問題があること等の不利益、弱点があった。さらに、下層が塗膜の場合、溶解、膨潤により変質し、下層がブロック塀や石材といった基材あるいはポーラスな塗膜の場合、落書きが染み込む等の使用上の問題点もあった。
【0003】
特許文献1には、塗膜表面に形成された落書き及び水垢を、塗膜を溶解、膨潤あるいは損傷させることなく除去可能な落書き及び水垢除去剤が提案されている。この除去剤により、塗膜の溶解、膨潤等の異常はなく、落書きをきれいに除去できる。しかし、この除去剤は、グリコール系溶剤とオルガノポリシロキサンが主成分であり、水を含有しないため、引火性が高い。また、この除去剤は、スプレーによる噴霧が考慮されていないため、作業面積が大きい場合には、作業性が悪い。
【0004】
特許文献2には、反応硬化型塗料を塗布することにより形成されたベース塗膜を除去せずに、該ベース塗膜上に常温乾燥型塗料を塗布することにより形成された上塗り塗膜のみを除去することができる塗膜除去剤が提案されている。この除去剤により、ベース塗膜を損傷させることなく、上塗り塗膜を剥離することができる。しかし、この除去剤は、炭素数が2〜3であるアルコールが主成分であるため、引火性が高く、また、気温が高い場合には蒸発防止層が必要となる。この除去剤の塗布方法の一つとして、スプレーを用いることは提案されているが、この除去剤には無機質又は有機質の微粒子10〜60重量%を含むため、スプレーによる噴霧は困難であり、作業面積が大きい場合には、作業性が悪い。また、この除去剤は塗布後にある程度の液たれを生じるため、垂直面での作業性は悪い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−107464号公報
【特許文献2】特開2010−285590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、建築物等に形成された落書きを、下層の基材や塗膜に損傷を与えることなく、作業者に安全で、かつ容易に除去することができる落書き除去剤および除去方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、沸点が100℃以上の1価又は/および2価アルコール系溶剤、水、さらに二酸化珪素、オルガノクレー、ポリアマイド中和塩およびポリウレア系からなる群より選ばれる少なくとも一種の粘性調整剤を含有し、粘度が50〜1500mPa・sに調整された落書き除去剤と、その除去剤をスプレーで噴霧塗布し、落書き又は/および不要塗膜を除去する方法を見出し、本発明に至った。
【0008】
すなわち、本発明は、次に関するものである。
[1]沸点が100℃以上の1価又は/および2価アルコール系溶剤、水、さらに二酸化珪素、オルガノクレー、ポリアマイド中和塩およびポリウレア系からなる群より選ばれる少なくとも一種の粘性調整剤を含有し、粘度が50〜1500mPa・sに調整された落書き除去剤。
[2]沸点が100℃以上の1価又は/および2価アルコール系溶剤50〜98重量%、水1〜40重量%、さらに二酸化珪素、オルガノクレー、ポリアマイド中和塩およびポリウレア系からなる群より選ばれる少なくとも一種の粘性調整剤0.2〜10(固形分)重量%からなる[1]記載の落書き除去剤。
[3]基材湿潤剤又は/および界面活性剤0.05〜2(固形分)重量%を含有する[1]又は[2]記載の落書き除去剤。
[4]基材湿潤剤がポリエーテル変性シロキサン系基材湿潤剤である[3]記載の落書き除去剤。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の落書き除去剤をスプレーで10〜300g/m2の量となるように噴霧塗布し、20秒〜30分間放置後、布等による拭き取り又は/および水洗又は/およびブラシ洗浄することで落書き又は/および不要塗膜を除去する方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、建築物等に形成された落書きを、下層の基材や塗膜に損傷を与えることなく、さらには落書きや汚れを下地に染み込ませることなく、作業者に安全で、かつ容易に除去することができる落書き除去剤および除去方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明を具体的に説明する。
