説明

落葉果樹の自発休眠覚醒剤及び自発休眠覚醒方法

【課題】落葉果樹の新規な自発休眠覚醒剤の提供。
【解決手段】本発明は、カルボニル基を構成する炭素原子と水酸基が結合した炭素原子が、α位の位置にある、炭素原子数が4〜24のケトール脂肪酸を含んで成る、落葉果樹の自発休眠覚醒剤、を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、落葉果樹の新規な自発休眠覚醒剤及び自発休眠覚醒方法に関する。
【背景技術】
【0002】
夏期の間に形成した落葉果樹の花芽は、翌年の開花に備え冬期に休眠に入る。春期に休眠から覚醒して開花するためには(休眠打破)、冬期の休眠中一定量の低温に遭遇する必要がある。しかしながら、気候温暖化が進んで冬期の気温が上昇すると、落葉果樹は休眠不足となり、発芽・開花の不ぞろいや、開花遅延等の問題が生じる恐れがある。実際に、暖冬の年に暖地や加温ハウスでニホンナシを栽培する場合、「眠り症」と呼ばれる発芽・開花不良が生じるが、近年の地球温暖化に伴い、眠り症は各地で深刻化している。
【0003】
このような休眠状態を人為的に打破して花芽を覚醒させるために、石灰窒素上澄み液やその有効成分を抽出したシアナミド剤のような自発休眠覚醒剤(又は休眠打破剤)が利用されている。しかしながら、これらの自発休眠覚醒剤には人体や周囲の環境に有害なものもあることが知られている。例えば、シアナミド剤の有効成分であるシアナミドは、薬害を生じやすい上に、毒性が強く、使用者である生産者の健康を脅かす。従って、毒性や環境負荷のない新規な自発休眠覚醒剤の開発が望まれている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−29410号公報
【特許文献2】特開2001−131006号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、落葉果樹の自発休眠覚醒が確実にでき、且つ毒性や環境へ悪影響・負荷が無い自発休眠覚醒剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ジャスモン酸と類縁のケトール脂肪酸は、植物内性の生理活性物質であり、植物に普遍的に存在している。特定のケトール脂肪酸(別名KODA)は花芽形成促進作用、キノコ類の成長促進剤を発揮することが報告されている(特開平11−29410号公報、特開2001−131006号公報等)。本発明者が休眠状態にあるニホンナシに特定のケトール脂肪酸を適用したところ、休眠が打破されることが明らかとなり、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本願は以下の発明を包含する。
[1]カルボニル基を構成する炭素原子と水酸基が結合した炭素原子が、α位の位置にある、炭素原子数が4〜24のケトール脂肪酸を含んで成る、落葉果樹の自発休眠覚醒剤。
[2]前記ケトール脂肪酸が9,10−α−ケトールオクタデカジエン酸である、[1]に記載の落葉果樹の自発休眠覚醒剤。
[3]前記落葉果樹がニホンナシである、[1]又は[2]の自発休眠覚醒剤。
[4][1]又は[2]の自発休眠覚醒剤を落葉果樹の枝に適用する工程を含んで成る、落葉果樹の自発休眠覚醒方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の自発休眠覚醒剤は、元来植物の体内に広く存在する生理活性物質である特定のケトール脂肪酸を活性成分として利用するものであり、人体、環境への毒性・負荷がほとんどないことから、従来の自発休眠覚醒剤と比較して有利なものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明で使用するケトール脂肪酸は、上記の通り、炭素原子数が4〜24のケトール脂肪酸である(以下、このケトール脂肪酸を「特定ケトール脂肪酸」ともいう)。すなわち、特定ケトール脂肪酸は、その炭素原子数が4〜24であることを特徴とする、アルコールの水酸基とケトンのカルボニル基とを同一分子内に有する脂肪酸である。
【0010】
また、本発明において、特定ケトール脂肪酸は、カルボニル基を構成する炭素原子と水酸基が結合した炭素原子がα位またはγ位の位置にあることが、所望する自発休眠覚醒効果を発揮するうえで好ましく、特に、α位であることがこの観点から好ましい。
【0011】
また、特定ケトール脂肪酸には、炭素間の二重結合が1〜6か所(ただし、この二重結合数は、ケトール脂肪酸の炭素結合数を超えることはない)存在することが、所望する自発休眠覚醒効果を発揮するうえで好ましい。
【0012】
また、特定ケトール脂肪酸の炭素原子数は18であり、かつ、炭素間の二重結合が2か所存在することが好ましい。
【0013】
