説明

葉菜類の水耕栽培用作業台

【課題】葉菜類の水耕栽培におけるシステム化を効率的に推進するために、少なくとも定植作業及び収穫作業を補助する多機能な処理操作を1台で賄うことができる作業台を提供する。
【解決手段】定植時の育苗供給用ストッカー、収穫時の製品化処理手段及び除去物の分別回収手段を兼備する水耕栽培用作業台1であって、テーブルワゴン形態の筐体構造を構成する骨格となる筐体枠7と、筐体枠7の構造空間に移動可能に立設され、該構造空間内に移動させて対向設置することにより育苗棚を多段収容可能とし、背面に移動させ面一に併置することにより該構造空間内に製品化処理により発生する除去物の回収箱を収容可能とする2枚1組の積載扉8;9と、筐体枠7の天面に設けられた処理操作天板6と、処理操作天板6の上方で正背面方向にスライド可能に設けられ、開閉操作により該処理操作天板6を露出又は遮蔽する蓋板15を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は葉菜類の水耕栽培におけるシステム化を推進するために、少なくとも定植作業及び収穫作業を補助する多機能な処理操作を1台で賄うようにした水耕栽培用作業台に係り、より詳しくは、容器上で葉菜の育成を行う水耕栽培の現場で、育苗箱を運んだり、育苗箱を天板上の蓋に置いて定植作業の補助台として使用可能で、また水耕栽培用補助容器の底から下へ垂れる野菜の根を一定の距離で切り落とすことで容器上に生育した葉菜と容器を分離する根切り機構と、根に絡まった土を掻き落とすことが可能な櫛状の器具によって、葉菜、根、土粒及び容器をそれぞれ分別して回収するように工夫した水耕栽培用作業台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水耕栽培では水面に浮かした発泡スチロールパネル製の栽培用容器1枚当たり約40〜60個ほど開けた直径2〜3cmの穴に、1苗ずつを手で押し込んで葉菜を定植及び生育させ、収穫の際にはその穴から葉菜を1束ずつ手で引き抜いてきた。これを水耕栽培用補助容器を使用することで育苗では容器内に約10〜30苗をまとめて生育することができ、また収穫の際には1容器を引き抜くことで約10〜30束をまとめて収穫することが可能な容器栽培法が知られている(例えば特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2005−198563号公報
【0003】
この種の容器栽培法とこれに附随する根の切り落とし分離方法には、栽培用容器本体に根切り機構があるもの(例えば、特許文献2を参照)、根切りカッターを動かす原動機を装架した台車により切断と回収をするもの(例えば、特許文献3を参照)、育苗箱の苗設置面下側のマット状苗の根をコンベア式の刃で切断するもの(例えば、特許文献4を参照)が見られる。
【特許文献2】特開平10−155359号公報
【特許文献3】特開2001−346427号公報
【特許文献4】特開平09−149730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例はいずれも特許文献1のような容器栽培法で、栽培用補助容器の底から下へ垂れる野菜の根を一定の距離で切り落として容器上に生育した葉菜と容器を分離することや、根に絡まった土を掻き落として、葉菜、根、土粒、容器、を分別して回収するような目的効果を有したものではなかった。
【0005】
そこで本発明は、特許文献1のような容器栽培法で、栽培用補助容器の底から下へ垂れる野菜の根を一定の距離で切り落として容器上に生育した葉菜と容器を分離し、根に絡まった土を掻き落として、葉菜、根、土粒、容器を分別して回収することが可能で、また根切り機構によるケガを防止しながら葉菜を調整することもできる開閉式の蓋と、下部の積載扉により育苗箱や回収箱を積載してキャスターにより簡便に移動できる機能によって、葉菜生産者が効率的かつ安全に運搬、定植、収穫作業を1台で行える水耕栽培用作業台を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するために本発明は、葉菜類の水耕栽培におけるシステム化を推進するために、少なくとも定植作業及び収穫作業を補助する多機能な処理操作を1台で賄うようにした水耕栽培用作業台であって、