本発明の落書き除去剤および除去方法は、建築物、コンクリート構造物、道路標識、ガードレール、鉄道施設等に形成された落書き又は/および不要塗膜を、下層の基材や塗膜に損傷を与えることなく、さらには落書きや汚れを下地に染み込ませることなく、容易に除去することができる落書き除去剤および除去方法である。基材には、コンクリート、自然石、人造石、レンガ、タイル、セラミックス、ガラス、金属、プラスチック等を例示することができ、多くは基材保護又は美観のために塗料で塗装されている。
【0011】
落書きは、アクリルラッカー、ニトロセルロースラッカー、非水ディスパージョン系常温乾燥塗料、水溶性ラッカー、水分散(エマルジョン)系常温乾燥塗料、合成樹脂調合ペイント、マーキングペン等の常温乾燥塗料で形成されることが多く、本発明においても、これらの落書きが対象となる。また、これらの塗料以外のものによる落書き又は/および不要塗膜も本発明は、対象とすることができる。
【0012】
本発明の落書き除去剤における沸点が100℃以上の1価又は/および2価アルコール系溶剤は、落書きの塗膜に対して濡れやすく、それを膨潤させる作用があるために配合される。1価アルコール系溶剤としては、ブチルアルコール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール等の脂肪族アルコール、ベンジルアルコール、4−メチルベンジルアルコール、2−エチルベンジルアルコール、フェネチルアルコール等の芳香族アルコールが例示できる。2価アルコール系溶剤としては、モノ、ジ、あるいはトリエチレングリコール、及びそれらのメチル、エチル、プロピルおよびブチルエーテルの群から選ばれる(ただしモノエーテルは1価アルコール)。具体的には、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラメチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が例示できる。これらのうち少なくとも一つを含むものであるが、2種以上併用してもかまわない。2種以上併用した場合は、併用した混合溶剤の沸点が100℃以上である必要がある。
【0013】
沸点が100℃以上の1価又は/および2価アルコール系溶剤は、落書き除去剤全体の50〜98重量%配合される。好ましくは60〜95重量%であり、より好ましくは70〜90重量%である。落書き除去性の観点から50重量%以上が好ましく、引火性の観点から98重量%以下が好ましい。沸点が100℃未満の場合、常温使用時も蒸気圧が高く、引火の危険性が高くなる。また、落書き塗膜に浸透する前に蒸発し易く、除去効率が著しく低下する。このような安全性および作業性の観点から、本発明において、沸点は150℃以上がさらに好ましい。
【0014】
本発明の落書き除去剤における水は、引火性を低くするために配合される。水道水、蒸留水、イオン交換水、純水等のいずれでもかまわない。
【0015】
水は、落書き除去剤全体の1〜40重量%配合される。好ましくは3〜30重量%であり、より好ましくは5〜20重量%である。引火性の観点から1重量%以上が好ましく、落書き除去性の観点から40重量%以下が好ましい。
【0016】
本発明の落書き除去剤における粘性調整剤は、チキソトロピー性を付与するために配合される。チキソトロピー性の付与により、垂直面に形成された落書きに対しても、噴霧塗布した落書き除去剤は液ダレしないため、作業効率良く除去作業が行える。粘性調整剤としては、二酸化珪素系、オルガノクレー、ポリアマイド中和塩系、ポリウレア系粘性調整剤からなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
【0017】
二酸化珪素系粘性調整剤としては、微粒子シリカは入手が容易で、易分散性であることから、その他の無機系粘性調整剤に比し格段に優れている。微粒子シリカは天然品、合成品のいずれでも良いが、高極性有機溶剤中でより分散性に優れる合成シリカが好ましい。また、合成方法は気相反応で得られる乾式法、湿式法で得られる沈降性シリカ等、いずれの製法でも問題はないが、乾式法の微粒子シリカの方が粒子径も小さく、高極性有機溶剤中での分散性にも優れ、粘度調整が容易なことから、さらに好ましい。微粒子シリカ選定の目安としては、平均粒子径10μm以下、比表面積100〜400m2/gが好ましい。具体的に市販品を例示すると、東ソーシリカ株式会社のNipsil E200A、Nipsil E220A、冨士シリシア化学株式会社のサイリシア310P、サイリシア320、サイリシア350、サイリシア370、サイリシア380、サイリシア420、サイリシア430、サイリシア550、株式会社トクヤマのレオロシールQS−09、レオロシールQS−10、レオロシールQS−10L、レオロシールQS−102、レオロシールQS−20、レオロシールQS−20A、レオロシールQS−20L、レオロシールQS−30、レオロシールQS−40、レオロシールCP−102、水澤化学工業株式会社のMizukasil NP−8、Mizukasil P−801、Mizukasil P−802、Mizukasil P−526、Mizukasil P−802Y、Mizukasil P−707等が挙げられる。