特定ケトール脂肪酸の具体例としては、例えば9−ヒドロキシ−10−オキソ−12(Z),15(Z)−オクタデカジエン酸〔以下,特定ケトール脂肪酸(I)ということもある〕、13−ヒドロキシ−12−オキソ−9(Z),15(Z)−オクタデカジエン酸〔以下,特定ケトール脂肪酸(II)ということもある〕、13−ヒドロキシ−10−オキソ−11(E),15(Z)−オクタデカジエン酸〔以下、特定ケトール脂肪酸(III)ということもある〕、9−ヒドロキシ−12−オキソ−10(E),15(Z)−オクタデカジエン酸〔以下、特定ケトール脂肪酸(IV)ということもある〕等を挙げることができる。
【0014】
以下に、特定ケトール脂肪酸(I)〜(IV)の化学構造式を記載する。
【0015】
【化1】

【0016】
なお、その他の特定ケトール脂肪酸の化学構造式並びにこれらの特定ケトール脂肪酸の化学合成法については特開2001−131006号公報(上掲)で開示されている通りである。
【0017】
本発明の自発休眠覚醒剤によると、当該自発休眠覚醒剤を休眠状態の落葉果樹に適用することにより、当該休眠を打破することができる。ここで、本発明の自発休眠覚醒剤で処理することが意図される落葉果樹は、限定することを意図するものではないが、仁果類、例えば、ナシ、リンゴ、マルメロ、カリン、核果類、例えばモモ、スモモ、アンズ、ウメ、オウトウ、液果類、例えばカキ、ブドウ、そして殻果類、例えばクルミ、クリ、アーモンド等が含まれる。
【0018】
自発休眠覚醒剤中に含まれる特定ケトール脂肪酸の量は、その使用態様や使用する対象となる落葉果樹の種類、さらには自発休眠覚醒剤の具体的な剤形等に応じて選択することが可能である。効果の確実性の観点からは、特定ケトール脂肪酸の量は自発休眠覚醒剤中0.3〜3000ppmであることが好ましく、3〜300ppmであることがより好ましい。
【0019】
本発明の自発休眠覚醒剤の剤形としては、例えば、液剤、固形剤、粉剤、乳剤、底床添加剤等の剤形が挙げられ、その剤形に応じて、製剤学上適用することが可能な公知の担体成分、製剤用補助剤等を本発明の所期の効果である自発休眠覚醒効果が損なわれない限度において、適宜配合することができる。例えば、担体成分としては、特定ケトール脂肪酸を含む剤形が底床添加剤または固形剤である場合には、概ねタルク、クレー、バーミキュライト、珪藻土、カオリン、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、白土、シリカゲル等の無機質や小麦粉、澱粉等の固体担体が;また液剤である場合には、概ね水、キシレン等の芳香族炭化水素類、エタノール、エチレングリコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の液体担体が上記の担体成分として用いられる。また製剤用補助剤としては、例えばアルキル硫酸エステル類、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等の陰イオン界面活性剤、高級脂肪族アミンの塩類等の陽イオン界面活性剤、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコールアシルエステル、ポリオキシエチレングリコール多価アルコールアシルエステル、セルロース誘導体等の非イオン界面活性剤、ゼラチン、カゼイン、アラビアゴム等の増粘剤、増量剤、結合剤等を適宜配合することができる。
【0020】
本発明の自発休眠覚醒剤は、落葉果樹全体又はその一部、例えば枝、特に枝に着生した花芽に液剤や乳剤として散布、滴下、塗布等することや、固形剤や粉剤として土壌から吸収させること等が可能である。
【0021】
また、製剤用補助剤としては、例えばアルキル硫酸エステル類、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホンコハク酸塩等の陰イオン界面活性剤、高級脂肪族アミンの塩類等の陽イオン界面活性剤、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコールアシルエステル、ポリオキシエチレングリコール多価アルコールアシルエステル、セルロース誘導体の非イオン界面活性剤、ゼラチン、カゼイン、アラビアゴム等の増粘剤、増量剤、又は結合剤等を適宜配合することができる。
【0022】
さらに必要に応じて、他の自発休眠覚醒剤や、安息香酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ピペコリン酸等を、本発明の所期の効果を損なわない限度において、特定ケトール脂肪酸を含む剤形中に配合することが出来る。
【実施例】
【0023】
後述するニホンナシの自発休眠覚醒においては、特定ケトール酸として9−ヒドロキシ−10−オキソ−12(Z),15(Z)−オクタデカジエン酸が用いられる。当該特定ケトール酸は以下のとおり酵素法を用いて調製した。
【0024】
1.コメ胚芽由来のリポキシゲナーゼの調製
コメ胚芽350gを石油エーテルで洗浄、脱脂及び乾燥したもの(250g)を、0.1M酢酸緩衝液(pH4.5)1.25Lに懸濁し、この懸濁物をホモジナイズした。
