説明

蒸気タービンプラント

【課題】運転の流れモード及び非流れモードを有する蒸気回路ブランチにおける高温の問題を解決する方法が開示される。
【解決手段】第1の予熱ライン21が、第1の端部において過熱されていない蒸気領域に接続されており、第2の端部においてブランチ20の第1の端部領域に接続されており、第2の予熱ライン22が、第1の端部において、第1の端部と反対側の、ブランチ弁24の上流におけるブランチ20の第2の端部領域に接続されており、第2の端部において、作動時に第1の予熱ライン21が接続された過熱低減された領域よりも低い圧力を有する蒸気回路の箇所に接続されており、これにより、ブランチ弁24が閉じられている時に第1の予熱ライン21と、ブランチ20と、第2の予熱ライン22とをそれぞれ順次に蒸気流が流過することができるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、蒸気回路及びブランチを備える蒸気タービンプラント、特に、流れ運転モード及び非流れ運転モードの間のブランチの温度制御に関する。ブランチの例は、リリーフ弁を備えるタービンバイパス及びベントラインを含む。
【背景技術】
【0002】
蒸気プラントの蒸気回路は、通常、様々な温度領域を有しており、より高温の領域は、通常、より低温の領域において使用されるより低い熱間強度の材料よりも高価な、より高い熱間強度を備える材料から形成されている。異なる熱間強度の材料の間のコストの差により、蒸気回路の高温ブランチ、例えば蒸気タービンバイパスにおける温度を低下させることが有利である。
【0003】
英国特許出願公開第2453849号明細書は、ブランチにおける温度暴露を減じる手段として水噴射クーラの使用を開示している。クーラは、冷却される蒸気と直接に接触するようにブランチに水を噴霧することによって機能する。この手段は、より低温の合金が使用される点まで蒸気温度を低下させるためには有効であることが分かっているが、開示されたシステムは、運転するために蒸気流を必要とし、従って、バイパス、ブリード又はベントライン等の、非流れモードを備えるブランチに普遍的に適用することはできず、依然として、全ての運転モードの間、ブランチにおける低い温度を保証することができない。
【0004】
択一的に、IPCOM000176170Dは、運転の非流れモードの間、ヒートバッファとして作用する不活性ガスをブランチに噴射することを開示している。ブランチが例えばタービンバイパスである場合、非流れモードから流れモードへの変更は、蒸気回路に進入する不活性ガスを生じる。付加的な機器によって除去されない限り、このような不活性ガスは、蒸気タービン効率に対する負の影響を有する。さらに、この解決手段は、ブランチが非流れモードから流れモードに変更された時に生じる熱ショックの問題を解決しない。なぜならば、この解決手段は、ブランチにおいて十分な温度が維持されることを保証することができないからである。
【0005】
別の択一例は、ブランチ配管及び関連する機器に外部の加熱及び冷却エレメントを提供することである。このような構成は物理的に可能ではあるが、このような解決手段は、蒸気プラントに対して著しい複雑性及びコストを付加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】英国特許出願公開第2453849号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】IPCOM000176170D
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
運転の流れモード及び非流れモードを有する蒸気回路ブランチにおける高温の問題を解決する方法が開示される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、独立請求項の主体によってこの問題を解決することを試みる。有利な実施形態は従属請求項に記載されている。
【0010】
本発明は、蒸気プラントブランチにおける温度を制御するために低温蒸気と水噴射冷却との組合せを用いるという一般的概念に基づく。
【0011】
1つの態様は、過熱された蒸気領域と過熱されていない蒸気領域との間の境界を形成する過熱器を有する蒸気回路を備えた蒸気プラントを提供する。蒸気回路は、過熱された蒸気領域からのブランチを有しており、このブランチは、下流領域においてブランチ弁を有しており、上流領域において蒸気過熱低減器を有している。蒸気過熱低減器は、流れモードの場合にブランチの温度を制御するための手段を提供する。非流れモードの間、すなわちブランチ弁が閉じられている場合、第1及び第2の予熱ラインがブランチの温度を制御する。予熱ラインは、1つの態様において、第1の予熱ラインが第1の端部において、過熱されていない蒸気領域に接続されており、第2の端部において、ブランチの第1の端部領域に接続されていることによって、このことを達成する。その一方で、第2の予熱ラインは、第1の端部において、第1の端部領域とは反対側の離れた、ブランチの第2の端部領域に接続されており、第2の端部において、運転中に第1の予熱ラインが接続された過熱されていない蒸気領域よりも低い圧力を有するように構成された蒸気回路の箇所に接続されている。予熱ラインのこの構成は、第1の予熱ラインと、ブランチと、第2の予熱ラインとを順次通過する過熱されていない蒸気流の流れを促進する。