【0018】
オルガノクレーとしては、スメクタイト類として分類される天然鉱物モンモリロナイト(ベントナイト)、ヘクトライト、サポナイト、層状粘土鉱物、セピオライトなどの鎖状粘土鉱物、さらにはパリゴルスカイトなどの長繊維状粘土鉱物などの粘土鉱物を有機処理したものが挙げられる。上記有機処理は、一般にアルキル四級アンモニウム化合物を用いて行われ、粘土鉱物の表面を疎水化することで、得られたオルガノクレーの分散性を高めている。分散性および粘性発現の点で粘性調整剤としてより好ましいのはセピオライト、又はパリゴルスカイトとスメクタイトなどの結晶構造の異なる粘土鉱物を組み合わせたものを有機処理して得られた米国特許第6036765号明細書に記載されたオルガノクレーである。上記粘性調整剤の商品例としては、BENTONE LT、BENAQUA 4000(Elementis Specialties)、Optigel CK、Optigel LX、Garamite 1958(Rockwood Additives)等を挙げることができる。
【0019】
ポリアマイド中和塩系粘性調整剤とは、カルボン酸とジアミンを反応して得られるポリアマイドを塩基化合物にて中和して得られるもので、一般にはダイマー酸(脂肪酸の二量体)と1級アミンのジアミン化合物との反応で得られる化合物の塩が該当し、好ましくは特開平10−310726号公報に開示されている水系塗料用沈降防止剤である。さらに好ましくは中和剤がアミン化合物である。具体的に市販品を例示すると、伊藤製油株式会社のA−S−A TW121、A−S−A TW−122、A−S−A TW−123、A−S−A TW−124、楠本化成株式会社のディスパロンAQ−580、ディスパロンAQ−600、ディスパロンAQ−607、ディスパロンAQ−610、ディスパロンAQ−630、ディスパロンAQ−870、ディスパロンAQH−800等が挙げられる。
【0020】
ポリウレア系粘性調整剤とは、モノイソシアネート又はジイソシアネート化合物と1級又は2級ポリアミンとの反応で得られる粘性調整剤で、本発明の溶液中では、0.01〜50μmの粒子として存在する。具体的に市販品を例示すると、ビッグケミー社のBYK−410、BYK−411、BYK−420、BYK−425、BYK−428等が挙げられる。
【0021】
粘性調整剤は、落書き除去剤全体の0.2〜10(固形分)重量%配合される。好ましくは0.5〜9(固形分)重量%であり、より好ましくは1〜8(固形分)重量%である。チキソトロピー性の観点から0.2(固形分)重量%以上が好ましく、スプレーによる噴霧性の観点から10(固形分)重量%以下が好ましい。また、本発明において粘度は50〜1500mPa・sに調整される必要があり、好ましくは80〜1000mPa・s、さらに好ましくは100〜500mPa・sである。50mPa・s未満では塗布した時、液ダレし易く、落書き塗膜に染み込みにくくなり、十分な効果が得られなくなる。1500mPa・sを超えるとスプレー塗布が著しく困難になる。尚、本発明における粘度とは、B型粘度計における60rpmでの測定(25℃)で得られる値である。
【0022】
本発明の落書き除去剤においては、他の水系用粘性調整剤、例えば、セルロース系粘性調整剤、ポリカルボン酸系粘性調整剤、ウレタン会合型粘性調整剤を配合しても良いが、有機溶剤の比率が高いと、セルロース系粘性調整剤の場合、貯蔵時、分離沈降が生じることがあり、ポリカルボン酸系粘性調整剤およびウレタン会合型粘性調整剤は粘度発現性が乏しいことがある。
【0023】
