説明

蒸気タービンプラントの起動スケジュール予測システムおよび予測方法、ならびに予測用プログラムおよび該プログラムを格納した記録媒体

【課題】 運転時でも蒸気タービンおよびボイラーの起動スケジュールを予測することができ、その結果を活用することで起動時の損失を最小限にできる起動スケジュール予測システムおよび予測方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも解列予定日時と並列予定日時とが入力される入力装置と、過去の運転実績データを格納したデータ記憶部と、タービン停止中の所定部位の温度予測式に基づいてタービン起動時刻を決定するとともに、当該決定された起動時刻を基点としてボイラー停止中の所定部位の温度予測式およびその予測温度によってタービン起動までの起動所要時間を求める予測式に基づいてボイラー点火時刻を求め、該点火時刻について前記と同様の演算を繰り返して修正し、得られるボイラー点火時刻を一定値に収束させるようにしたシミュレーション制御部とを少なくとも備えたことを特徴とする蒸気タービンプラントの起動スケジュール予測システムおよび予測方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気タービンプラント運転中でも、将来のプラントの停止起動の際のボイラーおよび蒸気タービンの起動スケジュールを予測でき、それによって上記プラントの起動所要時間の短縮や並列時刻の高精度化に資する起動スケジュール予測システム、ならびに予測方法、予測用プログラムおよび該プログラムを格納した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
電力需要は、年間を通して変化するだけでなく、週間または日間においても変化する。そのため、近年、電力会社各社は水力発電プラントのみならず、蒸気タービンプラント、特に火力発電プラントをも週末停止起動(WSS)や深夜停止起動(DSS)のスケジュールにより起動停止させて出力調整することで、電力需要の変動に機動的に対応している。
【0003】
蒸気タービンプラントにおいて、このように起動停止を繰り返して機動的に対応した場合、起動から電力供給可能となるまである程度の準備時間を要するため、電力供給に支障が生じないように当該プラントにおける発電機を電力系統に並列するタイミングを考慮しなければならず、そのため並列予定日時を予測する必要が生じる。
【0004】
また、このよう起動停止を繰り返す場合、ボイラーおよびタービンの起動によるエネルギー損失が非常に大きくなるため、起動から並列までの起動所要時間を極力短時間とし、エネルギー損失を最小限とする必要もある。
【0005】
このように電力供給の安定性および経済性の面から、蒸気タービンプラントでは、オンライン制御にて蒸気タービンなどの起動スケジュールの策定を行ってきており、このスケジューリングに関連した提案が多く提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
【特許文献1】特開平6−93806号公報
【特許文献2】特開平11−336507号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の従来の計算機による発電設備の起動停止方式では、起動時のプラント状態値を基にスケジュール計算を修正しながら、起動時の損失を最小にする点では優れているが、起動時点のプラント状態値を用いて計算させるため、プラントが運転状態の場合は、予め関連補機の起動時刻や発電機並列時刻などのスケジュールを予測することができないという問題がある。
【0007】
また、特許文献2記載の提案は、上記タービン起動モードの決定方法に関するものであり、停止中の蒸気タービンのメタル温度での冷却曲線に基づいて起動開始時点でのメタル温度を予測するとともに、起動開始時点でのメタル温度を実測し、これらの温度からそれぞれ予め規定されたメタル温度範囲により区分されている起動モードを求め、両起動モードを比較して最終的な蒸気タービン起動モードを決定する方法を開示するが、この方法もまたオンライン制御を前提としており、将来のプラント起動停止の場合のスケジュールを予測することはできないといった問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、蒸気タービンプラントが運転状態の場合でも、蒸気タービンおよびボイラーの起動スケジュールを予測することができ、その結果を実際のプラント起動