テーブルワゴン形態の筐体構造を構成する骨格となる筐体枠と、
筐体枠の構造空間に移動可能に立設され、該構造空間内に移動させて対向設置することにより育苗棚を多段収容可能とし、背面に移動させ面一に併置することにより該構造空間内に製品化処理により発生する除去物の回収箱を収容可能とする2枚1組の積載扉と、
筐体枠の天面に設けられた処理操作天板と、
前記処理操作天板の上方で正背面方向にスライド可能に設けられ、開閉操作により該処理操作天板を露出又は遮蔽する蓋板を具備するとともに、
前記処理操作天板の一部に板面をくり抜いて形成され、その正面縁部に葉菜類の根に絡まった土を掻き落とすための櫛歯を設けた千歯扱き処理操作部と、他部にスリットを形設し、かつ、該スリット端部に葉菜類の根を列設誘導して順次切り落とすためのカッター刃を設けた根切り処理操作部を有してなり、
定植時の育苗供給用ストッカー、収穫時の製品化処理手段及び製品化処理により発生する除去物の分別回収手段を兼備することを特徴とするものである。
【0007】
ここで、天板上に水耕栽培用補助容器の底から下へ垂れる葉菜の根を通すための終点に向けて狭まるスリットを形設し、スリットの終点にはカッター刃を固定した天板を有することを特徴とするものである。
【0008】
また、天板にはスリットの終点の延長線上に隣接して、天板下部に設置した回収箱へ水耕栽培用補助容器と粒土が落ちる穴を設けたものである。
【0009】
さらに、水耕栽培用補助容器と粒土を回収するための穴を構成するアングルの1辺に、先端をU字に曲げた複数のピンを1辺に直立する形で横方向に連続して配置した櫛状の器具を形設したものでもある。
【0010】
そして、蓋の左右側面の内側に取り付けたコマが天板両端の折り曲げ部材を両外側から挟むことで蓋の横揺れを制動しながら、背面上部アングルの背面に取り付けた2台のコマによって蓋を支持して正背面方向へスライドさせ、天板を露出又は遮蔽することが可能な蓋を形設したものである。なお、作業時の処理操作側を正面とする。
【0011】
これに加え、筐体構造内には筐体を構成する背面の上下アングルの2点を軸に左右対称に観音開きする2枚の扉を形設し、また双方の扉の内側には施した多段の桁を形設し、回転軸の反対下部端にある錠を扉を開いた時は筐体の底板の留め穴に落すことで固定し、扉を閉じた時は錠を背面下部のアングルに施した留め穴に落として固定する機構を備えた、扉状の可動積載台を形設したものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、特許文献1のような容器栽培法で、栽培用補助容器の底から下へ垂れる野菜の根を一定の距離で切り落として容器上に生育した葉菜と容器を分離し、根に絡まった土を掻き落として、葉菜、根、土粒、容器を分別して回収することが可能で、また根切り機構によるケガを防止しながら葉菜を調整することもできる開閉式の蓋と、下部の積載扉により育苗箱や回収箱を積載してキャスターにより簡便に移動できることで、葉菜生産者が効率的かつ安全に運搬、定植、収穫作業を1台で行うことが可能になる。
【0013】
また、栽培用補助容器の底から下へ垂れる野菜の根を一定の距離で切り落として容器上に生育した葉菜と容器を分離することが可能となる。
【0014】
また、天板にはスリットの終点の延長線上に隣接して、天板下部に設置した回収箱へ水耕栽培用補助容器と粒土が落ちる穴を設けたことにより、水耕栽培用補助容器と土粒を回収することが可能となる。
【0015】
さらに、水耕栽培用補助容器と粒土を回収するための穴を構成するアングルの1辺に、先端をU字に曲げた複数のピンを1辺に直立する形で横方向に連続配置した櫛状の器具によって、両手に把持した葉菜の下端に絡みついた粒土を掻き落とすことが可能となる。
【0016】
そして、蓋板は定植作業の際に処理操作天板を遮蔽し、根切り処理操作部(製品化処理手段)の露出したカッター刃への不慮の接触(ケガ)を防止し、かつ、育苗箱を載置する補助台として機能する。一方、収穫作業時には蓋板が奥行き(背面)方向へスライドすることで天板上のカッター刃及び櫛状の器具を表出させて製品化処理に係る使用操作を可能とし、しかも蓋板の上に根切りをした葉菜を並べることができる。