本発明の落書き除去剤においては、基材湿潤剤を配合しても良い。基材湿潤剤は、落書き除去剤の基材への湿潤性を高め、落書き除去性を向上させる働きがある。基材湿潤剤としては、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、いずれも使用できるが、金属素材等への影響の少ない非イオン界面活性剤が好ましい。非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのような高級アルコールエーテル系界面活性剤、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルのようなスチレン化フェノール系界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル等のエーテル・エステル系界面活性剤、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーを挙げることができる。これら界面活性剤のHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)は8〜16が好ましい。
【0024】
また、アセチレンジオール系基材湿潤剤、アセチレン変性シロキサン系基材湿潤剤、ポリエーテル変性シロキサン系基材湿潤剤、フッ素含有基材湿潤剤等の基材湿潤剤も好適に使用できる。アセチレンジオール系基材湿潤剤の具体的な商品名としては、エアープロダクト社製のサーフィノール104、サーフィノール504、サーフィノールMD−20、サーフィノールDF−110D、エボニック・デグサ社製のTEGO Wet520、アセチレン変性シロキサン系基材湿潤剤の具体的な商品名としては、エアープロダクト社製のサーフィノールDF−66、ポリエーテル変性シロキサン系およびフッ素含有基材湿潤剤の具体的な商品名としては、ビッグケミー社製のBYK−307、BYK−345、BYK−346、BYK−348、BYK−3455、エボニック・デグサ社製のTEGO Wet250、TEGO Wet260、TEGO Wet280、TEGO Twin4000、TEGO Twin4100、共栄社化学株式会社製のポリフローKL−100、ポリフローKL−600、ポリフローKL−700等が挙げられる。上記基材湿潤剤の中でもポリエーテル変性シロキサン系基材湿潤剤が本発明の落書き除去剤の基材への濡れ性向上の観点で好適である。
【0025】
基材湿潤剤又は/および界面活性剤は、落書き除去剤全体の0.05〜2(固形分)重量%配合される。好ましくは0.08〜1.5(固形分)重量%であり、より好ましくは0.1〜1(固形分)重量%である。基材湿潤性の観点から0.05(固形分)重量%以上が好ましく、2(固形分)重量%以下が好ましい。
【0026】
更に、本発明における落書き除去剤には必要に応じて適宜、各種添加剤、例えば、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、香料等を配合してもよい。
【0027】
本発明の落書き除去剤は、上記の各成分を配合したものであるが、使用する各成分は比較的揮発性が低いため、組成変動が少なく、長期間安定して良好な落書き除去効果を発揮できる。また、本発明の落書き除去剤は、人体への影響が大きい成分を含有しないため、作業上安全である。
【0028】
本発明の落書き除去剤は、落書き等の対象物に、スプレーで10〜300g/m2の量となるように噴霧塗布し、20秒〜30分間放置後、布等による拭き取り又は/および水洗又は/およびブラシ洗浄することで、落書き又は不要塗膜を除去する方法が好ましい。ここで、スプレーとは、洗剤の塗布等に使用されるトリガースプレー、薬剤の散布等に使用される手動式噴霧器、吹き付け型ラッカースプレーに使用されるような圧縮ガスを用いて噴霧するエアーゾールスプレー等、噴霧塗布が可能であれば問題なく使用できる。尚、トリガースプレーとは、トリガーレバーを引くことにより、容器内の液体を噴射するものであり、市販で比較的安価に入手できる。
【0029】
本発明の落書き除去剤は、噴霧以外の方法でも塗布することができ、例えば、刷毛・ローラーによる塗布、又はスポンジ等に染み込ませ擦る等の方法を挙げることができる。しかし、噴霧以外のいずれの方法においても、面積が狭い場合は問題ないものの、広い面積・或いは限られた時間での作業を余儀なくされる場合、作業効率の点で好ましいとは言えない。本発明の落書き除去剤は、市販のトリガースプレーによる方法が一般の家庭での利用に最も適しており、10〜300g/m2、好ましくは50〜200g/m2の量となるように噴霧塗布し、噴霧後も液ダレせず、20秒〜30分間放置後、布等による拭き取り又は/および水洗又は/およびブラシ洗浄等することで、落書き等を簡単に除去することができる。下地がポーラスな面の落書きを除去する方法として、最も効率的な除去方法は、落書き除去剤塗布後、高圧水洗で洗浄することである。
【実施例】
【0030】
以下には、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。