に活用することで、起動時の損失を最小限とすることができる蒸気タービンプラントの起動スケジュール予測システムおよび予測方法、ならびに当該予測方法をコンピュータに実行させることができるプログラムなどを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、本発明の一の局面によれば、ボイラーによって発生した蒸気によって蒸気タービンを駆動して発電を行う蒸気タービンプラントの起動スケジュール予測システムであって、少なくとも解列予定日時と並列予定日時とが入力される入力装置と、過去の運転実績データを格納したデータ記憶部と、前記運転実績データから算出されたタービン停止中の所定部位の温度予測式に基づいて求めた所定の起動時刻における当該部位の温度について、これの属する起動モードに対応して選択されるタービン起動所要時間からタービン起動時刻を決定するとともに、当該決定された起動時刻を基点として予めボイラー点火時刻として仮定された時刻において、前記運転実績データから算出されたボイラー停止中の所定部位の温度予測式および当該式で予測された温度を用いて前記決定されたタービン起動時刻までの起動所要時間を求める式に基づいてボイラー点火時刻を求め、該点火時刻について前記と同様の演算を繰り返して修正し、得られるボイラー点火時刻を一定値に収束させるようにしたシミュレーション制御部とを少なくとも備えたことを特徴とする蒸気タービンプラントの起動スケジュール予測システムによって達成される。
【0010】
また、上記目的は、本発明の別の局面によれば、ボイラーによって発生した蒸気によって蒸気タービンを駆動して発電を行う蒸気タービンプラントの起動スケジュール予測方法であって、発電機の解列予定日時と並列予定日時とを取得して、過去の運転実績データから算出されたタービン停止中の所定部位の温度予測式に基づいて所定の起動時刻における当該部位の温度について、これの属する起動モードに対応して選択されるタービン起動所要時間からタービン起動時刻を決定するステップと、当該決定された起動時刻を基点として予めボイラー点火時刻として仮定された時刻において、前記運転実績データから算出されたボイラー停止中の所定部位の温度予測式および当該式で予測された温度を用いて前記決定されたタービン起動時刻までの起動所要時間を求める式に基づいてボイラー点火時刻を計算し、該点火時刻について当該計算を繰り返して修正し、一定の時刻に収束したボイラー点火時刻を決定するステップと、からなることを特徴とする蒸気タービンプラントの起動スケジュール予測方法によって達成される。
【0011】
本発明においては、上記の蒸気タービンプラントの起動スケジュール予測方法は、コンピュータに実行させるのに用いられるプログラムとして提供される。また、本発明では、上記起動スケジュール予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の蒸気タービンプラントの起動スケジュール予測システムおよび予測方法は、過去の運転実績データから算出されたタービンおよびボイラーの各設備の停止中の所定部位の温度予測式を用いてタービンの起動時刻を決定するとともに、上記温度予測式によって得られる温度から起動所要時間を求めることで、ボイラー点火時刻について所定の演算を繰り返すことで、一定の時刻に収束したボイラーの点火時刻を決定することとしたので、特にボイラーの起動所要時間の短縮化が図られ、また並列時刻の正確度も向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の蒸気タービンプラントの起動スケジュール予測システム及び予測方法について説明する。
【0014】
図1は、蒸気タービンプラントにおける本発明の起動スケジュール予測システムの実施の形態の一例を示す図である。本発明の起動スケジュール予測システム1は、入力装置4、表示装置5、データ記憶部3、予測プログラム6およびこれを組み込んで起動スケジュールの予測方法を実施可能なシミュレーション制御部2とからなる。また、本発明のシステム1は、データ通信部7を備えていてもよい。
【0015】
入力装置3は、並列予定日時および解列予定日時などを入力するための装置であり、キーボードのほか、メモリーカード読み取り装置などの公知の装置が使用できる。表示装置5は、作業者に入力値や出力データの確認を行わせるためのものであり、通常、ディスプレーなどが好適に使用できる。データ記憶部3は、過去のボイラーおよびタービンの運転実績データが格納されている。