【0017】
筐体構造内の2枚1組の積載扉により定植の際には、育苗箱を複数積載することや、収穫作業の際にはこの扉を閉じることで筐体内に左右2つの回収箱を並べることができ、また積載扉端に付けた錠により安定した固定が可能で、キャスターにより簡便に移動できることで、葉菜生産者が効率的かつ安全に運搬、定植、収穫作業を1台で行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良形態を添付図面に基づいて以下説明する。
図1に示すように、水耕栽培用作業台1〔以下、単に作業台という。〕は、水耕栽培用補助容器の底から下へ垂れる葉菜の根を通すスリット2と、スリットの終点にはカッター刃3があり、スリット2の終点の延長線上に隣接して水耕栽培用補助容器と粒土が落ちる穴4と、穴4の内側に葉菜に残った土粒を掻き落とす櫛状の器具5を持つ天板6を有し、この天板を支持する形で下部に筺体構造7があり、その内部に開閉式の積載扉8、9があり、筺体構造の底は水抜き穴を施した底板10になっており、さらに下部にはキャスター11、12、13、14があり、これらと天板の上部の奥行方向へスライド開閉する蓋15によって構成されるものである。
【0019】
図2に示すように、育苗箱16の運搬の場合は、定植段階まで育った葉菜類17が入った水耕栽培用補助容器18が載った育苗箱16を積載した作業台1を育苗棚19横にキャスター13、14のロック機構を効かせて設置し、筺体構造7を構成する背面上部のアングル20と下部のアングル21の2点を軸に、左右対称に観音開きした2枚の積載扉8、9を開いて双方の扉の回転軸の反対下部端にある錠22、23を筐体の底板10に施した留め穴に落すことで固定し、双方の扉の内側に施した多段の桁24、25の上に育苗箱16の左右端を掛けて積載し、ハンドル26や27を把持して押し引きし、図3に示す水耕ベッド28まで運搬する。
【0020】
図3に示すように、定植作業の場合は、定植段階まで育った葉菜類17が入った水耕栽培用補助容器18が載った育苗箱16を積載した作業台1を水耕ベッド28の横にキャスター13、14のロック機構を効かせて設置し、積載扉8、9の双方の扉の内側の多段の桁24、25に掛けられた、葉菜類が入り水耕栽培用補助容器18が載った育苗箱16を取り出して、蓋15の上に置き、葉菜類が入った水耕栽培用補助容器18を水耕ベッド28上の発泡スチロール製の栽培容器29に移していき、葉菜類が入った水耕栽培用補助容器18を栽培容器に移し終わった育苗箱16は蓋15の上から降ろして育苗箱の入っていない桁24、25に並べて回収する。
【0021】
図4に示すように、収穫作業の場合は、作業台1を水耕ベッド28横にキャスター13、14のロック機構を効かせて設置し、筺体構造7を構成する背面上部のアングル20と下部のアングル21の2点を軸に、左右対称に観音開きした2枚の積載扉8、9を閉じて双方の扉の回転軸の反対下部端にある錠22、23を背面下部のアングルの留め穴に落として固定し、筺体の床に回収箱30、31を置く。
【0022】
図5では蓋15を透視図で表しており、蓋15のハンドル32を奥行き方向へ引き、蓋15の左右側面の内側に取り付けたコマ33、34が天板両端の折り曲げ部材35、36を両外側から挟むことで蓋の横揺れを制動しながら、背面上部アングル20の背面に取り付けた2台のコマ37、38によって蓋15を支持しながら滑らせるによって、蓋15を奥方向へスライドさせ、蓋15が被さっていた、天板6のスリット2、カッター刃3、水耕栽培用補助容器と粒土が落ちる穴4と、穴4の内側に葉菜に残った土粒を掻き落とす櫛状の器具5を表出させ、使用可能にする。またここに示すハンドル39はハンドル26、27と同様に作業台の押し引きに使用するものである。
【0023】
次に図6に示すように、収穫作業において蓋15を奥方向へスライドさせ、天板6のスリット2、カッター刃3、水耕栽培用補助容器と粒土が落ちる穴4と、穴4の内側の葉菜を掻き落とす櫛状の器具5を表出させ、