【0031】
[実施例1]
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチセノール20、協和発酵ケミカル株式会社製、沸点230℃)82.2部、水道水10.0部、微粒子シリカ(商品名:レオロシールQS−102、株式会社トクヤマ製、固形分100%)6.8部、防錆剤(商品名:チオライトC−560R13、千代田ケミカル株式会社製)0.5部を混合撹拌して、除去剤Aを作製した。25℃における粘度は、900mPa・sであった。粘度の測定は、VISCOMETER TV−20(東機産業株式会社製)を用いて、H3ローターにて60rpm−1分間で行った。
【0032】
[実施例2]
実施例1の除去剤Aに界面活性剤(商品名:リカノンUA−5012、新日本理化株式会社製)0.5部を混合撹拌して、除去剤Bを作製した。25℃における粘度は、800mPa・sであった。
【0033】
[実施例3]
実施例1の除去剤Aにポリエーテル変性シロキサン系基材湿潤剤(商品名:TEGO Wet280、エボニック・デグサ社製)0.5部を混合撹拌して、除去剤Cを作製した。25℃における粘度は、800mPa・sであった。
【0034】
[実施例4]
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチセノール20、協和発酵ケミカル株式会社製、沸点230℃)81.0部、水道水8.0部、ポリアマイドアミン塩(商品名:ディスパロンAQ−600、楠本化成株式会社製、固形分20%)10.0部、ポリエーテル変性シロキサン系基材湿潤剤(商品名:TEGO Twin4100、エボニック・デグサ社製)0.5部、防錆剤(商品名:チオライトC−560R13、千代田ケミカル株式会社製)0.5部を混合撹拌して、除去剤Dを作製した。25℃における粘度は、250mPa・sであった。
【0035】
[実施例5]
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチセノール20、協和発酵ケミカル株式会社製、沸点230℃)81.0部、水道水8.0部、ポリアマイドアミン塩(商品名:ディスパロンAQ−600、楠本化成株式会社製、固形分20%)10.0部、界面活性剤(商品名:リカノンUA−5012、新日本理化株式会社製)0.5部、防錆剤(商品名:チオライトC−560R13、千代田ケミカル株式会社製)0.5部を混合撹拌して、除去剤Eを作製した。25℃における粘度は、250mPa・sであった。
【0036】
[実施例6]
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチセノール20、協和発酵ケミカル株式会社製、沸点230℃)67.0部、水道水20.0部、微粒子シリカ(商品名:レオロシールQS−102、株式会社トクヤマ製、固形分100%)4.0部、ポリアマイドアミン塩(商品名:ディスパロンAQ−600、楠本化成株式会社製、固形分20%)8.0部、界面活性剤(商品名:ノイゲンTDS−100、第一工業製薬株式会社製)0.5部、防錆剤(商品名:チオライトC−560R13、千代田ケミカル株式会社製)0.5部を混合撹拌して、除去剤Fを作製した。25℃における粘度は、500mPa・sであった。
【0037】
[実施例7]
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチセノール20、協和発酵ケミカル株式会社製、沸点230℃)67.0部、水道水20.0部、微粒子シリカ(商品名:レオロシールQS−102、株式会社トクヤマ製、固形分100%)4.0部、ポリアマイドアミン塩(商品名:ディスパロンAQ−600、楠本化成株式会社製、固形分20%)8.0部、ポリエーテル変性シロキサン系基材湿潤剤(商品名:TEGO Twin4100、エボニック・デグサ社製)0.5部、防錆剤(商品名:チオライトC−560R13、千代田ケミカル株式会社製)0.5部を混合撹拌して、除去剤Gを作製した。25℃における粘度は、500mPa・sであった。
【0038】
[実施例8]
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチセノール20、協和発酵ケミカル株式会社製、沸点230℃)82.2部、水道水11.8部、オルガノクレー(商品名:Garamite 1958、Rockwood Additives Ltd.製、固形分100%)5.0部、界面活性剤(商品名:リカノンUA−5012、新日本理化株式会社製)0.5部、防錆剤(商品名:チオライトC−560R13、千代田ケミカル株式会社製)0.5部を混合撹拌して、除去剤Hを作製した。25℃における粘度は、950mPa・sであった。