【0016】
シミュレーション制御部2は、上記各装置の動作を制御するとともに、これに組み込まれた予測プログラム6を実行して、蒸気タービンおよびボイラーの起動スケジュールを予測するための装置である。
【0017】
本発明の予測方法は、蒸気タービンの起動時刻の予測にかかる部分とボイラーの点火時刻にかかる部分に大別される。図2は、本発明の起動スケジュール予測方法のうち、蒸気タービンの起動時刻の予測方法の実施形態の一例を示すフロー図である。図3は、ボイラーの点火時刻の予測方法の実施形態の一例を示すフロー図である。
【0018】
タービンの起動スケジュールの予測方法では、まず、解列予定日時および並列予定日時を取得した後(S1)、上記並列予定日時を基点として、過去の起動実績から求めたタービンの起動所要時間だけ遡ってタービンの起動日時を仮定する(S2)。上記の解列予定日時および並列予定日時は、作業者が入力することで取得されるものであってもよく、過去の起動実績データから自動的に取得されるものであってもよい。また、上記のタービン起動所要時間は、予め後述する運転実績データから算出され、タービン起動モードに対応して規定された起動所要時間のうちから任意に選択できる。
【0019】
次に、上記の起動時刻の仮定値から上記解列予定日時を差し引き、タービン停止時間を求め(S3)、当該停止時間を次の予測式に代入することによって、上記の起動時刻仮定値におけるタービン高圧第1段後メタル温度を算出する(S4)。
【0020】
【数1】

【0021】
なお、この予測式は、過去の運転実績データおよびタービンの上記部位における温度の実測値とを関連付けて予め求められたものである。この予測式の各定数は、さらに運転実績データがデータ記憶部に記憶されるごとに更新されてもよく、更新されずに一定値とされてもよい。
【0022】
メタル温度には、その温度範囲に対応して予めタービン起動モードが数段階に設定されており、上記の算出結果が含まれる温度範囲に対応する起動モード(1)を決定する(S5)。図1では、起動モードとして、メタル温度が、400℃以上の場合、「VH(ベリーホット)起動」、370℃以上、400℃未満の場合、「H(ホット)起動」、305℃以上、370℃未満の場合、「W1(ウォーム1)起動」、250℃以上、305℃未満の場合、「W2(ウォーム2)起動」、190℃以上、250℃未満の場合、「C1(コールド1)起動」、190℃未満の場合、「C2(コールド2)起動」の6段階が規定されている。この温度範囲は、タービンの仕様や運転実績データから適宜設定することができる。
【0023】
タービン起動モード(1)を決定した後、上記各段階の起動モードに対応して予め規定されたタービン起動所要時間を決定する(S6)。図1では、このタービン起動所要時間は、タービン起動モード(1)が、「VH起動」の場合、20分、「H起動」の場合、30分、「W1起動」の場合、55分、「W2起動」の場合、95分、「C1起動」の場合、95分、「C2起動」の場合、145分と規定されている。この起動所要時間もまた、運転実績データなどから適宜設定することが可能である。
【0024】
このようにして求めたタービン起動所要時間から上記解列予定日時を差し引き、再度タービン停止時間(2)を求める(S7)。この停止時間(2)から、再度上記の予測式を用いてタービン高圧第1段後メタル温度を求め、上記と同様のメタル温度範囲とタービン起動モードとの関係から、タービン起動モード(2)を決定する(S9)。
【0025】
上記で決定されたタービン起動モード(1)とタービン起動モード(2)とを比較し(S10)、前者が後者と同一の起動モードにある場合または前者の方が後者よりも高温側の起動モードにある場合には、起動モード(2)をタービン起動モードとして決定する(S11)。このステップで決定されたタービン起動モードについて、当該起動モードに対応するタービン起動所要時間を求める(S12)。
【0026】
一方、タービン起動モード(1)とタービン起動モード(2)とを比較し(S10)、後者の方が前者よりも高温側の起動モードである場合には、起動モード(1)を「タービン起動モード」として決定する(S13)。
【0027】
ここで決定されたタービン起動モードに基づいて、タービン補機の起動パラメータなどを決定することができる。
【0028】
上記と同様に、このステップで決定されたタービン起動モードについて、当該起動モードに対応するタービン起動所要時間を求める(S14)。ステップS12またはステップS14で決定されたタービン起動所要時間を上記並列予定日時から差し引き、タービン起動時刻を決定する(S15)。