【0012】
ブランチの流れモードにかかわらず、ブランチにおける温度を制限するための手段が設けられている。これにより、解決手段は、ブランチにおける高温の問題を克服するための手段を提供し、ブランチを構成する、より高価でない、より低い熱間強度の材料を使用することを可能にする。
【0013】
様々な態様において、ブランチは、リリーフ弁を備えた、蒸気タービンバイパス又はベントラインである。
【0014】
ブランチ流れモードの間に予熱ラインを通る望ましくない蒸気漏れを減じるために、1つの態様において、第2の予熱ラインは、通常、作動されるブロック弁、逆止め弁又はマニュアル弁である弁を有している。
【0015】
別の態様において、ブランチは、非流れモードの間のブランチにおける温度を制御するための温度制御装置を有している。制御システムは、ブランチ温度が最大温度よりも低く維持されることを保証するだけでなく、温度が所定の温度範囲に維持されることを可能にし、これにより、流れモードを変更する時の熱ショック懸念を回避する。
【0016】
1つの態様において、制御装置は、第1の予熱ライン又は第2の予熱ラインのいずれか又は両方に設けられた流れ制限装置を含む。このような制御装置は、単純で経済的な制御手段を提供する。
【0017】
別の態様において、制御装置は、第1の予熱ラインにおける流れ調節弁と、蒸気過熱低減器の冷却媒体供給ラインにおける流れ調節弁と、ブランチにおける温度測定装置とを含む。温度測定装置はブランチの温度を測定する。このような制御装置は、厳密な予測可能な温度制御を提供することができる。
【0018】
本発明のその他の態様及び利点は、例えば本発明の典型的な実施形態を例示する添付の図面に関連した以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態による蒸気プラントの概略図である。
【図2】ブランチの詳細を示す、図1の蒸気プラントの典型的なブランチの概略図である。
【図3】ブランチの温度制御システムの構成部材を示す、図1の蒸気プラントの典型的なブランチの概略図である。
【図4】ブランチの別の温度制御システムの構成部材を示す、図1の蒸気プラントの典型的なブランチの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで本発明の典型的な実施形態を、図面を参照に説明する。図面においては、全図を通じて同じエレメントを示すために同じ参照符号が用いられている。以下の説明においては、説明のため、発明の十分な理解を提供するための多数の特定の詳細が示されている。しかしながら、本発明は、これらの特定の詳細を備えずに実施されてよく、ここに開示された典型的な実施形態に限定されない。
【0021】
この明細書において、過熱された蒸気と、非過熱蒸気とに言及する。非過熱蒸気は、過熱されていない蒸気を意味するものと解され、過熱されていない蒸気は、低い程度の過熱を含んでいてよいので、単に飽和した蒸気を意味するものと捉えることはできない。その結果、この明細書を通じて、過熱された蒸気は、あらゆる過熱、非過熱蒸気が有してよい、100℃を超える過熱を有する蒸気を意味すると取られる。
【0022】
この明細書では、弁が言及され、位置の観点から例えばブランチ弁、機能の観点から調節又はブロック弁、又は設計の観点から例えばリリーフ弁又は作動される弁が、言及される。特に言及されない限り、弁は、任意の目的のための全ての公知の適切な弁を含む。しかしながら、特定の言及は、弁のその他の特性に制限を加えるものではない。例えば、作動される弁として設計された弁は、調節弁又はブロック弁であってよい。
【0023】
図1は蒸気プラント10を示しており、この蒸気プラント10の目的は、熱源から熱を抽出し、この熱を動力に変換することである。これは、蒸気回路の使用によって達成され、この蒸気回路において、熱エネルギを例えば熱交換器によって蒸気回路内へ転移させ、後から、例えば、低圧蒸気タービン12bと組み合わされた高圧蒸気タービン12a等の複数の蒸気タービン12によって、抽出することができる。閉ループ蒸気回路は通常、復水領域も有しているので、蒸気回路は、蒸気のみから成ることを意味しない。
【0024】