【0039】
[実施例9]
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチセノール20、協和発酵ケミカル株式会社製、沸点230℃)82.2部、水道水11.8部、オルガノクレー(商品名:Garamite 1958、Rockwood Additives Ltd.製、固形分100%)5.0部、ポリエーテル変性シロキサン系基材湿潤剤(商品名:TEGO Twin4100、エボニック・デグサ社製)0.5部、防錆剤(商品名:チオライトC−560R13、千代田ケミカル株式会社製)0.5部を混合撹拌して、除去剤Iを作製した。25℃における粘度は、950mPa・sであった。
【0040】
[実施例10]
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチセノール20、協和発酵ケミカル株式会社製、沸点230℃)82.2部、水道水11.8部、オルガノクレー(商品名:Garamite 1958、Rockwood Additives Ltd.製、固形分100%)5.0部、ポリエーテル変性シロキサン系基材湿潤剤(商品名:BYK−307、ビックケミー社製)0.5部、防錆剤(商品名:チオライトC−560R13、千代田ケミカル株式会社製)0.5部を混合撹拌して、除去剤Jを作製した。25℃における粘度は、950mPa・sであった。
【0041】
[実施例11]
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチセノール20、協和発酵ケミカル株式会社製、沸点230℃)50.0部、水道水39.0部、ポリアマイドアミン塩(商品名:ディスパロンAQ−600、楠本化成株式会社製、固形分20%)10.0部、界面活性剤(商品名:リカノンUA−5012、新日本理化株式会社製)0.5部、防錆剤(商品名:チオライトC−560R13、千代田ケミカル株式会社製)0.5部を混合撹拌して、除去剤Kを作製した。25℃における粘度は、350mPa・sであった。
【0042】
[比較例1]
イソプロピルアルコール(商品名:IPA、安藤パラケミー株式会社製、沸点82℃)80.0部、水道水10.0部、ポリアマイドアミン塩(商品名:ディスパロンAQ−600、楠本化成株式会社製、固形分20%)10.0部、界面活性剤(商品名:リカノンUA−5012、新日本理化株式会社製)0.5部、防錆剤(商品名:チオライトC−560R13、千代田ケミカル株式会社製)0.5部を混合撹拌して、除去剤Lを作製した。25℃における粘度は、200mPa・sであった。
【0043】
[比較例2]
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチセノール20、協和発酵ケミカル株式会社製、沸点230℃)80.0部、水道水9.0部、ポリアクリルエマルション系粘性調整剤(商品名:プライマルASE−60、ダウ・コーニング(旧ローム&ハース)社製、固形分28%)10.0部、界面活性剤(商品名:リカノンUA−5012、新日本理化株式会社製)0.5部、防錆剤(商品名:チオライトC−560R13、千代田ケミカル株式会社製)0.5部を混合撹拌して、除去剤Mを作製した。25℃における粘度は、30mPa・sであった。
【0044】
[比較例3]
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチセノール20、協和発酵ケミカル株式会社製、沸点230℃)70.0部、水道水7.0部、微粒子シリカ(商品名:レオロシールQS−102、株式会社トクヤマ製、固形分100%)8.0部、ポリアマイドアミン塩(商品名:ディスパロンAQ−600、楠本化成株式会社製、固形分20%)15.0部、界面活性剤(商品名:リカノンUA−5012、新日本理化株式会社製)0.5部、防錆剤(商品名:チオライトC−560R13、千代田ケミカル株式会社製)0.5部を混合撹拌して、除去剤Nを作製した。25℃における粘度は、2000mPa・sであった。
【0045】
[比較例4]