【0025】
次いで、かかるホモジナイズ抽出液を16000rpmで15分間遠心分離し、上清(0.8L)を得た。得られた上清に硫酸アンモニウム140.8g (0〜30%飽和)を加え、4℃で一晩放置した。その後、9500rpm で30分間遠心を行い、得られた上清(0.85L)に硫酸アンモニウム232g (70%飽和)を添加して、4℃で5時間放置した。
【0026】
次に、同様に9500rpm で30分間遠心を行い、これにより得られた沈澱物(コメ胚芽抽出液の硫安30〜70%飽和画分)をpH4.5の酢酸緩衝液300mlに溶解し、63℃で5分間加熱処理を行った。その後、生成した沈澱物を除去して、得られた上清をRC透析チューブ(Spectrum社製ポア4:MWCO 12000〜14000 )を用いて透析(3L×3)により脱塩後、所望するコメ胚芽由来のリポキシゲナーゼの粗酵素液を得た。
【0027】
2.アマ種子由来のアレンオキサイドシンターゼの調製
アマ種子は一丸ファルコスから購入した。このアマ種子200g に、アセトン250mlを添加してホモジナイズ(20s ×3)し、得られた沈澱物を目皿ロートで濾取し、溶媒を除去した。次いで、沈澱物を再びアセトン250mlに懸濁してホモジナイズ(10s ×3)し、沈澱物を得た。沈澱物をアセトン及びエチルエーテルで洗浄後、乾燥して、アマ種子のアセトン性粉を得た(150g )。
【0028】
このアマ種子のアセトン粉末を、氷冷下50mMリン酸緩衝液(pH7.0)400mlに懸濁し、これを0℃で1時間スターラー攪拌を施して抽出した。得られた抽出物に11000rpm で30分間遠心し、これにより得られた上清(380ml)に硫酸アンモニウム105.3g (0〜45%飽和)を加え、氷冷下で1時間静置し、さらに11000rpm で30分間遠心して得られた沈澱物を、50mMリン酸緩衝液(pH7.0)150mlに溶解し、透析して脱塩し(3L×3)、所望するアマ種子由来のアレンオキサイドシンターゼの粗酵素液を得た。
【0029】
3.α−リノレン酸のナトリウム塩の調製
出発原料とするα−リノレン酸は、水における溶解性が著しく低いので、酵素基質として働くことを容易にするために、α−リノレン酸をナトリウム塩化した。すなわち、炭酸ナトリウム530mgを、精製水10mlに溶解して55℃に加温し、これにα−リノレン酸(ナカライテスク社)を278mg滴下して、3時間攪拌した。反応終了後、Dawex50wxk(H+ form) (ダウケミカル社製)で中和すると、沈澱物が生成した。これを濾過して樹脂を除き、MeOHで洗浄後、減圧下で溶媒を留去した。これにより得られた生成物をイソプロパノールで再結晶し、所望するα−リノレン酸のナトリウム塩(1250mg,83%)を得た。
【0030】
4.9−ヒドロキシ−10−オキソ−12(Z),15(Z)−オクタデカジエン酸の製造
上記3により得られたα−リノレン酸のナトリウム塩(15mg:50μmol )を、0.1Mのリン酸緩衝液(pH7.0)30mlに溶解した。次いで、この溶液に、酸素気流下、25℃で上記1により得たコメ胚芽由来のリポキシゲナーゼの粗酵素液を3.18ml添加した後、30分間攪拌した後、さらに同じくコメ胚芽由来のリポキシゲナーゼの粗酵素液を3.18mlを添加して、30分間攪拌した。この攪拌終了後、このリポキシゲナーゼ反応物に、窒素気流下で上記2で得たアレンオキサイドシンターゼの粗酵素液を34.5ml添加して、1時間攪拌した後、氷冷下希塩酸を添加して、反応溶液のpHを3.0に調整した。
【0031】
次いで、反応液をCHCl3 −MeOH=10:1で抽出した。得られた有機層に硫酸マグネシウムを加えて脱水し、減圧下、溶媒を留去して乾燥した。このようにして得られた粗生成物をあらためてHPLCにかけて、その特定ケトール脂肪酸(I)と認められるピーク(リテンションタイム:16分付近)を分取した。分取した画分にクロロホルムを加え、クロロホルム層を分離して水洗し、エバポレーターでこのクロロホルムを留去して、精製物を得た。
【0032】
この精製物の構造を確認するために重メタノール溶液で1H,及び13C−NMRスペクトルを測定した。その結果、1H−NMRにおいて、末端メチル基〔δ0.98(t) 〕,2組のオレフィン〔(δ5.25,5.40),(δ5.55,5.62 )〕,2級水酸基〔δ4.09(dd)〕及び多数のメチレンに基づくシグナルが認められ、特定ケトール脂肪酸(I)と同一化合物と推定された。
【0033】
さらに、13C−NMRのケミカルシフト値を比較したところ、特定ケトール脂肪酸(I)〔特開平10−324602号公報第7頁の第11欄下から第1行目以降に記載されている「製造例(抽出法)」における13C−NMRのケミカルシフト値(同公開公報第8頁第13欄第2行目以降段落番号[0054]及び[0055]に記載)〕と一致した。よって、上記のようにして得た酵素法による合成品は、上文で定義した特定ケトール脂肪酸に属する、9−ヒドロキシ−10−オキソ−12(Z),15(Z)−オクタデカジエン酸であることが明らかとなった。