【0029】
次に、ボイラーの起動スケジュールを予測する方法について説明する。
タービン起動時刻を決定した後、過去の運転実績データからボイラー点火からタービン起動時刻までの時間(以下、ボイラー立ち上げ時間という。)を読み出す(S16)。このボイラー立ち上げ時間をタービン起動時刻から差し引き、ボイラーの点火時刻仮定値を算出する(S17)。この仮定値から解列予定日時を差し引き、ボイラーの停止時間の仮定値を求める(S18)。
【0030】
このボイラー停止時間の仮定値を、次式で示される過去の運転実績および実測データから求めたボイラーの1次過熱器(以下、PSHという。)入り口温度の予測式に代入し、ボイラー点火時刻におけるPSH入り口温度を計算する(S19)。
【0031】
【数2】

【0032】
次に、得られたPSH入り口温度を、次式で示されるボイラー立ち上げ時間を予測する式に代入し、ボイラー立ち上げ時間を計算する(S20)。
【0033】
【数3】

【0034】
この予測式3は、ボイラー点火時のPSH入り口温度からタービン起動可能温度に昇温するまでの時間を算出するものである。具体的には、ボイラー点火時のPSH入り口温度から270℃に達するまでの時間(分)を温度上昇率100℃/時と仮定して求め、求めた時間に270℃からタービン起動可能温度までの一定の所要時間(60分)を加算している。この式で用いる個々の定数は、予め運転実績データから算出されたものである。
【0035】
得られたボイラー立ち上げ時間を上記で仮定したボイラー点火時刻に加算し、上記2つの予測式で計算したタービン起動時刻と上記で決定したタービン起動時刻との差を求める。この差は、また得られたボイラー立ち上げ時間を上記で決定したタービン起動時刻から差し引いて得られるボイラー点火時刻から上記のボイラー点火時刻仮定値を差し引くことで求めてもよい。このようにして求めた差について、必要な場合には後述の繰り返し演算回数を少なくすることを目的として適当な修正を加えることができる。具体的には、上記で求めた差を小さくするために、1以上の小数(定数)で除するなどの修正方法を採用することができる。
【0036】
次に、上記で仮定したボイラー立ち上げ時間から上記の差またはその修正値を差し引いた時間を上記タービン起動時刻から差し引き、ボイラー点火時刻修正値を求める。この修正値と上記の仮定値とを比較して、両者が一致しない場合には、ボイラー点火時刻が一定の時刻に収束するように、このボイラー点火時刻の修正値に基づいてS18からS21までのステップを繰り返す。
【0037】
上記のボイラー点火時刻の仮定値と修正値とが一致する場合、または上記のステップを繰り返すことによってボイラー点火時刻が一定の時刻に収束した場合には、その一致した時刻または収束した時刻を「ボイラー点火時刻」として最終的に決定する(S23)。
【0038】
この決定されたボイラー点火時刻から解列予定日時を差し引いて、ボイラー停止時間を求める(S24)。このボイラー停止時間を上記予測式2に代入し、再度PSH入り口温度を算出する(S25)。
【0039】
PSH入り口温度には、その温度範囲に対応して予めボイラー起動モードが数段階設定されており、上記の算出結果が含まれる温度範囲に対応する起動モード(1)を決定する(S26)。図2では、起動モードとして、PSH入り口温度が、280℃を超える場合、「VH(ベルーホット)起動」、204℃以上、280℃以下の場合、「H(ホット)起動」、132℃を超え、204℃以下の場合、「W1(ウォーム1)起動」、80℃を超え、132℃以下の場合、「W2(ウォーム2)起動」、48℃を超え、80℃以下の場合、「C1(コールド1)起動」、48℃以下の場合、「C2(コールド2)起動」の6段階が規定されている。この温度範囲は、ボイラーの仕様や運転実績から適宜設定することができる。
【0040】
このようにして得られたボイラー起動モードに基づいて、補機の起動パラメータなどを決定することができる。
【0041】
本発明の起動スケジュール予測方法は、蒸気タービンプラント運転中においても実施することができるため、実際の運転実績データと予測結果とを比較検討することで、プラント内の各設備の測温機器の異常などの発見に役立てることもできる。
【0042】
なお、本発明の予測プログラムは、これを実行するためのプログラムコードをCD−ROM、フレキシブルディスク、DVDなどの記憶媒体に格納し、当該記憶媒体を汎用コンピュータにインストールして上記プログラムコードを読み取らせることで、コンピュータによって実行することができる。