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチセノール20、協和発酵ケミカル株式会社製、沸点230℃)70.0部、水道水10.0部、3%ヘキシルエチルセルロース溶解液(商品名:HEC AW−15F、住友精化株式会社製を水道水に溶解して3%水溶液としたもの)20.0部、界面活性剤(商品名:リカノンUA−5012、新日本理化株式会社製)0.5部、防錆剤(商品名:チオライトC−560R13、千代田ケミカル株式会社製)0.5部を混合撹拌して、除去剤Oを作製した。25℃における粘度は、60mPa・sであった。
【0046】
[比較例5]
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチセノール20、協和発酵ケミカル株式会社製、沸点230℃)70.0部、水道水10.0部、脂肪酸ポリアマイド(商品名:チクゾールW−300、共栄社化学株式会社製、固形分25%)20.0部、ポリエーテル変性シロキサン系基材湿潤剤(商品名:TEGO Twin4100、エボニック・デグサ社製)0.5部、防錆剤(商品名:チオライトC−560R13、千代田ケミカル株式会社製)0.5部を混合撹拌して、除去剤Pを作製した。25℃における粘度は、70mPa・sであった。
以上の除去剤A〜Pの配合成分、粘度、安定性(外観)を表1に示す。
【0047】
<安定性外観評価>
経時的(1日後)な外観変化を評価した。評価基準は以下の通り。◎:変化なし。×:粘度調整剤等の凝集沈降が見られる。
【0048】
【表1】

【0049】
配合成分は、次の通りである。
1価又は/および2価アルコール系溶剤1:ジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチセノール20、協和発酵ケミカル株式会社製、沸点230℃)
1価又は/および2価アルコール系溶剤2:イソプロピルアルコール(商品名:IPA、安藤パラケミー株式会社製、沸点82℃)
粘性調整剤1:微粒子シリカ(商品名:レオロシールQS−102、株式会社トクヤマ製、固形分100%)
粘性調整剤2:ポリアマイドアミン塩(商品名:ディスパロンAQ−600、楠本化成株式会社製、固形分20%)
粘性調整剤3:オルガノクレー(商品名:Garamite 1958、Rockwood Additives Ltd.製、固形分100%)
粘性調整剤4:ポリアクリルエマルション系粘性調整剤(商品名:プライマルASE−60、ダウ・コーニング(旧ローム&ハース)社製、固形分28%)
粘性調整剤5:3%ヘキシルエチルセルロース溶解液(商品名:HEC AW−15F、住友精化株式会社製を水道水に溶解して3%水溶液としたもの)
粘性調整剤6:脂肪酸ポリアマイド(商品名:チクゾールW−300、共栄社化学株式会社製、固形分25%)
界面活性剤1:商品名:リカノンUA−5012、新日本理化株式会社製
界面活性剤2:商品名:ノイゲンTDS−100、第一工業製薬株式会社製
基材湿潤剤1:ポリエーテル変性シロキサン系基材湿潤剤(商品名:TEGO Wet280、エボニック・デグサ社製)
基材湿潤剤2:ポリエーテル変性シロキサン系基材湿潤剤(商品名:TEGO Twin4100、エボニック・デグサ社製)
基材湿潤剤3:ポリエーテル変性シロキサン系基材湿潤剤(商品名:BYK−307、ビックケミー社製)
防錆剤:商品名:チオライトC−560R13、千代田ケミカル株式会社製
【0050】
除去剤の評価は、次の通りに行い、その結果を表2に示す。
<液ダレ抵抗性評価>
すきま厚300μmと200μmのドクダーブレードにて、ブリキ板に除去剤を塗布して、すばやく垂直に立てかけて、5分間経過後、液ダレ性を評価した。評価基準は以下の通り。◎:300μmでも全くタレない。○:300μmでややタレが見られるものの、200μmでは全くタレない。△:200μmでややタレが見られる。×:200μmで全体的にタレが見られる。
【0051】
<スプレー適性評価>
コンクリートブロックの垂直面に、トリガースプレー(商品名:キャニヨンスプレーCHS−3AN、キャニヨン株式会社製)により除去剤を噴霧塗布し、適性を評価した。吐出性の評価基準は以下の通り。◎:全く問題なく吐出する。○:吐出するものの少量。△:しばらくすると吐出しなくなる。×:全く吐出しない。また、霧化性の評価基準は以下の通り。◎:全く問題なく霧化する。○:霧化するものの少量。×:全く霧化しない。
【0052】
<落書き除去性評価1>
ブリキ板にラッカースプレー(商品名:カンペラッカースプレーA(赤)、株式会社カンペハピオ製)を塗布し24時間乾燥させた。塗布面が垂直になるようにこの対象物を立てかけて、該塗布面にトリガースプレーにより除去剤を100g/m2噴霧塗布し、室温で30秒間放置後、綿布で拭き取り、塗膜の除去性を目視で評価した。評価基準は以下の通り。◎:完全除去。○:ほぼ除去されたが、わずかに消し跡が見られる。△:一部除去されないで残る。×:ほとんど除去されない。