図1に示された典型的な蒸気プラント10の蒸気回路の典型的なエレメントの幾つかについて、ここでより詳細に説明する。連続的なループとしての蒸気回路は、蒸気回路において復水を気化又は加熱するための蒸気予熱器15を有している。予熱器15において予熱した後、蒸気は、過熱器16において過熱され、高圧蒸気タービン12へ供給され、この高圧蒸気タービン12においてエネルギが取り出される。高圧蒸気タービン12からの排気は再び別の過熱器16において過熱され、次いで、さらなるエネルギ取り出しのために中圧及び/又は低圧蒸気タービン12へ供給される。蒸気タービン12からの排気は復水され、サイクルを完了するために、予熱器15へ戻される。図1の典型的な蒸気プラント10は、2つの蒸気タービン12を備えて示されているが、典型的な実施形態は、1つの蒸気タービン12又は択一的に3つ以上の蒸気タービン12を備えて構成された蒸気プラント10に適用することもできる。
【0025】
一般に、蒸気プラント10の蒸気回路は、さらに、蒸気回路の高温及び低温領域に亘って延びる又は蒸気回路からの出口を提供する、ブランチ(分岐路)20を有している。これらのブランチ20は、流れモード及び非流れモードを有してよい。この明細書の文脈において、流れモード及び非流れモードとは、蒸気回路の蒸気又は復水の流れ又は非流れの状態を意味するのであり、予熱流等の補助的な加熱及び/又は冷却流蒸気回路から直接に取り出されるとしても、これらの流れを意味するものではない。図1に示されている典型的なブランチ20は、リリーフ弁14を備えたベントライン13と、蒸気タービンバイパスラインとを有しており、蒸気タービンバイパスラインの目的は、蒸気流を蒸気タービン12の中で完全に又は部分的に案内することである。
【0026】
図2に示された典型的な実施形態において、ブランチ20はブランチ弁24を有しており、このブランチ弁24を使用して、ブランチ20をプロセスから隔離し、これによりブランチ20を通る蒸気流を遮断することができる。ブランチ20はさらに、ブランチ弁24の上流に蒸気過熱低減器18を有しており、蒸気過熱低減器18の下流のブランチ20を冷却する。この形式において、ブランチ弁24を蒸気過熱低減器18の下流に配置することは、ブランチ弁24が低温に保たれることも保証し、より低い熱間強度の材料から形成することができる。
【0027】
ブランチ20がベントライン13である典型的な実施形態において、ブランチ弁24はリリーフ弁14である。
【0028】
典型的な実施形態において、蒸気過熱低減器18は、蒸気を735℃から600℃未満に過熱低減するように構成されている。735℃に適した合金は、NiCr23Co12Mo等のニッケル合金である。過熱低減されることにより、9〜12%マルテンサイト系クロム鋼等の、より低い熱間強度の材料を使用することができる。別の典型的な実施形態においては、600℃の蒸気が過熱低減される場合、例えば、9〜12%マルテンサイト系クロム鋼から、10CrMo910鋼又は同等のものへの変更が行われる。それぞれの場合に、材料変更は、管の直径の約10〜15倍の距離だけ蒸気過熱低減器18から下流に離れて行われてよい。これは、材料変更が行われる前に、ブランチの材料が冷却されるための十分な時間があることを保証する。
【0029】
図2〜図4に示された蒸気過熱低減器18は、過熱された蒸気が蒸気回路からブランチ20に進入する時に、冷却媒体を過熱された蒸気と混合するか又は冷却媒体を過熱された蒸気に噴射することによって、蒸気を過熱低減する。冷却媒体は、冷却媒体供給ライン23によって蒸気過熱低減器18に提供され、この冷却媒体供給ライン23には、隔離又は制御のいずれか又は両方のための弁25が配置されていてよい。
【0030】
図2に示したように、典型的な実施形態においては、過熱低減器18aはミキサであり、過熱されていない蒸気が冷却媒体として使用される。
【0031】
図3及び図4に示したように、典型的な実施形態においては、過熱低減器18bは水噴射クーラであり、冷却媒体として、蒸気回路を供給源とする水又は復水を利用する。
【0032】
非流れモードの間、例えば、ブランチ弁24が閉じられている時、蒸気過熱低減器18の下流のブランチ20における温度を制御するために、図1から図4に示したように、予熱ライン21,22の配列が使用されてよい。温度の制御は、より低い熱強さの材料の使用を可能にするだけでなく、ブランチ20が流れモードに変更された時の熱ショックによって生ぜしめられる損傷をも回避することになる。
【0033】
図2から図4に示された典型的な実施形態において、第1の予熱ライン21は、第1の端部において蒸気回路の過熱されていない領域に接続されている。図1に示された別の典型的な実施形態において、これは、蒸気タービン12の排気部と蒸気過熱器16との間又は蒸気予熱器15と過熱器16との間の箇所である。第2の端部において、第1の予熱ライン21はブランチ20の第1の端部領域に接続されている。
【0034】