【0043】
また、本発明のシステム1は、入出力装置と、上記データ記憶部から所定のデータを読み出し、これと入力された解列予定日時および並列予定日時とから所定のデータ処理を行える装置であれば、どのような装置でも実施することができる。このような装置としては、入出力装置やハードディスク装置を備えたコンピュータなどが好適に使用できる。上記のデータ記憶部は、ハードディスク装置内に設けられていてもよく、別体の装置に備えられていてもよい。後者の場合、運転実績データは、別体の装置からコンピュータのデータ通信装置によってコンピュータにデータ送信可能とされるのがよい。
【0044】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して説明してきたが、具体的な構成は、上記実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】蒸気タービンプラントにおける本発明の起動スケジュール予測システムの実施の形態の一例を示す図である。
【図2】本発明の起動スケジュール予測方法のうち、蒸気タービンの起動時刻の予測方法の実施形態の一例を示すフロー図である。
【図3】ボイラーの点火時刻の予測方法の実施形態の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0046】
1 起動スケジュール予測システム
2 シミュレーション制御部
3 データ記憶部
4 入力装置
5 表示装置
6 予測プログラム
7 データ通信部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラーによって発生した蒸気によって蒸気タービンを駆動して発電を行う蒸気タービンプラントの起動スケジュール予測システムであって、
少なくとも解列予定日時と並列予定日時とが入力される入力装置と、
過去の運転実績データを格納したデータ記憶部と、
前記運転実績データから算出されたタービン停止中の所定部位の温度予測式に基づいて求めた所定の起動時刻における当該部位の温度について、これの属する起動モードに対応して選択されるタービン起動所要時間からタービン起動時刻を決定するとともに、当該決定された起動時刻を基点として予めボイラー点火時刻として仮定された時刻において、前記運転実績データから算出されたボイラー停止中の所定部位の温度予測式および当該式で予測された温度を用いて前記決定されたタービン起動時刻までの起動所要時間を求める予測式に基づいてボイラー点火時刻を求め、該点火時刻について前記と同様の演算を繰り返して修正し、得られるボイラー点火時刻を一定値に収束させるようにしたシミュレーション制御部と、
を少なくとも備えたことを特徴とする蒸気タービンプラントの起動スケジュール予測システム。
【請求項2】
ボイラーによって発生した蒸気によって蒸気タービンを駆動して発電を行う蒸気タービンプラントの起動スケジュール予測方法であって、
発電機の解列予定日時と並列予定日時とを取得して、過去の運転実績データから算出されたタービン停止中の所定部位の温度予測式に基づいて所定の起動時刻における当該部位の温度について、これの属する起動モードに対応して選択されるタービン起動所要時間からタービン起動時刻を決定するステップと、
当該決定された起動時刻を基点として予めボイラー点火時刻として仮定された時刻において、前記運転実績データから算出されたボイラー停止中の所定部位の温度予測式および当該式で予測された温度を用いて前記決定されたタービン起動時刻までの起動所要時間を求める予測式に基づいてボイラー点火時刻を計算し、該点火時刻について当該計算を繰り返して修正し、一定の時刻に収束したボイラー点火時刻を決定するステップと、
からなることを特徴とする蒸気タービンプラントの起動スケジュール予測方法。
【請求項3】
請求項2に記載の蒸気タービンプラントの起動スケジュール予測方法をコンピュータに実行させるのに用いられることを特徴とする蒸気タービンプラントの起動スケジュール予測プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載の起動スケジュール予測プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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