【0053】
<落書き除去性評価2>
建築用外装塗料を塗布したスレート板にラッカースプレー(商品名:カンペラッカースプレーA(赤)、株式会社カンペハピオ製)を塗布し24時間乾燥させた。塗布面が垂直になるようにこの対象物を立てかけて、該塗布面にトリガースプレーにより除去剤を200g/m2噴霧塗布し、室温で2分間放置後、綿布で拭き取り、塗膜の除去性を目視で評価した。評価基準は以下の通り。◎:完全除去。○:ほぼ除去されたが、わずかに消し跡が見られる。△:一部除去されないで残る。×:ほとんど除去されない。同時に、下地への影響を目視で評価した。評価基準は以下の通り。◎:影響なし。×:塗膜の溶出又は剥がれが見られる。
【0054】
<落書き除去性評価3>
コンクリートブロックにラッカースプレー(商品名:ラッカースプレー(黒、青、銀、黄、赤の5色)、コーナン商事株式会社製)を塗布し、日当たりが良く、雨風に曝される屋外で40日間放置させた。塗布面が垂直になるようにこの対象物を立てかけて、該塗布面にトリガースプレーにより除去剤を300g/m2噴霧塗布し、室温で5分、10分および20分間放置後、それぞれブラシ洗浄とウエスによる拭き取りおよびケルヒャー製の高圧洗浄機(常用吐出圧力6MPa、常用吐出水量280L/h)を用いて約1分間高圧水洗を行い、塗膜の除去性を目視で評価した。評価基準は以下の通り。◎:完全除去。○:ほぼ除去されたが、わずかに消し跡が見られる。△:一部除去されないで残る。×:ほとんど除去されない。
【0055】
【表2】

【0056】
本発明の実施例は、液ダレ抵抗性において優れ、スプレーによる噴霧が可能で、落書きを想定したラッカースプレー塗膜を完全に除去することができ、また下地塗膜への影響もなかった。比較例3はスプレーで噴霧することができず、比較例1は落書き塗膜への浸透性・除去性が著しく劣り、また下地塗膜への影響があった。比較例2と4と5は十分な粘性が得られなかったため、液ダレしやすく、落書き除去性が劣った。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の落書き除去剤および除去方法によれば、基材として、コンクリート、自然石、人造石、レンガ、タイル、セラミックス、ガラス、金属、プラスチック等からなる建築物等に形成された落書きを、下層の基材や塗膜に損傷を与えることなく、作業者に安全で、かつ容易に除去することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
沸点が100℃以上の1価又は/および2価アルコール系溶剤、水、さらに二酸化珪素、オルガノクレー、ポリアマイド中和塩およびポリウレア系からなる群より選ばれる少なくとも一種の粘性調整剤を含有し、粘度が50〜1500mPa・sに調整された落書き除去剤。
【請求項2】
沸点が100℃以上の1価又は/および2価アルコール系溶剤50〜98重量%、水1〜40重量%、さらに二酸化珪素、オルガノクレー、ポリアマイド中和塩およびポリウレア系からなる群より選ばれる少なくとも一種の粘性調整剤0.2〜10(固形分)重量%からなる請求項1記載の落書き除去剤。
【請求項3】
基材湿潤剤又は/および界面活性剤0.05〜2(固形分)重量%を含有する請求項1又は2記載の落書き除去剤。
【請求項4】
基材湿潤剤がポリエーテル変性シロキサン系基材湿潤剤である請求項3記載の落書き除去剤。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の落書き除去剤をスプレーで10〜300g/m2の量となるように噴霧塗布し、20秒〜30分間放置後、布等による拭き取り又は/および水洗又は/およびブラシ洗浄することで落書き又は/および不要塗膜を除去する方法。

【公開番号】特開2013−108062(P2013−108062A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−225976(P2012−225976)
【出願日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【出願人】(000001409)関西ペイント株式会社 (815)
【出願人】(593084052)株式会社カンペハピオ (1)
【出願人】(592007612)横浜油脂工業株式会社 (29)
【Fターム(参考)】