第2の予熱ライン22は、第1の端部において、ブランチ20の、第1の端部領域とは反対側の第2の端部領域に接続されている。第2の端部において、第2の予熱ライン22は、運転中に第1の予熱ライン21が接続された過熱されていない蒸気領域よりも低い圧力を有するように構成された蒸気回路の箇所に接続されている。このような位置の例は、蒸気タービン12のうちの1つ、例えば図1に示された低圧蒸気タービン12bの、供給ラインである。この構成は、第1の予熱ライン21、ブランチ20、次いで最後に第2の予熱ライン22を順次に通って蒸気回路へ戻る過熱されていない蒸気の流れを可能にする。
【0035】
ブランチ20が流れモードである場合に第2の予熱ライン22を通る逆流を回避するために、第2の予熱ライン22は、典型的な実施形態において、図2から図4に示された弁25を有しており、この弁は、流れモードの間に逆流が最も起こりやすい時に閉じることができる。典型的な実施形態において、弁25は作動させられる弁であり、これにより、弁25の自動化された作動を可能にする。別の典型的な実施形態において、弁25は、逆止め弁(図示せず)又は、逆流を阻止するための公知のその他のパイプ装置である。
【0036】
典型的な実施形態において、ブランチ20には、非流れモードの間にブランチ20における温度を制御するための温度制御装置が設けられている。典型的な実施形態において、制御装置は、図3に示したように流れ制限装置31を含む。流れ制限装置31は、第1の予熱ライン21又は第2の予熱ライン22(図示せず)のいずれか又は両方に設けられた、オリフィス又はチューブであってよい。このように設けられている場合、流れ制限装置31の目的は、非流れモードの時に所定の流量の過熱されていない蒸気をブランチ20に、安価でかつ技術的に単純な形式で提供できるようにすることである。
【0037】
図4に示された別の典型的な実施形態において、制御装置は、第1の予熱ライン21及び蒸気過熱低減器18の冷却媒体供給ライン23の両方における流れ調節弁26と、ブランチ20の温度を測定するための、ブランチ20に設けられた温度測定装置30とを含む。これらの制御エレメントは、非流れモード及び流れモードの間に温度測定装置30から得られた測定値に基づいて調節弁26を調節するために公知の制御手段を使用する、論理制御装置のエレメントである。
【0038】
しかしながら、ブランチ20における温度制御はこれらの2つの制御装置の構成に限定されず、例えば、これらの制御方式のそれぞれのエレメントを有してよく、又はその他の公知の制御エレメントを有していてもよい。
【0039】
非流れモードのための、すなわちブランチ弁24が閉じている時の、図1及び図2〜図4に示された典型的な蒸気プラント10を構成するための典型的な方法は、順序はどうであれ、以下のステップ、すなわち、例えば冷却媒体供給ライン23における弁25を閉じることによって蒸気過熱低減器18への過熱低減器冷却流を隔離するステップと、第1の予熱ライン21又は第2の予熱ライン22のいずれか、又は第1の予熱ライン21及び第2の予熱ライン22の両方における1つ又は複数の弁25を開放させる又は開放させておくステップと、を含んでいる。1つ又は複数の弁25を開放させる又は開放させておくことにより、過熱されていない蒸気が、第1の予熱ライン21と、ブランチ20と、第2の予熱ライン22とを順次に流過することができる。
【0040】
流れモードのための、すなわちブランチ弁24が開放している時の、図1及び図2〜図4に示された典型的な蒸気プラント10を構成するための典型的な方法は、順序はどうであれ、例えば冷却媒体供給ライン23における1つ又は複数の弁25を開放させることによって蒸気過熱低減器18へ冷却流を提供することと、第2の予熱ライン22における弁25を閉鎖する又は閉鎖させておくこととを含む。
【0041】
ここでは最も実用的な実施形態であると考えられるものについて発明を図示及び説明してきたが、本発明はその他の特定の形式で実施することができる。従って、ここで開示された実施形態は全ての観点から例示的であり限定的ではないと考えられる。発明の範囲は、前記説明以外の添付の請求項によって示されており、発明の意味、範囲、及び均等物に含まれる全ての変更が含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0042】
10 蒸気プラント、 12,12a,12b 蒸気タービン、 13 ベントライン、 14 リリーフ弁、 15 予熱器、 16 蒸気過熱器、 18 蒸気過熱低減器、 18a ミキサ、 18b 水噴射クーラ、 20 ブランチ、 21 第1の予熱ライン、 22 第2の予熱ライン、 23 冷却馬体供給ライン、 24 ブランチ弁、 25 弁、 26 流れ調節弁、 30 温度測定装置、 31 流れ制限装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気プラント(10)であって、