【0034】
5.噴霧剤の調製
上述のように調製した特定ケトール脂肪酸は、10μM、100μM、1000μMの濃度の濃度となるように純水中で適宜希釈することにより噴霧剤へと調製した。
【0035】
6.休眠覚醒試験
本試験には果樹研究所の圃場に栽植されたニホンナシ「幸水」の花芽が着生した2年生枝切り枝を用いた。上記特定ケトール脂肪酸が自発休眠覚醒に及ぼす影響を調査するため、2006年12月7日(7.2℃以下積算温度約200時間)に枝を採取し、10μM、100μM、1000μMの濃度で上記特定ケトール脂肪酸を含む噴霧剤をそれぞれ枝全面に噴霧した後、25℃の人工培養器で水差し培養した。対照(cont)として、水を噴霧した枝についても同様に培養した。
【0036】
上記ケトール脂肪酸の休眠覚醒効果は、花芽が萌芽する割合を各濃度ごとに比較して評価した。尚、芽鱗が動きだし、芽鱗基部の緑の部分が現れた状態を「萌芽」したものとみなした。各濃度につき、1枝あたり6〜9個の花芽の萌芽数を3枝調査し、萌芽率を算出した。表1に結果を示す。
【0037】
【表1】

7.2℃以下の温度の積算が約200時間になった時点で処理を行った。
加温21日後の萌芽率
【0038】
特定ケトール脂肪酸処理した枝は、対照と比較して萌芽率が著しく高く、休眠覚醒が促進されたことが分かる。また、萌芽率は特定ケトール脂肪酸の濃度につれて増大した。尚、いずれの濃度でも薬害は認められなかった。
【0039】
7.特定ケトール脂肪酸の時期別効果
続いて、上記特定ケトール脂肪酸の自発休眠覚醒に及ぼす時期別効果を調べるため、2007年10月15日(7.2℃以下積算0時間)、11月15日(7.2℃以下積算16時間)、12月13日(7.2℃以下積算360時間)に、花芽が着生している2年生枝を採取して上記特定ケトール脂肪酸の噴霧処理を行った。上記特定ケトール脂肪酸処理濃度は、100μMとし、上述の方法で萌芽率の調査を行った。図1〜3に各時期の処理結果を示す。これらの図から分かるように、100μM濃度での上記特定ケトール脂肪酸処理は、いずれの時期においても花芽の発芽を促進させた。また、上記特定ケトール脂肪酸の薬害作用は、いずれの処理時期においても認められなかった。これらの結果から、上記特定ケトール脂肪酸は、ニホンナシ切り枝の花芽における自発休眠覚醒促進に有効な物質であると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明によれば、新規な無害の自発休眠覚醒剤が提供される。本発明の自発休眠覚醒剤は、地球温暖化に伴い懸念される落葉果樹の産地移動の解決手段ともなり得る。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、ニホンナシの花芽の自発休眠覚醒に及ぼす特定ケトール脂肪酸処理(2007年10月15日処理)の影響を示すグラフである。
【図2】図2は、ニホンナシの花芽の自発休眠覚醒に及ぼす特定ケトール脂肪酸処理(2007年11月15日処理)の影響を示すグラフである。
【図3】図3は、ニホンナシの花芽の自発休眠覚醒に及ぼす特定ケトール脂肪酸処理(2007年12月13日処理)の影響を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボニル基を構成する炭素原子と水酸基が結合した炭素原子が、α位の位置にある、炭素原子数が4〜24のケトール脂肪酸を含んで成る、落葉果樹の自発休眠覚醒剤。
【請求項2】
前記ケトール脂肪酸が9,10−α−ケトールオクタデカジエン酸である、請求項1に記載の落葉果樹の自発休眠覚醒剤。
【請求項3】
前記落葉果樹がニホンナシである、請求項1又は2に記載の自発休眠覚醒剤。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の自発休眠覚醒剤を落葉果樹の枝に適用する工程を含んで成る、落葉果樹の自発休眠覚醒方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−47514(P2010−47514A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−213092(P2008−213092)
【出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成18年度生研センター委託事業「生物系産業創出のための異分野融合研究支援事業」に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【出願人】(501203344)独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 (827)
【Fターム(参考)】