収穫状態に生育した葉菜40は両手で把持し、水耕栽培用補助容器18の底裏面は天板6に接するようにし、栽培補助容器18の底から下へ垂れる葉菜の根41は天板6上に開けたスリット2に通し、葉菜40を把持した両手をスリット2の終点方向へ動かすことで、葉菜の根41は終点に向かって狭まるスリット2を通り、
スリット2の終点に固定したカッター刃3によって栽培補助容器18の底面から一定に離れた距離で葉菜の根41を切り落とし、葉菜の根41をスリット2の下部の一つ目の回収箱30に落とすことが可能である。さらに図7に示すように、スリット2の終点に隣接する穴4まで葉菜40を把持した両手を動かすことで、葉菜40は両手に把持したままで二つ目の回収箱31へ栽培補助容器18と容器内の粒土のみを落として回収する。
【0024】
続いて、両手には葉菜40を把持したまま、穴4の内側に配置した先端をU字に曲げた複数のピンを1辺に直立する形の櫛状の器具5によって、下端に絡みついた粒土を掻き落とす。
【0025】
最後に図8に示すように、両手に把持した葉菜40を奥方向へスライドした状態の蓋15の上に置き、水耕栽培用補助容器18の約6〜8個分の葉菜が蓋15の上に溜ったところで保管コンテナにまとめて運ぶ。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は少なくとも定植作業及び収穫作業を補助する多機能な処理操作を1台で賄うようにした水耕栽培用作業台であって、葉菜生産者が効率的かつ安全に運搬、定植、収穫作業を行える実用性を有したものであり、葉菜類の水耕栽培におけるシステム化を推進するために有用であり、産業上の利用価値を有する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】最良形態に係わる水耕栽培用作業台の外観斜視図である。
【図2】育苗箱の運搬時の状態を示す斜視図である。
【図3】定植時の状態を示す斜視説明図である。
【図4】収穫時の状態を示す斜視説明図である。
【図5】蓋の透視図によりコマを説明する斜視説明図である。
【図6】収穫時の根きり作業を示す斜視説明図である。
【図7】収穫時の水耕栽培用補助容器の回収を示す斜視説明図である。
【図8】収穫時の蓋への葉菜置き工程を示す斜視説明図である。
【符号の説明】
【0028】
1 水耕栽培用作業台
2 スリット〔根切り処理操作部;製品化処理手段〕
3 カッター刃〔根切り処理操作部;製品化処理手段〕
4 穴〔千歯扱き処理操作部;製品化処理手段〕 5 櫛状の器具〔櫛歯;千歯扱き処理操作部;製品化処理手段〕
6 天板〔処理操作天板〕
7 筺体構造〔筐体枠〕
8 積載扉〔育苗供給用ストッカー〕
9 積載扉〔育苗供給用ストッカー〕
10 底板
11 キャスター
12 キャスター
13 キャスター
14 キャスター
15 蓋〔蓋板〕
16 育苗箱
17 定植段階まで育った葉菜類
18 水耕栽培用補助容器
19 育苗棚
20 背面上部のアングル
21 背面下部のアングル
22 錠
23 錠
24 桁
25 桁
26 ハンドル
27 ハンドル
28 水耕ベッド
29 発泡スチロール製の栽培容器
30 回収箱〔分別回収手段〕
31 回収箱〔分別回収手段〕
32 ハンドル
33 蓋の横揺れ制動コマ
34 蓋の横揺れ制動コマ
35 天板両端の折り曲げ部材
36 天板両端の折り曲げ部材
37 蓋のスライド支持コマ
38 蓋のスライド支持コマ
39 ハンドル
40 葉菜
41 葉菜の根

【特許請求の範囲】
【請求項1】
葉菜類の水耕栽培におけるシステム化を推進するために、少なくとも定植作業及び収穫作業を補助する多機能な処理操作を1台で賄うようにした水耕栽培用作業台であって、
テーブルワゴン形態の筐体構造を構成する骨格となる筐体枠と、
筐体枠の構造空間に移動可能に立設され、該構造空間内に移動させて対向設置することにより育苗棚を多段収容可能とし、背面に移動させ面一に併置することにより該構造空間内に製品化処理により発生する除去物の回収箱を収容可能とする2枚1組の積載扉と、
筐体枠の天面に設けられた処理操作天板と、
前記処理操作天板の上方で正背面方向にスライド可能に設けられ、開閉操作により該処理操作天板を露出又は遮蔽する蓋板を具備するとともに、