蒸気回路と、
過熱された蒸気領域と過熱されていない蒸気領域との間の境界を規定する、蒸気回路における過熱器(16)と、
蒸気回路の過熱された蒸気領域からのブランチ(20)とが設けられており、該ブランチ(20)が、ブランチ弁(24)と、該ブランチ弁(24)の上流に設けられた蒸気過熱低減器(18)とを有しており、該蒸気過熱低減器が、冷却媒体供給ライン(23)を有している形式のものにおいて、
第1の予熱ライン(21)が設けられており、該第1の予熱ライン(21)が、第1の端部において過熱されていない蒸気領域に接続されており、第2の端部においてブランチ(20)の第1の端部領域に接続されており、
第2の予熱ライン(22)が設けられており、該第2の予熱ライン(22)が、第1の端部において、前記第1の端部と反対側の、ブランチ弁(24)の上流におけるブランチ(20)の第2の端部領域に接続されており、第2の端部において、作動時に第1の予熱ライン(21)が接続された過熱されていない領域よりも低い圧力を有する蒸気回路の箇所に接続されており、これにより、ブランチ弁(24)が閉じられている時に蒸気流が第1の予熱ライン(21)と、ブランチ(20)と、第2の予熱ライン(22)とをそれぞれ順次に流過することができるようになっていることを特徴とする、蒸気プラント。
【請求項2】
第1の端部領域がブランチ(20)の上流領域であり、第2の端部領域がブランチ(20)の下流領域である、請求項1記載の蒸気プラント。
【請求項3】
高圧蒸気タービン(12a)と、低圧蒸気タービン(12b)とが設けられており、第2の予熱ライン(22)の第2の端部が低圧蒸気タービン(12b)の上流に接続されている、請求項1記載の蒸気プラント。
【請求項4】
蒸気タービンバイパスが設けられており、ブランチ(20)が蒸気タービンバイパスである、請求項1又は3記載の蒸気プラント。
【請求項5】
ブランチ(20)がベントライン(13)であり、ブランチ弁(24)がリリーフ弁(14)である、請求項1又は3記載の蒸気プラント。
【請求項6】
第2の予熱ライン(22)に弁(25)が配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の蒸気プラント。
【請求項7】
請求項6の弁(25)が、作動される弁(25)である、請求項6記載の蒸気プラント。
【請求項8】
ブランチ弁(24)が閉じられているときのブランチ(20)における温度を制御するための温度制御システムが設けられている、請求項1から6までのいずれか1項記載の蒸気プラント。
【請求項9】
前記温度制御システムが、第1の予熱ライン(21)又は第2の予熱ライン(22)のいずれか又は両方に設けられた流れ制限装置(31)を含む、請求項8記載の蒸気プラント。
【請求項10】
第1の予熱ライン(21)に流れ調節弁(26)が設けられており、
蒸気過熱低減器(18)の冷却媒体供給ライン(23)に流れ調節弁(26)が設けられており、
ブランチ(20)の温度を測定するためにブランチ(20)に温度測定装置(30)が設けられており、
第1の予熱ライン(21)と冷却媒体供給ライン(23)との流れ調節弁(26)を調節することによって、温度測定装置(30)によって測定されたブランチ(20)の温度を制御するように構成された制御装置が設けられている、請求項8記載の蒸気プラント。
【請求項11】
ブランチ弁(24)が閉じられている時の非流れモードのために請求項7記載の蒸気プラント(10)を構成する方法において、
冷却媒体流を蒸気過熱低減器(18)から隔離し、
第1の予熱ライン(21)と、ブランチ(20)と、第2の予熱ライン(22)とを過熱されていない蒸気が順次に流過することができるように、第1の予熱ライン(21)又は第2の予熱ライン(22)のいずれか又は第1の予熱ライン(21)及び第2の予熱ライン(22)の両方における1つ又は複数の弁(25)を開放させるか又は開放させておくことを特徴とする、ブランチ弁が閉鎖されている時に非流れモードのために請求項7記載の蒸気プラントを構成する方法。
【請求項12】
蒸気過熱低減器(18)への冷却媒体流を提供し、
第2の予熱ライン(22)における弁(25)を閉じるか又は閉じておくことを特徴とする、ブランチ弁(24)が開放している時の流れモードのために請求項7記載の蒸気プラント(10)を構成する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−174465(P2011−174465A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−36991(P2011−36991)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5401 Baden, Switzerland
【Fターム(参考)】