前記処理操作天板の一部に板面をくり抜いて形成され、その正面縁部に葉菜類の根に絡まった土を掻き落とすための櫛歯を設けた千歯扱き処理操作部と、他部にスリットを形設し、かつ、該スリット端部に葉菜類の根を列設誘導して順次切り落とすためのカッター刃を設けた根切り処理操作部を有してなり、
定植時の育苗供給用ストッカー、収穫時の製品化処理手段及び製品化処理により発生する除去物の分別回収手段を兼備することを特徴とする水耕栽培用作業台。
【請求項2】
葉菜類の収穫作業において、水耕栽培用補助容器の底から下へ垂れる葉菜の根切りを行 え、容器上に生育した葉菜と根、容器及び容器内の土粒を分離回収する機構と、根に絡まった土を掻き落とすことが可能な櫛状の器具がある天板を持ち、
その上部に根切りによるケガを防止しながら葉菜を調整することもできる開閉式の蓋と、下部の筐体構造内に2枚1組の積載扉を持ち、この開閉により育苗箱や回収箱を積載し、最下部のキャスターによって任意の位置へ移動して作業することで、
葉菜生産者が効率的かつ安全に運搬、定植、収穫作業を1台で行うことが可能なことを特徴とする水耕栽培用作業台。
【請求項3】
収穫作業時に、水耕栽培用補助容器内から上方向へ葉菜が伸びた状態で、
葉菜は両手で把持したまま、容器底裏面は天板に接するようにし、容器の底から下へ垂れる葉菜の根は天板上に開けたスリットに通し、葉菜を把持した両手をスリットの終点方向へ動かすことで、葉菜の根は終点に向かって狭まるスリットを通り、終点に固定したカッター刃によって容器底面から一定に離れた距離で葉菜の根を切り落として、根を天板下部の一つ目の回収箱に落とすことが可能で、
さらにスリットの終点に隣接する穴まで葉菜を把持した両手を動かすことで、野菜は両手に把持したままで二つ目の回収箱へ補助容器と容器内の粒土のみを落として分離回収する機構を備えた請求項2記載の水耕栽培用作業台。
【請求項4】
収穫作業時に、両手に把持した葉菜の下端に絡みついた粒土を掻き落とす作業を行うために、水耕栽培用補助容器とレンガ粒を回収するための穴を構成するアングルの1辺に、先端をU字に曲げたピンを1辺に直立する形で横方向へ連続配置した櫛状の器具を形設した請求項2記載の水耕栽培用作業台。
【請求項5】
定植作業時に、カッター刃で負傷しないための蓋となり、またその上部に育苗箱を載せる台として補助することが可能な蓋であって、
収穫作業の際には、蓋の左右側面の内側に取り付けたコマが天板両端の折り曲げ部材を両外側から挟むことで蓋の横揺れを制動しながら、背面上部アングルの背面に取り付けた2台のコマによって蓋を支持して滑らせることによって、蓋を奥方向へスライドさせ、蓋が被さっていた天板のスリット、カッター刃、水耕栽培用補助容器と粒土が落ちる穴と、穴の内側に葉菜に残った土粒を掻き落とす櫛状の器具を表出させて使用することを可能とし、またその際には上に根切りをした葉菜を並べることが可能な蓋を備えた請求項2記載の水耕栽培用作業台。
【請求項6】
筐体構造内に2枚1組の積載扉を持ち、育苗箱の運搬や定植作業の際には筺体構造を構成する背面上部のアングルと下部のアングルの2点を軸に、左右対称に観音開きした2枚の積載扉を開いて双方の扉の回転軸の反対下部端にある錠を筐体の底板の留め穴に落すことで固定し、また双方の扉の内側に施した多段の桁の上に育苗箱の左右端を掛けて積載して運搬や定植作業の補助を行うことが可能で、
収穫作業の際にはこの扉を閉じ、錠を背面下部のアングルに施した留め穴に落として固定することで筐体内に左右2つの回収箱を並べることが可能であり、
この工夫により葉菜生産者が効率的かつ安全に運搬、定植、収穫作業を1台で行うようにした請求項2記載の水耕栽培用作業台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−135454(P2007−135454A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−332501(P2005−332501)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(591079487)広島県 (101)
【Fターム(参考)】